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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162342
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】電装品モジュール及び空気調和機
(51)【国際特許分類】
   H05K 7/20 20060101AFI20221017BHJP
   F24F 1/24 20110101ALI20221017BHJP
【FI】
H05K7/20 E
F24F1/24
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067129
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】特許業務法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】小栗 昭彦
(72)【発明者】
【氏名】大下 和広
【テーマコード(参考)】
5E322
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AB01
5E322AB08
5E322FA04
(57)【要約】
【課題】基板上の発熱部品を、空冷方式で効率よく冷却する。
【解決手段】電装品モジュール10は、金属板である保持部材20と、保持部材20の第1面21aに配置された第1制御基板40と、保持部材20の第1面21aとは反対側の第2面21bに配置された第2制御基板50と、第2制御基板50上に搭載された発熱素子62と、発熱素子62から生じる熱を放熱するヒートシンク70と、を備え、発熱素子62及びヒートシンク70が、第2面21bと第2制御基板50との間に配置され、保持部材20と発熱素子62とが、ヒートシンク70を介して熱的に接続されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属板(20)と、
前記金属板(20)の第1面(21a)に配置された第1制御基板(40)と、
前記金属板(20)の前記第1面(21a)とは反対側の第2面(21b)に配置された第2制御基板(50)と、
前記第2制御基板(50)上に搭載された発熱部品(62)と、
前記発熱部品(62)から生じる熱を放熱するヒートシンク(70)と、を備え、
前記発熱部品(62)及び前記ヒートシンク(70)が、前記第2面(21b)と前記第2制御基板(50)との間に配置されており、
前記金属板(20)と前記発熱部品(62)とが、前記ヒートシンク(70)を介して熱的に接続されている、電装品モジュール(10)。
【請求項2】
前記ヒートシンク(70)が、
前記発熱部品(62)と接触する第1部分(71)と、
前記第2面(21b)と前記第2制御基板(50)との間において、前記第2面(21b)に沿って前記第1部分(71)から延びる第2部分(72)と、を有する、請求項1に記載の電装品モジュール(10)。
【請求項3】
前記第2面(21b)の法線方向からみて、前記ヒートシンク(70)の前記発熱部品(62)からはみ出す部分の面積(A1)が、前記第2面(21b)の法線方向からみた前記発熱部品(62)の面積(A2)以上である、請求項1又は請求項2に記載の電装品モジュール(10)。
【請求項4】
前記第2部分(72)が、フィン(73)を有する、請求項2に記載の電装品モジュール(10)。
【請求項5】
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の電装品モジュール(10)を有する空気調和機(90)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電装品モジュール及び空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室外ユニットに設けられる電装品モジュールには、空気調和機を制御する基板が含まれている。このような電装品モジュールでは、基板が、板金部品の裏側などの狭く限られたスペースを利用して設けられる場合があり、この場合、その基板上の発熱部品を冷却する方法が問題となる。電装品モジュールに含まれる発熱部品の冷却方法としては、空冷方式及び冷媒冷却方式が知られている。特許文献1に示された室外ユニットの電装品モジュールでは、基板に設けられたパワー素子(発熱部品)を冷媒冷却方式により冷却している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-033340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、発熱部品の冷却方法として冷媒冷却方式を採用した場合、電装品モジュールの周囲に冷媒配管を引き回すスペースが必要になり、室外ユニットの大型化を招くという問題や、冷媒配管を延長するコストがかかるという問題がある。このため、電装品モジュールにおいて、板金部品の裏側などの狭く限られたスペースに設けられた基板上の発熱部品を、空冷方式で効率よく冷却することができる新たな技術が求められている。
