(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016243
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220114BHJP
B01J 35/02 20060101ALI20220114BHJP
B01J 21/16 20060101ALI20220114BHJP
C01G 23/00 20060101ALI20220114BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
A41D13/11 M
B01J35/02 J ZAB
B01J21/16 M
C01G23/00 C
A62B18/02 C
A41D13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020184098
(22)【出願日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0084394
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520430790
【氏名又は名称】レステク カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】パク,カ ウォン
【テーマコード(参考)】
2E185
4G047
4G169
【Fターム(参考)】
2E185AA08
2E185BA01
2E185CB11
2E185CC32
4G047CA07
4G047CA10
4G047CB09
4G047CC03
4G047CD03
4G169AA03
4G169BA04A
4G169BA04B
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BA08A
4G169BA08B
4G169BA10A
4G169BA10B
4G169BA16A
4G169BA16B
4G169BA48A
4G169BB04A
4G169BB04B
4G169BB05A
4G169BB05B
4G169BB16A
4G169BB16B
4G169BC09A
4G169BC09B
4G169BC10B
4G169CA11
4G169CA17
4G169EA03X
4G169EA09
4G169EB18X
4G169EB18Y
4G169EE06
4G169FC08
4G169HA01
4G169HA02
4G169HB01
4G169HC02
4G169HC16
4G169HD02
4G169HE07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】抗菌及び脱臭効果に非常に優れた二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを提供することにある。
【解決手段】二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク10は、着用者の口及び鼻のいずれか一つ以上を覆うマスク本体100と、使用者の耳にかかるように一対が前記マスク本体の両側にそれぞれ具備され、両端部が前記マスク本体の上部と下部にそれぞれ結合する固定紐200とを含み、前記マスク本体は、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の口及び鼻のいずれか一つ以上を覆うマスク本体と、
使用者の耳にかかるように一対が前記マスク本体の両側にそれぞれ具備され、両端部が前記マスク本体の上部と下部にそれぞれ結合する固定紐とを含み、
前記マスク本体は、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む抗菌脱臭層を含む、二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク。
【請求項2】
前記マスク本体は、裏地と、前記裏地上に形成されるフィルターと、前記フィルター上に形成される表地とを含み、
前記抗菌脱臭層は、前記フィルターの前記表地方向上に形成されるか、前記表地の前記フィルター方向上に形成される、請求項1に記載の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク。
【請求項3】
前記フィルター及び前記表地は、一部以上が超音波接着する、請求項2に記載の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク。
【請求項4】
前記マスク本体は、裏地と、前記裏地上に形成されるフィルターと、前記フィルター上に形成される中間材と、前記中間材上に形成される表地とを含み、
前記抗菌脱臭層は、前記中間材の表地方向上に形成される、請求項1に記載の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク。
【請求項5】
前記中間材及び前記表地は、一部以上が超音波接着する、請求項4に記載の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク。
【請求項6】
前記二酸化チタン粒子は、表面にベントナイト及びモンモリロナイトのいずれか一つ以上を媒介として黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び石灰粒子が付着した、請求項1~5のいずれかに記載の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、新型コロナウイルス、微細状物質、黄砂、環境汚染などの影響だけでなく、ファッションアイテムとしてのマスクの使用率が急増している。大部分のマスクは、使い捨てで製作されることが多いが、現実的に毎日マスクを交替することはコストの面で負担となる。
【0003】
