(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162289
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 7/06 20060101AFI20221017BHJP
E05D 15/30 20060101ALI20221017BHJP
E05D 15/42 20060101ALI20221017BHJP
E05C 17/16 20060101ALI20221017BHJP
E05F 3/02 20060101ALI20221017BHJP
E05C 17/48 20060101ALI20221017BHJP
E05C 1/12 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
E06B7/06
E05D15/30
E05D15/42
E05C17/16
E05F3/02
E05C17/48
E05C1/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067036
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】安部 光太郎
(72)【発明者】
【氏名】前 健哉
【テーマコード(参考)】
2E036
2E050
【Fターム(参考)】
2E036JA03
2E036JC02
2E036KA08
2E036LA06
2E036LA09
2E036LB02
2E036LB03
2E036LB09
2E050GA04
2E050HA01
(57)【要約】
【課題】開閉可能な戸体を備え、戸体に開閉可能な窓が設けられた建具において、簡易に構成することで、意匠性を向上できる建具を提供すること。
【解決手段】建具1は、開閉可能な戸体22を備え、戸体22には、回転軸J1を中心に回転して開閉可能な窓部223が設けられ、窓部223は、戸体22の開く動作に連動して閉まる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な戸体を備え、
前記戸体には、回転軸を中心に回転して開閉可能な窓部が設けられ、
前記窓部は、前記戸体の開く動作に連動して閉まる、建具。
【請求項2】
前記窓部を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により閉める閉鎖機構と、
前記窓部を開位置において保持する保持機構と、
前記戸体の開く動作に連動して前記保持機構における前記窓部の保持を解除する解除機構と、を備える請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記窓部が開位置から閉位置に移動する速度を調整する速度調整機構を備える、請求項2に記載の建具。
【請求項4】
前記保持機構は、前記窓部を前記戸体に保持させる押圧保持部材を有し、
前記押圧保持部材は、前記戸体又は前記窓部に設けられる、請求項2又は3に記載の建具。
【請求項5】
前記保持機構は、前記戸体から前記窓部側に突出されて前記窓部に係合されること又は前記窓部から前記戸体側に突出されて前記戸体に係合されることで、前記窓部を前記戸体に保持させる係合部材を有し、
前記解除機構は、前記戸体の開く動作に連動して前記係合部材を前記戸体又は前記窓部から突出した位置から突出しない位置に移動させることで、前記窓部又は前記戸体への前記係合部材の係合を解除する、請求項2~4のいずれかに記載の建具。
【請求項6】
開閉可能な戸体を備え、
前記戸体には、回転軸を中心に回転して開閉可能な窓部が設けられ、
前記戸体は、ハンドルが操作されることで開閉動作されると共に、前記ハンドルの前記戸体を開ける操作に連動して解除されるラッチを有し、
前記窓部は、前記ハンドルの前記戸体を開ける操作に連動して前記ラッチが解除された場合に、前記ラッチの解除に連動して閉まる、建具。
【請求項7】
前記窓部を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により閉める閉鎖機構と、
前記窓部を開位置において保持する保持機構と、
前記ハンドルの前記戸体を開ける操作に連動して前記ラッチが解除された場合に、前記保持機構における前記窓部の保持を解除する解除機構と、を備える請求項6に記載の建具。
【請求項8】
前記戸体を開閉させる力を、前記窓部を閉める力に変換する変換機構を備え、
前記窓部は、前記変換機構により、前記戸体の開く動作に連動して閉まる、請求項1に記載の建具。
【請求項9】
前記変換機構は、前記窓部の回転軸部材の回転に連動して回転する回転ギアと、前記戸体の移動方向に沿って延びて形成され前記回転ギアに噛み合う移動方向延在ギアと、を有し、
前記窓部は、前記戸体の開く動作に連動して前記移動方向延在ギアに噛み合う回転ギアが回転することで、前記戸体の開く動作に連動して閉まる、請求項8に記載の建具。
【請求項10】
前記窓部は、縦方向に延びる前記回転軸を中心に回転可能であると共に前記回転軸が横方向にスライド移動可能な縦辷り出し窓、又は、横方向に延びる前記回転軸を中心に回転可能であると共に前記回転軸が縦方向にスライド移動可能な横辷り出し窓である、請求項1~9のいずれかに記載の建具。
【請求項11】
前記戸体は、横方向に移動することで開閉する、請求項1~10のいずれかに記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、開閉可能な戸体を備える建具であって、回転軸を中心に回転して開閉可能な窓が設けられた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、開閉可能な引戸(戸体)を備え、引戸(戸体)に採光窓が設けられた建具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、開閉可能な戸体に上げ下げ窓を設けることが考えられる。開閉可能な戸体に上げ下げ窓が設けられた建具は、上げ下げ窓の部品点数が多いため、構造が複雑である。更に、戸体に上げ下げ窓を設けた場合、上げ下げ窓の屋外側への出幅が大きくなりがちであるため、意匠性の観点から改善される余地がある。
【0005】
そのため、開閉可能な戸体を備え、戸体に開閉可能な窓が設けられた建具において、簡易な構成で、意匠性を向上できることが求められている。
【0006】
本開示は、開閉可能な戸体を備え、戸体に開閉可能な窓が設けられた建具において、簡易に構成することで、意匠性を向上できる建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、開閉可能な戸体を備え、前記戸体には、回転軸を中心に回転して開閉可能な窓部が設けられ、前記窓部は、前記戸体の開く動作に連動して閉まる、建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の建具を屋内側から見た場合の正面図である。
【
図2】第1実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が閉位置に位置した状態を示す斜視図である。
【
図3】第1実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が開位置に位置した状態を示す斜視図である。
【
図4】フリクションステーに支持された採風窓を示す図であって、上段図は
図2のA-A線断面図であり、下段図は
図3のB-B線断面図である。
【
図5】
図2のC-C線断面図であって、プランジャ部材が採風窓を閉位置で保持した状態を示す図である。
【
図6】
図3のD-D線断面図であって、プランジャ部材が採風窓を開位置で保持した状態を示す図である。
【
図7】
図6に示す状態から、プランジャ部材が解除位置に移動されることで採風窓の保持が解除された状態を示す図である。
【
図8】第2実施形態の建具を屋内側から見た場合の正面図である。
【
図9】第2実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が閉位置に位置した状態を示す斜視図である。
