(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162482
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】配線作業支援装置および配線作業支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 30/10 20200101AFI20221017BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
G06F30/10 200
G06T1/00 200D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067367
(22)【出願日】2021-04-12
(71)【出願人】
【識別番号】501290687
【氏名又は名称】シェルエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】森竹 隆広
(72)【発明者】
【氏名】石井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 徹
【テーマコード(参考)】
5B050
5B146
【Fターム(参考)】
5B050AA04
5B050BA10
5B050BA18
5B050BA20
5B050CA01
5B050DA06
5B050EA06
5B050EA19
5B050FA02
5B050FA05
5B050GA08
5B146DA05
5B146DE02
5B146DE04
5B146DG07
5B146DL04
5B146DL08
(57)【要約】
【課題】紙図面をスキャナで読み取ったファイルや、印刷イメージのファイルを原データとして変換することで、手作業による配線作業の効率化、正確性を向上させる配線支援が可能な配線作業支援装置および配線作業支援プログラムを提供する。
【解決手段】配線作業支援装置は、図面を示す印刷イメージデータD2から図面を表示手段に表示するとき図面イメージデータD3を生成する画像データ変換手段と、印刷イメージデータD3に埋め込まれた文字情報と線分情報とを抽出して関連付けた図面情報データを生成する情報生成手段と、図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する作業支援手段と、図面イメージデータD3をベース図面に、抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示する描画手段とを備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
図面を示す印刷イメージデータから前記図面を表示手段に表示するときのベース図面となる図面イメージデータを生成する画像データ変換手段と、
前記印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報と線分情報とを抽出して関連付けた図面情報データを生成する情報生成手段と、
前記図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する作業支援手段と、
前記図面イメージデータをベース図面に、前記抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示する描画手段とを備えた配線作業支援装置。
【請求項2】
前記情報生成手段は、
前記印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報を抽出して文字情報データベースを構築する文字情報抽出手段と、
前記印刷イメージデータから線分情報を抽出して線分情報データベースを構築する線分情報抽出手段と、
前記線分情報データベースと前記線分情報データベースとを関連付けたリンクデータベースを構築するリンク処理手段とを備え、
前記作業支援手段は、前記文字情報データベースと前記線分情報データベースと前記リンクデータベースとによる図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する請求項1記載の配線作業支援装置。
【請求項3】
前記作業支援手段は、前記図面である配線図から信号名称または部品名称による文字情報に基づいて検索する名称検索手段を備え、
前記描画手段は、前記配線図から生成された前記図面情報データに基づいて前記名称検索手段により検索された文字情報をハイライト表示して前記図面イメージデータに重畳させて表示する請求項1または2記載の配線作業支援装置。
【請求項4】
前記作業支援手段は、前記図面である配線図から配線名称による文字情報に基づいて、前記配線名称に繋がる部品名称をリストとして、前記表示手段に出力する配線情報リスト化手段を備えた請求項1から3のいずれかの項に記載の配線作業支援装置。
【請求項5】
前記作業支援手段は、前記図面である配置図に掲載の名称による文字情報に基づいて、前記配置図の位置を検索する位置検出手段を備え、
前記描画手段は、前記配置図から生成された前記図面情報データに基づいて前記位置検出手段により検索された文字情報をハイライト表示して前記図面イメージデータに重畳させて表示する請求項1から4のいずれかの項に記載の配線作業支援装置。
【請求項6】
前記作業支援手段は、配線作業の対象信号を順に入力することで、作業者、信号名称および作業時間を作業履歴情報として記録して、前記表示手段に表示する作業管理手段を備えた請求項1から5のいずれかの項に記載の配線作業支援装置。
【請求項7】
