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2022-162364情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162364
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20120101AFI20221017BHJP
【FI】
G06Q10/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067163
(22)【出願日】2021-04-12
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】和泉 潔
(72)【発明者】
【氏名】坂地 泰紀
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】ユーザがより容易に、種々の経済事象等に関する定量的な予測結果を得ることができる情報処理システム等を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、次の各ステップを実行するように構成される。取得ステップでは、ユーザから受け付けた入力情報と、予め設定された参照情報とを取得する。参照情報は、複数の、原因と結果とを関連付けた因果を含む情報である。抽出ステップでは、取得された、入力情報及び参照情報に基づいて、関連数値指標を抽出する。関連数値指標は、入力情報に含まれるキーワードを起点とした、連鎖的な因果関係に登場する少なくとも1つの事項に関連する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、ユーザから受け付けた入力情報と、予め設定された参照情報とを取得し、ここで前記参照情報は、複数の、原因と結果とを関連付けた因果を含む情報で、
抽出ステップでは、取得された、前記入力情報及び前記参照情報に基づいて、関連数値指標を抽出し、ここで前記関連数値指標は、前記入力情報に含まれるキーワードを起点とした、連鎖的な因果関係に登場する少なくとも1つの事項に関連する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
表示制御ステップをさらに実行するように構成され、
前記表示制御ステップでは、抽出された前記関連数値指標を含む画面を表示させるように制御する、もの。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記参照情報は、複数のキーワードと前記関連数値指標とを関連付けた情報をさらに含む、もの。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記関連付けた情報は、前記複数のキーワードと、前記関連数値指標との相関性を予め機械学習させた学習済モデルである、もの。
【請求項5】
請求項2~請求項4の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
チェーン処理ステップをさらに備え、
前記チェーン処理ステップでは、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーンを生成し、ここで前記因果チェーンは、前記参照情報における因果を示す複数のノードを含み、
前記表示制御ステップでは、前記因果チェーン及び前記関連数値指標を含む画面を表示させるように制御し、
前記関連数値指標は、前記因果チェーンに登場する少なくとも1つのノードに関連する、もの。
【請求項6】
請求項5の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記複数のノードは、互いに類似度を算出可能に構成され、
前記因果チェーンは、直列された複数のノードを含む所定の因果チェーンを含み、
前記チェーン処理ステップでは、前記所定の因果チェーンの末端のノードに後続する新たなノードを追加し、ここで追加された前記新たなノードは、前記末端のノードと、所定値以上の類似度を有する、もの。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記チェーン処理ステップでは、前記所定の因果チェーンにおける複数のノードに対して重み付けを行い、この重み付けされた評価値に基づいて、後続する新たなノードを決定する、もの。
【請求項8】
請求項5~請求項7の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
前記複数のノードは、数値的増加又は減少を表す極性を有し、
前記関連数値指標は、前記極性に基づいて決定される、もの。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理システムにおいて、
参照情報生成ステップをさらに備え、
前記取得ステップでは、少なくとも1つのテキストデータを取得し、
前記参照情報生成ステップでは、前記テキストデータに基づいて複数の因果を抽出することで、前記参照情報を生成する、もの。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
チェーン処理ステップをさらに備え、
