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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162452
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20221017BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20221017BHJP
【FI】
H02J7/00 301B
H02J50/10
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067319
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】平下 英里
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503FA03
5G503GB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】使用する機器の大きさや機器内における受電コイルの位置等の違いに対して機器収納部の大きさや送電コイルの位置を調整して対応することができる充電装置を提供する。
【解決手段】充電装置は、充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部7を有する機器収納用箱体2と、機器収納部に収納されている機器を、機器内に設けられた受電コイルと機器収納部内に設けられた送電コイル20との電磁誘導により非接触で充電する充電機構部と、を備える。機器収納部が、機器収納用箱体の前側に開口し、機器収納用箱体の前側から機器を収納可能となっているとともに、機器収納用箱体内に設置された載置板4上に左右方向へ複数設けられる。載置板の設置位置を上下方向へ変更し、機器収納部の上下高さを調整することにより、機器収納部内における送電コイルの位置を相対的に調整可能である。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部を有する機器収納用箱体と、前記機器収納部に収納されている前記機器を、前記機器内に設けられた受電コイルと前記機器収納部内に設けられた送電コイルとの電磁誘導により非接触で充電する充電機構部とを備えた充電装置であって、
前記機器収納部が、前記機器収納用箱体の前側に開口し、前記機器収納用箱体の前側から前記機器を収納可能となっているとともに、前記機器収納用箱体内に設置された載置板上に左右方向へ複数設けられてなり、
前記載置板の設置位置を上下方向へ変更し、前記機器収納部の上下高さを調整することにより、前記機器収納部内における前記送電コイルの位置を相対的に調整可能であることを特徴とする充電装置。
【請求項2】
充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部を有する機器収納用箱体と、前記機器収納部に収納されている前記機器を、前記機器内に設けられた受電コイルと前記機器収納部内に設けられた送電コイルとの電磁誘導により非接触で充電する充電機構部とを備えた充電装置であって、
前記機器収納部が、前記機器収納用箱体の前側に開口し、前記機器収納用箱体の前側から前記機器を収納可能となっているとともに、前記機器収納用箱体内に設置された載置板上に左右方向へ複数設けられてなり、
さらに、前記機器収納部の後側を閉塞する閉塞板が前記載置板上に立設されており、
前記載置板上での前記閉塞板の設置位置を前後方向へ変更し、前記機器収納部の前後深さを調整することにより、前記機器収納部内における前記送電コイルの位置を相対的に調整可能であることを特徴とする充電装置。
【請求項3】
充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部を有する機器収納用箱体と、前記機器収納部に収納されている前記機器を、前記機器内に設けられた受電コイルと前記機器収納部内に設けられた送電コイルとの電磁誘導により非接触で充電する充電機構部とを備えた充電装置であって、
前記送電コイルを夫々1つずつ収納する複数のコイル収納部と、前記コイル収納部同士を一体化する本体部と、前記本体部を前記機器収納用箱体に取り付ける取付部とを備えたコイルユニットが設けられており、
前記コイルユニットの取付位置を変更することにより、前記機器収納部内における前記送電コイルの位置を調整可能であることを特徴とする充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえばタブレット端末等の機器を充電しながら保管するための充電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、タブレット端末等の機器を充電するにあたり、充電用ケーブル等を用いずに非接触で充電可能とした充電装置としては、たとえば特許文献1に記載されているようなものが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-7851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の充電装置では、充電可能な機器に関して、機器の大きさや機器内における受電コイルの位置等の制限が大きい。