(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016233
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】プローブカード装置及びそのファンアウト型プローブ
(51)【国際特許分類】
G01R 1/073 20060101AFI20220114BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20220114BHJP
【FI】
G01R1/073 E
G01R31/26 J
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020151140
(22)【出願日】2020-09-09
(31)【優先権主張番号】109123085
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517009143
【氏名又は名称】中華精測科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHUNGHWA PRECISION TEST TECH.CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】NO.15,GONGYE 3RD ROAD,PINGJHEN DIST,TAOYUAN CITY 324,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】李 文聰
(72)【発明者】
【氏名】魏 遜泰
(72)【発明者】
【氏名】謝 開傑
(72)【発明者】
【氏名】蘇 偉誌
【テーマコード(参考)】
2G003
2G011
【Fターム(参考)】
2G003AA10
2G003AG03
2G003AH05
2G011AA10
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB07
2G011AE01
2G011AE03
2G011AF07
(57)【要約】
【課題】プローブカード装置及びそのファンアウト型プローブを提供することで、既存の導電性プローブが有しうる缺陷を補う。
【解決手段】ファンアウト型プローブは、ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含む。前記ストロークセグメントは、直線状を呈し長さ方向が定義され、2つの末端部を含む。2つの前記末端部のそれぞれが、互いに反対方向に沿った力を受けることにより、前記ストロークセグメントは湾曲できる。前記ファンアウトセグメント及び前記テストセグメントは前記ストロークセグメントの2つの前記末端部にそれぞれ連なる。前記ファンアウトセグメントは前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有し、前記テストセグメントは前記ストロークセグメントから離れた当接点を有する。前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をあけて設置される第1の案内板ユニット及び第2の案内板ユニットと、
前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットを穿通して設置される複数のファンアウト型プローブと、を備え、
前記ファンアウト型プローブのそれぞれは、ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含み、
前記ストロークセグメントは、直線状を呈し、長さ方向が定義され、前記ストロークセグメントの2つの末端部が、それぞれ、前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットに収容され、
前記ファンアウトセグメントは、前記ストロークセグメントの一つの前記末端部に連なり、前記第1の案内板ユニットから穿り出されて設置され、前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有し、
前記テストセグメントは、前記ストロークセグメントのもう一つの前記末端部に連なり、前記第2の案内板ユニットから穿り出されて設置され、前記ストロークセグメントから離れた当接点を有し、前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たり、
互いに隣接するいずれか2つの前記ファンアウト型プローブにおいて、2つの前記接続転換点間の間隔は2つの前記当接点間の間隔よりも大きく、前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットは互いに斜め方向に沿ってすれ違うことができ、それによって、複数の前記ファンアウト型プローブの前記ストロークセグメントを同一方向に湾曲させる、ことを特徴とするプローブカード装置。
【請求項2】