【0005】
本開示は、基板上の発熱部品を、空冷方式で効率よく冷却することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本開示の電装品モジュールは、
金属板と、前記金属板の第1面に配置された第1制御基板と、前記金属板の前記第1面とは反対側の第2面に配置された第2制御基板と、前記第2制御基板上に搭載された発熱部品と、前記発熱部品から生じる熱を放熱するヒートシンクと、を備え、
前記発熱部品及び前記ヒートシンクが、前記第2面と前記第2制御基板との間に配置されており、
前記金属板と前記発熱部品とが、前記ヒートシンクを介して熱的に接続されている。
【0007】
以上のような構成では、金属板の第2面に配置された第2制御基板上の発熱部品を、ヒートシンクと金属板とで冷却することができ、ヒートシンクの大型化を抑制しつつ、発熱部品を十分に冷却することができる。これにより、電装品モジュールにおいて、板金部品の裏側などの狭く限られたスペースに設けられた第2制御基板上の発熱部品を、空冷方式で効率よく冷却することができる。
【0008】
(2)好ましくは、前記ヒートシンクが、前記発熱部品と接触する第1部分と、前記第2面と前記第2制御基板との間において、前記第2面に沿って前記第1部分から延びる第2部分と、を有する。
この構成によれば、金属板と第2制御基板との間の限られたスペースを利用して、ヒートシンクを拡大することができるとともに、発熱部品を十分に冷却することが可能な能力を有するヒートシンクを設けることができる。
【0009】
(3)好ましくは、前記第2面の法線方向からみて、前記ヒートシンクの前記発熱部品からはみ出す部分の面積が、前記第2面の法線方向からみた前記発熱部品の面積以上である。
この構成によれば、金属板と第2制御基板との間の限られたスペースに配置したヒートシンクについて、発熱部品を十分に冷却することが可能となる表面積を確保することができる。
【0010】
(4)好ましくは、前記第2部分が、フィンを有する。
この構成によれば、金属板と第2制御基板との間の限られたスペースに配置したヒートシンクについて、より大きな表面積を確保することができる。
【0011】
(5)本開示の空気調和機は、何れかの前記電装品モジュールを有する。
この構成によれば、空気調和機における狭く限られたスペースに、第2制御基板等を含む電装品モジュールを配置した場合であっても、第2制御基板上の発熱部品を空冷方式で冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の電装品モジュールの第1面側を示した斜視図である。
図2】本開示の電装品モジュールの第2面側を示した斜視図である。
図3】第2制御基板、発熱素子及びヒートシンクの周囲を示した斜視図である。
図4図2のX-X線における断面図である。
図5A】電装品モジュールの構造を模式的に示した断面模式図である。
図5B】電装品モジュールにおける発熱素子からの熱の流れを示した断面模式図である。
図6】発熱素子及びヒートシンクを第2制御基板を取り外した状態で第2面の法線方向から見た模式図である。
図7】本開示の空気調和機を概略的に示した模式図である。
図8A】室外機における電装品モジュールの配置を概略的に示した模式図である。
図8B】機械室における電装品モジュールの配置を概略的に示した部分模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照しつつ、本開示の実施形態を詳細に説明する。
【0014】
[電装品モジュール10の全体構成]
図1は、電装品モジュールの第1面を示した斜視図であり、図2は、電装品モジュールの第2面を示した斜視図である。図1及び図2に示す電装品モジュール10は、本開示の電装品モジュールの一実施形態である。図1及び図2に示すように、電装品モジュール10は、保持部材20と、端子台30と、第1制御基板40と、第2制御基板50と、を備えている。
【0015】
