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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162248
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】草刈機
(51)【国際特許分類】
   A01D 34/86 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
A01D34/86
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021066965
(22)【出願日】2021-04-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 株式会社ササキコーポレーション「電動作業機スマモ」カタログ 令和2年9月14日配布 株式会社ササキコーポレーションホームページ 令和2年9月14日掲載 ユーチューブ 令和2年9月10日掲載 農経しんぽう 令和2年9月14日 第1面、第10面 農機新聞 令和2年9月15日 第1面、第15面
(71)【出願人】
【識別番号】000171746
【氏名又は名称】株式会社ササキコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100086184
【弁理士】
【氏名又は名称】安原 正義
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(72)【発明者】
【氏名】梅田 洵平
(72)【発明者】
【氏名】阿部 真也
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083AA03
2B083BA15
2B083CA03
2B083CA09
2B083CA28
2B083DA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】刈刃部を平面と法面の双方の間を移動可能で、草刈作業時の刈刃を回転させる動力を低減可能な草刈機。
【解決手段】走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレーム44と、第1フレーム44端部に設けた第1軸55よって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材56と、連結部材56に設けた第2軸58によって、上下方向に旋回可能な第2フレーム57と、第2フレーム57を設け、作業面A1、A2と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部411と、を備える。刈刃部411は、連結部材56及び第2フレーム57を旋回させることによって、第1姿勢、第2姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能である。刈刃部411は、第1姿勢及び前記第2姿勢において、刈刃によって形成される回転面が、作業面A1、A2に対して進行方向前方に行くにしたがい低くなる前傾状態である草刈機。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態である、
ことを特徴とする草刈機。
【請求項2】
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の草刈機。
【請求項3】
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の草刈機。
【請求項4】
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢、刈刃部が水平作業面に位置し、走行部側方に位置した状態である第3姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢及び第3姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態である、
ことを特徴とする草刈機。
【請求項5】
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の草刈機。
【請求項6】
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項4または請求項5に記載の草刈機。
【請求項7】
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態であり、
前記第1軸は、前記第1フレームに設けた、上下方向に延びた軸であって、上方に行くほど前記走行部前方の作業面である水平作業面に対して前方に傾斜しており、
前記第2軸は、前記連結部材に設け、第1軸とは直交する水平軸であって、
前記連結部材は、前記第1軸に連結し、前記第1軸によって、前記連結部材の旋回面は水平作業面に対して前方に傾斜し、前記第1軸を中心に水平回動自在であり、
前記刈刃部は、旋回する前記第2フレームの半径方向端部に設け、前記走行部前方の作業面で作業をする前記第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする前記第2姿勢のそれぞれで前記刈刃部に対向する作業面に対し、回転駆動によって、やや前傾した回転面を形成する刈刃を有する、
