(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162324
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
B65D 5/50 20060101AFI20221017BHJP
B65D 77/30 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B65D5/50 E
B65D77/30 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067103
(22)【出願日】2021-04-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (公開1)令和3年2月24日~26日、2021東京国際包装展
(71)【出願人】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】清水 美孝
【テーマコード(参考)】
3E060
3E067
【Fターム(参考)】
3E060BA03
3E060CB16
3E060CC02
3E060CC18
3E060CC52
3E060DA30
3E067AA11
3E067AC01
3E067BA06A
3E067BB01A
3E067EA01
3E067EE15
3E067EE18
3E067EE40
3E067FC02
3E067GD09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】被包装物が露出している状態で、被包装物を安定して保持することができる技術を提供する。
【解決手段】包装容器では、第1支持板と第3支持板とが被包装物の前方に位置して、被包装物が第1支持板と第3支持板を越えて前方に移動することが制限され、第2支持板と第4支持板とが被包装物の後方に位置して、第1支持板を含む第1支持部及び第3支持板を含む第2支持部が被包装物に対して前方に移動することが制限される。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右両端に上下方向に延びる一対の端縁を有する背板と、
前記一対の端縁のうちの一方の端縁から前方に延びる第1側板と、
前記一対の端縁のうちの他方の端縁から前方に延びる第2側板と、
前記第1側板の前記背板から離間した位置から第1折曲線を介して延びる第1支持部と、
前記第2側板の前記背板から離間した位置から第2折曲線を介して延びる第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部の上端と下端の少なくとも一方に配置される端板と、を備え、
前記第1支持部は、前記第1折曲線を介して前記第2側板に向けて延びる第1支持板と、前記第1支持板の前記第2側板側の端縁と少なくとも第3折曲線を介して連結されている第2支持板と、を備え、
前記第2支持部は、前記第2折曲線を介して前記第1側板に向けて延びる第3支持板と、前記第3支持板の前記第1側板側の端縁と少なくとも第4折曲線を介して連結されている第4支持板と、を備え、
前記第1支持部は、被包装物が配置される第1開口を備え、
前記第2支持部は、前記被包装物が配置される第2開口を備え、
前記第1支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第1支持板を越えて前方に移動することを制限し、
前記第3支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第3支持板を越えて前方に移動することを制限し、
前記端板は、
折曲線を介して前記第2側板に連結しており、
前記第2側板から前記第1側板に向かって延びる本体と、前記本体に折曲線を介して連結する挿入片と、を備え、
前記挿入片は、前記第1側板の内面に沿って延びており、
前記第2支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第1支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限し、
前記第4支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第2支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限する、包装容器。
【請求項2】
左右両端に上下方向に延びる一対の端縁を有する背板と、
前記一対の端縁のうちの一方の端縁から前方に延びる第1側板と、
前記一対の端縁のうちの他方の端縁から前方に延びる第2側板と、
前記第1側板の前記背板から離間した位置から第1折曲線を介して延びる第1支持部と、
前記第2側板の前記背板から離間した位置から第2折曲線を介して延びる第2支持部と、
前記第1支持部及び前記第2支持部の上端と下端の少なくとも一方に配置される端板と、を備え、