前記文字情報データベースに含まれた部品を示す文字情報に基づいて、電気通信回線を介して部品メーカーのサイトにアクセスして、前記部品に関する部品情報をダウンロードして部品データベースとして記憶手段に格納する部品情報処理手段を備え、
前記作業支援手段は、部品を示す文字情報が前記図面にて選択されると、この部品名称に基づいて前記部品データベースから、前記部品情報を読み出し、前記表示手段に表示する部品DB処理手段を備えた請求項2記載の配線作業支援装置。
【請求項8】
コンピュータを、
図面を示す印刷イメージデータから前記図面を表示手段に表示するときのベース図面となる図面イメージデータを生成する画像データ変換手段、
前記印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報と線分情報とを抽出して関連付けた図面情報データとを生成する情報生成手段、
前記図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する作業支援手段、
前記図面イメージデータをベース図面に、前記抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示する描画手段として機能させる配線作業支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紙図面を読み取ったスキャンイメージファイルや印刷イメージファイルによる図面から、電子化された図面情報データであり、配線支援に使用される図面情報データを生成する配線作業支援装置および配線作業支援プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
CADシステムに、部品と部品との接続を示す配線を入力すると、部品を特定する情報に、配線情報が関連付けられたCADデータが生成される。
【0003】
例えば、特許文献1には、入出力信号仕様データをシート単位に振分けてシート構成データを作成し、得られたシート構成データに対し、シート配列ルールに基づいて複数のシートを配列し、さらにシート番号設定ルールに基づいて複数のシートそれぞれに対しシート番号を設定し、シート単位に振り分けられた入出力信号仕様データから個々の入出力信号毎に回路図判定ルールに基づいて入出力信号側の機器と入出力信号を処理する側の機器との接続関係を表す回路図を判定し、得られた回路図とシート単位に振り分けられた入出力信号仕様データに記載されている信号名称、機器符号などのコメントから成る作画内容に基づき、各シートに回路図面を作画する、回路図面作成装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようにして作成された回路図面に基づいて部品と部品とを接続する配線を手作業にて行うときには、依頼主から作業者に、紙図面または印刷イメージファイルにより提供され、配線情報が含まれたCADデータでは提供されない。そのため、CADデータであれば、ページ間を跨ぐ信号の接続状態なども配線情報から容易に把握できるが、単に、紙図面をスキャナで読み取りデジタルデータ化したり、印刷イメージのファイルから編集可能な形式の画像データに変換したりしたとしても、部品や配線が図形として変換されるだけである。
従って、これらのデータ化では、手作業による配線作業を、より効率化したり、正確性の向上を図ったりすることは難しい。
【0006】
そこで本発明は、紙図面をスキャナで読み取ったファイルや、印刷イメージのファイルを原データとして変換することで、手作業による配線作業の効率化、正確性を向上させる配線支援が可能な配線作業支援装置および配線作業支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の配線作業支援装置は、図面を示す印刷イメージデータから前記図面を表示手段に表示するときのベース図面となる図面イメージデータを生成する画像データ変換手段と、前記印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報と線分情報とを抽出して関連付けた図面情報データとを生成する情報生成手段と、前記図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する作業支援手段と、前記図面イメージデータをベース図面に、前記抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示する描画手段とを備えたことを特徴としたものである。
【0008】
本発明の配線作業支援プログラムは、図面を示す印刷イメージデータから前記図面を表示手段に表示するときのベース図面となる図面イメージデータを生成する画像データ変換手段、前記印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報と線分情報とを抽出して関連付けた図面情報データとを生成する情報生成手段、前記図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する作業支援手段、前記図面イメージデータをベース図面に、前記抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示する描画手段としてコンピュータを機能させることを特徴としたものである。
【0009】