ことを特徴とする草刈機。
【請求項8】
前記刈刃部は、前記走行部前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部の左右方向に一対設け、
前記刈刃部を分離して、少なくとも一方を側方に移動するとともに傾斜作業面に傾斜させて当接させ草刈作業が可能であり、
前記走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢の姿勢変更は、
前記回動アーム端部に設けた垂直方向の前記第1軸と、
前記第1軸を中心に水平回動自在の連結部材と、
前記連結部材に設けた水平方向の第2軸と、
前記第2軸によって上下方向に回動自在であるとともに第2軸の半径方向端部に前記刈刃部を固着させた前記第2フレームと、によっておこなう、
ことを特徴とする請求項7に記載の草刈機。
【請求項9】
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項7また8に記載の草刈機。
【請求項10】
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項7乃至9のいずれかに記載の草刈機。
【請求項11】
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢、刈刃部が水平作業面に位置し、走行部側方に位置した状態である第3姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢及び第3姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態であり、
前記第1軸は、前記第1フレームに設けた、上下方向に延びた軸であって、上方に行くほど前記走行部前方の作業面である水平作業面に対して前方に傾斜しており、
前記第2軸は、前記連結部材に設け、第1軸とは直交する水平軸であって、
前記連結部材は、前記第1軸に連結し、前記第1軸によって、前記連結部材の旋回面は水平作業面に対して前方に傾斜し、前記第1軸を中心に水平回動自在であり、
前記刈刃部は、旋回する前記第2フレームの半径方向端部に設け、前記走行部前方の作業面で作業をする前記第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする前記第2姿勢、前記刈刃部が水平作業面に位置し、前記走行部側方に位置した状態である前記第3姿勢のそれぞれで前記刈刃部に対向する作業面に対し、回転駆動によって、やや前傾した回転面を形成する刈刃を有する、
ことを特徴とする草刈機。
【請求項12】
前記刈刃部は、前記走行部前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部の左右方向に一対設け、
前記刈刃部を分離して、少なくとも一方を側方に移動するとともに傾斜作業面に傾斜させて当接させ草刈作業が可能であり、
前記走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢、前記刈刃部が水平作業面に位置し、前記走行部側方に位置した状態である第3姿勢の姿勢変更は、
前記回動アーム端部に設けた垂直方向の第1軸と、
前記第1軸を中心に水平回動自在の連結部材と、
前記連結部材に設けた水平方向の第2軸と、
前記第2軸によって上下方向に回動自在の回動端部に前記刈刃部を固着させた第2フレームと、によっておこなう、
ことを特徴とする請求項11に記載の草刈機。
【請求項13】
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
をさらに備えたことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の草刈機。
【請求項14】
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項11乃至13のいずれかに記載の草刈機。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は草刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
垂直軸周りに回転可能な刈刃を有した刈刃部を、刈刃の回転軸を含んで一方から他方に移動させることができる草刈装置が特許文献1によって示されている。この発明では、メインカッターとサブカッターを備えており、サブカッターは、刈取幅が広がる方向に移動可能であり、草刈面と平行に揺動するように構成している。
田畑の畦等のように水平面と傾斜面を有した面の草を刈る装置として、特許文献2に記載の発明がある。この発明は、水平面と2つの傾斜面の、合計3面の草を同時に刈ることができる。
特許文献3には、水平回転する草刈刃盤で草を刈る様子を示した図示がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-286214号公報
【特許文献2】実全昭60-085119号公報