前記第1支持部は、前記第1折曲線を介して前記第2側板に向けて延びる第1支持板と、前記第1支持板の前記第2側板側の端縁と少なくとも第3折曲線を介して連結されている第2支持板と、を備え、
前記第2支持部は、前記第2折曲線を介して前記第1側板に向けて延びる第3支持板と、前記第3支持板の前記第1側板側の端縁と少なくとも第4折曲線を介して連結されている第4支持板と、を備え、
前記第1支持部は、被包装物が配置される第1開口を備え、
前記第2支持部は、前記被包装物が配置される第2開口を備え、
前記第1支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第1支持板を越えて前方に移動することを制限し、
前記第3支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第3支持板を越えて前方に移動することを制限し、
前記第2支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第1支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限し、
前記第4支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第2支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限し、
前記端板は、
折曲線を介して前記背板に連結しており、
前記背板から前方に延びる本体と、前記本体に折曲線を介して連結する一対の挿入片と、を備え、
前記一対の挿入片のうちの一方の挿入片は、前記第1側板の内面に沿って延びており、前記第1支持板に係合し、
前記一対の挿入片のうちの他方の挿入片は、前記第2側板の内面に沿って延びており、前記第3支持板に係合する、包装容器。
【請求項3】
前記第2支持板は、前記第3折曲線から前記背板に向けて延びており、
前記第1開口は、前記第1支持板と前記第2支持板とに、前記第3折曲線を跨いで配置されており、
前記第2支持板は、前記背板と前記第1側板と前記挿入片の少なくとも一つに当接しており、前記第1開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記被包装物が前記第2支持板を越えて後方に移動することを制限し、
前記第4支持板は、前記第4折曲線から前記背板に向けて延びており、
前記第2開口は、前記第3支持板と前記第4支持板とに、前記第4折曲線を跨いで配置されており、
前記第4支持板は、前記背板と前記第2側板と前記挿入片の少なくとも一つに当接しており、前記第2開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記被包装物が前記第4支持板を越えて後方に移動することを制限する、請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記第4支持板は、前記背板と前記第2側板との境界に向かって延びて、前記背板と前記第2側板とに当接する、請求項1から3のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項5】
前記背板と前記第2側板との前記境界上に配置される挿入孔を備え、
前記第4支持板は、前記第4折曲線と反対側の端縁に配置されており、前記挿入孔に挿入される突出部を備える、請求項4に記載の包装容器。
【請求項6】
前記端板は、前記第1支持部及び前記第2支持部の上端と下端とのそれぞれに配置される、請求項1から5のいずれか一項に記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、包装容器に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、被包装物を露出した状態で包装する包装容器が開示されている。包装容器は、被包装物を支持する保持体を備える。保持体は、被包装物をその形状に適応しながら、被包装物を把持ないし支持する。保持体は、略板状の前部と、前部に対応する形状を有する略板状の背部と、を備える。前部と背部とは、互いに対向するように配設される。保持体は、前部に、被包装物を保持体の内側に導入するための窓部が形成されている。
【0003】
窓部の枠は、被包装物の輪郭に対応して形成されている。窓部の枠には、被包装物を把持する複数のフラップ片が配置されている。複数のフラップ片は、被包装物を複数方向から被包装物の中心に向かって当接して、その摩擦力と相まって、把持するためのフラップ形状の片である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の技術では、被包装物と複数のフラップ片との間の摩擦力によって被包装物が保持される。このため、例えば、被包装物と複数のフラップ片との接触面積が小さい場合、複数のフラップ片と被包装物との間に十分な摩擦力が発生せずに、被包装物を安定して保持することができない。