前記プローブカード装置は、回路板と、前記回路板に接続される間隔変換板(space transformer)と、をさらに含み、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点は前記間隔変換板に固定される、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項3】
前記プローブカード装置は、回路板をさらに含み、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点は、前記回路板に固定される、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項4】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記当接点は一列に並び、その並び方向は前記長さ方向及び前記ファンアウト方向と直交した直線方向に平行し、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点は互いに千鳥状に並ぶ、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項5】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記当接点は二列に並び、それぞれの列における前記当接点の並び方向は前記長さ方向及び前記ファンアウト方向と直交する直線方向に平行し、異なる列にあって隣り合って設置される2つの前記当接点間の距離は、対応した2つの前記接続転換点間の距離よりも短い、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項6】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記当接点はN列に並び、それぞれの列における前記当接点の並び方向は前記長さ方向及び前記ファンアウト方向と直交する直線方向に平行し、Nは3以下の正数である、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項7】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記ファンアウト距離は互いに異なる少なくとも2つの数値を含む、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項8】
それぞれの前記ファンアウト型プローブにおける前記ファンアウトセグメントは、
前記ストロークセグメントの対応した前記末端部から前記ファンアウト方向に沿って延伸して形成される延伸部と、
前記延伸部から前記長さ方向に沿って延伸して形成され、末端が前記接続転換点である接続転換部と、
前記ファンアウト方向に沿って、前記延伸部の2つの末端からそれぞれ前記接続転換部及び対応した前記末端部よりも突出するように延伸して形成される2つの側翼部と、をさらに含む、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項9】
ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含み、
前記ストロークセグメントは、直線状を呈し、長さ方向が定義され、2つの末端部を含み、前記ストロークセグメントの2つの前記末端部のそれぞれが、互いの反対方向に沿った力を受けることによって、前記ストロークセグメントは湾曲でき、
前記ファンアウトセグメントは、前記ストロークセグメントの一つの前記末端部に連なり、前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有し、
前記テストセグメントは、前記ストロークセグメントのもう一つの前記末端部に連なり、前記ストロークセグメントから離れた当接点を有し、前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たる、ことを特徴とするプローブカード装置のファンアウト型プローブ。
【請求項10】
前記ファンアウトセグメントは、
前記ストロークセグメントの対応した前記末端部から前記ファンアウト方向に沿って延伸して形成される延伸部と、
前記延伸部から前記長さ方向に沿って延伸して形成され、末端が前記接続転換点である接続転換部と、
前記ファンアウト方向に沿って、前記延伸部の2つの末端からそれぞれ前記接続転換部及び対応した前記末端部よりも突出するように延伸して形成される2つの側翼部と、をさらに含む、請求項9に記載のプローブカード装置のファンアウト型プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性プローブに関し、特に、プローブカード装置及びそのファンアウト型プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
力を受け湾曲することでしかストロークを提供できない既存の導電性プローブにおいて、その力を受けて湾曲するストロークセグメントは直線状を呈し、また、既存の導電性プローブの両端点は、前記ストロークセグメントの延伸方向上にある。既存の導電性プローブの構造では、信号を伝送するためには、配線が密集で複雑な間隔変換板を回路板との間に必要とする。
【0003】