【特許文献3】実全昭61-010622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の発明に記されたサブカッターは、任意の位置に移動させることができるが、回転する刈刃の回転面に対して平行移動しかできず、特許文献2に示された畦のように、水平面と傾斜面との間での移動はできない。
【0005】
特許文献2の発明は3つの刈刃体によって、畦の水平面と、水平面を挟むように位置した2つの傾斜面の合計3面を同時に作業可能であるが、3つの刈刃体を同時に駆動させるので、必然的に必要となる動力が大きくなる。したがって、走行体に搭載する動力源が重く大きくなり、草刈機全体としての寸法が大きくなる問題がある。
【0006】
特許文献1及び特許文献2に記載の発明の回転刈刃は、作業面に対して平行に回転し、特許文献3の第1図に示されたような位置関係となる。作業面に対して平行に回転面を配置させて作業を行うと、前進側の前方に位置する刈刃の刃部で草刈作業を行う。しかしながら、後方側に位置する刈刃の刃部は、全く作業を行っていないばかりか、回転刈刃の下面と、刈った後の草が接触して回転抵抗となっている。このため、刈刃を駆動する所要動力が大きくなり、結果として、動力源となる装置寸法の増大や、燃料や電池等の積載量も増加する問題がある。また、これらを搭載する作業機寸法の増大が懸念され、狭い畦等での使用が困難になる、という問題が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態である、
ことを特徴とする請求項1に記載の草刈機、
に係る。
【0008】
この発明は、更に、
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0009】
この発明は、更に、
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0010】
この発明は、更に、
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢、刈刃部が水平作業面に位置し、走行部側方に位置した状態である第3姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢及び第3姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態である、
ことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0011】
この発明は、更に、
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0012】
この発明は、更に、
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0013】
この発明は、更に、
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態であり、
前記第1軸は、前記第1フレームに設けた、上下方向に延びた軸であって、上方に行くほど前記走行部前方の作業面である水平作業面に対して前方に傾斜しており、
前記第2軸は、前記連結部材に設け、第1軸とは直交する水平軸であって、
前記連結部材は、前記第1軸に連結し、前記第1軸によって、前記連結部材の旋回面は水平作業面に対して前方に傾斜し、前記第1軸を中心に水平回動自在であり、
前記刈刃部は、旋回する前記第2フレームの半径方向端部に設け、前記走行部前方の作業面で作業をする前記第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする前記第2姿勢のそれぞれで前記刈刃部に対向する作業面に対し、回転駆動によって、やや前傾した回転面を形成する刈刃を有する、
ことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0014】
この発明は、更に、
前記刈刃部は、前記走行部前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部の左右方向に一対設け、
前記刈刃部を分離して、少なくとも一方を側方に移動するとともに傾斜作業面に傾斜させて当接させ草刈作業が可能であり、
前記走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢の姿勢変更は、
前記回動アーム端部に設けた垂直方向の前記第1軸と、
前記第1軸を中心に水平回動自在の連結部材と、
前記連結部材に設けた水平方向の第2軸と、
前記第2軸によって上下方向に回動自在であるとともに第2軸の半径方向端部に前記刈刃部を固着させた前記第2フレームと、によっておこなう、
ことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0015】
この発明は、更に、
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0016】
この発明は、更に、
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0017】
この発明は、更に、
走行可能な走行部の進行方向に設けた第1フレームと、
前記第1フレーム端部に設けた第1軸によって、進行方向左右方向に旋回可能な連結部材と、