前記少なくとも1つのテキストデータは、異なる言語で記載された複数のテキストデータであり、
前記チェーン処理ステップでは、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーンを生成し、ここで前記因果チェーンは、前記異なる言語によってそれぞれ記載された因果を示す複数のノードを含む、もの。
【請求項11】
情報処理システムであって、
次の各ステップを実行するように構成され、
取得ステップでは、ユーザから受け付けた数値指標と、予め設定された参照情報とを取得し、ここで前記参照情報は、複数のキーワードと前記数値指標とを関連付けた情報で、
抽出ステップでは、取得された、前記数値指標及び前記参照情報に基づいて、前記キーワードを含む連鎖的な因果関係を抽出する、もの。
【請求項12】
情報処理方法であって、
請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項13】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1~請求項11の何れか1つに記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、経済事象と企業業績との因果関係の抽出を行う因果関係抽出システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-24689号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで近年では、情報処理技術を用いて、種々の経済事象等をより定量的に予測することが求められている。しかしながら、特許文献1に開示される技術は、因果関係を抽出することはできるものの、パラメータの増加や減少といった定量的な予測をすることができない。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、ユーザがより容易に、種々の経済事象等に関する定量的な予測結果を得ることができる情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、次の各ステップを実行するように構成される。取得ステップでは、ユーザから受け付けた入力情報と、予め設定された参照情報とを取得する。参照情報は、複数の、原因と結果とを関連付けた因果を含む情報である。抽出ステップでは、取得された、入力情報及び参照情報に基づいて、関連数値指標を抽出する。関連数値指標は、入力情報に含まれるキーワードを起点とした、連鎖的な因果関係に登場する少なくとも1つの事項に関連する。
【0007】
このような一態様によれば、ユーザがより容易に、種々の経済事象等に関する定量的な予測結果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
図2】ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図5】参照情報IFの生成に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図6】因果チェーン4及び関連数値指標RIの提示に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7】因果チェーン4を説明するための概念図である。
図8】ユーザに視認される表示部24の画面5の態様一例を示した図である。
図9】ユーザに視認される表示部24の画面5の態様一例を示した図である。
図10】ユーザに視認される表示部24の画面7の態様別例を示した図である。
図11】ユーザに視認される表示部24の画面7の態様別例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1はユーザ端末2と、サーバ3とを備え、これらがネットワーク11を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0015】
1.2 ユーザ端末2
図2は、ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。ユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。通信部21、記憶部22及び制御部23の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0016】
表示部24は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部24は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部24は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0017】