【
図10】第2実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が開位置に位置する場合を示す斜視図である。
【
図11】
図9のE-E線断面図であって、プランジャ部材が採風窓を閉位置で保持した状態を示す図である。
【
図12】
図10のF-F線断面図であって、プランジャ部材が採風窓を開位置で保持した状態を示す図である。
【
図13】
図12に示す状態から、コントロールケーブルが解除位置に移動されることで採風窓の保持が解除された状態を示す図である。
【
図14】第3実施形態の建具を屋内側から見た場合の正面図である。
【
図15】第3実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が閉位置に位置した状態を示す斜視図である。
【
図16】第3実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が開位置に位置した状態を示す斜視図である。
【
図17】
図15のG-G線断面図であって、押圧カップ部材が採風窓を閉位置で保持した状態を示す図である。
【
図18】
図16のH-H線断面図であって、押圧カップ部材が採風窓を開位置で保持した状態を示す図である。
【
図19】
図18に示す状態から、コントロールケーブルが押し出されることで採風窓の保持が解除された状態を示す図である。
【
図20】第4実施形態の建具を屋内側から見た場合の正面図である。
【
図21】第4実施形態の建具において、戸体が閉位置に位置すると共に採風窓が開位置に位置した状態を示す斜視図である。
【
図22】第4実施形態の建具において、戸体が開位置側に移動されることで採風窓が閉まった状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
第1実施形態の建具1について説明する。本明細書において、
図1における左右の方向を左右方向(横方向)という。
図1~
図3に示すように、第1実施形態の建具1は、建物(図示せず)に形成された開口部に配置される枠体21と、枠体21の内側に納められる戸体22と、袖部23と、窓開閉機構3(閉鎖機構、速度調整機構)と、窓保持解除機構4(保持機構、解除機構)と、を備える。
【0010】
枠体21は、上枠211、下枠212及び一対の縦枠213を有する。枠体21は、上枠211、下枠212及び一対の縦枠213により矩形に枠組みされる。
【0011】
上枠211は、枠体21の上側に配置され、左右方向(横方向)に延びる。下枠212は、枠体21の下側に配置され、上枠211に平行に左右方向(横方向)に延びる。
【0012】
一対の縦枠213は、上枠211の左右方向の両端部それぞれと下枠212の左右方向の両端部それぞれとを繋いで上下方向(縦方向)に延びる。
【0013】
袖部23は、枠体21の内側の左右方向の一方側の略半分を覆うように配置される。袖部23は、枠体21内の左右方向の中間に配置され上下方向に延びる方立231と、方立231の左右方向の一方側に固定して配置される袖部パネル232と、を有する。
【0014】
袖部パネル232は、枠体21の左右方向の一方側の内側部分と方立231との内側部分に固定されたFIXパネルである。枠体21の内側において、袖部23が配置されていない左右方向の他方側の部分は、戸体22により開閉される開口部214となる。
【0015】
戸体22は、左右方向(横方向)に移動することで、枠体21の開口部214を開閉可能である。戸体22は、袖部23の屋外側に配置され、袖部23の屋外側において左右方向(横方向)に移動可能に配置される。
【0016】
戸体22は、枠体21内の左右方向において、袖部23が配置されていない枠体21の左右方向の他方側の開口部214に位置する場合に、閉位置に位置し、袖部23が配置される枠体21の左右方向の一方側において袖部23の屋外側に袖部23と重なる位置に移動されることで、開位置に位置する。本実施形態においては、戸体22は、枠体21内を左右方向に移動可能な片引きの引戸を構成する。
【0017】
戸体22は、戸体本体221と、屋内側ハンドル222と、屋外側ハンドル(図示せず)と、採風窓223(窓部)と、を有する。戸体本体221は、長方形の板状に形成される。戸体本体221には、採風窓223が配置される長方形状の開口部221aが形成される。
【0018】
屋内側ハンドル222は、戸体本体221の屋内側の表面において、戸体本体221の戸先側に配置される。屋外側ハンドル(図示せず)は、戸体本体221の屋外側の表面において、戸体本体221の戸先側に配置される。屋内側ハンドル222又は屋外側ハンドルに使用者が手を掛けて戸体22を左右方向に移動させることで、戸体22を開位置又は閉位置に移動させることができる。
【0019】
採風窓223は、戸体22の開口部221aに配置される。採風窓223は、長方形の板状に形成される。採風窓223は、吊元側に形成される上下方向(縦方向)に延びる回転軸J1を中心に回転して開閉可能であると共に回転軸J1が横方向にスライド移動可能な縦辷り出しタイプの窓である。詳細については後述するが、採風窓223は、戸体22の開く動作に連動して閉まる。
【0020】
本実施形態においては、採風窓223は、屋内側に開く内開きの窓として構成される。採風窓223を開くことで、戸体22が閉位置に位置している場合においても、屋内への通気及び換気が行われ、採風が可能となる。
【0021】
採風窓223の戸先側の屋内側の面には、手掛け部223aが設けられる。手掛け部223aは、採風窓223の表面から窪む凹部223bと、凹部223bの一部を塞ぐ手掛け板223cと、を有する。手掛け部223aの凹部223bに使用者が手を入れて、手掛け板223cに手を引っ掛けた状態で、採風窓223を屋内側に引っ張ることで、採風窓223を閉位置から開けることができる。
【0022】
本実施形態においては、採風窓223は、フリクションステー224により、開閉可能に支持されている。フリクションステー224は、採風窓223の下端部に設けられる。フリクションステー224は、
図4に示すように、採風窓223の下面と、戸体22の開口部221aの下部の横方向に延びる開口部上面221bに形成された開口部側溝221cと、を連結する。
【0023】
採風窓223の下面には、
図4に示すように、戸体22の下面の長手方向の他端部(
図4の上段の図における右側の端部)に配置される他端側ピン223eと、戸体22の下面の長手方向の途中の中間部に配置される中間ピン223dと、が設けられる。これにより、戸体22は、他端側ピン223eの回転軸J1を中心に回転可能であると共に、他端側ピン223eが戸体22の開口部221aの下部に形成された開口部上面221bの開口部側溝221cに沿って左右方向に移動することで、左右方向に移動する。
【0024】
フリクションステー224は、
図4に示すように、長手方向に延びる溝224aを有する長尺の板状に形成される。フリクションステー224は、長手方向の一端部が、戸体22の開口部221aの下部の開口部上面221bの開口部側溝221cの左右方向の一方側の端部(
図4における左側の端部)に設けられた一端側ピン221eに回転可能に連結され、長手方向の他端部が、中間ピン223dに回転可能に連結される。
【0025】
以上のフリクションステー224を備えることにより、例えば、採風窓223の閉状態において、使用者が手掛け部223aに手を掛けて採風窓223を手前側に引くことで、採風窓223は、フリクションステー224に支持された状態で、
図4の上段図及び下段図に示すように、採風窓223が左右方向の他方側に設けられる回転軸J1を中心に回転しながら、開口部側溝221cに沿って移動する。このように、採風窓223は、吊元側に形成される上下方向(縦方向)に延びる回転軸J1を中心に回転可能して開閉可能であると共に回転軸J1が横方向にスライド移動可能な縦辷り出しタイプの窓を構成する。
【0026】