本発明は、画像データ変換手段が図面を示す印刷イメージデータから図面を表示手段に表示するときのベース図面となる図面イメージデータを生成する。また、情報生成手段が、印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報と線分情報とを抽出して関連付けた図面情報データとを生成する。作業支援手段が、図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する。そして、描画手段が、図面イメージデータをベース図面に、抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示する。
従って、配線情報が含まれたCADデータが依頼者から提供されなくても、作業者が、図面イメージデータに重畳された、作業支援するための文字情報または線分情報を見ながら作業をすることで、効率よく、また正確に作業を行うことができる。
また、図面イメージデータ上に、抽出された文字情報または線分情報を重畳させるため、描画手段による描画の負担を軽減することができる。
【0010】
前記情報生成手段は、前記印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報を抽出して文字情報データベースを構築する文字情報抽出手段と、前記印刷イメージデータから線分情報を抽出して線分情報データベースを構築する線分情報抽出手段と、前記線分情報データベースと前記線分情報データベースとを関連付けたリンクデータベースを構築するリンク処理手段とを備え、前記作業支援手段は、前記文字情報データベースと前記線分情報データベースと前記リンクデータベースとによる図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力することができる。
文字情報抽出手段が、印刷イメージデータに埋め込まれた文字情報を抽出した文字情報データベースを構築する。また、線分情報抽出手段が、印刷イメージデータから線分情報を抽出して線分情報データベースを構築する。更に、リンク処理手段が、線分情報データベースと線分情報データベースとを関連付けるリンクデータベースを構築する。そして、作業支援手段が、文字情報データベースと線分情報データベースとリンクデータベースとによる図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力することにより、描画手段が、図面イメージデータをベース図面に、抽出された文字情報または線分情報を重畳させて表示することができる。
【0011】
前記作業支援手段は、前記図面である配線図から信号名称または部品名称による文字情報に基づいて検索する名称検索手段を備え、前記描画手段は、前記配線図から生成された前記図面情報データに基づいて前記名称検索手段により検索された文字情報をハイライト表示して前記図面イメージデータに重畳させて表示するものとすることができる。
名称検索手段が、図面である配線図から信号名称または部品名称による文字情報に基づいて検索することにより、描画手段は、配線図から生成された図面情報データに基づいて検索された文字情報をハイライト表示するので、簡単に信号名称または部品名称を見つけ出すことができる。
【0012】
前記作業支援手段は、前記図面である配線図から配線名称による文字情報に基づいて、前記配線名称に繋がる部品名称をリストとして、前記表示手段に出力する配線情報リスト化手段を備えたものとすることができる。
配線情報リスト化手段が、図面である配線図から配線名称による文字情報に基づいて、配線名称に繋がる部品名称をリストとして表示手段に出力するので、作業者は、このリストを参照しながら正確に作業を行うことができる。
【0013】
前記作業支援手段は、前記図面である配置図に掲載の名称による文字情報に基づいて、前記配置図の位置を検索する位置検出手段を備え、前記描画手段は、前記配置図から生成された前記図面情報データに基づいて前記位置検出手段により検索された文字情報をハイライト表示して前記図面イメージデータに重畳させて表示するものとすることができる。
位置検出手段が、図面である配置図に掲載の名称による文字情報に基づいて配置図の位置を検索することにより、描画手段は、配置図から生成された図面情報データに基づいて検索された文字情報をハイライト表示するので、簡単に配置図上の位置を見つけ出すことができる。
【0014】
前記作業支援手段は、配線作業の対象信号を順に入力することで、作業者、信号名称および作業時間を作業履歴情報として記録して、前記表示手段に表示する作業管理手段を備えたものとすることができる。
作業管理手段が、配線作業の対象信号を順に入力することで、作業者、信号名称および作業時間を作業履歴情報として記録するので、管理者は、どの作業者がどれくらいの作業量をどれくらいの時間を要して作業したかを容易に把握することができる。
【0015】
前記文字情報データベースに含まれた部品を示す文字情報に基づいて、電気通信回線を介して部品メーカーのサイトにアクセスして、前記部品に関する部品情報をダウンロードして部品データベースとして記憶手段に格納する部品情報処理手段を備え、前記作業支援手段は、部品を示す文字情報が前記図面にて選択されると、この部品名称に基づいて前記部品データベースから、前記部品情報を読み出し、前記表示手段に表示する部品DB処理手段を備えたものとすることができる。
部品情報処理手段が、文字情報データベースに含まれた部品を示す文字情報に基づいて、電気通信回線を介して部品メーカーのサイトにアクセスして、前記部品に関する部品情報をダウンロードして部品データベースとして記憶手段に格納する。そして、部品を示す文字情報が図面にて選択されると、部品DB処理手段が、この部品名称に基づいて部品データベースから、部品情報を読み出し、表示手段に表示する。
