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特開2022-162217食品供給ディスペンサ、食品提供装置、食品供給方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162217
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】食品供給ディスペンサ、食品提供装置、食品供給方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/46 20060101AFI20221017BHJP
   B67D 1/08 20060101ALN20221017BHJP
   A23L 35/00 20160101ALN20221017BHJP
【FI】
A47J31/46 100
B67D1/08 Z
A23L35/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066913
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】591186176
【氏名又は名称】株式会社 ゼンショーホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 直人
(72)【発明者】
【氏名】増田 悠一
【テーマコード(参考)】
3E082
4B036
4B104
【Fターム(参考)】
3E082AA01
3E082BB10
3E082CC03
3E082DD01
3E082FF05
4B036LF05
4B036LF19
4B036LT07
4B104AA30
4B104BA56
4B104BA62
4B104BA63
4B104BA80
4B104CA11
4B104CA19
4B104DA11
4B104DA20
4B104DA33
4B104DA44
4B104EA19
(57)【要約】
【課題】液体の供給量を微調整することができる食品供給ディスペンサ、食品提供装置、食品供給方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】食品供給ディスペンサ200は、具材及び粘性液体が含まれるカレーを収容する具材有領域311と、粘性液体を収容する具材無領域312と、具材有領域311と具材無領域312とを連通するとともに粘性液体が通過可能かつ具材が通過不能な複数の貫通孔313aが形成され、具材有領域311と具材無領域312とを仕切る仕切壁313と、を有する収容タンク3と、具材有領域311に連通されカレーを供給する第1チューブ71と、具材無領域312に連通され粘性液体を供給する第2チューブ72と、第1チューブ71を開閉する第1電磁弁81と、第2チューブ72を開閉する第2電磁弁82と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形物及び液体が含まれる固液混合食品を収容する第1収容領域と、前記液体を収容する第2収容領域と、前記第1収容領域と前記第2収容領域とを連通するとともに前記液体が通過可能かつ前記固形物が通過不能な複数の連通孔が形成され、前記第1収容領域と前記第2収容領域とを仕切る仕切壁と、を有する収容部と、
前記第1収容領域に連通され前記固液混合食品を供給する第1供給路と、
前記第2収容領域に連通され前記液体を供給する第2供給路と、
前記第1供給路に設けられ前記第1供給路を開閉する第1バルブと、
前記第2供給路に設けられ前記第2供給路を開閉する第2バルブと、を備える、
食品供給ディスペンサ。
【請求項2】
前記第2供給路の流路径は、前記第1供給路の流路径よりも小さい、
請求項1に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項3】
前記第1収容領域は、柱状に形成され、
前記第2収容領域は、前記第1収容領域を取り囲む筒状に形成され、
前記第2収容領域を取り囲むように設けられる筒状の保温部をさらに備える、
請求項1又は2に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項4】
前記保温部は、熱湯を収容する保温槽から構成される、
請求項3に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項5】
前記第1収容領域には、前記固液混合食品を撹拌する撹拌機が設けられる、
請求項1から4のいずれか1項に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項6】
前記第1収容領域は、前記第1供給路の一端に接続される漏斗部を有する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項7】
外部と前記第1収容領域と連通する投入口をさらに備える、
請求項1から6のいずれか1項に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項8】
容器を載置可能に前記収容部の下方に設けられる載置部と、
前記載置部に設けられ、前記載置部に載置される前記容器の重量を検出する重量検出部と、
前記重量検出部により検出された重量に応じて前記第1バルブ及び前記第2バルブの開閉を制御するコントローラと、をさらに備える、
請求項1から7のいずれか1項に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項9】
前記固液混合食品の供給開始を許可する供給開始部をさらに備え、
前記コントローラは、
前記供給開始部が操作された場合に、前記第1バルブを開放することにより前記固液混合食品を前記第1収容領域から前記第1供給路を通じて前記容器へ供給し、
前記重量検出部により検出された重量が第1閾値に達した場合に、前記第1バルブを閉止することにより前記第1収容領域からの前記固液混合食品の供給を停止し、一方、前記第2バルブを開放することにより前記液体を前記第2収容領域から前記第2供給路を通じて前記容器へ供給し、
前記重量検出部により検出された重量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、前記第2バルブを閉止することにより前記第2収容領域からの前記液体の供給を停止するように前記第1バルブ及び前記第2バルブの開閉を制御する、
請求項8に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記容器が前記載置部に載置された場合に、前記第1バルブを開放することにより前記固液混合食品を前記第1収容領域から前記第1供給路を通じて前記容器へ供給し、
前記重量検出部により検出された重量が第1閾値に達した場合に、前記第1バルブを閉止することにより前記第1収容領域からの前記固液混合食品の供給を停止し、一方、前記第2バルブを開放することにより前記液体を前記第2収容領域から前記第2供給路を通じて前記容器へ供給し、
前記重量検出部により検出された重量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、前記第2バルブを閉止することにより前記第2収容領域からの前記液体の供給を停止するように前記第1バルブ及び前記第2バルブの開閉を制御する、
請求項8に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項11】
前記固液混合食品の供給量を選択する供給量選択部をさらに備え、
前記コントローラは、前記供給量選択部への操作により選択される供給量に応じて、前記第1閾値及び前記第2閾値を決定する、
請求項9又は10に記載の食品供給ディスペンサ。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1項に記載の食品供給ディスペンサと、
前記固液混合食品が前記食品供給ディスペンサにより供給された容器を加熱する加熱機構と、
前記加熱機構の上方において前記容器を揺動する揺動機構と、を備える、
食品提供装置。
【請求項13】
請求項8に記載の食品供給ディスペンサに用いられる食品供給方法であって、
前記食品供給ディスペンサは、前記固液混合食品の供給開始を許可する供給開始部をさらに備え、
