(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162414
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】センサモジュール
(51)【国際特許分類】
G01C 19/5783 20120101AFI20221017BHJP
H01L 29/84 20060101ALI20221017BHJP
H01L 25/00 20060101ALI20221017BHJP
H05K 1/02 20060101ALN20221017BHJP
【FI】
G01C19/5783
H01L29/84 Z
H01L25/00 B
H05K1/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067247
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 元樹
(72)【発明者】
【氏名】市丸 正幸
(72)【発明者】
【氏名】高橋 講平
(72)【発明者】
【氏名】山本 観照
【テーマコード(参考)】
2F105
4M112
5E338
【Fターム(参考)】
2F105AA02
2F105BB13
2F105BB15
2F105BB17
2F105CD13
4M112AA02
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4M112CA33
4M112CA35
4M112EA11
4M112GA01
5E338AA01
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5E338BB51
5E338BB71
5E338BB75
5E338CD13
5E338EE32
(57)【要約】
【課題】大型化とコストアップとを抑制しつつ、センサ素子の縦向きの配置を実現することができるセンサモジュールを提供する。
【解決手段】センサモジュール10は、上面20Aを有するリジッド基板20と、リジッド基板20の上面20Aに接合され、電極31を有する回路素子30と、検出軸52、電極51が形成される主面50A、主面50Aの反対側の主面50B、及び主面50Aと主面50Bとを繋ぐ側面50Cであってリジッド基板20の上面20Aに接合される側面50Cを有するセンサ素子50と、導電性の配線パターン72が形成されるフレキシブル基板70とを備える。フレキシブル基板70の配線パターン72は、回路素子30の電極31とセンサ素子50の電極51とを電気的に接続する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
実装面を有するリジッド基板と、
前記リジッド基板の実装面に接合され、電極を有する回路素子と、
検出軸、電極が形成される第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面、及び前記第1主面と前記第2主面とを繋ぐ側面であって前記リジッド基板の実装面に接合される側面を有する縦置センサ素子と、
導電性の配線パターンが形成されるフレキシブル基板と、を備え、
前記フレキシブル基板の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と前記縦置センサ素子の電極とを電気的に接続するセンサモジュール。
【請求項2】
前記縦置センサ素子の検出軸は、前記第1主面と直交または略直交に延びる請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記縦置センサ素子の側面は、前記第1主面が前記リジッド基板の実装面と直交または略直交するように、前記リジッド基板の実装面に接合される請求項1または2に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記回路素子は、
前記リジッド基板の実装面に接合される下面と、
前記下面の反対側の上面と、を備え、
前記回路素子の電極は、前記上面に形成される請求項1から3のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項5】
2つの前記縦置センサ素子と、
2つの前記フレキシブル基板と、を備え、
2つの前記縦置センサ素子の一方の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の他方の検出軸と直交または略直交し、
2つの前記フレキシブル基板の一方の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と2つの前記縦置センサ素子の一方の電極とを電気的に接続し、
2つの前記フレキシブル基板の他方の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と2つの前記縦置センサ素子の他方の電極とを電気的に接続する請求項1から4のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項6】
検出軸、電極が形成される一方主面、前記一方主面の反対側の他方主面、及び前記一方主面と前記他方主面とを繋ぐ側面を有し、前記他方主面が前記回路素子または前記リジッド基板の実装面に接合される横置センサ素子を更に備え、
前記横置センサ素子の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の検出軸の各々と直交または略直交し、
前記横置センサ素子の電極は、前記回路素子の電極と電気的に接続される請求項5に記載のセンサモジュール。
【請求項7】
2つの前記回路素子を備え、
2つの前記フレキシブル基板の一方の前記配線パターンは、2つの前記回路素子の一方の電極と2つの前記縦置センサ素子の一方の電極とを電気的に接続し、
2つの前記フレキシブル基板の他方の前記配線パターンは、2つの前記回路素子の他方の電極と2つの前記縦置センサ素子の他方の電極とを電気的に接続する請求項5に記載のセンサモジュール。
【請求項8】
検出軸、電極が形成される一方主面、前記一方主面の反対側の他方主面、及び前記一方主面と前記他方主面とを繋ぐ側面を有し、前記他方主面が2つの前記回路素子のいずれかまたは前記リジッド基板の実装面に接合される横置センサ素子を更に備え、
前記横置センサ素子の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の検出軸の各々と直交または略直交し、
前記横置センサ素子の電極は、2つの前記回路素子のいずれかの電極と電気的に接続される請求項7に記載のセンサモジュール。
【請求項9】
検出軸、電極が形成される一方主面、前記一方主面の反対側の他方主面、及び前記一方主面と前記他方主面とを繋ぐ側面を有する2つの横置センサ素子を備え、
2つの前記横置センサ素子の一方の前記他方主面は、2つの前記回路素子の一方または前記リジッド基板の実装面に接合され、