したがって、使用する機器の大きさや機器内における受電コイルの位置等に応じて、機器が収納される機器収納部の大きさや送電コイルの位置等を設計しなければならず、コストが嵩むという問題がある。また、そのように機器の種類の変更に対応することができないため、使い勝手の面でも問題を抱えている。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであって、使用する機器の大きさや機器内における受電コイルの位置等の違いに対して機器収納部の大きさや送電コイルの位置を調整して対応することができ、低コスト化を図ることができるとともに使い勝手にも優れた充電装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部を有する機器収納用箱体と、前記機器収納部に収納されている前記機器を、前記機器内に設けられた受電コイルと前記機器収納部内に設けられた送電コイルとの電磁誘導により非接触で充電する充電機構部とを備えた充電装置であって、前記機器収納部が、前記機器収納用箱体の前側に開口し、前記機器収納用箱体の前側から前記機器を収納可能となっているとともに、前記機器収納用箱体内に設置された載置板上に左右方向へ複数設けられてなり、前記載置板の設置位置を上下方向へ変更し、前記機器収納部の上下高さを調整することにより、前記機器収納部内における前記送電コイルの位置を相対的に調整可能であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部を有する機器収納用箱体と、前記機器収納部に収納されている前記機器を、前記機器内に設けられた受電コイルと前記機器収納部内に設けられた送電コイルとの電磁誘導により非接触で充電する充電機構部とを備えた充電装置であって、前記機器収納部が、前記機器収納用箱体の前側に開口し、前記機器収納用箱体の前側から前記機器を収納可能となっているとともに、前記機器収納用箱体内に設置された載置板上に左右方向へ複数設けられてなり、さらに、前記機器収納部の後側を閉塞する閉塞板が前記載置板上に立設されており、前記載置板上での前記閉塞板の設置位置を前後方向へ変更し、前記機器収納部の前後深さを調整することにより、前記機器収納部内における前記送電コイルの位置を相対的に調整可能であることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項3に記載の発明は、充電可能な機器を収納可能な複数の機器収納部を有する機器収納用箱体と、前記機器収納部に収納されている前記機器を、前記機器内に設けられた受電コイルと前記機器収納部内に設けられた送電コイルとの電磁誘導により非接触で充電する充電機構部とを備えた充電装置であって、前記送電コイルを夫々1つずつ収納する複数のコイル収納部と、前記コイル収納部同士を一体化する本体部と、前記本体部を前記機器収納用箱体に取り付ける取付部とを備えたコイルユニットが設けられており、前記コイルユニットの取付位置を変更することにより、前記機器収納部内における前記送電コイルの位置を調整可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、機器収納部が、機器収納用箱体の前側に開口し、機器収納用箱体の前側から機器を収納可能となっているとともに、機器収納用箱体内に設置された載置板上に左右方向へ複数設けられてなる。そして、載置板の設置位置を上下方向へ変更し、機器収納部の上下高さを調整することにより、機器収納部内における送電コイルの位置を相対的に調整可能としている。したがって、機器の大きさや機器内における受電コイルの位置等の違いに対して機器収納部の大きさを調整して対応可能であり、低コスト化を図ることができるとともに使い勝手にも優れた充電装置とすることができる。また、載置板の設置位置を上下方向へ変更することで、全ての機器収納部の上下高さを同時に調整することができるため、調整作業の簡易化を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、機器収納部が、機器収納用箱体の前側に開口し、機器収納用箱体の前側から機器を収納可能となっているとともに、機器収納用箱体内に設置された載置板上に左右方向へ複数設けられてなり、さらに、機器収納部の後側を閉塞する閉塞板が載置板上に立設されてなる。そして、載置板上での閉塞板の設置位置を前後方向へ変更し、機器収納部の前後深さを調整することにより、機器収納部内における送電コイルの位置を相対的に調整可能としている。したがって、機器の大きさや機器内における受電コイルの位置等の違いに対して機器収納部の大きさを調整して対応可能であり、低コスト化を図ることができるとともに使い勝手にも優れた充電装置とすることができる。また、閉塞板の設置位置を前後方向へ変更することで、全ての機器収納部の前後深さを同時に調整することができるため、調整作業の簡易化を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、送電コイルを夫々1つずつ収納する複数のコイル収納部と、コイル収納部同士を一体化する本体部と、本体部を機器収納用箱体に取り付ける取付部とを備えたコイルユニットが設けられてなる。そして、コイルユニットの取付位置を変更することにより、機器収納部内における送電コイルの位置を調整可能としている。したがって、機器の種類が異なることによる受電コイルの位置の違いについて、コイルユニットの取付位置を調整して対応可能であり、低コスト化を図ることができるとともに使い勝手にも優れた充電装置とすることができる。また、コイルユニットの取付位置を変更することで、全ての送電コイルの機器収納部内での位置を同時に調整することができるため、調整作業の簡易化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施例となる充電装置を前側から示した斜視説明図である。
