(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162345
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】配送支援装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20120101AFI20221017BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20221017BHJP
【FI】
G06Q10/08
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067133
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】303002480
【氏名又は名称】▲高▼良 守
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼良 守
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】配送対象の商品が適切に配送しない不安を解消もしくは軽減する配送支援装置を提供する。
【解決手段】配送支援装置は、商品の識別情報と付加情報を記憶する商品マスタ情報記憶部10と、配送の対象またはその候補である商品の識別情報を取得する商品情報取得部12と、取得された識別情報をもとに特定された商品に関する付加情報のうちその商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す情報を商品マスタ情報記憶部10から取得して提示する到達度合い提示部14とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の識別情報と付加情報を記憶する商品マスタ情報記憶部と、
配送の対象またはその候補である商品の識別情報を取得する商品情報取得部と、
取得された識別情報をもとに特定された商品に関する付加情報のうちその商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す情報を商品マスタ情報記憶部から取得して提示する到達度合い提示部と、
を備える配送支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の装置において、取得された識別情報をもとに特定された商品に関する付加情報のうち配送用の帳票に必要な情報を商品マスタ情報記憶部から取得し、帳票を生成する帳票生成部をさらに備える配送支援装置。
【請求項3】
商品の識別情報と付加情報を記憶する商品マスタ情報記憶部と、
梱包材の識別情報と付加情報を記憶する梱包材マスタ情報記憶部と、
配送に使用される梱包材の識別情報を取得し、取得された梱包材識別情報をもとに梱包材マスタ情報記憶部から梱包材の梱包許容情報を取得する梱包許容情報取得部と、
取得された識別情報をもとに特定された商品に関する付加情報を前記商品マスタ情報記憶部から取得し、総計し、その総計と前記梱包許容情報とを比較して、比較結果を提示する梱包度合い提示部と、
を備える配送支援装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の装置において、取得された識別情報をもとに特定された商品に関する付加情報のうち候補となる価格情報を前記商品マスタ情報記憶部から取得し、提示する商品価格候補提示部をさらに備える配送支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は配送の支援を行う配送支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
年々、アジアを中心とした海外からの観光客数は増加の一途をたどり、インバウンド効果による地域経済の発展が産業界、自治体の重要な検討課題となっている。具体的には、観光客に地域の特産品などの商品をお土産として購入してもらう、いわゆるインバウンド消費を高めるための方策が検討されている。
【0003】
観光客の購買を妨げる要因として、買ったお土産品を抱えて観光するのは面倒である、帰国便において荷物の重量が大きいとオーバーチャージが発生する、帰国時の手荷物の入国検査が厳しい、といった点が挙げられる。
【0004】
このような問題を避け、観光客が買物に集中できるよう、観光地から購入したお土産品などを自宅に配送するといったサービスが提供されている。
【0005】
しかし、海外への配送には煩雑な手続用書類を作成する必要がある。そこで、海外への配送手続用書類を作成するといった、配送業者への配送依頼を支援する装置やシステムが提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【0006】
