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特開2022-162357映像管理システム、映像管理方法、および映像管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162357
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】映像管理システム、映像管理方法、および映像管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/91 20060101AFI20221017BHJP
   H04N 5/93 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
H04N5/91
H04N5/93
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067150
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】502329289
【氏名又は名称】株式会社インテージテクノスフィア
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100144440
【弁理士】
【氏名又は名称】保坂 一之
(72)【発明者】
【氏名】根本 学
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 大喜
【テーマコード(参考)】
5C053
【Fターム(参考)】
5C053FA14
5C053GB06
5C053HA21
5C053JA21
(57)【要約】
【課題】所望のシーンを解析するための環境を提供すること。
【解決手段】一実施形態に係る映像管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得し、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出し、シーンを再生するためのプレイリストを生成し、プレイリストを出力する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つのプロセッサを備え、
前記少なくとも一つのプロセッサが、
少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得し、
前記少なくとも一つの映像から、前記付帯情報に対応する前記シーンを抽出し、
前記シーンを再生するためのプレイリストを生成し、
前記プレイリストを出力する、
映像管理システム。
【請求項2】
前記少なくとも一つのプロセッサが、
複数の前記映像セットを指定する前記要求を取得し、
複数の前記映像セットのそれぞれについて、前記少なくとも一つの映像から前記シーンを抽出し、
複数の前記映像セットに対応する複数の前記シーンを再生するための前記プレイリストを生成する、
請求項1に記載の映像管理システム。
【請求項3】
前記少なくとも一つのプロセッサが、複数の前記シーンを連続して再生するための前記プレイリストを生成する、請求項2に記載の映像管理システム。
【請求項4】
前記少なくとも一つのプロセッサが、複数の前記映像セットのそれぞれについて、前記プレイリストを生成する、請求項2に記載の映像管理システム。
【請求項5】
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記少なくとも一つの映像から、前記付帯情報が示す開始時刻および終了時刻に対応する前記シーンを抽出する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の映像管理システム。
【請求項6】
前記付帯情報が、ユーザにより前記少なくとも一つの映像に付与されたタグであり、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記少なくとも一つの映像から、前記タグが示す開始時刻および終了時刻に対応する前記シーンを抽出する、
請求項5に記載の映像管理システム。
【請求項7】
前記付帯情報が、前記映像セットと同じ時間に得られた計測データの値の区分を示す計測値区分であり、
前記少なくとも一つのプロセッサが、前記少なくとも一つの映像から、計測値区分により定められる開始時刻および終了時刻に対応する前記シーンを抽出する、
請求項5に記載の映像管理システム。
【請求項8】
少なくとも一つのプロセッサを備える映像管理システムによって実行される映像管理方法であって、
少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得するステップと、
前記少なくとも一つの映像から、前記付帯情報に対応する前記シーンを抽出するステップと、
前記シーンを再生するためのプレイリストを生成するステップと、
前記プレイリストを出力するステップと
を含む映像管理方法。
【請求項9】
少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得するステップと、
前記少なくとも一つの映像から、前記付帯情報に対応する前記シーンを抽出するステップと、
前記シーンを再生するためのプレイリストを生成するステップと、
前記プレイリストを出力するステップと
をコンピュータに実行させる映像管理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の一側面は、映像管理システム、映像管理方法、および映像管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
映像にタグを付与する仕組みが知られている。例えば特許文献1には、被験者の行動を示す映像に関連付けられた被験者の行動タグを確認する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-28565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
映像中の所望のシーンを解析するための仕組みが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る映像管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得し、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出し、シーンを再生するためのプレイリストを生成し、プレイリストを出力する。
【0006】
本開示の一側面に係る映像管理方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える映像管理システムによって実行される。映像管理方法は、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得するステップと、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出するステップと、シーンを再生するためのプレイリストを生成するステップと、プレイリストを出力するステップとを含む。