保持部材20は、金属板の適所に穴あけ加工を施すとともに、所定の形状になるように折り曲げ加工を施した部材(板金部品)である。保持部材20は、矩形状の主面部21と、この主面部21の側端部を折り曲げた部位である側面部22とを有する。主面部21は、第1面21aと第2面21bとを有する。本実施形態の保持部材20では、主面部21の表面を第1面21aとし、裏面を第2面21bとしている。
【0016】
図1に示すように、端子台30は、主面部21の第1面21aに配置されている。端子台30は、複数の端子接続部31を有する。本開示の電装品モジュール10は、ユーザが端子台30に容易にアクセスできるように、第1面21a側を表側とした姿勢で対象装置に搭載される。
【0017】
図2に示すように、主面部21は、その略中央において第2面21b側へ向けて台状に突出された(第1面21a側を凹ませた)部位である台状部21cを有する。台状部21cは、第2面21bに第2制御基板50を取り付けるための部位である。
【0018】
[第1制御基板40及び第2制御基板50について]
図1に示すように、電装品モジュール10において、第1制御基板40は、主面部21の第1面21a側に配設されている。電装品モジュール10を第1面21a側からみた場合、台状部21c(図2参照)の裏側の凹みは第1制御基板40によって覆われて外部から視認できなくなっている。第1制御基板40の表面41には、コンデンサ等の素子61を含む電装品60が複数実装されている。
【0019】
図3は、第2制御基板、発熱素子及びヒートシンクの周囲を示した斜視図である。図2及び図3に示すように、電装品モジュール10において、第2制御基板50は、主面部21の第2面21b側に配設され、台状部21cに取り付けられている。主面部21の第2面21b及び第2制御基板50の表面51には、コンデンサ等の素子61を含む電装品60が複数実装されている。
【0020】
図1図3に示すように、第1制御基板40及び第2制御基板50は、互いに平行となるように保持部材20に配設されている。言い換えると、主面部21を間に挟んで、第1制御基板40の裏面(表面41の反対側の面)と第2制御基板50の裏面52とが、互いに平行となる状態で対向している。
【0021】
[発熱素子62の配置について]
図3に示すように、第2制御基板50の裏面52には、発熱素子62が実装されている。発熱素子62は、冷却を必要とする程度の発熱が生じる電装品60(発熱部品)であり、リード63を介して第2制御基板50に実装されている。リード63の脚長は、発熱素子62が第2制御基板50の裏面52から離間した位置に配置される長さとなっている。電装品モジュール10において、発熱素子62は、台状部21c(保持部材20)と第2制御基板50との間の狭く限られたスペースに配置されている。第2制御基板50に設けられる発熱素子62は、例えば圧縮機制御用インバータ、ファンモータ制御用モジュール等である。
【0022】
[ヒートシンク70について]
図4は、図2におけるX-X線の断面図であり、第2制御基板50及びヒートシンク70の周囲の構造を示している。説明の便宜上、図4では、保持部材20の第1面21a側に配置されている各部材(端子台30及び第1制御基板40)の図示を省略している。図5Aは、第2制御基板50及びヒートシンク70の周囲の構造を示す断面模式図である。図3図4及び図5Aに示すように、電装品モジュール10では、第2制御基板50に実装された発熱素子62と対面する位置に、ヒートシンク70が配置されている。
【0023】
ヒートシンク70は、保持部材20及び発熱素子62に比べて熱伝導性の高い材質(例えばアルミニウム等)で構成された部材である。ヒートシンク70は、外部から吸収した熱をヒートシンク70自身の表面から放熱する。図5Aに示すように、電装品モジュール10では、ヒートシンク70と台状部21c(保持部材20)との間及びヒートシンク70と発熱素子62との間に絶縁シート80を配置している。
【0024】
絶縁シート80は、放熱成分を含むシート状のゴム製部材であり、保持部材20及びヒートシンク70と発熱素子62との間の電気絶縁性を確保するとともに、保持部材20及びヒートシンク70と発熱素子62との間の熱伝導性を確保することができる。本実施形態の絶縁シート80は、放熱成分として水酸化アルミニウムを含むゴム製シート(厚さ0.3mm程度)である。なお、密着性の観点からいえば、ヒートシンク70と発熱素子62との間には、絶縁シート80の代わりにシリコングリスを充填してもよい。
【0025】