また、同様の目的から、観光客がオンラインでお土産を購入し、それらを自宅に配送するサービスの提供も行われている(例えば、特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010-134853号公報
【特許文献2】特開2003-150679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は特許文献1の実現にあたり以下の課題を認識した。海外への配送においては、配送過程で税関の検査が行われ、税関で没収されることがある。国や地域によっては配送のインフラが脆弱で、商品が適切に配送されないことがある。
【0009】
そのような不安を解消もしくは軽減することができれば配送の支援となる。本発明の目的は、配送対象の商品が適切に配送しない不安を解消もしくは軽減する配送支援装置を提供することにある。
【0010】
本発明者は特許文献2と同様の目的の、観光客がオンラインでお土産を購入し、それらを自宅に配送するオンラインショッピングサイトを構築中である。この実現にあたり以下の課題を認識した。
【0011】
海外への配送においては、梱包材の大きさ、配送物の重量によって配送料金が大きく異なる。オンラインショッピングサイトにおいて、商品を購入するユーザが購入時に梱包材の大きさ、配送物の重量を確認できれば、配送を請け負う商品の販売者は、適切な配送料金を請求できる。本発明の別の目的は、ユーザが購入した商品と配送料金を決定する梱包の許容量を比較できる配送支援装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明の配送支援装置は、商品の識別情報と付加情報を記憶する商品マスタ情報記憶部と、配送の対象またはその候補である商品の識別情報を取得する商品情報取得部と、取得された識別情報をもとに特定された商品に関する付加情報のうちその商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す情報を商品マスタ情報記憶部から取得して提示する到達度合い提示部とを備える。
【0013】
また、本発明の配送支援装置は、商品の識別情報と付加情報を記憶する商品マスタ情報記憶部と、梱包材の識別情報と付加情報を記憶する梱包材マスタ情報記憶部と、梱包材の梱包許容情報を取得する梱包許容情報取得部と、商品に関する付加情報を商品マスタ情報記憶部から取得し、総計し、その総計と前記梱包許容情報との比較結果を提示する梱包度合い提示部とを備える。
【0014】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、システム、方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを格納した記録媒体などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、配送対象の商品が適切に到達する度合いを知り、配送対象の商品が適切に配送しない不安を解消もしくは軽減することができる。
【0016】
本発明によれば、ユーザが商品購入時に購入した商品の重量、体積と配送料金を決定する梱包材の大きさ、配送物の重量を比較することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】第1の実施形態の配送支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図2】第1の実施形態の各記憶部のテーブル構成を示す図であって、(a)は商品マスタ情報記憶部の商品マスタ情報テーブル、(b)は商品配送情報記憶部の商品配送情報テーブルである。
【
図3】第1の実施形態の処理を示すフローチャート図である。
【
図4】第1の変形例の商品マスタ情報記憶部の到達度合いテーブルの構成を示す図である。
【
図5】第3の実施形態の配送支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図6】第3の実施形態の各記憶部のテーブル構成を示す図であって、(a)は商品マスタ情報記憶部の商品マスタ情報テーブル、(b)は梱包材マスタ情報記憶部の梱包材マスタ情報テーブルである。
【
図7】第4の実施形態の配送支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図8】第4の実施形態における、商品マスタ情報記憶部の価格テーブルの構成を示す図である。
【
図9】第4の実施形態における、価格登録画面の画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の概要を説明する。海外からきた観光客が土産物を店舗で購入し、その購入物の自宅への配送を店舗に依頼する。店舗の店員は購入手続、および、配送業者に配送依頼を行うため配送手続書面を作成する。
【0019】