入力部25は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部25は、表示部24と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部25がユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が命令信号として、通信バス20を介して制御部23に転送され、制御部23が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0018】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0019】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末2とネットワーク11を介して種々の情報を通信する。
【0020】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0021】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0022】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0023】
図4は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、情報処理システム1の一例であるサーバ3は、取得部331と、参照情報生成部332と、チェーン処理部333と、表示制御部334とを備える。
【0024】
取得部331は、情報処理に必要な種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部331は、予め記憶部32に記憶された種々の情報を読み出してもよいし、ネットワーク11及び通信部31を介して外部の機器から種々の情報を取得してもよい。特に、取得部331は、ユーザから受け付けた入力テキストKW(入力情報)と、予め設定された因果情報データベースIF1(参照情報IF)とを取得する。これについては後に更に詳述する。
【0025】
参照情報生成部332は、参照情報IFを生成するように構成される。より具体的には、参照情報生成部332は、テキストデータTXに基づいて複数の因果を抽出することで、因果情報データベースIF1(参照情報IF)を生成する。これについては後に更に詳述する。
【0026】
チェーン処理部333は、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーン4を生成するように構成される。これについては後に更に詳述する。
【0027】
表示制御部334は、種々の表示情報を生成して、ユーザが視認可能な表示内容を制御するように構成される。表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザが視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えばユーザ端末2の表示部24に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。より具体的には、表示制御部334は、取得された、入力テキストKW(入力情報)及び因果情報データベースIF1(参照情報IF)に基づいて、関連数値指標RIを含む画面を表示させるように制御する。これについては後に更に詳述する。
【0028】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の情報処理方法について説明する。
【0029】
3.1 参照情報IFの生成
まず、参照情報IFの生成に関する情報処理ついて説明する。図5は、参照情報IFの生成に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。参照情報IFは、後述の因果チェーン4(図7参照)の生成や関連数値指標RI(図8及び図9参照)の提示に係る情報処理に際して、サーバ3が参照する情報である。
【0030】
例えば参照情報IFは、複数の、原因と結果とを関連付けた因果を含む因果情報データベースIF1であるとよい。あるいは、参照情報IFは、複数のキーワードと関連数値指標RIとを関連付けた情報をさらに含むものであるとよい。このような態様によれば、因果チェーン4における抽出されたノード4Nに関連する関連数値指標RIを容易に提示することができる。好ましくは、関連付けた情報は、複数のキーワードと、関連数値指標RIとの相関性を予め機械学習させた学習済モデルIF2であるとよい。
【0031】
また、参照情報IFの生成は、サーバ3によって行われることを例示する。この際ユーザは、サーバ3を直接操作してもよいし、ユーザ端末2等を用いて、リモートデスクトップ等に代表される種々の手法で遠隔でサーバ3を操作してもよい。以下では、ユーザが、参照情報IFの一例である因果情報データベースIF1と、関連数値指標RIを提示するための学習済モデルIF2とを連続して生成する場合を説明する。
【0032】
まず、参照情報IFの一例である因果情報データベースIF1を構築したいユーザは、任意のテキストデータTXを選択する。換言すると、サーバ3における取得部331が、少なくとも1つのテキストデータTXを取得している。テキストデータTXは例えば、ニュース、トピック記事、学術論文、技術仕様書、特許文書、調査レポート等であるとよい。また、テキストデータTXは、テキストファイルに限定されるものではなく、ワープロソフトのファイルでもよいし、PDFファイルでもよいし、インターネット上のHTMLファイルでもよい(アクティビティA001)。
【0033】