現在は、マスクをいつでもどこでも毎日着用することが勧告されているが、マスクを買いにくい状況やマスクの費用さえ負担な理由により、使い捨てマスクを数回使用する場合が多い。
【0004】
マスクは、着用者の呼気による湿度及び口元、口の中についた食べ物などにより、細菌などが繁殖しやすい環境を提供するだけでなく、口腔疾患、胃腸疾患及び食べ物による口臭がマスクに滲み、使い捨てマスクを数回使用することは、むしろ健康を損なったり不快感をもたらす。
【0005】
そこで、マスクに抗菌及び脱臭機能を付与することで、長期間マスクを着用しても細菌の繁殖及び悪臭を防止することができ、マスクの寿命を延長させることができる抗菌脱臭マスクが必要である。
【0006】
一方、二酸化チタンは、無機物光触媒として、抗菌及び脱臭効果に優れ、多様な分野で使用されているが、最近、二酸化チタンが免疫系を低下させる可能性があるという一部の意見及び研究が出ている。このような意見及び研究は未だ検証されてはいないが、現在、ナノ粒子単位で使用されている二酸化チタンをそのまま使用することは憚られる状況である。
【0007】
従って、人体に吸入可能性が全くないように二酸化チタンを適用する技術も必要な実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、抗菌及び脱臭効果に非常に優れた二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、寿命が延長された二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを提供することにある。
【0010】
本発明のまた他の目的は、着用者に二酸化チタン粒子の吸入可能性の全くない二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを提供することにある。
【0011】
本発明の上記及びその他の目的は、下記で説明する本発明によって全て達成されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一つの観点は、二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクに関する。
【0013】
一具体例によると、前記二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクは、着用者の口及び鼻のいずれか一つ以上を覆うマスク本体と、使用者の耳にかかるように一対が前記マスク本体の両側にそれぞれ具備され、両端部が前記マスク本体の上部と下部にそれぞれ結合する固定紐とを含み、前記マスク本体は、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む抗菌脱臭層を含む。
【0014】
前記マスク本体は、裏地と、前記裏地上に形成されるフィルターと、前記フィルター上に形成される表地とを含むことができ、前記抗菌脱臭層は、フィルターの表地方向上に形成されるか、表地のフィルター方向上に形成されることができる。
【0015】
前記フィルター及び表地は、一部以上が超音波接着することができる。
【0016】
前記マスク本体は、裏地と、前記裏地上に形成されるフィルターと、前記フィルター上に形成される中間材と、前記中間材上に形成される表地とを含むことができ、前記抗菌脱臭層は、中間材の表地方向上に形成されることができる。
【0017】
前記中間材及び表地は、一部以上が超音波接着することができる。
【0018】
前記二酸化チタン粒子は、表面にベントナイト及びモンモリロナイトのいずれか一つ以上を媒介として黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び石灰粒子が付着したものであることができる。
【0019】
前記黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び石灰粒子の平均粒径(D50)と前記二酸化チタンの平均粒径(D50)は、0.1:1乃至0.3:1であることができる。
【0020】
前記平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子は、二酸化チタン形成用組成物で形成されることができ、前記二酸化チタン形成用組成物は、平均粒径(D50)1μm以下の二酸化チタン粒子85乃至95重量%及びマグネシウム5乃至15重量%を含むことができる。
【0021】
前記二酸化チタン粒子は、平均粒径(D50)1μm以下の二酸化チタン粒子85乃至95重量%及びマグネシウム5乃至15重量%を混合する段階と、前記混合物をチューブ炉内にH2/Ar雰囲気で500℃乃至550℃で4時間乃至6時間加熱する段階と、1.0M塩化水素(HCl)溶液で11時間乃至13時間の間撹拌する段階と、水で洗浄して酸を除去する段階と、乾燥する段階とで製造されることができる。
【0022】
本発明の他の観点は、抗菌脱臭パッドに関する。
【0023】
一具体例によると、前記抗菌脱臭パッドは、スパンボンドを含む中間材層と、前記中間材層上に平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む抗菌脱臭層とを含むことができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明は、抗菌及び脱臭効果に非常に優れ、寿命が延長され、着用者に二酸化チタン粒子の吸入可能性の全くない二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを提供する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一具体例による二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを簡単に図示したものである。
【
図2】
図1のマスク本体S-S’断面の一具体例を図示したものである。
【
図3】
図1のマスク本体S-S’断面の他の具体例を図示したものである。
【