窓開閉機構3(閉鎖機構、速度調整機構)は、採風窓223を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により閉める閉鎖機構として機能すると共に、採風窓223が開位置から閉位置に移動する開閉速度を調整する速度調整機構として機能する。本実施形態においては、窓開閉機構3は、採風窓223を閉鎖力により閉める閉鎖機構と、採風窓223の開閉速度を調整する速度調整機構と、を併せて備えている。
【0027】
本実施形態においては、
図1~
図3に示すように、窓開閉機構3は、ガススプリング31と、ワイヤー32と、を有する。ガススプリング31は、戸体22の開口部221aにおける採風窓223の吊元側の側面に配置される。ガススプリング31は、外部に露出しない位置に配置される。ワイヤー32は、採風窓223の戸先側の端部とガススプリング31とを接続する。
【0028】
ガススプリング31には、ワイヤー32の端部が接続される。ガススプリング31は、シリンダー内に封入したガスの反力をバネ力として蓄積し、そのバネ力により、ワイヤー32に接続された採風窓223を開位置側から閉位置側に移動させる閉鎖力を生じさせる。また、ガススプリング31は、ワイヤー32に接続された採風窓223を閉める際に、採風窓223の開閉速度を調整して減衰させながら採風窓223を閉める。
【0029】
窓保持解除機構4(保持機構、解除機構)は、採風窓223を開位置及び閉位置において保持する保持機構として機能すると共に、開位置において保持された採風窓223の保持を解除する解除機構として機能する。本実施形態においては、窓保持解除機構4は、採風窓223を開位置において保持する保持機構と、閉位置において保持された採風窓223の保持を解除する解除機構と、を併せて備えている。
【0030】
窓保持解除機構4は、
図2及び
図3に示すように、戸体22の上部の内部に配置されるプランジャ部材41(押圧保持部材)と、採風窓223の上面の長手方向の中間部に形成される閉位置係合凹部42と、採風窓223の上面の吊元側に形成される開位置係合凹部43と、上枠211に設けられるプランジャ規制解除部44と、を有する。
【0031】
プランジャ部材41は、採風窓223を戸体22に保持させる。プランジャ部材41は、採風窓223の上方側において、戸体22の内部に設けられる。プランジャ部材41は、戸体22における開口部221aの上方側の部分を上下方向に貫通して配置される。プランジャ部材41は、外部に露出しない位置に配置される。
【0032】
プランジャ部材41は、
図5及び
図6に示すように、上下方向に延びるプランジャ本体411と、プランジャ本体411を上方に向けて付勢するプランジャ側スプリング412と、プランジャ部材41の上方側への移動を規制する位置規制部413と、プランジャ本体411の下端に配置される係合ボール部414(係合部材)と、係合ボール部414を下方に向けて付勢するボール側スプリング415と、を有する。
【0033】
閉位置係合凹部42は、
図2及び
図5に示すように、採風窓223の上面223fの長手方向の中間部において、下方に凹む凹状に形成される。閉位置係合凹部42には、採風窓223が閉位置に位置する場合に、プランジャ部材41の係合ボール部414が係合する。
【0034】
採風窓223を開けた状態から閉めた場合に、係合ボール部414は、ボール側スプリング415により下方に向けて付勢された状態で、採風窓223の上面223fを押圧した状態で移動する。そして、係合ボール部414は、閉位置係合凹部42が形成された位置に移動した場合に、閉位置係合凹部42に係合される。係合ボール部414は、戸体22から採風窓223側に突出されて採風窓223に係合されることで、採風窓223を戸体22に保持させる。これにより、採風窓223は、閉位置において保持される。
【0035】
開位置係合凹部43は、
図3及び
図6に示すように、採風窓223の上面223fの長手方向の吊元側の端部において、下方に凹む凹状に形成される。開位置係合凹部43には、採風窓223が開位置に位置する場合に、プランジャ部材41の係合ボール部414が係合する。
【0036】
採風窓223を閉めた状態から開けた場合に、係合ボール部414は、ボール側スプリング415により下方に向けて付勢された状態で、採風窓223の上面223fを押圧した状態で移動する。そして、係合ボール部414は、開位置係合凹部43が形成された位置に移動した場合に、開位置係合凹部43に係合される。これにより、採風窓223は、開位置において保持される。
【0037】
プランジャ規制解除部44は、戸体22の開く動作に連動して、窓保持解除機構4における採風窓223の保持を解除する。プランジャ規制解除部44は、戸体22の左右方向に位置に応じて、プランジャ部材41の上端部の位置を、規制したり解除したりする。
【0038】
プランジャ規制解除部44は、上枠211の左右方向に沿って凹凸状に形成される。プランジャ規制解除部44は、戸体22の左右方向の戸先側に形成される規制平面部441と、戸体22の左右方向の袖部23側に形成され規制平面部441から上側に凹む解除凹部442と、を有する。
【0039】
規制平面部441は、戸体22により開閉される開口部214の左右方向の戸先側の略半分の領域において、上枠211の下面により形成され、左右方向に水平面状に延びる。規制平面部441には、プランジャ部材41の上端部が当接する。プランジャ部材41は、上方側に付勢された状態で、規制平面部441により下方側に押圧される。プランジャ部材41の先端側に配置される係合ボール部414は、下方に向けて押圧される。これにより、係合ボール部414は、採風窓223の閉位置において閉位置係合凹部42に係合され、採風窓223の開位置において開位置係合凹部43に係合される。
【0040】
解除凹部442は、解除傾斜面部443と、退避平面部444と、を有する。解除傾斜面部443は、戸体22により開閉される開口部214の左右方向の略中央において、上枠211の下面により形成される。解除傾斜面部443は、規制平面部441の左右方向の袖部23側の端部に、規制平面部441に連続して形成される。解除傾斜面部443は、下方を向く傾斜面により構成され、袖部23側に向かうに従って下方から上方に向かうように傾斜する。
【0041】
退避平面部444は、解除傾斜面部443の左右方向の袖部23側の端部に接続され、袖部23側に水平面状に延びる。退避平面部444の下方側の空間には、戸体22が左右方向の袖部23側に移動する場合に、解除傾斜面部443において下方側への押圧力がなくなった状態のプランジャ部材41の上端部が退避される。
【0042】
解除傾斜面部443の傾斜面には、戸体22が左右方向に移動することで、プランジャ部材41の上端部が当接しながら移動される。プランジャ部材41は、戸体22が閉位置から開位置に移動することに連動して、解除傾斜面部443により下方側に押圧された状態から、解除傾斜面部443の傾斜角度に応じて、徐々に、解除傾斜面部443により下方側に押圧されない状態となる。
【0043】
これにより、プランジャ部材41の先端側に配置される係合ボール部414は、解除傾斜面部443における左右方向の所定位置において、解除傾斜面部443に押圧されたプランジャ部材41による下方側への押圧力がなくなり、上部側に移動されて、閉位置係合凹部42又は開位置係合凹部43への係合が解除される。
【0044】
このように、プランジャ規制解除部44は、戸体22の開く動作に連動して係合ボール部414を戸体22から突出した位置から突出しない位置に移動させることで、採風窓223への係合ボール部414の係合を解除する。
【0045】
ここで、採風窓223が開位置に位置する場合において、開位置係合凹部43への係合が解除されることで、採風窓223は、開位置において保持された状態から保持が解除される。採風窓223の開位置での保持状態を解除することで、窓開閉機構3における採風窓223を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により、採風窓223を閉めることができる。
【0046】
