(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162376
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】商品の販売促進物、及び商品情報取得方法
(51)【国際特許分類】
G09F 1/02 20060101AFI20221017BHJP
A47F 5/00 20060101ALI20221017BHJP
G06Q 30/02 20120101ALI20221017BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20221017BHJP
G09F 1/04 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G09F1/02 E
A47F5/00 E
G06Q30/02 380
G06Q30/06 340
G09F1/04 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067191
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】鉄矢 俊一
(72)【発明者】
【氏名】秋葉 直樹
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智子
【テーマコード(参考)】
3B118
5L049
【Fターム(参考)】
3B118FA11
5L049BB08
5L049BB66
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】関連する複数の商品の情報にスピーディにアクセスしやすくする。
【解決手段】店鋪の周辺や店頭、商品1の近傍に設置される商品1の販売促進物であって、複数の商品1に関連する複数の表示情報2Aaが表示された情報提示面2Aと、上記情報提示面2Aに表示されている複数の表示情報2Aaから選択された2以上の表示情報2Aaである特定表示情報2Aaに対応させて配置された複数の近接無線通信タグ3と、を備え、上記各近接無線通信タグ3には、それぞれ対応する特定表示情報2Aaに関する情報への飛び先であるURL情報が記憶されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店鋪の周辺や店頭、商品の近傍に設置される商品の販売促進物であって、
複数の商品に関連する複数の表示情報が表示された情報提示面と、
上記情報提示面に表示されている複数の表示情報から選択された2以上の表示情報である特定表示情報に対応させて配置された複数の近接無線通信タグと、を備え、
上記各近接無線通信タグには、それぞれ対応する特定表示情報に関する情報への飛び先であるURL情報が記憶されている、
ことを特徴とする商品の販売促進物。
【請求項2】
陳列された複数種類の商品の前側に上記情報提示面が設置される商品の販売促進物であって、
上記複数の表示情報は、上記陳列された複数種類の商品の配列に応じた配置で上記情報提示面に表示されている、
ことを特徴とする請求項1に記載した商品の販売促進物。
【請求項3】
上記複数種類の商品が、横方向に並んで陳列された商品に対する販売促進物であって、
上記情報提示面は、上記複数種類の商品の並び方向に沿って延在し、
対応する商品の近傍にそれぞれその商品に関する表示情報が配置され、
上記複数の近接無線通信タグは、上記陳列方向に沿ってされると共に、上記複数の表示情報から選択した特定表示情報に対応させて設けられている、
ことを特徴とする請求項2に記載した商品の販売促進物。
【請求項4】
上記情報提示面に、マトリックス状に商品に関する複数の表示情報が表示されていると共に、各特定表示情報に対応させて上記近接無線通信タグがマトリックス状に配置されている、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した商品の販売促進物。
【請求項5】
上記複数の表示情報が表示された情報提示面は、平面若しくは変曲点を有しない曲面形状となっている、
請求項1~請求項4のいずれか1項に記載した商品の販売促進物。
【請求項6】
複数の表示情報が表示された情報提示面を有すると共に、上記複数の表示情報に対応させて複数の近接無線通信タグが設けられ、各近接無線通信タグにはそれぞれ商品に関する情報への飛び先であるURL情報が記憶された商品の販売促進物における、上記情報提示面に沿って、上記近接無線通信タグと無線通信可能な読取部を備えた携帯移動端末を移動させることで、複数の商品に関する情報を連続して取得する、商品情報取得方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の販売促進物であって、いわゆる販売促進用のPOP(以下、販促用POPとも呼ぶ)、及びその使用に関する技術である。