前記連結部材に設けた第2軸によって、上下方向に旋回可能な第2フレームと、
前記第2フレームに設け、作業面と交差する方向の軸で回転する刈刃を有する刈刃部と、を備え、
前記刈刃部は、前記連結部材及び前記第2フレームを旋回させることによって、走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢、刈刃部が水平作業面に位置し、走行部側方に位置した状態である第3姿勢のそれぞれに姿勢変更が可能であり、
前記刈刃部は、前記第1姿勢及び前記第2姿勢及び第3姿勢において、前記刈刃によって形成される回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態であり、
前記第1軸は、前記第1フレームに設けた、上下方向に延びた軸であって、上方に行くほど前記走行部前方の作業面である水平作業面に対して前方に傾斜しており、
前記第2軸は、前記連結部材に設け、第1軸とは直交する水平軸であって、
前記連結部材は、前記第1軸に連結し、前記第1軸によって、前記連結部材の旋回面は水平作業面に対して前方に傾斜し、前記第1軸を中心に水平回動自在であり、
前記刈刃部は、旋回する前記第2フレームの半径方向端部に設け、前記走行部前方の作業面で作業をする前記第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする前記第2姿勢、前記刈刃部が水平作業面に位置し、前記走行部側方に位置した状態である前記第3姿勢のそれぞれで前記刈刃部に対向する作業面に対し、回転駆動によって、やや前傾した回転面を形成する刈刃を有する、
ことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0018】
この発明は、更に、
前記刈刃部は、前記走行部前方部に設けた畦の草刈作業を行なう草刈作業部の左右方向に一対設け、
前記刈刃部を分離して、少なくとも一方を側方に移動するとともに傾斜作業面に傾斜させて当接させ草刈作業が可能であり、
前記走行部前方の作業面で作業をする第1姿勢、前記走行部側方の傾斜作業面で作業をする第2姿勢、前記刈刃部が水平作業面に位置し、前記走行部側方に位置した状態である第3姿勢の姿勢変更は、
前記回動アーム端部に設けた垂直方向の第1軸と、
前記第1軸を中心に水平回動自在の連結部材と、
前記連結部材に設けた水平方向の第2軸と、
前記第2軸によって上下方向に回動自在の回動端部に前記刈刃部を固着させた第2フレームと、によっておこなう、
ことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0019】
この発明は、更に、
前記第1フレームは前記刈刃部が前記第1姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制部と、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【0020】
この発明は、更に、
前記連結部材は前記刈刃部が前記第2姿勢のときに前記第2フレームの旋回を規制する規制ピンと、
を備えたことを特徴とする草刈機、
に係る。
【発明の効果】
【0021】
この発明は、上記課題に着眼してなされたものであり、刈刃部を平面と法面の双方の間を移動可能にしつつも、草刈作業時の刈刃を回転させる動力を低減可能な草刈機を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】この発明の実施例に係る草刈機の正面図である。刈刃部が、第1姿勢の場合を示す。
図2】この発明の実施例に係る草刈機の側面図である。刈刃部が、第1姿勢の場合を示す。
図3】この発明の実施例に係る草刈機の平面図である。刈刃部が、第1姿勢の場合を示す。
図4】この発明の実施例に係る草刈機の正面図である。刈刃部が第2姿勢の場合を示す。
図5】この発明の実施例に係る草刈機の側面図である。刈刃部が第2姿勢の場合を示す。
図6】この発明の実施例に係る草刈機の平面図である。刈刃部が第2姿勢の場合を示す。
図7】この発明の実施例に係る草刈機の要部説明図(矢示図)である。第2姿勢の刈刃部を作業面(法面)と平行な方向から見た図であって、作業面(法面)と刈刃部の傾斜状態を示す。発明の要部説明のため、第1フレーム及び連結部材は2点鎖線で示す。
図8】この発明の実施例に係る草刈機の連結部材、第2フレームの動作を説明する説明図である。実線で示す第2フレーム及び刈刃部は、規制ピンを取り除き、固定を解除した状態を示す。2点鎖線で示す第2フレーム及び刈刃部は、規制ピンで第2フレームの旋回を最上位置で固定した第3姿勢を示す。
図9】この発明の実施例に係る草刈機の正面図である。第3姿勢の状態をあらわす。刈刃部が水平面を刈る姿勢、且つ、走行部より外方に位置した状態を示す。
図10】この発明の実施例に係る草刈機の側面図である。第3姿勢の状態をあらわす。刈刃部が水平面を刈る姿勢、且つ、走行部より外方に位置した状態を示す。
図11】この発明の実施例に係る草刈機の平面図である。第3姿勢の状態をあらわす。刈刃部が水平面を刈る姿勢、且つ、走行部より外方に位置した状態を示す。2点鎖線は、刈刃部が第1姿勢時の位置にある状態をあらわす。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明の実施の一形態に係る実施例を、図1乃至図11に図示する図面に基づいて説明する。