次に、第1実施形態において、採風窓223が戸体22の開く動作に連動して閉まる場合の建具1の動作について説明する。まず、戸体22を閉位置に位置させた状態において、使用者が採風窓223の手掛け部223aに手を引っ掛けて採風窓223を屋内側に引っ張ることで、採風窓223を閉位置から開位置に移動させる。
【0047】
戸体22が閉位置に位置する場合には、窓保持解除機構4のプランジャ部材41は、上方側に付勢された状態で、上端部が、規制平面部441により下方側に押圧される。プランジャ部材41の先端側に配置される係合ボール部414は、採風窓223の閉位置において閉位置係合凹部42に係合する。これにより、採風窓223は、
図2に示すように、閉位置に位置された状態で、
図5に示すように、窓保持解除機構4により保持されている。
【0048】
また、採風窓223が閉位置から開位置に移動された場合においても、窓保持解除機構4のプランジャ部材41は、上方側に付勢された状態で、上端部が、規制平面部441により下方側に押圧される。プランジャ部材41の先端側に配置される係合ボール部414は、採風窓223を閉位置から開位置に移動することで、採風窓223の開位置において開位置係合凹部43に係合する。これにより、採風窓223は、
図3に示すように、開位置に位置された状態で、
図6に示すように、窓保持解除機構4により保持されている。
【0049】
次に、採風窓223が開けられた状態で、使用者が戸体22を閉位置から開位置側に移動させることで、戸体22は、左右方向の袖部23側に移動される。この場合には、戸体22の内部に配置されるプランジャ部材41は、戸体22の開閉移動と共に左右方向の袖部23側に移動される。
【0050】
そして、プランジャ部材41は、左右方向において、
図6に示す位置から、
図7に示す位置に移動されて、上枠211に設けられる窓保持解除機構4のプランジャ規制解除部44の解除傾斜面部443が形成された位置に達する。プランジャ部材41は、戸体22が閉位置から開位置に移動することに連動して、解除傾斜面部443により下方側に押圧された状態から、解除傾斜面部443の傾斜角度に応じて、徐々に、解除傾斜面部443により下方側に押圧されない状態となる。
【0051】
これにより、プランジャ部材41の先端側に配置される係合ボール部414は、解除傾斜面部443における左右方向の所定位置において、解除傾斜面部443に押圧されたプランジャ部材41による下方側への押圧力がなくなり、上部側に移動されて、開位置係合凹部43への係合が解除される。
【0052】
係合ボール部414が上部側に移動されて開位置係合凹部43への係合が解除されることで、窓開閉機構3のガススプリング31の閉鎖力により、採風窓223の戸先側がワイヤー32により引っ張られる。これにより、採風窓223は、開位置から閉位置に移動される。
【0053】
このように、採風窓223が開位置に位置している場合に、戸体22が閉位置から開位置側に移動されたとしても、採風窓223は、袖部23の方立231に達する前に、開位置から閉位置に移動される。これにより、採風窓223は、戸体22が開く動作に連動して閉まることができる。よって、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを防止できると共に、採風窓223が袖部23(方立231)に衝突することを防止できる。
【0054】
第1実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の建具1は、開閉可能な戸体22を備え、戸体22には、回転軸J1を中心に回転して開閉可能な採風窓223が設けられ、採風窓223は、戸体22の開く動作に連動して閉まる。これにより、開閉可能な採風窓223が戸体22に設けられた建具1において、簡易な構成で、意匠性を向上させることができる。また、戸体22の開く動作に連動して採風窓223が閉まるため、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを防止できる。また、戸体22を開ける方向に袖部23が設けられている場合において、戸体22を開ける場合に、採風窓223が袖部23に衝突することを防止できる。
【0055】
また、本実施形態においては、採風窓223を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により閉める窓開閉機構3と、採風窓223を開位置において保持すると共に戸体22の開く動作に連動して採風窓223の保持を解除する窓保持解除機構4と、を備える。これにより、窓保持解除機構4により採風窓223を開位置において保持し、戸体22の開く動作に連動して窓保持解除機構4により採風窓223の保持が解除された場合に、窓開閉機構3における採風窓223の閉鎖力により採風窓223を閉めることができる。よって、簡易な構成で、戸体22の開く動作に連動して、採風窓223を閉めることができる。従って、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを簡易な構成で防止できる。
【0056】
また、本実施形態においては、採風窓223が開位置から閉位置に移動する開閉速度を調整する窓開閉機構3を備える。これにより、採風窓223を閉める際に、減衰させながら閉めることができる。
【0057】
また、本実施形態においては、窓保持解除機構4は、採風窓223を戸体22に保持させるプランジャ部材41を有し、プランジャ部材41は、戸体22に設けられる。プランジャ部材41を戸体22の内部に設けることで、戸体22の外部から視認されない部分に、窓保持解除機構4を設けることができる。よって、意匠性を向上できる。
【0058】
また、本実施形態においては、窓保持解除機構4は、戸体22から採風窓223側に突出されて採風窓223に係合されることで、採風窓223を戸体22に保持させる係合ボール部414を有し、窓保持解除機構4は、戸体22の開く動作に連動して係合ボール部414を戸体22から突出した位置から突出しない位置に移動させることで、採風窓223への係合ボール部414の係合を解除する。これにより、採風窓223が係合ボール部414に係合されることで採風窓223の開位置を保持でき、採風窓223への係合ボール部414の係合が解除されることで採風窓223の保持を解除できる。よって、簡易な構成で、採風窓223を開位置で保持させることができると共に、採風窓223の保持を解除することができる。
【0059】
次に、第2実施形態の建具1Aについて説明する。第2実施形態で説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付けて、その説明を省略する。
【0060】
図8~
図10に示すように、第2実施形態の建具1Aは、第1実施形態の窓保持解除機構4に代えて、窓保持解除機構4Aを備える。
【0061】
窓保持解除機構4A(保持機構、解除機構)は、採風窓223を開位置及び閉位置において保持する保持機構として機能すると共に、開位置において保持された採風窓223の保持を解除する解除機構として機能する。本実施形態においては、窓保持解除機構4Aは、採風窓223を開位置において保持する保持機構と、閉位置において保持された採風窓223の保持を解除する解除機構と、を併せて備えている。
【0062】
窓保持解除機構4Aは、
図11及び
図12に示すように、採風窓223の上部の内部に配置されるプランジャ部材45と、閉位置係合凹部46と、開位置係合凹部47と、プランジャ規制解除部48と、を有する。
【0063】
プランジャ部材45は、採風窓223を戸体22に保持させる。プランジャ部材45は、
図10及び
図11に示すように、採風窓223の上部の吊元側において、採風窓223の内部に設けられる。
【0064】
プランジャ部材45は、上端に配置される係合ボール部451(係合部材)と、係合ボール部451を上方に向けて付勢するボール側スプリング452と、を有する。
【0065】
閉位置係合凹部46は、
図9及び