図4】本発明の他の具体例による二酸化チタン粒子を簡単に図示したものである。
【
図5】本発明の一具体例による抗菌脱臭パッドを簡単に図示した断面である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、添付の図面を参照して、本出願の具体例をさらに詳しく説明する。しかし、本出願に開示された技術は、ここで説明する具体例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。
【0027】
但し、ここで紹介される具体例は、開示された内容が徹底でかつ完全になるように、そして当業者に本出願の思想が充分に伝達できるようにするために提供されるものである。図面で各装置の構成要素を明確に表現するために上記構成要素の幅や厚さなどのサイズを多少拡大して示した。また、説明の便宜のために構成要素の一部のみを図示することもあるが、当業者であれば構成要素の残りの部分に対しても容易に把握できるであろう。
【0028】
全体的に図面を説明する際に観察者の視点から説明し、一要素が他の要素の上部または下部に位置すると言及される場合、これは、上記一要素が他の要素の上部または下部に直ぐ位置するか、またはそれらの要素の間に追加の要素が介在されることができるという意味をいずれも含む。また、当該分野で通常の知識を有する者であれば、本出願の技術的思想を逸脱しない範囲内で本出願の思想を多様な他の形態で具現することができるであろう。そして、複数の図面上で同一の符号は実質的に互いに同一の要素を指称する。
【0029】
一方、本出願で述べる単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含むと理解されるべきであり、「含む」または「有する」などの用語は、記述する特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせに存在することを指定するものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品またはこれらの組み合わせの存在または付加可能性を予め排除しないと理解されるべきである。
【0030】
また、本明細書において、範囲を表す「X乃至Y」は「X以上、Y以下」を意味する。
【0031】
明細書全体において、ある部分が他の部分と「連結」されているとすると、これは直接的に連結されている場合だけでなく、その中間に他の素子を挟んで「電気的に連結」されている場合も含む。また、ある部分がある構成要素を「含む」とすると、これは特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するものではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0032】
二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク
図1を参考して、本発明の一具体例による二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを説明する。
図1は、本発明の一具体例による二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクを簡単に図示したものである。
【0033】
本発明の一具体例によると、前記二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスク10は、着用者の口及び鼻のいずれか一つ以上を覆うマスク本体100と、使用者の耳にかかるように一対が前記マスク本体の両側にそれぞれ具備され、両端部が前記マスク本体の上部と下部にそれぞれ結合する固定紐200とを含み、前記マスク本体100は、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む抗菌脱臭層を含む。
【0034】
前記マスク本体100は、着用者の口及び鼻のいずれか一つ以上を覆い、ウイルス、微細状物質、黄砂及び飛沫などを遮断する役割をする。本発明のマスク本体100は、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む抗菌脱臭層を含む。
【0035】
前記二酸化チタン粒子は、無機物光触媒として、抗菌及び脱臭効果に非常に優れている。しかし、これまでの二酸化チタン粒子は、ナノサイズの粒子で適用されており、かかる二酸化チタン粒子をマスクに適用する場合、着用者に吸入される恐れが大きいという問題がある。二酸化チタンは、食品添加物として使用されるほどに非常に安定し生物学的に無害な物質として知られているが、最近、免疫系を低下させる可能性があるという研究結果が出て、二酸化チタンの吸入可能性は人々に拒否感を与えている。
【0036】
本発明の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクは、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を適用することにより、着用者に吸入される可能性が全くないという長所がある。前記二酸化チタン粒子の平均粒径(D50)は、0.2mm乃至2mm、具体的に0.5mm乃至1.5mm、さらに具体的に0.7mm乃至1.2mmで適用することができる。前記粒径範囲において、二酸化チタン粒子の抗菌脱臭効果が充分に発揮されながらも、着用者に吸入される恐れがなく、マスクの使用中に二酸化チタン粒子が重力によってマスクの下に集まる現象を最小化することができる。
【0037】
前記平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を製造する方法については、後述する。
【0038】
前記固定紐200は、マスク本体100を着用者の顔に固定するために設けられたもので、着用者の耳にかかる部分である。かかる固定紐200は、マスク本体100の横方向の両側にそれぞれ具備され、マスク本体100と連結されることができる。
