(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016250
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】高周波パッケージ
(51)【国際特許分類】
H01Q 13/08 20060101AFI20220114BHJP
H05K 1/03 20060101ALI20220114BHJP
H01L 23/12 20060101ALI20220114BHJP
H01Q 23/00 20060101ALI20220114BHJP
H01Q 1/40 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
H01Q13/08
H05K1/03 630J
H01L23/12 301Z
H01Q23/00
H01Q1/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020203780
(22)【出願日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】10-2020-0083974
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、ジェ ウン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】セオ、ハエ キョ
【テーマコード(参考)】
5J021
5J045
5J046
【Fターム(参考)】
5J021AB06
5J021JA08
5J045DA10
5J045HA02
5J045MA07
5J046AA02
5J046AA12
5J046AB13
5J046QA02
(57)【要約】
【課題】高周波パッケージを提供する。
【解決手段】
本発明の一実施形態による高周波パッケージは、少なくとも一つの第1絶縁層と少なくとも一つの第1配線層が交互に積層された第1積層構造を有する第1連結部材と、少なくとも一つの第2絶縁層と少なくとも一つの第2配線層が交互に積層された第2積層構造を有する第2連結部材と、コア絶縁層を含み、上記第1及び第2連結部材の間に配置されるコア部材と、上記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第1チップアンテナと、を含み、上記第1チップアンテナは、上記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第1誘電層と、上記第1誘電層の上面上に配置されるパッチアンテナパターンと、上記第1誘電層の少なくとも一部を厚さ方向に貫通するように配置され、上記パッチアンテナパターンの給電経路を提供し、上記少なくとも一つの第1配線層に電気的に連結される給電ビアと、を含む。
【選択図】
図1a
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1絶縁層と少なくとも一つの第1配線層が交互に積層された第1積層構造を有する第1連結部材と、
少なくとも一つの第2絶縁層と少なくとも一つの第2配線層が交互に積層された第2積層構造を有する第2連結部材と、
コア絶縁層を含み、前記第1及び第2連結部材の間に配置されるコア部材と、
前記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第1チップアンテナと、
を含み、
前記第1チップアンテナは、
前記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第1誘電層と、
前記第1誘電層の上面上に配置されるパッチアンテナパターンと、
前記第1誘電層の少なくとも一部を厚さ方向に貫通するように配置され、前記パッチアンテナパターンの給電経路を提供し、前記少なくとも一つの第1配線層に電気的に連結される給電ビアと、を含む、高周波パッケージ。
【請求項2】
前記第1連結部材上において、前記給電ビアと前記少なくとも一つの第1配線層との間を連結させる電気連結構造体をさらに含み、
前記電気連結構造体は、前記少なくとも一つの第1配線層と同一の材料からなる、請求項1に記載の高周波パッケージ。
【請求項3】
前記第2連結部材は、前記パッチアンテナパターンの少なくとも一部に重なる領域が開口(aperture)の形態である、請求項1または2に記載の高周波パッケージ。
【請求項4】
前記第2連結部材は、前記第2積層構造の上面上に配置されるSR層をさらに含み、
前記SR層は、前記パッチアンテナパターンの少なくとも一部に重なる孔をさらに含んでいる、請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項5】
前記少なくとも一つの第2配線層は、前記パッチアンテナパターンに重なるように配置されるカップリングパッチパターンを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項6】
前記カップリングパッチパターンと前記第1チップアンテナとの間を電気的に連結させる連結ビアをさらに含む、請求項5に記載の高周波パッケージ。
【請求項7】
前記第1チップアンテナを臨む方向に前記コア絶縁層における側面に配置されるめっき部材をさらに含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項8】
前記コア絶縁層が囲むスペースのうち少なくとも一部を充填するように配置される絶縁部材をさらに含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項9】
前記コア絶縁層の厚さは、前記少なくとも一つの第1絶縁層のうち1つの厚さよりも厚く、前記少なくとも一つの第2絶縁層のうち1つの厚さよりも厚い、請求項1から8のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項10】
前記コア部材は、前記コア絶縁層を貫通し、前記少なくとも一つの第1配線層と前記少なくとも一つの第2配線層との間を電気的に連結させるコアビアをさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項11】
前記第2連結部材の上面上に配置され、前記少なくとも一つの第2配線層に電気的に連結される第2チップアンテナをさらに含む、請求項10に記載の高周波パッケージ。
【請求項12】
前記第2チップアンテナのパッチアンテナパターンのサイズと、前記第1チップアンテナのパッチアンテナパターンのサイズは互いに異なる、請求項11に記載の高周波パッケージ。
【請求項13】
前記第2チップアンテナの誘電層の誘電率と、前記第1チップアンテナの第1誘電層の誘電率は互いに異なる、請求項11または12に記載の高周波パッケージ。
【請求項14】
前記第2連結部材の上面上に配置され、前記少なくとも一つの第2配線層に電気的に連結されるインピーダンス素子をさらに含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項15】
前記第2連結部材の上面上に配置され、前記少なくとも一つの第2配線層に電気的に連結されるコネクタをさらに含む、請求項10から14のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項16】
