(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162323
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】回収システム
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20221017BHJP
G06Q 10/08 20120101ALI20221017BHJP
【FI】
B65G61/00 544
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067102
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】永座 強
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】配達された備品を回収する際の配達員の負担を軽減することが可能な回収システムを提供する。
【解決手段】この回収システム100は、配達先および配達元に関する配達情報が保存され、配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された前記回収地点を経由する現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に装着可能であるとともに、目的地までの経路の情報を含む画像が表示される頭部装着型表示装置と、
現在地を検出するための位置検出部を含み、前記頭部装着型表示装置に回収経路情報を表示させるように構成されている携帯端末と、を備え、
配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された前記回収地点を経由する現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されている、回収システム。
【請求項2】
前記回収地点は、現在地から配達元までの経路から前記回収地点までの距離に基づいて、選択されるように構成されている、請求項1に記載の回収システム。
【請求項3】
前記回収地点は、配達に使用される移動体の一日の総走行距離、または配達に使用される移動体の一日の総走行時間のうち少なくとも一方に基づいて、選択されるように構成されている、請求項1または2に記載の回収システム。
【請求項4】
前記回収地点は、回収される前記備品の総重量に基づいて、選択されるように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の回収システム。
【請求項5】
前記携帯端末を介して前記回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を受け付けた場合に、前記回収経路情報を作成するように構成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の回収システム。
【請求項6】
サーバをさらに備え、
前記サーバまたは前記携帯端末は、配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された前記回収地点を経由する現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の回収システム。
【請求項7】
前記頭部装着型表示装置は、前記回収地点が複数ある場合に、それぞれの前記回収地点までの距離、またはそれぞれの前記回収地点までの時間のうち少なくとも一方を含む前記回収経路情報が表示されるように構成されている、請求項1~6のいずれか1項に記載の回収システム。
【請求項8】
配達元または配達先からの前記備品の回収要求が入力されたことに基づいて、前記携帯端末に前記備品の回収要求を通知するように構成されるとともに、前記携帯端末を介して前記備品の回収要求を受託する入力を受け付けた場合に、前記回収経路情報を再作成するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の回収システム。
【請求項9】
前記備品の回収要求の対象の配達先から所定の範囲内にある前記携帯端末に前記備品の回収要求を通知するように構成されている、請求項8に記載の回収システム。
【請求項10】
前記備品の回収要求の対象の配達先を回収要求の対象ではない配達先よりも優先的に前記回収地点として選択するように構成されている、請求項8または9に記載の回収システム。
【請求項11】
前記携帯端末は、前記備品に付された識別情報を読み取るための識別情報読取部を備えるとともに、回収された前記備品に付された識別情報を取得したことに基づいて、現在地から配達元までの前記回収経路情報、または現在地から次の回収地点までの前記回収経路情報を前記頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている、請求項1~10のいずれか1項に記載の回収システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、回収システムに関し、特に、配達された備品を回収するための回収システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来配達された備品を回収するための回収システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、記憶装置と表示装置とを備える出前注文処理装置が開示されている。上記特許文献1の出前注文処理装置では、配達員は、記憶装置に記憶されている配達された備品の回収の有無を表示装置に表示させるとともに、表示装置に表示させた備品の回収有りの配達先から備品を回収する回収先を選択する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1には開示されていないが、備品を回収する配達先を選択した後、配達員は、回収するための回収経路を自分で作成する必要がある。そのため、備品を回収するための経路を作成するための時間と手間とがかかる。また、配達員が、最短距離で回収可能な経路を作成できなかった場合に、最短距離で回収する場合と比べて移動距離と移動時間とが大きくなり、配達員が疲労することが考えられる。これらの結果、配達員にかかる負担が過度に大きくなるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、配達された備品を回収する際の配達員の負担を軽減することが可能な回収システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による回収システムは、頭部に装着可能であるとともに、目的地までの経路の情報を含む画像が表示される頭部装着型表示装置と、現在地を検出するための位置検出部を含み、頭部装着型表示装置に回収経路情報を表示させるように構成されている携帯端末と、を備え、配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点を経由する現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されている。
【0008】
この発明の一の局面による回収システムでは、上記のように、配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点を経由する現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員が回収経路情報を作成する必要がないため、回収経路情報を作成するための配達員の手間と時間とを削減することができる。また、配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するように構成されていることにより、回収経路の総距離と配達元に戻るまでの合計時間とを小さくするような条件に基づいて回収地点を選択するように構成することができるため、配達員の移動距離を短くすることができるとともに、配達員が疲労することを抑制することができる。これらの結果により、配達された備品を回収する際の配達員の負担を軽減することができる。
【0009】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、回収地点は、現在地から配達元までの経路から回収地点までの距離に基づいて、選択されるように構成されている。このように構成すれば、現在地から配達元までの経路から所定の距離の範囲内の配達先を回収地点として選択することにより、備品の回収経路の総距離が過度に大きくなることを抑制することができる。このため、移動距離と移動時間とが大きくなり、配達員が疲労することを抑制することができる。この結果、配達員の負担をより軽減することが可能となる。