従って、作業者は、図面に掲載の部品の詳細を知らなくても、部品情報を参照しながら作業できるので、作業の効率化を図ることができ、ミスを低減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、配線情報が含まれたCADデータが依頼者から提供されなくても、作業者が、図面イメージデータに重畳された、作業支援するための文字情報または線分情報を見ながら作業をすることで、効率よく、また正確に作業を行うことができるので、紙図面をスキャナで読み取ったファイルや、印刷イメージのファイルを原データとして変換することで、手作業による配線作業の効率化、正確性を向上させる配線支援が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の実施の形態に係る配線作業支援装置を説明するための図であり、(A)は、スキャンイメージデータまたは印刷イメージデータから図面情報データに配線作業支援装置により変換することを説明するための図、(B)は、紙図面からスキャンイメージデータを生成することを説明するための図、(C)は印刷イメージデータが依頼主から作業者に提供されることを説明するための図である。
【
図2】
図1に示す配線作業支援装置の構成を説明するための図である。
【
図3】図面情報データの構築の流れを説明するための図である。
【
図4】図面情報データと、図面イメージデータとの表示を説明するための図である。
【
図5】文字情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】線分情報データベースの一例を示す図である。
【
図9】図面イメージデータとハイライト表示する文字情報の重畳を説明するための図である。
【
図12】(A)は作業管理画面の一例を示す図、(B)は作業履歴情報の表示例を示す図、作業履歴集計情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施の形態に係る配線作業支援装置を図面に基づいて説明する。
本実施の形態に係る配線作業支援装置は、紙図面を読み取ったスキャンイメージファイルや、依頼主から入手した印刷イメージファイルによる図面を原データとした電子化された図面情報データを生成するものである。
【0019】
図1(A)に示す本実施の形態に係る配線作業支援装置10は、依頼主から提供された紙図面Pを、スキャナ装置Sにより読み取った画像データであるラスター形式のスキャンイメージデータD1が格納されたスキャンイメージファイルF1、または依頼主から入手した印刷イメージデータD2が格納されたベクター形式の印刷イメージファイルF2から、図面情報データDを生成するコンピュータである。
配線作業支援装置10には、図面情報データDを印刷するための印刷装置PRが接続されている。
【0020】
この配線作業支援装置10に入力するスキャンイメージファイルF1を生成するときには、
図1(B)に示すように、作業者が操作するコンピュータC1が使用される。コンピュータC1には、紙図面Pを読み取り、スキャンイメージファイルF1を生成するために、スキャナ装置Sが接続されている。
また、配線作業支援装置10に入力する印刷イメージファイルF2を入手するときには、
図1(C)に示すように、作業者が操作するコンピュータC22が使用される。コンピュータC22には、依頼主が操作するコンピュータC21から印刷イメージファイルF2を受信するためのサーバ装置SVが、電気通信回線の一例であるインターネットWを介して通信可能に接続されている。
【0021】
スキャンイメージファイルF1は、例えば、PDF,JPEG,PNG,BMP,TIFFなどの画像フォーマットのファイルとすることができる。
印刷イメージファイルF2は、PDFとすることができる。
【0022】
次に、配線作業支援装置10の構成について、
図2に基づいて説明する。
図2に示すように、配線作業支援装置10は、第1通信手段101と、第2通信手段102と、画像解析手段103と、画像データ変換手段104と、情報生成手段105と、描画手段106と、作業支援手段107と、表示手段108と、入力手段109と、記憶手段110とを備えている。
【0023】
第1通信手段101は、インターネットWから受信したデータを各手段に出力したり、各手段からのデータをインターネットWへ送信したりするものである。第1通信手段101は、例えば、有線通信または無線通信によるLANとすることができる。
第2通信手段102は、コネクタCNに接続されたデバイスとの通信を行うもので、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェイスとすることができる。
【0024】
画像解析手段103は、ラスター形式のスキャンイメージデータD1(
図1(A)参照)による画像データから、文字や線分を解析して、文字や線分が埋め込まれたベクター形式の印刷イメージデータD2(
図1(A)参照)を生成する。
画像データ変換手段104は、
図3に示す印刷イメージデータD2から図面を表示するときのベース図面となる図面イメージデータD3が格納される図面イメージファイルF3を生成する。この図面イメージデータD3は、印刷イメージデータD2を画像ファイル化したものである。印刷イメージデータD2がPDFであれば、画像形式は、JPEG,PNG,BMPとすることができる。
【0025】
情報生成手段105は、印刷イメージファイルF2の印刷イメージデータD2から、図面情報データD(
図4参照)を生成するものである。
情報生成手段105は、文字情報抽出手段105aと、線分情報抽出手段105bと、リンク処理手段105cと、部品情報処理手段105dとを備えている。
【0026】