前記供給開始部が操作された場合に、前記第1バルブを開放することにより前記固液混合食品を前記第1収容領域から前記第1供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が第1閾値に達した場合に、前記第1バルブを閉止することにより前記第1収容領域からの前記固液混合食品の供給を停止し、一方、前記第2バルブを開放することにより前記液体を前記第2収容領域から前記第2供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、前記第2バルブを閉止することにより前記第2収容領域からの前記液体の供給を停止するステップと、を含む、
食品供給方法。
【請求項14】
請求項8に記載の食品供給ディスペンサに用いられる食品供給方法であって、
前記容器が前記載置部に載置された場合に、前記第1バルブを開放することにより前記固液混合食品を前記第1収容領域から前記第1供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が第1閾値に達した場合に、前記第1バルブを閉止することにより前記第1収容領域からの前記固液混合食品の供給を停止し、一方、前記第2バルブを開放することにより前記液体を前記第2収容領域から前記第2供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、前記第2バルブを閉止することにより前記第2収容領域からの前記液体の供給を停止するステップと、を含む、
食品供給方法。
【請求項15】
請求項8に記載の食品供給ディスペンサの動作に用いられるプログラムであって、
前記食品供給ディスペンサは、前記固液混合食品の供給開始を許可する供給開始部をさらに備え、
コンピュータに、
前記供給開始部が操作された場合に、前記第1バルブを開放することにより前記固液混合食品を前記第1収容領域から前記第1供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が第1閾値に達した場合に、前記第1バルブを閉止することにより前記第1収容領域からの前記固液混合食品の供給を停止し、一方、前記第2バルブを開放することにより前記液体を前記第2収容領域から前記第2供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が前記第1閾値よりも高い第2閾値に達した場合に、前記第2バルブを閉止することにより前記第2収容領域からの前記液体の供給を停止するステップと、を実行させる、
プログラム。
【請求項16】
請求項8に記載の食品供給ディスペンサの動作に用いられるプログラムであって、
コンピュータに、
前記容器が前記載置部に載置された場合に、前記第1バルブを開放することにより前記固液混合食品を前記第1収容領域から前記第1供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が第1閾値に達した場合に、前記第1バルブを閉止することにより前記第1収容領域からの前記固液混合食品の供給を停止し、一方、前記第2バルブを開放することにより前記液体を前記第2収容領域から前記第2供給路を通じて前記容器へ供給するステップと、
前記重量検出部により検出された重量が前記第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、前記第2バルブを閉止することにより前記第2収容領域からの前記液体の供給を停止するステップと、を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品供給ディスペンサ、食品提供装置、食品供給方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、容器からスープ飲料を食器へ供給する食品供給ディスペンサが公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4506287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の食品供給ディスペンサでは、スープ飲料が容器に設けられる単一の筒口を通じて容器から吐出(供給)されるため、固形物及び液体が含まれる固液混合食品を筒口から吐出(供給)する場合に筒口の径を大きくしなければならない。よって、液体の吐出量(供給量)を微調整することは困難である。
【0005】
そこで、本発明は、このような事情に鑑み、液体の供給量を微調整することができる食品供給ディスペンサ、食品提供装置、食品供給方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、固形物及び液体が含まれる固液混合食品を収容する第1収容領域と、前記液体のみを収容する第2収容領域と、前記第1収容領域と前記第2収容領域とを連通するとともに前記液体が通過可能かつ前記固形物が通過不能な複数の連通孔が形成され、前記第1収容領域と前記第2収容領域とを仕切る仕切壁と、を有する収容部と、前記第1収容領域に連通され前記固液混合食品を供給する第1供給路と、前記第2収容領域に連通され前記液体を供給する第2供給路と、前記第1供給路に設けられ前記第1供給路を開閉する第1バルブと、前記第2供給路に設けられ前記第2供給路を開閉する第2バルブと、を備える食品供給ディスペンサが提供される。
【発明の効果】
【0007】
この態様によれば、二つの供給路(すなわち、第1供給路及び第2供給路)を用いてそれぞれ固液混合食品及び液体を供給するため、液体の供給量を微調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る食品提供装置を示す斜視図である。
図2】食品供給ディスペンサの要部を示す概略構成図である。
図3】収容タンクを示す概略構成図である。
図4】食品供給ディスペンサの構成を示すブロック図である。
図5】コントローラの構成を示すブロック図である。
図6】加熱用鍋を示す平面図である。
図7】食品提供方法を示すフローチャートである。
図8】食品供給処理を示すフローチャートである。
図9】第2変形例に係る食品供給処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態(以下、本実施形態と称する。)について説明する。なお、本明細書においては、全体を通じて、同一の要素には同一の符号を付する。
【0010】
(食品提供装置の構成)
まず、図1を参照しながら本実施形態に係る食品提供装置100の構成について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る食品提供装置100を示す斜視図である。なお、図1において、食品提供装置100の左右方向(長手方向)、前後方向(幅方向)及び上下方向(鉛直方向)を、それぞれX軸に沿う方向、Y軸に沿う方向及びZ軸に沿う方向とする。以下、説明の便宜上、食品提供装置100左右方向(長手方向)、前後方向(幅方向)及び上下方向(鉛直方向)を単に左右方向(長手方向)、前後方向(幅方向)及び上下方向(鉛直方向)と称する。
【0012】
図1に示すような食品提供装置100は、保温中の固液混合食品を容器としての加熱用鍋500へ供給し、固液混合食品が供給された加熱用鍋500を加熱し、加熱済みの固液混合食品を加熱用鍋500から顧客へ提供するための装置である。食品提供装置100は、業務用食品提供装置として例えば、牛丼屋、カレー屋、寿司屋又はファミリーレストラン等の飲食店に設置されて用いられる。また、食品提供装置100は、食品供給ディスペンサ200、加熱機構300及び揺動機構400を備える。
【0013】
本実施形態では、カレーを固液混合食品の一例として説明する。しかしながら、固液混合食品は、カレーに限定されるものではなく、例えば、シチューやスープであってもよい。カレーは、肉類カレー、魚介類カレー又は野菜類カレーを含むが、これらに限定されるものではない。また、固液混合食品としてのカレーは、固形物としての具材(具体的には、魚、肉又は野菜)と、液体としての粘性液体(具体的には、ソース)とから構成される。
【0014】
(食品供給ディスペンサの構成)
次に、図1から図5を参照しながら食品供給ディスペンサ200の構成について詳細に説明する。
【0015】
図2は、食品供給ディスペンサ200の要部を示す概略構成図である。図3は、収容タンク3を示す概略構成図である。図4は、食品供給ディスペンサ200の構成を示すブロック図である。図5は、コントローラ12の構成を示すブロック図である。
【0016】
