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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162517
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】試験システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20221017BHJP
【FI】
G06Q50/20 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177398
(22)【出願日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】P 2021067037
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518224266
【氏名又は名称】株式会社データミックス
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(74)【代理人】
【識別番号】100212510
【弁理士】
【氏名又は名称】笠原 翔
(72)【発明者】
【氏名】堅田 洋資
(72)【発明者】
【氏名】谷田 和章
(72)【発明者】
【氏名】谷垣 基
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】試験を開始するための確認作業を効率的に行う。
【解決手段】試験システムは、ユーザ端末からネットワークを介して受験可能な試験システムであって、ユーザ端末からユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報のうち少なくとも一つの情報を受け付ける受付手段と、受付手段により受け付けられた情報に対して、受験可能か否かを判断するための情報を記憶する記憶手段と、受付手段により受け付けられた情報と、記憶手段により記憶された情報とを比較することにより、受験可能であるか否かをユーザごとに判断する判断手段と、を備える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ端末からネットワークを介して受験可能な試験システムであって、
前記ユーザ端末からユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報のうち少なくとも一つの情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けられた情報に対して、受験可能か否かを判断するための情報を記憶する記憶手段と、
前記受付手段により受け付けられた情報と、前記記憶手段により記憶された情報とを比較することにより、受験可能であるか否かをユーザごとに判断する判断手段と、
を備える試験システム。
【請求項2】
前記ユーザ情報には、前記ユーザを特定可能なユーザ特定情報と、ユーザ端末に取得される撮像画像情報に含まれる顔画像情報と、申込情報とが含まれ、
前記判断手段は、前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とが一致しない場合に、受験可能ではないと判断する、
請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記ユーザ特定情報と、前記申込情報は、それぞれ複数の項目を含み、
前記判断手段は、
前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とがすべて一致する場合に、受験可能であると判断し、
前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とにおける一部の項目が不一致であって、かつ、当該不一致の項目が所定の項目に含まれる場合に、受験可能ではないと判断し、
前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とにおける一部の項目が不一致であって、かつ、当該不一致の項目が所定の項目に含まれない場合に、受験可能であると判断する、
請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
前記所定の項目には、前記ユーザの顔を認識する情報が含まれる、
請求項3に記載の試験システム。
【請求項5】
前記判断手段によって判断された受験可能であるか否かを示す情報を、外部通信機器に出力する出力手段をさらに備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の試験システム。
【請求項6】
ユーザ端末からネットワークを介して受験可能な試験システムの制御方法であって、
前記ユーザ端末からユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報のうち少なくとも一つの情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた情報と、記憶手段により記憶された受験可能か否かを判断するための情報とを比較することにより、受験可能であるか否かをユーザごとに判断する判断ステップと、
を有する制御方法。
【請求項7】
ユーザ端末からネットワークを介して受験可能な試験システムのコンピュータプログラムであって、
前記ユーザ端末からユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報のうち少なくとも一つの情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付ステップにおいて受け付けられた情報と、記憶手段により記憶された受験可能か否かを判断するための情報とを比較することにより、受験可能であるか否かをユーザごとに判断する判断ステップと、