【0010】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、回収地点は、配達に使用される移動体の一日の総走行距離、または配達に使用される移動体の一日の総走行時間のうち少なくとも一方に基づいて、選択されるように構成されている。このように構成すれば、配達に使用される移動体の一日の総走行距離に基づいて、回収地点を選択するように構成されていることにより、一日の総走行距を配達員の運転に負担がかからない範囲内に収めるように回収地点を選択することができる。このため、一日の総走行距離が大きくなることに起因して、移動体を運転する配達員が疲労することを抑制することができる。また、配達に使用される移動体の一日の総走行時間に基づいて、回収地点を選択するように構成されていることにより、一日の総走行時間を配達員の運転に負担がかからない範囲内に収めるように回収地点を選択することができる。このため、一日の総走行時間が長くなることに起因して、移動体を運転する配達員が疲労することを抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、回収地点は、回収される備品の総重量に基づいて、選択されるように構成されている。このように構成すれば、回収される備品の総重量に基づいて、回収地点を選択するように構成されていることにより、回収される備品の総重量を配達員が所持して移動することが可能な範囲内に収めることができる。このため、備品の総重量が過度に大きいことによる配達員の肉体的な負担を軽減することができる。
【0012】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、携帯端末を介して回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を受け付けた場合に、回収経路情報を作成するように構成されている。このように構成すれば、携帯端末を介して回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を受け付けた場合に回収経路情報が作成されることにより、配達員が回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を行うだけで回収経路情報が作成されるため、配達員が回収経路情報を作成する手間と時間とを省くことができるとともに、配達員の負担をさらに軽減することができる。
【0013】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、サーバをさらに備え、サーバまたは携帯端末は、配達された備品を回収する回収地点を複数の配達先から所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点を経由する現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されている。このように構成すれば、サーバまたは携帯端末が、現在地から配達元までの回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員が回収経路情報を作成する必要がないため、配達された備品を回収する際の配達員の負担をより一層軽減することができる。
【0014】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、頭部装着型表示装置は、回収地点が複数ある場合に、それぞれの回収地点までの距離、またはそれぞれの回収地点までの時間のうち少なくとも一方を含む回収経路情報が表示されるように構成されている。このように構成すれば、頭部装着型表示装置に回収地点が複数ある場合に、それぞれの回収地点までの距離を含む回収経路情報が表示されることにより、配達員は、現在地から各回収地点までの距離を把握することができるとともに、回収地点に近づいていることを把握することができる。このため、各回収地点までの距離が表示されず、回収地点に近づいているか否かが不明な状態で運転する場合と比べて、精神的な負担を軽減することができる。また、頭部装着型表示装置に回収地点が複数ある場合に、それぞれの回収地点までの時間を含む回収経路情報が表示されることにより、配達員は、現在地から各回収地点までにかかる時間を把握することができるとともに、次の回収地点までの移動体の運転時間を把握することができる。このため、回収地点に到達するまでにかかる時間が表示されず、次の回収地点までの移動体の運転時間が不明な状態で移動する場合と比べて、精神的な負担を軽減することができる。
【0015】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、配達元または配達先からの備品の回収要求が入力されたことに基づいて、携帯端末に備品の回収要求を通知するように構成されるとともに、携帯端末を介して備品の回収要求を受託する入力を受け付けた場合に、回収経路情報を再作成するように構成されている。このように構成すれば、配達元または配達先からの備品の回収要求が入力されたことに基づいて、携帯端末に備品の回収要求を通知するように構成されることにより、回収要求がされた備品を配達員が回収することができる。このため、配達元または配達先が備品の回収を希望するときに備品を回収することができる。また、携帯端末を介して備品の回収要求を受託する入力を受け付けた場合に、回収経路情報を再作成するように構成されていることにより、回収要求がされた備品を回収可能な配達員の回収経路情報が再作成される。このため、回収が困難な配達員の回収経路が再作成されて負担が増えることを抑制することができる。
【0016】
この場合、好ましくは、備品の回収要求の対象の配達先から所定の範囲内にある携帯端末に備品の回収要求を通知するように構成されている。このように構成すれば、備品の回収要求の対象の配達先から近い位置にある携帯端末に回収要求が通知されるため、回収経路の総距離が過度に大きくなることを抑制することができるとともに、配達員の負担を軽減することができる。
【0017】
上記サーバが、携帯端末を介して備品の回収要求を受託する入力を受け付けた場合に、回収経路情報を再作成するように構成されている場合において、好ましくは、備品の回収要求の対象の配達先を回収要求の対象ではない配達先よりも優先的に回収地点として選択するように構成されている。このように構成すれば、備品の回収が必要な配達先を優先的に回収地点として選択することにより、回収の必要な備品が優先的に回収されるため、配達先または配達元の利便性を向上させることができる。
【0018】
上記一の局面による回収システムにおいて、好ましくは、携帯端末は、備品に付された識別情報を読み取るための識別情報読取部を備えるとともに、回収された備品に付された識別情報を取得したことに基づいて、現在地から配達元までの回収経路情報、または現在地から次の回収地点までの回収経路情報を頭部装着型表示装置に表示させるように構成されている。このように構成すれば、回収された備品に付された識別情報を取得したことに基づいて、現在地から配達元までの回収経路情報、または現在地から次の回収地点までの回収経路情報が頭部装着型表示装置に表示されることにより、配達員は、現在地から配達元までの回収経路情報、または現在地から次の回収地点までの回収経路情報を表示させる操作を行う必要がないため、配達員の手間を省くことができるとともに、配達員の利便性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、上記のように、配達された備品を回収する際の配達員の負担を軽減することが可能な回収システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】回収システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】頭部装着型表示装置に表示される画像の一例を示す図である。
【
図5】配達および備品の回収の経路を説明するための図である。
【
図7】経路の情報を説明するための図(A)および(B)である。
【
図8】備品回収モード時の携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】備品回収モード時のサーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図10】第2実施形態の回収要求を受け付けた場合の回収システムにおける携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図11】回収経路情報の再作成時のサーバの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図12】第3実施形態による回収システムの構成を示す図である。
【
図13】識別情報が付された備品の一例を示す図である。
【
図14】第3実施形態による備品回収モード時の携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図15】第4実施形態による回収システムの構成を示す図である。
【
図16】第4実施形態による備品回収モード時の携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図17】第5実施形態による回収要求を受け付けた場合の回収システムにおける携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図18】第5実施形態による回収経路情報の再作成時の携帯端末の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1~