図2】第1実施例となる充電装置を前側から示した説明図である。
図3】第1実施例となる充電装置の箱本体の内部構造を示した斜視説明図である。
図4図3における領域Aを拡大して示した説明図である。
図5図3における領域Bを拡大して示した説明図である。
図6】第2実施例となる充電装置の前面、上面、及び右側面を示した斜視説明図である。
図7】第2実施例となる充電装置を前側から示した説明図である。
図8】第2実施例となる充電装置の前面、底面、及び右側面を示した斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態となる充電装置について図面にもとづき詳細に説明する。
【0010】
(第1実施例)
図1は、第1実施例となる充電装置1を前側から示した斜視説明図である。図2は、充電装置1を前側から示した説明図である。図3は、箱本体2の内部構造を示した斜視説明図である。図4は、図3における領域Aを拡大して示した説明図である。図5は、図3における領域Bを拡大して示した説明図である。
【0011】
第1実施例となる充電装置1は、機器としてのタブレット端末50を保管するための機器収納用箱体として構成されており、天板、底板、背板、及び左右側板を有して前面に開口する箱本体2には、複数のタブレット端末50を夫々箱本体2の前側から収納可能な収納部3と、収納部3に収納されているタブレット端末50を充電するための充電機構部とが設けられている。収納部3は、箱本体2に対して上下方向へスライド可能に取り付けられた載置板4と、載置板4上を前後方向へスライド可能に取り付けられた検知板5と、載置板4上に立設された複数の仕切り板6、6・・とを備えている。載置板4は、上下方向が厚み方向となる板体で、箱本体2の左右の側板間に架設されている。また、検知板5は、前後方向が厚み方向となる板体で、載置板4の後部に取り付けられている。さらに、各仕切り板6は、左右方向が厚み方向となる板体で、検知板5のスライド範囲よりも前側において、左右方向へ所定の間隔毎に設置されている。そして、収納部3では、箱本体2の前側に開口しているとともに、左右で隣り合う仕切り板6、6(載置板4の左右両端では、左右両端に位置する仕切り板6と箱本体2の側板)、載置板4、検知板5、及び箱本体2の天板で囲まれる空間が、1つのタブレット端末50を収納可能な機器収納部7とされ、該機器収納部7が左右方向に複数並設されている。なお、各仕切り板6には鉄板8が取り付けられており、所定の機器収納部7に収納されたタブレット端末50を充電するにあたり、当該機器収納部7内に設置されている送電コイル20が、隣接する機器収納部7内に収納されているタブレット端末50に影響を及ぼさないようになっている。
【0012】
一方、充電機構部としては、箱本体2内において載置板4の下方に配設される電線19と、電線19に電気的に接続された複数の送電コイル20、20・・とを備えてなる。送電コイル20、20・・は、機器収納部7、7・・に対応して設けられており、対応する機器収納部7に収納されたタブレット端末50(所定の受電コイルが内蔵されたタブレット端末50)を、送電コイル20と受電コイルとの電磁誘導により非接触で充電することができる。なお、電線19は、箱本体2に設けられた図示しない電源供給部(充電機構部の一要素であって、たとえば電源プラグ又は電源コンセント)に接続されており、その電源供給部を介して送電コイル20、20・・へ商用電力が供給されるようになっている。
【0013】
ここで、充電装置1の要部である機器収納部7の上下高さの調整構造、及び機器収納部7の前後深さの調整構造について説明する。
まず機器収納部7の上下高さの調整構造について説明すると、箱本体2の側板内面の前端部には、側板の前縁に沿って上下方向へ延びる第1案内溝9が刻設されている。また、箱本体2の側板内面で、第1案内溝9から載置板4の前後長さと同じ距離だけ後方となる箇所には、上下方向へ延びる第2案内溝10が刻設されている。また、箱本体2の側板前面(特に左側の側板前面)には、上下方向に延びる長孔状に形成された調整孔11が開設されており、該調整孔11は第1案内溝9内まで貫通している。一方、載置板4の四隅(前縁の左右両端及び後縁の左右両端)には、夫々左右外方へ突出する案内突起12、12・・が設けられており、前側の案内突起12は第1案内溝9内に、後側の案内突起12は第2案内溝10内に夫々嵌入可能となっている。そのような載置板4は、案内突起12、12・・を夫々対応する案内溝9、10内に嵌入させた状態で、調整孔11を介して前面に調整ネジ13をねじ込むことにより、箱本体2内に設置される。そして、調整孔11の上下長さの範囲内において載置板4を上下方向へスライドさせ、調整孔11内での調整ネジ13の位置、すなわち調整ネジ13によるネジ止め位置を変更することによって、載置板4の箱本体2に対する設置高さ、ひいては機器収納部7の上下高さを調整することができる。なお、載置板4には、各送電コイル20を対応する機器収納部7内へ突出させるための複数のスリット14、14・・が設けられている。
