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特開2022-162298破砕防止用流れ抑制装置および破砕防止用流れ抑制方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162298
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】破砕防止用流れ抑制装置および破砕防止用流れ抑制方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 11/00 20060101AFI20221017BHJP
   B65G 65/30 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B65G11/00 A
B65G65/30 C
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067061
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】300008793
【氏名又は名称】精研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】長山 照一
【テーマコード(参考)】
3F011
3F075
【Fターム(参考)】
3F011AA02
3F011BA02
3F075AA09
3F075BA01
3F075BA02
3F075CB13
3F075CD06
(57)【要約】
【課題】従来、単に昇降機により揚穀した穀粒を各装置に搬送して処理する構成のため、昇降機により揚穀された穀粒が各装置内に流入する際に、穀粒が装置内壁に衝突するので、穀粒に破砕や割れが発生するという課題がある。
【解決手段】上側から穀粒Kを搬送する搬送方向上手側配管2の下部を、ケース15の上部に接続し、ケース15の下部に搬送方向下手側配管2の上部を接続し、ケース15内の上部にはケース15内の穀粒Kの搬送方向に対して傾斜する抑制仕切板17を、傾斜角度変更自在に設け、抑制仕切板17の下端とケース15の一方側側面との間に搬送された穀粒Kが抑制仕切板17に当接して貯留される貯留空間Tを形成し、貯留空間Tの側方に貯留空間Tから溢れた穀粒Kがこぼれる溢流空間Sを形成した破砕防止用流れ抑制装置。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側から穀粒Kを搬送する搬送方向上手側配管2の下部を、ケース15の上部に接続し、ケース15の下部に搬送方向下手側配管2の上部を接続し、ケース15内の上部にはケース15内の穀粒Kの搬送方向に対して傾斜する抑制仕切板17を、傾斜角度変更自在に設け、抑制仕切板17の下端とケース15の一方側側面との間に搬送された穀粒Kが抑制仕切板17に当接して貯留される貯留空間Tを形成し、貯留空間Tの側方に貯留空間Tから溢れた穀粒Kがこぼれる溢流空間Sを形成した破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項2】
請求項1において、前記貯留空間Tには、抑制仕切板17の下端とケース15のケース内面32との間には隙間33を形成し、この隙間33を穀粒Kが流下するように構成し、抑制仕切板17の上端は、常時ケース15の右側板35との間に溢流空間Sを形成し、溢流空間Sには貯留空間Tに穀粒Kが所定量溜まると、溢れた穀粒Kが溢流空間Sを通ってケース15の下方に移動するように構成した破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2において、抑制仕切板17は取付軸19によりケース15に回動自在に取付け、取付軸19に取付けた調節機構21により傾斜角度調節自在に構成した破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項4】
請求項3において、調節機構21は、取付軸19の一端に操作レバー25を取付け、操作レバー25には取付軸19を中心とする円弧状の移動溝26を設け、移動溝26には固定ダイヤル27を取付けて構成した破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項5】
請求項1~請求項4において、抑制仕切板17の双方のケース15の左側板31には開口部37を設け、開口部37には点検蓋30を着脱自在に取付けた破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項6】
請求項5において、開口部37および点検蓋30は、点検蓋30を外すと、略水平状態にした抑制仕切板17の取付部18と取付軸19との取付部分の視認可能となるように構成した破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項7】