【背景技術】
【0002】
販促用POPは、配布や折り込みによる広告とは異なり、店鋪の周辺や店頭、商品の陳列場所に設置され、商品の詳細情報や商品の購買意欲を促す情報などの商品に関する情報が表示されている。
【0003】
販促用POPとして、近接無線通信タグを用いた発明としては、例えば特許文献1に記載されているものがある。特許文献1には、商品棚に載置された1の商品群の前後列の前方に円形の販促用POPを設置する場合が記載されている。その販促用POPには、1つのNFCタグが埋設され、そのNFCタグに、商品の口コミ情報サイトを飛び先としたURL情報が記憶されている。そして、特許文献1の販促用POPに対しスマートフォンをかざすことで、対応する商品の情報を入手可能となる。
【0004】
ここで、NFCタグは、カメラの起動を要求する二次元コードに比べて簡易に情報へのアクセスが可能であるが、二次元コードに比べてコストが高い。このため、全ての商品にNFCタグを設けることはコスト高になる。これに対し、特許文献1では、陳列棚に対し、前後に並ぶ同一商品の先頭に設けた販促用POPに1つのNFCタグを設けることで、コスト高を抑えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の方法では、1種類の商品に対し1つのNFCタグ内蔵の販促用POPを設置する発想のものである。すなわち、商品毎に個々に対応するNFCタグ内蔵の販促用POPを設けることから、比較したい商品毎に個別に対応する販促用POPに対し、スマートフォンをかざすことで、各商品の情報を入手することになる。この結果、特許文献1に記載の方法では、比較したい商品が複数ある場合に、端末使用者は、スピーディに複数の商品の情報にアクセスし難い、という課題がある。
【0007】
ここで、横に並ぶ複数の商品に沿って、NFCタグ内蔵の販促用POPを複数、配列している場合、端末使用者は、各販促用POPを個別のPOPと認識して連続的にかざして情報を読み取ることは行い難い。また、各複数のNFCタグ内蔵の販促用POPが、個別に設けられることから、一平面上に位置せずに、滑らかにスマートフォンを移動することに対する心理的抵抗を与える。
【0008】
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、関連する複数の商品の情報にスピーディにアクセスしやすくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題解決のために、本発明の一態様は、店鋪の周辺や店頭、商品の近傍に設置される商品の販売促進物であって、複数の商品に関連する複数の表示情報が表示された情報提示面と、上記情報提示面に表示されている複数の表示情報から選択された2以上の表示情報である特定表示情報に対応させて配置された複数の近接無線通信タグと、を備え、上記各近接無線通信タグには、それぞれ対応する特定表示情報に関する情報への飛び先であるURL情報が記憶されている、ことを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、一の情報提示面に対し、複数の商品に関連する複数の表示情報が表示されていることから、端末使用者は、当該複数の表示情報を一連の関連したひとまとまりの情報と認識しやすくなる。そして、情報提示面に沿って、RFID読取部を備えた携帯移動端末(スマートフォンなど)を移動させるだけ、複数の商品情報にスムーズ且つ連続的にアクセスすることが可能となる。この結果、例えば、比較したい表品が複数ある場合でも、スピーディにその複数の情報にアクセス(入手)することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に基づく実施形態に係る販促用POPの一例を説明する模式的斜視図である。
【
図3】本発明に基づく実施形態に係るシステム構成例を示す図である。
【
図6】情報提示面への複数の表示情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、発明の実施形態について図面を参照して説明する。
ここで、図面は模式的なものであり、各部品の厚さと平面寸法との関係、各部品の比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための構成を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の形状、構造等が下記のものに特定するものでない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。また、同一の構成については、同一の符号を付する。
【0013】
本実施形態は、
図1に示すように、商品1の近傍に設置される商品1の販促用POP2(販売促進物)の例である。