図2図4、及び図5Aに示すように、ヒートシンク70は、全体として略板状で板厚方向からみて長方形の形態を有する部材であり、第1部分71と第2部分72とを有する。本説明では、板厚方向からみたヒートシンク70を長手方向について2つの領域に分け、一方を第1部分71と称し、他方を第2部分72と称する。ヒートシンク70は、板厚方向からみた第2部分72の面積が第1部分71の面積に比べて大きい。
【0026】
第1部分71は、ヒートシンク70を発熱素子62及び台状部21c(保持部材20)に対して固定するための部位であるとともに、ヒートシンク70を発熱素子62及び保持部材20に対して熱的に接続するための部位である。第2部分72は、第1部分71において吸収した熱を放熱するための部位である。第2部分72は、フィン73を有している。なお、本実施形態では、ヒートシンク70がフィン73を有している場合を例示しているが、電装品モジュール10におけるヒートシンク70は、フィンを有していなくてもよい。
【0027】
図4に示すように、ヒートシンク70は、第1部分71において、発熱素子62を固定するためのビス孔74が形成されている。発熱素子62は、当該発熱素子62に形成されている切欠き部64にビス53を挿通するとともに、当該ビス53をビス孔74に螺合することで、第1部分71に固定される。これにより、発熱素子62が、絶縁シート80を介して第1部分71と熱的に接続される。
【0028】
ヒートシンク70の第1部分71及び第2部分72には、複数のビス孔75が形成されている。台状部21cのヒートシンク70のビス孔75に対応する位置には、ビス76を挿通するための孔部21dが形成されている。ヒートシンク70は、台状部21cの孔部21dに第1面21a側からビス76を挿通するとともに、当該ビス76をビス孔75に螺合することによって、台状部21cに固定される。これにより、第1部分71及び第2部分72が、絶縁シート80を介して台状部21c(保持部材20)に固定される。
【0029】
以上のように、電装品モジュール10では、台状部21c(保持部材20)に対して絶縁シート80を介してヒートシンク70を固定することによって、ヒートシンク70と保持部材20とを熱的に接続している。電装品モジュール10では、ヒートシンク70に対して絶縁シート80を介して発熱素子62を固定することによって、ヒートシンク70と発熱素子62とを熱的に接続している。言い換えると、電装品モジュール10では、ヒートシンク70及び絶縁シート80を介して、発熱素子62と保持部材20とを熱的に接続している。これにより、電装品モジュール10では、ヒートシンク70は、発熱素子62から吸収した熱を保持部材20に伝達する。
【0030】
図4及び図5Aに示すように、電装品モジュール10では、保持部材20に対して第2制御基板50及びヒートシンク70が組付けられた状態において、第2部分72は、第2面21bと第2制御基板50との間において、第2面21bに沿って第1部分71から延びて形成されている。電装品モジュール10では、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースを利用して、ヒートシンク70を拡大している。これにより、電装品モジュール10では、ヒートシンク70について、発熱素子62を十分に冷却することが可能な放熱能力を確保することができる。
【0031】
図6には、発熱素子62及びヒートシンク70を第2制御基板50を取り外した状態で第2面21bの法線方向からみた状態を示している。図6に示すように、電装品モジュール10では、第2面21bの法線方向からみて、発熱素子62からはみ出す部分(図5中で点線で囲った部分)のヒートシンク70の面積A1が、第2面21bの法線方向からみた発熱素子62(対角線を記載している範囲)の面積A2以上である。このため、電装品モジュール10では、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースに配置されたヒートシンク70について、発熱素子62を十分に冷却することが可能となる表面積を確保することができる。
【0032】
図4図5A及び図6に示すように、ヒートシンク70は、第2部分72においてフィン73を有している。ヒートシンク70は、第2部分72にフィン73を有することで、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースにおいて、ヒートシンク70(第2部分72)の表面積をより大きくすることができる。なお、本実施形態では、板状の形態を有するフィン73を例示しているが、第2部分72に設けるフィン73の形態はこれに限定されず、例えば、複数の棒状部材からなる針山状のフィンや、蛇腹状のフィン等であってもよい。なお、上述した通り、第2部分72(ヒートシンク70)は、フィンを有していなくてもよい。