【0039】
具体的に、本発明における固定紐200は、閉曲線状、例えばリング状で具備されることで例示される。また固定紐200は、伸縮性のある材質で形成されることができる。このような固定紐200をその長さ方向に引っ張った時に、固定紐200を引っ張る前の状態(以下、基本状態という)より長さが増加されることができる。
【0040】
この時、固定紐200の長さが増加することに対応して、固定紐200の太さは減少することができる。即ち、固定紐200は、固定紐200を引っ張った時に基本状態より太さが減少しながら長さが増加することができる伸縮性材質で形成される。
【0041】
前記固定紐200は、固定紐結合部300、A、Bによってマスク本体100と連結することができる。即ち、固定紐結合部は、固定紐200と連結して固定紐200をマスク本体100に連結させることができる。
【0042】
前記固定紐結合部は、固定紐200の個数に対応する個数で設けられる。本実施例では、マスク本体100の横方向の両側に一つずつ、即ち、一対の固定紐200が具備され、固定紐結合部もマスク本体100の横方向の両側に一つずつ、即ち、一対が具備されることができる。(A、B)
【0043】
前記固定紐結合部300は、固定紐が通る移動通路が基本状態である固定紐200の太さより狭い幅(例えば、断面積比が1:0.8乃至1:0.9)で形成されるようにマスク本体100に結合することができる。即ち、固定紐結合部300は、マスク本体100との間に形成された空間の幅が基本状態である、固定紐200の長さ方向で引っ張られていない状態である固定紐200の太さより狭い幅で形成されるようにマスク本体100に結合することができる。
【0044】
以下では、
図2を参考して、一具体例による本発明のマスク本体100の構成をさらに詳しく説明する。
図2は、
図1のマスク本体S-S’断面の一具体例を図示したものである。
【0045】
図2を参考すると、一具体例によるマスク本体100は、裏地107と、前記裏地107上に形成されるフィルター105と、前記フィルター105上に形成される表地101とを含むことができ、前記抗菌脱臭層103は、フィルター105の表地101方向上に形成されるか、表地101のフィルター105方向上に形成されることができる。
【0046】
前記裏地107及び表地101は、不織布として、スパンボンドを適用することができ、例えば、20gのスパンボンド乃至40gのスパンボンドを適用することができる。
【0047】
前記フィルター105は、ウイルス、微細状物質、黄砂及び飛沫のいずれか一つ以上を遮断することができるものであれば制限なく適用することができるが、例えば、mbフィルター30gsm及びmbフィルター40gsmのいずれか一つ以上を含むことができる。
【0048】
前記抗菌脱臭層103は、二酸化チタン粒子が分散している層を意味し、前記二酸化チタン粒子は、フィルター105の表地101方向上に形成されるか、表地101のフィルター105方向上に形成されることができる。前記フィルター105及び表地101は、表面に微細な繊維が絡まれ、平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子が別途の媒介体がなくても固定されることができる。具体的に、固定力を改善させるために、可塑性粘土を媒介体として適用することができ、例えば、ベントナイト及びモンモリロナイトのいずれか一つ以上を適用することができる。
【0049】
または、二酸化チタンの固定のために、前記フィルター105及び/または表地101上に二酸化チタン粒子を分散塗布した後、0.1J乃至0.5Jのエアガンまたはガスガンでエアまたはガスを噴射して固定力を高めることができる。
【0050】
または、二酸化チタン粒子をエアハンドガンまたはエアスプレーガンで前記フィルター105及び/または表地101に噴射して抗菌脱臭層103を形成させることで、二酸化チタン粒子の固定力を改善させることができる。
【0051】
具体例において、前記二酸化チタン粒子が形成されたフィルター105または表地101は、別途予め製作されてマスク製造工程に使用されることができ、この場合、工程性がさらに改善されるという効果がある。
【0052】
また、前記フィルター105及び表地101は、一部以上が超音波接着140されることができる。この場合、前記フィルター105と表地101との間に含まれている二酸化チタン粒子(抗菌脱臭層)の固定力をさらに改善させることができる。
図1は、超音波接着140が非常に一部分のみ形成されると図示されているが、二酸化チタン粒子の固定力を改善するために格子状で超音波接着させることができ、例えば、一辺の長さが8mm乃至12mmである格子状で超音波接着させることができる(図示せず)。
【0053】
以下、
図3を参考して、他の具体例による本発明のマスク本体100の構成をさらに詳しく説明する。
図3は、
図1のマスク本体S-S’断面の他の具体例を図示したものである。
【0054】
図3を参考すると、他の具体例によるマスク本体100は、裏地107と、前記裏地107上に形成されるフィルター105と、前記フィルター105上に形成される中間材109と、前記中間材109上に形成される表地101とを含むことができ、前記抗菌脱臭層103は、中間材109の表地101方向上に形成されることができる。
【0055】
前記裏地107、フィルター105及び表地101は、前記一具体例の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクと実質的に同一である。
【0056】
前記中間材109は、不織布として、スパンボンドを適用することができ、例えば、20gのスパンボンド乃至40gのスパンボンドを適用することができる。
【0057】