前記第1連結部材の下面上に配置されたRFICと、
前記第1連結部材の下面上に配置され、前記RFICを囲むサブ基板と、をさらに含む、請求項1から15のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項17】
前記第1誘電層の誘電率は前記コア絶縁層の誘電率よりも高い、請求項1から16のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項18】
前記第1チップアンテナは、
前記パッチアンテナパターンの上面上に配置され、前記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第2誘電層をさらに含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【請求項19】
前記少なくとも一つの第2配線層は、前記パッチアンテナパターンに重なるように配置されるカップリングパッチパターンを含み、
前記第1チップアンテナは、前記カップリングパッチパターンと前記パッチアンテナパターンとの間において前記第2誘電層の上面上に配置される上部パッチパターンをさらに含む、請求項18に記載の高周波パッケージ。
【請求項20】
前記第1チップアンテナは、
前記第1及び第2誘電層の間に配置され、前記第1及び第2誘電層よりも高い接着性を有する接着層をさらに含む、請求項18または19に記載の高周波パッケージ。
【請求項21】
前記接着層は、前記パッチアンテナパターンが配置される空洞(air cavity)を有する、請求項20に記載の高周波パッケージ。
【請求項22】
前記パッチアンテナパターンは、前記パッチアンテナパターンの変異コア絶縁層の外側側面に対して斜め(oblique)に配置される、請求項1から21のいずれか一項に記載の高周波パッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波パッケージに関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動通信のデータトラフィック(Data Traffic)は、毎年飛躍的に増加する傾向にある。かかる飛躍的に増加するデータを無線網でリアルタイムに支援するための活発な技術開発が行われつつある。例えば、IoT(Internet of Thing)ベースのデータコンテンツ化、AR(Augmented Reality)、VR(Virtual Reality)、SNSと結合したライブVR/AR、自律走行、シンクビュー(Sync View、超小型カメラを用いたユーザー視点からのリアルタイム映像伝送)などのアプリケーション(Application)は、大容量のデータを送受信できるようにサポートする通信(例えば、5G通信、ミリ波(mmWave)通信など)を必要とする。
【0003】
そこで、最近5世代(5G)通信を含むミリ波(mmWave)通信が活発に研究されており、これを円滑に実現するチップアンテナモジュールの商用化/標準化のための研究も盛んに行われている。
【0004】
高周波数帯域(例えば、24GHz、28GHz、36GHz、39GHz、60GHzなど)のRF信号は、伝達される過程で容易に吸収されて損失につながるため、通信品質が急激に低下する可能性がある。そのため、高周波数帯域の通信向けのアンテナには、従来のアンテナ技術とは異なる技術的アプローチが必要とされ、アンテナ利得(Gain)の確保、アンテナとRFICの一体化、EIRP(Effective Isotropic Radiated Power)の確保などのための別の電力増幅器などの特殊な技術の開発が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2019-0104978号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、高周波パッケージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による高周波パッケージは、少なくとも一つの第1絶縁層と少なくとも一つの第1配線層が交互に積層された第1積層構造を有する第1連結部材と、少なくとも一つの第2絶縁層と少なくとも一つの第2配線層が交互に積層された第2積層構造を有する第2連結部材と、コア絶縁層を含み、上記第1及び第2連結部材の間に配置されるコア部材と、上記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第1チップアンテナと、を含み、上記第1チップアンテナは、上記コア絶縁層によって囲まれるように配置される第1誘電層と、上記第1誘電層の上面上に配置されるパッチアンテナパターンと、上記第1誘電層の少なくとも一部を厚さ方向に貫通するように配置され、上記パッチアンテナパターンの給電経路を提供し、上記少なくとも一つの第1配線層に電気的に連結される給電ビアと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態による高周波パッケージは、サイズに対して比較的さらに向上したアンテナ性能(例えば、利得、帯域幅、最大出力、偏波効率)を有することができるチップアンテナを使用しながらも、チップアンテナの配置スペースを効率的に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1a】本発明の一実施形態による高周波パッケージを示す図である。
【
図1b】本発明の一実施形態による高周波パッケージを示す図である。
【
図1c】本発明の一実施形態による高周波パッケージを示す図である。
【
図2a】本発明の一実施形態による高周波パッケージのチップアンテナの様々な構造を示す図である。
【
図2b】本発明の一実施形態による高周波パッケージのチップアンテナの様々な構造を示す図である。
【
図2c】本発明の一実施形態による高周波パッケージのチップアンテナの様々な構造を示す図である。
【
図2d】本発明の一実施形態による高周波パッケージのチップアンテナの様々な構造を示す図である。
【
図3a】本発明の一実施形態による高周波パッケージの第2連結部材の連結構造を示す図である。
【
図3b】本発明の一実施形態による高周波パッケージの第2連結部材の連結構造を示す図である。
【
図4a】本発明の一実施形態による高周波パッケージから第2連結部材が省略された構造の上面を示す図である。
【
図4b】本発明の一実施形態による高周波パッケージから第2連結部材が省略された構造の上面を示す図である。
【
図5a】本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【
図5b】本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【
図5c】本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【
図5d】本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【
図5e】本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【