以下において、実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0020】
図1は第1の実施形態の配送支援装置の機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、配送支援装置100は、商品マスタ情報記憶部10、商品配送情報記憶部28、商品情報取得部12、到達度合い提示部14、帳票生成部16、配送結果取得部18、を有する。配送支援装置100はネットワーク22を通じて端末20と接続する。ネットワーク22はインターネット・LAN・WAN・VPNなどの通信網である。
【0021】
配送支援装置100は、配送支援装置100を用いたサービスを提供する配送支援会社によって設けられる情報処理装置である。クラウドサービスによって提供されてもよい。
【0022】
商品マスタ情報記憶部10は、商品識別情報、付加情報を記憶する。商品配送情報記憶部28は、配送に関する情報を記憶する。商品情報取得部12は、商品識別情報、付加情報、配送に関する情報を取得する。到達度合い提示部14は、到達度合いを取得し、提示する。帳票生成部16は、商品識別情報、付加情報、配送に関する情報を取得し、帳票を生成する。配送結果取得部18は配送結果を取得し、商品マスタ情報記憶部10、商品配送情報記憶部28のレコードを更新する。
【0023】
端末20は、土産物店などの店舗に設けられる情報処理装置である。汎用の電子計算機でもよいし、専用の端末であってもよい。端末20は、データの入力装置26を備える。ここで入力装置26は、商品のJANコードを読み取るバーコードスキャナ、データの入力を受け付けるキーボード、画像スキャナである。端末20は印刷機24と接続する。端末20と印刷機24は一体型の機器で提供されてもよい。
【0024】
図2は第1の実施形態の各記憶部のテーブル構成を示す図である。
図2を用いて、商品マスタ情報記憶部10、商品配送情報記憶部28に含まれるテーブルの構成を説明する。
【0025】
商品マスタ情報記憶部10は商品マスタ情報テーブル50を有する。商品マスタ情報テーブル50は、商品識別情報および商品に関する付加情報に関するデータを含んで構成される。商品識別情報として商品のJANコード52が用いられる。商品に関する付加情報として、商品名54、価格56、到達度合い48を記録する。
【0026】
商品配送情報記憶部28は商品配送情報テーブル60を有する。商品配送情報テーブル60は配送に関するデータを記録する。配送を識別する配送コード62、JANコード52、配送先64、配送結果66、数量68、配送物識別番号70である。数量68は同一の配送でJANコード52で特定される商品がいくつ含まれるかを示す。
【0027】
配送結果66は、完了、未達の2つのステータス、もしくは未入力状態であるNULL値のいずれかを記録する。配送物識別番号70は、配送業者が提供する、配送物を識別するための番号である。
【0028】
以上の構成による第1の実施形態の配送支援装置100の動作を、
図1、
図2、および
図3を参照しつつ説明する。
図3は第1の実施形態の処理を示すフローチャート図である。
【0029】
海外からきた観光客が土産物を店舗で購入し、その購入物の自宅への配送を店舗に依頼する。ユーザである店舗の店員は端末20を用いて、購入の手続を行い、配送手続書面を作成する。
【0030】
データの入力装置26であるバーコードスキャナで配送対象の商品のJANコード52を読み取ると、商品名54、価格56と、個々の商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す到達度合い48が提示される。
【0031】
到達度合いが提示される処理を
図3のフローチャートに従い、説明する。店員は配送対象の商品のJANコード52を1個ずつ読み取り、配送支援装置100に送信する(S10)。
【0032】
商品情報取得部12はJANコード52を取得する(S12)。商品情報取得部12はJANコード52をもとに商品マスタ情報記憶部10の商品マスタ情報テーブル50を参照し、商品を特定する。商品情報取得部12は商品付加情報である商品名54、価格56、到達度合い48を取得する。商品情報取得部12は取得したJANコード52、および商品付加情報を到達度合い提示部14に送る(S14)。
【0033】
到達度合い提示部14は到達度合い48、商品名54、価格56を提示する画面を生成し、それが端末20に表示される(S18)。
【0034】
店員はさらにキーボードで配送に必要な情報、配送先64、配送物識別番号70を入力し、配送支援装置100に送信する。それら配送情報は、観光客が書いた手書きの用紙から入力装置26である画像スキャナを用いて取り込んでもよい。
【0035】
配送元に関する項目、電子メールアドレスなど、は配送支援装置100を用いたサービスを提供する配送支援会社の設定する値とする。それらは規定値として設定されている。
【0036】