(構成)
図1の例では、複数種類の商品1が横方向に一列に配置(陳列)され、その前側に販促用POP2の情報提示面2Aが配置されている。なお、
図1では、一列目の商品1だけが図示されているが、その後方の同種の商品1が並んでいてもよい。
【0014】
本実施形態の販促用POP2では、横一列に並んだ商品1の前側に情報提示面2Aが配置されている。すなわち、情報提示面2Aは、陳列された複数種類の商品1の前側に設置されている。その情報提示面2Aには、複数の表示情報2Aaが、陳列された複数種類の商品1の配列に応じた配置で表示されている。各表示情報2Aaは、通常、その後方の商品1に対する値段やアピールポイントなどが記載されている。
【0015】
本実施形態では、複数種類の商品1は、横方向に並んで配置されている場合の例である。そして、情報提示面2Aは、複数種類の商品1の並び方向に沿って帯状に延在し、対応する商品1(後方の商品1)の近傍(本実施形態では前方)に、それぞれその商品1に関する表示情報2Aaが配置されている。本実施形態の情報提示面2Aは、平面となっている。情報提示面2Aは、商品1の並び方向に沿って円弧状の曲面であっても良い。
【0016】
また、近接無線通信タグ3が、各表示情報2Aaに対応させて配置されている。本実施形態では、
図2に示すように、情報提示面2Aの裏面側であって、各表示情報2Aaと重なる位置に近接無線通信タグ3が配置されている。近接無線通信タグ3は紙面内に埋設されていても良い。
【0017】
なお、近接無線通信タグ3は、全ての表示情報2Aaに対応させて設けなくても良い。複数の表示情報2Aaのうちの、主要な表示情報2Aaにだけに対応させて近接無線通信タグ3を設けても良い。但し、本実施形態では、1の情報提示面2Aに対し複数の商品情報を提示可能とすることを特徴とするため、1つの情報提示面2Aに対応して2以上の近接無線通信タグ3を設けることとする。
【0018】
近接無線通信タグ3は、近接触無線通信を行うタグである。近接無線通信タグ3としては、例えば、ICタグ、NFCタグが例示できる。本実施形態では、近接無線通信タグ3がNFCタグとする。
各近接無線通信タグ3の記憶部3Aには、それぞれ対応する表示情報2Aaに関する情報への飛び先であるURL情報が記憶されている。
【0019】
上記近接無線通信タグ3は、近接無線通信タグ3を読み取り可能な携帯移動端末10を、情報提示面2Aにおける対応する情報表示に近づけることで、携帯移動端末10は、近接無線通信タグ3内のURL情報を読み取ることが可能となっている。
【0020】
近接無線通信タグ3を読み取り可能な携帯移動端末10は、例えば、
図3に示すように、タグ読取部10A、通信部10B、表示部10Cを備える。
【0021】
タグ読取部10Aは、近接無線通信タグ3と近接触通信を行って、近接無線通信タグ3の記憶部3Aに記憶されている情報を読み取る。本実施形態では、読み取る情報がURL情報であるため、通信部10Bは、タグ読取部10Aが読み取ったURL情報に基づき、通信網11を介して、URL情報のアドレス先のサーバー12から対応するサイト情報(表示情報2Aaに関する情報)を取得し、取得した情報を表示部10Cに表示する。この情報表示までの処理は、自動的に実行される。表示情報2Aaに関する情報は、通常は、対応する商品1に関する情報であるが、商品1に直接関係のない2次情報も含まれる。
【0022】
(動作その他)
本実施形態の販促用POP2では、一の情報提示面2Aに対し、複数の商品1に関連する複数の表示情報2Aaが横方向に並んで表示されていることから、端末使用者は、当該複数の表示情報2Aaを一連の関連したひとまとまりの情報と認識しやすくなる。そして、
図1の矢印のように、その情報提示面2Aに沿って、RFID読取部を備えた携帯移動端末10(スマートフォンなど)を移動させるだけで、自動的に、複数の商品情報をスムーズ且つ連続的に端末10の表示部10Cに表示可能となる。そして、気になる表示があれば、その位置で端末10の移動を停止して確認することができる。なお、
図1では、左側から右側にスライドさせるように端末10を移動する例が記載されているが、左右に往復させて比較検討の表示を行うようにしてもよい。
【0023】
なお、全ての情報表示部10Cに対応して近接無線通信タグ3を設けても、所定以上の速度で通過した位置では、情報の表示が行われず、気になる情報表示部10Cで移動速度を緩めることで、所望の情報表示部10Cに対応する情報だけを表示可能である。
【0024】
この結果、本実施形態では、例えば、比較したい表品が複数ある場合でも、スピーディにその複数の情報にアクセス(入手)することができるようになる。
【0025】
(変形例)
(1)上記説明では、陳列した商品1の近傍に情報提示面2Aが配置される場合を例示しているが、これに限定されない。例えば