【0006】
本明細書では、被包装物が露出している状態で、被包装物を安定して保持することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書では、包装容器を開示する。包装容器は、左右両端に上下方向に延びる一対の端縁を有する背板と、前記一対の端縁のうちの一方の端縁から前方に延びる第1側板と、前記一対の端縁のうちの他方の端縁から前方に延びる第2側板と、前記第1側板の前記背板から離間した位置から第1折曲線を介して延びる第1支持部と、前記第2側板の前記背板から離間した位置から第2折曲線を介して延びる第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部の上端と下端の少なくとも一方に配置される端板と、を備え、前記第1支持部は、前記第1折曲線を介して前記第2側板に向けて延びる第1支持板と、前記第1支持板の前記第2側板側の端縁と少なくとも第3折曲線を介して連結されている第2支持板と、を備え、前記第2支持部は、前記第2折曲線を介して前記第1側板に向けて延びる第3支持板と、前記第3支持板の前記第1側板側の端縁と少なくとも第4折曲線を介して連結されている第4支持板と、を備え、前記第1支持部は、被包装物が配置される第1開口を備え、前記第2支持部は、前記被包装物が配置される第2開口を備え、前記第1支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第1支持板を越えて前方に移動することを制限し、前記第3支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第3支持板を越えて前方に移動することを制限し、前記端板は、折曲線を介して前記第2側板に連結しており、前記第2側板から前記第1側板に向かって延びる本体と、前記本体に折曲線を介して連結する挿入片と、を備え、前記挿入片は、前記第1側板の内面に沿って延びており、前記第2支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第1支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限し、前記第4支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第2支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限する。
【0008】
本明細書に開示される別の包装容器は、左右両端に上下方向に延びる一対の端縁を有する背板と、前記一対の端縁のうちの一方の端縁から前方に延びる第1側板と、前記一対の端縁のうちの他方の端縁から前方に延びる第2側板と、前記第1側板の前記背板から離間した位置から第1折曲線を介して延びる第1支持部と、前記第2側板の前記背板から離間した位置から第2折曲線を介して延びる第2支持部と、前記第1支持部及び前記第2支持部の上端と下端の少なくとも一方に配置される端板と、を備え、前記第1支持部は、前記第1折曲線を介して前記第2側板に向けて延びる第1支持板と、前記第1支持板の前記第2側板側の端縁と少なくとも第3折曲線を介して連結されている第2支持板と、を備え、前記第2支持部は、前記第2折曲線を介して前記第1側板に向けて延びる第3支持板と、前記第3支持板の前記第1側板側の端縁と少なくとも第4折曲線を介して連結されている第4支持板と、を備え、前記第1支持部は、被包装物が配置される第1開口を備え、前記第2支持部は、前記被包装物が配置される第2開口を備え、前記第1支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第1支持板を越えて前方に移動することを制限し、前記第3支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の前方に位置して、前記被包装物が前記第3支持板を越えて前方に移動することを制限し、前記第2支持板は、前記第1開口に配置される前記被包装物の後方に位置して前記第1支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限し、前記第4支持板は、前記第2開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記第2支持部が前記被包装物に対して前方に移動することを制限し、前記端板は、折曲線を介して前記背板に連結しており、前記背板から前方に延びる本体と、前記本体に折曲線を介して連結する一対の挿入片と、を備え、前記一対の挿入片のうちの一方の挿入片は、前記第1側板の内面に沿って延びており、前記第1支持板に係合し、前記一対の挿入片のうちの他方の挿入片は、前記第2側板の内面に沿って延びており、前記第3支持板に係合する。
【0009】