食品供給ディスペンサ200は、保温中のカレーを加熱用鍋500へ供給するためのディスペンサである。図1から図5に示すように、食品供給ディスペンサ200は、荷台1、ケース部材2、収容部としての収容タンク3、投入口4、保温機構5、加熱部としてのボイラー6、供給路機構7、バルブ機構8、載置部9、重量検出部としての重量センサ10、操作機構11及びコントローラ12を備える。
【0017】
荷台1は、飲食店の厨房等に設置される。荷台1の天板には、操作機構11が設けられる。荷台1内には、ボイラー6が収容される。
【0018】
図1に示すように、ケース部材2は、荷台1の天板に立設される。ケース部材2は、略ボックス型の上ケース21及び略ボックス型の下ケース22を有する。上ケース21と下ケース22との間には、上ケース21の底壁としての隔壁23が設けられる(図2参照)。隔壁23の中央には、略円形状の開口24が形成される(図2参照)。
【0019】
上ケース21は、下ケース22を介して荷台1に支持される。上ケース21内には、収容タンク3及び保温機構5が収容される。また、上ケース21は、下ケース22と連結される上ケース本体211と、着脱可能に上ケース本体211の上方に装着される上蓋212と、を有する。上ケース本体211の正面の上方には、投入口4を設けるための切欠213が形成される。なお、上ケース21は、必要に応じてさらに大きくすることもできる。
【0020】
下ケース22は、荷台1と上ケース21とを連結する。下ケース22内には、供給路機構7、バルブ機構8、載置部9、重量センサ10及びコントローラ12が収容される。下ケース22の正面の下方には、加熱用鍋500を出し入れするための出入口221が形成される。出入口221の上方には、供給路機構7、バルブ機構8、載置部9、重量センサ10及びコントローラ12のメンテナンスを行いやすくするための窓口222が形成される。窓口222には、着脱可能な窓223が設けられる。
【0021】
収容タンク3は、カレーを収容するためのタンクである。図1及び図2に示すように、収容タンク3は、タンク本体31及びタンク蓋32を有する。
【0022】
タンク本体31は、有底筒状(具体的には、有底円筒状)に形成される。タンク本体31は、第1収容領域としての具材有領域311と、第2収容領域としての具材無領域312と、具材有領域311と具材無領域312とを仕切る仕切壁313と、を有する。なお、具材有領域311の容積は、具材無領域312の容積よりも大きい。
【0023】
具材有領域311は、具材及び粘性液体が含まれるカレーを収容するための領域である。具材有領域311は、仕切壁313によって取り囲まれることで、柱状(具体的には、円柱状)に形成される。具材有領域311は、下方に隔壁23の開口24を貫通する漏斗部311aを有する(図3参照)。漏斗部311aの下端には、円形状の第1連通孔311bが形成される。これにより、供給時に具材有領域311に収容されたカレーを自重によりスムーズに第1連通孔311bへ供給することができる。この結果、カレーの具材が具材有領域311の底部に残留することは解消される。第1連通孔311bは、径が具材及び粘性液体の両方が通過可能に形成される。
【0024】
具材無領域312は、粘性液体のみを収容するための領域である。具材無領域312は、具材有領域311を取り囲むように所定の厚みを有する筒状(具体的には、円筒状)に形成される。また、具材無領域312は、タンク本体31の周壁と仕切壁313との間に形成される領域である。さらに、具材無領域312は、環状(具体的には、円環状)の底壁312aが隔壁23と当接することにより、上ケース21によって支持される。具材無領域312の底壁312aには、円形状の第2連通孔312bが形成される。なお、第2連通孔312bの径は、第1連通孔311bの径よりも小さい。
【0025】
仕切壁313は、筒状(具体的には、円筒状)に形成される。仕切壁313は、両端がそれぞれタンク本体31の周壁の両端と面一となるように形成される。仕切壁313には、複数の連通孔としての円形状の貫通孔313aが均等に形成される。すなわち、複数の貫通孔313aは、仕切壁313の全周に亘って均等に形成される。貫通孔313aは、具材有領域311と具材無領域312とを連通するとともに粘性液体が通過可能かつ具材が通過不能に形成される。このため、具材有領域311に収容されたカレーの具材が貫通孔313aを介して具材無領域312に入り込むことを制限することができる。
【0026】
ここでは、粘性液体とは、完全な液体だけではなく、貫通孔313aを通過するもの(微小固形物を含む物等)も含まれる。貫通孔313aの径は、第2連通孔312bの径以下である。これにより、第2連通孔312bの詰まりを低減することができる。
【0027】
タンク蓋32は、着脱可能にタンク本体31の上方に装着される。タンク蓋32は、下面がタンク本体31の周壁の上端及び仕切壁313の上端の両方と全周に亘って当接する。このため、タンク本体31を封止するとともに、貫通孔313aによる具材有領域311と具材無領域312との連通を排除することができる。
【0028】
タンク蓋32には、カレーを撹拌するための撹拌機33が連結される。タンク蓋32がタンク本体31の上方に装着された状態において、撹拌機33は、具材有領域311に位置する。これにより、具材有領域311に収容されたカレー及び具材無領域312に収容された粘性液体を撹拌することができるため、供給時におけるカレーの温度のばらつきを抑制することができる。
【0029】
図1に示すように、投入口4は、外部と具材有領域311とを連通するように上ケース21の切欠213に設けられる。これにより、カレーを収容タンク3に投入する際に具材無領域322に入り込むことを制限することができる。この結果、具材による第2連通孔312bの詰まりを排除することができる。
【0030】
本実施形態では、タンク本体31は、有底筒状(具体的には、有底円筒状)に形成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、ボックス型に形成されてもよい。この場合に、仕切壁313によって取り囲まれる具材有領域311には、パドル型の撹拌機が収容される。
【0031】
保温機構5は、収容タンク3を保温するための機構である。図2及び図4に示すように、保温機構5は、保温部としての保温槽51及び保温ヒータ52を有する。
【0032】
保温槽51は、熱湯を収容するための収容槽である。保温槽51は、一定の厚みを有する筒状に形成される。また、保温槽51は、上ケース本体211の周壁とタンク本体31の周壁との間に形成される。具体的には、保温槽51は、上ケース本体211の周壁、隔壁23及びタンク本体31の周壁によって取り囲まれる。これにより、具材有領域311及び具材無領域312を有する収容タンク3全体を保温槽51に収容された熱湯により均等に保温することができる。
【0033】
そして、あらかじめ工場等で製造されたレトルトカレーをパック毎に保温槽51に投入し、熱湯により温める(予熱する)。これにより、カレーを予熱することなく、投入口4から直接的に収容タンク3の具材有領域311に投入して加熱する場合に比べ、カレーの加熱効率を向上させることができる。
【0034】
保温ヒータ52は、保温槽51に供給された熱湯の温度を所定の第1温度を下回らないように保温するためのヒータである。本実施形態では、保温ヒータ52は、保温槽51の外周側(具体的には、上ケース本体211の周壁の内側)に装着される。具体的には、四つの保温ヒータ52は、それぞれ四つの上ケース本体211の周壁の内側に装着される。しかしながら、保温ヒータ52は、これに限定されるものではなく、例えば保温槽51の内周側(具体的には、タンク本体31の周壁の外側)に装着されてもよい。
【0035】
ボイラー6は、外部から供給された水を加熱するための加熱器である。ボイラー6は、荷台1内に収容されるように設けられる。また、図4に示すように、ボイラー6は、外部から供給された水を熱湯に加熱し、加熱された熱湯を流路を通じて保温槽51へ供給する。
【0036】
供給路機構7は、収容タンク3に収容されたカレーを加熱用鍋500へ供給するための機構である。図1から図4に示すように、供給路機構7は、第1供給路としての第1チューブ71及び第2供給路としての第2チューブ72を有する。
【0037】
第1チューブ71は、具材有領域311に収容されたカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)をカレーの自重により載置部9に載置された加熱用鍋500へ供給するためのチューブである。第1チューブ71は、一端としての上端が具材有領域311(具体的には、具材有領域311の第1連通孔311b)に連通されるように上下方向(鉛直方向)に沿って延在する。なお、第1チューブ71は、具材が通過可能に形成される。