【0007】
本開示の一側面に係る映像管理プログラムは、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得するステップと、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出するステップと、シーンを再生するためのプレイリストを生成するステップと、プレイリストを出力するステップとをコンピュータに実行させる。
【0008】
このような側面においては、指定された映像セットの少なくとも一つの映像から、指定された付帯情報に対応するシーンが抽出される。そして、抽出されたシーンからプレイリストが生成され、出力される。プレイリストは、指定された映像セット内の指定されたシーンを集めた編集映像に対応する。これにより、所望のシーンを解析するための環境を提供することができる。
【0009】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数の映像セットを指定する要求を取得し、複数の映像セットのそれぞれについて、少なくとも一つの映像からシーンを抽出し、複数の映像セットに対応する複数のシーンを再生するためのプレイリストを生成してもよい。このような構成によれば、指定された複数の映像セットのそれぞれについて、少なくとも一つの映像から指定された付帯情報に対応するシーンが抽出される。そして、抽出された複数のシーンからプレイリストが生成される。これにより、複数の映像セットにおける所望のシーンを解析するための環境を提供することができる。
【0010】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数のシーンを連続して再生するためのプレイリストを生成してもよい。これにより、複数の映像セットにおける所望のシーンを一つのプレイリストにまとめることができる。
【0011】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数の映像セットのそれぞれについて、プレイリストを生成してもよい。これにより、複数の映像セットにおける所望のシーンを映像セットごとに集めたプレイリストを提供できる。
【0012】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、少なくとも一つの映像から、付帯情報が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。このような構成によれば、付帯情報により示される開始時刻および終了時刻を用いてシーンが抽出されるので、シーンの抽出が容易になる。
【0013】
他の側面に係る映像管理システムでは、付帯情報が、ユーザにより少なくとも一つの映像に付与されたタグであってもよい。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像から、タグが示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。このような構成によれば、シーンを特定するために、ユーザによって付与されたタグが指定される。タグがシーンの開始時刻および終了時刻を定義することにより、シーンの抽出が容易になる。
【0014】
他の側面に係る映像管理システムでは、付帯情報が、映像セットと同じ時間に得られた計測データの値の区分を示す計測値区分であってもよい。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像から、計測値区分により定められる開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。このような構成によれば、シーンを特定するために、計測データに基づく計測値区分が指定される。映像セットと計測データとが同期されているため、計測値区分が指定されると、シーンの開始時刻と終了時刻とが自動的に定まる。これにより、シーンの抽出が容易になる。
【発明の効果】
【0015】
本開示の一側面によれば、所望のシーンを解析するための環境を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】実施形態に係る映像管理システムを含む全体構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係る映像管理システムを構成するコンピュータの一般的なハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係る映像管理システムに関連する機能構成の一例を示す図である。
図4】映像ウィンドウの一例を示す図である。
図5】集計ウィンドウの一例を示す図である。図5の例(a)は、付帯情報がタグである場合の集計ウィンドウの一例である。図5の例(b)は、付帯情報が計測値区分である場合の集計ウィンドウの一例である。
図6】実施形態に係る映像管理システムによる動作の一例を示すシーケンス図である。
図7】プレイリストの一例を示す図である。
図8】プレイリストの一例を示す図である。
図9】プレイリストの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照しながら本開示での実施形態を詳細に説明する。図面の説明において同一または同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
[システムの概要]
実施形態に係る映像管理システムは、少なくとも一つの映像を含む映像セットを解析するための環境をユーザに提供するコンピュータシステムである。映像セットとは、同じ時間に撮影された少なくとも一つの映像の集合である。映像セット中の個々の映像は互いに異なる撮影対象を撮影したものでもよいし、同じ撮影対象を異なる側面から撮影したものであってもよい。ユーザとは、映像中の所望のシーンを解析しようとする人である。シーンは、場面および風景を含む。映像は、解析者と同じユーザにより提供されてもよく、解析者とは異なるユーザにより提供されてもよい。
【0019】
映像管理システムは、所望のシーンに関する情報が指定された要求をユーザ端末から取得する。映像管理システムは、取得した要求に基づいて所望のシーンを抽出してプレイリストを生成する。プレイリストとは、所望のシーンを集めた編集映像を示すデータである。映像管理システムは、プレイリストをユーザ端末に送信することにより、映像セットを解析するための環境をユーザに提供する。一例では、映像管理システムは、3つの映像がひとまとめになったプレイリストをユーザ端末に送信する。ユーザは、ユーザ端末上で3つの映像を同時に再生することにより、所望のシーンを解析することができる。
【0020】
[システムの構成]
図1は、実施形態に係る映像管理システム1を含む全体構成の一例を示す図である。本実施形態に係る映像管理システム1は、サーバ10を備える。サーバ10は、通信ネットワークNを介して、データベース20およびユーザ端末30と接続される。通信ネットワークNの構成は限定されない。例えば、通信ネットワークNはインターネットを含んで構成されてもよいし、イントラネットを含んで構成されてもよい。