2つの前記横置センサ素子の一方の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の検出軸の各々と直交または略直交し、
2つの前記横置センサ素子の一方の電極は、2つの前記回路素子の一方の電極と電気的に接続され、
2つの前記横置センサ素子の他方は、3つの検出軸を有する3軸加速度センサであり、
2つの前記横置センサ素子の他方の前記他方主面は、2つの前記回路素子の他方または前記リジッド基板の実装面に接合され、
2つの前記横置センサ素子の他方の電極は、2つの前記回路素子の他方の電極と電気的に接続される請求項7に記載のセンサモジュール。
【請求項10】
前記フレキシブル基板の前記配線パターンは、ワイヤを介して前記回路素子の電極と電気的に接続される請求項1から9のいずれか1項に記載のセンサモジュール。
【請求項11】
前記フレキシブル基板は、
前記リジッド基板の実装面に支持される第1面と、
前記第1面の裏面であって前記配線パターンが露出される第2面と、を備える請求項10に記載のセンサモジュール。
【請求項12】
前記フレキシブル基板の前記第1面は、前記リジッド基板の実装面に接合する請求項11に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検出軸を有するセンサ素子を備えるセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
検出軸を有するセンサ素子を備えるセンサモジュールは、先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System)等に使用される。例えば、センサモジュールは、3つのセンサ素子、つまり3つの検出軸を備える。これにより、3次元座標系において角速度等を検知することができる(例えば特許文献1-3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-44645号公報
【特許文献2】特許第6519122号公報
【特許文献3】特許第5935244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述したセンサモジュールにおいて3次元座標系での検知を実現するには、3つの検出軸を互いに交差する3方向へ向ける必要がある。具体的には、3つの検出軸のうち1つの検出軸を、他の2つの検出軸の2つの方向に拡がる平面と交差する方向に向ける必要がある。これを実現するため、横向きに配置された他の2つのセンサ素子に対して、残り1つのセンサ素子を縦向きに配置する必要がある。しかし、このようなセンサ素子の配置を行うことには、種々の問題がある。
【0005】
例えば、特許文献1に開示されたパッケージでは、立体的な樹脂成型品であるMID(Molded Interconnect Device)を使用することによって、前述した配置が実現されている。しかし、MIDは高価であるため、コストアップしてしまう。
【0006】
また、例えば、特許文献2に開示されたセンサデバイスでは、各々にセンサ素子が実装された複数の基板が互いに直交するように接合されることによって、前述した配置が実現されている。この場合、センサデバイスの製造過程において、隣り合う実装基板の間で、多数の電極を電気的に接続するという煩雑な過程が必要である。
【0007】
また、例えば、特許文献3に開示されたモジュールでは、リジッドフレキシブル基板を使用することによって、前述した配置が実現されている。しかし、この場合、リジッドフレキシブル基板を貼り付ける支持部材が必要である。そのため、モジュールのサイズが大型化してしまう。
【0008】
従って、本発明の目的は、前記課題を解決することにあって、大型化とコストアップとを抑制しつつ、センサ素子の縦向きの配置を実現することができるセンサモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明は以下のように構成する。
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、
実装面を有するリジッド基板と、
前記リジッド基板の実装面に接合され、電極を有する回路素子と、
検出軸、電極が形成される第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面、及び前記第1主面と前記第2主面とを繋ぐ側面であって前記リジッド基板の実装面に接合される側面を有する縦置センサ素子と、
導電性の配線パターンが形成されるフレキシブル基板と、を備え、
前記フレキシブル基板の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と前記縦置センサ素子の電極とを電気的に接続する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、大型化とコストアップとを抑制しつつ、センサ素子の縦向きの配置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るセンサモジュールの斜視図。
【
図2】
図1のセンサモジュールのセンサ素子をY方向から見た側面図。
【
図3】本発明の第1実施形態の変形例に係るセンサモジュールのセンサ素子をY方向から見た側面図。
【
図4】本発明の第2実施形態に係るセンサモジュールの斜視図。
【
図5】本発明の第3実施形態に係るセンサモジュールの斜視図。
【
図6】
図5のセンサモジュールのセンサ素子をY方向から見た側面図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、実装面を有するリジッド基板と、前記リジッド基板の実装面に接合され、電極を有する回路素子と、検出軸、電極が形成される第1主面、前記第1主面の反対側の第2主面、及び前記第1主面と前記第2主面とを繋ぐ側面であって前記リジッド基板の実装面に接合される側面を有する縦置センサ素子と、導電性の配線パターンが形成されるフレキシブル基板と、を備え、前記フレキシブル基板の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と前記縦置センサ素子の電極とを電気的に接続する。
【0013】
この構成によれば、縦置センサ素子は、側面がリジッド基板の実装面に接合されることによってリジッド基板に対して縦置きに配置されている。つまり、縦置センサ素子を縦置きに配置するために、MID及び支持部材等の他の部材を必要としない。そのため、センサモジュールの大型化及びコストアップを抑制することができる。
【0014】
前記センサモジュールにおいて、前記縦置センサ素子の検出軸は、前記第1主面と直交または略直交に延びてもよい。
【0015】
この構成によれば、検出軸の向きを第1主面の向きによって容易に識別することができる。