請求項1~請求項6において、ケース15の前板38の取付軸19より上方部分には透明の点検窓39を設けた破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項8】
請求項1~請求項7において、ケース15の抑制仕切板17と溢流空間Sとにより構成する緩衝部40の下方には、穀粒K中から異物を除去する異物除去部41を設けた破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項9】
請求項8において、異物除去部41は、緩衝部40の下方に略水平の選別網42を取付部材43に着脱自在に取付け、選別網42の下方の取付部材43には所定の磁力を有するマグネット体48を設け、取付部材43はケース15の左側板31に設けた下側開口部45から出し入れしてケース15に着脱する構成とした破砕防止用流れ抑制装置。
【請求項10】
ケース15の上側の配管2から穀粒Kケース15内に流入させ、流入させた穀粒Kを傾斜させた抑制仕切板17上の貯留空間Tに貯留させ、抑制仕切板17上に貯留した穀粒Kを抑制仕切板17の下端とケース15の内面との間の隙間33から落下させ、貯留空間Tの側方に設けた溢流空間Sから、貯留空間Tに所定量溜まった一部の溢れた穀粒Kをケース15の下方に移動させる破砕防止用流れ抑制方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、破砕防止用流れ抑制装置および破砕防止用流れ抑制方法に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、籾摺機あるいは粒径選別機等を並設し、各装置の間に昇降機を設け、穀粒を搬送揚穀しつつ各種処理する処理施設は、公知である(特許文献1)。
また、従来、多数並設した薄い縦板と、マグネット体と、水平選別網とにより構成した異物除去装置は、本出願人の先願として公知である(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-44686号公報
【特許文献2】特開平11-156300号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例のうち前者のものは、単に昇降機により揚穀した穀粒を各装置に搬送して処理する構成のため、昇降機により揚穀された穀粒が各装置内に流入する際に、穀粒が装置内壁に衝突するので、穀粒に破砕や割れが発生するという課題がある。
この課題を解決するには、搬送速度を遅くすればよいが、単に遅くさせると、搬送効率を低下させる。
また、前記公知例のうち後者のものも、タンクの手前の搬送配管に異物除去装置を配置しているので、異物除去装置の縦板に、搬送された穀粒が衝突して、穀粒が破砕され、あるいは、割れが発生するという課題がある。この異物除去する際に、穀粒の損傷を防止する着想はなかった。
本願は、搬送効率を低下させずに、搬送中の穀粒の損傷発生を抑制しつつ、あわせて、異物除去もできるようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、上側から穀粒Kを搬送する搬送方向上手側配管2の下部を、ケース15の上部に接続し、ケース15の下部に搬送方向下手側配管2の上部を接続し、ケース15内の上部にはケース15内の穀粒Kの搬送方向に対して傾斜する抑制仕切板17を、傾斜角度変更自在に設け、抑制仕切板17の下端とケース15の一方側側面との間に搬送された穀粒Kが抑制仕切板17に当接して貯留される貯留空間Tを形成し、貯留空間Tの側方に貯留空間Tから溢れた穀粒Kがこぼれる溢流空間Sを形成した破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項2の発明は、前記貯留空間Tには、抑制仕切板17の下端とケース15のケース内面32との間には隙間33を形成し、この隙間33を穀粒Kが流下するように構成し、抑制仕切板17の上端は、常時ケース15の右側板35との間に溢流空間Sを形成し、溢流空間Sには貯留空間Tに穀粒Kが所定量溜まると、溢れた穀粒Kが溢流空間Sを通ってケース15の下方に移動するように構成した破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項3の発明は、抑制仕切板17は取付軸19によりケース15に回動自在に取付け、取付軸19に取付けた調節機構21により傾斜角度調節自在に構成した破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項4の発明は、調節機構21は、取付軸19の一端に操作レバー25を取付け、操作レバー25には取付軸19を中心とする円弧状の移動溝26を設け、移動溝26には固定ダイヤル27を取付けて構成した破