文字情報抽出手段105aは、印刷イメージデータD2に埋め込まれた、信号名称や配線名称、部品名称、タイトル・設計者・リビジョン・作成日付等の書誌情報を抽出して、これらの文字情報に文字が位置する座標を関連付けて記憶手段110に格納して、文字情報データベースを構築する。
線分情報抽出手段105bは、印刷イメージデータD2における配線を示す線分や部品を描く線分を抽出して、線分を描く座標(始点、終点)を線分情報として、記憶手段110に格納して、線分情報データベースを構築する。
【0027】
リンク処理手段105cは、作業者が表示手段108に表示された図面イメージデータD3に基づいて、入力手段109を操作して指示した信号線と配線などから、線分情報データベースと線分情報データベースとを関連付けるリンクデータベースを構築して記憶手段110に格納する。
【0028】
部品情報処理手段105dは、部品名称を示す文字情報から、部品メーカーのサイトを、インターネットWを介してアクセスし、カタログまたは/およびデータシートをダウンロードして、部品の端子位置や内部接続図など部品に関する部品情報を部品データベースとして記憶手段110に格納して蓄積する。
描画手段106は、図面イメージデータD3と図面情報データDとに基づいて図面を表示手段108に表示する。
【0029】
作業支援手段107は、図面情報データに基づいて作業支援するための文字情報または線分情報を出力する。
作業支援手段107は、名称検索手段107aと、配線情報リスト化手段107bと、位置検出手段107cと、作業管理手段107dと、部品DB処理手段107eとを備えている。
【0030】
名称検索手段107aは、入力された信号や部品名に基づいて配線図(図面)を検索して出力する。
配線情報リスト化手段107bは、信号線名称を入力すると、この信号線が接続された部品名称をリスト化して出力する。
位置検出手段107cは、入力された構成の名称に基づいて配置図内での位置を検索して出力する。
作業管理手段107dは、配線作業の対象信号を順に入力することで作業履歴情報が記録して出力する。
部品DB処理手段107eは、部品を示す部品名称が選択されると、この部品名称に基づいて記憶手段110に格納された部品データベースから、部品の端子配置および内部接続図などの部品情報を読み出し、表示手段108に表示する。
【0031】
表示手段108は、例えば、LCD(Liquid crystal display)や有機ELディスプレイとすることができる。また、入力手段109は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、ジョイスティックなどとすることができる。
記憶手段110は、OSやアプリケーションソフト、各種の設定、各種のファイルなどが格納されている。記憶手段110は、ハードディスクドライブや、フラッシュメモリによるSSD(Solid State Drive)などとすることができる。記憶手段110には、
図3に示すスキャンイメージファイルF1と、印刷イメージファイルF2と、文字情報データベースDB1および線分情報データベースDB2と、図示しない作業履歴データベースと、部品データベースが格納される。
【0032】
以上のように構成された本発明の実施の形態に係る配線作業支援装置10の動作および使用状態を図面に基づいて説明する。
【0033】
(図面情報データの構築)
図1(A)に示すように、依頼主から提供された紙図面Pから図面情報データDを生成する場合には、紙図面Pをスキャナ装置Sにより読み取り、スキャンイメージデータD1を原データとして生成する。
次に、
図2に示す画像解析手段103が、
図3に示すイメージデータのみのスキャンイメージデータD1を画像解析処理により文字認識したり線分を解析したりして、印刷イメージデータD2を生成する(
図3のステップS10参照)。
【0034】
次に、依頼主からベクター形式の印刷イメージファイルF2を原データとして受領して、図面情報データDを生成する場合には、
図1(C)に示すように、依頼主がコンピュータC22を操作して、電子メールを利用したり、ファイル配信サービスを利用したり、オンラインストレージサービスを利用したりして、印刷イメージファイルF2をサーバ装置SVへ送信する。
【0035】
サーバ装置SVは、電子メールを利用するときにはメールサーバであり、ファイル配信サービスを利用するときにファイル配信サイトのウェブサーバであり、オンラインストレージサービスを利用するときには、ストレージサーバである。
【0036】
依頼主から送信されたベクター形式の印刷イメージデータD2が格納された印刷イメージファイルF2をコンピュータC22が受信すると、
図1(A)に示す配線作業支援装置10へLANを介して転送したり、USBメモリ等によりファイルを移動させたりする。なお、配線作業支援装置10とコンピュータC22とは異なるコンピュータでもよいし、同じコンピュータでもよい。
配線作業支援装置10とコンピュータC22とが同じコンピュータである場合には、作業者が、
図2に示す入力手段109を操作することで、第1通信手段101がインターネットWを介してサーバ装置SVから印刷イメージファイルF2を受信し、記憶手段110に格納する。
【0037】
インターネットWを介して印刷イメージファイルF2を入手することの他に、
図1(A)に示すように、DVDやCD-R、ブルーレイディスクなどの光ディスク、USBメモリに、印刷イメージファイルF2を格納して郵送するなどして授受することでも、入手することができる。
【0038】
このようにして、紙図面P(
図1(A)参照)から印刷イメージデータD2を生成したり、依頼主から直接印刷イメージデータD2を入手したりする。