図11に示すように、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dにおける採風窓223の吊元側において上方に凹む凹状に形成される。閉位置係合凹部46には、採風窓223が閉位置に位置する場合に、プランジャ部材45の係合ボール部451が係合する。
【0066】
採風窓223を開けた状態から閉めた場合に、係合ボール部451は、ボール側スプリング452により上方に向けて付勢された状態で、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dを押圧した状態で移動する。そして、係合ボール部451は、閉位置係合凹部46が形成された位置に移動した場合に、閉位置係合凹部46に係合される。係合ボール部451は、採風窓223から戸体22側に突出されて戸体22に係合されることで、採風窓223を戸体22に保持させる。これにより、採風窓223は、閉位置において保持される。
【0067】
開位置係合凹部47は、
図10及び
図12に示すように、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dの左右方向の中間位置において上方に凹む凹状に形成される。開位置係合凹部47には、採風窓223が閉位置に位置する場合に、プランジャ部材45の係合ボール部451が係合する。
【0068】
採風窓223を閉めた状態から開けた場合に、係合ボール部451は、ボール側スプリング452により上方に向けて付勢された状態で、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dを押圧した状態で移動する。そして、係合ボール部451は、開位置係合凹部47が形成された位置に移動した場合に、開位置係合凹部47に係合される。これにより、採風窓223は、開位置において保持される。
【0069】
プランジャ規制解除部48は、戸体22の開く動作に連動して、窓保持解除機構4Aにおける採風窓223の保持を解除する。プランジャ規制解除部48は、開位置係合凹部47の上端に接続され戸体22の上部の内部を上下方向に延びて配置されるコントロールケーブル481と、コントロールケーブル規制解除部482と、を有する。プランジャ規制解除部48は、戸体22の左右方向に位置に応じて、コントロールケーブル481のケーブル部材481bの上端部の位置を、規制したり解除したりする。
【0070】
コントロールケーブル481は、外筒481aと、外筒481aの内部に配置されるケーブル部材481bと、を有する。外筒481aは、筒状に形成され、開位置係合凹部47の上端から、戸体22の上面221fまで、上下方向に延びる。ケーブル部材481bは、上端部が、戸体22の上面221fから突出可能に配置され、下端部が、開位置係合凹部47の内部に突出して配置される。
【0071】
採風窓223が開位置に位置する場合において、
図12及び
図13に示すように、ケーブル部材481bの下端部は、開位置係合凹部47の内部においてプランジャ部材45の係合ボール部451に当接する。ケーブル部材481bの上端部が押圧されていない場合には、
図12に示すように、ケーブル部材481bの下端部は、係合ボール部451を押圧しない状態で、係合ボール部451に当接する。ケーブル部材481bの上端部が押圧されている場合には、
図13に示すように、ケーブル部材481bの下端部は、係合ボール部451を下方に押圧した状態で、係合ボール部451に当接する。
【0072】
コントロールケーブル規制解除部482は、上枠211の左右方向に沿って凹凸状に形成される。コントロールケーブル規制解除部482は、戸体22の左右方向の戸先側に形成される解除平面部482aと、戸体22の左右方向の袖部23側に形成され解除平面部482aよりも下方に突出する規制凸部482bと、を有する。
【0073】
解除平面部482aは、上枠211の下面により形成され、戸体22により開閉される開口部214の左右方向の戸先側の略半分の領域において、ケーブル部材481bの上端部の上部に形成される。解除平面部482aと戸体22の上面221fとの間には、ケーブル部材481bの上端部が退避可能な空間が形成される。
【0074】
規制凸部482bは、規制傾斜面部482cと、規制平面部482dと、を有する。規制傾斜面部482cは、戸体22により開閉される開口部214の左右方向の略中央において、上枠211の下面により形成される。規制傾斜面部482cは、解除平面部482aの左右方向の袖部23側の端部に、解除平面部482aに連続して形成される。規制傾斜面部482cは、下方を向く傾斜面により構成され、袖部23側に向かうに従って上方から下方に向かうように傾斜する。
【0075】
規制傾斜面部482cの傾斜面には、戸体22が左右方向に移動することで、ケーブル部材481bの上端部が当接した状態で移動される。ケーブル部材481bの上端部は、戸体22が閉位置から開位置に移動することに連動して、規制傾斜面部482cより下方側に押圧されない状態から、規制傾斜面部482cの傾斜角度に応じて、徐々に、規制傾斜面部482cにより下方側に押圧される状態となる。
【0076】
規制平面部482dは、規制傾斜面部482cの左右方向の袖部23側の端部に接続され、袖部23側に水平面状に延びる。規制平面部482dにおいては、戸体22が左右方向の袖部23側に移動する場合に、規制傾斜面部482cにおいてケーブル部材481bの上端部が押圧された状態が維持される。
【0077】
図12に示すように、プランジャ部材45の先端側に配置される係合ボール部451は、ケーブル部材481bの上端部が規制傾斜面部482cに押圧されていない場合には、ケーブル部材481bの下端部が係合ボール部451を押圧しないため、係合ボール部451は、上方側に付勢されている状態である。そのため、係合ボール部451は、採風窓223の開位置において開位置係合凹部47に係合する。
【0078】
一方、
図13に示すように、ケーブル部材481bの上端部が規制傾斜面部482c又は規制平面部482dに押圧された場合には、ケーブル部材481bの下端部は、係合ボール部451を押圧する。この場合には、ケーブル部材481bの下端部が係合ボール部451を押圧するため、係合ボール部451は、開位置係合凹部47に係合しない位置まで、下方に押圧される。
【0079】
これにより、プランジャ部材45の先端側に配置される係合ボール部451は、規制傾斜面部482c又は規制平面部482dにおける左右方向の所定位置において、ケーブル部材481bの上端部が規制傾斜面部482cに押圧されることにより、ケーブル部材481bの下端部により下方側に移動されて、開位置係合凹部47への係合が解除される。
【0080】
このように、プランジャ規制解除部48は、戸体22の開く動作に連動して係合ボール部451を採風窓223から突出した位置から突出しない位置に移動させることで、戸体22への係合ボール部451の係合を解除する。
【0081】
ここで、採風窓223が開位置に位置する場合において、開位置係合凹部47への係合が解除されることで、採風窓223は、開位置において保持された状態から保持が解除される。採風窓223の開位置での保持状態を解除することで、窓開閉機構3における採風窓223を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により、採風窓223を閉めることができる。
【0082】
次に、第2実施形態において、採風窓223が戸体22の開く動作に連動して閉まる場合の建具1Aの動作について説明する。まず、戸体22を閉位置に位置させた状態において、使用者が採風窓223の手掛け部223aに手を引っ掛けて採風窓223を屋内側に引っ張ることで、採風窓223を閉位置から開位置に移動させる。
【0083】
戸体22が閉位置に位置する場合には、プランジャ部材45の先端側に配置される係合ボール部451は、採風窓223の閉位置において閉位置係合凹部46に係合する。これにより、採風窓223は、
図9に示すように、閉位置に位置された状態で、
図11に示すように、窓保持解除機構4Aにより保持されている。
【0084】
