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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162477
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】収容装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 39/02 20060101AFI20221017BHJP
   F26B 3/04 20060101ALI20221017BHJP
   F26B 15/16 20060101ALI20221017BHJP
   F26B 25/12 20060101ALI20221017BHJP
   A47B 31/02 20060101ALI20221017BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
A47J39/02
F26B3/04
F26B15/16
F26B25/12 A
A47B31/02 D
A47B31/00 H
A47B31/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067359
(22)【出願日】2021-04-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (公開1:内覧会▲1▼) 内覧会日:令和02年08月05日 開催場所:JA常陸 中央農機センター(茨城県那珂市横堀60-1) (公開2:内覧会▲2▼) 内覧会日:令和02年08月06日 開催場所:東海農工株式会社(茨城県那珂郡東海村石神外宿2570-3) (公開3) 開催日:令和02年11月24日 開催場所:農業住谷市雄の農場(茨城県ひたちなか市足崎703-1) (公開4) 開催日:令和02年11月24日 開催場所:農業西野肇の農場(茨城県ひたちなか市中根1309) (公開5) 開催日:令和02年11月24日 開催場所:農業照沼康生の農場(茨城県那珂郡東海村石神外宿233)
(71)【出願人】
【識別番号】000197344
【氏名又は名称】静岡製機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095614
【弁理士】
【氏名又は名称】越川 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】浅井 綱一郎
(72)【発明者】
【氏名】青島 由武
(72)【発明者】
【氏名】高橋 秀武
(72)【発明者】
【氏名】大場 智文
(72)【発明者】
【氏名】和田 昴
(72)【発明者】
【氏名】梅林 秀行
【テーマコード(参考)】
3L113
4B066
【Fターム(参考)】
3L113AA03
3L113AB02
3L113AC08
3L113AC43
3L113BA16
3L113CB05
3L113DA11
3L113DA24
4B066AA05
4B066AB04
4B066BA06
(57)【要約】
【課題】台車の底板の側面と本体の側壁との間に過大な隙間が生じてしまうのを回避することができ、乾燥効率、加温効率又は冷却効率を向上させることができる収容装置を提供する。
【解決手段】底板2に形成された車輪により移動自在とされた台車1と、台車1を内部に進入させて収容させ得る開口部5が形成され、一対の側壁(7a、7b)を含む壁部、上方を覆う天板9及び台車1の底板2によって収容空間Sが形成される本体4と、本体4の収容空間Sの温度又は湿度を被収容物に応じて調整して被収容物を乾燥、加温又は冷却し得る調整手段とを有した収容装置であって、台車1及び本体4の側壁(7a、7b)は、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せる引き寄せ手段(11、12)を具備したものである。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収容物を載置可能とされるとともに、底板に形成された車輪により移動自在とされた台車と、
前記台車を内部に進入させて収容させ得る開口部が形成され、当該開口部を開放又は閉止し得る扉部を有するとともに、前記開口部の側方に形成された一対の側壁を含む壁部、上方を覆う天板及び前記台車の底板によって収容空間が形成される本体と、
前記本体の収容空間の温度又は湿度を前記被収容物に応じて調整して前記被収容物を乾燥、加温又は冷却し得る調整手段と、
を有した収容装置であって、
前記台車及び前記本体の前記側壁は、前記本体の前記開口部から前記台車を進入させる過程で前記側壁を対峙する前記台車の底板の側面に向かって引き寄せる引き寄せ手段を具備したことを特徴とする収容装置。
【請求項2】
前記引き寄せ手段は、
前記台車又は前記本体の前記側壁の何れか一方に形成され、転動可能な転動部と、
前記台車及び前記本体の前記側壁のうち、前記転動部のない他方に形成され、前記転動部と当接し得る当接部と、
を有し、前記本体の前記開口部から前記台車を進入させる過程において、前記転動部が前記当接部と当接しつつ転動して前記側壁を前記台車の底板の側面に向かって引き寄せることを特徴とする請求項1記載の収容装置。
【請求項3】