商品情報取得部12は取得した配送情報をもとに商品配送情報記憶部28の商品配送情報テーブル60にレコードを作成する。レコードは商品の種類毎に作成される。配送コード62は、商品配送情報テーブル60において未使用のコード値を、所定のルールに基づいて自動生成される。配送コード62はその配送に関するレコード全てに記録される。配送結果66は未入力としておく。
【0037】
ユーザは画面上で配送を特定し、帳票を作成する。配送コード62が帳票生成部16に送られる。特定された配送コード62から商品配送情報テーブル60を参照し、帳票生成の対象となるレコードを抽出し、帳票データを生成する。帳票生成部16は、レコードのJANコード52から商品マスタ情報テーブル50を参照し、商品付加情報を取得する。
【0038】
商品マスタ情報テーブル50と商品配送情報テーブル60のデータ項目は一例であり、帳票の必要な項目に応じて追加、項目の分割、削除をしてもよい。帳票は、たとえば、インボイス、税関告知書、税関告知書補助用紙、請求書、レシートである。ユーザの操作により生成する帳票を特定してもよいし、所定の1種類もしくは複数の帳票が生成されるとしてもよい。
【0039】
取得した価格56を利用して、決済処理を行い、請求書、レシートを生成してもよい。取得したJANコード52、価格56を利用して、POSシステムとデータの連携を行ってもよい。
【0040】
帳票データは他の装置、システム、たとえば配送事業者が提供するシステムとデータ連携を行うためのデータを出力するものでもよい。
【0041】
上述の処理は店舗の店員が購入手続と同時に行うとしたが、購入手続完了後に配送手続書面を作成するために行うのでもよい。
【0042】
生成された帳票データは端末20の画面上に表示され、それが印刷されてもよいし、端末20からPDFなどの形式で作成された帳票データをダウンロードして、それを印刷できるようにしてもよい。
【0043】
配送業者からの配送結果を知らせる配送結果通知が、配送支援装置100を用いたサービスを提供する配送支援会社の設定した電子メールアドレスに通知される。配送結果取得部18は配送業者からの配送結果通知を読み込み、取得する。
【0044】
配送結果通知には、配送物を識別する番号、配送が完了したか否かのステータスが示される。配送結果取得部18は配送結果通知から配送物識別番号70、配送が完了したか否かのステータス情報を取得する。配送結果取得部18は商品配送情報テーブル60を参照し、取得した配送物識別番号70から特定されるレコードを抽出し、配送結果66の値を更新する。配送が完了した場合は「完了」、完了していない場合は「未達」と更新する。
【0045】
同一の配送であっても一部の商品だけ未達となる場合があるので、レコード毎に配送結果66の値を更新できるようにしてもよい。
【0046】
配送結果66の値が更新された商品について、商品マスタ情報テーブル50の到達度合い48の値を更新する。配送結果取得部18は、上述の処理で配送結果66の値が更新された商品のJANコード52をもとに商品配送情報テーブル60を参照する。JANコード52が一致し、配送結果66が「完了」と「未達」のステータスになっているレコードを抽出する。抽出したレコードのうち、配送結果66が「未達」であるレコードの件数を抽出レコードの総数で割った度合いを、その商品が宛先に適切に到達する度合いである到達度合いとして算出する。商品マスタ情報テーブル50の到達度合い48をその到達度合いの値に更新する。
【0047】
第1の実施例によると、ユーザは、配送手続の際、商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す情報が得られ、配送対象の商品が適切に配送しない不安を解消もしくは軽減することができる。
【0048】
具体的には、その到達度合いが低い場合、観光客はその商品の購入のキャンセルを検討することができる。店舗の店員は到達する度合いの低い商品の販売を控えることを検討することができる。配送支援装置100を用いたサービスを提供する配送支援会社は、到達する度合いを高めるため、帳票に表示される商品名などの表記の変更を検討できる。
【0049】
ユーザは配送用の帳票に必要な情報を作成することができる。
【0050】
第1の変形例として、商品マスタ情報記憶部10にJANコード52、到達度合い48、特定の地理的範囲を示す項目、たとえば国、地域の項目を設定したテーブルを持たせ、配送先の地理的条件を加味した到達度合いを提示できるようにすることも有用である。
【0051】
第1の変形例を
図1および
図4を用いて説明する。
図4は商品マスタ情報記憶部10の到達度合いテーブル80の構成を示す図であって、到達度合いテーブルの構成を示す図である。商品マスタ情報記憶部10はさらに到達度合いテーブル80を有する。到達度合いテーブル80は、JANコード52、国コード82、到達度合い48のデータ項目を有する。
【0052】