【0021】
サーバ10は、ユーザ端末30からの要求に基づいて処理を実行するコンピュータである。サーバ10は、一つまたは複数のコンピュータから構成される。サーバ10は、所望のシーンに関する情報が指定された要求をユーザ端末30から取得する。サーバ10は、取得した要求に基づいてシーンを抽出してプレイリストを生成する。サーバ10は、プレイリストをユーザ端末30に送信する。
【0022】
データベース20は、映像管理システム1により用いられるデータを記憶する非一時的な記憶媒体または記憶装置である。データベース20は、一つまたは複数のデータベースから構成される。データベース20は、映像管理システム1の構成要素であってもよく、外部のシステムの構成要素であってもよい。データベース20は、ユーザ端末30から提供された映像データ、および映像データからシーンを抽出するための各種のデータを記憶する。
【0023】
ユーザ端末30は、ユーザによって使用されるコンピュータである。ユーザ端末30の種類および構成は限定されない。例えば、ユーザ端末30はデスクトップ型パーソナルコンピュータなどの据置型端末でもよい。あるいは、ユーザ端末30は高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット端末、ラップトップ型パーソナルコンピュータ、携帯電話機などの携帯端末でもよい。図1では、3個のユーザ端末30を示すが、ユーザ端末30の個数は限定されない。ユーザ端末30はサーバ10に各種の要求を送信する。ユーザ端末30はサーバ10から受信した各種の画面を表示する。ユーザ端末30はプレイリストを再生する。
【0024】
図2は、実施形態に係る映像管理システム1を構成するコンピュータ100の一般的なハードウェア構成の一例を示す図である。例えば、コンピュータ100はプロセッサ101、主記憶部102、補助記憶部103、通信制御部104、入力装置105、および出力装置106を備える。プロセッサ101はオペレーティングシステムおよびアプリケーション・プログラムを実行する。主記憶部102は例えばROMおよびRAMで構成される。補助記憶部103は例えばハードディスクまたはフラッシュメモリで構成され、一般に主記憶部102よりも大量のデータを記憶する。通信制御部104は例えばネットワークカードまたは無線通信モジュールで構成される。入力装置105は例えばキーボード、マウス、タッチパネルなどで構成される。出力装置106は例えばモニタおよびスピーカで構成される。
【0025】
映像管理システム1の各機能要素は、補助記憶部103に予め記憶されるプログラム110により実現される。具体的には、各機能要素は、プロセッサ101または主記憶部102の上にプログラム110を読み込ませてプロセッサ101にそのプログラム110を実行させることで実現される。プロセッサ101はそのプログラム110に従って、通信制御部104、入力装置105、または出力装置106を動作させ、主記憶部102または補助記憶部103におけるデータの読み出しおよび書き込みを行う。処理に必要なデータまたはデータベースは主記憶部102または補助記憶部103内に格納されてもよい。
【0026】
プログラム110は映像管理プログラムに相当し得る。プログラム110は、例えば、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリなどの有形の記録媒体に固定的に記録された上で提供されてもよい。あるいは、プログラム110は、搬送波に重畳されたデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0027】
映像管理システム1は1台のコンピュータ100で構成されてもよいし、複数台のコンピュータ100で構成されてもよい。複数台のコンピュータ100を用いる場合には、これらのコンピュータ100がインターネットやイントラネットなどの通信ネットワークを介して接続されることで、論理的に一つの映像管理システム1が構築される。
【0028】
コンピュータ100の種類は限定されない。例えば、コンピュータ100は据置型または携帯型のパーソナルコンピュータ(PC)でもよいし、ワークステーションでもよいし、高機能携帯電話機(スマートフォン)、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末でもよい。映像管理システム1は複数種類のコンピュータを組み合わせて構築されてもよい。
【0029】
図3は、実施形態に係る映像管理システム1に関連する機能構成の一例を示す図である。サーバ10は、機能要素として画面管理部11、データ管理部12、集計部13、およびプレイリスト生成部14を備える。
【0030】
画面管理部11は、ユーザ端末30に表示される画面を管理する機能要素である。画面は、例えばHTML(HyperText Markup Language)により記述されたウェブページである。ウェブページを記述する言語はこれに限定されない。画面管理部11は、ユーザ端末30からの要求に基づく画面を生成し、当該画面をユーザ端末30に送信する。例えば、画面管理部11は、映像データの集計に関する条件を入力する入力画面、映像データの集計結果を表示する集計画面などを生成し、これらの画面をユーザ端末30に送信する。
【0031】
データ管理部12は、データベース20内のデータを一括管理する機能要素である。データ管理部12は、映像データ、および映像データからシーンを特定するための各種のデータをユーザ端末30から取得する。データ管理部12は、これらのデータを関連付けてデータベース20に登録する。データ管理部12は、ユーザ端末30から取得した各データを一意に特定する識別子を割り当ててもよい。データ管理部12は、必要に応じて複数の映像データ間の同期(時間差の補正)を行う。また、データ管理部12は、必要に応じて映像セットと計測データとの間の同期を行う。
【0032】
集計部13は、ユーザ端末30からの要求に基づいて、表データを生成する機能要素である。集計部13は、指定された条件で映像データの集計を要求する集計要求をユーザ端末30から取得する。集計部13は、集計要求に基づいて、データベース20内のデータを集計する。集計部13は、集計した結果である表データを生成する。生成された表データは、画面管理部11によって、集計画面に用いられ得る。
【0033】
プレイリスト生成部14は、ユーザ端末30からの要求に基づいて、プレイリストを生成する機能要素である。プレイリスト生成部14は、指定された条件でプレイリストの生成を要求するリンク情報をユーザ端末30から取得する。プレイリスト生成部14は、リンク情報に基づいて、プレイリストを生成する。プレイリスト生成部14は、生成したプレイリストをユーザ端末30に送信する。
【0034】
データベース20は、映像データ、タグデータおよび計測データを関連付けて記憶する。映像データは、ユーザ端末30から提供された映像そのもののデータである。タグデータは、ユーザにより少なくとも一つの映像に付与されたタグを示すデータである。計測データとは、映像セットと同じ時間に得られたデータである。