11は、本発明の草刈機である。草刈機11は、畦A等の草刈作業を行なう。
21は、草刈機11の本体部である。31は、走行部である。
【0024】
本体部21には、走行部31が設けられ、前後進可能である。41は、草刈作業部である。草刈作業部41は、草刈機11の前部に設ける。草刈作業部41は、左右に2カ所刈刃部411を設け、左右それぞれ分離可能に設ける。
刈刃部411は、本体部21前方に設けた畦Aの草刈作業部41の左右方向に一対設ける。刈刃部411は、左右切り離してそれぞれ水平移動可能であるとともに、側方側に傾斜可能であり、刈刃部411を多様な作業姿勢にすることが可能である。
刈刃部411は、刈刃部411を分離して、少なくとも一方を側方に移動するとともに傾斜作業面に傾斜させて当接させ草刈作業が可能である。
【0025】
草刈機11は、刈刃部411の作業姿勢を、図1乃至図3に図示する本体部21前方部に水平に位置させた状態である第1姿勢、法面草刈作業が可能なように側方に移動させ傾斜させた状態であり走行部31側方の傾斜作業面A1で刈刃部411が作業をする図4乃至図7に図示する第2姿勢、図8乃至図11に図示する刈刃部411が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変更する途中の状態であって、刈刃部411が水平作業面A2に位置し、走行部31側方に位置した状態である第3姿勢に姿勢変更ができる。
414は、接地体である。接地体414は、刈刃部411の底面に設け、作業面である畦Aに接して作業する。
【0026】
32は、駆動輪である。駆動輪32は、走行部31に設ける。
各駆動輪32は、本体部の左右に一対設けた右側走行用クローラベルト321、左側走行用クローラベルト322を駆動する。図示するように、クローラベルトの駆動輪32は、本体部21の後方に位置する。324はクローラベルトの従動輪で本体部21の前方に位置する。
右側走行用クローラベルト321、左側走行用クローラベルト322が、それぞれに設置された駆動輪駆動用モータ33により駆動されて、草刈機11は走行する。そのため、左右輪の速度変更がし易い。
【0027】
44は、第1フレームである。第1フレーム44は、長尺状の部材であり、走行可能な走行部31の進行方向に設ける。第1フレーム44は、長尺方向を草刈機11の進行方向に対して直角に設置する。
61は、昇降装置である。第1フレーム44は、本体部21の前方に位置した昇降装置61に取り付けられ、昇降装置61によって上下昇降が可能である。この上下昇降によって、ブラケット211等を介して第1フレーム44に取り付ける刈刃部411は、上下に昇降動作が可能である。
【0028】
211は、ブラケットである。ブラケット211は、第1フレーム44の左右両端部に断面コ字型に設けた部材である。
55は第1軸である。第1軸55は、第1フレーム44に設ける。第1軸55は、上下方向に延びた軸であって、図2に示すように上方に行くほど水平作業面A2に対して前方に傾斜している。
第1軸55は、第1フレーム44端部に設けたブラケット211に、ブラケット211の断面コ字型の上下を貫通して設ける。
第1軸55には、連結部材56を回動自在に取付ける。
【0029】
連結部材56は、第1フレーム44端部に設けた第1軸55に一端側を取り付け、第1軸55に連結した部材である。連結部材56は、第1軸55を中心に、水平回動自在で、進行方向左右方向に旋回可能である。
連結部材56の旋回面は水平作業面A2に対して前方に傾斜し、第1軸55を中心に水平回動自在である。
【0030】
57は第2フレームである。第2フレーム57は、アーム状からなり一端は、連結部材56の他端側に設けた後述する第2軸58によって上下方向に回動自在に、連結部材56に取り付ける。第2フレーム57は、連結部材56に取り付けられ、連結部材56を介して、第1軸55を中心に水平回動自在に第1軸55に取り付ける。
【0031】
第1フレーム44は、ブラケット211の下部に、刈刃部411が第1姿勢のときに第2フレーム57の旋回を規制する規制部71を備える。規制部71は、第2フレーム57の下方への回動を規制する。規制部71は、第2フレーム57が第1姿勢のときに、第2フレーム57の下部と接触することによって、第2フレーム57が下方へ回動することを阻止する。
【0032】
73は、固定ピンである。固定ピン73は、ブラケット211上部から垂直に、連結部材56に向けて設ける。
固定ピン73は、連結部材56の上部に設けた固定ピン73用の孔74に嵌めることで、連結部材56の第1軸55周りへの旋回動作ができないように固定する。引き抜くことで、連結部材56の固定状態が解除され、連結部材56を水平方向の旋回を自在にする。
固定ピン73用孔74は2個以上であればよく、数が多いほど、段階的な旋回角度調整が可能となる。
77は、ストッパである。ストッパ77は、ブラケット211の後方側且つ連結部材56に隣接して設け、連結部材56の展開方向への旋回を規制する。
【0033】
58は、第2軸である。第2軸58は、第1軸55とは直交する水平軸であって、連結部材56に設ける。第2軸58は、連結部材56の他端側に設けた水平方向の回動軸であり、刈刃部411を下に降ろし傾斜作業面A1に当接させるときの支点である。