図4に示すような立て看板状の販促用POP2であって、対応する商品群の端などの位置に販促用POP2が置かれていても良い。
【0026】
(2)また、
図4の例は、情報提示面2Aに、マトリックス状に商品1に関する複数の表示情報2Aaが表示されている例であり、この場合、各表示情報2Aaに対応させて近接無線通信タグ3がマトリックス状に配置されていると良い。
この場合、二次元平面上に複数の表示情報2Aaが配置されるため、
図5のように、情報提示面2Aに沿って、上下左右に端末10を滑らかに移動させることで、複数の商品情報に連続してアクセス可能となる。
複数の表示情報2Aaは、円環状など、マトリック状以外の配列であってもよい。
【0027】
(3)
図6に、情報提示面2Aに表示される複数の表示情報2Aaの別例を示す。この例では、複数の表示情報2Aaは、それぞれ特定の商品1を具体的に特定する表示ではないが、その表示情報2Aaに端末10をかざすことで、表示情報2Aaに対応する商品1の一覧を端末10に表示させる例である。またこの例でも、端末10を情報提示面2Aに沿って移動させることで、他の情報にも滑らかにアクセスすることが可能である。
【0028】
(4)
図6では、1の表示情報2Aaから端末10に対し特定の商品1を具体的に表示する場合を例示しているが、これに限定されない。情報提示面2Aに表示される複数の表示情報2Aaに沿って複数の表示情報2Aaにアクセスすることで、特定の商品1に誘導するように、各表示情報2Aa及びその表示情報2Aaに対応する情報を選定しても良い。
【0029】
例えば、1の表示情報2Aaは端末使用者に所定の判断を行う記載内容(「目元を明るくしたい?」など)とし、1の表示情報2Aaに端末10をかざしたときの表示を、判断結果に基づき、次に端末10をかざす表示情報2Aaを指示する表示(「・・であれば、右斜め下の表示に端末10を移動」など)であってもよい。
【0030】
(5)複数の表示情報2Aaが表示された情報提示面2Aは、平面若しくは変曲点を有しない曲面形状であることが好ましい。隣り合う表示情報間が滑らかな面となっている方が、端末10を移動しやすい。
また、隣り合う表示情報間は、20cm以内が好ましい。
(6)また、商品1が住宅、飲食店、観光場所などの不動産であってもよい。
(7)販促用POP2自体の構成には特定に限定はない。例えば、販促用POP2が一段のトレーで構成されていても複数段のトレーで構成されていてもよく、複雑な構成も含まれる。ただし、販促用POP2は、複数の表示情報が表示された情報提示面を有する必要がある。
【0031】
(その他)
本開示は、次の構成も取り得る。
(1)店鋪の周辺や店頭、商品の近傍に設置される商品の販売促進物であって、複数の商品に関連する複数の表示情報が表示された情報提示面と、上記情報提示面に表示されている複数の表示情報から選択された2以上の表示情報である特定表示情報に対応させて配置された複数の近接無線通信タグと、を備え、上記各近接無線通信タグには、それぞれ対応する特定表示情報に関する情報への飛び先であるURL情報が記憶されている。
【0032】
(2)陳列された複数種類の商品の前側に上記情報提示面が設置される商品の販売促進物であって、上記複数の表示情報は、上記陳列された複数種類の商品の配列に応じた配置で上記情報提示面に表示されている。
【0033】
(3)上記複数種類の商品が、横方向に並んで陳列された商品に対する販売促進物であって、上記情報提示面は、上記複数種類の商品の並び方向に沿って延在し、対応する商品の近傍にそれぞれその商品に関する表示情報が配置され、上記複数の近接無線通信タグは、上記陳列方向に沿ってされると共に、上記複数の表示情報から選択した特定表示情報に対応させて設けられている。
【0034】
(4)上記情報提示面に、マトリックス状に商品に関する複数の表示情報が表示されていると共に、各特定表示情報に対応させて上記近接無線通信タグがマトリックス状に配置されている。
【0035】
(5)上記複数の表示情報が表示された情報提示面は、平面若しくは変曲点を有しない曲面形状となっている。
【0036】
(6)複数の表示情報が表示された情報提示面を有すると共に、上記複数の表示情報に対応させて複数の近接無線通信タグが設けられ、各近接無線通信タグにはそれぞれ商品に関する情報への飛び先であるURL情報が記憶された商品の販売促進物における、上記情報提示面に沿って、上記近接無線通信タグと無線通信可能な読取部を備えた携帯移動端末を移動させることで、複数の商品に関する情報を連続して取得する、商品情報取得方法。
【符号の説明】
【0037】
1 商品
2 販促用POP(販売促進物)
2A 情報提示面
2Aa 表示情報(特定表示情報)
3 近接無線通信タグ
3A 記憶部
10 携帯移動端末
10A タグ読取部
10B 通信部
10C 表示部
11 通信網
12 サーバー