図7を参照して、本発明の第1実施形態による回収システム100の構成について説明する。
【0023】
図1に示すように、回収システム100は、頭部装着型表示装置1と、携帯端末2と、サーバ3とを備えている。
【0024】
(頭部装着型表示装置)
図2に示すように、頭部装着型表示装置1は、配達員50が装着するヘルメット5に取り付けられる。頭部装着型表示装置1は、ヘッドマウントディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイの種類は特に限定されないが、第1実施形態では、ヘッドマウントディスプレイは、表示画面が透過しない非透過型ディスプレイであり、使用者の視界の一部に局所的に表示画面が配置されるインサイト型のディスプレイであり、使用者の視界が覆われておらず表示画面外の領域に背景が視認可能な開放型のディスプレイであり、表示画面を片目で見る単眼型のディスプレイである。
【0025】
図1に示すように、頭部装着型表示装置1は、表示部11と、制御部12と、通信部13とを備える。
【0026】
表示部11は、制御部12により構築された画像を表示するように構成されている。表示部11は、たとえば、液晶ディスプレイを含む。表示部11には、サーバ3から携帯端末2を介して送信された経路の情報を含む画像40(
図2参照)が表示される。
【0027】
図2に示すように、頭部装着型表示装置1を装着した状態において、配達員50は、風景20と経路の情報とを合わせて確認することができる。なお、
図2の風景20は、配達員50が視認する風景を模式的に表している。
【0028】
図1に示すように、制御部12は、表示部11と、通信部13とを制御するように構成されている。制御部12は、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部12は、表示部11に画像を表示させる制御を行うように構成されている。
【0029】
通信部13は、携帯端末2の通信部23と通信可能に構成されている。通信部13は、携帯端末2を介してサーバ3から送信された経路の情報を受信する。通信部13は、たとえば、近距離無線通信を行う通信モジュールを含む。近距離無線通信は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信である。
【0030】
(携帯端末)
図3に示すように、携帯端末2は、配達員50(
図2参照)が所持するスマートフォンである。
【0031】
図1に示すように、携帯端末2は、表示部21と、制御部22と、通信部23と、入力部24と、位置検出部25とを備えている。
【0032】
表示部21は、たとえば、液晶パネルおよびバックライト、または、有機エレクトロルミネッセンスパネルを含む。表示部21には、配達先40bまたは配達元40a(
図5参照)への経路の作成を開始する操作用の画像と、備品回収モードを開始する操作用の画像とが表示される。
【0033】
制御部22は、携帯端末2の表示部21と、通信部23と、入力部24と、位置検出部25とを制御するように構成されている。制御部22は、CPU(Central Processing Unit)を含む。制御部22は、頭部装着型表示装置1に経路の情報を含む画像40(
図2参照)を表示させるための処理を行う。
【0034】
通信部23は、たとえば、近距離無線通信を行う通信モジュールと、携帯電話回線を利用して無線通信を行う通信モジュールと、を含む。近距離無線通信は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信である。携帯電話回線を利用した無線通信は、いわゆる4G、5Gなどの移動体無線通信システムによる無線通信のことである。通信部23は、頭部装着型表示装置1の通信部13と、サーバ3とに対して通信を行う。
【0035】
入力部24は、タッチパネルである。入力部24は、目的地を入力するために用いられる。入力部24を介して目的地が入力されると、携帯端末2の通信部23は、サーバ3に目的地の情報を送信する。
【0036】
入力部24は、備品回収モードの開始に関する操作を受け付ける。入力部24により備品回収モードの開始を指示する入力操作を受け付けると、携帯端末2の通信部23は、サーバ3に備品回収モードの開始に関する信号を送信する。入力部24により備品回収モードを開始しない入力を受け付けると、携帯端末2の通信部23は、サーバ3に備品回収モードを開始しない信号を送信する。携帯端末2の表示部21には、備品回収モードを開始するか否かを選択するための選択画像(
図3参照)が表示される。備品回収モードを開始するか否かを選択するための選択画面として、携帯端末2の表示部21には、たとえば、備品6の回収有または無を選択する画面が表示される。備品回収モードを開始するか否かを選択するための選択画像は、目的地を入力する画像とともに表示部21に表示される。
【0037】
入力部24は、備品6(
図6参照)の回収の完了の入力と、備品6の回収の未完の入力とを受け付ける。入力部24により備品6の回収完了の入力を受け付けた場合、携帯端末2の通信部23は、備品6の回収の完了を表す信号をサーバ3に送信する。また、入力部24により備品6の回収が未完であることの入力を受け付けた場合、携帯端末2の通信部23は、備品6の回収が未完であることを表す信号をサーバ3に送信する。
【0038】
位置検出部25は、GPS(Global Positioning System)などの衛星測位システムを利用して位置情報を取得するための受信モジュールを含む。位置検出部25は、携帯端末2の位置を検出するように構成されている。位置検出部25で検出された携帯端末2の位置は、通信部23を介してサーバ3に一定の時間間隔で送信される。
【0039】
図1に示すように、サーバ3には、配達先40bおよび配達元40a(
図5参照)に関する配達情報が保存されている。配達先40bに関する情報は、配達先40bの名前と、配達先40bの位置情報(住所)と、配達先40bの電話番号とを含む。配達先40bに関する情報は、配達依頼の内容と、依頼を受け付けた日時と、配達された備品6が回収されたか否かの情報とをさらに含む。配達元40aに関する情報は、配達元40aの名前と、配達元40aの位置情報(住所)と、配達元40aの電話番号とを含む。また、サーバ3は、備品6(
図6参照)の重量と、配達先40bに配達された備品6の数および備品6の種類が保存されている。
【0040】
サーバ3は、携帯端末2から、備品回収モードの開始に関する信号と、目的地の情報とを受信した場合に、サーバ3は、回収経路情報を作成する。具体的には、サーバ3は、配達された備品6(
図6参照)を回収する回収地点10(
図5(C)参照)を複数の配達先40bから回収条件に基づいて選択する。サーバ3は、所定の条件に基づいて選択した回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの経路の情報である回収経路情報を作成する。サーバ3は、備品回収モードを開始しない信号を受信するとともに、目的地の情報を受信した場合に、携帯端末2の現在の位置情報と、目的地の情報とから、現在地から目的地までの通常経路情報を作成する。回収条件は、特許請求の範囲に記載された「所定の条件」の一例である。
【0041】
サーバ3は、現在地から配達元40a(
図5参照)までの経路から回収地点10までの距離に基づいた条件と、配達に使用される移動体4の一日の総走行距離に基づいた条件と、配達に使用される移動体4の一日の総走行時間に基づいた条件と、回収される備品6の総重量に基づいた条件とを含む回収条件に基づいて回収地点10(
図5(C)参照)を選択する。サーバ3は、これらの回収条件のいずれか1つに基づいて回収地点10を選択してもよく、これらの回収条件を組み合わせて回収地点10を選択してもよく、これらすべての回収条件に基づいて回収地点10を選択してもよい。
【0042】
現在地から配達元40aまでの経路から回収地点10までの距離に基づいた条件では、サーバ3は、現在地から配達元40aまでの経路から所定の距離の配達先40bを選択する。所定の距離は、たとえば、1キロメートル以下である。サーバ3は、備品6の回収がまだ行われていない配達先40bの位置情報から、所定の距離の範囲内にあるか否かを取得する。
【0043】
配達に使用される移動体4の一日の総走行距離に基づいた条件では、サーバ3は、回収を行う日の現在までの総走行距離と、現在地から回収地点10を経由して配達元40aまで移動する場合の距離との合計が、所定の範囲内に収まるように配達先40bを選択する。所定の範囲は、たとえば、10キロメートル以上12キロメートル以下の範囲である。サーバ3は、携帯端末2から取得した複数の位置情報から移動体4の移動量を取得し、回収を行う日の現在までの総走行距離を取得する。
【0044】
配達に使用される移動体4の一日の総走行時間に基づいた条件では、サーバ3は、回収を行う日の現在までの総走行時間と、現在地から回収地点10を経由して配達元40aまで移動するのにかかる時間との合計が、所定の時間内に収まるように配達先40bを選択する。所定時間は、たとえば、1時間以上2時間以下の範囲である。サーバ3は、携帯端末2から取得した複数の位置情報の経時的な変化から、回収を行う日の現在までの総走行時間を取得する。