店舗の店員は商品のJANコード52を読み取り、配送先64を入力し、配送支援装置100に送る。配送先64には国が「フィリピン」である配送先が入力されるとする。商品情報取得部12はJANコード52、配送先64を取得する。商品情報取得部12は到達度合いテーブル80を参照し、JANコード52、国コード82が「フィリピン」を示す「PH」に一致するレコードを参照し、到達度合い48を取得する。
【0053】
配送結果取得部18は、配送結果通知を取得する際、到達度合いテーブル80を更新する。配送結果取得部18は配送結果通知を取得し、商品配送情報テーブル60の配送結果66の値を更新する。配送結果66の値が更新された商品のJANコード52と配送先64をもとに商品配送情報テーブル60を参照し、商品別国別の到達度合いを算出する。商品のJANコード52と配送先64に対応する国コード82で到達度合いテーブル80を参照し、到達度合い48を、算出した到達度合いの値に更新する。
【0054】
到達度合いテーブル80には、配送先の地理的条件を加味しない到達度合いのレコードを記録してもよい。たとえば、どの国にも対応しない国コード「XX」のレコードの到達度合い48は、国を考慮しない商品別の到達度合いの値を記録する。
【0055】
第1の変形例によれば、配送先64の国・地域別に到達度合いを取得することができる。
【0056】
第1の変形例では、商品別国別の到達度合いを提示するものとしたが、店舗コードなど配送手続を行う店舗の情報を到達度合いテーブル80に持たせ、商品別店舗別の到達度合い、商品別国別店舗別の到達度合いを提示するものとしてもよい。
【0057】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の概要を説明する。海外からきた観光客であるユーザが土産物を店舗で購入する際、商品のJANコード52からその商品が適切に配送され適切に到達するかを確認する。また、複数の店舗から購入した土産品を配送業者に依頼するための帳票を作成する。
【0058】
第1の実施形態と同様に、第2の実施形態の配送支援装置100も、商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示し、配送用の帳票を生成し、配送を支援する装置であり、
図1の構成が当てはまる。
【0059】
第2の実施形態の端末20は配送支援装置100を用いたサービスを提供するためのアプリケーションがインストールされたユーザのスマートフォンやタブレット端末といった情報端末である。
【0060】
以下、第1の実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。第2の実施形態でも、ユーザ側の情報端末を端末20として説明する。
【0061】
入力装置26は端末20に内蔵するカメラである。JANコード52をカメラで撮影して、JANコード52を読み取る。端末20は読み取ったJANコード52を配送支援装置100に送信し、配送支援装置100は端末20に到達度合い48、商品名54、価格56を取得し、それらが端末20の画面に出力される。
【0062】
ここで、配送先64の国、地域別に到達度合いを算出、表示してもよい。配送先の国や地域をあらかじめ設定、もしくは、操作で特定でき、その国、地域の到達度合いを表示してもよい。
【0063】
商品マスタ情報テーブル50に原材料など商品に関する項目を増やし、より詳細な商品情報が表示されるようにしてもよい。商品情報を英語や中国語といった外国語に翻訳して表示するようにしてもよい。
【0064】
ユーザが複数の店舗から購入した土産品を配送業者に依頼するための帳票を作成する。ユーザは配送対象の商品を端末20に内蔵するカメラで撮影し、JANコード52を読み取る。ユーザはさらに配送に必要な情報を入力し、配送支援装置100にそれら情報を送信する。帳票生成部16はそれら情報をもちいて帳票データを生成する。ユーザは端末20をもちいてその帳票データを取得し、ホテルやコンビニエンスストアの印刷機24を用いて帳票を印刷する。
【0065】
第2の実施形態によると、ユーザはスマートフォンなどで簡単に、商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す情報が得られ、配送対象の商品が適切に配送しない不安を解消もしくは軽減することができる。ユーザは配送用の帳票を作成することができる。
【0066】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の概要を説明する。日本の特産品などを販売する販売サイトで買物をする第1のユーザが、購入時、その商品が適切に配送され適切に到達するかを確認する。第1のユーザが購入した商品の体積と選択した梱包材の許容体積とを比較する項目が表示される。販売サイトの運営業者である第2のユーザは配送業者に依頼するための帳票を作成する。
【0067】
図5を用いて第3の実施形態の機能構成を説明する。