前記引き寄せ手段は、前記本体の前記開口部から前記台車を進入させる過程で前記側壁を対峙する前記台車の底板の側面に向かって引き寄せて、当該台車の側面に側壁を密着させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の収容装置。
【請求項4】
前記側壁と前記台車の底板の側面との密着部には、シール材が形成されたことを特徴とする請求項3記載の収容装置。
【請求項5】
前記引き寄せ手段は、前記側壁における前記開口部の近傍位置と、前記台車の車輪のうち前記本体に対する進入方向に対して後ろ側に位置する後輪の近傍位置と、にそれぞれ形成されたことを特徴とする請求項1~4の何れか1つに記載の収容装置。
【請求項6】
前記台車の底板における先端部は、前記本体に対する進入方向に勾配したテーパ形状が形成されていることを特徴とする請求項1~5の何れか1つに記載の収容装置。
【請求項7】
前記調整手段は、前記収容空間を加熱して前記被収容物を乾燥する乾燥装置、前記収容空間を加温して前記被収容物を加温する加温装置、又は前記収容空間を冷却して前記被収容物を冷蔵する保冷装置から成ることを特徴とする請求項1~6の何れか1つに記載の収容装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体内に被収容物を載置した台車を収容させるとともに、被収容物に応じて本体の収容空間の温度を調整し得る収容装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
被収容物を載置可能な台車と、台車を内部に収容させる収容空間を有した本体と、台車が本体内に収容された状態で収容空間の温度を被収容物に応じて調整する調整手段とを具備した収容装置について、例えば特許文献1に開示されている。かかる従来の収容装置は、本体の正面に開口部が形成され、その開口部に対して台車を進入させて収容可能とされており、台車を収容させた状態で扉部を閉止状態にして収容空間を閉空間とするとともに、調整手段を作動させることにより、被収容物(トレイ上の食品)を加温可能とされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-101217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術においては、本体の開口部に対して台車を進入させて収容させたとき、台車の底板の側面と本体の側壁との間に隙間が生じてしまい、加温効率が低下してしまうという問題がある。特に、本体における開口部の側方に位置する一対の側壁は、開口部によって強度が低下しており、下方に向かって外側に湾曲してしまう虞があり、その場合、台車の底板の側面と本体の側壁との間の離間寸法が設定より大きくなってしまい、より加温効率が低下してしまう虞があった。なお、上記従来技術においては、収容空間の温度を上げて被収容物を加温するものであるが、被収容物を乾燥又は冷却するものにおいても同様の課題がある。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、台車の底板の側面と本体の側壁との間に過大な隙間が生じてしまうのを回避することができ、乾燥効率、加温効率又は冷却効率を向上させることができる収容装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、被収容物を載置可能とされるとともに、底板に形成された車輪により移動自在とされた台車と、前記台車を内部に進入させて収容させ得る開口部が形成され、当該開口部を開放又は閉止し得る扉部を有するとともに、前記開口部の側方に形成された一対の側壁を含む壁部、上方を覆う天板及び前記台車の底板によって収容空間が形成される本体と、前記本体の収容空間の温度又は湿度を前記被収容物に応じて調整して前記被収容物を乾燥、加温又は冷却し得る調整手段とを有した収容装置であって、前記台車及び前記本体の前記側壁は、前記本体の前記開口部から前記台車を進入させる過程で前記側壁を対峙する前記台車の底板の側面に向かって引き寄せる引き寄せ手段を具備したことを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の収容装置において、前記引き寄せ手段は、前記台車又は前記本体の前記側壁の何れか一方に形成され、転動可能な転動部と、前記台車及び前記本体の前記側壁のうち、前記転動部のない他方に形成され、前記転動部と当接し得る当接部とを有し、前記本体の前記開口部から前記台車を進入させる過程において、前記転動部が前記当接部と当接しつつ転動して前記側壁を前記台車の底板の側面に向かって引き寄せることを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の収容装置において、前記引き寄せ手段は、前記本体の前記開口部から前記台車を進入させる過程で前記側壁を対峙する前記台車の底板の側面に向かって引き寄せて、当該台車の底板の側面に側壁を密着させることを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の収容装置において、前記側壁と前記台車の底板の側面との密着部には、シール材が形成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1~4の何れか1つに記載の収容装置において、前記引き寄せ手段は、前記側壁における前記開口部の近