図5f】本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【
図6a】本発明の一実施形態による高周波パッケージの第1連結部材の連結構造を示す図である。
【
図6b】本発明の一実施形態による高周波パッケージの第1連結部材の連結構造を示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるチップアンテナが配列された基板の電子機器における配置を例示する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
後述する本発明の詳細な説明は、本発明が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるよう、十分に詳細に説明される。本発明の様々な実施形態は、互いに異なっているが、相互排他的である必要はないことが理解されるべきである。例えば、ここに記載されている特定の形状、構造及び特性は、一実施形態に関連し、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、他の実施形態に実現される必要がある。また、それぞれの開示された実施形態内における個々の構成要素の位置又は配置は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく変更され得ることが理解されるべきである。したがって、後述する詳細な説明は、限定的な意味として取られるものではなく、本発明の範囲は、請求項が主張するものと均等なすべての範囲とともに添付された請求項によってのみ限定される。尚、図面において同様の参照符号は、いくつかの側面に渡って同一又は類似の機能を指す。
【0011】
以下では、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できるように、本発明の実施形態について添付された図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1a~
図1cは本発明の一実施形態による高周波パッケージを示す図である。
【0013】
図1aを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200aは、第1チップアンテナ100aが内蔵された構造を有することができ、第1チップアンテナ100aは、第1誘電層131a、パッチアンテナパターン110a、及び給電ビア120aを含むことができる。
【0014】
第1誘電層131aは、空気よりも高い誘電率の誘電媒質(medium)を有することができる。例えば、第1誘電層131aは、セラミック(ceramic)で構成されることにより、比較的高い誘電率を有することができる。
【0015】
第1チップアンテナ100aは、高周波パッケージ200aの残りの構造に対して個別に製造されて高周波パッケージ200aに内蔵されることができるため、第1誘電層131aは、高周波パッケージ200aの絶縁層の材料(例えば、プリプレグ)とは異なる材料で構成されることができ、上記絶縁層よりもさらに多様であり、且つ自由な方法から選択された方法で実現されることができる。
【0016】
これにより、第1チップアンテナ100aは、連結部材の配線層と絶縁層の積層構造に基づいたアンテナよりもサイズに対してさらに向上したアンテナ性能(例えば、利得、帯域幅、最大出力、偏波効率)を有することができる。
【0017】
例えば、第1誘電層131aは、低温同時焼成セラミック(Low temperature co-fired ceramic、LTCC)のようなセラミック系の物質や、ガラス(glass)系の物質のように比較的高い誘電率を有する物質、テフロン(登録商標)(Teflon(登録商標))のような誘電正接が比較的低い物質で構成されることができ、マグネシウム(Mg)、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、カルシウム(Ca)、及びチタン(Ti)のうち少なくとも一つをさらに含有させることにより、より高い誘電率やさらに強い耐久性を有するように構成することができる。例えば、第1誘電層131aは、Mg2Si04、MgAlO4、CaTiO3を含むことができる。
【0018】
第1誘電層131aの誘電率が高いほど、第1誘電層131aの周辺から送信又は伝播されるRF(Radio Frequency)信号の波長は短くなることができる。また、RF信号の波長が短いほど、第1誘電層131aのサイズはさらに小さくなることができる。これにより、本発明の一実施形態による第1チップアンテナ100aのサイズは小さくなることができる。尚、第1誘電層131aの誘電正接が低いほど、第1誘電層131aにおけるRF信号のエネルギー損失が減少することができる。
【0019】
第1チップアンテナ100aのサイズが小さいほど、単位体積に配列されることができる第1チップアンテナ100aの数は多くなることができる。単位体積に配列されることができる第1チップアンテナ100aの数が多いほど、複数の第1チップアンテナ100aの単位体積に対する総利得(gain)又は最大出力が高くなることができる。
【0020】
これにより、第1誘電層131aの誘電率が高いほど、第1チップアンテナ100aのサイズに対する性能を効率的に向上させることができる。
【0021】
パッチアンテナパターン110aは、第1誘電層131aの上面上に配置されることができる。パッチアンテナパターン110aの比較的広い上面は放射パターンを上下方向(Z方向)に集中させることができるため、RF信号を上下方向に遠隔で送信及び/又は受信することができ、パッチアンテナパターン110aの共振周波数ベースの帯域幅内の周波数(例えば、24GHz、28GHz、36GHz、39GHz、60GHz)を有するRF信号を遠隔で送信及び/又は受信することができる。
【0022】
例えば、パッチアンテナパターン110aは、導電性ペーストが第1誘電層131a上に塗布及び/又は充填された状態で乾燥されることによって形成されることができる。
【0023】
給電ビア120aは、第1誘電層131aの少なくとも一部を厚さ方向に貫通するように配置されることができ、パッチアンテナパターン110aの給電経路として作用することができる。すなわち、給電ビア120aは、パッチアンテナパターン110aがRF信号を遠隔で送信及び/又は受信する際に、パッチアンテナパターン110aにおいて流れる表面電流が通過する経路を提供することができる。
【0024】
例えば、給電ビア120aは、第1誘電層131a内において上下方向に延長される構造を有することができ、レーザーによって形成された第1誘電層131aにおける貫通孔に導電性材料(例えば、銅、ニッケル、スズ、銀、金、パラジウムなど)が充填される過程を介して形成されることができる。
【0025】
例えば、給電ビア120aは、パッチアンテナパターン110aの一地点に接触することができ、設計に応じて、パッチアンテナパターン110aに接触しなくても、パッチアンテナパターン110aに給電経路を提供することができる。
【0026】