ベクター形式の印刷イメージファイルF2の印刷イメージデータD2には、文字情報と、線分情報などが含まれている。そこで、まず、
図2に示す文字情報抽出手段105aは、信号名称や配線名称、部品名称、書誌情報などの文字情報を抽出し、これらの文字情報と座標とを関連付けて文字情報データベースDB1を構築する文字情報抽出処理を行う(
図3のステップS20参照)。
【0039】
例えば、
図5に示す文字情報データベースDB1では、データベース要素として、図面のページ番号を示すページ情報と、1項目ごとに1ずつ増加するカウンタが示すラベル情報と、信号名称や部品名称などの文字情報と、文字情報の位置を示すX値とY値とによる座標情報とが格納されている。
【0040】
また、
図2に示す線分情報抽出手段105bは、配線や部品を描く線分を抽出し、線分を描く座標を線分情報として、線分情報データベースDB2を構築する線分情報抽出処理を行う(ステップS30参照)。
【0041】
例えば、
図6に示す線分情報データベースDB2では、データベース要素として、図面のページ番号を示すページ情報と、1項目ごとに1ずつ増加するカウンタが示すラベル情報と、始点の座標情報(始点X座標、始点Y座標)と終点の座標情報(終点X座標、終点Y座標)とが格納されている。
【0042】
このようにして、文字情報データベースと線分情報データベースとが構築できる。
次に、
図2および
図3に示すように、作業者は、表示手段108に表示された印刷イメージデータD2または図面イメージデータD3に基づいて、入力手段109を操作して信号線に対応する配線を指示したり、部品名称に対応する部品を指示したりするリンク処理を行うことで、リンク処理手段105cが、線分情報データベースDB2と線分情報データベースDB3とを関連付けたリンクデータベースDB3を構築して記憶手段110に格納する(ステップS40参照)。
【0043】
例えば、
図7に示すリンクデータベースDB3では、
図5に示す文字情報データベースDB1の文字情報(text_Data REV)が、
図6に示す線分情報データベースDB2のラベル情報(Counter Line_1,Line_3,,,,Line_7, Line_9)と関連付けられていることが示されている。
【0044】
次に、部品情報処理手段105dが、線分情報から部品を認識し、部品名称を示す文字情報から、部品メーカーのサイトを、インターネットWを介してアクセスし、カタログまたは/およびデータシートをダウンロードして、カタログやデータシートに掲載された部品の端子位置や内部接続図など部品に関する部品情報を、部品データベースして記憶手段110に格納する。なお、部品メーカーのサイトから部品情報を入手することの他に、手入力にて部品データベースを構築するようにしてもよい。
【0045】
そして、
図2に示す画像データ変換手段104が、
図3に示すように、画像データ変換処理を行うことにより、印刷イメージデータD2から図面描画の際にベース図面となる図面イメージデータD3に変換する(ステップS50参照)。
【0046】
このようにして、
図4に示すように、文字情報データベースDB1、線分情報データベースDB2およびリンクデータベースDB3による図面情報データDと、図面イメージデータD3とが生成されると、作業支援手段107による配線作業支援を得ることができる。
【0047】
(名称検索処理)
例えば、図面が1枚または複数枚の配線図である場合に、この配線図から検索対象の信号線名が含まれる図面を検索しての各ページの信号線名を表示させることができる。
この表示には、まず、
図2に示す作業支援手段107が、表示手段108に、例えば、
図8に示す名称検索画面P1を表示する。名称検索画面P1では、名称入力欄R11が画面上部に配置されている。名称入力欄R11の右側には、検索実行を指示する「検索」ボタンB1が配置されている。そして、名称入力欄R11の下方には、図面を表示する図面表示領域R12が配置されている。
【0048】
この名称入力欄R11に、例えば、名称「PMC1」が入力され、「検索」ボタンB1が押下されると、
図2に示す名称検索手段107aが
図4に示す文字情報データベースDB1から該当名称を検索する。この検索は、完全一致や前方一致、後方一致、名称に含まれれば全てが抽出される部分一致などを選択することができる。
【0049】
そして、名称検索手段107aが、ページ情報を読み込むと共に、座標情報を読み込み、検索対象の名称を支援対象としてハイライト表示する。
ハイライト表示は、強調色にしたり、反転表示させたり、太文字としたり、フラッシングしたりすることができる。
【0050】
図8の図面表示領域R12に示す例では、23ページの図面の1ページ目に「PMC1」というユニットの名称がハイライト表示され、5ページ目に「PMC1」を含む「CN-PMC1A」がハイライト表示される(
図8では点線による枠線にして示している)。この図面表示領域R12への図面の表示は、描画手段106が、
図9に示すように、該当ページ(1ページ目および5ページ目)の図面イメージデータD3を表示する。そして、名称検索手段107aが検索した結果に基づいて、描画手段106が座標に位置する文字情報が示す名称「PMC1」を、ハイライト表示した状態で、図面イメージデータD3に重畳する。
【0051】
また、配線図(図面イメージデータD3)が表示されていないが、
図8に示すように、1ページ目、5ページ目以外に、検索結果欄R13に6ページ目と7ページ目に検索されたことが示されている。
【0052】
このように、図面の一例である配線図中に記載の名称を探すときに、複数枚のページに名称の記載があっても、探している名称が記載された複数のページが、一度に表示される。従って、作業者は、信号名称や配線名称、部品名称から簡単に該当ページを抽出して見つけ出すことができる。