続いて、サーバ3における制御部33が、記憶部32に記憶した専用プログラムを読み出すことで、アクティビティA001にて選択されたテキストデータTXを解析する。この結果、テキストデータTXから、種々の事象に関する因果の組が抽出される(アクティビティA002)。因果の組の抽出手法は特に限定されず、既存の自然言語処理のアルゴリズムが適宜採用されるとよい。
【0034】
続いて、サーバ3における制御部33が、記憶部32に記憶した専用プログラムを読み出すことで、アクティビティA002にて抽出された因果の組を因果情報データベースIF1に追加することで、因果情報データベースIF1を生成する(アクティビティA003)。換言すると、参照情報生成部332は、テキストデータTXに基づいて複数の因果を抽出することで、因果情報データベースIF1(参照情報IF)を生成している。このような態様によれば、ユーザの好みや、求める使用環境に応じて因果情報データベースIF1を生成することができるため、より用途等を限定した事象の予測を実現することができる。
【0035】
なお必要に応じて、ユーザは、複数のテキストデータTXを選択することができる。例えば、1回目に選択したテキストデータTXを用いて、因果情報データベースIF1の生成した後に、2回目以降の処理として、別のテキストデータTXを選択することができる。換言すると、アクティビティA001~A003を適宜繰り返すことで、より情報量の高い因果情報データベースIF1を生成することができる。
【0036】
続いて、参照情報IFの一例である学習済モデルIF2を構築したいユーザは、教師データとなる、種々のキーワードと、数値指標とを選択する(アクティビティA004)。これは、因果の組の抽出に用いたテキストデータTXの選択でもよいし、異なるデータの選択でもよい。続いて、ユーザは、選択された種々のキーワードと、数値指標とを、既存の機械学習のアルゴリズムに入力し、サーバ3に機械学習を実行させる(アクティビティA005)。その結果、学習済モデルIF2が生成される(アクティビティA006)。このように機械学習を行うことで、ルックアップテーブル等を使った手法よりも、さらに精度高く、関係性のある関連数値指標RIを提示することができる。
【0037】
なお必要に応じて、ユーザは、追加の教師データを用いて機械学習を繰り返すことで、学習済モデルIF2を更新することができる。例えば、1回目に選択したキーワード及び数値指標を用いて、学習済モデルIF2の生成した後に、2回目以降の処理として、別の教師データを入力としてさらなる機械学習を行うことができる。換言すると、アクティビティA004~A006を適宜繰り返すことで、より精度の高い学習済モデルIF2を生成することができる。
【0038】
3.2 因果チェーン4及び関連数値指標RIの提示
次に、因果チェーン4及び関連数値指標RIの提示に関する情報処理について説明する。図6は、因果チェーン4及び関連数値指標RIの提示に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0039】
(流れの概説)
以下、図6の各アクティビティに沿って、情報処理の流れを概説する。ここでのユーザは、情報処理システム1が提供するサービスを用いて経済事象を予測したい者であるとする。ユーザは、ユーザ端末2における表示部24に表示された画面5を参照しながら、入力部25を用いて、自身が予測したい事象に関する入力テキストKW(入力情報)を入力する(アクティビティA101)。この入力テキストKWは、ネットワーク11を介してサーバ3に送信される。
【0040】
続いて、取得部331は、取得ステップとして、ユーザから受け付けた入力テキストKW(入力情報)と、図5に示される情報処理により生成された(予め設定された)参照情報IFとを取得する(アクティビティA102)。すなわち、制御部33は、通信部31を通じて受信した入力テキストKWを記憶部32に記憶された因果情報データベースIF1に突合させることで、入力テキストKWに適した因果の組を探索し(アクティビティA103)、これを決定する(アクティビティA104)。因果の組の例は後述する。
【0041】
また、因果の組が決定すると、制御部33が因果の組に含まれるキーワードを記憶部32に記憶された学習済モデルIF2に入力することで、かかるキーワードに関連性の高い関連数値指標RIが提案される。関連数値指標RIの例は後述する。
【0042】
続いて、決定された因果の組及び提案された関連数値指標RIをユーザが把握可能な態様で、画面5等の画面が表示される(アクティビティA105)。換言すると、制御部33が、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことで、抽出ステップとして、取得された、入力テキストKW(入力情報)及び因果情報データベースIF1(参照情報IF)に基づいて、関連数値指標RIを抽出する。そして、表示制御部334は、表示制御ステップとして、抽出された関連数値指標RIを含む画面5等を表示させるように制御する。このような態様によれば、ユーザは、自身が関心のある事象に関する入力テキストKWを入力することで、これに関連する種々の事象の因果とともに、関連する数値指標である関連数値指標RIを把握することができる。すなわち、ユーザが従来に比してより定量的な予測結果を得ることができる。
【0043】