図1aを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200aは、第1連結部材210a、第2連結部材220a、及びコア部材230aを含むことができる。
【0027】
第1連結部材210aは、少なくとも一つの第1絶縁層211aと少なくとも一つの第1配線層212aが交互に積層された第1積層構造を有することができる。例えば、第1連結部材210aは、第1絶縁層211aに対して垂直な方向に延長された形態の第1ビア213aを含むことができ、第1 SR層214aをさらに含むことができる。
【0028】
例えば、第1連結部材210aは、コア部材230aの下側にビルドアップ(build-up)された構造を有することができる。これにより、第1連結部材210aに含まれることができる第1ビア213aは、下部の幅が上部の幅よりも長い構造を有することができる。
【0029】
第2連結部材220aは、少なくとも一つの第2絶縁層221aと少なくとも一つの第2配線層222aが交互に積層された第2積層構造を有することができる。例えば、第2絶縁層221aに対して垂直な方向に延長された形態の第2ビア223aを含むことができ、第2 SR層224aをさらに含むことができる。
【0030】
例えば、第2連結部材220aは、コア部材230aの上側にビルドアップ(build-up)された構造を有することができる。これにより、第2連結部材220aに含まれることができる第2ビア223aは、上部の幅が下部の幅よりも長い構造を有することができる。
【0031】
少なくとも一つの第1配線層212a及び少なくとも一つの第2配線層222aはそれぞれ、既に設計された配線及び/又はプレーン(plane)を含むように、対応する絶縁層の上面又は下面のうち少なくとも一部に形成されることができる。配線及び/又はプレーンはそれぞれ、第1ビア213a及び/又は第2ビア223aを介して電気的に連結されることができる。
【0032】
例えば、少なくとも一つの第1配線層212a、少なくとも一つの第2配線層222a、第1ビア213a、及び第2ビア223aは、金属材料(例えば、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、スズ(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質のうち少なくとも一つ)で構成されることができる。
【0033】
例えば、少なくとも一つの第1絶縁層211a、少なくとも一つの第2絶縁層221a、及びコア絶縁層231aは、FR4、LCP(Liquid Crystal Polymer)、LTCC(Low Temperature Co-fired Ceramic)、エポキシ樹脂のような熱硬化性樹脂、ポリイミドのような熱可塑性樹脂、又はこれらの樹脂が無機フィラーとともにガラス繊維(Glass Fiber、Glass Cloth、Glass Fabric)などの芯材に含浸された樹脂、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)、感光性絶縁(Photo Imageable Dielectric:PID)樹脂、一般の銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)、又はガラスやセラミック(ceramic)系の絶縁材などで実現されることができる。
【0034】
コア部材230aは、コア絶縁層231aを含むことができ、第1及び第2連結部材210a、220aの間に配置されることができる。例えば、コア部材230aは、コア絶縁層231aの上面及び/又は下面上に配置されるコア配線層232aを含むことができ、コア絶縁層231aを貫通し、少なくとも1つの第1配線層212aと少なくとも一つの第2配線層222aの間を電気的に連結させるコアビア233aを含むことができる。
【0035】
コア絶縁層231aは、第1チップアンテナ100aを囲むことができる。例えば、コア絶縁層231aは、貫通孔(through hole)やキャビティ(cavity)を含むことができる。第1チップアンテナ100aは、貫通孔やキャビティ内に配置されることにより、コア絶縁層231aによって囲まれることができる。第1誘電層131aもコア絶縁層231aによって囲まれることができる。
【0036】
これにより、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200aは、サイズに対して比較的さらに向上したアンテナ性能(例えば、利得、帯域幅、最大出力、偏波効率)を有することができる第1チップアンテナ100aを使用しながらも、第1チップアンテナ100aの配置スペースを効率的に提供することができる。
【0037】
例えば、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200aは、上面及び/又は下面の実装スペースを用いることなく、第1チップアンテナ100aを用いることができるため、さらに縮小した水平方向の面積を有することができ、上面及び/又は下面の実装スペースを必要とする部品(例えば、インピーダンス素子、高周波フィルタなど)をさらに自由に且つ多く用いることができる。
【0038】
また、第1及び第2連結部材210a、220aの間のコア絶縁層231a及び第1チップアンテナ100aをともに圧着することができるため、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200aは、第1チップアンテナ100aを使用しながらも、構造的安定性(例えば、反り(warpage)の発生頻度、強度)も確保することができる。
【0039】
また、第1チップアンテナ100aは、融点が比較的低く、不安定な形態を有するはんだ(solder)がなくても、第1配線層212aに電気的に連結されることができる。これにより、遠隔で送受信されるRF信号が第1連結部材210aと第1チップアンテナ100aの間を通過する際のエネルギー損失を減少させることができる。
【0040】
例えば、第1チップアンテナ100aは、第1連結部材210a上において給電ビア120aと少なくとも一つの第1配線層212aの間を連結させる電気連結構造体160aをさらに含むことができる。
【0041】
電気連結構造体160aは、少なくとも一つの第1配線層212aと同一の材料(例えば、銅)からなることができ、第1チップアンテナ100aが高周波パッケージ200aに内蔵される前に予め配置されることができるため、さらに安定した形態を有することができる。これにより、遠隔で送受信されるRF信号が第1連結部材210aと第1チップアンテナ100aの間を通過する際のエネルギー損失をさらに減少させることができる。
【0042】
図1aを参照すると、少なくとも一つの第2配線層222aは、パッチアンテナパターン110aにおいて上下方向に重なる(overlap)ように配置されるカップリングパッチパターン225aを含むことができる。
【0043】
カップリングパッチパターン225aは、パッチアンテナパターン110aに電磁的にカップリングされることができ、パッチアンテナパターン110aに追加的な共振周波数を提供することができる。これにより、パッチアンテナパターン110aは、さらに広い帯域幅を有することができる。
【0044】