をコンピュータによって実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、インターネット等を介して、自宅PCやスマートフォンを用いてオンライン上で試験を受験することが増えてきている。このようないわゆるオンライン試験では、試験会場で受験する場合と比べて、本来の受験者ではない者が代わりに受験を行ういわゆるなりすましのような不正行為が生まれやすい。これに対して、下記の特許文献1には、あらかじめ登録された顔データと試験時に撮影された顔データとの整合率を判定することで不正行為を抑制する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-089557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、オンライン試験において、本人確認を含む様々な確認作業には依然として多くの時間を要しており、試験事業者からは、試験を開始するための確認作業を効率的に行うことが望まれていた。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、試験を開始するための確認作業を効率的に行うことを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様は、
ユーザ端末からネットワークを介して受験可能な試験システムであって、
前記ユーザ端末からユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により受け付けた情報に基づいて、受験可能であるか否かをユーザごとに判断する判断手段と、
を備える試験システムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、試験を開始するための確認作業を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態にかかるサーバを含む試験システムの構成図である。
図3図2のうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図3のサーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図3のサーバにより実行される試験開始可否判断処理の流れを示すフローチャートである。
図6】ユーザ端末に表示される画面表示の一例を示す図である。
図7】試験監督端末に表示される画面表示の一例を示す図である。
図8】ユーザ端末に表示される画面表示の一例を示す図である。
図9】試験監督端末に表示される画面表示の一例を示す図である。
図10】試験監督端末に表示される画面表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
<概略>
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明を利用した試験システムの一例を示す概略図である。本試験システムはオンライン試験、すなわち、ネットワークを介して受験可能な試験において提供される。
本試験システムでは、1乃至n人のユーザU(U1~Un;nは2以上の整数値である)が用いるユーザ端末3と試験監督Dが用いる試験監督端末2とがネットワークNを介して繋がっている。ユーザUは、オンライン試験の受験者である。試験監督Dは受験者であるユーザUを監督する者である。本実施形態では、試験監督Dは一人である例について説明するが、複数人であってもよい。
【0011】
ユーザUは、試験当日に受験サイトへログインする。ここで、受験サイトとは、試験が行われるWebサイトをいう。ユーザUは、例えばユーザ端末3(自宅PCやノートパソコン)を用いて受験する。
【0012】
ユーザUが受験サイトにログインすると、ユーザ端末3の画面上に試験監督Dが表示される。試験監督Dは、試験監督端末2を用いて、ユーザUごとに、システム環境確認、本人確認、受験環境確認等を行う。なお、本実施形態では、システム環境確認、本人確認、受験環境確認のうち、一部が、試験システムやユーザU自身によって行われる例について説明する。
ここで、システム環境確認とは、後述する試験基準をユーザ端末3の仕様や作動状態が満たすか否かを確認することをいう。
本人確認とは、試験当日にユーザ端末3を操作しているユーザUが、試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを確認することをいう。本実施形態では、ユーザUが後述する試験基準を満たすか否かをシステムが確認することにより本人確認を行う。
受験環境確認とは、ユーザUが置かれている受験環境が後述する試験基準を満たすか否かを確認することをいう。
【0013】
本実施形態では、確認作業の組み合わせとして、例えば、システム環境確認のみ、システム環境確認と本人確認、システム環境確認と受験環境確認、本人確認のみ、本人確認と受験環境確認、受験環境確認のみ、システム環境確認と本人確認と受験環境確認、などが挙げられる。どの組み合わせを採用するかは、例えば、試験事業者によって決定される。
また、本実施形態では、システム環境確認、本人確認、受験環境確認において、システムが優先して判断するシステム優先モードと、試験監督などの人間が優先して判断する人優先モードとの何れかによって、上述の確認が行われる例について説明するが特に限定されない。例えば、システム環境確認、本人確認、受験環境確認のうち、一部の確認をシステムが行い、その他の確認を上述の人優先モードで行ってもよい。
システム優先モードでは、システムがまず判断を行い、必要に応じて試験監督D等が判断する。また、人優先モードでは、試験監督D等が判断を行う。
本実施形態では、システム環境確認、本人確認、受験環境確認のすべてが受験開始前に行われる例を説明するが、これらの確認の一部は試験開始後に行われてもよい。