このことから、本発明者は上述した欠陥が改善可能なものであると考え、鋭意に研究し科学原理をも運用し、最終的に設計が合理的で且つ上述した問題を効果的に改善する本発明を提出した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、既存の導電性プローブが有しうる欠点を改善し得るプローブカード装置及びそのファンアウト型プローブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、プローブカード装置を開示する。前記プローブカード装置は、互いに間隔をあけて設置される第1の案内板ユニット及び第2の案内板ユニットと、前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットを穿通して設置される複数のファンアウト型プローブと、を備える。前記ファンアウト型プローブのそれぞれは、ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含む。前記ストロークセグメントは、直線状を呈し、長さ方向が定義され、前記ストロークセグメントの2つの末端部が、それぞれ、前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットに収容される。前記ファンアウトセグメントは、前記ストロークセグメントの一方の前記末端部に連なり、前記第1の案内板ユニットから穿り出されて設置され、前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有する。前記テストセグメントは、前記ストロークセグメントの他方の前記末端部に連なり、前記第2の案内板ユニットから穿り出されて設置され、前記ストロークセグメントから離れた当接点を有する。なかでも、前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たる。なかでも、互いに隣接するいずれか2つの前記ファンアウト型プローブにおいて、2つの前記接続転換点間の間隔は2つの前記当接点間の間隔よりも大きく、前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットは、互いに斜め方向にすれ違うことによって、複数の前記ファンアウト型プローブの前記ストロークセグメントを同一方向に湾曲させるができる。
【0006】
本発明の実施形態はプローブカード装置のファンアウト型プローブをさらに開示する。前記ファンアウト型プローブは、ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含む。前記ストロークセグメントは、直線状を呈し、長さ方向が定義され、2つの末端部を含み、なかでも、前記ストロークセグメントの2つの前記末端部のそれぞれが、互いの反対方向に沿って力を受けることによって、前記ストロークセグメントは湾曲できる。前記ファンアウトセグメントは、前記ストロークセグメントの一つの前記末端部に連なり、前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有する。前記テストセグメントは、前記ストロークセグメントのもう一つの前記末端部に連なり、前記ストロークセグメントから離れた当接点を有する。なかでも、前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たる。
【発明の効果】
【0007】
前記をまとめて、本発明の実施形態が開示したプローブカード装置は、前記ファンアウト型プローブの構造設計(例えば、前記接続転換点と前記当接点との間に前記ファンアウト距離が隔たる)により、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点間の距離が広げられ、それによって、前記プローブカード装置の生産コスト及び生産効率(例えば、前記間隔変換板の製造難易度が下げられる、もしくは、前記プローブカード装置は前記間隔変換板を省略できる)を効果的に改善する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るプローブカード装置を示す斜視模式図である。
【
図2】
図1のプローブヘッドを示す上面模式図である。
【
図3】
図1における複数のファンアウト型プローブを示す斜視模式図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係るファンアウト型プローブを示す平面模式図である。
【
図5】
図4のファンアウト型プローブの別の形態を示す平面模式図である。
【
図6】
図4のファンアウト型プローブの他の形態を示す平面模式図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係るプローブカード装置の別の形態を示す斜視模式図である(ファンアウト型プローブのみを示す)。
【
図9】本発明の第2の実施形態に係るプローブカード装置を示す斜視模式図である。
【
図10】本発明の第3の実施形態に係るプローブカード装置のプローブヘッドを示す斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