カップリングパッチパターン225aが第1チップアンテナ100aから離隔して第2連結部材220aに配置されるため、上下方向への第1チップアンテナ100aの厚さを増加させなくても、カップリングパッチパターン225aに基づいて拡張した帯域幅を有することができる。
【0045】
図1aを参照すると、コア部材230aは、第1チップアンテナ100aを臨む方向にコア絶縁層231aにおける側面に配置されるめっき部材235aをさらに含むことができる。
【0046】
めっき部材235aは、放射するRF信号に含まれる垂直成分及び水平成分のうち水平成分を反射させることができるため、第1チップアンテナ100aの放射パターンをさらに上下方向(Z方向)に集中させることができ、第1チップアンテナ100aの利得(gain)をさらに向上させることができる。
【0047】
例えば、めっき部材235aは、コア絶縁層231aに貫通孔又はキャビティが形成され、第1チップアンテナ100aが配置される前に形成されることができる。
【0048】
図1aを参照すると、コア部材230aは、コア絶縁層231aが囲むスペース(例えば、貫通孔、キャビティ)のうち少なくとも一部を満たすように配置される絶縁部材240aをさらに含むことができる。
【0049】
これにより、コア部材230aの構造的安定性をさらに向上させることができるため、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200aは、第1チップアンテナ100aを使用しながらも、構造的安定性(例えば、反り(warpage)の発生頻度、強度)も確保することができる。
【0050】
また、絶縁部材240aは、第1及び第2連結部材210a、220aのビルドアップを支持することができるため、第1及び第2連結部材210a、220aの構造的安定性をサポートすることができる。
【0051】
図1bを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200bは、
図1aに示すカップリングパッチパターン225a及び/又はめっき部材235aが省略された構造を有することができる。また、サイズに対して比較的さらに向上したアンテナの性能を有することができる第1チップアンテナ100aを使用しながらも、第1チップアンテナ100aの配置スペースを効率的に提供することができる。
【0052】
図1cを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200cは、
図1bに示すコアビア233aが省略された構造を有することができる。
【0053】
一方、コア絶縁層231aの厚さH3は、少なくとも一つの第1絶縁層のうち1つの厚さH1よりも厚く、少なくとも一つの第2絶縁層のうち1つの厚さH2よりも厚くてもよい。これにより、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200cは、第1チップアンテナ100aを使用しながらも、構造的安定性(例えば、反り(warpage)の発生頻度、強度)をさらに向上させることができる。
【0054】
図2a~
図2dは本発明の一実施形態による高周波パッケージのチップアンテナの様々な構造を示す図である。
【0055】
図2aを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200dの第1チップアンテナ100bは、第2誘電層132b、接着層140b、及び上部パッチパターン112bのうち少なくとも一つをさらに含むことができる。
【0056】
第2誘電層132bは、パッチアンテナパターン110bの上面上に配置され、コア絶縁層231aによって囲まれるように配置されることができる。例えば、第2誘電層132bは、第1誘電層131bと同一の方法で実現されることができ、同一の材料で構成されることができる。
【0057】
また、第2誘電層132bは、高周波パッケージ200dのコア絶縁層231aの材料(例えば、プリプレグ)とは異なる材料で構成されることができ、コア絶縁層231aよりも多様であり、且つ自由な方法の中から選択された方法で実現されることができる。
【0058】
例えば、第2誘電層132bは、比較的高い誘電率又は比較的低い誘電正接を有する誘電媒質として作用することができ、パッチアンテナパターン110bの放射パターンをさらに上下方向(Z方向)に集中させることができ、パッチアンテナパターン110bの利得をさらに向上させることができる。
【0059】
接着層140bは、第1及び第2誘電層131b、132bの間に配置され、第1及び第2誘電層131b、132bよりも高い接着性を有することができる。例えば、接着層140bは、接着性ポリマー(polymer)で構成されることができる。
【0060】
これにより、第1及び第2誘電層131b、132bの間の位置関係がさらに安定的に固定することができるため、第1及び第2誘電層131b、132bの誘電媒質の境界条件は、パッチアンテナパターン110bの放射パターンをさらに効率的に上下方向(例えば、Z方向)に集中させることができる。
【0061】
上部パッチパターン112bは、カップリングパッチパターン225aとパッチアンテナパターン110bの間において第2誘電層132bの上面上に配置されることができる。
【0062】
例えば、上部パッチパターン112bは、パッチアンテナパターン110bに電磁的に結合することができ、パッチアンテナパターン110bに追加的な共振周波数を提供することができる。これにより、パッチアンテナパターン110bは、さらに広い帯域幅を有することができる。
【0063】
一例として、上部パッチパターン112bは、パッチアンテナパターン110bの水平方向のサイズと異なる水平方向のサイズを有することができ、パッチアンテナパターン110bの第1帯域幅に重ならない第2帯域幅を有することができる。
【0064】
これにより、第1チップアンテナ100bは、複数の周波数帯域を有することができ、互いに異なる基本周波数を有する第1及び第2RF信号を遠隔で送信及び/又は受信することができる。
【0065】
図2bを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200eの第1チップアンテナ100cは、第1RF信号の給電経路を提供する給電ビア120a、及び第2RF信号の給電経路を提供する給電ビア120cを含むことができる。
【0066】
高周波パッケージ200eは、カップリングパッチパターン225bと第1チップアンテナ100cとの間を電気的に連結させる連結ビア226bをさらに含むことができる。
【0067】
例えば、連結ビア226bは、カップリングパッチパターン225bに第2RF信号の給電経路を提供することができ、給電ビア120cに電気的に連結されることができる。
【0068】
連結ビア226bと給電ビア120cが連結される構造は、パッチアンテナパターン110aを貫通することができ、パッチアンテナパターン110aに接触しなくてもよい。
【0069】
図2cを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200fの第1チップアンテナ100dの接着層140cは、パッチアンテナパターン110bが配置される空洞141bを有することができる。