【0045】
回収される備品6の総重量に基づいた条件では、サーバ3は、回収される備品6の合計数が所定の範囲内に収まるように配達先40bを選択する。備品6の個数は、たとえば、20個以上25以下の範囲である。
【0046】
サーバ3は、携帯端末2から備品6の回収の完了を表す信号を受信した場合、備品6の回収が完了した配達先40bを回収地点10の選択の候補から除外するように構成されている。また、サーバ3は、携帯端末2から備品6の回収が未完であることを表す信号を受信した場合、備品6の回収が未完である配達先40bを回収地点10の選択の候補に残すように構成されている。
【0047】
(配達および備品の回収)
図4に示すように、移動体4は、商品の配達と、商品とともに配達された備品6の回収とに用いられる。移動体4は、自転車である。移動体4は、バッテリー4aを備える。移動体4は、バッテリー4aの動力を利用して運転される。バッテリー4aは、移動体4に取り外し可能に取り付けられるとともに、充電式である。
【0048】
図5(A)に示すように、サーバ3は、携帯端末2から目的の情報として配達先40bの情報を受信し、携帯端末2から取得した現在地の位置情報が配達元40aである場合に、配達元40aから配達先40bまでの通常経路情報を作成する。本明細書において、配達元40aは、配達する商品を配達員50が受け取る場所のことを意味し、店舗だけでなく、工場および直売場などを含む。また、配達先40bは、商品を配達員50が受け渡す場所のことを指し、住宅および会社などを含む。
【0049】
図5(B)に示すように、サーバ3は、携帯端末2から目的の情報として配達元40aの情報を受信し、携帯端末2から取得した現在地の位置情報が配達先40bである場合であって、サーバ3は、携帯端末2から備品6の回収無を入力されたことを示す信号を受信した場合に、配達先40bから配達元40aまでの通常経路情報を作成する。
【0050】
図1および
図5(C)に示すように、サーバ3は、携帯端末2から目的の情報として配達元40aの情報を受信し、携帯端末2から取得した現在地の位置情報が配達先40bであり、かつ、備品回収モードを開始する信号を受信した場合に、配達先40bから配達元40aまでの備品回収経路情報を作成する。この場合、配達先40bは、特許請求の範囲に記載された「現在地」の一例である。
図5(C)では、
図5(B)の通常経路情報を破線で表し、備品回収経路情報を実線で表している。
【0051】
図6に示すように、備品6は、商品とともに配達先40bに配達される、回収可能な物品を指す。備品6は、たとえば、食事に用いる容器および器具を含む食器である。
【0052】
図2および
図7に示すように、配達または備品6の回収時には、頭部装着型表示装置1の表示部11には、経路の情報を含む画像40が表示される。
【0053】
図7(A)は、通常経路情報を含む画像41を表している。通常経路情報は、分岐点までの距離41aと、分岐点において進路を変える方向を示す矢印41bとを含む。また、通常経路情報を含む画像41には、現在時刻41cと、目的地までの距離41dと、事故多発地点に関する警告41eと、バッテリー残量41fとが表示される。サーバ3は、携帯端末2から一定間隔で取得している位置情報に基づき、分岐点までの距離41aと、目的地までの距離41dとを順次更新するように構成されている。なお、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点までの距離は表示されない。また、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点において進む方向は表示されないか、直進を表す矢印が表示される。
【0054】
図7(B)は、回収経路情報を含む画像42である。回収経路情報は、分岐点までの距離41aと、分岐点において進路を変える方向を示す矢印41bとを含む。回収経路情報を含む画像42には、目的地までの距離41dと、事故多発地点に関する警告41eと、各回収地点10までにかかる所要時間42aと、何番目の回収地点10かを示す回収地点10の番号を含む回収地点情報42bとが表示される。なお、
図7(B)では、便宜上、破線により所要時間42aと、回収地点情報42bとを囲んでいるが、実際には破線は表示されない。
【0055】
サーバ3は、携帯端末2から一定間隔で取得している位置情報に基づき、分岐点までの距離41aと、目的地までの距離41dとを順次更新するように構成されている。なお、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点までの距離は表示されない。また、現在地から目的地に直進のみで到達できる場合は、分岐点において進む方向は表示されないか、直進を表す矢印が表示される。
【0056】
サーバ3は、頭部装着型表示装置1の表示部11に所要時間42aを表示する。サーバ3は、現在の移動速度と、現在地からの各回収地点までの距離とに基づいて、各回収地点までにかかる所要時間42aを取得する。サーバ3は、携帯端末2から一定間隔で取得している位置情報と、保存されている回収地点10となる配達先40bの位置情報とから、現在地からの各回収地点までの距離を取得する。また、サーバ3は、携帯端末2から一定間隔で取得している位置情報に基づいて、移動速度を取得する。
図7(B)では、現在地から1番目の回収地点10までの所要時間42aが15分、1番目の回収地点10から2番目の回収地点10までの所要時間42aが12分、2番目の回収地点10から3番目の回収地点10までの所要時間42aが8分であることを示している。
【0057】
サーバ3は、頭部装着型表示装置1の表示部11に回収地点情報42bを表示する。サーバ3は、携帯端末2から受信した位置検出部25で検出された位置情報と、携帯端末2から受信した配達の完了に関する信号とに基づいて回収地点情報42bを表示する。具体的には、サーバ3は、位置情報から何番目の回収地点10かを取得するとともに、配達の完了に関する信号を受信することにより回収地点の番号を更新する。配達の完了に関する信号は、配達の完了を表す信号または配達が未完であることを示す信号のいずれかである。
図7(B)では、回収地点10が5カ所あるうちの1か所目に向かっていることを示す回収地点情報42bを「1/5」というように表示している。
【0058】
(備品回収モードの詳細な説明)
図8に基づいて、備品回収モードにおける携帯端末2の動作を説明する。
図8では、配達が完了した後、配達先40bから配達元40aに戻る場合を例に説明する。
【0059】
ステップ51では、携帯端末2の制御部22は、入力部24を介して目的地の入力を受け付ける。目的地は、配達元40aである。ステップ52では、携帯端末2が、備品回収モード開始の操作を受け付けたか否かで進むステップが異なる。具体的には、携帯端末2が、入力部24を介して
図3に示す備品6の回収有または無のうちいずれを入力されたかにより進むステップが異なる。備品6の回収有を入力する操作を携帯端末2が受け付けた場合は、備品回収モードの開始の操作がされたとして、ステップ53に進む。一方で、備品6の回収無を入力する操作を携帯端末2が受け付けた場合は、備品回収モードは開始されなかったとして、ステップ54に進む。
【0060】
ステップ53では、携帯端末2の制御部22は、通信部23を介してサーバ3に回収経路情報を要求する。また、ステップ54では、携帯端末2は、通信部23を介してサーバ3に通常経路情報を要求する。ステップ53またはステップ54によって経路情報の要求を受けた場合、サーバ3は、要求された経路情報を作成する。サーバ3は、作成した経路情報を送信する。なお、
図8では省略しているが、ステップ54のあと、携帯端末2は、通常経路情報を取得する。また、携帯端末2の制御部22は、サーバ3から取得した通常経路情報を含む画像41を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる。
【0061】
ステップ55では、携帯端末2の制御部22は、回収経路情報をサーバ3から取得する。ステップ56では、取得した回収経路情報に基づいて、携帯端末2は経路案内を開始する。具体的には、携帯端末2の制御部22は、サーバ3から取得した回収経路情報を含む画像42を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる。
【0062】
ステップ57では、携帯端末2の制御部22は、回収地点10に到達したことを通知する画面を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる。携帯端末2は、位置検出部25において検出された位置が、回収地点10から所定の範囲内である場合に、回収地点10に到達したことを通知する。
【0063】
ステップ58は、携帯端末2が、備品6の回収完了の入力操作、または回収完了が未完であることの入力操作のいずれを受け付けたかにより進むステップが異なる。具体的には、備品6の回収完了を入力する操作を携帯端末2が受け付けた場合、ステップ59に進む。一方で、備品6が未完であることを入力する操作を携帯端末2が受け付けた場合は、ステップ60に進む。
【0064】