【0035】
データベース20は、映像データとして、映像セットIDと、少なくとも一つの映像IDと、少なくとも一つの映像データとを関連付けて記憶する。映像セットIDは、映像セットを一意に特定する識別子である。映像IDは、映像を一意に特定する識別子である。映像セットIDが指定されると、指定された映像セットに含まれる少なくとも一つの映像IDと、その映像データとが特定される。
【0036】
データベース20は、タグデータとして、映像IDと、少なくとも一つのタグと、それぞれのタグについての少なくとも一つの設定時間枠とを関連付けて記憶する。例えば、タグはシーンを特徴付ける属性を示すテキスト情報である。シーンの属性の例として、シーンの内容、場所、目的などが挙げられる。一例では、タグは「視聴開始から30秒間」のように定量的な情報であってもよい。タグは「笑顔」のように定性的な情報であってもよい。設定時間枠は、映像のうち、タグが付与された開始時刻および終了時刻である。設定時間枠は、タグ付けされたシーンの時間幅であるともいえる。映像IDが指定されると、その映像に付与された少なくとも一つのタグと、それぞれのタグが示す開始時刻および終了時刻が特定される。
【0037】
データベース20は、計測データとして、映像セットIDと、少なくとも一つの計測IDと、少なくとも一つの計測データとを関連付けて記憶する。計測IDは、計測データを一意に特定する識別子である。映像セットIDが指定されると、指定された映像セットと同じ時間に得られた計測データの計測IDと、その計測データの値とが特定される。計測データは撮影場面に関連する計測値でもよく、例えば、被写体に関する計測値でも、撮影された場所の環境に関連する計測値でもよい。例えば、計測データは、脈拍、心拍などの計測値である。また、計測データは、発汗、表情、感情の度合いなどを数値化した情報であってもよい。あるいは、計測データは、室温、音量などの計測値でもよい。
【0038】
ユーザ端末30は、少なくとも一つの映像を含む映像セットをサーバ10に送信する。また、ユーザ端末30は、タグおよび計測データの少なくとも一方をサーバ10に送信する。ユーザ端末30は、タグおよび計測データが関連付けられた映像をサーバ10に送信してもよい。
【0039】
一例では、ユーザ端末30は、ウェブブラウザを備え、サーバ10から受信した各種の画面(ウェブページ)を表示する。例えば、ユーザ端末30は、入力画面を表示し、ユーザ入力を受け付ける。また、ユーザ端末30は、集計画面を表示し、プレイリストを生成するための選択操作を受け付ける。ユーザ端末30は、入力または選択された情報をサーバ10に送信する。また、ユーザ端末30は、サーバ10から受信したプレイリストを再生する。例えば、ユーザ端末30は、専用のツールまたはウェブブラウザ上でプレイリストを再生する。
【0040】
図4は、映像ウィンドウ200の一例を示す図である。映像ウィンドウ200は、ユーザ端末30上に表示される。映像ウィンドウ200は、映像セットを再生するための画面である。例えば、映像ウィンドウ200は、タグが付与された少なくとも一つの映像を含む映像セットを再生する。また、映像ウィンドウ200は、タグに代えて、またはタグと併せて、計測データが関連付けられた映像セットを再生する。一つの映像セットが複数の映像を含む場合における「映像セットを再生する」とは、同期された複数の映像を、その同期を維持したまま再生することをいう。この場合、映像ウィンドウ200は、複数の映像で示される、同一時点における複数の場面を表示する。タグは、映像が撮影または録画された後、ユーザにより該映像に関連付けられる。タグは、映像管理システム1上の専用のツール、または映像ウィンドウ200上で付与され得る。計測データも同様に、映像管理システム1上の専用のツール、または映像ウィンドウ200上で関連付けられ得る。
【0041】
映像ウィンドウ200は、映像フレーム201~203と、操作インタフェース204と、タイトル欄205と、タグ欄206と、タグチャート207と、計測データ欄208と、コメント欄209とを含む。
【0042】
映像フレーム201~203は、一つの映像セットに含まれる少なくとも一つの映像のそれぞれを再生するフレームである。例えば、映像フレーム201~203は、一つの映像セットに含まれる最大三つの映像のそれぞれを再生する。映像フレーム201~203は、同じ時間において、異なる撮影対象が撮影された映像を再生する。一例では、映像フレーム201は、テレビとその視聴者とが映り込んだ室内の映像を再生する。映像フレーム202は、その視聴者の映像を再生する。映像フレーム203は、そのテレビに表示されているコンテンツの映像を再生する。これらの三つの映像は同期されているので、映像フレーム201~203はコンテンツが表示されている際の室内および視聴者の様子を表示する。
【0043】
操作インタフェース204は、映像セットの再生を制御するインタフェースである。例えば、操作インタフェース204は、前の頭出し位置に戻る、5秒戻る、再生、5秒進む、次の頭出し位置に進む、および再生速度変更などの再生操作を行うためのアイコンを含む。操作インタフェース204は、ユーザからの再生操作を受け付け、その再生操作に応答して映像セットの再生を制御する。
【0044】
タイトル欄205は、映像のタイトルを表示する画面要素である。例えば、タイトル欄205は、映像フレーム201~203上で再生される映像のそれぞれに対応するタイトルを表示する。一例では、タイトル欄205は、三つの映像のそれぞれに対応するタイトルとして「室内」、「視聴者」、および「コンテンツ」を表示する。
【0045】
タグ欄206は、映像セットのために用いられるタグを表示する画面要素である。タグ欄206は、一つの映像セットに含まれる少なくとも一つの映像に付与されたタグを表示する。一例では、タグ欄206は、視聴者の映像に付与された「笑顔」、「視線逸脱」、「飲食」、および「会話」などのタグを表示する。
【0046】
タグチャート207は、映像とタグ付けとの関係を時系列に沿って示す画面要素である。タグチャート207の縦軸は、映像に付与されたタグの一覧を示す。タグチャート207の横軸は、映像の再生時間に対応する時間軸を示す。タグチャート207は、タグが示す開始時刻および終了時刻の範囲を横棒のチャート形式で示す。タグチャート207は、ユーザからタグの選択操作を受け付け、その選択操作に応答して映像セットを再生してもよい。一例では、タグチャート207は、視聴者の映像に付された「視線逸脱」タグの横棒に対するユーザからの選択操作を受け付けてもよい。映像ウィンドウ200は、その選択操作に応答して、「視線逸脱」タグの横棒が示す開始時刻から終了時刻まで映像セットを再生してもよい。
【0047】
計測データ欄208は、時系列に沿って計測データを示す画面要素である。計測データ欄208の縦軸は計測データの値を示す。計測データ欄208の横軸は時間軸を示す。一例では、計測データ欄208は、計測データの値を折れ線グラフで示す。計測データ欄208は、ユーザから計測データの選択操作を受け付け、その選択操作に応答して映像セットを再生してもよい。一例では、計測データ欄208は、折れ線グラフ上の任意の値に対するユーザからの選択操作を受け付けてもよい。計測データ欄208は、その選択操作に応答して、選択された値が示す開始時刻から映像セットを再生してもよい。また、計測データ欄208は、折れ線グラフ上の任意の値の範囲に対するユーザからの選択操作を受け付けてもよい。映像ウィンドウ200は、選択された値の範囲が示す開始時刻から終了時刻までの映像セットを再生してもよい。