【0053】
また、図面イメージデータD3上に、該当名称を支援対象として、ハイライト表示を重畳させることで、図面全体を、
図3に示す文字情報データベースDB1や線分情報データベースDB2、リンクデータベースDB3から作図することにより、描画手段106による描画の負担を軽減することができる。
【0054】
(配線リスト処理)
次に、配線図の配線を配線名称により指定すると、この配線に繋がる部品をリストとして出力する配線リスト処理を説明する。
まず、
図2に示す作業支援手段107が、表示手段108に、例えば、
図10に示すリスト作成画面P2を表示する。リスト作成画面P2では、名称入力欄R21が画面上部に配置されている。名称入力欄R21の右側には、実行を指示する「実行」ボタンB2が配置されている。そして、名称入力欄R21の下方には、図面を表示する図面表示領域R22が配置されている。
【0055】
この名称入力欄R21に、例えば、信号名称「P24C」が入力され、「実行」ボタンB2が押下されると、
図2に示す配線情報リスト化手段107bは、
図7に示すリンクデータベースDB3を参照して、信号名称と完全一致する文字情報を検索する。
次に、配線情報リスト化手段107bが、信号名称と一致した文字情報に関連付けられたラベル情報から、線分情報データベースDB2を参照して、座標情報を読み出す。この座標情報は、配線の始点と終点を示すものである。
次に、配線情報リスト化手段107bが、文字情報データベースDB1を参照して、この座標情報に対応する文字情報を読み込む。そうすることで、配線の始点または終点が繋がった位置の部品の端子名称が検索できる。
【0056】
このようにして、信号名称から端子名称と配線の始点と終点が抽出できるので、配線情報リスト化手段107bは、配線を示す端子名称をリスト化して表示手段108に表示することができ、描画手段106は、図面(配線図)に配線をハイライト表示することができる。
【0057】
なお、配線図の配線の指定について、配線名称を入力することの他に、作業者は
図2に示す表示手段108に表示された配線図を見ながら入力手段109を操作して、配線をポイントしたり、配線をなぞったりして指定することができる。そうすることで、配線名称を入力することなく、配線を指定することができる。
この場合、配線情報リスト化手段107bは、線分情報データベースDB2を参照して、指定された配線に該当する配線の座標情報を読み出す。次に、配線情報リスト化手段107bが、文字情報データベースDB1を参照して、この座標情報に対応する文字情報を読み込む。そうすることで、配線の始点または終点が繋がった位置の部品の端子名称が検索できる。
【0058】
図10に示す例では、信号名称「P24C」が、部品「TB-DR1_3B」と、部品「RY-DR3_3」、部品「RY-DR4_3」が接続されていることを示す配線リストL1が表示されている。また、信号名称「P24C」が描画手段106によりハイライト表示されていることが示されている。
【0059】
このように、配線リストが表示されるので、作業者は、この配線リストを参照しながらリード線などの配線を行うことで、正確に配線することができる。
【0060】
(配置検索処理)
次に、配置図に掲載の名称を指定すると、この配置図の位置を表示する配置検索処理を説明する。本実施の形態では、システムキッチンの配置図を例に説明する。
まず、
図2に示す作業支援手段107が、表示手段108に、例えば、
図11に示す配置検索画面P3を表示する。配置検索画面P3では、名称入力欄R31が画面上部に配置されている。名称入力欄R31の右側には、実行を指示する「検索」ボタンB3が配置されている。そして、名称入力欄R31の下方には、図面を表示する図面表示領域R32が配置されている
【0061】
この名称入力欄R31に、例えば、調理用コンロを示す「CS」が入力され、「検索」ボタンB3が押下されると、
図2に示す位置検出手段107cは、
図4に示す文字情報データベースDB1から該当名称を検索する。
そして、位置検出手段107cが、ページ情報を読み込むと共に、座標情報を読み込み、検索対象の名称を支援対象としてハイライト表示する。
図11の図面表示領域R32に示す例では、描画手段106により、「CS」という調理コンロのユニットの名称がハイライト表示されている。
【0062】
このように、図面の一例である配置図中に記載の名称を探すときに、名称を入力するだけで、すぐに配置の位置を把握することができる。従って、作業者は、図面を凝視ながら探さなくても、素早く位置を確認することができる。
【0063】
(履歴記録処理)
次に、配線作業の対象信号を順に入力することで作業履歴が記録できる履歴記録処理を説明する。
まず、
図2示す作業支援手段107が、表示手段108に、例えば、
図12(A)に示す作業管理画面P4を表示する。作業管理画面P4では、画面上部に記録開始終了ボタンB41が表示されている。この記録開始終了ボタンB41は、記録停止状態では「記録開始」と表示され、押下することで記録が開始される。記録中状態では、「記録終了」と表示され、押下することで記録が終了する。また、記録開始終了ボタンB41の右側には、「履歴表示」ボタンB42が表示されている。「履歴表示」ボタンB42の右側には、「集計表示」ボタンB43が表示されている。そして、記録開始終了ボタンB41、「履歴表示」ボタンB42および「集計表示」ボタンB43の下方には、図面を表示する図面表示領域R41が配置されている。
【0064】