なお、ユーザは、適宜次に関心のある異なる入力テキストKWを入力してもよい。換言すると、アクティビティA101~A105を適宜繰り返すことで、ユーザは、複数の事象について、予測結果を得ることができる。
【0044】
また、アクティビティA103において決定された因果の組に含まれるキーワードに基づいて、これに類似する別の因果の組を続けて探索することができる。具体的にはまず、表示部24にすでに表示されている因果の組(ノード4N)のうちの1つを、ユーザが入力部25を用いて選択する(アクティビティA106)。
【0045】
続いて、制御部33は、参照情報IFを読み出す(アクティビティA107)とともに、選択された因果の組を記憶部32に記憶された因果情報データベースIF1に突合させることで、かかる因果の組と関連性のある因果の組を探索し、これを決定する(アクティビティA108)。関連性のある因果の組の例は後述する。
【0046】
また、関連性のある因果の組が決定すると、制御部33が因果の組に含まれるキーワードを記憶部32に記憶された学習済モデルIF2に入力することで、かかるキーワードに関連性の高い、新たな関連数値指標RIが提案される(アクティビティA109)。
【0047】
続いて、決定された因果の組及び提案された関連数値指標RIをユーザが把握可能な態様で、画面5等の画面が更新される(アクティビティA110)。
【0048】
すなわち、アクティビティA101~A105又はA106~A110を、ユーザが適宜繰り返すことで、因果チェーン4が生成され、これがユーザに視認可能に表示される。換言すると、制御部33の機能部であるチェーン処理部333は、チェーン処理ステップとして、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーン4を生成することができる。そして、因果チェーン4とともに、各因果の組に関連する関連数値指標RIが提案されることとなる。
【0049】
以上をまとめると、この情報処理方法は、情報処理システム1の各ステップを備え、より具体的には、次の各ステップを備える。取得ステップでは、ユーザから受け付けた入力テキストKW(入力情報)と、予め設定された因果情報データベースIF1(参照情報)とを取得する。因果情報データベースIF1(参照情報)は、複数の、原因と結果とを関連付けた因果を含む情報である。抽出ステップでは、取得された、入力テキストKW(入力情報)及び因果情報データベースIF1(参照情報)に基づいて、関連数値指標RIを抽出する。関連数値指標RIは、入力テキストKW(入力情報)に含まれるキーワードを起点とした、連鎖的な因果関係に登場する少なくとも1つの事項に関連する。
【0050】
(情報処理の詳細)
続いて、図6で概説された情報処理の詳細部分を説明する。図7は、因果チェーン4を説明するための概念図である。図8及び図9は、ユーザに視認される表示部24の画面5の態様一例を示した図である。
【0051】
図7に示されるように、因果チェーン4は、因果の組を表すノード4Nを階層的に有するネットワーク構造体である。因果チェーン4は、ユーザが入力した入力テキストKWを起点とした連鎖的な因果関係を示している。より具体的には、因果チェーン4は、因果情報データベースIF1における因果を示す複数のノード4Nを含む。この例では、ユーザが入力テキストKWを入力すると、因果情報データベースIF1に基づいて、3つの因果の組を表すノード4Nである、ノード41、ノード42及びノード43が提示されている。先に説明したように、因果情報データベースIF1は、テキストデータTXに基づいて予め設定されている参照情報IFの一例である。
【0052】
また、ノード41に示される因果の組に関連し、ノード411、ノード412及びノード413が、ノード41に後続するノード4Nとして提示されている。同様に、ノード42に示される因果の組に関連し、ノード421、ノード422及びノード423が、ノード42に後続するノード4Nとして提示され、ノード43に示される因果の組に関連し、ノード431、ノード432及びノード433が、ノード43に後続するノード4Nとして提示されている。このような因果チェーン4によれば、関連する事象の因果の流れを形成することができる。
【0053】
ここで、互いに接続されたノード4Nに示される因果それぞれは、互いに類似する因果であることが好ましい。より具体的には、複数のノード4Nは、互いに類似度を算出可能に構成される。因果チェーン4は、直列された複数のノード4Nを含む所定の因果チェーン4’を有する。例えば、図7では、入力テキストKW、ノード41及びノード411が所定の因果チェーン4’に相当する。そして、チェーン処理部333は、所定の因果チェーン4’の末端のノード4Nに後続する新たなノード4Nを追加し、追加された新たなノード4Nは、末端のノード4Nと、所定値以上の類似度を有するとよい。類似度の概念は特に限定されるものではなく、例えば既存の自然言語処理において規定された距離に基づいて、類似度を判断すればよい。
【0054】
さらに具体的には、図8に示されるような画面5において、因果チェーン4が提示されてもよい。図8の例では、ユーザは、画面5を参照しながら、入力テキストKWとして、「感染症」を入力欄50に入力している。この状態で、ユーザが検索アイコン501を押下すると、領域R1に、第1の原因51及び第1の結果52からなる因果の組を示すノード4Nが表示される。第1の原因51は、「世界情勢」、「感染症」及び「影響」というキーワードを含み、これらに起因する第1の結果52は、「日本人」、「出国社」、「前年比」及び「万人」というキーワードを含んでいる。