【0070】
空洞141bは、接着層140cの誘電率よりもさらに低い誘電率の空気を含むことができ、比較的低い誘電率を有する誘電媒質として作用することができる。これにより、パッチアンテナパターン110aのカップリングパッチパターン225b及び/又は上部パッチパターン112bの電磁カップリングの過程において水平方向に漏れるエネルギーを削減することができる。これにより、第1チップアンテナ100dのアンテナ性能をさらに向上させることができる。
【0071】
図2dを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200gの第2連結部材220aにおいて、パッチアンテナパターン110aのうち少なくとも一部に重なる領域228aが開口(aperture)の形態であることができる。
【0072】
これにより、誘電媒質の境界条件が領域228aの側面に形成されることができ、パッチアンテナパターン110aにおいて遠隔で送受信されるRF信号の水平方向の成分を屈折及び/又は反射させることにより、パッチアンテナパターン110aの放射パターンを上下方向(例:Z方向)にさらに集中させることができ、パッチアンテナパターン110aの利得をさらに向上させることができる。
【0073】
例えば、第2 SR層224aは、パッチアンテナパターン110aのうち少なくとも一部に重なる領域228aに形成される孔を有することができる。
【0074】
これにより、第2連結部材220aの領域228aにおける開口状の高さは、高周波パッケージ200gの厚さを実質的に増加させなくても、さらに長くなり得るため、高周波パッケージ200gの厚さに対するパッチアンテナパターン110aの利得をさらに向上させることができる。
【0075】
図3a及び
図3bは本発明の一実施形態による高周波パッケージの第2連結部材の連結構造を示す図である。
【0076】
図3aを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200hは、第2連結部材220aの上面上に配置され、少なくとも一つの第2配線層222aに電気的に連結されるインピーダンス素子350をさらに含むことができる。
【0077】
例えば、インピーダンス素子350は、キャパシタ又はインダクタであってもよく、インピーダンスを形成するインピーダンス本体351、及びインピーダンスを伝達する外部電極352を含むことができる。
【0078】
外部電極352は、実装用電気連結構造体331を介して第2連結部材220aの上面上に実装されることができる。実装用電気連結構造体331は、融点が比較的低いはんだ(solder)を介してインピーダンス素子350と第2連結部材220aとの間を接合させることができ、第2 SR層224aの既に設定された位置に挿入されることができる。
【0079】
インピーダンス素子350は、外部電極352、少なくとも一つの第2配線層222a、コアビア233a、及び少なくとも一つの第1配線層212aを介してインピーダンスを外部(例えば、RFIC)に伝達することができる。
【0080】
本発明の一実施形態による高周波パッケージ200hは、第2連結部材220aの上面上に配置され、少なくとも一つの第2配線層222aに電気的に連結されるコネクタ340をさらに含むことができる。
【0081】
コネクタ340は、第1チップアンテナ100aを介して遠隔で送受信されるRF信号の周波数よりもさらに低い周波数のベース信号の電気的経路を提供することができる。ベース信号は、コネクタ340、少なくとも一つの第2配線層222a、コアビア233a、及び少なくとも一つの第1配線層212aを介して外部(例えば、RFIC)に伝達されることができ、外部(例えば、RFIC)においてRF信号に変換されることができる。また、RF信号は、少なくとも一つの第1配線層212aを介して第1チップアンテナ100aに伝達されて放射することができる。
【0082】
例えば、コネクタ340は、同軸ケーブルが物理的に結合する構造を有することができるが、これに限定されない。
【0083】
図3bを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200iは、第2連結部材220aの上面上に配置され、少なくとも一つの第2配線層222aに電気的に連結される第2チップアンテナ400a、400bをさらに含むことができる。
【0084】
第2チップアンテナ400aは、パッチアンテナパターン410a、給電ビア420a、誘電層430a、及び電気連結構造体460aのうち少なくとも一部を含むことができ、第2チップアンテナ400bは、パッチアンテナパターン410b、給電ビア420b、誘電層430b、及び電気連結構造体460bのうち少なくとも一部を含むことができる。
【0085】
第2チップアンテナ400a、400bは、第1チップアンテナ100aと同一又は類似の方法で製造されることができ、実装用電気連結構造体332a、332bを介して第2連結部材220aの上面上に実装されることができる。実装用電気連結構造体332a、332bは、はんだボール(solder ball)やパッド(pad)であってもよいが、これに限定されない。
【0086】
第1チップアンテナ100aの放射パターンと第2チップアンテナ400a、400bの放射パターンが互いに重なることができるため、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200iは、第1チップアンテナ100a及び第2チップアンテナ400a、400bの合計数に対応する利得及び最大出力を有することができる。
【0087】
第1チップアンテナ100aが高周波パッケージ200iに内蔵されるため、高周波パッケージ200iのサイズに対する第1チップアンテナ100a及び第2チップアンテナ400a、400bの合計数が多くなることができる。
【0088】
これにより、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200iは、サイズに対して向上した利得及び最大出力を有することができる。
【0089】
例えば、第2チップアンテナ400a、400bのパッチアンテナパターン410a、410bのサイズと、第1チップアンテナ100aのパッチアンテナパターン110aのサイズは互いに異なってもよい。一例として、第2チップアンテナ400a、400bの誘電層430a、430bの誘電率と、上記第1チップアンテナ100aの第1誘電層131aの誘電率は互いに異なってもよい。
【0090】
すなわち、第1チップアンテナ100aの第1周波数帯域と第2チップアンテナ400a、400bの第2周波数帯域が互いに異なり得る。結果として、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200iは、互いに異なる複数の周波数帯域に属する第1及び第2RF信号を遠隔で送受信することができる。
【0091】
第1チップアンテナ100aが第2チップアンテナ400a、400bよりも下側に配置されることができることから、第1チップアンテナ100aと第2チップアンテナ400a、400bが互いに与える電磁干渉を減少させることができるため、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200iは、互いに異なる複数の周波数帯域の全般的な利得(gain)を向上させることができる。