図5は第3の実施形態の配送支援装置の機能構成を示すブロック図である。
【0068】
配送支援装置100は、梱包材マスタ情報記憶部110と梱包許容情報取得部112と
梱包度合い提示部114をさらに有する。配送支援装置100は販売サイト200に含まれる。
【0069】
梱包材マスタ情報記憶部110は梱包材に関する情報を記憶する。梱包許容情報取得部112は梱包材の梱包許容情報を取得する。梱包度合い提示部114は購入商品の情報と梱包材の梱包許容情報を比較し、梱包の度合いを取得し、提示する。
【0070】
販売サイト200は販売サイト制御部116を備える。販売サイト200はネットワーク22を通じて端末20aおよび端末20bと接続する。販売サイト制御部116は販売サイト200の機能を制御する。
【0071】
端末20aは第1のユーザが有する情報処理装置である。端末20bは第2のユーザが有する情報処理装置である。
【0072】
図6を用いて、梱包材マスタ情報記憶部110に含まれるテーブルの構成を説明する。
図6は第3の実施形態の各記憶部のテーブル構成を示す図であって、(a)は商品マスタ情報記憶部の商品マスタ情報テーブル、(b)は梱包材マスタ情報記憶部の梱包材マスタ情報テーブルである。
【0073】
商品マスタ情報記憶部10の商品マスタ情報テーブル50はさらに体積58を記録する。
梱包材マスタ情報記憶部110は、梱包材マスタ情報テーブル150を有する。梱包材マスタ情報テーブル150は、梱包材の種類を識別する梱包材コード152、許容体積154を記録する。許容体積154は隙間が生じることを想定し、梱包材の実体積の70~80%程度の体積としておく。
【0074】
以上の構成による第3の実施形態の配送支援装置100の動作を、
図5および
図6を参照しつつ説明する。
【0075】
第1のユーザは端末20aを用い、販売サイト200内において購入する商品を検索する。第1のユーザが画面上で商品を選択するとJANコード52が販売サイト制御部116を通じ商品情報取得部12に送られる。商品情報取得部12は到達度合い48を含む商品付加情報を取得し、到達度合い提示部14に送る。到達度合い提示部14は販売サイト制御部116を通じ、それらの情報を端末20aに表示させる。
【0076】
第1のユーザが購入の操作を行う。第1のユーザは配送先64を入力する。販売サイト制御部116は購入対象となった商品のJANコード52、数量68、配送先64を取得し、商品情報取得部12に渡す。商品情報取得部12は商品配送情報テーブル60にレコードを作成する。
【0077】
第1のユーザは配送のための梱包材を選択する。販売サイト制御部116は選択された梱包材を識別する情報である梱包材コード152と配送コード62を梱包許容情報取得部112に送る。梱包許容情報取得部112は梱包材コード152をもとに梱包材マスタ情報記憶部110の梱包材マスタ情報テーブル150を参照し、許容体積154を取得する。
【0078】
梱包許容情報取得部112は取得した許容体積154と配送コード62を梱包度合い提示部114に送る。梱包度合い提示部114は、配送コード62をもとに商品配送情報テーブル60を参照し、配送の対象となる商品を抽出し、商品マスタ情報テーブルから商品のJANコード52をもとに商品の体積58を取得し、配送の対象となる商品の総体積を算出する。梱包度合い提示部114は許容体積154と商品の総体積を比較し、販売サイト制御部116を通じ、画面上に比較結果を表示する。たとえば、総体積が許容体積154の80%である、あと何センチ立方メートルの余裕がある、といった結果表示である。
【0079】
梱包材マスタ情報テーブル150に記録される許容体積154は、上記では梱包材の実体積の70~80%程度の体積を記録するとしたが、梱包材の実際の体積を記録し、加味する余裕率を変更が可能なパラメータとして保持し、許容体積154に余裕率を積算して、許容体積を算出してもよい。たとえば、梱包材の実際の体積の80%を最大の体積とするのであれば、パラメータを0.8として、購入商品の総体積が許容体積154×0.8の値を最大の体積として比較する。
【0080】
第2のユーザが配送の手続のために帳票を印刷する。第2のユーザは端末20bを用い、配送物識別番号70が未入力のレコードを参照する。同一の配送コード62が入力されているレコード群が、配送処理の単位になる。第2のユーザが対象の配送を選択し、配送物識別番号70を入力し、帳票作成の指示を行う。配送コード62と配送物識別番号70が販売サイト制御部116を通じ、帳票生成部16に送られ、帳票データを生成する。
【0081】
第3の実施形態によると、第1のユーザは、配送手続の際、商品が配送されたとき宛先に適切に到達する度合いを示す情報が得られ、配送対象の商品が適切に配送しない不安を解消もしくは軽減することができる。
【0082】
第1のユーザに対し、購入した商品の体積と選択した梱包材の許容体積とを比較した情報を受けることができる。