【0014】
次に機器収納部7の前後深さの調整構造について説明すると、検知板5の左右両下隅には、前方へ突出する調整片15、15が設けられており、各調整片15には前後方向へ延びる長孔状の調整スリット16が穿設されている。そのような検知板5は、調整スリット16を介して載置板4の上面に調整ネジ17をねじ込むことにより、載置板4上に設置される。そして、調整スリット16の前後長さの範囲において検知板5を前後方向へスライドさせ、調整スリット16内における調整ネジ17の位置を相対的に変更することによって、載置板4上での検知板5の前後位置、ひいては機器収納部7の前後深さを調整することができる。なお、検知板5の前面には、機器収納部7に収納されたタブレット端末50を検出するためのスイッチ18が、各機器収納部7毎に対応して設けられている。そして、スイッチ18によりタブレット端末50が検出されると、箱本体2に内蔵された制御装置(図示せず)による制御のもと、箱本体2の前面に設けられたランプ(図示せず)が点灯するようになっており、当該ランプの点灯をもってタブレット端末50が適切な深さまで収納されていることを報知する。
【0015】
以上のような構成を有する充電装置1によれば、機器収納部7が、箱本体2の前側に開口し、箱本体2の前側からタブレット端末50を収納可能となっているとともに、箱本体2内に設置された載置板4上に左右方向へ複数設けられてなる。そして、載置板4の箱本体2に対する設置位置を上下方向へ変更し、機器収納部7の上下高さを調整することにより、機器収納部7、7・・内における送電コイル20、20・・の位置を相対的に調整可能としている。また、機器収納部7の後側を閉塞する検知板5が載置板4上に立設されており、載置板4上での検知板5の設置位置を前後方向へ変更し、機器収納部7、7・・の前後深さを調整することにより、機器収納部7、7・・内における送電コイル20、20・・の位置を相対的に調整可能としている。したがって、タブレット端末50の大きさやタブレット端末50内における受電コイルの位置等の違いに対して機器収納部7、7・・の大きさを調整して対応することができるため、低コスト化を図ることができるとともに使い勝手にも優れた充電装置1とすることができる。また、載置板4の設置位置を上下方向へ変更することで、全ての機器収納部7、7・・の上下高さを同時に調整することができるとともに、検知板5の設置位置を前後方向へ変更することで、全ての機器収納部7、7・・の前後深さを同時に調整することができるため、調整作業の簡易化を図ることができる。
【0016】
(第2実施例)
図6は、第2実施例となる充電装置21の前面、上面、及び右側面を示した斜視説明図である。図7は、充電装置21を前側から示した説明図である。図8は、充電装置21の前面、底面、及び右側面を示した斜視説明図である。
【0017】
第2実施例となる充電装置21は、第1実施例の充電装置1同様、機器としてのタブレット端末50を保管するための機器収納用箱体として構成されており、天板、底板、背板、及び左右側板を有して前面に開口する箱本体22には、複数のタブレット端末50を夫々箱本体2の前側から収納可能な収納部23と、収納部23に収納されているタブレット端末50を充電するための充電機構部とが設けられている。収納部23は、箱本体2の内部空間を上下で仕切るように設置された載置板24と、載置板24上に立設された複数の仕切り板26、26・・とを備えている。載置板24は、上下方向が厚み方向となる板体で、箱本体22の左右の側板間に架設されている。また、各仕切り板26は、左右方向が厚み方向となる板体で、載置板4上において左右方向へ所定の間隔毎に設置されている。そして、収納部23では、箱本体2の前側に開口しているとともに、左右で隣り合う仕切り板26、26(載置板24の左右両端では、左右両端に位置する仕切り板26と箱本体22の側板)、載置板24、箱本体22の背板、及び箱本体2の天板で囲まれる空間が、1つのタブレット端末50を収納可能な機器収納部27とされ、該機器収納部27が左右方向に複数並設されている。なお、各仕切り板26には鉄板28が取り付けられており、所定の機器収納部27に収納されたタブレット端末50を充電するにあたり、当該機器収納部27内に設置されている送電コイル(図示せず)が、隣接する機器収納部27内に収納されているタブレット端末50に影響を及ぼさないようになっている。
【0018】