第2フレーム57は、第2軸58によって、上下方向に旋回可能であるが、規制部71と接触するための棒材からなる接触部72を設け、第1姿勢において、下方への回動を阻止できる。
【0034】
75は、規制ピンである。規制ピン75は、連結部材56及び第2フレーム57のそれぞれ側部に設けた規制ピン75用の孔76に貫通させることが可能である。規制ピン75は、第2姿勢、第3姿勢時に第2フレーム57の上下角度を固定する。
連結部材56は刈刃部が第2姿勢のときに、規制ピン75で連結部材56とともに第2フレーム57を貫通させることによって、第2フレーム57の旋回を規制する。
【0035】
第2フレーム57の第2軸58周りに旋回する旋回半径方向の端部である回動端部には、刈刃部411を固着する。
第2フレーム57は、草刈作業部41が畦上である水平作業面A2に設置される非回動時には、接触部72をブラケット211の規制部71上に設置され、草刈作業部41は、下方に移動しない。
【0036】
刈刃部411には、刈刃412を設ける。この実施例では、刈刃412は、各刈刃部411の回転円盤外周に等間隔に4個ずつ取り付ける。隣接する回転円盤に取り付けられる刈刃412相互は平面視ではラップした状態となっている。そのため、刈り残しを、刈刃412相互の真ん中に生じさせない。
413は、モータである。モータ413は、刈刃部411を駆動する。モータ413の回転軸は、作業面と交差する方向の軸からなり、刈刃412を回転する。
【0037】
刈刃部411は、第2フレーム57の前端部に設け、保持されて昇降可能であり、一対の刈刃部411を分離して、図7に図示するように少なくとも一方を側方に移動するとともに畦Aの法面である傾斜作業面A1に傾斜させて当接させ法面草刈作業が可能である。
刈刃部411は、旋回する第2フレーム57の半径方向端部に設け、第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢のそれぞれで刈刃部411に対向する作業面に対し、回転駆動によって、やや前傾した仮想の回転面(或いは回転領域)を形成する刈刃412を有する。
【0038】
刈刃部411の作業姿勢は、第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢に姿勢変更ができ、第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢の姿勢変更は、回動アーム端部に設けた垂直方向の第1軸55と、第1軸55を中心に水平回動自在の連結部材56と、連結部材56に設けた水平方向の第2軸と、第2軸によって上下方向に回動自在の回動端部に前記刈刃部411を固着させた第2フレームと、によって行なう。
それぞれの軸の回動方向にしたがって刈刃部411を回動させることで、刈刃部411の作業姿勢を移動する。
【0039】
423は、カバーである。カバー423は、刈刃部411上部大半を覆う。カバー423上部に、第2フレーム57の他端を、取り付ける。
【0040】
次いで、実施例の作用について説明する。
図1乃至図3に図示する、本体部21前方部に水平に位置させた状態である第1姿勢では、図示するように、左右の刈刃部411とも走行部31の走行面である水平作業面A2の刈取りをする。
あるいは、草刈機11を傾斜作業面A1の傾斜面に傾け、傾斜面に両方の刈刃部411を並べて、傾斜刈をする。
図4乃至図7に図示する、法面草刈作業状態に側方に刈刃部411を移動させ傾斜させた状態である第2姿勢では、図示するように、走行部31側方の傾斜作業面A1で刈刃部411が作業をする。
図8乃至図11に図示する、刈刃部411が第1姿勢から第2姿勢に姿勢変更する途中の状態であって、刈刃部411が水平作業面A2に位置し、走行部31側方の傾斜作業面A1に位置した状態である第3姿勢では、刈刃部411が、走行面である水平面を刈る姿勢、且つ、走行部より外方に位置する。但し、図11に図示する2点鎖線は、刈刃部が第1姿勢時の位置にある状態をあらわす。
【0041】
刈刃部411は、連結部材56及び第2フレーム57を旋回させることによって、第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢のそれぞれに姿勢変更する。
第1姿勢にある刈刃部411は、図1乃至図3に図示する第1姿勢から、水平回動し、畦Aの水平作業面A2から傾斜作業面A1上に移動する。
水平回動において、第2フレーム57、連結部材56は連動する。刈刃部411は、第2フレーム57に取り付けられているため、刈刃部411は、前記連動により水平回動する。
【0042】
刈刃部411は、旋回する第2フレーム57の半径方向端部に設け、第1姿勢、第2姿勢、第3姿勢のそれぞれで刈刃部411に対向する作業面に対し、回転駆動によって、やや前傾した回転面を形成する刈刃412を有している。そのため、刈刃部411は、第1姿勢及び前記第2姿勢及び第3姿勢において、刈刃411によって形成される仮想の回転面が、作業面に対して進行方向前方に行くにしたがって低くなる前傾状態である。
【0043】
第1姿勢は、走行部31の前方に刈刃部411があるので、刈刃部411で作業後の地面を走行部31が走行することができる。第2姿勢は、田畑の畦などの走行部31の側方にある傾斜作業面A1を刈刃部411で作業をさせることができる。第3姿勢は、第1姿勢同様に走行部31の走行面(水平作業面A2)で作業するものの、走行部31から外側側方に刈刃部411を位置させることができるので、走行部31が進行する場所より側方の草刈り作業ができる。