【0048】
コメント欄209は、映像セットに関係するコメントを登録および表示するための画面要素である。コメント欄209は、ユーザまたは映像管理システム1のシステム運用者から受け付けたコメントを登録および表示する。コメント欄209は、コメントに関連する映像セットの再生位置を登録および表示してもよい。コメント欄209は、ユーザまたはシステム管理者により再生位置が指定されてもよい。映像ウィンドウ200は、ユーザから再生位置の指定操作を受け付け、その指定操作に応答して映像セットを再生してもよい。
【0049】
上述した映像ウィンドウ200は、プレイリストを再生する画面として用いられてもよい。この場合、図4の説明において「映像セット」を「プレイリスト」に読み替えるとともに、「映像」を「シーン」に読み替えることができる。
【0050】
図5は、集計ウィンドウ300,310の一例を示す図である。集計ウィンドウ300,310は、ユーザ端末30上に表示される。集計ウィンドウ300,310は、集計画面に相当する。集計ウィンドウ300,310は、それぞれの映像セットにおける付帯情報に関する指数を表形式で示す。付帯情報とは、シーンを特定するための情報である。集計ウィンドウ300,310の行は、付帯情報に関する指数に対応する。集計ウィンドウ300,310の列は、それぞれの映像セットに対応する。集計ウィンドウ300,310の列は、一つの映像セットに関する列と、映像セットの合計に関する列とを含む。
【0051】
図5の例(a)は、付帯情報がタグである場合の集計ウィンドウ300を示す。タグに関する指数は、タグに対応するシーンの出現回数、総時間、または単位時間(例えば1時間)当たりの統計値(例えば平均値)であってもよい。タグに関する指数は、それぞれハイパーリンク(以下、「リンク」という。)として集計ウィンドウ300に示される。例(a)において、それぞれのリンクは、タグに対応するシーンの出現回数を示す。一例では、リンク301は、映像セットVにおいて、タグ「笑顔」が付与されたシーンが3回含まれることを示す。リンク302は、映像セットV,W,X,Y,Zにおいて、タグ「笑顔」が付与されたシーンが合計6回含まれることを示す。
【0052】
図5の例(b)は、付帯情報が計測値区分である場合の集計ウィンドウ310を示す。例(b)において、計測値区分は、計測データである脈拍の値の区分を示す。計測値区分に関する指数は、計測データに対応するシーンの出現回数、総時間、単位時間(例えば1時間)当たりの統計値(例えば平均値)、または計測データの値そのものであってもよい。計測値区分に関する指数は、それぞれリンクとして集計ウィンドウ310に示される。例(b)において、それぞれのリンクは、計測値区分に対応するシーンの出現回数を示す。一例では、リンク311は、映像セットV,W,X,Y,Zにおいて、計測値区分「50~65」に関連付けられたシーンが合計5回含まれることを示す。
【0053】
ユーザ端末30は、集計ウィンドウ300,310のリンクに対するユーザからの選択操作を受け付ける。ユーザ端末30は、選択されたリンクに関するリンク情報をサーバ10に送信する。リンク情報は、映像セットと、付帯情報とを指定する情報を含む。例えば、集計ウィンドウ300上のリンクが選択された場合、リンク情報は、選択された映像セットに対応する映像セットIDと、タグに対応するタグIDとを含む。集計ウィンドウ310上のリンクが選択された場合、リンク情報は、選択された映像セットに対応する映像セットIDと、付帯情報としての計測値区分とを含む。
【0054】
[システムの動作]
図6を参照しながら、映像管理システム1の動作を説明するとともに本実施形態に係る映像管理方法について説明する。図6は、実施形態に係る映像管理システム1による動作の一例を処理フローS1として示すシーケンス図である。処理フローS1では、データベース20が、映像データ、タグデータおよび計測データを予め記憶しているものとして説明する。
【0055】
(第1の動作例)
ステップS11では、ユーザ端末30が、集計結果を表示するためのユーザ入力を受け付ける。例えば、ユーザ端末30は、映像データの集計に関する条件を入力する入力画面を表示する。ユーザ端末30は、少なくとも一つの映像セットを指定する入力を受け付ける。ユーザ端末30は、一つまたは複数のタグの入力を受け付けてもよい。一例では、ユーザ端末30は、タグ「笑顔」の入力を受け付けてもよい。ユーザ端末30は、タグ「笑顔」と、タグ「飲食」との組合せの入力を受け付けてもよい。ユーザ端末30は、一つまたは複数の計測データについて、値の範囲の入力を受け付けてもよい。一例では、ユーザ端末30は、計測データ「脈拍が50以上100以下」の入力を受け付けてもよい。ユーザ端末30は、計測データ「脈拍が50以上」と、計測データ「室温が25℃以下」との組合せの入力を受け付けてもよい。ユーザ端末30は、タグおよび計測データの組合せの入力を受け付けてもよい。一例では、ユーザ端末30は、タグ「飲食」と、計測データ「室温が25℃以下」との組合せの入力を受け付けてもよい。集計に関する条件の組合せは、いずれの条件も満たす組合せであってもよいし、いずれかの条件を満たす組合せであってもよい。
【0056】
ステップS12では、ユーザ端末30が、集計要求をサーバ10に送信する。集計要求は、ステップS11で受け付けた入力内容を含み、サーバ10に集計を実行させる電文である。例えば、集計要求は映像セットIDを含む。サーバ10は、集計要求をユーザ端末30から受信する。
【0057】
ステップS13では、サーバ10の集計部13が、集計要求に基づいてデータベース20内のデータを集計する。集計部13は、集計要求が示す集計に関する条件に基づいてデータベース20からデータを取得する。例えば、集計部13は、集計要求が示す映像セットIDに関連付けられた映像IDと映像データとをデータベース20から取得する。集計部13は、取得した映像IDに関連付けられたタグデータをデータベース20から取得する。集計部13は、映像セットIDに関連付けられた計測データをデータベース20から取得する。また、集計部13は、映像セットのそれぞれについて、タグに対応するシーンの出現回数と、計測データに対応するシーンの出現回数との少なくとも一方を集計する。集計部13は、集計した結果を表データとして生成する。
【0058】
ステップS14では、サーバ10の画面管理部11が、集計結果を出力する。例えば、画面管理部11は、ステップS13で生成した表データを用いて集計画面を生成する。画面管理部11は、集計画面をユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は、集計画面をサーバ10から受信する。
【0059】
