(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016219
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】安全・安心・安定で荷物も運べる大トルク三輪自転車
(51)【国際特許分類】
B62M 1/32 20130101AFI20220114BHJP
B62K 5/027 20130101ALI20220114BHJP
【FI】
B62M1/32
B62K5/027
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020131075
(22)【出願日】2020-07-08
(71)【出願人】
【識別番号】520288490
【氏名又は名称】四十物 敏明
(72)【発明者】
【氏名】四十物 敏明
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA03
3D011AD11
(57)【要約】 (修正有)
【課題】走行時の始動や悪路・坂道等でペダル踏み込みに大きな力を必要としない機構を提供する。
【解決手段】走行力不足への対応として、従来の二輪自転車に比べて約5倍の長尺クランクを用いてワンウェイクラッチ経由で後輪ホイールに約5倍の回転トルクを伝える機構としている。また、左右のペダルを直線的に交互に踏み込み、ガイド機構のガイドプーリに掛けたガイドベルトの規定位置に固定した長尺クランクを繰り返し摺動位置まで往復摺動させ、クランク回転の上/下死点付近でのトルク発生デットゾーン及び、クランク回転角度における分力ロスを極力少なくし、ペダル踏み込み力を有効な回転力として後輪駆動側へ伝達できる機構としている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三輪自転車の後輪ホイール駆動機構(3)に接続するワンウェイクラッチ(4a/4b)装着可能な長尺クランク(2a/2b)。
【請求項2】
長尺クランク(2a/2b)の上下摺動を大きな回転トルクとして、後輪ホイールに大きな走行力に変換して供給するとともに、用途に応じた適切な走行距離・走行速度が得られように内装変速機を装備出来る後輪ホイール駆動機構(3)。
【請求項3】
長尺クランク(2a/2b)のペダル(1a/1b)を交互に踏み込んで規定位置の摺動ストッパ(上死点8a/8c、下死点8b/8d)まで繰り返し安定して直線的に往復摺動させるガイド機構(5)。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全・安心で安定して荷物も運べる三輪自転車であり、ペダル踏み込み力が従来自転車の約5倍の回転トルクを生み、その大トルクで走行力が約5倍に強化された機構を有する。
【背景技術】
【0002】
昨今の高齢化社会では、高齢者が自動車免許の早期返納等で自転車を使用するケースが増えているが、従来の二輪自転車では不安定で非力であり、高齢者の転倒事故多発等が問題となっている。 また、高齢者や子連れ主婦等の買物の荷物搬送でも不安定と非力さが使用上の不満となっている。
そこで、従来の二輪自転車の不安定で非力な機構を改善して事故対策ともなる「安全・安心・安定で荷物も運べる大トルク三輪自転車」を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の二輪自転車は、機構上の不安定さで高齢者転倒事故等が増えている。
また、従来のクランク回転駆動方式は、短いクランク長でペダル踏み込みによる回転トルクが小さい上、クランク回転の上/下死点付近でのトルク発生デットゾーン及び、クランク回転角度における分力ロスがあることから、ペダル踏み込み力を有効な駆動力として後輪へ伝達できずに非力となっているため、走行時の始動や悪路・坂道等でペダル踏み込みに大きな力が必用となり、自転車走行に無理な力を要して転倒し易くもなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は三輪自転車であり、機構上の安定感もあり安全・安心に荷物も運べる機構を有している。 なお、従来のクランク回転駆動方式に比べて約5倍の長尺クランク(2a/2b)を用いてワンウェイクラッチ(3a/3b)経由で後輪ホイール(15a/15b)に約5倍の大きな回転トルクを伝えられる。
また、左右のペダル(1a/1b)を直線的に交互に踏み込み(↓/↑)、ガイド機構(5)のガイドプーリ(6a/6b)に掛けたガイドベルト(7)の規定位置に固定した長尺クランクを繰り返し摺動位置(上死点8a/8c,下死点8b/8d)まで往復摺動させ、クランク回転における上/下死点付近のトルク発生デットゾーンもなく、クランク回転における分力ロスの少ない機構としている。
これらにより、効率よく大きな回転トルクを得て、安全・安心で安定して荷物も運べる三輪自転車として、無理なく楽に走行が出来る。
なお、本方式では回転トルクが約5倍となるが、ペダル踏み込み距離に対し後輪走行距離が少なくなるので、必要に応じて後輪ホイール駆動機構(3)に内装変速機(13)を装着し、走行距離・走行速度を調整することも出来る。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、従来の二輪自転車から三輪自転車とすることで、安全・安心・安定の上に荷物も運べる機構としている。
なお、走力強化としては、クランク長を従来のクランク回転駆動方式に比べ約5倍としており、回転モーメントが約5倍の回転トルクを発生出来る。
また、クランク回転の上/下死点付近でのトルク発生デットゾーン及び、クランク回転角度における分力ロスを極力少なくし、ペダル踏み込み力を有効な駆動力として後輪駆動側へ伝達できるようにしている。
これらにより、大きな回転トルクを有効な回転力として後輪駆動側に伝達できるので、自転車走行時の始動や坂道・悪路等でペダル踏みが楽になる。
なお、大きな回転トルクを得るために従来の二輪自転車のペダル踏み込み距離に対し走行距離・走行速度が減少したことについては、後輪駆動側の内装変速機により調整することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ペダル、長尺クランク(ワンウェイクラッチ装着)、ガイド機構、内装変速機装備の後輪ホイール駆動機構、三輪車フレーム、前輪ホイール、後輪ホイール(x2)、サドル、オプション荷台等の構成図
【
図3】ペダル、長尺クランク(ワンウェイクラッチ装着)、後輪ホイール駆動機構(機構フレーム、クランク軸、原動側スポロゲット、駆動チェーン、従動側スポロゲット、内装変速機、後輪ホイール駆動軸)、後輪ホイール(x2)等の構成図
【発明を実施するための形態】
【0008】
左右のペダル踏み込みで長尺クランクをスムーズに往復摺動できるように、ガイド機構の摺動位置(上死点8a/8c,下死点8b/8d)を調整する。
また、内装変速機による適正な走行距離・速度に調整する。
【符号の説明】
【0009】
・1a/1b: ペダル
・2a/2b: 長尺クランク
・3: 後輪ホイール駆動機構
・4a/4b: ワンウェイクラッチ
・5: ガイド機構(以下の部品で構成)
・6a/6b: ガイドプーリ
・7: ガイドベルト
・8a/8c,8b/8d: 摺動ストッパ(上死点、下死点)
・9: クランク軸
・10: 原動側スポロゲット
・11: 従動側スポロゲット
・12: 駆動チェーン
・13: 内装変速機
・14: 後輪ホイール駆動軸
・15a/15b: 後輪ホイール
・16: 三輪車フレーム
・17: オプション荷台