【0016】
前記センサモジュールにおいて、前記縦置センサ素子の側面は、前記第1主面が前記リジッド基板の実装面と直交または略直交するように、前記リジッド基板の実装面に接合されてもよい。
【0017】
この構成によれば、縦置センサ素子がリジッド基板の実装面に対して斜め向きに実装される構成より、縦置センサ素子の実装姿勢を安定させることができる。
【0018】
前記センサモジュールにおいて、前記回路素子は、前記リジッド基板の実装面に接合される下面と、前記下面の反対側の上面と、を備えてもよく、前記回路素子の電極は、前記上面に形成されてもよい。
【0019】
この構成によれば、回路素子の電極が回路素子の上面以外、例えば回路素子の下面及び側面等に形成された構成より、フレキシブル基板の配線パターンを、回路素子の電極に容易に接続することができる。
【0020】
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、2つの前記縦置センサ素子と、2つの前記フレキシブル基板と、を備えてもよく、2つの前記縦置センサ素子の一方の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の他方の検出軸と直交または略直交してもよく、2つの前記フレキシブル基板の一方の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と2つの前記縦置センサ素子の一方の電極とを電気的に接続してもよく、2つの前記フレキシブル基板の他方の前記配線パターンは、前記回路素子の電極と2つの前記縦置センサ素子の他方の電極とを電気的に接続してもよい。
【0021】
この構成によれば、センサモジュールは、検出軸が互いに直交または略直交する2つの縦置センサ素子を備える。これにより、2軸の角速度検知が可能である。
【0022】
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、検出軸、電極が形成される一方主面、前記一方主面の反対側の他方主面、及び前記一方主面と前記他方主面とを繋ぐ側面を有し、前記他方主面が前記回路素子または前記リジッド基板の実装面に接合される横置センサ素子を更に備えてもよく、前記横置センサ素子の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の検出軸の各々と直交または略直交してもよく、前記横置センサ素子の電極は、前記回路素子の電極と電気的に接続されてもよい。
【0023】
この構成によれば、センサモジュールは、検出軸が互いに直交または略直交する3つのセンサ素子を備える。これにより、3軸の角速度検知が可能である。
【0024】
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、2つの前記回路素子を備えてもよく、2つの前記フレキシブル基板の一方の前記配線パターンは、2つの前記回路素子の一方の電極と2つの前記縦置センサ素子の一方の電極とを電気的に接続してもよく、2つの前記フレキシブル基板の他方の前記配線パターンは、2つの前記回路素子の他方の電極と2つの前記縦置センサ素子の他方の電極とを電気的に接続してもよい。
【0025】
この構成によれば、センサモジュールは2つの回路素子を備える。これにより、1つの回路素子のチャネル数が、センサモジュールが備えるセンサ素子の数より少ない場合であっても、全てのセンサ素子を回路素子に接続することができる。
【0026】
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、検出軸、電極が形成される一方主面、前記一方主面の反対側の他方主面、及び前記一方主面と前記他方主面とを繋ぐ側面を有し、前記他方主面が2つの前記回路素子のいずれかまたは前記リジッド基板の実装面に接合される横置センサ素子を更に備えてもよく、前記横置センサ素子の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の検出軸の各々と直交または略直交してもよく、前記横置センサ素子の電極は、2つの前記回路素子のいずれかの電極と電気的に接続されてもよい。
【0027】
この構成によれば、センサモジュールは、検出軸が互いに直交または略直交する3つのセンサ素子を備える。これにより、3軸の角速度検知が可能である。
【0028】
本発明の一態様に係るセンサモジュールは、検出軸、電極が形成される一方主面、前記一方主面の反対側の他方主面、及び前記一方主面と前記他方主面とを繋ぐ側面を有する2つの横置センサ素子を備えてもよく、2つの前記横置センサ素子の一方の前記他方主面は、2つの前記回路素子の一方または前記リジッド基板の実装面に接合されてもよく、2つの前記横置センサ素子の一方の検出軸は、2つの前記縦置センサ素子の検出軸の各々と直交または略直交してもよく、2つの前記横置センサ素子の一方の電極は、2つの前記回路素子の一方の電極と電気的に接続されてもよく、2つの前記横置センサ素子の他方は、3つの検出軸を有する3軸加速度センサであってもよく、2つの前記横置センサ素子の他方の前記他方主面は、2つの前記回路素子の他方または前記リジッド基板の実装面に接合されてもよく、2つの前記横置センサ素子の他方の電極は、2つの前記回路素子の他方の電極と電気的に接続されてもよい。
【0029】
この構成によれば、センサモジュールが3軸加速度センサを備える。そのため、センサモジュールは角速度に加えて加速度を検知することができる。
【0030】
前記センサモジュールにおいて、前記フレキシブル基板の前記配線パターンは、ワイヤを介して前記回路素子の電極と電気的に接続されてもよい。
【0031】
縦置センサ素子と回路素子との位置関係、及びフレキシブル基板の大きさ及び形状によっては、フレキシブル基板の配線パターンと回路素子の電極との直接の接続が困難な場合がある。この構成によれば、フレキシブル基板の配線パターンは、ワイヤを介して回路素子の電極と接続される。そのため、前記のような場合であっても、フレキシブル基板の配線パターンと回路素子の電極とを電気的に接続することができる。
【0032】
前記センサモジュールにおいて、前記フレキシブル基板は、前記リジッド基板の実装面に支持される第1面と、前記第1面の裏面であって前記配線パターンが露出する第2面と、を備えてもよい。
【0033】
この構成によれば、配線パターンが露出するフレキシブル基板の第2面と、リジッド基板の実装面及び回路素子の上面とは、同じ方向または略同じ方向を向く。そのため、フレキシブル基板の第2面に露出した配線パターンへのワイヤボンディングを、リジッド基板の実装面及び回路素子の上面に形成された電極へのワイヤボンディングと同じ工程で実行することができる。
【0034】
前記センサモジュールにおいて、前記フレキシブル基板の前記第1面は、前記リジッド基板の実装面に接合してもよい。
【0035】