ステップ59では、携帯端末2は、備品6の回収の完了を表す信号をサーバ3に送信する。ステップ60では、携帯端末2は、備品6の回収が未完であることを表す信号をサーバ3に送信する。ステップ59またはステップ60の後、ステップ61に進む。
【0065】
ステップ61では、次の回収地点10があるか否かで進むステップが異なる。次の回収地点10がある場合は、携帯端末2の制御部22は、ステップ55に戻り次の回収地点10までの回収経路情報を含む画像42を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる。一方で、次の回収地点10がない場合は、携帯端末2の制御部22は、備品回収モードを終了して、配達元40aへの通常経路情報を含む画像41を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる。
【0066】
図9に基づいて、備品回収モードにおけるサーバ3の動作の流れを説明する。
図9では、
図8と同様に配達が完了した後、配達先40bから配達元40aに戻る場合を例に説明する。
【0067】
ステップ30では、目的地の入力を受け付けた携帯端末2からの要求に基づき、サーバ3は、現在地から配達元40aまでの経路情報を作成する。
【0068】
ステップ31では、備品回収モードが開始されたか否かにより進むステップが異なる。携帯端末2を介して備品6の回収無を入力する操作を受け付けた場合は、備品回収モードが開始されていないとして、ステップ32に進む。一方、携帯端末2を介して備品6の回収有を選択する入力を受け付けた場合は、備品回収モードが開始されたとしてステップ33に進む。
【0069】
ステップ32では、サーバ3は、配達元40aまでの通常経路情報を作成する。そして、ステップ39に進み、携帯端末2に通常経路情報を送信する。
【0070】
ステップ33では、サーバ3は、保存された配達情報の中から、配達済であり、かつ備品6の回収がまだ行われていない配達先40bの情報を取得する。ステップ34では、サーバ3は、ステップ33で取得した配達先40bのうち、配達日時に基づいて所定時間内の配達先40bを除外する。所定の時間は、たとえば、配達後4時間である。
【0071】
ステップ35では、サーバ3は、ステップ34で除外されなかった配達先40bのうち、現在地から配達元40aまでの経路から所定の範囲内にある配達先40bを選択する。ステップ36では、サーバ3は、ステップ35で選択された配達先40bのうち一日の走行距離が所定値以下となる配達先40bを選択する。
【0072】
ステップ37では、サーバ3は、ステップ36で選択された配達先40bのうち、回収する備品6の総重量が所定値以下となる配達先40bを選択する。ステップ38では、サーバ3は、ステップ37で選択した配達先40bを回収地点10として、回収地点10を経由した現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成する。そして、ステップ39に進み、携帯端末2に回収経路情報を送信する。
【0073】
図8および
図9に示すように、ステップ51において携帯端末2が目的地の入力を受け付けると、目的地に関する情報がサーバ3に送信され、ステップ30が開始される。ステップ52において、携帯端末2が備品回収モード有の入力を受け付けると、サーバ3に備品回収モードの開始を指示する入力操作を受け付けた信号が送信され、ステップ31が開始される。一方で、ステップ52において、携帯端末2が備品回収モード無の入力を受け付けると、サーバ3に備品回収モードの開始を指示する入力操作を受け付けた信号が送信され、ステップ32が開始される。そして、ステップ53の携帯端末2からの要求に応じて、サーバ3は、ステップ39としてステップ34~38で作成した経路の情報(回収経路情報)の送信を行う。
【0074】
一方で、ステップ54の携帯端末2からの要求に応じて、サーバ3は、ステップ39としてステップ32で作成した経路の情報(通常経路情報)の送信を行う。また、ステップ59において、携帯端末2からサーバ3に回収完了の信号が送信された場合、サーバ3は、回収が完了した配達先40bを未回収場所の情報から削除し、ステップ33で未回収場所として取得しない。
【0075】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0076】
第1実施形態では、上記のように、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員50が回収経路情報を作成する必要がないため、回収経路情報を作成するための配達員50の手間と時間とを削減することができる。また、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するように構成されていることにより、回収経路の総距離と配達元40aに戻るまでの合計時間とを小さくするような条件に基づいて回収地点10を選択するように構成することができるため、配達員50の移動距離を短くすることができるとともに、配達員50が疲労することを抑制することができる。これらの結果により、配達員50の負担を軽減することができる。
【0077】
また、第1実施形態では、上記のように、回収地点10は、現在地から配達元40aまでの経路から回収地点10までの距離に基づいて、選択されるように構成されている。これにより、現在地から配達元40aまでの経路から所定の距離の範囲内の配達先40bを回収地点10として選択することにより、備品6の回収経路の総距離が過度に大きくなることを抑制することができる。このため、移動距離と移動時間とが大きくなり、配達員50が疲労することを抑制することができる。この結果、配達員50の負担をより軽減することが可能となる。
【0078】
また、第1実施形態では、上記のように、回収地点10は、配達に使用される移動体4の一日の総走行距離、または配達に使用される移動体4の一日の総走行時間のうち少なくとも一方に基づいて、選択されるように構成されている。これにより、配達に使用される移動体4の一日の総走行距離に基づいて、回収地点10を選択するように構成されていることにより、一日の総走行距を配達員50の運転に負担がかからない範囲内に収めるように回収地点10を選択することができる。このため、一日の総走行距離が大きくなることに起因して、移動体4を運転する配達員50が疲労することを抑制することができる。また、配達に使用される移動体4の一日の総走行時間に基づいて、回収地点10を選択するように構成されていることにより、一日の総走行時間を配達員50の運転に負担がかからない範囲内に収めるように回収地点10を選択することができる。このため、一日の総走行時間が長くなることに起因して、移動体4を運転する配達員50が疲労することを抑制することができる。
【0079】
また、第1実施形態では、回収地点10は、回収される備品6の総重量に基づいて、選択されるように構成されている。これにより、回収される備品6の総重量に基づいて、回収地点10を選択するように構成されていることにより、回収される備品6の総重量を配達員50が所持して移動することが可能な範囲内に収めることができる。このため、備品6の総重量が過度に大きいことによる配達員50の肉体的な疲労を軽減することができる。
【0080】
また、第1実施形態では、携帯端末2を介して回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を受け付けた場合に、回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、携帯端末2を介して回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を受け付けた場合に回収経路情報が作成されることにより、配達員50が回収経路情報の作成の開始を指示する入力操作を行うだけで回収経路情報が作成されるため、配達員50が回収経路情報を作成する手間と時間とを省くことができるとともに、配達員50の負担をさらに軽減することができる。
【0081】
また、第1実施形態では、サーバ3をさらに備え、サーバ3または携帯端末2は、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、サーバ3または携帯端末2が、現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員50が回収経路情報を作成する必要がないため、配達された備品6を回収する際の配達員の負担をより一層軽減することができる。
【0082】
また、第1実施形態では、頭部装着型表示装置1は、回収地点10が複数ある場合に、それぞれの回収地点10までの距離、またはそれぞれの回収地点10までの時間のうち少なくとも一方を含む回収経路情報が表示されるように構成されている。これにより、頭部装着型表示装置1に回収地点10が複数ある場合に、それぞれの回収地点10までの距離を含む回収経路情報が表示されることにより、配達員50は、現在地から各回収地点10までの距離を把握することができるとともに、回収地点10に近づいていることを把握することができる。このため、各回収地点10までの距離が表示されず、回収地点10に近づいているか否かが不明な状態で運転する場合と比べて、精神的な負担を軽減することができる。また、頭部装着型表示装置1に回収地点10が複数ある場合に、それぞれの回収地点10までの時間を含む回収経路情報が表示されることにより、配達員50は、現在地から各回収地点10までにかかる時間を把握することができるとともに、次の回収地点10までの移動体4の運転時間を把握することができる。このため、回収地点10に到達するまでにかかる時間が表示されず、次の回収地点10までの移動体4の運転時間が不明な状態で移動する場合と比べて、精神的な負担を軽減することができる。