【0092】
さらに、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200iは、それぞれが1つの周波数帯域に集中するように実現された第1チップアンテナ100a及び第2チップアンテナ400a、400bを使用しながらも、互いに異なる複数の周波数帯域に属する第1及び第2RF信号を遠隔で送受信できるため、互いに異なる複数の周波数帯域の全般的なアンテナ性能(例えば、帯域幅、最大出力、偏波効率など)を向上させることができる。
【0093】
図4a及び
図4bは本発明の一実施形態による高周波パッケージから第2連結部材が省略された構造の上面を示す図である。
【0094】
図4aを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200kは、複数の第1チップアンテナ100kを含むことができ、複数の第1チップアンテナ100kがコア絶縁層231aの複数の貫通孔にそれぞれ配置される構造を有することができる。
【0095】
例えば、パッチアンテナパターン110c、第1誘電層131c、及び貫通孔はそれぞれ多角形状であることができる。
【0096】
パッチアンテナパターン110cは、パッチアンテナパターン110cの変異コア絶縁層231aの外側側面に対して斜め(oblique)に配置されることができる。例えば、パッチアンテナパターン110cは、X-Yの平面において45度回転した形態を有することができる。
【0097】
パッチアンテナパターン110cのRF信号の遠隔送受信による表面電流は一辺から他辺に流れることができる。また、表面電流に対応する電界は表面電流の方向と同一であってもよく、表面電流に対応する磁界は表面電流の方向に垂直であってもよい。
【0098】
パッチアンテナパターン110cの変異コア絶縁層231aの外側側面に対して斜め(oblique)になる場合、表面電流に対応する電界及び磁界は、隣接するチップアンテナを回避するように形成されることができるため、表面電流に対応する電界及び磁界が隣接するチップアンテナに与える電磁干渉が減少することができる。これにより、複数の第1チップアンテナ100kの全般的な利得を向上させることができる。
【0099】
図4bを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200lは、複数の第1チップアンテナ100lを含むことができ、複数の第1チップアンテナ100lの複数のパッチアンテナパターン110d、110eは、多角形状及び/又は円形状であることができる。
【0100】
例えば、複数の第1チップアンテナ100lは、比較的大きい誘電層上に複数のパッチアンテナパターン110d、110eが形成された状態において、比較的大きい誘電層を上下方向に切断することによって製造することができる。
【0101】
図5a~
図5fは本発明の一実施形態による高周波パッケージの製造方法を示す図である。
【0102】
図5aを参照すると、第1状態1201の高周波パッケージは、コア絶縁層1231の上面及び下面上に銅箔(copper clad)1239が積層される構造を有することができる。
【0103】
第2状態1202の高周波パッケージは、コア絶縁層1231から銅箔が除去され、貫通孔及びビアホールが形成される構造を有することができる。
【0104】
第3状態1203の高周波パッケージは、コア絶縁層1231の上面及び/又は下面上にドライフィルム(dryfilm)1238が形成される構造を有することができる。
【0105】
図5bを参照すると、第4状態1204の高周波パッケージは、コア絶縁層1231のビアホールにコアビア1233が形成され、コア絶縁層1231の上面及び/又は下面にコア絶縁層1232が形成され、コア絶縁層1231の貫通孔の境界面にめっき部材1235が形成される構造を有することができる。上記の構造は、コア部材1230に対応し、第1及び第2連結部材1210、1220のビルドアップのための支持基盤になり得る。
【0106】
第5状態1205の高周波パッケージは、コア部材1230の下面上に支持フィルム1237が配置される構造を有することができる。
【0107】
第6状態1206の高周波パッケージは、コア部材1230の貫通孔に第1チップアンテナ1100が配置される構造を有することができ、プラズマクリーニング(plasma cleaning)の過程を経ることができる。第1チップアンテナ1100は、パッチアンテナパターン1110、給電ビア1120、第1誘電層1131、及び電気連結構造体1160が組み合わされた状態において支持フィルム1237の上面上に配置されることができる。
【0108】
図5cを参照すると、第7状態1207の高周波パッケージは、コア部材1230の貫通孔及びコア部材1230の上面上に絶縁部材1240が充填される構造を有することができる。
【0109】
第8状態1208の高周波パッケージは、支持フィルムが除去された構造を有することができ、プラズマクリーニング(plasma cleaning)の過程を経ることができる。
【0110】
第9状態1209の高周波パッケージは、絶縁部材1240がコア部材1230の下面上に拡張した構造を有することができる。
【0111】
図5dを参照すると、第10状態1210の高周波パッケージは、絶縁部材1240の上面及び下面上にビアホールが形成される構造を有することができる。
【0112】
第11状態1211の高周波パッケージは、絶縁部材1240のビアホールに第1及び第2ビア1213、1223が形成され、絶縁部材1240の上面及び下面上に第1及び第2配線層1212、1222が形成される構造を有することができるとともに、表面処理過程を経ることができる。
【0113】
第12状態1212の高周波パッケージは、絶縁部材1240の上面上にカップリングパッチパターン1225が形成される構造を有することができる。
【0114】
図5eを参照すると、第13状態1213の高周波パッケージは、絶縁部材1240の上面及び下面上に第1及び第2絶縁層1211、1221が形成される構造を有することができる。
【0115】
第14状態1214の高周波パッケージは、第1及び第2絶縁層1211、1221にビアホールが形成される構造を有することができる。
【0116】
第15状態1215の高周波パッケージは、第1及び第2絶縁層1211、1221の上面及び下面上に第1及び第2配線層1212、1222が形成される構造を有することができる。
【0117】
第13状態1213の高周波パッケージから第15状態1215の高周波パッケージまでの過程は繰り返されることができ、第1及び第2絶縁層1211、1221ならびに第1及び第2配線層1212、1222の積層数は、上記過程の繰り返し回数に応じて決定することができる。
【0118】
図5fを参照すると、第16状態1216の高周波パッケージは、第2絶縁層1221におけるカップリングパッチパターン1225の重なり部分が除去された構造を有することができる。
【0119】