[第1の実施形態]
【0010】
図1~
図8を参照されたい。
図1~
図8は、本発明の第1の実施形態を示す。
図1に示すように、本実施形態はプローブカード装置1000を開示する。前記プローブカード装置1000は、プローブヘッド100、及び前記プローブヘッド100の一方の側(例えば、
図1におけるプローブヘッド100の上側)に当接された回路板200を含み、また、前記プローブヘッド100の他方の側(例えば、
図1におけるプローブヘッド100の下側)は、被検査物(device under test、DUT)(未図示、例えば、半導体ウェハ)に押当て検査する。すなわち、本実施形態のプローブカード装置1000は、前記プローブヘッド100と、前記回路板200との間に間隔変換板(space transformer)が一切設置されず、前記プローブカード装置1000は前記プローブヘッド100によって前記回路板200に直接的に接続される。
【0011】
ちなみに、本実施形態を容易に理解するために、図面では前記プローブカード装置1000の一部の構造のみを示し、それによって、前記プローブカード装置1000における各素子の構造及びその結合関係を明確に示す。しかし、本発明は図面によって制限されない。前記プローブヘッド100における各素子の構造及びその結合関係を以下に説明する。
【0012】
図1及び
図2に示すように、前記プローブヘッド100は、第1の案内板ユニット1と、前記第1の案内板ユニット1と間隔をあけて設置される第2の案内板ユニット2と、前記第1の案内板ユニット1と第2の案内板ユニット2との間に挟持される間隔板3と、前記第1の案内板ユニット1及び第2の案内板ユニット2を穿通して設置された複数のファンアウト型プローブ4と、を含む。
【0013】
ちなみに、前記ファンアウト型プローブ4は、本実施形態において、前記第1の案内板ユニット1、前記第2の案内板ユニット2、及び前記間隔板3と共に説明したが、本発明はこれに制限されない。例えば、本発明に図示されない他の実施形態において、前記ファンアウト型プローブ4は、個別に運用(例えば、販売)されてもよく、他の部品とともに使用されてもよい。
【0014】
本実施形態において、前記第1の案内板ユニット1は一つの第1の案内板を含み、前記第2の案内板ユニット2は一つの第2の案内板を含む。しかし、本発明に図示されない他の実施形態において、前記第1の案内板ユニット1は複数の第1の案内板(及び隣り合う2つの前記第1の案内板の間に挟持される間隔片)を含んでもよく、また、前記第2の案内板ユニット2も複数の第2の案内板(及び隣り合う2つの前記第2の案内板の間に挟持される間隔片)を含んでもよく、複数の前記第1の案内板は、互いにすれ違うように設置されることができ、複数の前記第2の案内板も、互いにすれ違うように設置されることができ、前記第1の案内板ユニット1は、前記第2の案内板ユニット2に対して、互いにすれ違うように設置されることができる。
【0015】
さらに、前記間隔板3は環状構造であってもよく、また、間隔板3は前記第1の案内板ユニット1及び第2の案内板ユニット2の対応した外周部分に挟持されてもよいが、本発明はこれに制限されない。例えば、本発明に図示されない他の実施形態において、前記プローブカード装置1000の間隔板3は省略または他の部材に置換されてもよい。
【0016】
ちなみに、複数の前記ファンアウト型プローブ4の構造は本実施形態において実質的に同一であり、説明の便宜上、以下に一つの前記ファンアウト型プローブ4の構造を説明するが、本発明はこれに制限されない。例えば、本発明に図示されない他の実施形態において、複数の前記ファンアウト型プローブ4の構造は異なってもよく、もしくは、前記プローブヘッド100は、複数の前記ファンアウト型プローブ4、及び少なくとも一つの直線状を呈する既存の導電性プローブを含んでもよい。
【0017】
さらに、前記ファンアウト型プローブ4の構造を容易に理解するために、以下に前記第1の案内板ユニット1が前記第2の案内板ユニット2に対してすれ違って配置されていない状態によって前記ファンアウト型プローブ4の構造を説明する。
【0018】
図1、
図3、及び
図4に示すように、前記ファンアウト型プローブ4は本実施形態において横断面が矩形である構造によって説明するが、本発明はこれに制限されない。なかでも、前記ファンアウト型プローブ4は、ストロークセグメント41、前記ストロークセグメント41の相反した両端にそれぞれ連なるファンアウトセグメント42、及びテストセグメント43を含み、前記ファンアウト型プローブ4は、本実施形態において、一体成型したワンピース構造によって巻明する。
【0019】
なかでも、前記ストロークセグメント41は直線状を呈し、長さ方向Lが定義される。なかでも、前記ストロークセグメント41は、変形部411、及び前記変形部411の両端にそれぞれ連なる2つの末端部412を含み、2つの前記末端部412は、それぞれ、前記第1の案内板ユニット1及び前記第2の案内板ユニット2に収容される。さらに、前記ストロークセグメント41は、2つの前記末端部412のそれぞれが、互いの反対方向に沿った力を受けることによって(前記変形部411を弾力的に湾曲させる)湾曲でき、それによって湾曲状の前記ストロークセグメント41を通じて前記ファンアウト型プローブ4の作動時に必須のストロークを提供する。なお、ストロークセグメントが直線状ではない、もしくは力を受けて弾力的に湾曲できない導電性プローブのいずれも、本実施形態におけるファンアウト型プローブ4とは異なるものである。