【0038】
一方、第2チューブ72は、具材無領域312に収容されたカレーの粘性液体を液体の自重により載置部9に載置された加熱用鍋500へ供給するためのチューブである。第2チューブ72は、一端としての上端が具材無領域312(具体的には、具材無領域312の第2連通孔312b)に連通されるように上下方向(鉛直方向)に沿って延在する。なお、第2チューブ72の流路径は、第1チューブ71の流路径よりも小さい。これにより、カレーの供給量のばらつきを抑制し、粘性液体の供給量を微調整することができる。
【0039】
バルブ機構8は、供給路機構7の流路を開閉するための機構である。バルブ機構8は、外部から視認不能に下ケース22内に収容される。また、図2及び図4に示すように、バルブ機構8は、第1バルブとしての第1電磁弁81及び第2バルブとしての第2電磁弁82を有する。
【0040】
第1電磁弁81は、第1チューブ71の流路を開閉するように第1チューブ71に設けられる。第1電磁弁81は、第1チューブ71の流路を開放することにより、具材有領域311によるカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)の供給を行うことができる。一方、第1電磁弁81は、第1チューブ71の流路を閉止することにより、具材有領域311によるカレーの供給を停止することができる。このように、第1電磁弁81は、第1チューブ71の流路を開閉することにより、具材有領域311からカレーを自重により第1チューブ71を通じて供給することができる。
【0041】
第2電磁弁82は、第2チューブ72の流路を開閉するように第2チューブ72に設けられる。第2電磁弁82は、第2チューブ72の流路を開放することにより、具材無領域312による粘性液体の供給を行うことができる。一方、第2電磁弁82は、第2チューブ72の流路を閉止することにより、具材無領域312による粘性液体の供給を停止することができる。このように、第2電磁弁82は、第2チューブ72の流路を開閉することにより、具材無領域312から粘性液体を自重により第2チューブ72を通じて供給することができるため、粘性液体の供給量を微調整することができる。
【0042】
本実施形態では、第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉は、コントローラ12によって自動的に制御されているが、これに限定されるものではなく、例えば、飲食店の従業員としてのユーザによって手動的に制御されてもよい。
【0043】
載置部9は、加熱用鍋500を載置するための載置部である。図1に示すように、載置部9は、収容タンク3の下方に位置するように下ケース22内に設けられる。
【0044】
重量センサ10は、載置部9に載置された加熱用鍋500の重量(加熱用鍋500にカレーが供給された場合に加熱用鍋500とカレーとを足し合わせた重量)を検出するためのセンサである。図4に示すように、重量センサ10は、載置部9に内蔵される。
【0045】
本実施形態では、重量センサ10を用いてカレーの供給量を検出しているが、これに限定されるものではなく、流量計を用いてカレーの供給量を検出してもよい。この場合に、流量計は、第1チューブ71及び第2チューブ72に設けられる。
【0046】
操作機構11は、食品供給ディスペンサ200への操作を実現するための操作子である。図1に示すように、本実施形態では、操作機構11は、荷台1の天板に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、ケース部材2の正面に設けられてもよい。図1及び図4に示すように、操作機構11は、供給量選択部111及び供給開始部112を有する。
【0047】
供給量選択部111は、加熱用鍋500へ供給されるカレーの供給量(例えば、特盛、大盛、並盛及び小盛を含むもの)を選択するための操作ボタンである。供給開始部112は、カレーの供給開始を許可するための操作ボタンである。
【0048】
本実施形態では、操作機構11は、供給量選択部111及び供給開始部112を有するボタン式操作子から構成されている。しかしながら、操作機構11は、これに限定されるものではなく、例えば、タッチパネル式操作子から構成されてもよい。
【0049】
コントローラ12は、食品供給ディスペンサ200の動作(具体的には、収容タンク3の撹拌機33、保温機構5の保温ヒータ52、ボイラー6、バルブ機構8及び操作機構11の各動作)を制御するためのコントローラである。本実施形態では、コントローラ12は、コンピュータとしてのCPUによって構成されているが、これに限定されるものではなく、例えば、複数のマイクロコンピュータによって構成されてもよい。また、コントローラ12は、撹拌機33、保温ヒータ52、ボイラー6、バルブ機構8、重量センサ10及び操作機構11とは電気的に接続される。
【0050】
また、本実施形態では、コントローラ12は、下ケース22内に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば、荷台1内に設けられてもよい。
【0051】
具体的には、図5に示すように、コントローラ12は、インタフェース121、加熱制御部としての加熱制御モジュール122、保温制御部としての保温制御モジュール123、撹拌制御部としての撹拌制御モジュール124、閾値決定部としての閾値決定モジュール125、バルブ制御部としてのバルブ制御モジュール126、判定部としての判定モジュール127及び記憶部としてのメモリモジュール128を有する。なお、コントローラ12の各モジュールは、ハードウェアによって構成されてもよいし、ソフトウェアによって構成されてもよい。
【0052】
インタフェース121、加熱制御モジュール122、保温制御モジュール123、撹拌制御モジュール124、閾値決定モジュール125、バルブ制御モジュール126及び判定モジュール127の詳細については、後述する。
【0053】
メモリモジュール128は、閾値決定に用いられる閾値決定用テーブル(図示しない)を記憶する。メモリモジュール128は、重量センサ10から出力された重量に関する情報を一時的に記憶するメモリである。また、メモリモジュール128は、各モジュール122~127において実行される処理プログラム又はアルゴリズムプログラムを記憶する。本実施形態では、メモリモジュール128は、コントローラ12に内蔵されているが、これに限定されるものではなく、例えば、コントローラ12とは別体に設けられてもよい。
【0054】
(加熱機構及び揺動機構の構成)
次に、図1を参照しながら加熱機構300及び揺動機構400の構成について説明する。
【0055】
加熱機構300は、加熱用鍋500を加熱するための機構である。図1に示すように、加熱機構300は、複数の誘導加熱機301から構成される。複数の誘導加熱機301は、それぞれ環状(具体的には、円環状)に形成されるように荷台1の天板に埋め込まれる。
【0056】
揺動機構400は、加熱用鍋500を揺動するための機構である。揺動機構400は、荷台1の天板の上方に設けられる。また、図1に示すように、揺動機構400は、モータ収容部としてのモータ収容ケース401、複数のモータ402及び複数の揺動フレーム403を有する。
【0057】
モータ収容ケース401は、複数のモータ402を収容するためのケースである。モータ収容ケース401は、左右方向(長手方向)に沿って延在するように荷台1の天板の上方の後側に設けられる。
【0058】
複数のモータ402は、複数の揺動フレーム403を駆動するための駆動部である。複数のモータ402は、回転軸が上下方向(鉛直方向)に沿って延在するとともに左右方向(長手方向)に沿って配列されるようにモータ収容ケース401に収容される。
【0059】
複数の揺動フレーム403は、荷台1の天板の上方に設けられる。揺動フレーム403は、駆動伝達機構(図示しない)を介してモータ402と連結される。駆動伝達機構は、モータ402の回転駆動を直線駆動に変換して揺動フレーム403に伝達する。すなわち、揺動フレーム403は、モータ402によって駆動伝達機構を介して駆動される。これにより、揺動フレーム403は、水平方向において揺動される。具体的には、揺動フレーム403は、前後方向(幅方向)に沿って往復移動する。
【0060】