この構成によれば、フレキシブル基板がリジッド基板に接合されるため、フレキシブル基板の姿勢を安定させることができる。
【0036】
以下、本発明の実施形態が、図面を参照しながら説明される。なお、本発明は、以下の実施形態によって限定されるものではない。また、図面において実質的に同一の部材については、同一の符号を付すことにより説明が省略される。以下では、説明の便宜上、「上面」、「下面」、「側面」等の方向を示す用語を用いるが、これらの用語は、本発明に係るセンサモジュールの使用状態等を限定することを意味するものではない。
【0037】
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサモジュールの斜視図である。
図2は、
図1のセンサモジュールのセンサ素子をY方向から見た側面図である。図中のX,Y,Z方向は、それぞれ、センサモジュール10の幅方向、奥行き方向、高さ方向を示す。
【0038】
図1及び
図2に示すセンサモジュール10は、例えば自動車等の移動体に搭載される。例えば、センサモジュール10は、先進運転支援システム(ADAS: Advanced Driver Assistance System)等に使用される。センサモジュール10は、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸からなる3次元空間の直交座標系において、X軸、Y軸、Z軸それぞれの角速度を検知する。つまり、第1実施形態に係るセンサモジュール10は、3軸角速度センサモジュールである。
【0039】
図1に示すように、センサモジュール10は、リジッド基板20と、回路素子30と、センサ素子40と、センサ素子50,60と、2つのフレキシブル基板70とを備える。回路素子30は、リジッド基板20に実装されている。センサ素子40は、回路素子30に実装されている。センサ素子50,60は、リジッド基板20に実装されている。2つのフレキシブル基板70の一方は、センサ素子50と回路素子30とを電気的に接続する。2つのフレキシブル基板70の他方は、センサ素子60と回路素子30とを電気的に接続する。センサ素子40は、横置センサ素子の一例である。センサ素子50,60は、縦置センサ素子の一例である。
【0040】
リジッド基板20は、ガラスエポキシ樹脂で構成されている。リジッド基板20は、上面20Aと、上面20Aの反対側の下面20Bとを有する。上面20A及び下面20Bは、X方向及びY方向に拡がっており(つまり、X方向及びY方向と平行であり)、Z方向と直交している。上面20Aは、実装面の一例である。リジッド基板20は、高さ方向(Z方向)に薄い直方体形状である。つまり、第1実施形態において、リジッド基板20は、Z方向から見て四角形である。リジッド基板20は多層基板である。
【0041】
なお、リジッド基板20は、ガラスエポキシ樹脂以外で構成されていてもよい。例えば、リジッド基板20は、紙フェノール等のガラスエポキシ樹脂以外の樹脂で構成されていてもよいし、低温同時焼成セラミック等の樹脂以外の材料で構成されていてもよい。リジッド基板20は直方体形状に限らない。例えば、リジッド基板20は、Z方向から見て四角形以外の多角形であってもよい。リジッド基板20は、多層基板に限らず、片面基板または両面基板であってもよい。
【0042】
回路素子30は、センサ素子40,50,60を駆動し、センサ素子40,50,60の出力信号を処理する。回路素子30は、前述した駆動及び処理を実現するためのワイヤードロジックとして特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)を備える。
【0043】
回路素子30は、直方体形状である。回路素子30は、上面30Aと、上面30Aの反対側の下面30B、上面30Aと下面30Bとを繋ぐ側面30Cとを有する。
【0044】
図2に示すように、回路素子30の下面30Bは、リジッド基板20の上面20Aに、ダイボンド材90によって接合されている。ダイボンド材90は、回路素子30とリジッド基板20とを接続するものである。ダイボンド材90は、例えば、導電性接着剤、半田、Agペーストである。なお、
図1において、ダイボンド材90の図示は、省略されている。
【0045】
図1に示すように、回路素子30は、電極31を備える。電極31は、回路素子30の上面30Aの外縁部(四角形である上面30Aの4辺のうちの3辺)に形成されている。第1実施形態において、回路素子30は、9個の電極31を備える。9個の電極31のうち3個は、上面30AにおけるY方向の逆方向の端部に形成されており、ワイヤ32を介してセンサ素子40と電気的に接続されている。9個の電極31のうち別の3個は、上面30AにおけるX方向の逆方向の端部に形成されており、2つのフレキシブル基板70の一方を介してセンサ素子50と電気的に接続されている。9個の電極31のうち残りの3個は、上面30AにおけるY方向の端部に形成されており、2つのフレキシブル基板70の他方を介してセンサ素子60と電気的に接続されている。
【0046】
回路素子30は直方体形状に限らない。例えば、回路素子30は、Z方向から見て四角形以外の多角形であってもよい。電極31は、9個に限らない。センサ素子40,50,60の各々と電気的に接続される電極31の数は、3個に限らない。センサ素子40,50,60の各々と電気的に接続される電極31の数は、互いに同数であってもよいし、互いに異なる数であってもよい。
【0047】
第1実施形態において、センサ素子40,50,60は、同構成である。また、第1実施形態において、センサ素子40,50,60は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子である。
【0048】
センサ素子40は、主面40Aと、主面40Aの反対側の主面40Bと、主面40Aと主面40Bとを繋ぐ側面40Cとを備える。第1実施形態において、センサ素子40は、直方体形状である。そのため、主面40A,40Bは、四角形である。また、センサ素子40は4つの側面40Cを備え、各側面40Cは四角形である。
【0049】
同様に、センサ素子50は、四角形の主面50Aと、主面50Aの反対側にある四角形の主面50Bと、主面50Aと主面50Bとを繋ぐ4つの四角形の側面50Cとを備える。同様に、センサ素子60は、四角形の主面60Aと、主面60Aの反対側にある四角形の主面60Bと、主面60Aと主面60Bとを繋ぐ4つの四角形の側面60Cとを備える。
【0050】
主面40Aは一方主面の一例である。主面40Bは他方主面の一例である。主面50A,60Aは第1主面の一例である。主面50B,60Bは第2主面の一例である。
【0051】
センサ素子40の主面40Aには、3つの電極41が形成されている。センサ素子50の主面50Aには、3つの電極51が形成されている。センサ素子60の主面60Aには、3つの電極61が形成されている。