傍位置と、前記台車の車輪のうち前記本体に対する進入方向に対して後ろ側に位置する後輪の近傍位置と、にそれぞれ形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1~5の何れか1つに記載の収容装置において、前記台車の底板における先端部は、前記本体に対する進入方向に勾配したテーパ形状が形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項7記載の発明は、請求項1~6の何れか1つに記載の収容装置において、前記調整手段は、前記収容空間を加熱して前記被収容物を乾燥する乾燥装置、前記収容空間を加温して前記被収容物を加温する加温装置、又は前記収容空間を冷却して前記被収容物を冷蔵する保冷装置から成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明によれば、台車及び本体の側壁は、本体の開口部から台車を進入させる過程で側壁を対峙する台車の底板の側面に向かって引き寄せる引き寄せ手段を具備したので、台車の底板の側面と本体の側壁との間に過大な隙間が生じてしまうのを回避することができ、乾燥効率、加温効率又は冷却効率を向上させることができる。
【0014】
請求項2の発明によれば、引き寄せ手段は、台車又は本体の側壁の何れか一方に形成され、転動可能な転動部と、台車及び本体の側壁のうち、転動部のない他方に形成され、転動部と当接し得る当接部とを有し、本体の開口部から台車を進入させる過程において、転動部が当接部と当接しつつ転動して側壁を台車の底板の側面に向かって引き寄せるので、側壁を台車の底板の側面に向かって確実且つ円滑に引き寄せることができる。
【0015】
請求項3の発明によれば、引き寄せ手段は、本体の開口部から台車を進入させる過程で側壁を対峙する台車の底板の側面に向かって引き寄せて、当該台車の底板の側面に側壁を密着させるので、収容空間を密閉状態とすることができ、乾燥効率、加温効率又は冷却効率をより向上させることができる。
【0016】
請求項4の発明によれば、側壁と台車の底板の側面との密着部には、シール材が形成されたので、収容空間の気密性をより向上させることができ、乾燥効率、加温効率又は冷却効率をより一層向上させることができる。
【0017】
請求項5の発明によれば、引き寄せ手段は、側壁における開口部の近傍位置と、台車の車輪のうち本体に対する進入方向に対して後ろ側に位置する後輪の近傍位置と、にそれぞれ形成されたので、台車が本体の開口部から進入して収容される直前のタイミングで側壁を対峙する台車の底板の側面に向かって引き寄せることができ、台車の開口部からの進入動作を妨げることなく側壁を台車の底板の側面に向かって引き寄せることができる。
【0018】
請求項6の発明によれば、台車の底板における先端部は、本体に対する進入方向に勾配したテーパ形状が形成されているので、本体の開口部に台車を進入させる際にテーパ形状によって台車を案内させることができる。
【0019】
請求項7の発明によれば、調整手段は、収容空間を加熱して被収容物を乾燥する乾燥装置、収容空間を加温して被収容物を加温する加温装置、又は収容空間を冷却して被収容物を冷蔵する保冷装置から成るので、乾燥装置の乾燥効率、加温装置の加温効率又は保冷装置の冷却効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の実施形態に係る収容装置の台車及び本体を示す斜視図
図2】同収容装置の台車及び本体を示す側面図
図3】同収容装置の台車における車輪(後輪)近傍を示す斜視図
図4】同収容装置の本体における側壁の開口部近傍を示す斜視図
図5】同収容装置の引き寄せ手段の作用を説明するための模式図
図6】同収容装置の本体に台車を収容させる前の状態を示す底面図
図7】同収容装置の本体に台車を収容させた状態を示す底面図
図8】同収容装置の本体に台車を収容させた状態(扉部が開放した状態)を示す正面図
図9】同収容装置の本体に台車を収容させた状態(扉部が閉止した状態)を示す正面図
図10】本発明の他の実施形態に係る収容装置の台車の下部を示す側面図
図11】同収容装置の本体に台車を収容させた状態(扉部が開放した状態)を示す正面図
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る収容装置は、本体内に農産物等の被収容物を載置した台車を収容させるとともに、本体の収容空間の温度を調整して農産物を乾燥し得るもので、図1、2に示すように、車輪(前輪R1及び後輪R2)によって移動自在な台車1と、台車1を内部に収容可能な本体4と、本体4に取り付けられた乾燥装置10(調整手段)とを有して構成されている。
【0022】
台車1は、車輪(前輪R1及び後輪R2)が形成された底板2を有するとともに、当該底板2上に載置部3が取り付けられている。かかる載置部3は、複数のトレイ(不図示)を多段に亘って保持し得る構成とされており、それぞれのトレイには、被収容物としての農産物(例えば芋等)が載置可能とされている。また、載置部3の側面(台車1の前輪R1側)には、図1、2に示すように、転動可能なコロから成る案内車輪R3がそれぞれ取り付けられている。さらに、台車1の底板2における先端部(前輪R1の取付位置側)は、本体4に対する進入方向に勾配したテーパ形状2aが形成されている。
【0023】