【0033】
[発熱素子62からの放熱の状況について]
図5Bは、電装品モジュール10において発熱素子62から生じた熱の流れを模式的に示している。図5Bに示すように、電装品モジュール10では、発熱素子62で生じた熱が、絶縁シート80を介してヒートシンク70の第1部分71に伝達される。第1部分71に伝達された熱は、一部が第2部分72及び保持部材20に伝達されるとともに、その他が第1部分71から放熱される。第1部分71から第2部分72に伝達された熱は、第2部分72及びフィン73から放熱される。第1部分71から絶縁シート80を介して保持部材20に伝達された熱は、保持部材20(主面部21及び側面部22)から放熱される。
【0034】
電装品モジュール10では、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースに配置された発熱素子62で生じた熱を、ヒートシンク70及び保持部材20によって、効率よく放熱することができる。このため、本開示の電装品モジュール10によれば、第2制御基板50上に実装された発熱素子62を、空冷方式で効率よく冷却することができる。
【0035】
[空気調和機90について]
図7には、本開示の空気調和機90の概略的な構成を示している。図7に示す空気調和機90は、本開示の空気調和機の一実施形態である。図7に示すように、空気調和機90は、室内機と室外機とに分離されたセパレートタイプであり、室内機91、室外機92、及び冷媒配管93を備えている。空気調和機90は、圧縮機、熱交換器、膨張弁等を含む冷媒回路により蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、部屋Rの室内空間S1の空気の温度を調整する。
【0036】
室内機91は、室内空間S1に配置されている。室内機91は、室内空間S1の空気を取り込み、その空気と冷媒との間で熱交換を行い、温度調整された調和空気を再び室内空間S1に吹き出すことによって、室内空間S1の温度を所望に調整する。
【0037】
室外機92は、室外空間S2に配置されている。空気調和機90は、室外機92において、上述した電装品モジュール10を備えている。
【0038】
図8Aは、室外機92の内部を上方から見た概略的な平面図である。室外機92は、筐体94を備えている。筐体94は、直方体形状に形成され、平面視で矩形状に形成されている。筐体94の内部は、区画壁95によって機械室S3と、熱交換室S4とに区画されている。
【0039】
室外機92は、筐体94の機械室S3に、電装品モジュール10が配置されている。室外機92は、電装品モジュール10の各制御基板40、50(図1及び図2参照)によって、当該室外機92に搭載された各機器が制御される。機械室S3には、電装品モジュール10の他、圧縮機96や、その他図示しない四路切換弁、アキュームレータ、オイルセパレータ、膨張弁等が収容される。
【0040】
筐体94の熱交換室S4には、熱交換器97及びプロペラファン98等が収容されている。熱交換器97は、一対のヘッダ97a,97bと、板状の面が平行になるように並設されたフィン群97cと、その並設方向にフィン群97cを貫通する伝熱管97dとを備えている。熱交換器97の伝熱管97d内には、冷媒回路を循環する冷媒が流れる。熱交換器97は、配管(図示せず)を介して機械室S3内の圧縮機96と接続される。なお、本実施形態では、プロペラファン98による風の吹き出し方向を前面側とする室外機92に電装品モジュール10を設けた場合を例示しているが、電装品モジュール10を設ける室外機92の形態はこれに限定されない。電装品モジュール10は、例えば、プロペラファンによる風の吹き出し方向を上側とする室外機に設けてもよい。
【0041】
図8Bは、前面側の筐体を外した状態で機械室S3内を前面側から見た概略的な部分模式図である。図8A及び図8Bに示すように、室外機92は、筐体94の機械室S3内に支持部材99を有する。支持部材99は、機械室S3内において電装品モジュール10を支持するための部材であり、基板取付部99aと基部99bとを有する。支持部材99は、金属板をL字状にプレス加工して得られる部材であり、基板取付部99a及び基部99bが一体に形成されている。支持部材99は、基板取付部99aが前面側を向く姿勢で、例えばビス等の図示しない締結部材を用いて、基部99bが区画壁95に固定されている。電装品モジュール10は、ビス等の図示しない締結部材を用いて、基板取付部99aに対して固定され、機械室S3内に配置される。電装品モジュール10は、ユーザが筐体94の一部を取り外すことで容易にアクセス可能な位置(本実施形態では機械室S3の前面側)に配置される。なお、空気調和機90では、室外機92の機械室S3内に箱状のケーシング(図示せず)をさらに設け、当該ケーシング内に電装品モジュール10を収容する構成としてもよい。また、電装品モジュール10は、直接区画壁95に固定されていてもよい。