【0083】
[第2実施形態]
次に、
図1~
図8、
図10および
図11を参照して、第2実施形態による回収システム100の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、サーバ3は、回収要求を受け付けるように構成されている。なお、第2実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0084】
図1に示すように、サーバ3は、配達元40aまたは配達先40bから備品6(
図6参照)の回収要求を受け付けるように構成されている。配達元40aまたは配達先40bは、配達先40bまたは配達元40aが所持する携帯端末2を介して、備品6の回収要求をサーバ3に送信する。
【0085】
サーバ3は、回収要求を受け付けた場合、回収要求の対象の配達先40bから所定範囲内の携帯端末2を複数選択する。具体的には、サーバ3は、携帯端末2から取得した位置情報に基づいて、回収要求の対象の配達先40bから所定範囲内の携帯端末2を選択する。所定の範囲は、たとえば、3キロメートル以内である。
【0086】
サーバ3は、選択した携帯端末2の中から回収要求の対象の配達先40bを仮に、回収地点10として回収経路情報を再作成した場合に、1日の総走行距離が所定の範囲内になるとともに、備品6の総重量が所定の範囲内になる複数の携帯端末2を選択する。そして、選択した複数の携帯端末2のうち1つの携帯端末2に、回収経路情報の再作成の要求を送信する。
【0087】
回収経路情報の再作成の要求を受信した携帯端末2の制御部22は、表示部21に回収経路情報の再作成の要求の受託または拒否の選択画面を表示させる。そして、携帯端末2は、回収経路情報の再作成の要求の受託の選択、または拒否の選択のうちいずれかの入力を受け付ける。
【0088】
回収経路情報の再作成の要求の受託の選択の入力を受け付けた場合、携帯端末2は、サーバ3に再作成の受託の信号を送信する。回収経路情報の再作成の要求の拒否の選択の入力を受け付けた場合、携帯端末2は、サーバ3に再作成の拒否の信号を送信する。
【0089】
サーバ3は、回収経路情報の再作成の要求の受託の信号を受信した場合は、回収要求の対象の配達先40bを回収地点10として設定した後に、回収要求がされていない配達先40bを回収地点10として選択する。回収要求有の配達先40bを回収地点10として選択する回収要求用の回収条件は、現在地から配達元40aまでの経路から所定の範囲内にあるという条件である。所定の範囲は、たとえば、3キロメートル以内である。なお、回収要求有の配達先40bを回収地点10として選択する場合の回収要求用の回収条件における所定の範囲は、回収要求無しの配達先40bを回収地点10として選択する場合の通常の回収条件における所定の範囲よりも距離が大きくてもよく、同じであってもよい。回収経路情報の再作成の要求の拒否の信号を受信した場合は、サーバ3は、別の携帯端末2に回収経路情報の再作成の要求を送信する。
【0090】
(回収要求の詳細な説明)
図10に基づいて、回収要求がされた場合の流れを説明する。
図10では、回収経路情報が作成されて、配達先40bから配達元40aに戻る場合を例に説明する。まず、ステップ71として、サーバ3は、配達元40aまたは配達先40bから回収要求の信号を受信する。ステップ72として、サーバ3は、回収要求を受けた配達先40bを回収要求有りに設定し、保存する。
【0091】
ステップ73では、サーバ3は、備品6の回収要求の対象の配達先40bから所定の範囲内に位置する複数の携帯端末2を選択する。さらに、サーバ3は、選択した携帯端末2の中から回収要求の対象の配達先40bを仮に、回収地点10として回収経路情報を再作成した場合に、1日の総走行距離が所定の範囲内になるとともに、備品6の総重量が所定の範囲内になる複数の携帯端末2を選択する。ステップ74では、サーバ3は、ステップ73で選択した携帯端末2のうち、回収要求の対象の配達先40bを回収地点10に加えるように回収経路を再作成可能な携帯端末2を選択する。回収条件を満たす携帯端末2がある場合は、ステップ75に進み、条件を満たす携帯端末2がない場合は、終了する。
【0092】
ステップ75では、サーバ3は、回収経路情報の再作成の要求を選択した携帯端末2に送信する。ステップ76に移り、携帯端末2から再作成の要求の受託の信号を受信した場合は、ステップ77に進む。一方で、携帯端末2から再作成の要求の拒否の信号を受信した場合は、ステップ75に戻り、サーバ3は、別の携帯端末2に回収経路情報の再作成の要求を送信する。
【0093】
ステップ77では、サーバ3は、回収経路情報を再作成する。このとき、サーバ3は、まず、回収要求用の回収条件に基づいて回収要求有の配達先40bを選択し、回収地点10として登録する。その後、通常の回収条件に基づいて、回収地点10を選択する。
【0094】
ステップ78では、サーバ3は、再作成された回収経路情報を携帯端末2に送信する。ステップ79において、サーバ3は、回収要求の対象の配達先40bを回収中状態にする。具体的には、サーバ3は、回収要求の対象の配達先40bを未回収の配達先40bから除外し、回収完了の信号を携帯端末2から受信することによって回収要求の配達先40bを削除する。そして、再作成された回収経路情報を取得した携帯端末2は、
図8に記載された備品回収モードのステップ55以降と同じ動作を行う。
【0095】
図11に基づいて、ステップ77の回収経路情報の再作成時のサーバ3の動作を説明する。なお、
図9と同じところは説明を省略する。回収経路情報の再作成時には、
図9に示す回収要求がされていない場合の回収経路情報の作成時とは異なりステップ31とステップ33との間にステップ80が行われる。ステップ80では、サーバ3は、回収要求用の回収条件に基づき、携帯端末2の現在地から所定の範囲内にある回収要求有の配達先40bを回収地点10として選択する。これにより、回収要求無しの配達先40bよりも優先的に回収要求の対象の配達先40bが回収地点10として選択される。また、ステップ33以降は、回収要求無しの配達先40bから回収地点10を選択するステップとなる。なお、
図11では、備品6の回収が前提であるため、ステップ31からステップ32に進む分岐は省略している。
【0096】
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0097】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員50が回収経路情報を作成する必要がないため、回収経路情報を作成するための配達員50の手間と時間とを削減することができる。また、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するように構成されていることにより、回収経路の総距離と配達元40aに戻るまでの合計時間とを小さくするような条件に基づいて回収地点10を選択するように構成することができるため、配達員50の移動距離を短くすることができるとともに、配達員50が疲労することを抑制することができる。これらの結果により、配達員50の負担を軽減することができる。
【0098】
また、第2実施形態では、配達元40aまたは配達先40bからの備品6の回収要求が入力されたことに基づいて、携帯端末2に備品6の回収要求を通知するように構成されるとともに、携帯端末2を介して備品6の回収要求を受託する入力を受け付けた場合に、回収経路情報を再作成するように構成されている。これにより、配達元40aまたは配達先40bからの備品6の回収要求が入力されたことに基づいて、携帯端末2に備品6の回収要求を通知するように構成されることにより、回収要求がされた備品6を配達員50が回収することができる。このため、配達元40aまたは配達先40bが備品6の回収を希望するときに備品6を回収することができる。また、携帯端末2を介して備品6の回収要求を受託する入力を受け付けた場合に、回収経路情報を再作成するように構成されていることにより、回収要求がされた備品6を回収可能な配達員50の回収経路情報が再作成される。このため、回収が困難な配達員50の回収経路が再作成されて、負担が増えることを抑制することができる。
【0099】
また、第2実施形態では、備品6の回収要求の対象の配達先40bから所定の範囲内にある携帯端末2に備品6の回収要求を通知するように構成されている。これにより、備品6の回収要求の対象の配達先40bから近い位置にある携帯端末2に回収要求が通知されるため、回収経路の総距離が過度に大きくなることを抑制することができるとともに、配達員50の負担を軽減することができる。
【0100】