この構成では、第1開口及び第2開口に配置される被包装物は、第1開口及び第2開口から外側に露出される。被包装物は、第1支持板と第3支持板とに当接することによって前方に移動することが制限される。第1支持部及び第2支持部は、第2支持板と第4支持板とが被包装物に当接することによって前方に移動することが制限される。この構成によれば、包装容器は、被包装物を安定して保持することができる。
【0010】
前記第2支持板は、前記第3折曲線を介して前記背板に向けて延びており、前記第1開口は、前記第1支持板と前記第2支持板とに、前記第3折曲線を跨いで配置されており、前記第2支持板は、前記背板と前記第1側板と前記挿入片の少なくとも一つに当接しており、前記第1開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記被包装物が前記第2支持板を越えて後方に移動することを制限し、前記第4支持板は、前記第4折曲線を介して前記背板に向けて延びており、前記第2開口は、前記第3支持板と前記第4支持板とに、前記第4折曲線を跨いで配置されており、前記第4支持板は、前記背板と前記第2側板と前記挿入片の少なくとも一つに当接しており、前記第2開口に配置される前記被包装物の後方に位置して、前記被包装物が前記第4支持板を越えて後方に移動することを制限してもよい。
【0011】
この構成では、被包装物は、第1支持板と第3支持板とに当接することによって前方に移動することが制限され、第2支持板と第4支持板とに当接することによって後方に移動することが制限される。この構成によれば、包装容器は、被包装物を安定して保持することができる。
【0012】
前記第4支持板は、前記背板と前記第2側板との境界に向かって延びて、前記背板と前記第2側板とに当接してもよい。
【0013】
この構成では、第4支持板は、背板と第2側板との境界において、背板と第2側板とによって画定される角部に配置される。これにより、第4支持板が背板と第2側板とによって挟まれることによって、第4支持板の位置を安定させることができる。これにより、第2支持部の姿勢を安定させて、被包装物を安定して支持することができる。
【0014】
前記背板と前記第2側板との前記境界上に配置される挿入孔を備え、前記第4支持板は、前記第4折曲線と反対側の端縁に配置されており、前記挿入孔に挿入される突出部を備えていてもよい。
【0015】
この構成によれば、挿入孔に突出部を挿入することによって、第4支持板をより安定して背板と第2側板の境界に配置することができる。これにより、第2支持部の姿勢を安定させて、被包装物を安定して支持することができる。
【0016】
前記端板は、前記第1支持部及び前記第2支持部の上端と下端とのそれぞれに配置されていてもよい。
【0017】
第1側板と第2側板とは、端板によって、背板との位置関係が決定される。上記の構成によれば、端板を上下両側に配置することによって、第1側板と第2側板とを上下両端で位置決めすることができる。これにより、包装容器の形状を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施例の被包装物を包装している包装容器の斜視図。
【
図3】第1実施例の包装容器の組み立てを説明するための図。
【
図4】
図3に続く第1実施例の包装容器の組み立てを説明するための図。
【
図5】
図4に続く第1実施例の包装容器の組み立てを説明するための図。
【
図6】上端板が開かれている状態での包装容器の平面図。
【
図7】第2実施例の被包装物を包装している包装容器の斜視図。
【
図9】第2実施例の包装容器の組み立てを説明するための図。
【
図10】第3実施例の包装容器の上端板が開かれている状態での平面図。
【
図11】変形例の包装容器の上端板が開かれている状態での平面図。
【0019】
(第1実施例)
図1に示すように、包装容器10は、被包装物100を露出した状態で包装する。包装容器10は、被包装物100を搬送し、店頭において被包装物100を陳列するために用いられる。なお、包装容器10の用途は、搬送、陳列に限られず、保護、保管等に用いられてもよい。本明細書に含まれる前後、左右、及び上下方向は、説明を容易にするために規定されており、必ずしも実際の使用時の姿勢を規定するものではない。
【0020】
図2に示すように、包装容器10は、1枚の平板状の展開体BL1に設けられている複数の折曲線を折り曲げることによって作製される。複数の折曲線のそれぞれは、折曲線に沿って容易に折り曲げられるように、折曲線に沿った溝及びスリットの少なくとも一方を有する。複数の折曲線は、細い破線で表されている。包装容器10は、背板18と、一対の側板20、30、上端板14、下端板16及び一対の支持部22、32と、を備える。
図2では、背板18の背面が視認されるように展開体BL1が表されている。
【0021】