ステップS15では、ユーザ端末30が集計結果を表示する。例えば、ユーザ端末30は、集計画面である集計ウィンドウ300(図5の例(a)参照)を表示する。
【0060】
ステップS16では、ユーザ端末30が、集計ウィンドウ内のリンクに対する選択操作を受け付ける。例えば、ユーザ端末30は、集計ウィンドウ300のリンク301に対するユーザからの選択操作を受け付ける。これにより、ユーザ端末30は、映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する。
【0061】
ステップS17では、ユーザ端末30が、選択されたリンクに対応するリンク情報をサーバ10に送信する。例えば、ユーザ端末30は、リンク301に関するリンク情報をサーバ10に送信する。このリンク情報は、映像セットVに対応する映像セットIDと、タグ「笑顔」に対応するタグIDとを含む。これにより、サーバ10は、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得する。
【0062】
ステップS18では、サーバ10のプレイリスト生成部14が、リンク情報に基づいてプレイリストを生成する。ここで、図7を参照して、プレイリスト生成部14により生成されるプレイリストの一例について説明する。
【0063】
プレイリスト生成部14は、リンク情報の映像セットIDに基づいて、映像セットVに関連付けられた映像データをデータベース20から取得する。映像セットVは、少なくとも一つの映像データを含む。また、プレイリスト生成部14は、リンク情報のタグIDに基づいて、タグ「笑顔」に関連付けられたタグデータをデータベース20から取得する。
【0064】
プレイリスト生成部14は、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出する。より詳細には、プレイリスト生成部14は、少なくとも一つの映像から、付帯情報が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出する。付帯情報は、ユーザにより少なくとも一つの映像に付与されたタグであってもよい。プレイリスト生成部14は、少なくとも一つの映像から、タグが示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。例えば、プレイリスト生成部14は、映像セットVに含まれる映像データから、タグ「笑顔」が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーン401,402および403を抽出する。すなわち、映像セットVに含まれる映像データには、タグ「笑顔」が3つ付与されている。
【0065】
一例では、映像セットVは、「室内」、「視聴者」、および「コンテンツ」の3つの映像データを含む。この場合、タグ「笑顔」は、「視聴者」の映像データのみに付与され得る。シーンの抽出は、映像セットVを対象に実行される。すなわち、プレイリスト生成部14は、「室内」、「視聴者」、および「コンテンツ」の映像データから、タグ「笑顔」が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンをそれぞれ抽出する。
【0066】
プレイリスト生成部14は、映像セットを用いて、シーンを再生するためのプレイリストを生成する。例えば、プレイリスト生成部14は、抽出したシーン401,402および403を順番に連続して再生するプレイリストPを生成する。「シーンを連続して再生する」とは、複数のシーンを途切れることなく、ひとまとまりの映像として再生することを示す。プレイリストPは一つの編集映像を示す。
【0067】
図6に戻り、ステップS19では、サーバ10のプレイリスト生成部14が、プレイリストを出力する。例えば、プレイリスト生成部14は、生成したプレイリストPをユーザ端末30に送信する。ユーザ端末30は、プレイリストPをサーバ10から受信する。
【0068】
ステップS20では、ユーザ端末30がプレイリストを再生する。例えば、ユーザ端末30は、映像ウィンドウ200を用いて、プレイリストPを再生する。
【0069】
(第2の動作例)
第2の動作例について、図6を参照しながら説明する。第2の動作例は、集計画面において、複数の映像セットとタグとがユーザによって指定されるときの動作例である。第2の動作例は、第1の動作例とステップS11~15が共通する。
【0070】
ステップS16に関連して、ユーザ端末30は、集計ウィンドウ300のリンク302に対するユーザからの選択操作を受け付けてもよい。
【0071】
ステップS17に関連して、ユーザ端末30は、リンク302に関するリンク情報をサーバ10に送信してもよい。このリンク情報は、映像セットV,X,Yのそれぞれに対応する映像セットIDと、タグ「笑顔」に対応するタグIDとを含む。これにより、サーバ10は、複数の映像セットを指定する要求を取得する。
【0072】
ステップS18に関連して、プレイリスト生成部14は、リンク302に関するリンク情報に基づいてプレイリストを生成してもよい。ここで、図8を参照して、プレイリスト生成部14により生成されるプレイリストの一例について説明する。
【0073】
リンク情報の映像セットIDに基づいて、映像セットV,X,Yのそれぞれに関連付けられた映像データをデータベース20から取得してもよい。映像セットV,X,Yは、それぞれ少なくとも一つの映像データを含む。また、プレイリスト生成部14は、リンク情報のタグIDに基づいて、タグ「笑顔」に関連付けられたタグデータをデータベース20から取得してもよい。
【0074】
プレイリスト生成部14は、複数の映像セットのそれぞれについて、少なくとも一つの映像からシーンを抽出してもよい。前述したように、プレイリスト生成部14は、映像セットVに含まれる映像データから、タグ「笑顔」が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーン401,402および403を抽出してもよい。同様にして、プレイリスト生成部14は、映像セットXに含まれる映像データからシーン411を抽出してもよい。プレイリスト生成部14は、映像セットYに含まれる映像データからシーン421および422を抽出してもよい。映像セットX(または映像セットY)が複数の映像を含む場合には、プレイリスト生成部14は映像セットVと同様に、該複数の映像のそれぞれから、タグ「笑顔」が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。
【0075】
プレイリスト生成部14は、複数の映像セットを用いて、複数の映像セットに対応する複数のシーンを再生するためのプレイリストを生成してもよい。プレイリスト生成部14は、映像セットV,X,Yを用いて、抽出したシーン401,402,403,411,421および422を再生するためのプレイリストを生成してもよい。
【0076】
例えば、プレイリスト生成部14は、複数のシーンを連続して再生するためのプレイリストを生成してもよい。一例では、プレイリスト生成部14は、抽出したシーン401,402,403,411,421および422を順番に連続して再生するプレイリストQaを生成してもよい。プレイリストQaは一つの編集映像を示す。