本体4は、正面及び底面が開放(開口)した箱状部材から成り、台車1を内部に進入させて収容させ得る開口部5が形成されるとともに、当該開口部5を開放又は閉止し得る扉部6を有して構成されている。また、本実施形態に係る本体4は、開口部5の側方に形成された一対の側壁(7a、7b)を含む壁部、上方を覆う天板9及び台車1の底板2によって収容空間Sが形成されるようになっている。
【0024】
すなわち、扉部6を開放した状態において、台車1を本体4の開口部5から進入させて収容させると、図8に示すように、本体4の壁部(一対の側壁(7a、7b)及び開口部5と対峙する位置の奥壁8にて構成される壁部)及び天板9によって、台車1及び載置部3の周囲及び上方が囲まれるとともに、台車1の底板2によって収容空間Sが形成されるのである。そして、図9に示すように、扉部6を閉止することにより、本体4の壁部及び天板9と台車1の底板2とによって、収容空間Sが閉空間とされるようになっている。
【0025】
また、本体4の下部(一対の側壁(7a、7b)のそれぞれの底部)には、車輪Ra及び支持部Tが形成されており、所望位置に移動可能とされている。なお、本実施形態においては、壁部及び天板9は、板状のステンレス材にて構成されているが、他の材質の壁部及び天板9としてもよい。
【0026】
乾燥装置10(本発明の調整手段)は、本体4の収容空間Sの温度又は湿度を被収容物に応じて調整して被収容物を乾燥させるためのもので、本体4の所定部位に取り付けられている。本実施形態に係る乾燥装置10は、電気ヒータを具備するとともに、その電気ヒータで加熱された空気を収容空間Sに送り込むことにより、載置部3のトレイに載置された芋等の農産物を乾燥し得るよう構成されている。
【0027】
ここで、本実施形態に係る収容装置は、台車1及び本体4の側壁(7a、7b)は、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せる引き寄せ手段(11、12)を具備して構成されている。本実施形態に係る引き寄せ手段11は、台車1に形成され、転動可能な転動部11aを有するとともに、引き寄せ手段12は、本体4の側壁(7a、7b)のそれぞれに形成され、転動部11aと当接し得る当接部12aを有している。
【0028】
転動部11aは、図3、6に示すように、底板2に対して垂直方向の回転軸Lを中心に転動可能なコロ(車輪)から成り、台車1における底板2に取り付けられた支持金具11bにより回転自在に支持されている。また、転動部11aは、台車1の車輪のうち本体4に対する進入方向に対して後ろ側に位置する後輪R2の近傍位置(後輪R2より後ろ側)に左右一対で形成されている。
【0029】
当接部12aは、図4、6に示すように、金属製のプレス板pを折り曲げた立ち上がり部から成り、本体4の側壁(7a、7b)における開口部5の近傍位置(車輪Raの取付位置)にそれぞれ形成されている。かかる当接部12aは、本体4の開口部5から台車1を進入させて収容させた状態において、図7に示すように、転動部11aと当接する位置に取り付けられている。
【0030】
なお、本実施形態に係る引き寄せ手段(11、12)は、台車1に転動部11aが形成され、側壁(7a、7b)に当接部12aが形成されているが、台車1に当接部12aが形成され、側壁(7a、7b)に転動部11aが形成されるものでもよい。すなわち、引き寄せ手段(11,12)は、転動部11aが台車1又は本体4の側壁(7a、7b)の何れか一方に形成され、当接部12aが台車1及び本体4の側壁(7a、7b)のうち、転動部11aがない他方に形成されている。
【0031】
そして、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程(図6の離間状態から図7の収容状態に至る過程)において、図5に示すように、転動部11aが当接部12aと当接しつつ転動して(同図(a)参照)、側壁(7a、7b)を台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せる(同図(b)参照)ようになっている。これにより、図8に示すように、台車1が本体4内に収容された状態において、台車1の底板2の側面2bに対して側壁(7a、7b)を近接させることができ、これらの間に過大な隙間が生じるのを抑制することができる。
【0032】
特に、本実施形態に係る引き寄せ手段(11、12)は、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せて、当該台車1の底板2の側面2bに側壁(7a、7b)を密着させるようになっている。なお、引き寄せ手段(11,12)は、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の側面に向かって引き寄せるものであれば足り、台車1の底板2の側面2bに側壁(7a、7b)を密着させず、単に近接させるものとしてもよい。
【0033】
さらに、図10、11に示すように、側壁(7a、7b)と台車1の底板2の側面2bとを密着させるものにおいては、その密着部に、シール材Wを形成するのが好ましい。この場合、図11に示すように、引き寄せ手段(11、12)が本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せると、側壁(7a、7b)と台車1の底板2の側面2bとの間にシール材Wが介在してシールすることができる。なお、シール材Wは、台車1の底板2の側面2bに形成するものの他、側壁(7a、7b)における底板2の側面2bと対峙する部位に形成するようにしてもよい。