【0044】
第1軸55によって、連結部材56及び第2フレーム57が左右方向に旋回可能であるため、刈刃部411を走行部31に対する前方に位置した状態である第1姿勢から、側方にずれた位置に移動させることができる。
第2軸58によって、第2フレーム57を上下方向に旋回可能であるので、刈刃部411をほぼ水平状態から、下方に旋回させて畦側面である傾斜作業面A1の傾斜面に刈刃部411を対向させた姿勢である第2姿勢にさせることができる。
【0045】
ブラケット211の下部の規制部71に、棒材からなる接触部72を接触させる構成なので、刈刃部411が水平作業部に位置している第1姿勢のときは、第2フレーム57が下方への旋回が阻止される。
すなわち、刈刃部411が不用意に作業面に接触し続けることがないので、走行時に走行部31が受ける駆動力の損失を防ぐことができる。
【0046】
第1姿勢の刈刃412の回転軸の方向と、上部が前方に傾いた第1軸55は、互いに平行であるので、第1姿勢時の刈刃412が形成する回転面の前方側が、後方側と比較して作業面に近接させることができる。すると、実際に草を刈る刈刃412の回転面の前方部より後方側は、刈った後の草と接触することがないので、第1姿勢及び第3姿勢において、刈刃412を回転駆動させるモータ413の負荷を低減させることができる。なお、実施形態における第1軸55の上方部の前方への傾きは、おおよそ7°に設定しているが、この角度に限定するものではない。
【0047】
第1軸55によって刈刃部411を側方に展開させた時、連結部材56はストッパ77によって旋回を規制されているので、第1フレーム44とは平行にならずに、連結部材56の第1軸周りで旋回する半径方向の端部を前方に傾けている。
この状態から、さらに第2軸周りに第2フレーム57を旋回させて、刈刃部411を下降させて傾斜作業面A1に対向させると、第2姿勢になる。この第2姿勢時において、刈刃412が形成する仮想の回転面(或いは回転領域)の前方側が、後方側と比較して、傾斜作業面A1に近接させることができる。
【0048】
したがって、刈刃412の回転面の前方部より後方側は刈った後の草と接触することがないので、第2姿勢においても上記第1姿勢及び第3姿勢と同様に、刈刃412を回転駆動させるモータ413の負荷を低減させることができる。実施形態における連結部材56の第1フレーム44に対する第1軸周りでの前方への傾きは、7°に設定しているが、この角度に限定するものではない。
【0049】
規制ピン75は、連結部材56及び第2フレーム57の規制ピン75用の孔76に貫通させることで、第2姿勢の刈刃部411の傾斜角度を任意の角度で固定することができる。また、規制ピン75を取り除いて刈刃部411を使用することで、第2姿勢の刈刃部411の側方側への旋回を自由状態にできる。すなわち、刈刃部411は傾斜作業面A1である畦側面の凹凸にも追従することができる。
【0050】
第1軸55の上方側の前方への傾斜と、第1軸55周りに旋回する連結部材56の前方側への傾きによって、第2軸58は、第2軸58の前方側が進行方向に対して機体中央側、且つ、下方に傾斜している。
そのため、第2姿勢で規制ピン75を取り除いた第2フレーム57の旋回動作の固定解除状態で使用した場合、前進移動中の刈刃部411は、刈刃部411が有する刈刃カバー423の前方部に草が接触する。
この時に、草が刈刃カバー423の前方部を相対的な後方側に押し付けることで、刈刃部411を作業面(傾斜作業面A1)に押し付ける力を発生させることができる。したがって、刈刃部411は、作業面Aに対して浮き上がろうとする力を抑制して、作業面に吸い付くように、作業面に追従することができ、刈り跡をきれいできる。
【0051】
規制ピン75及び孔76によって連結部材56の旋回動作を固定可能であるので、地面の起伏に依らず刈り高さを一定に揃えることができる。また、旋回した最上位置での規制ピン75による連結部材56の固定で、刈刃部411を第3姿勢にさせることができる。
連結部材56に設けた規制ピン75用の孔76は3か所としているが、数に限定はない。
【0052】
姿勢変更が可能な刈刃部411によって、水平面と傾斜面とを選択して、いずれか一方を刈ることによって、駆動装置をむやみに増加及び増大させることが無い。最小限の駆動装置及び最小限の駆動源の寸法によって、水平面と傾斜面との双方で作業ができるので、駆動装置に並びこれに関連する機器類も小型化できる。したがって、駆動装置並びに関連機器類を搭載する草刈機全体も小さくすることができ、畦等での狭い場所での草刈機の運用を容易にさせることが可能となる。
【0053】
実施形態での刈刃部411は、進行方向に対する左右それぞれに設けているが、片側のみに配置してもよい。
【符号の説明】
【0054】
11 草刈機
21 本体部
31 走行部
41 草刈作業部
411 刈刃部
412 刈刃
44 第1フレーム
55 第1軸
56 連結部材
57 第2フレーム
58 第2軸
A 作業面(畔)
A1 傾斜作業面
A2 水平作業面

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11