【0077】
あるいは、プレイリスト生成部14は、複数の映像セットのそれぞれについて、プレイリストを生成してもよい。一例では、プレイリスト生成部14は、映像セットV,X,Yのそれぞれについて、プレイリストQbを生成してもよい。プレイリストQbは、映像セットV,X,Yのそれぞれに対応するプレイリストを有する。映像セットVに対応するプレイリストは、抽出したシーン401,402および403を順番に連続して再生するためのプレイリストである。映像セットXに対応するプレイリストは、抽出したシーン411を再生するためのプレイリストである。映像セットYに対応するプレイリストは、抽出したシーン421および422を順番に連続して再生するためのプレイリストである。プレイリストQbは三つの編集映像を示す。
【0078】
ステップS19に関連して、プレイリスト生成部14は、生成したプレイリストQaまたはプレイリストQbをユーザ端末30に送信してもよい。ユーザ端末30は、プレイリストQaまたはプレイリストQbをサーバ10から受信してもよい。
【0079】
ステップS20に関連して、ユーザ端末30は、映像ウィンドウ200を用いて、プレイリストQaまたはプレイリストQbを再生してもよい。
【0080】
(第3の動作例)
第3の動作例について、図6を参照しながら説明する。第3の動作例は、集計画面において、複数の映像セットと計測値区分とがユーザによって指定されるときの動作例である。第1の動作例と比較すると、第3の動作例は、映像セットが複数指定される点と、付帯情報として計測値区分が指定される点で異なる。第3の動作例は、第1の動作例とステップS11~14が共通する。
【0081】
ステップS15に関連して、ユーザ端末30は、集計画面である集計ウィンドウ310(図5の例(b)参照)を表示してもよい。
【0082】
ステップS16に関連して、ユーザ端末30は、集計ウィンドウ310のリンク311に対するユーザからの選択操作を受け付けてもよい。
【0083】
ステップS17に関連して、ユーザ端末30は、リンク311に関するリンク情報をサーバ10に送信してもよい。このリンク情報は、映像セットV,Wのそれぞれに対応する映像セットIDと、付帯情報としての計測値区分「50~65」とを含む。
【0084】
ステップS18に関連して、プレイリスト生成部14は、リンク311に関するリンク情報に基づいてプレイリストを生成してもよい。ここで、図9を参照して、プレイリスト生成部14により生成されるプレイリストの一例について説明する。
【0085】
リンク情報の映像セットIDに基づいて、映像セットV,Wのそれぞれに関連付けられた映像データをデータベース20から取得してもよい。映像セットV,Wは、それぞれ少なくとも一つの映像データを含む。データベース20において、映像セットと計測データとが同期されている。そのため、リンク情報により計測値区分が指定されると、シーンの開始時刻と終了時刻とが自動的に定まる。一例では、計測データの値が計測値区分の範囲に収まり始めた時間が開始時刻に相当する。また、計測データの値が計測値区分の範囲を外れた時間が終了時刻に相当する。
【0086】
プレイリスト生成部14は、少なくとも一つの映像から、付帯情報が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出する。付帯情報は、映像セットと同じ時間に得られた計測データの値の区分を示す計測値区分であってもよい。プレイリスト生成部14は、少なくとも一つの映像から、計測値区分により定められる開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。例えば、プレイリスト生成部14は、映像セットVに含まれる映像データから、計測値区分により定められる開始時刻および終了時刻に対応するシーン501,502および503を抽出してもよい。同様にして、プレイリスト生成部14は、映像セットWに含まれる映像データからシーン511および512を抽出してもよい。映像セットWが複数の映像を含む場合には、プレイリスト生成部14は映像セットVと同様に、該複数の映像のそれぞれから、計測値区分により定められる開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。
【0087】
プレイリスト生成部14は、映像セットV,Wを用いて、抽出したシーン501,502,503,511および512を再生するためのプレイリストを生成してもよい。
【0088】
一例では、プレイリスト生成部14は、抽出したシーン501,502,503,511および512を順番に連続して再生するプレイリストRaを生成してもよい。プレイリストRaは一つの編集映像を示す。
【0089】
一例では、プレイリスト生成部14は、映像セットV,Wのそれぞれについて、プレイリストRbを生成してもよい。プレイリストRbは、映像セットV,Wのそれぞれに対応するプレイリストを有する。映像セットVに対応するプレイリストは、抽出したシーン501,502および503を順番に連続して再生するためのプレイリストである。映像セットWに対応するプレイリストは、抽出したシーン511および512を再生するためのプレイリストである。プレイリストRbは二つの編集映像を示す。
【0090】
ステップS19に関連して、プレイリスト生成部14は、生成したプレイリストRaまたはプレイリストRbをユーザ端末30に送信してもよい。ユーザ端末30は、プレイリストRaまたはプレイリストRbをサーバ10から受信してもよい。
【0091】
ステップS20に関連して、ユーザ端末30は、映像ウィンドウ200を用いて、プレイリストRaまたはプレイリストRbを再生してもよい。
【0092】
[効果]
以上説明したように、本開示の一側面に係る映像管理システムは、少なくとも一つのプロセッサを備える。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得し、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出し、シーンを再生するためのプレイリストを生成し、プレイリストを出力する。
【0093】
本開示の一側面に係る映像管理方法は、少なくとも一つのプロセッサを備える映像管理システムによって実行される。映像管理方法は、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得するステップと、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出するステップと、シーンを再生するためのプレイリストを生成するステップと、プレイリストを出力するステップとを含む。
【0094】
本開示の一側面に係る映像管理プログラムは、少なくとも一つの映像を含む映像セットと、シーンを特定するための付帯情報とを指定する要求を取得するステップと、少なくとも一つの映像から、付帯情報に対応するシーンを抽出するステップと、シーンを再生するためのプレイリストを生成するステップと、プレイリストを出力するステップとをコンピュータに実行させる。
【0095】