また、採風窓223が閉位置から開位置に移動された場合においても、プランジャ部材45の先端側に配置される係合ボール部451は、採風窓223の開位置において開位置係合凹部47に係合する。これにより、採風窓223は、
図10に示すように、開位置に位置された状態で、
図12に示すように、窓保持解除機構4Aにより保持されている。
【0085】
次に、採風窓223が開けられた状態で、使用者が戸体22を閉位置から開位置側に移動させることで、戸体22は、左右方向の袖部23側に移動される。この場合には、採風窓223の内部に配置されるプランジャ部材45及び戸体22の内部に配置されるコントロールケーブル481は、戸体22の開閉移動と共に左右方向の袖部23側に移動される。
【0086】
そして、コントロールケーブル481は、左右方向において、
図12に示す位置から、
図13に示す位置に移動されて、上枠211に設けられる窓保持解除機構4Aのコントロールケーブル規制解除部482の規制傾斜面部482c又は規制平面部482dの左右方向の所定位置において、ケーブル部材481bの上端部が規制傾斜面部482c又は規制平面部482dに押圧される。
【0087】
これにより、プランジャ部材45の先端側に配置される係合ボール部451は、ケーブル部材481bの下端部により下方側に移動されて、開位置係合凹部47への係合が解除される。
【0088】
係合ボール部451が下方側に移動されて開位置係合凹部47への係合が解除されることで、窓開閉機構3のガススプリング31の閉鎖力により、採風窓223の戸先側がワイヤー32により引っ張られる。これにより、採風窓223は、開位置から閉位置に移動される。
【0089】
このように、採風窓223が開位置に位置している場合に、戸体22が閉められる方向に移動されたとしても、採風窓223は、袖部23の方立231に達する前に、開位置から閉位置に移動される。これにより、採風窓223は、戸体22が閉まる動作に連動して閉まることができる。よって、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを防止できると共に、採風窓223が袖部23(方立231)に衝突することを防止できる。
【0090】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することに加えて、以下の効果が奏される。本実施形態の建具1Aにおいては、窓保持解除機構4Aのプランジャ部材45は、採風窓223の内部に設けられる。そのため、第1実施形態のように戸体22の内部にプランジャ部材41を配置する場合と比べて、戸体22の内部にプランジャ部材45を配置する空間を設けずに断熱材を配置できるため、戸体22の断熱性能の低下を最小限に抑えることができる。
【0091】
次に、第3実施形態の建具1Bについて説明する。第3実施形態で説明しない点については、第2実施形態の説明を援用できる。第3実施形態において、第2実施形態と同様の構成については、第2実施形態と同様の符号を付けて、その説明を省略する。
【0092】
図14~
図16に示すように、第3実施形態の建具1Bは、戸体22がハンドルラッチ機構部24を備え、第2実施形態の窓保持解除機構4Aに代えて、窓保持解除機構4Bを備える。
【0093】
戸体22は、屋内側ハンドル222又は屋外側ハンドル(図示せず)が操作されることで開閉動作される。戸体22は、ハンドルラッチ機構部24を有する。ハンドルラッチ機構部24のラッチ241は、屋内側ハンドル222及び屋外側ハンドルの戸体22を開ける操作に連動して解除される。
【0094】
窓保持解除機構4B(保持機構、解除機構)は、採風窓223を開位置及び閉位置において保持する保持機構として機能すると共に、開位置において保持された採風窓223の保持を解除する解除機構として機能する。本実施形態においては、窓保持解除機構4Bは、採風窓223を開位置において保持する保持機構と、閉位置において保持された採風窓223の保持を解除する解除機構と、を併せて備えている。窓保持解除機構4Bは、屋内側ハンドル222又は屋外側ハンドルの戸体22を開ける操作による戸体22の開く動作に連動してラッチ241が解除された場合に、窓保持解除機構4Bにおける採風窓223の保持を解除する。
【0095】
窓保持解除機構4Bは、
図17及び
図18に示すように、採風窓223の上部の内部に配置されるプランジャ部材61(押圧保持部材)と、閉位置係合凹部62と、開位置係合凹部63と、押圧カップ部材規制解除部64と、を有する。
【0096】
プランジャ部材61は、採風窓223を戸体22に保持させる。プランジャ部材61は、採風窓223の上部の吊元側において、採風窓223の内部に設けられる。
【0097】
プランジャ部材61は、
図17及び
図18に示すように、上端に配置される係合ボール部611(係合部材)と、係合ボール部611を上方に向けて付勢するボール側スプリング612と、を有する。
【0098】
閉位置係合凹部62は、
図17及び
図18に示すように、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dにおける採風窓223の吊元側において上方に凹む凹状に形成される。閉位置係合凹部62には、採風窓223が閉位置に位置する場合にプランジャ部材61の係合ボール部611が係合する。
【0099】
採風窓223を開けた状態から閉めた場合に、係合ボール部611は、ボール側スプリング612により上方に向けて付勢された状態で、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dを押圧した状態で移動する。そして、係合ボール部611は、閉位置係合凹部62が形成された位置に移動した場合に、閉位置係合凹部62に係合される。係合ボール部611は、採風窓223から戸体22側に突出されて戸体22に係合されることで、採風窓223を戸体22に保持させる。これにより、採風窓223は、閉位置において保持される。
【0100】
開位置係合凹部63は、
図17及び
図18に示すように、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dの左右方向の中間位置において上方に凹む凹状に形成される。開位置係合凹部63には、採風窓223が開位置に位置する場合に、プランジャ部材61の係合ボール部611が係合する。
【0101】
採風窓223を閉めた状態から開けた場合に、係合ボール部611は、ボール側スプリング612により上方に向けて付勢された状態で、戸体22の開口部221aの上部に形成される下面221dを押圧した状態で移動する。そして、係合ボール部611は、開位置係合凹部63が形成された位置に移動した場合に、開位置係合凹部63に係合される。これにより、採風窓223は、開位置において保持される。
【0102】
押圧カップ部材規制解除部64は、コントロールケーブル641と、コントロールケーブル規制解除部642と、を有する。コントロールケーブル規制解除部642は、ハンドルラッチ機構部24の一部により構成される。
【0103】
コントロールケーブル641は、外筒641aと、外筒641aの内部に配置されるケーブル部材641bと、を有する。外筒641aは、筒状に形成され、開位置係合凹部63の上端から、ハンドルラッチ機構部24まで延びる。ケーブル部材641bは、一端部が、開位置係合凹部63の内部に突出して配置され、他端部が、ハンドルラッチ機構部24に接続される。
【0104】
図18に示すように、ケーブル部材641bがコントロールケーブル規制解除部642により係合ボール部611側に押し出されていないで係合ボール部611を押圧していない場合には、ケーブル部材641bの一端部は、係合ボール部611を押圧しない状態で、係合ボール部611に当接する。
【0105】
プランジャ部材61の先端側に配置される係合ボール部611は、ケーブル部材641bがコントロールケーブル規制解除部642により押し出されていない場合には、ケーブル部材641bの一端部が係合ボール部611を押圧しないため、係合ボール部611は、上方側に付勢されている状態である。そのため、係合ボール部611は、採風窓223の開位置において開位置係合凹部63に係合する。