【0083】
販売サイトの運営業者である第2のユーザは配送業者に依頼するための帳票を作成することができる。
【0084】
第3の実施形態では梱包材の体積と商品の体積を比較したが、体積は重量として重量を比較してもよいし、体積と重量の両方を比較して表示してもよい。
【0085】
梱包材マスタ情報テーブル150に梱包材に対応する配送料の項目を記録し、梱包材の選択に応じて、その配送料を表示するようにしてもよい。また、重量に応じた配送料の項目を記録し、購入商品の総重量を加味した配送料が表示されるようにしてもよい。
【0086】
(第4の実施形態)
第4の実施形態の概要を説明する。第1の実施形態と同様に、海外からきた観光客が土産物を店舗で購入した商品について、店舗の店員が購入手続、および、配送業者に配送依頼を行うため配送手続書面を作成する。
商品の価格は店舗によって異なるので、ユーザの商品価格の決定において、配送支援装置100は価格の候補を提示する。以下、第1の実施形態と重複する説明は適宜省略し、異なる点を主に説明する。
【0087】
図7および8を用いて第4の実施形態の構成を説明する。
図7は第4の実施形態の配送支援装置の機能構成を示すブロック図である。配送支援装置100は商品価格候補提示部30をさらに有する。商品価格候補提示部30は候補となる商品価格を取得し、提示する。
【0088】
図8は第4の実施形態における、商品マスタ情報記憶部の価格テーブルの構成を示す図である。商品マスタ情報記憶部10は価格テーブル90をさらに有する。価格テーブル90はJANコード52、価格56、店舗コード92、店舗位置情報94を記録する。
【0089】
価格56はJANコード52で識別される商品の価格であって、店舗コード92で識別される店舗で過去に登録された価格が記録される。店舗位置情報94は店舗の位置を特定するデータである。
【0090】
以上の構成による第4の実施形態の配送支援装置100の動作を、
図7ないし
図9を参照しつつ説明する。
図9は第4の実施形態における、価格登録画面120の画面図である。
【0091】
ユーザである店員は配送対象の商品のJANコード52を読み取る。端末20からJANコード52とあらかじめ設定された店舗コード92が配送支援装置100に送られる。
【0092】
商品情報取得部12はJANコード52と店舗コード92を取得し、それらをもとに商品マスタ情報記憶部10の価格テーブル90を参照し、価格56を取得し、到達度合い提示部14に送る。到達度合い提示部14は到達度合い48、商品名54、価格56を提示する画面を生成し、それが端末20に表示される。
【0093】
JANコード52で識別される商品が店舗コード92で識別される店舗で過去に登録されていない、該当するレコードがない場合、もしくは、価格56の変更を行う場合、価格登録画面120で価格の登録を行う。
【0094】
図9が示すように、商品価格候補提示部30は、端末20の位置情報からその位置が含まれる地
図122を表示する。その地
図122の範囲に含まれる店舗の位置を示す店舗マーク124が地
図122内に表示される。各店舗の店舗コード92とJANコード52で特定される価格56を価格テーブル90から取得し、その価格56を店舗マーク124の近くに表示する。さらに地図内に表示される近隣店舗の平均単価130を候補として提示する。
【0095】
ユーザが店舗マーク124の一つをクリックすると、その店舗マーク124に対応する価格56の値が入力テキストボックス126に入力される。
【0096】
ユーザが登録ボタン128をクリックすると、商品価格候補提示部30は入力された価格56を到達度合い提示部14に渡し、到達度合い提示部14は到達度合い48、商品名54、価格56を提示する画面を生成する。
【0097】
商品価格候補提示部30は価格テーブル90にレコードを新規作成、もしくは、入力された価格56に値を変更するレコードの更新を行う。
【0098】
第4の実施形態によると、ユーザは近隣店舗の価格を参考に価格を決定することができ、その入力も容易になる。
【0099】
本明細書のブロック図において示される各ブロックは、ハードウェア的には、コンピュータのCPUをはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウェア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウェア、ソフトウェアの組合せによっていろいろなかたちで実現できることは、当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0100】
10 商品マスタ情報記憶部、 12 商品情報取得部、 14 到達度合い提示部、 16 帳票生成部、 18 配送結果取得部、 30 商品価格候補提示部、 100 配送支援装置、 110 梱包材マスタ情報記憶部、 112 梱包許容情報取得部、 114 梱包度合い提示部。