【0052】
センサ素子40は検出軸42を有する。検出軸42は主面40Aと直交している。センサ素子50は検出軸52を備える。検出軸52は主面50Aと直交している。センサ素子60は検出軸62を備える。検出軸62は主面60Aと直交している。なお、検出軸42は、主面40Aと完全に直交していなくてもよく、主面40Aと略直交していてもよい。同様に、検出軸52は主面50Aと直交または略直交していてもよく、検出軸62は主面60Aと直交または略直交していてもよい。
【0053】
センサ素子40は、検出軸42を回転軸として、センサモジュール10に作用した角速度を検出する。センサ素子50は、検出軸52を回転軸として、センサモジュール10に作用した角速度を検出する。センサ素子60は、検出軸62を回転軸として、センサモジュール10に作用した角速度を検出する。
【0054】
センサ素子40の主面40Bは、回路素子30の上面30Aに、ダイボンド材によって接合されている。このとき、センサ素子40は、主面40Aがリジッド基板20の上面20Aと平行な姿勢であって、主面40AがZ方向と直交する姿勢で配置される。これにより、センサ素子40の検出軸42は、Z方向と平行になる。
【0055】
センサ素子50の側面50Cは、リジッド基板20の上面20Aに、ダイボンド材90(
図2参照)によって接合されている。センサ素子50は、回路素子30に対してX方向の逆方向側に、回路素子30とX方向に対向して配置される。このとき、センサ素子50は、主面50Aがリジッド基板20の上面20Aと直交する姿勢であって、主面50AがX方向と直交する姿勢で配置される。これにより、センサ素子50の検出軸52は、X方向と平行になる。
【0056】
センサ素子60の側面60Cは、リジッド基板20の上面20Aに、ダイボンド材によって接合されている。センサ素子60は、回路素子30に対してY方向側に、回路素子30とY方向に対向して配置される。このとき、センサ素子60は、主面60Aがリジッド基板20の上面20Aと直交する姿勢であって、主面60AがY方向と直交する姿勢で配置される。これにより、センサ素子60の検出軸62は、Y方向と平行になる。
【0057】
センサ素子40,50,60が以上のような姿勢で配置されることによって、検出軸42,52,62は、互いに直交する。なお、検出軸42,52,62は、互いに完全に直交していなくてもよく、互いに略直交していてもよい。
【0058】
センサ素子40,50,60は、直方体形状に限らない。例えば、センサ素子40,50,60は、円柱形状であってもよい。センサ素子40,50,60の各々に形成される電極41,51,61は、3個に限らない。電極41,51,61の数は、互いに同数であってもよいし、互いに異なる数であってもよい。
【0059】
センサ素子40の3つの電極41の各々は、ワイヤ32を介して回路素子30の電極31と電気的に接続されている。
【0060】
センサ素子50の3つの電極51の各々は、2つのフレキシブル基板70の一方を介して回路素子30の電極31と電気的に接続されている。センサ素子60の3つの電極61の各々は、2つのフレキシブル基板70の他方を介して回路素子30の電極31と電気的に接続されている。
【0061】
2つのフレキシブル基板70は、帯状であり曲がっている。第1実施形態において、2つのフレキシブル基板70の一方は、曲がり位置からX方向及びZ方向に向かうように曲がっている。第1実施形態において、2つのフレキシブル基板70の他方は、曲がり位置からY方向の逆方向及びZ方向に向かうように曲がっている。
【0062】
フレキシブル基板70は、複数箇所において曲がっていてもよい。フレキシブル基板70が曲がる態様は、屈曲でもよいし湾曲でもよい。
【0063】
フレキシブル基板70は、本体部71と、本体部71に形成された配線パターン72とを備える。
【0064】
本体部71は、絶縁性の材料で構成されている。第1実施形態において、本体部71は、液晶ポリマーのフィルムで構成されている。なお、本体部71は、液晶ポリマーに限らず、例えば、ソルダレジスト、ポリイミド、ポリエステル等で構成されていてもよい。
図2に示すように、本体部71は、第1面71Aと、第1面71Aの反対側の第2面71Bとを備える。
【0065】
図1に示すように、2つのフレキシブル基板70の各々は、フレキシブル基板70と電気的に接続されるセンサ素子50,60の各々と同数の配線パターン72を備えている。配線パターン72は、導電性の材料、例えば銅で構成されている。各配線パターン72は同構成である。そのため、以下、1つの配線パターン72の構成が説明され、他の配線パターン72の構成の説明は省略される。
【0066】
図1に示すように、配線パターン72は、フレキシブル基板70の長手方向に沿って延びている。配線パターン72は、本体部71に覆われている。但し、配線パターン72の両端部は、フレキシブル基板70の本体部71の第1面71A(
図2参照)に露出している。
【0067】
第1面71Aに露出した配線パターン72の一端部は、導電性接着剤91(
図2参照)を介して、回路素子30の上面30Aに形成された電極31と電気的に接続されている。
【0068】
図2に示すように、2つのフレキシブル基板70の一方において、第1面71Aに露出した配線パターン72の他端部は、導電性接着剤91を介して、センサ素子50の主面50Aに形成された電極51と電気的に接続されている。
【0069】
図1に示すように、2つのフレキシブル基板70の他方において、第1面71Aに露出した配線パターン72の他端部は、導電性接着剤(不図示)を介して、センサ素子60の主面60Aに形成された電極61と電気的に接続されている。
【0070】
以上より、配線パターン72は、回路素子30の電極31とセンサ素子50,60の電極51,61とを電気的に接続する。
【0071】
第1実施形態によれば、センサ素子50,60は、側面50C,60Cがリジッド基板20の上面20Aに接合されることによってリジッド基板20に対して縦置きに配置されている。つまり、センサ素子50,60を縦置きに配置するために、MID及び支持部材等の他の部材を必要としない。そのため、センサモジュール10の大型化及びコストアップを抑制することができる。
【0072】
第1実施形態によれば、センサ素子50の検出軸52は主面50Aと直交または略直交に延びており、センサ素子60の検出軸62は主面60Aと直交または略直交に延びている。そのため、検出軸52の向きを主面50Aの向きによって容易に識別することができ、検出軸62の向きを主面60Aの向きによって容易に識別することができる。
【0073】
第1実施形態によれば、センサ素子50,60は、主面50A,60Aがリジッド基板20の上面20Aと直交または略直交するように上面20Aに実装されている。そのため、センサ素子50,60がリジッド基板20の上面20Aに対して斜め向きに実装される構成より、センサ素子50,60の実装姿勢を安定させることができる。