また、揺動フレーム403は、保持フレーム403a及び連結フレーム403bを有する。保持フレーム403aは、加熱用鍋500を保持するためのフレームである。保持フレーム403aは、内周が加熱用鍋500の外周と当接するようにC字型の円弧状(又は円環状)に形成される。連結フレーム403bは、保持フレーム403aと駆動伝達機構とを連結するための連結部である。連結フレーム403bは、前後方向(幅方向)にそって延在するように形成される。
【0061】
(加熱用鍋の構成)
次に、図1及び図6を参照しながら加熱用鍋500の構成について説明する。
【0062】
図6は、加熱用鍋500を示す平面図である。
【0063】
加熱用鍋500は、供給されたカレーを収容するための容器である。図1及び図6に示すように、加熱用鍋500は、鍋本体501及び柄502を有する。
【0064】
鍋本体501は、誘導加熱機301に対応させるものであって、高い熱伝導性を有するステンレス、アルミ、鉄、銅又はこれらを組み合わせた金属等の材質により構成される。鍋本体501の加熱効率を高めるために、鍋本体501の底壁を平板状とすることが好ましい。鍋本体501としては、一般的に市販されるものを用いることができる。鍋本体501は、有底筒状(具体的には、有底円筒状)に形成される。また、鍋本体501は、カレー非収容領域501aと、カレー収容領域501bと、カレー非収容領域501aとカレー収容領域501bとを隔離する筒状(具体的には、円筒状)の隔離壁501cと、を有する。
【0065】
カレー非収容領域501aは、カレーを収容しないための領域である。カレー非収容領域501aは、隔離壁501cによって取り囲まれることで、柱状(具体的には、円柱状)に形成される。このため、カレー非収容領域501aは、平面視において円形状に形成される。そして、円形状のカレー非収容領域501aは、誘導加熱機301の内周側に形成される円形状の領域に対応するため、誘導加熱機301によって加熱されにくい領域である。加熱されにくい領域であるカレー非収容領域501aには、カレーが収容されないため、カレーの加熱効率を向上させることができる。
【0066】
カレー収容領域501bは、カレーを収容するための領域である。カレー収容領域501bは、カレー非収容領域501aを取り囲むように所定の厚みを有する筒状(具体的には、円筒状)に形成される。このため、カレー収容領域501bは、平面視において環状(具体的には、円環状)に形成される。そして、環状(具体的には、円環状)のカレー収容領域501bは、環状(具体的には、円環状)の誘導加熱機301の領域に対応するため、誘導加熱機301によって加熱されやすい領域である。加熱されやすい領域であるカレー収容領域501bには、カレーが収容されるため、カレーの加熱効率を向上させることができる。
【0067】
そして、第1チューブ71からのカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)及び第2チューブ72からの粘性液体は、載置部9に載置された加熱用鍋500のカレー収容領域501bへ供給される。
【0068】
柄502は、ユーザが把持するための部材である。柄502は、鍋本体501の周壁に装着される。柄502は、熱伝導性が低い材質から構成されることが好ましい。
【0069】
(食品提供方法)
次に、図7を参照しながら本実施形態に係る食品提供方法について説明する。
【0070】
図7は、食品提供方法を示すフローチャートである。
【0071】
食品提供装置100の電源を入れると、食品提供方法が開始される。
【0072】
図7に示すように、まず、ステップS1において、ボイラー6は、外部から供給された水を第1所定温度である熱湯に加熱し、加熱した熱湯を保温槽51へ供給し、ステップS2に進む。具体的には、ステップS1において、ボイラー6は、コントローラ12の加熱制御モジュール122から出力されたボイラー6の動作指令に基づいて、外部から供給された水を熱湯に加熱し、加熱した熱湯を保温槽51へ供給する。
【0073】
次に、ステップS2において、ユーザは、レトルトカレーをパック毎に保温槽51に投入し、熱湯により温め(予熱し)、ステップS3に進む。具体的には、ユーザは、レトルトカレーを収容タンク3の具材有領域311へ投入する前に、パック毎に保温槽51に投入し、熱湯により所定時間温める(予熱する)。これにより、カレーを予熱することなく、投入口4から直接的に収容タンク3の具材有領域311に投入して加熱する場合に比べ、カレーの加熱効率を向上させることができる。
【0074】
次に、ステップS3において、ユーザは、所定時間温められた(予熱された)レトルトカレーの中身(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)を投入口4から直接的に収容タンク3(具体的には、具材有領域311)に投入し、ステップS4に進む。
【0075】
そして、具材有領域311に投入されたカレーのうちの粘性液体は、仕切壁313に形成される貫通孔313aを通過して、具材無領域312に流れ込む。これにより、具材有領域311及び具材無領域312は、それぞれカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)及び粘性液体によって充填される。なお、具材無領域312に収容された粘性液体は、貫通孔313aを通過して、具材有領域311に流れ込むこともできる。
【0076】
次に、ステップS4において、撹拌機33は収容タンク3に収容されたカレーを撹拌するとともに、保温ヒータ52は収容タンク3内の温度を第1温度に保温し、ステップS5に進む。
【0077】
具体的には、ステップS4において、撹拌機33は、コントローラ12の撹拌制御モジュール124から出力された撹拌機33の動作指令に基づいて、具材有領域311に収容されたカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)及び具材無領域312に収容された粘性液体を撹拌する。これにより、収容タンク3に収容されたカレーの温度のばらつきを抑制することができる。
【0078】
同時に、保温ヒータ52は、コントローラ12の保温制御モジュール123から出力された保温ヒータ52の動作指令に基づいて、収容タンク3内の温度を第1温度に保温する。
【0079】
次に、ステップS5において、食品供給ディスペンサ200は、カレーを加熱用鍋500へ供給し(すなわち、食品供給処理を行い)、ステップS6に進む。なお、ステップS5の詳細については後述する。
【0080】
次に、ステップS6において、誘導加熱機301はカレーが供給された加熱用鍋500を第2温度に加熱するとともに、揺動機構400は加熱用鍋500を前後方向(幅方向)に沿って揺動し、ステップS7に進む。これにより、加熱用鍋500を揺動しながら加熱用鍋500に供給されたカレーを均等に加熱することができるため、提供されるカレーの温度のばらつきをより抑制することができる。また、加熱用鍋500を揺動機構400によって揺動するため、ユーザの作業性を向上させることができる。なお、第2温度は、第1温度よりも高い高温である。
【0081】
次に、ステップS7において、ユーザは、加熱された加熱用鍋500内のカレーを顧客に提供される食器としての皿等に盛り付け、カレーが盛り付けられた皿等を顧客に提供し、食品提供方法を終了する。
【0082】
(食品供給処理)
次に、図8を参照しながら食品供給ディスペンサ200による食品供給処理(食品供給方法/すなわち、ステップS5)の詳細について説明する。
【0083】
図8は、食品供給処理(すなわち、ステップS5)を示すフローチャートである。
【0084】
図8に示すように、まず、ステップS501において、コントローラ12の閾値決定モジュール125は、ユーザによる供給量選択部111への操作により選択される供給量(例えば、特盛、大盛、並盛及び小盛を含むもの)に応じて、第1閾値及び第2閾値を決定し、ステップS502に進む。
【0085】
第1閾値は、具材有領域311から第1チューブ71を通じて供給されるカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)の供給量を決定するための閾値である。一方、第2閾値は、具材無領域312から第2チューブ72を通じて供給される粘性液体の供給量を決定するための閾値である。なお、第2閾値は、第1閾値よりも大きい閾値である。
【0086】
具体的には、ステップS501において、供給量選択部111は、ユーザによって選択された供給量に関する供給量情報をコントローラ12に出力する。そして、コントローラ12の閾値決定モジュール125は、供給量選択部111からインタフェース121を介して出力された供給量情報に応じて、第1閾値及び第2閾値を決定する。これにより、第1閾値及び第2閾値を可変にすることができるため、カレーの供給量を可変に制御することができる。