【0034】
しかるに、台車1が本体4の内部に収容された状態において、図9に示すように、扉部6を閉じることにより、本体4の壁部(一対の側壁(7a、7b)及び開口部5と対峙する位置の奥壁8にて構成される壁部)及び天板9と、台車1の底板2とによって、閉状態の収容空間Sが形成されるので、乾燥装置10を作動させることにより、載置部3に載置された農産物を乾燥させることができる。
【0035】
本実施形態によれば、台車1及び本体4の側壁(7a、7b)は、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せる引き寄せ手段(11、12)を具備したので、台車1の底板2の側面2bと本体4の側壁(7a、7b)との間に過大な隙間が生じてしまうのを回避することができ、乾燥効率を向上させることができる。特に、本実施形態においては、農家の納屋等、埃が飛散し易い環境下で使用されることが想定されるので、台車1の底板2の側面2bと本体4の側壁(7a、7b)との間の隙間を抑制することにより、十分な防塵効果を奏することができる。
【0036】
また、引き寄せ手段(11、12)は、台車1又は本体4の側壁(7a、7b)の何れか一方に形成され、転動可能な転動部11aと、台車1及び本体4の側壁(7a、7b)のうち、転動部11aがない他方に形成され、転動部11aと当接し得る当接部12aとを有し、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程において、転動部11aが当接部12aと当接しつつ転動して側壁(7a、7b)を台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せるので、側壁(7a、7b)を台車1の底板2の側面2bに向かって確実且つ円滑に引き寄せることができる。
【0037】
さらに、引き寄せ手段(11、12)は、本体4の開口部5から台車1を進入させる過程で側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せて、当該台車1の底板2の側面2bに側壁(7a、7b)を密着させるので、収容空間Sを密閉状態とすることができ、乾燥効率をより向上させることができる。またさらに、他の実施形態のように、側壁(7a、7b)と台車1の底板2の側面2bとの密着部にシール材Wを形成すれば、収容空間Sの気密性をより向上させることができ、乾燥効率をより一層向上させることができる。
【0038】
また、引き寄せ手段(11、12)は、側壁(7a、7b)における開口部5の近傍位置と、台車1の車輪のうち本体4に対する進入方向に対して後ろ側に位置する後輪R2の近傍位置と、にそれぞれ形成されたので、台車1が本体4の開口部5から進入して収容される直前のタイミングで側壁(7a、7b)を対峙する台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せることができ、台車1の開口部5からの進入動作を妨げることなく側壁(7a、7b)を台車1の底板2の側面2bに向かって引き寄せることができる。
【0039】
さらに、本実施形態によれば、台車1の底板2における先端部は、本体4に対する進入方向に勾配したテーパ形状2aが形成されているので、本体4の開口部5に台車1を進入させる際にテーパ形状2aによって台車1を案内させることができる。またさらに、調整手段は、収容空間Sを加熱して農産物(被収容物)を乾燥する乾燥装置10から成るので、乾燥装置10の乾燥効率を向上させることができる。
【0040】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、本体4の収容空間Sの温度又は湿度を被収容物に応じて調整するものであれば、収容空間Sを加熱して被収容物を乾燥する乾燥装置10に代えて、収容空間Sを加温して被収容物を加温する加温装置、又は収容空間Sを冷却して被収容物を冷蔵する保冷装置としてもよい。調整手段を加温装置とした場合、加温装置の加温効率を向上させることができ、保冷装置とした場合、保冷装置の保冷効率を向上させることができる。また、被収容物は、農産物に限らず、乾燥、保温又は冷却等が行われる他のものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本体の開口部から台車を進入させる過程で側壁を対峙する台車の底板の側面に向かって引き寄せる引き寄せ手段を具備したことを特徴とする収容装置であれば、外観形状が異なるもの或いは他の機能が付加されたもの等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0042】
1 台車
2 底板
2a テーパ形状
2b 側面
3 載置部
4 本体
5 開口部
6 扉部
7a、7b 側壁
8 奥壁
9 天板
10 乾燥装置(調整手段)
11、12 引き寄せ手段
11a 転動部
11b 支持金具
12a 当接部
p プレス板
R1 車輪(前輪)
R2 車輪(後輪)
R3 案内車輪
Ra 車輪
T 支持部
L 回転軸
S 収容空間
W シール材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11