背板18は、矩形の平板形状を有する。背板18は、上端部に、背板18を貫通する開口18aを有する。背板18には、背板18の一方の端縁において上下方向に延びる折曲線60を介して側板20が連結されている。側板20は、矩形の平板形状を有する。側板20の下端縁は、背板18の下端縁と同一高さに位置する。側板20の上端縁は、背板18の上端縁よりも下方に位置する。言い換えると、背板18は、側板20から上方に突出している。側板20は、挿入孔50を有する。挿入孔50は、半円形状の挿入孔50aと、挿入孔50aから折曲線60に沿って延びる一対のスリット50bと、を備える。一対のスリット50bは、挿入孔50aの上端から上方に延びるスリットと、挿入孔50aの下端から下方に延びるスリットと、を有する。
【0022】
側板20の背板18の反対側に位置する端縁(包装容器10における前端)において上下方向に延びる折曲線64を介して、支持部22が連結されている。支持部22は、支持板24、26を備える。支持板24は、折曲線64を介して、側板20に直接的に連結されている。支持板24は、矩形の平板形状を有する。上下方向において、支持板24の長さは、側板20の長さと同一である。支持板24の反対側に位置する端縁(包装容器10における右端)において上下方向に延びる折曲線68を介して、支持板26が連結されている。支持板26は、支持板24と反対側の端縁の上下端の角部が丸められた略矩形の平板形状を有する。支持板26は、支持板24と反対側の端縁の上下方向の中央部に、挿入片26aを有する。挿入片26aは、支持板26の支持板24と反対側の端縁から突出している。挿入片26aは、上下方向において、挿入孔50と略同一の長さを有する。
【0023】
支持板24、26は、折曲線68を跨ぐ開口22aを有する。開口22aは、被包装物100が包装容器10に配置されている状態における左側部分の外形形状に沿った形状を有する。
【0024】
背板18には、背板18の他方の端縁において上下方向に延びる折曲線62を介して側板30が連結されている。側板30は、側板20と同一の構成を有する。即ち、側板30は、挿入孔50と同様の挿入孔52を有する。側板30の背板18の反対側に位置する端縁(包装容器10における前端)において上下方向に延びる折曲線66を介して、支持部32が連結されている。支持部32は、支持部22と同一の構成を有する。即ち、支持部32は、支持板24、26と同様の支持板34、36を備える。支持板36は、挿入片26aと同様の挿入片36aを有する。
【0025】
支持板34、36は、開口22aと同様に、支持板34と支持板36との間に折曲線70を跨ぐ開口32aを有する。開口32aは、被包装物100が包装容器10に配置されている状態における右側部分の外形形状に沿った形状を有する。
【0026】
側板30には、側板30の上端縁に沿って延びる折曲線72を介して、上端板14が連結されている。上端板14は、本体14bと、本体14bの側板20と反対側の端縁に沿って延びる折曲線74を介して連結される挿入片14aと、を備える。本体14bは、包装容器10において、側板30から側板20に向かって延びている。本体14bは、包装容器10において、背板18と略同一の左右方向の長さを有する。包装容器10において、本体14bの前端縁は、後方に凹むように湾曲している。包装容器10において、本体14bの後端縁は、側板30の後端縁よりも若干前方に位置する。
【0027】
また、側板30には、側板30の下端縁に沿って延びる折曲線76を介して、下端板16が連結されている。下端板16は、本体16bと、本体16bの側板30と反対側の端縁に沿って延びる折曲線78を介して連結される挿入片16aと、を備える。本体16bは、包装容器10において、側板30から側板20に向かって延びている。本体16bは、包装容器10において、背板18と略同一の左右方向の長さを有する。包装容器10において、本体16bの前端縁は、後方に凹むように湾曲している。包装容器10において、本体16bの後端縁は、側板30の折曲線60の延長線上に配置されている。
【0028】
背板18には、上端縁に、折曲線を介して吊下片12が連結されている。吊下片12は、左右方向において、背板18と同一の長さを有する。吊下片12の下端部分12bは、突出部分12cよりも左右方向において短い。吊下片12は、折曲線で折り曲げられ、背板18と重なるように配置される状態で、開口18aに重なる開口12aを備える。
【0029】
(包装容器10の組立方法)
次いで、
図3~
図6を参照して、展開体BL1から包装容器10を組み立てる方法を説明する。まず、
図3に示すように、吊下片12が背板18に重なるように展開体BL1を折り曲げる。折曲線60を折り曲げて、側板20を背板18から前方に延びるように配置する。また、折曲線64を折り曲げて、支持板24を側板20から側板30に向かって延びるように配置する。さらに、折曲線68を折り曲げて、支持板26を、支持板24から側板20と背板18とで画定される角部、即ち、折曲線60に沿って形成される角部に向かって延びるように配置する。この結果、側板20は背板18に対して垂直に配置され、支持板24は側板20の前端縁から右側に向かって延びるとともに後方に傾斜され、支持板26は支持板24の側板20と反対側の端縁から左側に向かって延びるとともに後方に傾斜される。挿入片26aは、挿入孔50に挿入される。挿入片26aは、挿入孔50の一対のスリット50bに挟持される。これにより、側板20及び支持板24、26の背板18に対する位置が保持される。