【0020】
前記ファンアウトセグメント42及び前記テストセグメント43は、それぞれ、2つの前記末端部412に連なる。前記ファンアウトセグメント42は、前記第1の案内板ユニット1から穿り出され、前記ストロークセグメント41から離れた接続転換点424を有する。前記テストセグメント43は前記第2の案内板ユニット2から穿り出され、前記ストロークセグメント41から離れた当接点431を有する。なかでも、前記接続転換点424は前記長さ方向Lと直交するファンアウト方向Fにおいて、前記当接点431との間にファンアウト距離FDが隔たり、前記ファンアウト距離FDの具体的数?は設計需要に応じて調整することができ、本実施形態に制限されない。
【0021】
さらに詳しく説明すると、前記ファンアウトセグメント42は本実施形態において、延伸部421と、前記延伸部421に連なる接続転換部422及び2つの側翼部423と、を含む。なかでも、前記延伸部421は、前記ストロークセグメント41の対応した前記末端部412から前記ファンアウト方向Fに沿って延伸して形成され、前記接続転換部422は、前記延伸部421から前記長さ方向Lに沿って(前記ストロークセグメント41から離れた側へ)延伸して形成され、前記接続転換部422の末端は、前記接続転換点424である。さらに言えば、前記延伸部421の前記ファンアウト方向Fにおける長さは、設計需要に応じて適宜調整することができ、それによって、前記接続転換点424と前記当接点431との間に隔たる前記ファンアウト距離FDを効果的に変更する。
【0022】
さらに、前記接続転換部422は、前記ストロークセグメント41から離れた前記延伸部421の一端(例えば、
図4における延伸部421の右端)から実質的に垂直に延伸して形成されるが、本発明はこれに制限されない。例えば、
図5に示すように、前記接続転換部422は、前記延伸部421の上縁から次第に縮小するように前記長さ方向Lに沿って延伸して形成されてもよく、それによって、前記接続転換部422は実質的に台形を呈する。
【0023】
また、2つの前記側翼部423は、それぞれ、前記延伸部421の相反した2つの末端から前記ファンアウト方向Fに沿って(互いが離れるように)延伸して形成され、2つの前記側翼部423は、それぞれ、前記接続転換部422及び対応した前記末端部412よりも突出している。また、前記ファンアウトセグメント42は本実施形態において2つの前記側翼部423を含むが、本発明はこれに制限されない。例えば、
図5及び
図6に示すように、前記ファンアウトセグメント42は2つの前記側翼部423を省略でき、もしくは、本発明に図示されない他の実施形態において、前記ファンアウトセグメント42は一つの前記側翼部423を省略してもよい。
【0024】
以上に本実施形態の一つの前記ファンアウト型プローブ4の構造を説明したが、以下に複数の前記ファンアウト型プローブ4と他の部材との結合関係を説明する。
図1、
図3、及び
図4に示すように、前記プローブカード装置1000は、前記ファンアウト型プローブ4の構造設計(例えば、前記接続転換点424と前記当接点431との間に前記ファンアウト距離FDが隔たる)により、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記接続転換点424間の距離が広げられ、前記回路板200に直接的に固定する(すなわち、前記プローブカード装置1000は間隔変換板を省略できる)ことに寄与し、それによって前記プローブカード装置1000の生産コスト及び生産効率を効果的に改善する。
【0025】
さらに、互いに隣接するいずれか2つの前記ファンアウト型プローブ4において、2つの前記接続転換点424間の間隔D424は2つの前記当接点431間の間隔D431よりも大きく、前記第1の案内板ユニット1及び前記第2の案内板ユニット2は互いに斜め方向に沿ってすれ違う(例えば、
図1の前記第1の案内板ユニット1は前記第2の案内板ユニット2に対して前記長さ方向Lと直交した平面において、前記ファンアウト方向Fと鋭角をなす斜め方向に沿ってすれ違う)ことができ、それによって、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記ストロークセグメント41を同一の方向に湾曲させる。言い換えれば、同一方向に湾曲できない複数のプローブは本実施形態に係るプローブカード装置1000が含んだ複数の前記ファンアウト型プローブ4とは異なる。
【0026】