【0055】
さらにユーザが、領域R1に対応するノード4Nにおけるキーワード「日本人」521を選択すると、領域R2に、第2の原因61及び第2の結果62からなる因果の組を示すノード4Nがさらに表示される。第2の原因61は、「日本人」、「宿泊客」及び「減少」というキーワードを含み、これらに起因する第2の結果62は、「需給」、「緩和」、「方向」、「客室」及び「単価」というキーワードを含んでいる。
【0056】
なお、不図示ではあるが、ノード4Nを追加するたびに、領域R2の下に次々と新たな領域と、対応するノード4Nが表示されるとよい。また、後続のノード4Nを追加する際の、末端のノード4Nの選択の仕方は特に限定されず、例えば、領域R1におけるキーワード「日本人」521をユーザが選択した状態で、ボタン55を押下すると、領域R2に新たなノード4Nが表示される等、適宜実施すればよい。また、図8の例では、入力テキストKWを起点として、第1の原因51とその結果である第1の結果52が提示され、さらに第1の結果52に関連するキーワードを第2の原因61として、そのさらなる結果である第2の結果62が提示されている。つまり、原因から結果を追求する方向に因果チェーン4が提示されている。
【0057】
さらに、領域R2に対応するノード4Nを選択すると、第2の結果62に関連する関連数値指標RIが、因果チェーン4とともに提示されている。つまり、関連数値指標RIは、入力テキストKWを起点とした連鎖的な因果関係に登場する少なくとも1つの事項に関連している。少なくとも1つの事項とは、ここでは「客室」が相当する。より詳細には、関連数値指標RIは、因果チェーン4に登場する少なくとも1つのノード4Nに関連している。また、このような画面5の生成にあたって、表示制御部334は、因果チェーン4及び関連数値指標RIを含む画面を表示させるように制御している。このような態様によれば、因果チェーン4とともに関連数値指標RIが画面にて一覧性を有して表示されるため、ユーザが、因果の流れと関連する関連数値指標RIとを俯瞰的に把握することができる。
【0058】
ここで、関連する関連数値指標RIを提示するにあたって、学習済モデルIF2が参照されうる。関連の度合いの判定方法は特に限定されるものではないが、より具体的には例えば、数1に示されるような修正オッズ比に基づいて判定されるとよい。また、関連の度合いに代えて又はこれとともに、関連しない度合いを判定して、関連数値指標RIを提示するように実施してもよい。
【数1】
【0059】
ところで好ましくは、ノード4Nに示される因果の組に含まれるキーワードには、「減少」、「増加」、「大幅」、「小幅」等の大小増減を示すものが含まれ、さらに好ましくは、複数のノード4Nは、数値的増加又は減少を表す極性を有し、関連数値指標RIは、極性に基づいて決定されるとよい。経済事象等を予測するにあたっては、増加する変化や減少する変化等が極めて重要であるため、このような態様によれば、ユーザが入力した入力テキストKW(入力情報)から関連数値指標RIまでの因果チェーン4に沿った極性の変化の方向性を考慮して、ユーザが求める好ましい関連数値指標RIを提示することができ、ユーザフレンドリな仕様となっている。さらに関連数値指標RIを提示するだけではなく、その数値の予測値を得られるように実施してもよい。
【0060】
さらに、ユーザが画面5を参照しながら、関連数値指標RIの一例である関連数値指標「客室稼働率」63を選択すると、図9に示されるような関連数値指標RIのグラフを含む画面5’に遷移することが好ましい。画面5’には、関連数値指標「客室稼働率」63に関するグラフが表示されている。このようなグラフをユーザに参照させることで、より直感的にユーザが予測結果を把握することができる。
【0061】
このように本実施形態では、経済事象等の因果関係を、テキストデータTXから抽出した因果情報データベースIF1から連鎖的に検索し、波及効果に関連する関連数値指標RIを提示する情報処理システム1が提案されている。このような情報処理システム1による情報処理方法によれば、ユーザがより容易に、種々の経済事象等に関する定量的な予測結果を得ることができる。
【0062】
4.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0063】
以上の実施形態では、情報処理システム1の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム1の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。このようなプログラムが、ネットワーク11とは切り離されたスタンドアロンのコンピュータにおいて、オフラインで実行可能に構成されてもよい。
【0064】
関連数値指標RIを提示するにあたって、指標そのものの提示だけではなく、X日後又はX月以内に、値が上向きに変化するといった、時間変化の予測値が得られるように実施してもよい。
【0065】