一方、充電機構部としては、箱本体22内において載置板24の下方に配設される電線(図示せず)と、電線に電気的に接続された複数の送電コイルとを備えてなり、電線と送電コイルとは後述するコイルユニット30内に収納されている。また、送電コイルは、機器収納部27、27・・に対応して設けられており、対応する機器収納部27に収納されたタブレット端末50(所定の受電コイルが内蔵されたタブレット端末50)を、送電コイルと受電コイルとの電磁誘導により非接触で充電することができる。なお、電線は、箱本体22に設けられた図示しない電源供給部(充電機構部の一要素であって、たとえば電源プラグ又は電源コンセント)に接続されており、その電源供給部を介して送電コイルへ商用電力が供給されるようになっている。
【0019】
ここで、充電装置21の要部であるコイルユニット30の位置調整構造について説明する。
コイルユニット30は、左右に延びる筒状に形成され、内部に電線が配設される電線収納部31と、円盤状に形成され、内部に送電コイルが収納されるコイル収納部32、32・・と、上下に延びる筒状に形成され、各コイル収納部32と電線収納部31とを繋ぐ連結部33、33・・と、コイルユニット30を箱本体22に取り付けるための取付部34、34とを備えてなる。各取付部34は、回転操作可能なハンドル35と、ハンドル35を回転操作することによってハンドル35の軸方向へねじ送りされる押圧板36とを有しており、ハンドル35が左右方向で内側に、押圧板36が左右方向で外側に夫々位置する状態で電線収納部31の左右両端に設けられている。一方、載置板4には、コイル収納部32と、そのコイル収納部32から延びる連結部33とを挿通可能な複数のスリット37、37・・が設けられている。各スリット37は、前後方向に長い長孔状に形成されており、各機器収納部27毎にその底面に開口している。
【0020】
上述したようなコイルユニット30は、載置板4の下方からスリット37、37・・を介してコイル収納部32、32・・を対応する機器収納部27、27・・内へ突出させ、連結部33、33・・がスリット37、37・・内に位置する状態で、各取付部34においてハンドル35を回転操作し、押圧板36をねじ送りさせ箱本体2の側板内面に押し当てることによって取り付けられる。そして、連結部33の上下長さ及びスリット37の前後長さの範囲内において、コイルユニット30の取付位置を上下方向及び前後方向に変更することによって、各機器収納部27内におけるコイル収納部32の位置、ひいては送電コイルの位置を調整することができる。
【0021】
以上のような構成を有する充電装置21によれば、送電コイルを夫々1つずつ収納する複数のコイル収納部32、32・・と、コイル収納部32、32・・同士を一体化する本体部として、電線を収納する電線収納部31及び電線収納部31と各コイル収納部32とを連結する連結部33、33・・と、電線収納部31を箱本体22に取り付ける取付部34、34とを備えたコイルユニット30が設けられてなる。そして、コイルユニット30の取付位置を変更することにより、機器収納部27、27・・内におけるコイル収納部32、32・・の位置、ひいては送電コイルの位置を調整可能としている。したがって、タブレット端末50の種類が異なることによる受電コイルの位置の違いについて、コイルユニット30の取付位置を調整して対応可能であり、低コスト化を図ることができるとともに使い勝手にも優れた充電装置21とすることができる。また、コイルユニット30の取付位置を変更することで、全ての送電コイルの機器収納部27、27・・内での位置を同時に調整することができるため、調整作業の簡易化を図ることができる。
【0022】
なお、本発明に係る充電装置は、上記実施形態の態様に何ら限定されるものではなく、充電装置の全体的な構成は勿論、機器収納部内における送電コイルの位置の調整に係る構成等についても必要に応じて適宜変更することができる。
【0023】
たとえば、上記実施形態では、機器がタブレット端末であるとしているが、モバイル機器や携帯型パソコン等の他の充電可能な機器についても本発明は好適に採用することができる。
また、たとえば第1実施例の充電装置においても、第2実施例同様の構造で、コイルユニットを、その取付位置を変更可能に設けることも可能である。
さらに、第1実施例の充電装置において、載置板による機器収納部の上下高さの調整しかできないように構成することも可能であるし、閉塞板による機器収納部の前後深さの調整かできないように構成してもよい。
加えて、第1実施例の充電装置では、上下高さの調整及び前後深さの調整に関して長孔状の調整孔や調整スリットを設けるとしているが、たとえば箱本体の側板に上下方向へ複数の設置孔を並設したり、調整片に前後方向へ複数の設置孔を並設したりして、どの設置孔を利用して載置板や閉塞板を設置するかを変更することで上下高さや前後深さの調整を行うことも可能であり、設置位置の変更に係る具体的構造は適宜設計変更可能である。なお、コイルユニットの取付構造についても上記第2実施例の構造に限定されないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0024】
1、21・・充電装置、2、22・・箱本体(機器収納用箱体)、4・・載置板、5・・検知板(閉塞板)、7、27・・機器収納部、20・・送電コイル、30・・コイルユニット、31・・電線収納部(本体部)、32・・コイル収納部、33・・連結部(本体部)、34・・取付部、50・・タブレット端末(機器)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8