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項5の発明は、抑制仕切板17の双方のケース15の左側板31には開口部37を設け、開口部37には点検蓋30を着脱自在に取付けた破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項6の発明は、開口部37および点検蓋30は、点検蓋30を外すと、略水平状態にした抑制仕切板17の取付部18と取付軸19との取付部分の視認可能となるように構成した破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項7の発明は、ケース15の前板38の取付軸19より上方部分には透明の点検窓39を設けた破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項8の発明は、ケース15の抑制仕切板17と溢流空間Sとにより構成する緩衝部40の下方には、穀粒K中から異物を除去する異物除去部41を設けた破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項9の発明は、異物除去部41は、緩衝部40の下方に略水平の選別網42を取付部材43に着脱自在に取付け、選別網42の下方の取付部材43には所定の磁力を有するマグネット体48を設け、取付部材43はケース15の左側板31に設けた下側開口部45から出し入れしてケース15に着脱する構成とした破砕防止用流れ抑制装置としたものである。
請求項10の発明は、ケース15の上側の配管2から穀粒Kケース15内に流入させ、流入させた穀粒Kを傾斜させた抑制仕切板17上の貯留空間Tに貯留させ、抑制仕切板17上に貯留した穀粒Kを抑制仕切板17の下端とケース15の内面との間の隙間33から落下させ、貯留空間Tの側方に設けた溢流空間Sから、貯留空間Tに所定量溜まった一部の溢れた穀粒Kをケース15の下方に移動させる破砕防止用流れ抑制方法としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、ケース15内にはケース15内の穀粒Kの搬送方向に対して傾斜する抑制仕切板17を、傾斜角度変更自在に設け、抑制仕切板17の表面上方に貯留される貯留空間Tを形成し、貯留空間Tの側方に貯留空間Tより溢れた穀粒Kが落下する溢流空間Sを形成しているので、穀粒Kを詰まらせせずに、搬送中の搬送物穀粒Kの流れを抑制し、搬送中に発生する穀粒Kの破砕や割れを防止できる。
請求項2の発明では、貯留空間Tには、抑制仕切板17の下端とケース15のケース内面32との間には隙間33を形成し、この隙間33を穀粒Kが流下するように構成し、抑制仕切板17の上端は、常時ケース15の右側板35との間に溢流空間Sを形成し、溢流空間Sには貯留空間Tに穀粒Kが所定量溜まると、溢れた穀粒Kが溢流空間Sを通ってケース15の下方に移動するように構成しているので、ケース15に入る穀粒Kの量とケース15から出る量は変化せず、ケース15内で穀粒Kの詰まりは発生させずに、ケース15内に流下した穀粒Kは抑制仕切板17上の穀粒K上に落下して衝突の衝撃を緩和させて穀粒Kの割れ等の損傷発生を抑制することができる。
請求項3の発明では、抑制仕切板17は取付軸取付軸19によりケース15に回動自在に取付け、取付軸19に取付けた調節機構21により傾斜角度調節自在に構成しているので、抑制仕切板17上の穀粒Kの溜まり具合を調節できる。
請求項4の発明では、調節機構21は、取付軸19の一端に操作レバー操作レバー25を取付け、操作レバー25には取付軸19を中心とする円弧状の移動溝移動溝26を設け、移動溝26には固定ダイヤル固定ダイヤル27を取付けているので、抑制仕切板17の傾斜角度、および、抑制仕切板17上の穀粒Kの溜まり具合の調節を容易にすることができる。
請求項5の発明では、抑制仕切板17を取付けた取付軸19の側方の貯留空間T側のケース15の左側板31には開口部37を設け、開口部37には点検蓋30を着脱自在に取付けているので、穀粒Kが溜まる抑制仕切板17付近の清掃等のメンテナンスを容易にすることができるができる。
請求項6の発明では、開口部37および点検蓋30は、点検蓋30を外すと、略水平状態にした抑制仕切板17の取付部18と取付軸19との取付部分の視認可能となるので、抑制仕切板17の着脱および抑制仕切板17およびケース15内の清掃等のメンテナンスを容易にすることができる。
請求項7の発明では、ケース15の前板38の取付軸19より上方部分には透明の点検窓(透視窓)39を設けているので、抑制仕切板17上の穀粒Kの貯留量と溢流空間Sへ溢流する穀粒Kとを視認でき、これにより、抑制仕切板17の傾斜角度の調節を容易にすることができるができる。
請求項8の発明では、ケース15の抑制仕切板17と溢流空間Sとにより構成する緩衝部40の下方には、穀粒Kの中から異物を除去する異物除去部41を設けているので、穀粒Kの流れを抑制した状態で、穀粒K中の異物の除去を行うので、穀粒Kを損傷させずに異物の除去を実行できる。