さらに詳しく説明すると、複数の前記ファンアウト型プローブ4における前記当接点431は、本実施形態において、N列(Nは、好ましくは、3以下の正数である)に並んでもよく、それぞれの列における前記当接点431の並び方向は前記長さ方向L及び前記ファンアウト方向Fと直交した直線方向Sに平行する。すなわち、前記プローブカード装置1000が検査する被検査物は、その類型として周辺チップが適しているが、本発明はこれに制限されない。例えば、本発明に図示されない他の実施形態において、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記当接点431は設計需要に応じて任意のルートに沿って並んでもよい。
【0027】
さらに、本実施形態の上述した特徴を容易に理解するために、以下にNは1及び2を例に説明する。なかでも、
図3に示すように、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記当接点431は一列に並び、その並び方向は前記直線方向Sに平行し、複数の前記ファンアウト型プローブ4における前記接続転換点424は互いに千鳥状に並ぶ。もしくは、
図7及び
図8に示すように、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記当接点431は二列に並び、それぞれの列における前記当接点431の並び方向は前記直線方向Sに平行し、異なる列にあって互いに隣り合って設置される2つの前記当接点431間の距離D431aは、対応した2つの前記接続転換点424間の距離D424aよりも短い。
[第2の実施形態]
【0028】
図9を参照されたい。
図9は、本発明の第2の実施形態を示す。本実施形態は、前記第1の実施形態に類似しているため、2つの実施形態の共通点は繰り返さず、前記第1の実施形態との差異は以下に概略的に説明する。
【0029】
本実施形態において、前記プローブカード装置1000は前記回路板200及び複数の前記ファンアウト型プローブ4に接続される間隔変換板300をさらに含み、それぞれの前記ファンアウト型プローブ4はその前記接続転換点424によって前記間隔変換板300に固定され、すなわち、複数の前記ファンアウト型プローブ4は、本実施形態において、前記間隔変換板300を介して前記回路板200に電気的に接続される。
【0030】
そのため、前記プローブカード装置1000は、前記ファンアウト型プローブ4の構造設計(例えば、前記接続転換点424と前記当接点431との間に前記ファンアウト距離FDが隔たる)により、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記接続転換点424間の距離が広げられ、前記間隔変換板300の製造難易度の低減に寄与する。
[第3の実施形態]
【0031】
図10を参照されたい。
図10は本発明の第3の実施形態を示す。本実施形態は、前記第1の実施形態及び前記第2の実施形態に類似しているため、2つの実施形態の共通点は繰り返さず、前記第1の実施形態及び前記第2の実施形態との差異は以下に概略的に説明する。
【0032】
本実施形態において、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記ファンアウト距離FDは互いに異なる少なくとも2つの数値を含む。すなわち、前記プローブヘッド100は互いに異なる前記ファンアウト距離FDを有する複数の前記ファンアウト型プローブ4を採用することができ、それによって異なる設計需要を満たし、前記回路板(未図示)に直接的に固定することに適するように、複数の前記ファンアウト型プローブ4の前記接続転換点424の配置を変更する。すなわち、本実施形態が採用した複数の前記ファンアウト型プローブ4は異なる数値のファンアウト距離FDによって、間隔変換板の機能を取って代わることができる。
【0033】
以上に開示される内容は、好ましい本発明の可能な実施形態に過ぎず、発明の範囲を限定することを意図していない。そのため、本発明の明細書及び図面でなされた均等的な技術的変形は、全て本発明の請求の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0034】
1000:プローブカード装置
100:プローブヘッド
1:第1の案内板ユニット
2:第2の案内板ユニット
3:間隔板
4:ファンアウト型プローブ
41:ストロークセグメント
411:変形部
412:末端部
42:ファンアウトセグメント
421:延伸部
422:接続転換部
423:側翼部
424:接続転換点
43:テストセグメント
431:当接点
200:回路板
300:間隔変換板
L:長さ方向
F:ファンアウト方向
S:直線方向
FD:ファンアウト距離
D424、D431:間隔
D424a、D431a:距離
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに間隔をあけて設置される第1の案内板ユニット及び第2の案内板ユニットと、
前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットを穿通して設置される複数のファンアウト型プローブと、を備え、
前記ファンアウト型プローブのそれぞれは、ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含み、