第17状態1217の高周波パッケージは、第1及び第2 SR層1214、1224が形成される構造を有することができ、第2 SR層1224からカップリングパッチパターン1225の重なり領域1228は除去されることができる。例えば、重なり領域1228は、微細粒子の衝突を介した工法(例えば、ブラス(blast)法)やレーザー照射を介した工法で除去することができる。
【0120】
図6a及び
図6bは本発明の一実施形態による高周波パッケージの第1連結部材の連結構造を示す図である。
【0121】
図6aを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200lは、RFIC 310及びサブ基板370をさらに含むことができる。
【0122】
RFIC(Radio Frequency Integrated Circuit)310は、第1連結部材210aの下面上に配置されることができ、実装用電気連結構造体333を介して実装されることができる。
【0123】
RFIC 310は、第1チップアンテナ100aにおいて、遠隔で送受信されるRF信号、及びRF信号の周波数よりも低い周波数のベース信号の信号処理を行うことができる。例えば、上記信号処理は、周波数変換、フィルタリング、増幅、位相制御を含むことができる。
【0124】
サブ基板370は、第1連結部材210aの下面上に配置されRFIC 310を囲むことができ、実装用電気連結構造体334を介して実装されることができる。
【0125】
例えば、サブ基板370は、サブ絶縁層371、サブ配線層372、及びサブビア373を含むことができ、上記ベース信号の経路又は電力供給経路として作用することができる。
【0126】
例えば、サブ基板370がRFIC 310を囲むスペースのうち少なくとも一部は、PIE(Photo Imageable Encapsulant)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、エポキシモールディングコンパウンド(epoxy molding compound、EMC)などの縫合材で充填されることができる。
【0127】
図6bを参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ200mは、実装用電気連結構造体335を介してベース基板380上に実装されることができる。ベース基板380は、プリント回路基板であってもよく、ベース信号の伝送経路を含むことができる。
【0128】
図7は本発明の一実施形態によるチップアンテナが配列された基板の電子機器における配置を例示する平面図である。
【0129】
図7を参照すると、本発明の一実施形態による高周波パッケージ100a-1、100a-2は、電子機器700の互いに異なる複数の端にそれぞれ隣接して配置されることができる。
【0130】
電子機器700は、スマートフォン(smart phone)、携帯情報端末(personal digital assistant)、デジタルビデオカメラ(digital video camera)、デジタルスチルカメラ(digital still camera)、ネットワークシステム(network system)、コンピュータ(computer)、モニター(monitor)、タブレット(tablet)、ラップトップ(laptop)、ネットブック(netbook)、テレビジョン(television)、ビデオゲーム(video game)、スマートウォッチ(smart watch)、オートモーティブ(Automotive)などであってもよいが、これらに限定されるものではない。
【0131】
電子機器700は、ベース基板600を含むことができ、ベース基板600は、通信モデム610及びベースバンドIC 620をさらに含むことができる。
【0132】
通信モデム610は、デジタル信号処理を行うように、揮発性メモリ(例えば、DRAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM)、フラッシュメモリなどのメモリチップ;セントラルプロセッサ(例えば、CPU)、グラフィックプロセッサ(例えば、GPU)、デジタル信号プロセッサ、暗号化プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどのアプリケーションプロセッサチップ、アナログ-デジタルコンバータ、ASIC(application-specific IC)などのロジックチップのうち少なくとも一部を含むことができる。
【0133】
ベースバンドIC 620は、アナログ-デジタル変換、アナログ信号に対する増幅、フィルタリング、及び周波数変換を行うことでベース信号を生成することができる。ベースバンドIC 620から入出力されるベース信号は、同軸ケーブルを介して高周波パッケージ100a-1、100a-2に伝達されることができ、同軸ケーブルは高周波パッケージ100a-1、100a-2の電気連結構造体に電気的に連結されることができる。
【0134】
例えば、上記ベース信号の周波数はベースバンドであってもよく、IF(Intermediate Frequency)に対応する周波数(例えば、数GHz)であることができる。RF信号の周波数(例えば、28GHz、39GHz)は、IFよりも高くてもよく、ミリ波(mmWave)に対応することができる。
【0135】
一方、本発明におけるRF信号は、Wi-Fi(IEEE 802.11ファミリなど)、WiMAX(IEEE 802.16ファミリなど)、IEEE 802.20、LTE(long term evolution)、Ev-DO、HSPA+、HSDPA+、HSUPA+、EDGE、GSM(登録商標)、GPS、GPRS、CDMA、TDMA、DECT、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標))、3G、4G、5G、及びそれ以降のものとして指定された任意の他の無線及び有線プロトコルが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0136】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、当該技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更、又は削除などにより本発明を多様に修正及び変更させることができるものであり、これも本発明の権利範囲内に含まれると言える。
【符号の説明】
【0137】
100a、100b チップアンテナ
110a パッチアンテナパターン(patch antenna pattern)
120a 給電ビア(feed via)
131a 第1誘電層(dielectric layer)
160a 電気連結構造体
200a 高周波パッケージ
210a 第1連結部材
211a 少なくとも一つの第1絶縁層
212a 少なくとも一つの第1配線層
213a 第1ビア
214a 第1 SR(solder resist)層
221a 少なくとも一つの第2絶縁層
222a 少なくとも一つの第2配線層
223a 第2ビア
224a 第2 SR層
225a カップリングパッチパターン(coupling patch pattern)
231a コア(core)絶縁層
232a コア配線層
233a コアビア
235a めっき部材
240a 絶縁部材