請求項9の発明では、異物除去部41は、緩衝部40の下方に略水平の選別網42を取付部材43に着脱自在に取付け、選別網42の下方の取付部材43には所定の磁力を有するマグネット体48を設け、取付部材43はケース15の左側板31に設けた下側開口部45から出し入れしてケース15に着脱する構成としているので、異物除去部41のメンテナンスを容易にすることができるができる。
請求項10の発明では、ケース15の上側の配管2から穀粒Kケース15内に流入させ、流入させた穀粒Kを傾斜させた抑制仕切板17上の貯留空間Tに貯留し、抑制仕切板17上に貯留した穀粒Kを抑制仕切板17の下端とケース15の内面との間の隙間33から落下させ、抑制仕切板17の上端とケース15の側面との間の溢流空間Sを形成して貯留空間Tに所定量溜まった一部の溢れた穀粒Kが溢流空間Sを通ってケース15の下方に移動するようにした搬送方法としているので、穀粒Kを詰まらせせずに、搬送中の搬送物穀粒Kの流れを抑制し、搬送中に発生する穀粒Kの破砕や割れを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】破砕防止用流れ抑制装置の正面図。
図2】他の実施形態の破砕防止用流れ抑制装置の正面図。
図3】穀粒貯留施設に破砕防止用流れ抑制装置を設けた正面図。
図4】破砕防止用流れ抑制装置の正面図。
図5】破砕防止用流れ抑制装置の背面図および点検蓋の正面図ならびに破砕防止用流れ抑制装置の側面図。
図6】破砕防止用流れ抑制装置の点検蓋を外した状態の側面図および正面図。
図7】抑制仕切板の側面図および正面図ならびに底面図。
図8】操作レバーの側面図および正面図ならびにボルト取付状態図。
図9】異物除去部の着脱状態正面図
図10】異物除去部の平面図および側面図ならびに正面図。
図11】破砕防止用流れ抑制装置の作用状態図。
図12】空気搬送装置に破砕防止用流れ抑制装置を設けた概略図。
図13】穀粒分離装置の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は搬送流路を搬送中の穀粒K(搬送物)の流れを抑制し、搬送中に発生する穀粒Kの破砕や割れを防止する破砕防止用流れ抑制装置であり、搬送流路を構成する配管2の途中の任意箇所に設ける。
搬送流路および配管2の配置構成は任意であるが、一例を示すと、図3は穀粒貯留施設3の使用例(設置例)を示し、複数の納米タンク4を並設し、各納米タンク4の上部に、各納米タンク4に穀粒Kを揚穀する昇降機5が揚穀した穀粒Kを各納米タンク4に分配搬送する横送りコンベア6を設け、各納米タンク4の下部に、各納米タンク4から排出した穀粒Kを搬送する横送りコンベア6を設け、横送りコンベア6の終端を、別途設けた昇降機5の供給部(供給ホッパー)に接続し、昇降機5の上部排出口7に配管2の上部を接続し、配管2の下部をサブタンク8の上部に接続し、サブタンク8は繰出装置9を介して計量装置計量装置10の上部に接続している。計量装置10の排出口(排出部)11には別途搬送装置12の始端部を接続している。
【0009】
そして、昇降機5とサブタンク8とを連結する配管2の下部付近に破砕防止用流れ抑制装置1を設けている。
破砕防止用流れ抑制装置1は、ケース15の上部に搬送方向上手側配管2の下部を接続し、ケース15の下部に搬送方向下手側配管2の上部を接続している(図1、2)。
ケース15の上部の流入口16の下方には抑制仕切板17を設ける。抑制仕切板17は、後述する抑制仕切板17上に穀粒Kが貯留される貯留空間Tと、貯留空間Tから溢れた穀粒Kがこぼれて通過する溢流空間Sとを仕切る作用と、ケース15の流入口16から流下する穀粒Kの搬送を抑制させる作用を有する。
【0010】
抑制仕切板17は平板状に形成し、流入口16の下方に正面視において穀粒Kの落下方向に対して交差方向に突出して設ける。
そのため、流入口16から落下する穀粒Kは抑制仕切板17の上面に貯留されている穀粒K群の上に落下して衝撃を緩和されると共に、流れが抑制される。
抑制仕切板17の略上下中間の下面(裏面)には取付部18を設け、取付部18は前後方向の取付軸19にボルト20により固定状態に取付ける(図8)。
この抑制仕切板17の取付は、抑制仕切板17を水平状態にすると、取付部18と取付軸19との取付孔が視認でき、この状態でボルト20により固定する(図6)。
【0011】
抑制仕切板17は、調節機構21により傾斜角度調節自在に構成する。調節機構21は取付軸19に操作レバー25を取付け、操作レバー25は取付軸19中心に回動自在に取付け、抑制仕切板17の傾斜角度を調節する。
操作レバー25には取付軸19を中心とする円弧状の移動溝26を設け、移動溝26には角度調節した抑制仕切板17の傾斜角度を固定する固定ダイヤル27を取付ける(図2)。
【0012】