このような側面においては、指定された映像セットの少なくとも一つの映像から、指定された付帯情報に対応するシーンが抽出される。そして、抽出されたシーンからプレイリストが生成され、出力される。プレイリストは、指定された映像セット内の指定されたシーンを集めた編集映像に対応する。これにより、所望のシーンを解析するための環境を提供することができる。
【0096】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数の映像セットを指定する要求を取得し、複数の映像セットのそれぞれについて、少なくとも一つの映像からシーンを抽出し、複数の映像セットに対応する複数のシーンを再生するためのプレイリストを生成してもよい。このような構成によれば、指定された複数の映像セットのそれぞれについて、少なくとも一つの映像から指定された付帯情報に対応するシーンが抽出される。そして、抽出された複数のシーンからプレイリストが生成される。これにより、複数の映像セットにおける所望のシーンを解析するための環境を提供することができる。
【0097】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数のシーンを連続して再生するためのプレイリストを生成してもよい。これにより、複数の映像セットにおける所望のシーンを一つのプレイリストにまとめることができる。
【0098】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、複数の映像セットのそれぞれについて、プレイリストを生成してもよい。これにより、複数の映像セットにおける所望のシーンを映像セットごとに集めたプレイリストを提供できる。
【0099】
他の側面に係る映像管理システムでは、少なくとも一つのプロセッサが、少なくとも一つの映像から、付帯情報が示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。このような構成によれば、付帯情報により示される開始時刻および終了時刻を用いてシーンが抽出されるので、シーンの抽出が容易になる。
【0100】
他の側面に係る映像管理システムでは、付帯情報が、ユーザにより少なくとも一つの映像に付与されたタグであってもよい。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像から、タグが示す開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。このような構成によれば、シーンを特定するために、ユーザによって付与されたタグが指定される。タグがシーンの開始時刻および終了時刻を定義することにより、シーンの抽出が容易になる。
【0101】
他の側面に係る映像管理システムでは、付帯情報が、映像セットと同じ時間に得られた計測データの値の区分を示す計測値区分であってもよい。少なくとも一つのプロセッサは、少なくとも一つの映像から、計測値区分により定められる開始時刻および終了時刻に対応するシーンを抽出してもよい。このような構成によれば、シーンを特定するために、計測データに基づく計測値区分が指定される。映像セットと計測データとが同期されているため、計測値区分が指定されると、シーンの開始時刻と終了時刻とが自動的に定まる。これにより、シーンの抽出が容易になる。
【0102】
[変形例]
以上、本開示での実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本開示は上記実施形態に限定されるものではない。本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0103】
実施形態では、付帯情報が一つのタグまたは一つの計測値区分である場合を説明したが、他の様々な付帯情報が可能である。例えば、付帯情報は複数のタグの組合せでもよい。一例では、付帯情報は、タグ「笑顔」とタグ「飲食」との組合せでもよい。また、付帯情報は複数の計測値区分の組合せでもよい。一例では、付帯情報は、計測値区分「脈拍が50~65」と計測値区分「室温が25℃以下」との組合せでもよい。付帯情報は、少なくとも一つのタグと少なくとも一つの計測データとの組合せでもよい。一例では、付帯情報は、タグ「飲食」と計測値区分「室温が25℃以下」との組合せでもよい。これらの例のように2以上の要素(タグまたは計測値区分)を含む付帯情報は、いずれの要素も満たす付帯情報であってもよいし、いずれかの要素を満たす付帯情報であってもよい。
【0104】
実施形態では、タグがユーザにより付与されると説明したが、映像のフレームを解析することにより、タグが自動的に付与されてもよい。実施形態では、映像セットが「室内」、「視聴者」、および「コンテンツ」の3つの映像データを含むものとして説明したが、映像データはこれらに限られない。例えば、映像セットは「車内」、「車外風景」、および「コンソール操作」の3つの映像データを含んでもよい。この場合、タグは「あくび」、「赤信号」、「エアコン操作」などであってもよい。計測データは、「ブレーキ圧」などであってもよい。
【0105】
実施形態では、プレイリストが一または複数の映像セットを用いて生成されると説明したが、プレイリストは、シーンの開始時刻および終了時刻を集めたリストデータであってもよい。この場合、ユーザ端末30は、シーンごとの映像IDからデータベース20の映像データを取得してもよい。ユーザ端末30は、リストデータに示された開始時刻および終了時刻に対応するシーンを再生してもよい。ユーザ端末30は、シーンごとに、映像データの取得およびシーンの再生を繰り返してもよい。
【0106】
本開示において、「少なくとも一つのプロセッサが、第1の処理を実行し、第2の処理を実行し、…第nの処理を実行する。」との表現、またはこれに対応する表現は、第1の処理から第nの処理までのn個の処理の実行主体(すなわちプロセッサ)が途中で変わる場合を含む概念を示す。すなわち、この表現は、n個の処理のすべてが同じプロセッサで実行される場合と、n個の処理においてプロセッサが任意の方針で変わる場合との双方を含む概念を示す。
【0107】
少なくとも一つのプロセッサにより実行される方法の処理手順は上記実施形態での例に限定されない。例えば、上述したステップの一部が省略されてもよいし、別の順序で各ステップが実行されてもよい。また、上述したステップのうちの任意の2以上のステップが組み合わされてもよいし、ステップの一部が修正または削除されてもよい。あるいは、上記の各ステップに加えて他のステップが実行されてもよい。
【0108】
二つの数値の大小関係の比較では、「以上」および「よりも大きい」という二つの基準のどちらが用いられてもよく、「以下」および「未満」という二つの基準のうちのどちらが用いられてもよい。このような基準の選択は、二つの数値の大小関係を比較する処理についての技術的意義を変更するものではない。
【符号の説明】
【0109】
1…映像管理システム、10…サーバ、11…画面管理部、12…データ管理部、13…集計部、14…プレイリスト生成部、20…データベース、30…ユーザ端末。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9