【0087】
より具体的には、ステップS501において、閾値決定モジュール125は、供給量選択部111から出力された供給量情報と、メモリモジュール128に記憶された閾値決定用テーブルとに応じて、当該供給量情報に対応する第1閾値及び第2閾値を決定(選択)する。
【0088】
次に、ステップS502において、コントローラ12のバルブ制御モジュール126は、供給開始部112から出力され供給開始指令を取得し、ステップS503に進む。具体的には、ステップS502において、供給開始部112は、ユーザによる供給開始部112への供給開始操作に関する供給開始指令をインタフェース121を介してバルブ制御モジュール126に出力する。そして、バルブ制御モジュール126は、供給開始部112から出力された供給開始指令を取得する。
【0089】
次に、ステップS503において、バルブ制御モジュール126は、取得した供給開始指令に基づいて第1電磁弁81を開放するように制御し、ステップS504に進む。具体的には、ステップS503において、バルブ制御モジュール126は、供給開始指令に基づいて、第1電磁弁81を開放するとともに第2電磁弁82を閉止するように第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御する。
【0090】
そして、第1電磁弁81の開放によって、先に具材有領域311からカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)を第1チューブ71を通じて加熱用鍋500のカレー収容領域501bへ供給ことができる。同時に、第2電磁弁82の閉止によって、第2チューブ72による具材無領域312からカレー収容領域501bへの粘性液体の供給を行わない。すなわち、第2チューブ72による粘性液体の供給を行うことなく、先に第1チューブ71によるカレーの供給を行うことができる。
【0091】
このように、第2チューブ72による粘性液体の供給が行われずに、第1チューブ71によるカレーの供給が行われると、具材有領域311に収容されたカレーは減少する。そして、その減少を補填するため、具材無領域312に収容された粘性液体は、仕切壁313に形成される貫通孔313aを通過して具材有領域311に流れ込む。
【0092】
次に、ステップS504において、重量センサ10は、載置部9に載置された加熱用鍋500と加熱用鍋500に供給されたカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)とを足し合わせた合計重量(以下、重量とも称する)を検出し、ステップS505に進む。
【0093】
具体的には、ステップS504において、重量センサ10は、加熱用鍋500とカレーとを足し合わせた合計重量を検出し、検出した合計重量をコントローラ12に出力する。そして、コントローラ12の判定モジュール127は、重量センサ10からインタフェース121を介して出力された合計重量を取得する。
【0094】
次に、ステップS505において、判定モジュール127は、取得した合計重量が閾値決定モジュール125から出力された第1閾値に達したか否かを判定する。ステップS505において、合計重量が第1閾値に達した場合(Yesの場合)、すなわち、第1チューブ71によるカレーの供給量が第1閾値に対応する第1所定供給量に達した場合に、その旨を通知する第1判断結果通知をバルブ制御モジュール126に出力し、ステップS506に進む。一方、ステップS505において、合計重量が第1閾値に達していない場合(Noの場合)すなわち、第1チューブ71によるカレーの供給量が第1所定供給量に達していない場合に、ステップS503に戻る。
【0095】
次に、合計重量が第1閾値に達した場合(Yesの場合)、すなわち、第1チューブ71によるカレーの供給量が第1所定供給量に達した場合であって、ステップS506において、バルブ制御モジュール126は、判断モジュール127から出力された第1判断結果通知に基づいて、第1電磁弁81を閉止するとともに第2電磁弁82を開放するように第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御し、ステップS507に進む。
【0096】
これにより、第1チューブ71による具材有領域311からカレー収容領域501bへのカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)の供給を停止することができる。同時に、具材無領域312から粘性液体を第2チューブ72を通じて同一の加熱用鍋500のカレー収容領域501bへ供給ことができる。すなわち、第1チューブ71によるカレーの第1所定供給量の供給を行った後に、続いて第2チューブ72による粘性液体の供給を行うことができる。また、第1チューブ71によるカレーの供給から第2チューブ72による粘性液体の供給への切り替えをタイムロスがなく自動的に行うことができる。
【0097】
このように、第1チューブ71によるカレーの供給が行われずに、第2チューブ72による粘性液体の供給が行われると、具材無領域312に収容された粘性液体は減少する。そして、その減少を補填するため、具材有領域311に収容されたカレーのうちの粘性液体は、仕切壁313に形成される貫通孔313aを通過して具材無領域312に流れ込む。
【0098】
次に、ステップ507において、重量センサ10は、載置部9に載置された加熱用鍋500と加熱用鍋500に供給されたカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)とを足し合わせた合計重量を検出し、ステップS508に進む。
【0099】
具体的には、ステップS507において、重量センサ10は、加熱用鍋500とカレーとを足し合わせた合計重量を検出し、検出した合計重量をコントローラ12に出力する。そして、コントローラ12の判定モジュール127は、重量センサ10からインタフェース121を介して出力された合計重量を取得する。
【0100】
次に、ステップS508において、判定モジュール127は、取得した合計重量が閾値決定モジュール125から出力された第2閾値に達したか否かを判定する。ステップS508において、合計重量が第2閾値に達した場合(Yesの場合)、すなわち、第2チューブ72による粘性液体の供給量が第2閾値に対応する第2所定供給量に達した場合に、その旨を通知する第2判定結果通知をバルブ制御モジュール126に出力し、ステップS509に進む。一方、ステップS508において、合計重量が第2閾値に達していない場合(Noの場合)、すなわち、第2チューブ72による粘性液体の供給量が第2所定供給量に達していない場合に、ステップS506に戻る。なお、第2所定供給量は、第1所定供給量よりも小さい。
【0101】
次に、合計重量が第2閾値に達した場合(Yesの場合)、すなわち、第2チューブ72による粘性液体の供給量が第2所定供給量に達した場合であって、ステップS509において、バルブ制御モジュール126は、判断モジュール127から出力された第2判定結果通知に基づいて、第1電磁弁81及び第2電磁弁82を閉止するように第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御する。そして、食品供給処理(ステップS5)を終了して図7に示す食品提供方法に戻る。
【0102】
これにより、第1チューブ71及び第2チューブ72によるカレー及び粘性液体の供給を停止することができるため、第1所定供給量のカレー及び第2所定供給量の粘性液体が同一の加熱用鍋500(具体的には、カレー収容領域501b)に供給されることになる。この結果、供給量のばらつきを抑制してカレーを同一の加熱用鍋500(具体的には、カレー収容領域501b)へ供給することができる。なお、第1所定供給量及び第2所定供給量の総重量は、ユーザによる供給量選択部111への操作により選択されるカレーの供給量である。
【0103】
(実施形態による作用効果)
次に、本実施形態による主な作用効果について説明する。
【0104】