【0074】
第1実施形態によれば、回路素子30の電極31が回路素子30の上面30Aに形成されている。これにより、回路素子30の電極31が回路素子30の上面30A以外、例えば回路素子30の下面30B及び側面30Cに形成された構成より、フレキシブル基板70の配線パターン72を、回路素子30の電極31に容易に接続することができる。
【0075】
第1実施形態によれば、センサモジュール10は、検出軸52,62が互いに直交または略直交する2つのセンサ素子50,60を備える。これにより、2軸の角速度検知が可能である。
【0076】
第1実施形態によれば、センサモジュール10は、検出軸42,52,62が互いに直交または略直交する3つのセンサ素子40,50,60を備える。これにより、3軸の角速度検知が可能である。
【0077】
第1実施形態において、回路素子30は、ASICを備えている。しかし、回路素子30は、センサ素子40,50,60の駆動と、センサ素子40,50,60の出力信号の処理とを実行可能であることを条件として、ASIC以外で構成されてもよい。例えば、回路素子30は、ASICの代わりに、プログラム可能なワイヤードロジックであるFPGA(Field Programmable Gate Array)を備えていてもよい。また、例えば、回路素子30は、ASICの代わりに、CPU(Central Processing Unit)とプログラムが記憶されたメモリとを含むプロセッサを備えていてもよい。この場合、CPUがプログラムを実行することによって、前述した駆動及び処理が実現される。また、例えば、回路素子30は、ワイヤードロジックとプロセッサとを備えていてもよい。この場合、ワイヤードロジックとプロセッサとが組み合わされることによって、前述した駆動及び処理が実現される。
【0078】
第1実施形態において、回路素子30及びセンサ素子50,60は、ダイボンド材90を介してリジッド基板20に接合されており、センサ素子40は、ダイボンド材を介して回路素子30に接合されている。しかし、第1実施形態及び後述する各実施形態において、回路素子とセンサ素子との接合に用いられるのは、ダイボンド材に限らず、例えばダイアタッチフィルムであってもよい。
【0079】
第1実施形態において、配線パターン72は、導電性接着剤91を介して、回路素子30の電極31及びセンサ素子50,60の電極51,61と電気的に接続されている。しかし、第1実施形態及び後述する各実施形態において、回路素子の電極31とセンサ素子の電極との接続に用いられるのは、導電性接着剤に限らず、例えば異方性導電シートであってもよい。
【0080】
第1実施形態において、センサ素子40,50,60は、同構成であるが、異なる構成であってもよい。例えば、センサ素子40の形状が、センサ素子50,60の形状と異なる形状であってもよい。
【0081】
第1実施形態において、センサ素子40,50,60は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子であるが、MEMS素子でなくてもよい。
【0082】
第1実施形態及び後述する各実施形態において、電極31,41,51,61の位置は、
図1に示すような位置に限らない。例えば、電極31は、回路素子30の上面30Aの中央部に形成されていてもよい。
【0083】
第1実施形態において、電極31は、回路素子30の上面30Aに形成されているが、回路素子30の下面30B及び側面30Cの少なくとも一方に形成されていてもよい。同様に、電極41は、センサ素子40の主面40Aに形成されているが、センサ素子40の主面40B及び側面40Cの少なくとも一方に形成されていてもよい。
【0084】
第1実施形態において、センサ素子40,50,60の検出軸42,52,62は、互いに直交または略直交しているが、互いに直交及び略直交していなくてもよい。例えば、検出軸42,52,62が互いに60度の角度で交差していてもよい。
【0085】
第1実施形態において、センサ素子50,60は、主面50A,60Aがリジッド基板20の上面20Aと直交するように配置される。しかし、センサ素子50,60は、主面50A,60Aがリジッド基板20の上面20Aに対して傾斜するように配置されてもよい。例えば、主面50A,60Aと上面20Aとのなす角度が45度であってもよい。同様に、センサ素子40も、主面40Aがリジッド基板20の上面20Aに対して傾斜するように配置されてもよい。
【0086】
第1実施形態において、センサ素子40は回路素子30に接合されているが、センサ素子40はリジッド基板20に接合されていてもよい。第1実施形態において、センサ素子50,60はリジッド基板20に接合されているが、センサ素子50,60は回路素子30に接合されていてもよい。
【0087】
センサモジュール10は、必ずしも3つのセンサ素子40,50,60を備えていなくてもよい。例えば、センサモジュール10は、3つのセンサ素子40,50,60のうち、縦置きされた1つのセンサ素子50のみを備えていてもよい。また、例えば、センサモジュール10は、3つのセンサ素子40,50,60のうち、縦置きされた2つのセンサ素子50,60のみを備えていてもよい。
【0088】
センサモジュール10は、
図2に破線で示すように、フレキシブル基板70の曲がり位置及びその近傍に設けられた形状保持部材73を備えていてもよい。形状保持部材73は、プラスチック等の塑性材料で構成されている。形状保持部材73は、フレキシブル基板70と同様に曲げられている。形状保持部材73は、フレキシブル基板70の厚み方向の一方側(曲がりの内側)に、フレキシブル基板70の延設方向に沿って配置されている。
【0089】
形状保持部材73は、フレキシブル基板70の厚み方向の他方側(曲がりの外側)に配置されてもよいし、フレキシブル基板70の厚み方向の両側(曲がりの内側及び外側の双方)に、フレキシブル基板70を挟むように配置されてもよい。
【0090】
図3は、本発明の第1実施形態の変形例に係るセンサモジュールのセンサ素子をY方向から見た側面図である。フレキシブル基板70の曲がりの態様は、以下に説明するように、
図1及び
図2に示すような態様に限らない。第1実施形態では、
図1及び
図2に示すように、フレキシブル基板70は、曲がり位置からZ方向に向かうように曲がっている。しかし、フレキシブル基板70は、
図3に示すように、曲がり位置からZ方向と逆方向に向かうように曲がっていてもよい。
【0091】
<第2実施形態>
図4は、本発明の第2実施形態に係るセンサモジュールの斜視図である。第2実施形態に係るセンサモジュール10Aが第1実施形態に係るセンサモジュール10と異なることは、第1に、第2実施形態に係るセンサモジュール10Aが2つの回路素子301,302を備えていることである。また、第2実施形態に係るセンサモジュール10Aが第1実施形態に係るセンサモジュール10と異なることは、第2に、第2実施形態に係るセンサモジュール10Aが、3軸加速度センサであるセンサ素子80を更に備えることである。つまり、第2実施形態に係るセンサモジュール10Aは、6軸検知の物理量センサモジュールである。