そのため、調節機構21は固定ダイヤル27を弛めて操作レバー25のツマミ部28により操作レバー25を取付軸19中心に回動させると、抑制仕切板17の傾斜角度を変更させ、穀粒Kの流れ抑制具合を調節し、調節後、固定ダイヤル27を締めて操作レバー25と抑制仕切板17の回動を固定することができる。
この場合、抑制仕切板17の下端はケース15に設けた点検蓋30または左側板31の内面に当接する位置から、図1において、反時計回りに取付軸19中心に回動させて、抑制仕切板17の下端とケース15のケース内面(左側板31)32との間には隙間33を形成し、この隙間33を穀粒Kが流下するように構成する(図1、2)。
【0013】
一方、抑制仕切板17の上端は、常時ケース15の右側板35との間に前記溢流空間Sを形成し、抑制仕切板17の上面(表面)上に穀粒Kが一定量溜まると、溢れた穀粒Kが溢流空間Sを通ってケース15の下方に移動するように構成している。
したがって、ケース15の流入口16からケース15内に流下した穀粒Kは抑制仕切板17上に溜まり、この溜まった穀粒K上に後続の穀粒Kが落下して、衝撃を吸収させて穀粒Kの割れ等の損傷発生を抑制し、抑制仕切板17上に溜まった穀粒Kの量が所定量を超えると、溢流空間Sへ穀粒Kを溢れさせて、抑制仕切板17による詰まり発生を防止し、これにより、穀粒Kの詰まりを防止しつつ穀粒Kの流れを抑制する。
【0014】
そのため、破砕防止用流れ抑制装置1への上手側配管2から流入する穀粒K量と、抑制仕切板17の下方のケース15の下手側配管2から流出する穀粒K量は同じであり、穀粒Kの搬送量の変化は生じさせないが、抑制仕切板17により穀粒Kを溜めて穀粒Kの流れを抑制でき、穀粒Kの搬送中の割れ等の損傷を抑制できる。
この場合、抑制仕切板17を設けた部分のケース15の左右幅Xは、抑制仕切板17の下端より下方のケース15の左右幅Yよりも大に形成し、溢流空間Sを確保している(図1)。
【0015】
また、抑制仕切板17を設けた部分のケース15の左側板31には開口部37を設け、開口部37は穀粒Kの搬送中前記点検蓋30により閉塞する。
また、抑制仕切板17を設けた部分のケース15の左右幅Xは、抑制仕切板17の全体長よりも長く形成し、点検蓋30を外して開口部37を開口させ、抑制仕切板17を水平状態にすると(図6)、抑制仕切板17の取付部18と取付軸19との取付部分を視認することができ、ボルト20を着脱することにより抑制仕切板17の着脱可能になり、抑制仕切板17およびケース15内の清掃等のメンテナンスをすることができる。
【0016】
また、ケース15の前板38の取付軸19より上方部分には透明の点検窓(透視窓)39を設け(図5)、抑制仕切板17上の穀粒Kの貯留量と溢流空間Sへ溢流する穀粒Kとを視認でき、これにより、抑制仕切板17の傾斜角度を調節する。
ケース15の抑制仕切板17と溢流空間Sとにより構成する緩衝部40の下方には、穀粒K中からビニール片・紐・ボルト・螺子・金属粉等の異物を除去する異物除去部41を設ける(図1、2)。
異物除去部41は、緩衝部40の下方に略水平の選別網42を設ける。選別網42はケース15に着脱自在に取付ける取付部材43に設けた前後一対の支持体44上に載置し(図9、10)、支持体44に選別網42を載せた状態で取付部材43ごとケース15の左側板31に設けた下側開口部45から挿入して装着する(図1、2)。
【0017】
支持体44は左右方向に長く形成した縦状の板部材により構成し、支持体44の基部を取付部材43に固定して取付ける。
取付部材43の表面には取付部材43を下側開口部45から出し入れする取っ手47を設ける。
46は傾斜部であり、穀粒Kを選別網42に誘導する。
46Aは選別網42の係合部であり、異物除去部41を下側開口部45から挿入する際の選別網42の上下動を抑制する。
選別網42の下方の取付部材43には、ボルトや金属片あるいは金属粉を吸着(付着)させて除去するマグネット体48を設ける。マグネット体48は所定の磁力を有した左右方向の軸棒形状に形成し、複数のマグネット体48を上下あるいは前後に並設して設ける。
【0018】
異物除去部41は、支持体44とマグネット体48の基部を取付部材43に固定状態に取付け、支持体44とマグネット体48の先端は自由端とし、所謂片持ち状態に支持されて取り付けられる。
異物除去部41の下方には作業終了後に、選別網42およびマグネット体48の下方に位置させて除去すべき異物を受け止める異物受皿50の異物受皿差込穴51を設ける(図10)。異物受皿50は、通常処理作業のときは異物受皿差込穴51より取り外し、メンテナンス作業のときに使用する。
【0019】
ケース15と異物除去部41の取付部材43の間には、パッチン錠あるいはキャッチクリップと称される係止具52を設ける。本例では、ケース15の前後板前板38のそれぞれに係止具52を夫々設け、異物除去部41の取付部材43側に係止具52が係合する係合体53を設ける。