本実施形態に係る食品供給ディスペンサ200は、具材及び粘性液体が含まれるカレーを収容する具材有領域311と、粘性液体を収容する具材無領域312と、具材有領域311と具材無領域312とを連通するとともに粘性液体が通過可能かつ具材が通過不能な複数の貫通孔313aが形成され、具材有領域311と具材無領域312とを仕切る仕切壁313と、を有する収容タンク3と、具材有領域311に連通されカレーを供給する第1チューブ71と、具材無領域312に連通され粘性液体を供給する第2チューブ72と、第1チューブ71に設けられ第1チューブ71の流路を開閉する第1電磁弁81と、第2チューブ72に設けられ第2チューブ72の流路を開閉する第2電磁弁82と、を備える。
【0105】
この構成によれば、第2電磁弁82は、具材無領域312に連通された第2チューブ72の流路を開閉することで、具材無領域312から粘性液体を自重により第2チューブ72を通じて供給することができるため、粘性液体の供給量を微調整することができる。この結果、カレーの供給量のばらつきを抑制することができる。
【0106】
本実施形態では、第2チューブ72の流路径は、第1チューブ71の流路径よりも小さい。
【0107】
この構成によれば、カレーの供給量のばらつきを抑制し、粘性液体の供給量を微調整することができる。
【0108】
本実施形態では、具材有領域311は、柱状に形成され、具材無領域312は、具材有領域311を取り囲む筒状に形成され、具材無領域312を取り囲むように設けられる筒状の保温槽51をさらに備える。
【0109】
この構成によれば、具材有領域311及び具材無領域312を有する収容タンク3全体を保温槽51に収容された熱湯により均等に保温することができる。
【0110】
本実施形態では、保温槽51は、熱湯を収容する保温槽51から構成される。
【0111】
この構成によれば、レトルトカレーをパック毎に保温槽51に投入し、熱湯により温める(予熱する)ことができるため、カレーを予熱することなく、投入口4から直接的に収容タンク3の具材有領域311に投入して加熱する場合に比べ、カレーの加熱効率を向上させることができる。
【0112】
本実施形態では、具材有領域311には、カレーを撹拌する撹拌機33が設けられる。
【0113】
この構成によれば、具材有領域311に収容されたカレー及び具材無領域312に収容された粘性液体を撹拌することができるため、供給時におけるカレーの温度のばらつきを抑制することができる。
【0114】
本実施形態では、具材有領域311は、第1チューブ71の上端に接続される漏斗部311aを有する。
【0115】
この構成によれば、供給時に具材有領域311に収容されたカレーを自重によりスムーズに第1チューブ71へ供給することができる。この結果、カレーの具材が具材有領域311の底部に残留することは解消される。
【0116】
本実施形態では、外部と具材有領域311と連通する投入口4をさらに備える。
【0117】
この構成によれば、カレーを収容タンク3に投入する際に具材無領域322に流れ込むことを制限することができる。この結果、具材による第2連通孔312bの詰まりを排除することができる。
【0118】
本実施形態では、加熱用鍋500を載置可能に収容タンク3の下方に設けられる載置部9と、載置部9に設けられ、載置部9に載置される加熱用鍋500の重量を検出する重量センサ10と、重量センサ10により検出された重量に応じて第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御するコントローラ12と、をさらに備える。
【0119】
この構成によれば、コントローラ12は、重量センサ10により検出された重量に応じて第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御するため、第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を自動的に制御することができる。この結果、供給量のばらつきを抑制してカレーを加熱用鍋500へ供給することができる。
【0120】
本実施形態では、カレーの供給開始を許可する供給開始部112をさらに備え、コントローラ12は、供給開始部112が操作された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブを通じて加熱用鍋500へ供給し、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブ72を通じて加熱用鍋500へ供給し、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するように第1電磁弁81及び前記第2電磁弁82の開閉を制御する。
【0121】
本実施形態に係る食品供給方法は、食品供給ディスペンサ200に用いられる食品供給方法であって、食品供給ディスペンサ200は、カレーの供給開始を許可する供給開始部112をさらに備え、供給開始部112が操作された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブ71を通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブを通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するステップと、を含む。
【0122】
本実施形態に係るプログラムは、食品供給ディスペンサ200の動作に用いられるプログラムであって、食品供給ディスペンサ200は、カレーの供給開始を許可する供給開始部112をさらに備え、コンピュータに、供給開始部112が操作された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブ71を通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブを通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するステップと、を実行させる。
【0123】
これらの構成によれば、供給開始部112が操作された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブを通じて加熱用鍋500へ供給するため、第1電磁弁81の開放によって、先に具材有領域311からカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)を第1チューブ71を通じて加熱用鍋500のカレー収容領域501bへ供給ことができる。
【0124】
また、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブ72を通じて加熱用鍋500へ供給するため、第1チューブ71による具材有領域311からカレー収容領域501bへのカレー(具体的には、具材及び粘性液体が含まれるカレー)の供給を停止するとともに、具材無領域312から粘性液体を第2チューブ72を通じて同一の加熱用鍋500のカレー収容領域501bへ供給ことができる。すなわち、第1チューブ71によるカレーの第1所定供給量の供給を行った後に、続いて第2チューブ72による粘性液体の供給を行うことができる。また、第1チューブ71によるカレーの供給から第2チューブ72による粘性液体の供給への切り替えをタイムロスがなく自動的に行うことができる。
【0125】
さらに、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するため、第1所定供給量のカレー及び第2所定供給量の粘性液体が同一の加熱用鍋500に供給されることになる。この結果、供給量のばらつきを抑制してカレーを同一の加熱用鍋500へ供給することができる。
【0126】
本実施形態では、カレーの供給量を選択する供給量選択部111をさらに備え、コントローラ12は、供給量選択部111への操作により選択される供給量に応じて、第1閾値及び第2閾値を決定する。
【0127】
この構成によれば、第1閾値及び第2閾値を可変にすることができるため、カレーの供給量を可変に制御することができる。
【0128】
本実施形態では、カレーが食品供給ディスペンサ200により供給された加熱用鍋500を加熱する加熱機構300と、加熱機構300の上方において加熱用鍋500を揺動する揺動機構400と、を備える。
【0129】
この構成によれば、加熱用鍋500を揺動しながら加熱用鍋500に供給されたカレーを均等に加熱することができるため、提供されるカレーの温度のばらつきをより抑制することができる。また、加熱用鍋500を揺動機構400によって揺動するため、ユーザの作業性を向上させることができる。
【0130】
(第1変形例に係る食品供給ディスペンサ及び食品供給処理)