【0092】
以下、第1実施形態との相違点が説明される。第1実施形態のセンサモジュール10との共通点については、同一の符号が付された上で、その説明は原則省略され、必要に応じて説明される。これは、後述する各実施形態においても同様である。
【0093】
図4に示すように、センサモジュール10Aは、リジッド基板20と、回路素子301,302と、センサ素子40と、センサ素子50,60と、フレキシブル基板70,70Aと、センサ素子80とを備える。センサ素子40は、回路素子301に実装されている。センサ素子80は、回路素子302に実装されている。フレキシブル基板70Aは、センサ素子60と回路素子301とを電気的に接続する。第2実施形態において、センサ素子40,80は横置センサ素子の一例であり、センサ素子50,60は縦置センサ素子の一例である。
【0094】
回路素子301は、センサ素子40,60を駆動し、センサ素子40,60の出力信号を処理する。回路素子302は、センサ素子50,80を駆動し、センサ素子50,80の出力信号を処理する。回路素子301,302は、直方体形状である。回路素子301,302は、第1実施形態の回路素子30と同様に、前述したような駆動及び処理を実現するためにASIC等(例えば、ASIC、FPGA、プロセッサ、またはこれらの組み合わせ)を備える。
【0095】
回路素子301は、上面301Aと、上面301Aの反対側の下面301Bと、上面301Aと下面301Bとを繋ぐ側面301Cとを有する。回路素子302は、上面302Aと、上面302Aの反対側の下面302Bと、上面302Aと下面302Bとを繋ぐ側面302Cとを有する。
【0096】
回路素子301の下面301B及び回路素子302の下面302Bは、リジッド基板20の上面20Aに、ダイボンド材によって接合されている。
【0097】
回路素子301,302は、回路素子30と同様に、上面301A,302Aの外縁部に電極31を備える。第2実施形態において、回路素子301,302は、それぞれ6個の電極31を備える。
【0098】
回路素子301の3個の電極31は、ワイヤ32を介してセンサ素子40と電気的に接続されている。回路素子301の残りの3個の電極31は、フレキシブル基板70Aを介してセンサ素子60と電気的に接続されている。
【0099】
回路素子302の3個の電極31は、フレキシブル基板70を介してセンサ素子50と電気的に接続されている。回路素子302の残りの3個の電極31は、ワイヤ32を介してセンサ素子80と電気的に接続されている。
【0100】
回路素子301,302は直方体形状に限らない。回路素子301,302の各々が備える電極31は6個に限らない。センサ素子40,50,60,80の各々と電気的に接続される電極31の数は、3個に限らない。また、センサ素子40,50,60,80の各々と電気的に接続される電極31の数は、互いに同数であってもよいし、互いに異なる数であってもよい。
【0101】
センサ素子80は、センサ素子40,50,60と同様に、主面80Aと、主面80Aの反対側の主面80Bと、主面80Aと主面80Bとを繋ぐ側面80Cとを備える。第2実施形態において、センサ素子80は、直方体形状である。主面80Aは一方主面の一例である。主面80Bは他方主面の一例である。
【0102】
センサ素子80の主面80Aには、3つの電極81が形成されている。
【0103】
センサ素子80は、互いに直交する3つの検出軸を有する。第2実施形態において、3つの検出軸は、それぞれX方向、Y方向、Z方向と平行に延びている。なお、3つの検出軸は、互いに完全に直交していなくてもよい、互いに略直交していてもよい。
【0104】
センサ素子80は、3つの検出軸の各々を回転軸として、センサモジュール10に作用した加速度を検出する。つまり、センサ素子60は、3軸加速度センサである。
【0105】
センサ素子40の主面40Bは、回路素子301の上面301Aに、ダイボンド材によって接合されている。このとき、センサ素子40は、第1実施形態と同様に、検出軸42がZ方向と平行になるように配置される。センサ素子50,60の側面50C,60Cは、第1実施形態と同様に、リジッド基板20の上面20Aに接合されている。これにより、センサ素子50の検出軸52はX方向と平行になり、センサ素子60の検出軸62はY方向と平行になる。これにより、第1実施形態と同様に、検出軸42,52,62は、互いに直交する。
【0106】
センサ素子40の3つの電極41の各々は、ワイヤ32を介して回路素子301の電極31と電気的に接続されている。
【0107】
センサ素子50の3つの電極51の各々は、フレキシブル基板70を介して回路素子302の電極31と電気的に接続されている。センサ素子60の3つの電極61の各々は、フレキシブル基板70Aを介して回路素子301の電極31と電気的に接続されている。つまり、第1実施形態では、センサ素子50,60はいずれも回路素子30と電気的に接続されていたが、第2実施形態では、センサ素子50が回路素子301と電気的に接続され、センサ素子60が回路素子302と電気的に接続されている。
【0108】
センサ素子80の3つの電極81の各々は、ワイヤ32を介して回路素子302の電極31と電気的に接続されている。
【0109】
フレキシブル基板70Aは、L字形状である。この点、フレキシブル基板70Aは、帯状であるフレキシブル基板70と異なる形状である。その他の点において、フレキシブル基板70Aは、フレキシブル基板70と同構成である。
【0110】
第2実施形態によれば、センサモジュール10Aは2つの回路素子301,302を備える。これにより、1つの回路素子の各々のチャネル数が、センサモジュール10Aが備えるセンサ素子の数より少ない場合であっても、全てのセンサ素子を回路素子に接続することができる。
【0111】
第2実施形態によれば、センサモジュール10Aは、検出軸42,52,62が互いに直交または略直交する3つのセンサ素子40,50,60を備える。これにより、3軸の角速度検知が可能である。
【0112】
第2実施形態によれば、センサモジュール10Aが3軸加速度センサであるセンサ素子80を備える。そのため、センサモジュール10Aは角速度に加えて加速度を検知することができる。
【0113】
第2実施形態において、センサ素子40は回路素子301に接合されているが、センサ素子40は回路素子302またはリジッド基板20に接合されていてもよい。第2実施形態において、センサ素子80は回路素子302に接合されているが、センサ素子80は回路素子301またはリジッド基板20に接合されていてもよい。第2実施形態において、センサ素子50,60はリジッド基板20に接合されているが、センサ素子50,60は回路素子301または回路素子302に接合されていてもよい。