【0030】
次いで、
図4に示すように、折曲線62、66、70を折り曲げて、側板30及び支持板34、36を、側板20及び支持板24、26と同様に配置する。このとき、側板30及び支持板34、36を側板20及び支持板24、26と同様に配置する途中で、被包装物100の左側部分を、開口22aに挿入する。そして、側板30及び支持板34、36を配置する際に、被包装物100の右側部分を、開口32aに挿入する。挿入片36aは、挿入孔52に挿入される。挿入片36aは、挿入孔52の一対のスリットに挟持される。これにより、
図5に示すように、側板30及び支持板34、36の背板18に対する位置が保持される。この状態では、支持板24と支持板26とで画定される角部(即ち折曲線68に沿った角部)と、支持板34と支持板36とで画定される角部(即ち折曲線70に沿った角部)と、が当接する。
【0031】
この状態では、吊下片12の下端部分12bは、側板20、30の上端よりも下側に位置する。一方、吊下片12の突出部分12cは、側板20、30の上端よりも上方に位置する。
【0032】
次いで、折曲線74を折り曲げて、上端板14の本体14bに対して挿入片14aを垂直に配置する。また、折曲線72を折り曲げて、上端板14を、側板30に対して回動させる。これにより、挿入片14aが、側板20の内面に沿って、包装容器10内に挿入される。
図6に示すように、挿入片14aの前端縁は、側板20と支持板24とによって画定される角部に沿って配置される。挿入片14aの後端縁は、側板20と背板18とによって画定される角部に沿って配置される。挿入片14aは、側板20と支持板26との間に挿入される。支持板26の側板20の端縁は、挿入片14aに当接する。挿入片14aの後端縁は、本体14bの後端よりも後方に延びており、挿入片14aの上方には、突出部分12cが配置される。この構成によって、挿入片14aが抜けてしまうことを防止することができる。
【0033】
本体14bの後端縁は、側板30の後端縁よりも若干前方に配置されている。この結果、本体14bが吊下片12と干渉することが回避されている。
【0034】
同様に、折曲線76を折り曲げて、下端板16の本体16bに対して挿入片16aを垂直に配置する。また、折曲線76を折り曲げて、下端板16を、側板30に対して回動させる。これにより、挿入片16aが、側板20の内面に沿って、包装容器10内に挿入される。これにより、挿入片16aでは、挿入片14aと同様に、前端縁は、側板20と支持板24とによって画定される角部に沿って配置され、後端縁は、側板20と背板18とによって画定される角部に沿って配置される。これにより、支持板26の側板20側の端縁は、挿入片16aに当接する。これにより、包装容器10が組み立てられる。上端板14及び下端板16を背板18に対して折り曲げて包装容器10を組み立てる際、支持板24、26で画定される角部と支持板34、36で画定される角部とが当接することによって、支持部22、32の形状が安定する。これにより、挿入片14a、16aを挿入しやすい。
【0035】
(効果)
図6に示すように、包装容器10では、被包装物100の前側に支持板24、34が配置され、被包装物100の後側に支持板26、36が配置される。被包装物100は、支持板24、34に当接することによって前側に移動されることが制限され、支持板26、36に当接することによって後側に移動されることが制限される。これにより、被包装物100が前後方向に移動しないように保持される。支持板26、36は、支持板24、34によって前方への移動が規制されている被包装物100が前方に配置されているために、前方に移動することが規制される。
【0036】
また、被包装物100では、左右方向の両端から中央に向かって徐々に前後方向の厚みが増していく。支持板24、26は、左右方向において被包装物100の中央よりも左側で被包装物100を前後から挟む。これにより、被包装物100が左側にずれることを抑制することができる。同様に、支持板34、36は、左右方向において被包装物100の中央よりも右側で被包装物100を前後から挟む。これにより、被包装物100が右側にずれることを抑制することができる。
【0037】
上端板14では、本体14bが側板30に連結しており、挿入片14aが支持板24、26に係合する。下端板16も同様に、本体16bが側板30に連結しており、挿入片16aが支持板24、26に係合する。これにより、側板20、30の位置が安定される。
【0038】