因果情報データベースIF1等の参照情報を生成する上で選択される、少なくとも1つのテキストデータTXは、異なる言語で記載された複数のテキストデータTXであってもよい。例えば、1回目には、日本語で記載されたテキストデータTXを用いて因果の組の抽出を行い、2回目には、英語や中国等の外国語で記載されたテキストデータTXを用いて因果の組の抽出を行ってもよい。かかる場合、チェーン処理部333は、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーン4を生成し、因果チェーン4は、異なる言語によってそれぞれ記載された因果を示す複数のノード4Nを含むこととなる。すなわち、異なる言語であっても、共通する概念や、同じ意味のキーワードを抽出することで、それぞれの異なる言語において抽出されたノード4Nの類似度を比較することができる。このような態様によれば、言語の壁を超えた、より普遍的な因果チェーン4を生成することができる。
【0066】
本実施形態では、末端のノード4Nに関連する新たなノード4Nを因果情報データベースIF1に基づいて探索及び決定する旨を説明したが、末端のノード4Nだけでなく、他のノード4Nを参照するように実施してもよい。例えば、ノード412から見たノード411又はノード413の如く、同じ階層に並列に位置する他のノード4Nを参照してもよいが、特に好ましくは、チェーン処理部333が、所定の因果チェーン4’における複数のノード4Nに対して重み付けを行い、この重み付けされた評価値に基づいて、後続する新たなノード4Nを決定するとよい。このような態様によれば、直前のノード4Nだけではなく、これまでの因果の流れを踏襲した新たなノード4Nが提案されるため、ユーザは、より精度の高い予測を行うことができる。
【0067】
本実施形態、特に、図8においては、原因から結果を追求する方向に因果チェーン4が提示されているが、結果に関する入力テキストKWをユーザに入力させ、結果からその原因を追求する方向に因果チェーン4を提示するように実施してもよい。図10及び図11は、ユーザに視認される表示部24の画面7の態様別例を示した図である。
【0068】
図10では、ユーザは、画面7を参照しながら、入力テキストKWとして、「感染症」を入力欄70に入力している。この状態で、ユーザが検索アイコン701を押下すると、入力欄70の右側に、ノード81、ノード82及びノード83と、複数のノード4Nが提示される。さらに、ユーザがボタン751を押下すると、図11に示されるように、ノード821、ノード822及びノード823が、さらに右側に追加される。追加されたノード821、ノード822及びノード823は、ノード82に後続するノード4Nであることが視認可能に、曲線で結ばれている。また、ユーザがボタン752を押下すると、ノード81、ノード82及びノード83と並列関係を有する他のノード4Nが表示されてもよい。
【0069】
ここで、図10及び図11に示されるように、画面7には、入力欄70の下方に、選択ボタン76及び選択ボタン77が設けられている。ユーザが選択ボタン76を選択した場合、原因から結果を追求する方向に因果チェーン4を表示させることができる。不図示ではあるが、ユーザが選択ボタン77を選択した場合、結果から原因を追求する方向に因果チェーン4を表示させることができる。なお一般に、1つの事項を原因として複数の結果が生じることとなるため、原因から結果を追求する方向の提示は順問題と考えられる。逆にいえば、結果から原因を追求する方向の提示は逆問題となり、より精度の高い原因予測を行うためには、類似度の判定に加えて、別途制約条件を設けることが好ましい。かかる制約条件は特に限定されず、重み付けの値を変えたり、後続のノード4Nを制限する等が適宜想定されうる。
【0070】
本実施形態において、因果チェーン4は、因果情報データベースIF1の情報が充実する限り、理論上は、略際限なく追加することができるが、ノード4Nの数が増えるにつれて、ユーザが当初入力した入力テキストKWとの関連性が薄くなることが想定される。これを防止するために、1つの因果チェーン4に含むことができるノード4Nの階層を制限するように実施してもよい。制限される階層数は、特に限定されるものではないが、具体的には例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20層であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。より好ましくは、1~5層であり、特に好ましくは、3層であるとよい。
【0071】
本実施形態では、入力テキストKWを起点として、因果チェーン4及び関連数値指標RIを生成し、これらが提示される例を説明したが、関連数値指標RIを入力として、これに関連する因果のノード4Nを含む因果チェーン4が提示されるように実施してもよい。換言すると、取得部331は、取得ステップとして、ユーザから受け付けた数値指標(関連数値指標RI)と、予め設定された参照情報IFとを取得する。参照情報IFは、複数のキーワードと数値指標とを関連付けた情報であり、例えば学習済みモデルIF2である。そして、制御部33は、抽出ステップとして、取得された、数値指標及び参照情報に基づいて、キーワードを含む連鎖的な因果関係である因果チェーン4を抽出する。