次に、第1変形例に係る食品供給ディスペンサ200及び食品供給処理(すなわち、ステップS5)について説明する。なお、第1変形例では、上述した実施形態と同様の点については省略し、主に上述した実施形態と相違する点について説明する。
【0131】
上述した実施形態では、操作機構11は、供給量選択部111及び供給開始部112を有して構成されている。これに対し、第1変形例では、操作機構11は、供給量選択部111を有さずに、供給開始部112を有して構成されている。この場合に、操作機構11は、供給量選択部111を有さないため、コントローラ12は、供給量選択部111に対応する閾値決定モジュール125を有さない。これにより、食品供給ディスペンサ200全体の簡素化を図ることができる。
【0132】
一方、上述した実施形態では、食品供給処理(すなわち、ステップS5)は、ステップS501からステップS509を含んでいる。これに対し、第1変形例では、食品供給処理(すなわち、ステップS5)は、ステップS501を含まずに、ステップS502からステップS509を含んでもよい。
【0133】
この場合に、コントローラ12は、第1閾値及び第2閾値を決定(選択)することなく、あらかじめメモリモジュール128に記憶された第1閾値及び第2閾値を用いて第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御する。これにより、食品供給処理(すなわち、ステップS5)の単純化を図ることができる。
【0134】
(第2変形例に係る食品供給ディスペンサ及び食品供給処理)
次に、図9を参照しながら第2変形例に係る食品供給ディスペンサ200及び食品供給処理(すなわち、ステップS5)について説明する。なお、第2変形例では、上述した実施形態と同様の点については省略し、主に上述した実施形態と相違する点について説明する。
【0135】
図9は、第2変形例に係る食品供給処理(すなわち、ステップS5)を示すフローチャートである。
【0136】
上述した実施形態では、操作機構11は、供給量選択部111及び供給開始部112を有して構成されている。これに対し、第2変形例では、操作機構11は、供給開始部112を有さずに、供給量選択部111を有して構成されている。この場合に、食品供給ディスペンサ200全体の簡素化を図ることができる。
【0137】
上述した実施形態では、食品供給処理(すなわち、ステップS5)は、ステップS501からステップS509を有するのに対し、第2変形例では、食品供給処理(すなわち、ステップS5)は、ステップS501AからステップS509A(図9参照)を有する。そして、第2変形例のステップS501A、ステップS504AからステップS509Aについては、それぞれ上述した実施形態のステップS501、ステップS504からステップS509と同様であるため、これらの説明を省略する。
【0138】
一方、第2実施例のステップS502A及びステップS503Aについては、上述した実施形態のステップS502及びステップS503と相違するため、これらの説明を行う。
【0139】
図9に示すように、ステップS502Aにおいて、重量センサ10は、加熱用鍋500の重量を検出したか否かを判定する。ステップS502Aにおいて、重量センサ10は、加熱用鍋500の重量を検出した場合(Yesの場合)、すなわち、加熱用鍋500が載置部9に載置された場合に、その旨を通知する検出通知をコントローラ12に出力し、ステップS503Aに進む。一方、ステップS502Aにおいて、重量センサ10が加熱用鍋500の重量を検出していない場合(Yesの場合)、すなわち、加熱用鍋500が載置部9に載置されていない場合に、ステップS502Aに戻る。
【0140】
次に、ステップS503Aにおいて、コントローラ12のバルブ制御モジュール126は、重量センサ10からインタフェース121を介して出力された検出通知に基づいて第1電磁弁81を開放するように制御し、ステップS504Aに進む。具体的には、ステップS503Aにおいて、バルブ制御モジュール126は、検出通知に基づいて、第1電磁弁81を開放するとともに第2電磁弁82を閉止するように第1電磁弁81及び第2電磁弁82の開閉を制御する。
【0141】
ステップS502A及びステップS503Aに示すように、コントローラ12は、重量センサ10からの検出通知に基づいて第1電磁弁81を開放するように制御するため、上述した実施形態の供給開始部112を省くことができる。そして、ユーザによる供給開始部112への操作を行うことなく、加熱用鍋500を載置部9に載置するだけで、第1電磁弁81を開放させて第1チューブ71によるカレーの供給を行うことができる。この結果、ユーザの作業性を向上させることができる。
【0142】
(第2変形例による作用効果)
次に、第2変形例による作用効果について説明する。なお、上述した実施形態と同様の作用効果については省略し、主に上述した実施形態と相違する作用効果について説明する。
【0143】
第2変形例に係る食品供給ディスペンサ200では、コントローラ12は、加熱用鍋500が載置部9に載置された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブを通じて加熱用鍋500へ供給し、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブ72を通じて加熱用鍋500へ供給し、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するように第1電磁弁81及び前記第2電磁弁82の開閉を制御する。
【0144】
第2変形例に係る食品供給方法は、食品供給ディスペンサ200に用いられる食品供給方法であって、加熱用鍋500が載置部9に載置された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブ71を通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブを通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するステップと、を含む。
【0145】
第2変形例に係るプログラムは、食品供給ディスペンサ200の動作に用いられるプログラムであって、コンピュータに、加熱用鍋500が載置部9に載置された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブ71を通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値に達した場合に、第1電磁弁81を閉止することにより具材有領域311からのカレーの供給を停止し、一方、第2電磁弁82を開放することにより粘性液体を具材無領域312から第2チューブを通じて加熱用鍋500へ供給するステップと、重量センサ10により検出された重量が第1閾値よりも大きい第2閾値に達した場合に、第2電磁弁82を閉止することにより具材無領域312からの粘性液体の供給を停止するステップと、を実行させる。
【0146】
これらの構成によれば、加熱用鍋500が載置部9に載置された場合に、第1電磁弁81を開放することによりカレーを具材有領域311から第1チューブ71を通じて加熱用鍋500へ供給するため、上述した実施形態の供給開始部112を省くことができる。そして、ユーザによる供給開始部112への操作を行うことなく、加熱用鍋500を載置部9に載置するだけで、第1電磁弁81を開放させて第1チューブ71によるカレーの供給を行うことができる。この結果、ユーザの作業性を向上させることができる。
【0147】
以上、本実施形態及び各変形例について説明したが、上記実施形態及び各変形例は、本発明の適用例を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0148】
3 収容タンク(収容部)
4 投入口
9 載置部
10 重量センサ(重量検出部)
12 コントローラ
33 撹拌機
51 保温槽(保温部)
71 第1チューブ(第1供給路)
72 第2チューブ(第2供給路)
81 第1電磁弁
82 第2電磁弁
100 食品提供装置
111 供給量選択部
112 供給開始部
200 食品供給ディスペンサ
300 加熱機構
311 具材有領域(第1収容領域)
311a 漏斗部
312 具材無領域(第2収容領域)
313 仕切壁
313a 貫通孔(連通孔)
400 揺動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9