【0106】
一方、
図19に示すように、ケーブル部材641bがコントロールケーブル規制解除部642により係合ボール部611側に押し出されている場合には、ケーブル部材641bの一端部は、係合ボール部611を押圧する。この場合には、ケーブル部材641bの一端部が係合ボール部611を押圧するため、係合ボール部611は、開位置係合凹部63に係合しない位置まで、下方に押圧される。
【0107】
これにより、プランジャ部材61の先端側に配置される係合ボール部611は、ケーブル部材641bがコントロールケーブル規制解除部642により押し出される場合には、ケーブル部材641bの一端部により下方側に移動されて、開位置係合凹部63への係合が解除される。
【0108】
このように、コントロールケーブル規制解除部642は、屋内側ハンドル222又は屋外側ハンドルの戸体22を開ける操作による戸体22の開く動作に連動してハンドルラッチ機構部24のラッチ241が解除された場合に、コントロールケーブル641のケーブル部材641bを係合ボール部611側に押し出して係合ボール部611を押圧することで、窓保持解除機構4Bにおける採風窓223の保持を解除する。
【0109】
ここで、採風窓223が開位置に位置する場合において、開位置係合凹部63への係合が解除されることで、採風窓223は、開位置において保持された状態から保持が解除される。採風窓223の開位置での保持状態を解除することで、窓開閉機構3における採風窓223を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により、採風窓223を閉めることができる。このようにして、採風窓223は、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動してラッチ241が解除された場合に、ラッチ241の解除に連動して閉まる。
【0110】
次に、第3実施形態において、採風窓223が戸体22の開く動作に連動して閉まる場合の建具1Bの動作について説明する。まず、戸体22を閉位置に位置させた状態において、使用者が採風窓223の手掛け部223aに手を引っ掛けて採風窓223を屋内側に引っ張ることで、採風窓223を閉位置から開位置に移動させる。
【0111】
戸体22が閉位置に位置する場合には、プランジャ部材61の先端側に配置される係合ボール部611は、採風窓223の閉位置において閉位置係合凹部62に係合する。これにより、採風窓223は、
図15に示すように、閉位置に位置された状態で、
図17に示すように、窓保持解除機構4Bにより保持されている。
【0112】
また、採風窓223が閉位置から開位置に移動された場合においても、プランジャ部材61の先端側に配置される係合ボール部611は、採風窓223の開位置において開位置係合凹部63に係合する。これにより、採風窓223は、
図16に示すように、開位置に位置された状態で、
図18に示すように、窓保持解除機構4Bにより保持されている。
【0113】
次に、採風窓223が開けられた状態で、使用者が戸体22を閉位置から開位置側に移動させる。採風窓223が開けられた状態で、使用者が屋内側ハンドル222を操作することで、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作による戸体22の開く動作に連動してハンドルラッチ機構部24のラッチ241が解除される。これにより、コントロールケーブル641のケーブル部材641bを係合ボール部611側に押し出して係合ボール部611を押圧することで、係合ボール部611が下方側に移動されて、係合ボール部611の開位置係合凹部63への係合が解除される。
【0114】
係合ボール部611が下方側に移動されて開位置係合凹部63への係合が解除されることで、窓開閉機構3のガススプリング31の閉鎖力により、採風窓223の戸先側がワイヤー32により引っ張られる。これにより、採風窓223は、開位置から閉位置に移動される。
【0115】
このように、採風窓223が開位置に位置している場合に、戸体22が閉められる方向に移動されたとしても、採風窓223は、袖部23の方立231に達する前に、開位置から閉位置に移動される。これにより、採風窓223は、戸体22が閉まる動作に連動して閉まることができる。よって、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを防止できると共に、採風窓223が袖部23(方立231)に衝突することを防止できる。
【0116】
第3実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果を奏することに加えて、以下の効果が奏される。本実施形態の建具1Bにおいては、戸体22は、屋内側ハンドル222が操作されることで開閉動作されると共に、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動して解除されるラッチ241を有し、採風窓223は、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動してラッチ241が解除された場合に、ラッチ241の解除に連動して閉まる。これにより、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動させてラッチ241が解除することで、ラッチ241の解除に連動させて、採風窓223を容易に閉めることができる。
【0117】
また、本実施形態においては、採風窓223を開位置側から閉位置側に向かうように移動させる閉鎖力により閉める窓開閉機構3と、採風窓223を開位置において保持すると共に屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動してラッチ241が解除された場合に採風窓223の保持を解除する窓保持解除機構4Bと、を備える。これにより、窓保持解除機構4Bは、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動してラッチ241が解除された場合に、窓保持解除機構4Bにおける採風窓223の保持を解除できる。よって、簡易な構成で、ラッチ241の解除に連動させて、採風窓223を容易に閉めることができる。
【0118】
また、第3実施形態においては、第1実施形態、第2実施形態及び第4実施形態(後述)とは異なり、上枠211への部材追加がなく、よりシンプルに構成することが可能である。また、屋内側ハンドル222の戸体22を開ける操作に連動させてラッチ241を解除することで戸体22が閉まることを利用して、屋内側ハンドル222を少しだけ動かしてラッチ241を解除することで、採風窓223を閉めることができる。そのため、手で屋内側ハンドル222を操作して戸体22を閉めるよりも、採風窓223を容易に閉めることができる。
【0119】
次に、第4実施形態の建具1Cについて説明する。第4実施形態で説明しない点については、第1実施形態の説明を援用できる。第4実施形態において、第1実施形態と同様の構成については、第1実施形態と同様の符号を付けて、その説明を省略する。
【0120】
図20~
図22に示すように、第4実施形態の建具1Cは、採風窓223が吊元側の端部に設けられる上下方向に延びるヒンジ軸部材225の回転軸J2を中心に回転して開閉すると共に、変換機構5を備える点において、第1実施形態と異なる。
【0121】
第4実施形態の建具1Cは、第1実施形態のフリクションステー224を備えておらず、採風窓223が吊元側の端部に設けられるヒンジ軸部材225(回転軸部材)の回転軸J2を中心に回転して開閉する。
【0122】
建具1Cは、変換機構5を備える。変換機構5は、戸体22を開閉させる力を、採風窓223(窓部)を閉める力に変換する。これにより、採風窓223は、変換機構5により、戸体22の開く動作に連動して閉まる。
【0123】
変換機構5は、採風窓223のヒンジ軸部材225の回転に連動して回転する回転ギア51と、戸体22の移動方向に沿って延びて形成され回転ギア51に噛み合う移動方向延在ギア52と、を有する。