【0020】
図12は、空気(エアー)により米麦、飼料等の穀粒Kを搬送する搬送装置Hに破砕防止用流れ抑制装置1を設けた構成であり、搬送装置Hの配管2の終端に設けた送風装置60により配管2内を吸引し、配管2の始端部側に設けた張り込みホッパー61から穀粒Kを貯留する貯留タンク63へ穀粒Kを空気搬送する構成とし、貯留タンク63の搬送上手側の配管2に、破砕防止用流れ抑制装置1を設ける。
【0021】
そのため、送風装置60による吸引風で搬送された穀粒Kは、弯曲した配管2内を搬送される際の搬送抵抗を、破砕防止用流れ抑制装置1の緩衝部40により緩和し、割れ穀粒や砕米の発生を防止し、異物除去部41により貯留空間Tと溢流空間Sにより流れが抑制された状態で吸引落下する穀粒Kの中の異物を穀粒Kを損傷させずに除去できる。
【0022】
搬送装置Hの構成は任意であるが、一例を示すと、貯留タンク63の搬送上手側には穀粒を搬送する搬送風から穀粒Kを分離させる穀粒分離装置64を設ける。
なお、本実施形態の穀粒分離装置64には糠あるいはふすま等の穀粒表面が削られて発生する粉状物Fを除去する粉状物除去装置65を設けている。
この場合、粉状物除去装置65は、穀粒分離装置64内に設け、穀粒分離装置64は穀粒と搬送風との分離させ、しかも、穀粒表面の糠あるいはふすま等の粉状物Fを除去する。
【0023】
前記穀粒分離装置64は、張り込みホッパー61に投入されて穀粒分離装置64まで空気搬送された穀粒を、穀粒分離装置64に搬送風と共に穀粒を吹き込んで回転せながら落下させて、搬送風を減衰させて穀粒と搬送風と分離する。
穀粒と搬送風とを分離させる際に、粉状物除去装置65により粉状物Fが除去され、除去された粉状物Fを吸引して穀粒から分離させ、分離させた粉状物Fは搬送風を前記穀粒分離装置64から排気する配管2により粉状物分離装置66へ排気搬送し、粉状物分離装置66で分離した粉状物Fは送風装置60の排気部からの圧風によって粉状物回収部67に搬送回収する。
【0024】
一方、粉状物Fが除去されて空気と分離された穀粒は貯留タンク63内に入り、貯留タンク63から色彩選別作業や計量・袋詰め作業等の次工程Gに供給される。
穀粒分離装置64内の粉状物除去装置65は、多孔内側筒部68の外周と外側ケース69との間に吸引室70を形成し、吸引室70を吸引する前記配管2を接続している。
穀粒分離装置64内の吸引室70から、粉状物除去装置65の多孔内側筒部68の内部の穀粒K中の粉状物を吸引し、吸引した粉状物を配管2により空気搬送し、搬送された粉状物Fは、搬送風から分離させる粉状物分離装置(ダスト用サイクロン)66により分離し、粉状物回収部67に搬送回収する。
【0025】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、穀粒貯留施設3の複数の納米タンク4内の穀粒K(搬送物)が、横送りコンベア6により排出搬送され、横送りコンベア6で搬送された穀粒Kは、昇降機5の供給部(供給ホッパー)に供給されて、揚穀され、配管2によりサブタンク8に搬送される。
【0026】
この場合、単に昇降機5で揚穀した穀粒(穀粒K)を配管2によってサブタンク8に搬送すると、サブタンク8内の金属内周面に穀粒Kが衝突し、この衝突時の衝撃により、穀粒Kは割れが生じ、割れ穀粒や砕米が発生してしまう。
本発明では、配管2の下部に破砕防止用流れ抑制装置1を設けているので、破砕防止用流れ抑制装置1により穀粒(穀粒K)の流入衝撃を緩和し、割れ穀粒や砕米の発生を防止する。
【0027】
破砕防止用流れ抑制装置1は、ケース15の上部に搬送方向上手側配管2の下部を接続し、ケース15の上部の流入口16の下方には抑制仕切板17を設けているので、流入口16から流下する穀粒Kは抑制仕切板17上に貯留されている穀粒K上に落下して衝撃が吸収され、割れ穀粒や砕米の発生を防止する。
抑制仕切板17は平板状に形成し、流入口16の下方に正面視において穀粒Kの落下方向に対して交差方向に突出して設けているので、抑制仕切板17は穀粒Kを受け止めて穀粒Kの流れを抑制し、搬送中に発生する穀粒Kの破砕や割れを防止する破砕防止する。
【0028】
抑制仕切板17は、調節機構21により傾斜角度調節自在に構成しているので、調節機構21により 抑制仕切板17の傾斜角度調節することで、抑制仕切板17上の穀粒Kの溜まり具合を調節できる。
調節機構21は取付軸19に操作レバー25を取付け、操作レバー25は取付軸19中心に回動自在に取付けているので、操作レバー25により抑制仕切板17の傾斜角度を調節する。
【0029】
調節機構21は操作レバー25に取付軸19を中心とする円弧状の移動溝26を設け、移動溝26には角度調節した抑制仕切板17の傾斜角度を固定する固定ダイヤル27を取付けているので、調節機構21は固定ダイヤル27を弛めて操作レバー25のツマミ部28により操作レバー25を取付軸19中心に回動させると、抑制仕切板17の傾斜角度を変更させ、穀粒Kの流れ抑制具合を調節し、調節後、固定ダイヤル27を締めて操作レバー25と抑制仕切板17の回動を固定することができ、これにより、抑制仕切板17の傾斜角度を変更させ、穀粒Kの流れ抑制具合を調節することができる。