支持板26では、挿入片26aが挿入孔50に挿入され、端縁が側板20と背板18との角部に配置されて挿入片14aに当接される。同様に、支持板36では、挿入片36aが挿入孔52に挿入され、端縁が側板30と背板18との角部に配置される。支持板26、36は、被包装物100に接触することによって移動が規制され、被包装物100は、支持板24、34に接触することによって移動が規制される。これにより、包装容器10は、安定的に維持される。
【0039】
さらに、支持板24、26で画定される角部と支持板34、36で画定される角部とで当接されることによって、支持部22、32が互いに拘束される。これにより、支持部22、32の位置及び形状を安定的に維持することができる。なお、変形例では、支持板24、26で画定される角部と支持板34、36で画定される角部とは、互いに離間していてもよい。
【0040】
包装容器10は、背板18の開口18aと吊下片12の開口12aとに、陳列用のフック等を挿入することによって、包装容器10を吊り下げて陳列することができる。
【0041】
また、挿入孔50、52の形状を被包装物100の輪郭に沿って形成することによって、様々な形状の被包装物100を包装することができる。特に、左右両端よりも中央部分の方が厚みを有する形状では、比較的に薄い部分を支持板24、26及び支持板34、36で挟むことによって、被包装物が前後方向及び左右方向に移動することを制限することができる。
【0042】
(第2実施例)
図7~
図9を参照して、第2実施例の包装容器210を説明する。包装容器210は、包装容器10と比較して、上端板214と下端板216と背板218のそれぞれが、上端板14と下端板16と背板18のそれぞれと異なる。また、挿入孔250、252の形状が、挿入孔50、52と異なる。その他の包装容器210の構成は、包装容器10の構成と同様である。即ち、包装容器210は、包装容器10の各部20、22、24、26、30、32、34、36、22a、32a、26a、36a、60、62、64、66、68、70と同様の各部220、222、224、226、230、232、234、236、222a、232a、226a、236a、260、262、264、266、268、270を備える。
【0043】
背板218は、側板220、230と同一の上下方向の長さを有する矩形の平板形状を有する。背板218と側板220との境界の折曲線260上には、スリット状の挿入孔250が配置されている。挿入孔250には、挿入片226aが挿入される。背板218と側板230との境界の折曲線262上には、スリット状の挿入孔252が配置されている。挿入孔252には、挿入片236aが挿入される。
【0044】
上端板214は、背板218の上端縁に配置される折曲線272を介して、背板218に連結されている。上端板214は、本体214bと、本体214bの左右両端縁のそれぞれに、折曲線を介して連結される一対の挿入片214aと、を備える。本体214bは、包装容器210において、背板218から前方に向かって延びている。包装容器210において、本体214bの前端縁は、後方に凹むように湾曲している。
【0045】
下端板216は、背板218の下端縁に配置される折曲線276を介して、背板218に連結されている。下端板216は、本体216bと、本体216bの左右両端縁のそれぞれに、折曲線を介して連結される一対の挿入片216aと、を備える。本体216bは、包装容器210において、背板218から前方に向かって延びている。包装容器210において、本体216bの前端縁は、後方に凹むように湾曲している。
【0046】
(包装容器210の組立方法)
包装容器210の組立方法は、包装容器10の組立方法と同様に、展開体BL2を、折曲線260、264、268に沿って折り曲げて、側板220及び支持部222(即ち支持板224、226)を配置する。このとき、挿入片226aが挿入孔250に挿入されて、側板220及び支持部222が保持される。また、包装容器10の組立方法と同様に、展開体BL2を、折曲線262、266、270に沿って折り曲げて、側板230及び支持部232(即ち支持板234、236)を配置する。このとき、被包装物100が、開口222a、232aに配置される。また、挿入片236aが挿入孔252に挿入されて、側板230及び支持部232が保持される。これにより、
図9に示される状態に組み立てられる。
【0047】
次いで、上端板214の一対の挿入片214aを本体214bに対して折り曲げるとともに、本体214bを、折曲線272で背板218に対して折り曲げることによって、一対の挿入片214aのそれぞれを、側板220、230のそれぞれの内面に沿って、包装容器210内に挿入される。これにより、一方の挿入片214aの前端縁の一部は、側板220と支持板224とによって画定される角部に沿って配置される。これにより、支持板224が挿入片214aと係合することによって、背板218に対する側板220の位置が決定される。同様に、他方の挿入片214aの前端縁の一部は、側板230と支持板234とによって画定される角部に沿って配置される。これにより、支持板234が挿入片214aと係合することによって、背板218に対する側板230の位置が決定される。