前記抗菌脱臭層103は、前記中間材109の表地101方向上に形成されることができ、この場合、中間材109及び抗菌脱臭層103は、別途の抗菌脱臭パッドに予め製作されて、マスク製造工程に使用されることができる。前記抗菌脱臭層103の二酸化チタン粒子を中間材109上に固定形成させる方法は、上記一具体例の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクと実質的に同一であり、抗菌脱臭パッドで別途製作してマスクを製造する場合、ウイルス、微細状物質、黄砂及び飛沫の遮断力がさらに改善され、二酸化チタン粒子が着用者に吸入されることをさらに効果的に防止することができる。
【0058】
この場合も、また、前記フィルター105及び表地101は、一部以上が超音波接着140されることができ、具体的な事項は、上記一具体例の二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクと実質的に同一である。
【0059】
以下では、
図4を参考して、本発明の他の具体例による二酸化チタン粒子を説明する。
図4は、本発明の他の具体例による二酸化チタン粒子を簡単に図示したものである。
【0060】
他の具体例の二酸化チタン粒子は、平均粒径(D50)0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子1031の表面上に黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び/または石灰粒子1033が付着したものであることができる。前記黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び/または石灰粒子1033は、抗菌及び脱臭効果をさらに改善させる役割と共に二酸化チタン粒子がマスクから離脱することを防止することができるという効果がある。
【0061】
この時、前記黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び石灰粒子1033の平均粒径(D50)と前記二酸化チタンの平均粒径(D50)は、0.1:1乃至0.3:1であることができる。前記平均粒径比範囲で粒子表面の屈曲によって二酸化チタン粒子の離脱が少なく、着用者に吸入されることを基本的に防止することができる。
【0062】
前記黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び/または石灰粒子1033は、可塑性粘土を媒介として二酸化チタン1031に付着することができ、例えば、前記可塑性粘土は、ベントナイト及びモンモリロナイトのいずれか一つ以上を含むことができる。前記可塑性粘土は、塑性工程を経ることなく乾燥工程だけでも二酸化チタンと前記黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び石灰粒子を互いに固定させることができ、このような可塑性粘土は、人体に全く害のない物質である。
【0063】
二酸化チタン粒子及び製造方法
前記平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子は、二酸化チタン形成用組成物で形成されることができ、前記二酸化チタン形成用組成物は、平均粒径(D50)1μm以下の二酸化チタン粒子85乃至95重量%及びマグネシウム5乃至15重量%を含むことができる。前記マグネシウム成分の含量が二酸化チタン粒子の粒径に影響を与えることができ、特に、上記含量範囲で二酸化チタンと前記マグネシウムは一部以上共融されることができ、工程温度を低くすることができるため、一定サイズ以上の二酸化チタン粒子が製造可能になる。また、前記マグネシウムは、可視光領域における触媒効率及びより低い電流における触媒効率を改善させる効果があり、抗菌脱臭効果がさらに改善されることができる。
【0064】
前記二酸化チタン粒子は、平均粒径(D50)1μm以下の二酸化チタン粒子85乃至95重量%及びマグネシウム5乃至15重量%を混合する段階と、前記混合物をチューブ炉内にH2/Ar雰囲気で500℃乃至550℃に4時間乃至6時間加熱する段階と、1.0M塩化水素(HCl)溶液で11時間乃至13時間の間撹拌する段階と、水で洗浄して酸を除去する段階と、乾燥する段階とで製造されることができる。
【0065】
抗菌脱臭パッド
本発明の他の観点は、抗菌脱臭パッドに関する。
図5を参考すると、前記抗菌脱臭パッドは、スパンボンドを含む中間材層109と、前記中間材層109上に平均粒径(D50)が0.2mm乃至2mmである二酸化チタン粒子を含む抗菌脱臭層103とを含むことができる。
【0066】
前記中間材層109上に前記抗菌脱臭層103を形成することは、前記二酸化チタンを含む抗菌脱臭マスクに記載したものと実質的に同一である。
【0067】
抗菌脱臭パッドは、抗菌脱臭層103を中間材層109に先に形成させたものであり、このような抗菌脱臭パッドは、マスク製造工程をさらに単純化させることができるという長所がある。
【0068】
図5では、中間材層109上に抗菌脱臭層103を形成することを例として挙げたが、表地101及びフィルター105上に抗菌脱臭層103を形成させた抗菌脱臭パッドを適用することもできる。
【0069】
以上、本発明の具体例を説明したが、本発明は、上記具体例に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で製造されることができ、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須的な特徴を変更せずとも他の具体的な形態で実施可能なことが理解できるであろう。従って、以上で記述した具体例は、全ての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解すべきである。
【符号の説明】
【0070】
10 抗菌脱臭マスク
100 マスク本体
101 表地
103 抗菌脱臭層
1031 二酸化チタン粒子
1033 黄土、炭、活性炭、白土、ゼオライト及び/または石灰粒子
105 フィルター
107 裏地
109 中間材
140 超音波接着
200 固定紐
300、A、B 固定紐結合部