【0042】
以上に説明した通り、本開示の空気調和機90は、室外機92において電装品モジュール10を有している。このような構成によれば、室外機92における機械室S3内の狭く限られたスペースに、第2制御基板50等を含む電装品モジュール10を配置した場合であっても、第2制御基板50上の発熱素子62を空冷方式で冷却することができる。なお、本実施形態では、電装品モジュール10を室外機92に設けた空気調和機90を例示しているが、本開示の空気調和機は、電装品モジュール10を室内機91に設けてもよい。
【0043】
[実施形態の作用効果]
上述した電装品モジュール10は、金属板である保持部材20と、保持部材20の第1面21aに配置された第1制御基板40と、保持部材20の第1面21aとは反対側の第2面21bに配置された第2制御基板50と、第2制御基板50上に搭載された発熱素子62と、発熱素子62から生じる熱を放熱するヒートシンク70と、を備えている。電装品モジュール10では、発熱素子62及びヒートシンク70が、第2面21bと第2制御基板50との間に配置されており、保持部材20と発熱素子62とが、ヒートシンク70を介して熱的に接続されている。
【0044】
以上のような構成では、保持部材20の第2面21bに配置された第2制御基板50上の発熱素子62を、ヒートシンク70と保持部材20とで冷却することができる。これにより、ヒートシンク70の大型化を抑制しつつ、発熱素子62を十分に冷却することができる。これにより、電装品モジュール10において、保持部材20の第2面21bなどの狭く限られたスペースに設けられた第2制御基板50上の発熱素子62を、空冷方式で効率よく冷却することができる。
【0045】
上述した電装品モジュール10では、ヒートシンク70が、発熱素子62と接触する第1部分71と、第2面21bと第2制御基板50との間において、第2面21bに沿って第1部分71から延びる第2部分72と、を有している。
このような構成によれば、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースを利用して、ヒートシンク70を拡大し、発熱素子62を十分に冷却することが可能な能力を有するヒートシンク70を設けることができる。
【0046】
上述した電装品モジュール10では、第2面21bの法線方向からみて、ヒートシンク70の発熱素子62からはみ出す部分の面積A1が、第2面21bの法線方向からみた発熱素子62の面積A2以上である。
このような構成によれば、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースに配置したヒートシンク70について、発熱素子62を十分に冷却することが可能となる表面積を確保することができる。
【0047】
上述した電装品モジュール10では、第2部分72が、フィン73を有する。
このような構成によれば、保持部材20と第2制御基板50との間の限られたスペースに配置したヒートシンク70について、より大きな表面積を確保することができる。
【0048】
以上に説明した通り、本開示の空気調和機90は、電装品モジュール10を有している。このような構成によれば、空気調和機90において、第2制御基板50等を含む電装品モジュール10を室外機92の狭く限られたスペースに配置した場合であっても、第2制御基板50上の発熱素子62を空冷方式で冷却することができる。
【0049】
なお、本開示は、以上の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0050】
10 :電装品モジュール
20 :保持部材(金属板)
21a :第1面
21b :第2面
40 :第1制御基板
50 :第2制御基板
62 :発熱素子(発熱部品)
70 :ヒートシンク
71 :第1部分
72 :第2部分
73 :フィン
90 :空気調和機
A1 :(ヒートシンクの発熱部品からはみ出す部分の)面積
A2 :(発熱部品の)面積
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B