【0072】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、表示制御ステップをさらに実行するように構成され、前記表示制御ステップでは、抽出された前記関連数値指標を含む画面を表示させるように制御する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記参照情報は、複数のキーワードと前記関連数値指標とを関連付けた情報をさらに含む、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記関連付けた情報は、前記複数のキーワードと、前記関連数値指標との相関性を予め機械学習させた学習済モデルである、もの。
前記情報処理システムにおいて、チェーン処理ステップをさらに備え、前記チェーン処理ステップでは、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーンを生成し、ここで前記因果チェーンは、前記参照情報における因果を示す複数のノードを含み、前記表示制御ステップでは、前記因果チェーン及び前記関連数値指標を含む画面を表示させるように制御し、前記関連数値指標は、前記因果チェーンに登場する少なくとも1つのノードに関連する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記複数のノードは、互いに類似度を算出可能に構成され、前記因果チェーンは、直列された複数のノードを含む所定の因果チェーンを含み、前記チェーン処理ステップでは、前記所定の因果チェーンの末端のノードに後続する新たなノードを追加し、ここで追加された前記新たなノードは、前記末端のノードと、所定値以上の類似度を有する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記チェーン処理ステップでは、前記所定の因果チェーンにおける複数のノードに対して重み付けを行い、この重み付けされた評価値に基づいて、後続する新たなノードを決定する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記複数のノードは、数値的増加又は減少を表す極性を有し、前記関連数値指標は、前記極性に基づいて決定される、もの。
前記情報処理システムにおいて、参照情報生成ステップをさらに備え、前記取得ステップでは、少なくとも1つのテキストデータを取得し、前記参照情報生成ステップでは、前記テキストデータに基づいて複数の因果を抽出することで、前記参照情報を生成する、もの。
前記情報処理システムにおいて、チェーン処理ステップをさらに備え、前記少なくとも1つのテキストデータは、異なる言語で記載された複数のテキストデータであり、前記チェーン処理ステップでは、連鎖的な因果関係を視覚的に示した因果チェーンを生成し、ここで前記因果チェーンは、前記異なる言語によってそれぞれ記載された因果を示す複数のノードを含む、もの。
情報処理システムであって、次の各ステップを実行するように構成され、取得ステップでは、ユーザから受け付けた数値指標と、予め設定された参照情報とを取得し、ここで前記参照情報は、複数のキーワードと前記数値指標とを関連付けた情報で、抽出ステップでは、取得された、前記数値指標及び前記参照情報に基づいて、前記キーワードを含む連鎖的な因果関係を抽出する、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムの各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに前記情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0073】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0074】
1 :情報処理システム
11 :ネットワーク
2 :ユーザ端末
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :表示部
25 :入力部
3 :サーバ
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :参照情報生成部
333 :チェーン処理部
334 :表示制御部
4 :因果チェーン
4’ :所定の因果チェーン
4N :ノード
41 :ノード
411 :ノード
412 :ノード
413 :ノード
42 :ノード
421 :ノード
422 :ノード
423 :ノード
43 :ノード
431 :ノード
432 :ノード
433 :ノード
5 :画面
5’ :画面
50 :入力欄
501 :検索アイコン
51 :第1の原因
52 :第1の結果
521 :キーワード「日本人」
55 :ボタン
61 :第2の原因
62 :第2の結果
63 :関連数値指標「客室稼働率」
7 :画面
70 :入力欄
701 :検索アイコン
751 :ボタン
752 :ボタン
76 :選択ボタン
77 :選択ボタン
81 :ノード
82 :ノード
821 :ノード
822 :ノード
823 :ノード
83 :ノード
IF :参照情報
IF1 :因果情報データベース
IF2 :学習済モデル
KW :入力テキスト
R1 :領域
R2 :領域
RI :関連数値指標
TX :テキストデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11