また、第2実施形態では、備品6の回収要求の対象の配達先40bを回収要求の対象ではない配達先40bよりも優先的に回収地点10として選択するように構成されている。これにより、備品6の回収が必要な配達先40bを優先的に回収地点10として選択することにより、回収の必要な備品6が優先的に回収されるため、配達先40bまたは配達元40aの利便性を向上させることができる。
【0101】
また、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0102】
[第3実施形態]
次に、
図2~
図7、
図9および
図12~
図14を参照して、第3実施形態による回収システム200の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、携帯端末2は、識別情報読取部26を備える。なお、第3実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0103】
図12に示すように、携帯端末2は、識別情報読取部26を備える。識別情報読取部26は、光を用いて識別情報7(
図13参照)を読み取るリーダである。識別情報読取部26は、備品6に付された識別情報7を読み取るように構成されている。
【0104】
図13に示すように、識別情報7は、たとえば、QRコード(登録商標)またはRFIDである。
【0105】
携帯端末2は、読み込んだ識別情報7から、回収対象の備品6か否かを判定する。具体的には、携帯端末2は、配達元40aとは異なる識別情報7が付されている備品6と、識別情報7が付されていない備品6とを回収対象ではないと判定する。
【0106】
図14に示すように、識別情報7を付すことにより、識別情報読取部26を介して備品6の回収が完了したことを自動で判定することができる。そのため、第3実施形態における携帯端末2の備品回収モード時の動作では、
図8の備品回収モードのステップ58に替えて、ステップ90が行われる。ステップ90では、携帯端末2は、識別情報読取部26により備品6の識別情報7を読み取ることができた場合、備品6の回収が完了したとしてステップ59に進む。一方で、回収が未完のため備品6の識別情報7が読み取れなかった場合は、ステップ60に進む。
【0107】
第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0108】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員50が回収経路情報を作成する必要がないため、回収経路情報を作成するための配達員50の手間と時間とを削減することができる。また、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するように構成されていることにより、回収経路の総距離と配達元40aに戻るまでの合計時間とを小さくするような条件に基づいて回収地点10を選択するように構成することができるため、配達員50の移動距離を短くすることができるとともに、配達員50が疲労することを抑制することができる。これらの結果により、配達員50の負担を軽減することができる。
【0109】
また、第3実施形態では、携帯端末2は、備品6に付された識別情報7を読み取るための識別情報読取部26を備えるとともに、回収された備品6に付された識別情報7を取得したことに基づいて、現在地から配達元40aまでの回収経路情報、または現在地から次の回収地点10までの回収経路情報を頭部装着型表示装置1に表示させるように構成されている。これにより、回収された備品6に付された識別情報7を取得したことに基づいて、現在地から配達元40aまでの回収経路情報、または現在地から次の回収地点10までの回収経路情報が頭部装着型表示装置1に表示されることにより、配達員50は、現在地から配達元40aまでの回収経路情報、または現在地から次の回収地点10までの回収経路情報を表示させる操作を行う必要がないため、配達員50の手間を省くことができるとともに、配達員50の利便性を向上させることができる。
【0110】
また、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0111】
[第4実施形態]
次に、
図2~
図7、
図15および
図16を参照して、第4実施形態による回収システム300の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、サーバ3を備えていない。なお、第4実施形態の第1実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0112】
図15に示すように、携帯端末2は、記憶部27を備えている。記憶部27には、配達先40bおよび配達元40a(
図5参照)に関する配達情報が保存されている。また、記憶部27は、備品6(
図6参照)の重量と、配達先40bに配達された備品6の数および備品6の種類が保存されている。記憶部27には、不揮発性の半導体記憶素子を含む。記憶部27は、配達依頼の受注、配達経路の経路案内などの処理を行うためのプログラム(アプリケーションソフトウェア)を記憶している。
【0113】
携帯端末2は、備品回収モードの開始の操作入力と、目的地の入力操作とを受け付けた場合に、回収経路情報を作成する。具体的には、携帯端末2は、配達された備品6(
図6参照)を回収する回収地点10(
図5(C)参照)を記憶部27に保存された複数の配達先40bから回収条件に基づいて選択する。携帯端末2は、所定の条件に基づいて選択した回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの経路の情報である回収経路情報を作成する。携帯端末2は、備品回収モードを開始しない操作と、目的地の入力操作とを受け付けた場合に、携帯端末2の現在の位置情報と、目的地の情報とから、現在地から目的地までの通常経路情報を作成する。回収条件は、特許請求の範囲に記載された「所定の条件」の一例である。
【0114】
図16に基づいて、備品回収モードにおける携帯端末2の制御部22の動作の流れを説明する。
図16では、配達が完了した後、配達先40bから配達元40aに戻る場合を例に説明する。
【0115】
ステップ130では、携帯端末2の制御部22は、配達元40aを目的地として入力されたことに基づき、現在地から配達元40aまでの経路情報を作成する。
【0116】
ステップ131では、備品回収モードが開始されたか否かにより進むステップが異なる。備品6の回収無を入力する操作を受け付けた場合は、備品回収モードが開始されていないとして、ステップ132に進む。一方、備品6の回収有を選択する入力を受け付けた場合は、備品回収モードが開始されたとしてステップ133に進む。
【0117】
ステップ132では、携帯端末2の制御部22は、配達元40aまでの通常経路情報を作成する。そして、ステップ139に進み、携帯端末2の制御部22は、表示部11に通常経路情報を表示させる。
【0118】
ステップ133では、携帯端末2は、記憶部27に保存された配達情報の中から、配達済であり、かつ備品6の回収がまだ行われていない配達先40bの情報を取得する。ステップ134では、携帯端末2は、ステップ33で取得した配達先40bのうち、配達日時に基づいて所定時間内の配達先40bを除外する。所定の時間は、たとえば、配達後4時間である。
【0119】
ステップ135では、携帯端末2の制御部22は、ステップ134で除外されなかった配達先40bのうち、現在地から配達元40aまでの経路から所定の範囲内にある配達先40bを選択する。ステップ136では、携帯端末2は、ステップ135で選択された配達先40bのうち一日の走行距離が所定値以下となる配達先40bを選択する。
【0120】
ステップ137では、携帯端末2の制御部22は、ステップ136で選択された配達先40bのうち、回収する備品6の総重量が所定値以下となる配達先40bを選択する。ステップ138では、携帯端末2は、ステップ137で選択した配達先40bを回収地点10として、回収地点10を経由した現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成する。そして、ステップ139に進み、頭部装着型表示装置1の表示部11に回収経路情報を表示する。
【0121】
第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0122】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員50が回収経路情報を作成する必要がないため、回収経路情報を作成するための配達員50の手間と時間とを削減することができる。また、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するように構成されていることにより、回収経路の総距離と配達元40aに戻るまでの合計時間とを小さくするような条件に基づいて回収地点10を選択するように構成することができるため、配達員50の移動距離を短くすることができるとともに、配達員50が疲労することを抑制することができる。これらの結果により、配達員50の負担を軽減することができる。
【0123】