確認作業や実施するタイミングの選択、確認作業の一部または全部を試験システムが行うことによって、試験事業者は、効率的に確認作業を行うことが可能となる。
なお、試験事業者(団体)とは、本試験システムを利用して実際にオンライン試験を運用する者をいう。
【0014】
試験システムは、上述の確認作業が完了した後、ユーザUが受験可能(試験開始可能)であるか否かを判断する。試験システムは、ユーザUが受験可能であると判断した場合に、ユーザ端末3に試験問題を送信し、ユーザUに受験をさせる。
本実施形態では、試験システムは、上述の確認作業で不備がない場合は、ユーザUが受験可能であると判断するが、上述の確認作業で不備がある場合でも、受験可能であると判断する場合と、受験不可と判断する場合がある。
例えば、本人確認において、「生年月日」に不備がある場合、当該不備が本人確認には影響ない場合(誤記の可能性がある場合)には、試験システムは、ユーザUが受験可能であると判断する。
一方で、例えば、本人確認において、ユーザUの「顔」の確認において不備がある場合(例えば、身分証明書の顔と一致しない場合)は、試験システムは、ユーザUが受験不可と判断する。以下、本実施形態の詳細について説明する。
【0015】
<システム構成>
図2は、本発明の一実施形態にかかるサーバ1を含む試験システムの構成図である。
図2に示す試験システムは、各種処理を行うサーバ1と、試験監督Dが用いる試験監督端末2と、受験者であるユーザUが用いるユーザ端末3と、を含むように構成される。サーバ1と、試験監督端末2と、ユーザ端末3との夫々は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。なお、試験監督端末2に、サーバ1の機能が実装されていてもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
図3は、図2のうちサーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0017】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0018】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ、プリンタ等で構成され、音声データ及びテキストデータ等の出力情報を出力する。出力部16が例えばプリンタ等であれば、出力情報を印刷することもできる。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。通信部19は、ネットワークNを介して他の対象(例えば図1の試験監督端末2、ユーザ端末3等)との間で相互に通信を行う。
【0019】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0020】
なお、図示はしないが、試験監督端末2およびユーザ端末3は、図3に示すサーバ1の構成と同様のハードウェア構成を有するため説明を省略する。
【0021】
<機能構成>
図4は、図3のサーバ1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4に示すように、サーバ1のCPU11においては、情報受付部31と、判断部32と、出力制御部33とが機能する。
サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザDB(データベース)61と試験開始条件DB62とが設けられている。
【0022】
情報受付部31は、ユーザ情報をユーザ端末3から受け付け、ユーザDB61に格納する。ユーザ情報とは、ユーザUに関する情報であって、例えば、後述するユーザ特定情報、申込情報、ユーザ顔画像情報(顔画像情報)等が含まれる。
【0023】
情報受付部31は、申込部41と、受付部42とを有している。
申込部41は、試験時より前(例えば、申込時)に各種情報を受け付ける。すなわち、申込部41は、申込者の情報(後述する申込情報)を受け付けて、ユーザDB61に格納する。
申込部41が受け付ける情報として、例えば、申込情報を受け付ける。なお、試験時より前としては、例えば、試験日より前や、試験開始前が挙げられる。
申込情報とは、試験申込時にユーザUがサーバ1へ送信する情報である。申込情報としては、例えば、氏名、生年月日、住所、郵便番号、電話番号、メールアドレス等が挙げられる。
【0024】
なお、申込部41が受け付ける情報として、ユーザ特定情報が含まれてもよい。
ユーザ特定情報とは、ユーザ端末3からサーバ1へ送信されるユーザUを特定するための情報であって、例えば、ユーザUの身分証明書に記載の情報(顔画像、氏名、生年月日、住所)、郵便番号、電話番号等が含まれる。ユーザUの身分証明書として、例えば、運転免許証、パスポート、マイナンバーカードが挙げられるが、これに限らない。例えば、第三者機関が発行したものや、試験事業者が発行した受験票であって、氏名、生年月日、顔画像が揃って確認できるもの等でもよい。
なお、身分証明書に記載の情報を取得する方法は、特に限定されない。例えば、ユーザ端末3に装備されたカメラにより撮像されたり、ユーザU所有のスキャナによって取り込まれ、ユーザ端末3より送信されて申込部41によって受け付けられてもよい。
なお、ユーザ特定情報は、後述する受付部42によって受け付けられてもよい。すなわち、ユーザ特定情報は、事前に取得する場合と、当日取得する場合がある。
【0025】
受付部42は、試験当日に各種情報を受け付ける。すなわち、試験実施前の各種情報を受け付ける。受付部42が受け付ける情報として、例えば、ユーザ顔画像情報、システム環境の情報、受験環境情報が挙げられる。
ユーザ顔画像情報とは、試験当日にユーザ端末3に装備されたカメラを用いて撮像された画像に含まれる、ユーザUの顔画像情報である。なお、撮像された画像からユーザU(人物)の顔画像を取得する方法は特に限定されず、種々の方法が適用できる。