まず、作業者は、配線作業を行う前に、図示しない作業者登録画面により作業者情報を登録しておく。そして、配線作業を行う図面(配線図)を図面表示領域R41に表示させ、記録開始終了ボタンB41を押下する。
そして、作業者は、配線を行う度に、入力手段109により、配線図の対応する配線をポイントしたり、または配線をなぞったり、更にはこの配線の名称を対象信号として入力したりして、選択する。
【0065】
そうすると、配線を選択した場合には、作業管理手段107dが、
図6に示す線分情報データベースDB2の始点座標と終点座標とから選択された配線に対応するラベル情報を抽出し、このラベル情報から、
図7に示すリンクデータベースDB3を参照して信号名称を示す文字情報を読み出して配線履歴として記憶手段110に格納する。
【0066】
配線の名称を選択した場合には、作業管理手段107dが、
図5に示す文字情報データベースDB1を参照して、入力手段109により選択された座標位置から信号名称を示す文字情報を読み出して配線履歴として記憶手段110に格納する。
【0067】
そして、作業管理手段107dは、この配線履歴と、配線の時間を示す時間履歴とを、作業者情報に関連付け、作業履歴情報(
図12(B)参照)として記憶手段110に格納する。配線の時間は、特定の配線の開始時間から終了時間までである。
【0068】
(作業管理処理)
次に、作業管理手段107dが、作業履歴情報を表示して作業者を管理する作業管理処理を説明する。
【0069】
作業者は、作業が完了すると、「履歴表示」ボタンB42を押下することで、作業管理手段107dは、記憶手段110から作業履歴情報を読み込み、
図12(B)に示すように、作業履歴情報を表示手段108に表示することができる。
また、「集計表示」ボタンB43を押下することで、作業管理手段107dは、作業履歴情報に基づいて、図面の1ページ当たりの作業時間、図面全体の作業時間、作業者ごとの作業の合計時間を集計して、
図12(C)に示すように、作業履歴集計情報を表示手段108に表示することができる。
従って、管理者は、どの作業者がどれくらいの作業量をどれくらいの時間を要して作業したかを容易に把握することができる。
【0070】
(部品情報表示)
次に、作業者が、図面にて指定された部品に関する情報である端子配置図および内部接続図を表示することを説明する。
図13に示す画面では、部品の一例であるリレー「RY-DR3」が表示されている。このリレー「RY-DR3」は、部品の型名(部品名称)が「RJ2S-CLD-D24」であり、ソケットの型名(部品名称)「SJ2S-05B」に実装されていることが示されている。
【0071】
図2に示す部品DB処理手段107eは、
図4に示す文字情報データベースDB1を参照して部品名称に基づいて、部品情報処理手段105dが構築した部品データベースを参照することで、
図13に示すリレーの部品名称「RJ2S-CLD-D24」が入力手段109により選択されれば、部品名称に関連付けられた部品情報であるリレーの内部接続
図D5を表示させることができる。また、リレーが実装されるソケットの部品名称「SJ2S-05B」が入力手段109により選択されれば、部品名称に関連付けられたソケットの端子配置
図D6を表示させることができる。従って、作業者は、図面に掲載の部品の詳細を知らなくても、部品情報を参照しながら作業できるので、作業の効率化を図ることができ、ミスを低減することができる。
【0072】
以上のように、本発明の実施の形態に係る配線作業支援装置10によれば、配線情報が含まれたCADデータが依頼者から提供されなくても、作業者が、図面イメージデータD3に重畳された、作業支援するための文字情報または線分情報を見ながら作業をすることで、効率よく、また正確に作業を行うことができる。従って、配線作業支援装置10は、紙図面をスキャナで読み取ったファイルや、印刷イメージのファイルを原データとして変換することで、手作業による配線作業の効率化、正確性を向上させる配線支援が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明は、基板やフレームに実装された電子部品をリード線などにより配線する配線作業、製造装置の機内配線などの作業に好適である。
【符号の説明】
【0074】
10 配線作業支援装置
101 第1通信手段
102 第2通信手段
103 画像解析手段
104 画像データ変換手段
105 情報生成手段
105a 文字情報抽出手段
105b 線分情報抽出手段
105c リンク処理手段
105d 部品情報処理手段
106 描画手段
107 作業支援手段
107a 名称検索手段
107b 配線情報リスト化手段
107c 位置検出手段
107d 作業管理手段
107e 部品DB処理手段
108 表示手段
109 入力手段
110 記憶手段
C1,C21,C22 コンピュータ
S スキャナ装置
SV サーバ装置
W インターネット
D 図面情報データ
D1 スキャンイメージデータ
D2 印刷イメージデータ
D3 図面イメージデータ
D5 内部配線図
D6 端子配置図
F1 スキャンイメージファイル
F2 印刷イメージファイル
F3 図面イメージファイル
DB1 文字情報データベース
DB2 線分情報データベース
DB3 リンクデータベース
P 紙図面
D 図面情報データ
PR 印刷装置
CN コネクタ
P1 名称検索画面
P2 リスト作成画面
P3 配置検索画面
P4 作業管理画面
B1,B3 「検索」ボタン
B2 「実行」ボタン
B41 記録開始終了ボタン
B42 「履歴表示」ボタン
B43 「集計表示」ボタン
R11,R21,R31 名称入力欄
R12,R22,R32,R41 図面表示領域
R13 検索結果欄
L1 配線リスト