【0114】
センサモジュール10Aは、必ずしも4つのセンサ素子40,50,60,80を備えていなくてもよい。例えば、センサモジュール10Aは、4つのセンサ素子40,50,60,80のうち、縦置きされた2つのセンサ素子50,60のみを備えていてもよい。また、例えば、センサモジュール10Aは、4つのセンサ素子40,50,60,80のうち、センサ素子80を除く3つのセンサ素子40,50,60のみを備えていてもよい。また、例えば、センサモジュール10Aは、4つのセンサ素子40,50,60,80のうち、センサ素子40を除く3つのセンサ素子50,60,80のみを備えていてもよい。
【0115】
<第3実施形態>
図5は、本発明の第3実施形態に係るセンサモジュールの斜視図である。
図6は、
図5のセンサモジュールのセンサ素子をY方向から見た側面図である。第3実施形態に係るセンサモジュール10Bが第2実施形態に係るセンサモジュール10Aと異なることは、2つのフレキシブル基板70Bの各々と回路素子301,302の各々とが、ワイヤ32を介して電気的に接続されていることである。
【0116】
図5に示すように、2つのフレキシブル基板70Bの一方は、センサ素子60と回路素子301とをワイヤ32を介して電気的に接続している。2つのフレキシブル基板70Bの他方は、センサ素子50と回路素子302とをワイヤ32を介して電気的に接続している。
【0117】
2つのフレキシブル基板70Bの各々は、フレキシブル基板70,70Aと同様に、本体部71と、本体部71に形成された配線パターン72とを備える。
【0118】
図6に示すように、本体部71は、第1面71Aと、第1面71Aの反対側の第2面71Bとを備える。なお、
図6では、2つのフレキシブル基板70Bの他方が示されているが、
図6に示されていない2つのフレキシブル基板70Bの一方は、2つのフレキシブル基板70Bの他方と同構成である。
【0119】
第1面71Aの一部は、ダイボンド材90を介してセンサ素子50の主面50Aに接合されている。第1面71Aの残りの一部は、ダイボンド材90を介してリジッド基板20の上面20Aに接合されている。つまり、第1面71Aは、ダイボンド材90を介してリジッド基板20の上面20Aに支持されている。
【0120】
フレキシブル基板70Bの配線パターン72の一端部は、フレキシブル基板70Bの本体部71の第1面71Aに露出している。フレキシブル基板70Bの配線パターン72の他端部は、フレキシブル基板70Bの本体部71の第2面71Bに露出している。つまり、配線パターン72は、第2面71Bに形成されている。
【0121】
図6に示すように、2つのフレキシブル基板70Bの他方の配線パターン72の一端部は、導電性接着剤91を介して、センサ素子60の電極61と電気的に接続されている。
図5及び
図6に示すように、2つのフレキシブル基板70Bの他方の配線パターン72の他端部72Aは、ワイヤ32を介して、回路素子302の電極31と電気的に接続されている。なお、配線パターン72と電極61とを電気的に接続するのは、導電性接着剤91に限らず、例えば異方性導電シートであってもよい。
【0122】
図示されていないが、2つのフレキシブル基板70Bの一方の配線パターン72の一端部は、導電性接着剤等を介して、センサ素子50の電極51と電気的に接続されている。
図5に示すように、2つのフレキシブル基板70Bの一方の配線パターン72の他端部72Aは、ワイヤ32を介して、回路素子301の電極31と電気的に接続されている。
【0123】
縦置にされたセンサ素子と回路素子との位置関係、及びフレキシブル基板の大きさ及び形状によっては、フレキシブル基板の配線パターンと回路素子の電極との直接の接続が困難な場合がある。第3実施形態によれば、フレキシブル基板70Bの配線パターン72は、ワイヤ32を介して回路素子301,302の電極31と接続される。そのため、前記のようにフレキシブル基板と回路素子との直接の接続が困難な場合であっても、フレキシブル基板70Bの配線パターン72と回路素子301,302の電極31とを電気的に接続することができる。
【0124】
第3実施形態によれば、配線パターン72が露出するフレキシブル基板70Bの第2面71Bと、リジッド基板20の上面20A及び回路素子301,302の上面301A,302Aとは、同じ方向または略同じ方向を向く。そのため、フレキシブル基板70Bの第2面71Bに露出した配線パターン72へのワイヤボンディングを、リジッド基板20の上面20A及び回路素子301,302の上面301A,302Aに形成された電極31へのワイヤボンディングと同じ工程で実行することができる。
【0125】
第3実施形態によれば、フレキシブル基板70Bがリジッド基板20に接合されるため、フレキシブル基板70Bの姿勢を安定させることができる。
【0126】
第3実施形態において、フレキシブル基板70Bとセンサ素子50,60及びリジッド基板20とは、ダイボンド材を介して接合されている。しかし、前述した接合に用いられるのは、ダイボンド材に限らず、例えばダイアタッチフィルムであってもよい。また、フレキシブル基板70Bは、センサ素子50,60及びリジッド基板20に接合されていなくてもよい。この場合、フレキシブル基板70Bの第1面71Aは、例えば、リジッド基板20の上面20Aによって他の部材を介することなく支持されている。
【0127】
第3実施形態において、フレキシブル基板70Bの配線パターン72の一端部は、ワイヤ32を介して、センサ素子60の電極61と電気的に接続されていてもよい。
【0128】
なお、前記様々な実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
【0129】
本発明は、適宜図面を参照しながら好ましい実施の形態に関連して充分に記載されているが、この技術に熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した請求の範囲による本発明の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0130】
10 センサモジュール
20 リジッド基板
20A 上面
30 回路素子
30A 上面
30B 下面
31 電極
32 ワイヤ
40 センサ素子(横置センサ素子)
40A 主面(一方主面)
40B 主面(他方主面)
40C 側面
41 電極
42 検出軸
50 センサ素子(縦置センサ素子)
50A 主面(第1主面)
50B 主面(第2主面)
50C 側面
51 電極
52 検出軸
60 センサ素子(縦置センサ素子)
60A 主面(第1主面)
60B 主面(第2主面)
60C 側面
61 電極
62 検出軸
70 フレキシブル基板
71A 第1面
71B 第2面
72 配線パターン
301 回路素子
301 回路素子