【0124】
回転ギア51は、戸体22の開閉移動に連動して、移動方向延在ギア52に噛み合って、戸体22を閉位置側から開位置側に移動する場合には採風窓223を閉める側に回転させ、戸体22が開位置側から閉位置側に移動する場合には回転させないワンウェイクラッチ構造を有する。これにより、戸体22の開く動作に連動して、移動方向延在ギア52に噛み合う回転ギア51が回転することで、採風窓223は、戸体22の開く動作に連動して閉まる。
【0125】
第4実施形態において、採風窓223が戸体22の開く動作に連動して閉まる場合の建具1Cの動作について説明する。
図21に示すように、採風窓223が開けられた状態で、使用者が戸体22を閉位置から開位置側に移動させることで、戸体22は、左右方向の袖部23側に移動される。
【0126】
この場合には、
図22に示すように、戸体22のヒンジ軸部材225の回転に連動して回転する回転ギア51が、移動方向延在ギア52に噛み合って、戸体22を開位置から閉位置に移動させるように回転する。これにより、採風窓223は、ヒンジ軸部材225の回転軸J2を中心に回転することで、開位置から閉位置に移動される。
【0127】
このように、採風窓223が開位置に位置している場合に、戸体22が閉められる方向に移動されたとしても、採風窓223は、袖部23の方立231に達する前に、開位置から閉位置に移動される。これにより、採風窓223は、戸体22が閉まる動作に連動して閉まることができる。よって、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを防止できると共に、採風窓223が袖部23(方立231)に衝突することを防止できる。
【0128】
第4実施形態によれば、以下の効果が奏される。本実施形態の建具1Cは、戸体22を開閉させる力を、採風窓223を閉める力に変換する変換機構5を備え、採風窓223は、変換機構5により、戸体22の開く動作に連動して閉まる。これにより、第1実施形態と同様に、開閉可能な採風窓223が戸体22に設けられた建具1Cにおいて、簡易な構成で、意匠性を向上させることができる。また、戸体22の開く動作に連動して採風窓223が閉まるため、戸体22を開ける場合に、採風窓223が邪魔になることを防止できる。また、戸体22を開ける方向に袖部23が設けられている場合には、戸体22を開ける場合に、採風窓223が袖部23に衝突することを防止できる。
【0129】
また、本実施形態においては、変換機構5は、採風窓223のヒンジ軸部材225の回転に連動して回転する回転ギア51と、戸体22の移動方向に沿って延びて形成され回転ギア51に噛み合う移動方向延在ギア52と、を有し、採風窓223は、戸体22の開く動作に連動して前記移動方向延在ギア52に噛み合う回転ギア51が回転することで、戸体22の開く動作に連動して閉まる。これにより、簡易な構成で、戸体22の開く動作に連動して閉まる採風窓223を戸体22に設けることができる。
【0130】
なお、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。
【0131】
例えば、前記実施形態においては、戸体を横方向に移動する引戸により構成したが、これに限定されない。戸体を、回転して開閉可能な開き戸により構成してもよい。戸体を回転して開閉可能な開き戸により構成した場合に、窓部を開いた状態で、開き戸を開閉動作させると、窓部が邪魔になる可能性がある。このような場合において、窓部を、回転して開閉可能な開き戸(戸体)の開く動作に連動して閉まるように構成することは有効的である。
【0132】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、開き窓を、回転軸が縦方向に延びると共に回転軸が横方向にスライド移動可能な縦辷り出し障子(縦辷り出し窓)により構成したが、これに限定されない。開き窓を、回転軸が横方向に延びると共に回転軸が縦方向にスライド移動可能な縦辷り出し障子(横辷り出し窓)により構成してもよい。
【0133】
また、前記第1実施形態及び前記第2実施形態の縦辷りの採風窓223に代えて、窓部を、第4実施形態に説明した窓部の回転軸がスライド移動されない構成としてもよい。また、窓部を、複数の羽板を設け、羽板の幅方向の中央に設けられる回転軸を中心に回転して開閉可能なルーバー窓などの回転窓により構成してもよい。また、窓部の回転可能な角度は限定されない。
【0134】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態において、フリクションステーを用いて、採風窓が縦辷り出すように構成した。また、ガススプリングを用いて、開閉動作と速度を調整するように構成した。しかし、フリクションステーの機能とガススプリングの機能とを集約した一部品で構成してもよい。この場合、部品点数を減らすことができるので、コストを低減できる。
【0135】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、窓開閉機構(閉鎖機構、速度調整機構)として、ガススプリング31を用いたが、これに限定されない。例えば、ゼンマイばねを利用したワイヤーリールを用いてもよい。
【0136】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、窓開閉機構は、閉鎖機構及び速度調整機構を併せて備えていたが、これに限定されず、速度調整機構を備えていなくてもよい。
【0137】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、窓部(採風窓)の全閉位置と全開位置との2箇所において、窓部(採風窓)の位置を保持するように構成したが、これに限定されない。全閉位置と全開位置との間の途中の半開位置において、窓部(採風窓)を保持するように構成してもよい。
【0138】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、窓開閉機構3は、窓部(採風窓)を閉鎖する閉鎖機構と、窓部(採風窓)の開閉速度を調整する速度調整機構と、を1つの部品により構成したが、これに限定されない。窓部(採風窓)を閉鎖する閉鎖機構と、窓部(採風窓)の開閉速度を調整する速度調整機構と、を別々の部品により構成してもよい。
【0139】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、窓部を、縦方向に延びる回転軸を中心に回転可能であると共に回転軸が横方向にスライド移動可能な縦辷り出し窓(開き窓)により構成したが、これに限定されない。窓部を、横方向に延びる回転軸を中心に回転可能であると共に回転軸が縦方向にスライド移動可能な横辷り出し窓(開き窓)により構成してもよい。
【0140】
前記第1実施形態、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、窓開閉機構3のワイヤー32を窓部の上部に設けたが、これに限定されない。窓開閉機構3のワイヤー32を、窓部の上部及び下部に設けてバランスを調整してもよいし、窓部の上部、中間部及び下部に設けてバランスを調整してもよい。
【0141】
前記実施形態においては、窓部を採風窓に適用した例について説明したが、これに限定されない。例えば、窓部をインテリアドアの欄間や、開閉可能な戸体に設けられるペット用の開閉窓に適用してもよい。
【0142】
前記実施形態においては、窓部を屋内側に開く内開きの窓により構成したが、これに限定されない。窓部を屋外側に開く外開きの窓により構成してもよい。
【符号の説明】
【0143】
1,1A,1B,1C 建具、3 窓開閉機構(閉鎖機構、速度調整機構)、4,4A,4B 窓保持解除機構(保持機構、解除機構)、5 変換機構、22 戸体、41 プランジャ部材(押圧保持部材)、61 押圧カップ部材(押圧保持部材)、223 採風窓(窓部)、225 ヒンジ軸部材(回転軸部材)、241 ラッチ、414,451,611 係合ボール部(係合部材)、J1,J2 回転軸