【0030】
この場合、抑制仕切板17の下端はケース15に設けた点検蓋30または左側板左側板31の内面に当接する位置から、図1において、反時計回りに取付軸19中心に回動して、抑制仕切板17の下端とケース15のケース内面(左側板31)32との間には隙間33を形成し、この隙間33を穀粒Kが流下するように構成しているので、ケース15の流入口16からケース15内に流下した穀粒Kは抑制仕切板17上に溜まり、この溜まった穀粒Kに後続の穀粒Kが落下して、衝突の衝撃を緩和させて穀粒Kの割れ等の損傷発生を抑制できる。
【0031】
一方、抑制仕切板17の上端とケース15の右側板35との間には常時所定容積の溢流空間Sを形成しているので、抑制仕切板17の上面(表面)上に穀粒Kが所定量溜まって、これを越えて溢れた穀粒Kが溢流空間Sを通ってケース15の下方に移動するので、穀粒Kの詰まりを防止しつつ穀粒Kの流れを抑制する。
【0032】
すなわち、単に、抑制仕切板17により流れの抑制のみを行うと、破砕防止用流れ抑制装置1のケース15内で穀粒Kの詰まりが発生するが、貯留空間Tより溢れる穀粒Kを逃がす溢流空間Sを設けているので、上手側配管2から流入する穀粒量と下手側配管2から流出する穀粒量と一致し、抑制仕切板17により穀粒Kを溜めて穀粒Kの流れを抑制でき、穀粒Kの搬送中の割れ等の損傷を抑制できる。
【0033】
この場合、抑制仕切板17を設けた部分のケース15の左右幅Xは、抑制仕切板17の下端より下方のケース15の左右幅Yよりも大に形成しているので、貯留空間Tの側方に溢流空間Sを確保できている。
また、抑制仕切板17を設けた部分のケース15の左側板31には開口部37を設け、開口部37は穀粒Kの搬送中前記点検蓋30により着脱自在に閉塞しているので、点検蓋30を外すと、開口部37からメンテナンスできる。
【0034】
また、抑制仕切板17を設けた部分のケース15の左右幅Xは、抑制仕切板17の全体長よりも長く形成し、点検蓋30を外して開口部37を開口させ、抑制仕切板17を水平状態にすると、抑制仕切板17の取付部18と取付軸19との取付部分を視認することができるので、点検蓋30を外して、開口部37からボルト20を着脱することにより抑制仕切板17の着脱可能になり、取り外した抑制仕切板17およびケース15内の清掃等のメンテナンスをすることができる。
【0035】
また、ケース15の前板38の取付軸19より上方部分には透明の点検窓(透視窓)39を設けているので、点検窓39から抑制仕切板17上の穀粒Kの貯留量と溢流空間Sへ溢流する穀粒Kとを視認でき、これにより、抑制仕切板17の傾斜角度を調節でき、調節を容易にできる。
【0036】
ケース15の抑制仕切板17と溢流空間Sとにより構成する緩衝部40の下方には、穀粒K中からビニール片・紐・ボルト・螺子・金属粉等の異物を除去する異物除去部41を設けているので、貯留空間Tと溢流空間Sから流れが抑制された状態で落下した穀粒Kの中の異物を穀粒Kを損傷させずに除去できる。
【0037】
異物除去部41は、選別網42を取付部材43に設けた前後一対の支持体44上に載置し、支持体44に選別網42を載せた状態で取付部材43ごとケース15の左側板31に設けた下側開口部45から挿入して装着するので、着脱が容易であり、異物の除去を含めたメンテナンスを容易にできる。
【0038】
支持体44は左右方向に長く形成した板部材により構成し、支持体44の基部を取付部材43に固定して取付けているので、異物除去部41を簡素に構成でき、選別網42を支持体44上に載置するだけでよく、着脱を容易にできる。
取付部材43の表面には取付部材43を下側開口部45から出し入れする取っ手47を設けているので、取っ手47により取付部材43の出し入れを容易に行える。
【0039】
選別網42の下方の取付部材43にはマグネット体48を設けているので、マグネット体48の所定の磁力により、穀粒Kの中のボルトや金属片あるいは金属粉を吸着(付着)させて除去できる。
マグネット体48は左右方向の軸棒形状に形成しているので、異物除去部41の上下スペースを小型にすることができる。
【0040】
異物除去部41は、支持体44とマグネット体48の基部を取付部材43に固定状態に取付け、支持体44とマグネット体48の先端は自由端とし、所謂片持ち状態に支持されて取り付けられるから、簡単に装着できる。
すなわち、ケース15と異物除去部41の取付部材43の間には、パッチン錠あるいはキャッチクリップと称される係止具52を設け、ケース15の前後板38のそれぞれに係止具52を夫々設け、異物除去部41の取付部材43側に係止具52が係合する係合体53を設けているので、取付部材43をケース15に挿入して係合体53に係止具52を係止すると、装着が完了する。