また、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0124】
[第5実施形態]
次に、
図2~
図7、および
図15~
図18を参照して、第5実施形態による回収システム300の構成について説明する。第5実施形態では、第4実施形態とは異なり、回収要求を受け付けるように構成されている。なお、第5実施形態の第4実施形態と共通する構成は、同じ符号を付して説明を省略する。
【0125】
図15に示すように、携帯端末2は、配達元40aまたは配達先40bから備品6(
図6参照)の回収要求を受け付けるように構成されている。配達先40bまたは配達元40aの携帯端末2から、回収要求が入力されたとき、回収要求の情報が携帯端末2に送信される。
【0126】
携帯端末2の制御部22は、回収要求を受け付けた場合、回収要求の対象の配達先40bを仮に、回収地点10として回収経路情報を再作成した場合に、1日の総走行距離が所定の範囲内になるとともに、備品6の総重量が所定の範囲内になるか否かを判定する。回収経路の再作成が可能であれば、携帯端末2は、再作成された回収ルートを頭部装着型表示装置1に送信し、再作成された回収ルートを表示させる。また、携帯端末2は、再作成された回収ルートを許可するか否かの選択画面を表示部21に表示させる。
【0127】
再作成された回収ルートに対して、許可の入力がされた場合、携帯端末2は、再作成された回収ルートに基づいて経路案内を開始する。一方で、拒否された場合は、携帯端末2は、再作成前の回収ルートに基づいて経路案内を行う。
【0128】
(回収要求の詳細な説明)
図17に基づいて、回収要求がされた場合の流れを説明する。
図17では、回収経路情報が作成されて、配達先40bから配達元40aに戻る場合を例に説明する。まず、ステップ90として、携帯端末2は、配達元40aまたは配達先40bから回収要求の信号を受信する。
【0129】
ステップ91では、携帯端末2の制御部22は、回収要求の対象の配達元40aを回収地点10として設定した場合に、回収条件を満たした回収経路情報を再作成可能か否かにより進むステップが異なる。回収条件を満たした回収経路情報を再作成可能な場合は、ステップ93に進み、再作成が不可能の場合は終了する。
【0130】
ステップ92では、携帯端末2の制御部22は、再作成された回収経路情報を頭部装着型表示装置1の表示部11に表示させる。ステップ93では、再作成された回収経路情報にルート変更することに対する許可または拒否のいずれの操作が行われたかにより進むステップが異なる。再作成された回収経路情報にルート変更することに対する許可された場合は、ステップ94に進み、携帯端末2の制御部22は、再作成された回収経路情報に基づいて経路案内を開始する。一方で、再作成された回収経路情報にルート変更することに対して拒否された場合は、終了する。
【0131】
図18に基づいて、回収経路情報の再作成時の携帯端末2の動作を説明する。なお、
図16と同じところは同じ符号を振り説明を省略する。回収経路情報の再作成時には、
図16に示す回収要求がされていない場合の回収経路情報の作成時とは異なりステップ131とステップ133との間にステップ180が行われる。ステップ180では、携帯端末2の制御部22は、回収要求用の回収条件に基づき、現在地から所定の範囲内にある回収要求有の配達先40bを回収地点10として選択する。これにより、回収要求無しの配達先40bよりも優先的に回収要求の対象の配達先40bが回収地点10として選択される。また、ステップ133以降は、回収要求無しの配達先40bから回収地点10を選択するステップとなる。なお、
図18では、備品6の回収が前提であるため、ステップ131からステップ132に進む分岐は省略している。
【0132】
第5施形態のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0133】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、上記第4実施形態と同様に、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するとともに、選択された回収地点10を経由する現在地から配達元40aまでの回収経路情報を作成するように構成されている。これにより、回収経路情報を作成するように構成されていることにより、配達員50が回収経路情報を作成する必要がないため、回収経路情報を作成するための配達員50の手間と時間とを削減することができる。また、配達された備品6を回収する回収地点10を複数の配達先40bから所定の条件に基づいて選択するように構成されていることにより、回収経路の総距離と配達元40aに戻るまでの合計時間とを小さくするような条件に基づいて回収地点10を選択するように構成することができるため、配達員50の移動距離を短くすることができるとともに、配達員50が疲労することを抑制することができる。これらの結果により、配達員50の負担を軽減することができる。
【0134】
また、第5実施形態のその他の効果は、第4実施形態と同様である。
【0135】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0136】
たとえば、上記第1~第5実施形態では、携帯端末がスマートフォンである例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯端末は、タブレット端末または携帯用パーソナルコンピュータであってもよい。
【0137】
また、上記第1~第5実施形態では、移動体が自転車である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、移動体は、二輪車、三輪車(けん引形態含む)、四輪車などの配達の用に供する移動体であれば特に限定されない、また、移動体は、人力と駆動源の動力とにより動かされる移動体に限られず、人力で動かす移動体、または、駆動源が設けられた電動式移動車両であってもよい。また、バッテリーは、自転車に固定されていてもよい。
【0138】
また、上記第1~第5実施形態では、備品は、食器である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、備品は、瓶、缶、および梱包用の容器であってもよい。
【0139】
また、上記第1~第5実施形態では、所定の条件が、現在地から配達元までの経路から回収地点までの距離に基づいた条件、配達に使用される移動体の一日の総走行距離に基づいた条件、配達に使用される移動体の一日の総走行時間に基づいた条件、または回収される備品の総重量に基づいた条件である例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、所定の条件は、配達員の消費カロリーに基づく条件であってもよい。
【0140】
また、上記第1~第5実施形態では、配達後に配達先から配達元に戻る途中で備品を回収する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、配達員は、配達の依頼を待っている状況において備品回収モードを開始し、配達元に向かってもよい。
【0141】
また、上記第1~第5実施形態では、携帯端末の通信部と頭部装着型表示装置の通信部とが、Bluetooth(登録商標)通信によって無線接続される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、携帯端末の通信部と頭部装着型表示装置の通信部とは、Wi-Fi(登録商標)通信によって無線接続されるように構成されていてもよい。通信方式はどのような方式であってもよい。また、携帯端末の通信部と頭部装着型表示装置の通信部とは、有線接続されていてもよい。
【0142】
また、上記第1~第5実施形態では、頭部装着型表示装置が、ヘルメットを介して装着される構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、頭部装着型表示装置は、バイザー、メガネなどに装着されていてもよい。頭部装着型表示装置は、ヘッドバンドなどの専用の装着具により装着されてもよい。
【0143】
また、上記第1実施形態では、回収経路情報を含む画像には、各回収地点までにかかる所要時間が表示される例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、回収経路情報を含む画像には、各回収地点までの距離が表示されていてもよい。この場合、サーバは、携帯端末から取得した位置情報と、保存されている各回収地点(配達先)の位置情報とに基づいて各回収地点までの距離を取得する。
【0144】
また、上記第1実施形態では、経路情報の作成後に備品回収モードが開始されたか否かを表す信号を受信する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、備品回収モードが開始されたか否かを表す信号を受信したあと、経路の作成を開始してもよい。
【符号の説明】
【0145】
1 頭部装着型表示装置
2 携帯端末
3 サーバ
4 移動体
6 備品
7 識別情報
10 回収地点
26 識別情報読取部
42 回収経路情報を含む画像
50 配達員
100、200 回収システム