【0048】
一方の挿入片214aの後端縁は、側板220と背板218とによって画定される角部よりも前方に位置する。この結果、支持板226の端縁は、側板220と背板218とによって画定される角部において、側板220と背板218とに当接する。同様に、他方の挿入片214aの後端縁は、側板230と背板218とによって画定される角部よりも前方に位置する。この結果、支持板236の端縁は、側板230と背板218とによって画定される角部において、側板230と背板218とに当接する。これにより、支持板226、236が適切に位置決めされる。
【0049】
同様に、下端板216の一対の挿入片216aを本体216bに対して折り曲げるとともに、本体216bを、折曲線276で背板218に対して折り曲げることによって、一対の挿入片216aのそれぞれを、側板220、230のそれぞれの内面に沿って、包装容器210内に挿入される。これにより、上下両端において、側板220、230及び支持部222、232が保持される。
【0050】
(第3実施例)
図10を参照して、第3実施例の包装容器310を説明する。包装容器310は、包装容器10と比較して、支持部322、332の構成が、支持部22、32の構成と異なる。支持部322は、支持板324、326を備える。支持板324は、折曲線64を介して、側板20に直接的に連結されている。支持板324は、矩形の平板形状を有する。上下方向において、支持板324の長さは、側板20の長さと同一である。支持板324の反対側に位置する端縁(包装容器10における右端)において上下方向に延びる折曲線368を介して、支持板326が連結されている。支持板326は、矩形の平板形状を有する。支持板326は、背板18に重複して配置されている。支持板324は、被包装物300が包装容器310に配置されている状態における左側部分の外形形状に沿った形状を有する開口を有する。なお、支持板326には、被包装物300が配置される開口は配置されていない。
【0051】
支持板326は、支持板324と反対側の端縁の上下方向の中央部に、挿入片26aと同様の挿入片を有する。支持板326は、被包装物300の後方に配置される。この構成によれば、支持板326は、前方に位置する被包装物300によって前方に移動することが抑制されている。また、被包装物300は、支持板326を介して背板18に接触することによって、後方に移動することが規制されている。
【0052】
支持部332は、支持板324、326のそれぞれと同様の支持板334、336を有する。支持板334は、折曲線66を介して、側板30に直接的に連結されている。この構成によると、包装容器310は、被包装物300を安定して保持することができる。
【0053】
なお、
図11に示すように、包装容器310の支持部322は、支持板324と支持板326との間に、支持板328を備えていてもよい。支持板328は、折曲線368aを介して支持板324と連結しており、折曲線368bを介して支持板326と連結していてもよい。支持板328は、支持板324の端縁から背板18に向かって後方に延びていてもよい。支持板328は、支持板324とともに、折曲線368aを越えて支持板324から延びる開口であって、被包装物300が包装容器310に配置されている状態における左側部分の外形形状に沿った形状を有する開口を有していてもよい。同様に、支持部332は、支持板334と支持板336との間に、支持板338を備えていてもよい。
【0054】
なお、支持板324と支持板326との間には、支持板328の他に1個以上の支持板が折曲線を介して配置されていてもよい。
【0055】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0056】
包装容器10では、支持部22と支持部32とが左右対称に配置されている。しかしながら、支持部22と支持部32との構成は、左右対称に配置されておらず、異なる構成を有していてもよい。例えば、支持部22の支持板26は、背板18に向かって前後方向に平行に配置され、背板18に当接していてもよい。包装容器210でも同様である。
【0057】
包装容器10は、上端板14と下端板16とのうちの一方の端板を備えていなくてもよい。包装容器210も同様である。
【0058】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0059】
10 :包装容器、12 :吊下片、12a :開口、12b :下端部分、12c :突出部分、14 :上端板、14a :挿入片、14b :本体、16 :下端板、16a :挿入片、16b :本体、18 :背板、18a :開口、20 :側板、22 :支持部、22a :開口、24 :支持板、26 :支持板、26a :挿入片、30 :側板、32 :支持部、32a :開口、34 :支持板、36 :支持板、36a :挿入片、50 :挿入孔、50a :挿入孔、50b :スリット、52 :挿入孔、100 :被包装物