前記ストロークセグメントは、直線状を呈し、長さ方向が定義され、前記ストロークセグメントの2つの末端部が、それぞれ、前記第1の案内板ユニット及び前記第2の案内板ユニットに収容され、
前記ファンアウトセグメントは、前記ストロークセグメントの一つの前記末端部に連なり、前記第1の案内板ユニットから穿り出されて設置され、前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有し、
前記テストセグメントは、前記ストロークセグメントのもう一つの前記末端部に連なり、前記第2の案内板ユニットから穿り出されて設置され、前記ストロークセグメントから離れた当接点を有し、前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たり、
互いに隣接するいずれか2つの前記ファンアウト型プローブにおいて、2つの前記接続転換点間の間隔は2つの前記当接点間の間隔よりも大きい、ことを特徴とするプローブカード装置。
【請求項2】
前記プローブカード装置は、回路板と、前記回路板に接続される間隔変換板(space transformer)と、をさらに含み、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点は前記間隔変換板に固定される、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項3】
前記プローブカード装置は、回路板をさらに含み、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点は、前記回路板に固定される、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項4】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記当接点は一列に並び、その並び方向は前記長さ方向及び前記ファンアウト方向と直交した直線方向に平行し、複数の前記ファンアウト型プローブの前記接続転換点は互いに千鳥状に並ぶ、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項5】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記当接点は二列に並び、それぞれの列における前記当接点の並び方向は前記長さ方向及び前記ファンアウト方向と直交する直線方向に平行し、異なる列にあって隣り合って設置される2つの前記当接点間の距離は、対応した2つの前記接続転換点間の距離よりも短い、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項6】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記当接点はN列に並び、それぞれの列における前記当接点の並び方向は前記長さ方向及び前記ファンアウト方向と直交する直線方向に平行し、Nは3以下の正数である、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項7】
複数の前記ファンアウト型プローブの前記ファンアウト距離は互いに異なる少なくとも2つの数値を含む、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項8】
それぞれの前記ファンアウト型プローブにおける前記ファンアウトセグメントは、
前記ストロークセグメントの対応した前記末端部から前記ファンアウト方向に沿って延伸して形成される延伸部と、
前記延伸部から前記長さ方向に沿って延伸して形成され、末端が前記接続転換点である接続転換部と、
前記ファンアウト方向に沿って、前記延伸部の2つの末端からそれぞれ前記接続転換部及び対応した前記末端部よりも突出するように延伸して形成される2つの側翼部と、をさらに含む、請求項1に記載のプローブカード装置。
【請求項9】
ストロークセグメントと、ファンアウトセグメントと、テストセグメントと、を含み、
前記ストロークセグメントは、直線状を呈し、長さ方向が定義され、2つの末端部を含み、前記ストロークセグメントの2つの前記末端部のそれぞれが、互いの反対方向に沿った力を受けることによって、前記ストロークセグメントは湾曲でき、
前記ファンアウトセグメントは、前記ストロークセグメントの一つの前記末端部に連なり、前記ストロークセグメントから離れた接続転換点を有し、
前記テストセグメントは、前記ストロークセグメントのもう一つの前記末端部に連なり、前記ストロークセグメントから離れた当接点を有し、前記接続転換点は前記長さ方向と直交するファンアウト方向において、前記当接点との間にファンアウト距離が隔たり、
前記ファンアウトセグメントは、
前記ストロークセグメントの対応した前記末端部から前記ファンアウト方向に沿って延伸して形成される延伸部と、
前記延伸部から前記長さ方向に沿って延伸して形成され、末端が前記接続転換点である接続転換部と、
前記ファンアウト方向に沿って、前記延伸部の2つの末端からそれぞれ前記接続転換部及び対応した前記末端部よりも突出するように延伸して形成される2つの側翼部と、をさらに含む、ことを特徴とするプローブカード装置のファンアウト型プローブ。