【0041】
異物除去部41の下方には選別網42およびマグネット体48の下方に位置させて除去すべき異物を受け止める異物受皿50の異物受皿差込穴51を設けているので、異物受皿50は、通常処理作業のときは異物受皿差込穴51より取り外し、作業終了後のメンテナンス作業のときに、異物受皿差込穴51に異物受皿50を挿入してセットし、異物除去部41の取付部材43を着脱し、異物除去部41のメンテナンスが終了すると、異物受皿差込穴51から異物受皿50を引き出して取り外す。
【0042】
図12の他の実施形態では、送風装置60を駆動して配管2内を吸引して吸引搬送風で穀粒Kを搬送するようにしておき、張り込みホッパー61に穀粒Kを供給し、供給された穀粒Kを貯留タンク63へ空気搬送する。
この場合、貯留タンク63の搬送上手側の配管2に、破砕防止用流れ抑制装置1を設けているので、送風装置60による搬送風で搬送された穀粒Kは、弯曲した配管2内を搬送される際の搬送抵抗を、破砕防止用流れ抑制装置1の緩衝部40により緩和され、割れ穀粒や砕米の発生を防止し、しかも、異物除去部41により貯留空間Tと溢流空間Sにより流れが抑制された状態で吸引落下する穀粒Kの中の異物を穀粒Kを損傷させずに除去できる。
【0043】
すなわち、張り込みホッパー61に張り込まれた穀粒Kは、貯留タンク63の上部に設けられた搬送風から穀粒Kを分離させる穀粒分離装置64よりも高い位置まで搬送されてから落下しながら穀粒分離装置64に入るので、落下工程に配管2の屈曲あるいは弯曲があると、搬送抵抗が大きくなるが、本発明では穀粒分離装置64の上手側の配管2に破砕防止用流れ抑制装置1を設けているので、搬送抵抗が緩和され、割れ穀粒や砕米の発生を防止できる。
【0044】
搬送装置Hの構成は任意であるが、一例を示すと、貯留タンク63の搬送上手側には穀粒を搬送する搬送風から穀粒Kを分離させる穀粒分離装置64を設ける。
なお、本実施形態の穀粒分離装置64には糠あるいはふすま等の穀粒表面が削られて発生する粉状物Fを除去する粉状物除去装置65を設けている。
この場合、粉状物除去装置65は、穀粒分離装置64内に設け、穀粒分離装置64は穀粒と搬送風との分離させ、しかも、穀粒表面の糠あるいはふすま等の粉状物Fを除去する。
【0045】
前記穀粒分離装置64は、張り込みホッパー61に投入されて穀粒分離装置64まで空気搬送された穀粒を、穀粒分離装置64内に搬送風と共に穀粒を吹き込んで回転せながら落下させて、搬送風を減衰させて穀粒と搬送風とを分離する。
穀粒と搬送風とを分離させる際に、粉状物除去装置65により粉状物Fが除去され、除去された粉状物Fを吸引して穀粒から分離させ、分離させた粉状物Fは搬送風を前記穀粒分離装置64から排気する配管2により粉状物分離装置66へ排気搬送し、粉状物分離装置66で分離した粉状物Fは送風装置60の排気部からの圧風によって粉状物回収部67に搬送回収する。
【0046】
一方、粉状物Fが除去されて空気と分離された穀粒は貯留タンク63内に入り、貯留タンク63から色彩選別作業や計量・袋詰め作業等の次工程に供給される。
穀粒分離装置64内の粉状物除去装置65は、穀粒Kより小径の多孔板で形成した内側筒部68の外周と外側ケース69との間に吸引室70を形成し、吸引室70を吸引する前記配管2を接続している。
【0047】
穀粒分離装置64内の吸引室70から、粉状物除去装置65の多孔内側筒部68の内部の穀粒K中の粉状物を吸引し、吸引した粉状物を配管2により空気搬送し、搬送された粉状物Fは、搬送風から分離させる粉状物分離装置(ダスト用サイクロン)66により分離し、粉状物回収部67に搬送回収する。
【符号の説明】
【0048】
1…破砕防止用流れ抑制装置、2…配管、3…穀粒貯留施設、4…納米タンク、5…昇降機、6…横送りコンベア、7…上部排出口、8…サブタンク、9…繰出装置、10…計量装置、11…排出口、12…搬送装置、15…ケース、16…流入口、17…抑制仕切板、18…取付部、19…取付軸、20…ボルト、21…調節機構、25…操作レバー、26…移動溝、27…固定ダイヤル、28…ツマミ部、30…点検蓋、31…左側板、32…ケース内面、33…隙間、35…右側板、37…開口部、38…前板、39…点検窓、40…緩衝部、41…異物除去部、42…選別網、43…取付部材、44…支持体、45…下側開口部、47…取っ手、48…マグネット体、50…異物受皿、51…異物受皿差込穴、52…係止具、53…係合体、60…送風装置、61…張り込みホッパー、63…貯留タンク、64…穀粒分離装置、65…粉状物除去装置、66…粉状物分離装置、67…粉状物回収部、68…内側筒部、69…外側ケース、70…吸引室、H…搬送装置、K…穀粒、S…溢流空間、T…貯留空間。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13