ユーザUは、ユーザ端末3を用いて、ユーザ顔画像情報をサーバ1へ送信し、受付部42は、ユーザ顔画像情報を受け付ける。
【0026】
システム環境の情報とは、ユーザ端末3の仕様や作動状態に関する情報である。例えば、システム環境の情報には、ユーザ端末3のOS(Operating System)、ブラウザ、カメラやマイクの有無、ユーザ端末3がインターネットに有線で接続していること等に関する情報が含まれる。本実施形態では、システム環境確認は、ユーザ端末3のブラウザ上で行われるものとする。なお、システム優先モードにおいて、受付部42は、ユーザ端末3のブラウザ上で取得されたシステム環境の情報を、ユーザ端末3から取得してもよい。
【0027】
受験環境情報とは、ユーザUが置かれている受験環境に関する情報である。具体的には、ユーザ端末3に装備されたカメラを用いて、ユーザ端末3が置かれている机の上と受験する部屋全体を撮影することによって得られる画像情報をいう。
ユーザUは、ユーザ端末3を用いて、受験環境情報をサーバ1へ送信し、受付部42は、ユーザ顔画像情報を受け付ける。
【0028】
判断部32は、ユーザUが受験可能であるか否かをユーザごとに判断する。判断部32は、システム環境判断部51と、ユーザ判断部52と、受験環境判断部53とを有している。
システム環境判断部51は、ユーザ端末3の仕様や作動状態が後述する試験基準を満たすか否かを判断する。ユーザ判断部52は、試験当日に、ユーザ端末3を操作しているユーザUが、試験申込を行った人物と同一人物であるかを判断する。受験環境判断部53は、ユーザUが置かれている受験環境が後述する試験基準を満たすか否かを判断する。
判断部32は、システム環境判断部51とユーザ判断部52と受験環境判断部53が行ったそれぞれの判断に基づいて、ユーザUが受験可能か否かをユーザごとに判断する。
なお、本実施形態では、上述のそれぞれの判断において、システムが優先して判断するシステム優先モードと、試験監督などの人間が優先して判断する人優先モードが有る。いずれのモードを選択するかは、試験事業者によって決定される。すなわち、試験事業者によって設定可能である。
【0029】
ここで、ユーザUが受験可能であるか否かが判断されるタイミングには、少なくとも2パターンが想定される。
1つ目は、各種確認(システム環境確認、本人確認、受験環境確認)における後述する試験基準が満たされている否かについての判断がすべて行われた後に、受験可能であるか否かを一括して判断するパターンである。
2つ目は、上述の各種確認における後述する試験基準が満たされている否かについての判断毎に、受験可能であるか否かを個別に判断するパターンである。
【0030】
上述の一括して判断されるパターン(1つ目のパターン)の例を説明する。
システム優先モードでは、上述の各種確認における試験基準が満たされている否かについての判断がすべて行われた後に、判断部32が、ユーザUが受験可能であるか否かを判断する。例えば、判断部32は、上述の各種確認における試験基準がすべて満たされている場合に、ユーザUが受験可能であると判断する。また、例えば、判断部32は、上述の各種確認のうち2つ以上の試験基準が満たされている場合に、ユーザUが受験可能であると判断する。そして、判断部32は、上述の各種確認のうち2つ以上の試験基準が満たされていない場合に、ユーザUが受験可能ではないと判断する。また、例えば、判断部32は、所定の確認項目(例えば、システム環境確認および本人確認)における試験基準が満たされている場合に、ユーザUが受験可能であると判断する。なお、どのような場合に判断部32によってユーザUが受験可能であると判断するかは、試験事業者によって決定されるとよい。
人優先モードでは、上述の各種確認における試験基準が満たされている否かについての判断がすべて行われた後に、例えば、試験監督Dによって試験監督端末2のモニタ上の「試験開始許可」ボタンが押下される。そして、判断部32は、当該「試験開始許可」ボタンの押下をもって、ユーザUが受験可能であるものとする。
【0031】
上述した個別に判断されるパターン(2つ目のパターン)の例を説明する。
システム優先モードでは、まず、システム環境判断部51が、システム環境確認における試験基準が満たされているか否かを判断する。試験基準が満たされている場合、ユーザ判断部52は、本人確認を行う。試験基準が満たされていない場合、判断部32は、ユーザUが受験不可であると判断する。
本人確認において、ユーザ判断部52は、本人確認における試験基準が満たされているか否かを判断する。試験基準が満たされている場合、受験環境判断部53は、受験環境確認を行う。試験基準が満たされていない場合、判断部32は、ユーザUが受験不可であると判断する。
受験環境確認において、受験環境判断部53は、受験環境確認における試験基準が満たされているか否かを判断する。試験基準が満たされている場合、判断部32は、ユーザUが受験可能であると判断する。試験基準が満たされていない場合、判断部32は、ユーザUが受験不可であると判断する。
人優先モードでは、システム環境確認における試験基準が満たされている場合、例えば、試験監督端末2のモニタ上の「試験基準OK」ボタンを試験監督Dが押下する。システム環境判断部51は、当該「試験基準OK」ボタンの押下をもって試験基準が満たされているものとする。
そして、試験監督Dは、本人確認を行う。本人確認における試験基準が満たされている場合、例えば、上述の「試験基準OK」ボタンを試験監督Dが押下する。ユーザ判断部52は、当該「試験基準OK」ボタンの押下をもって試験基準が満たされているものとする。
そして、試験監督Dは、受験環境確認を行う。受験環境確認における試験基準が満たされている場合、例えば、上述の「試験基準OK」ボタンを試験監督Dが押下する。受験環境判断部53は、当該「試験基準OK」ボタンの押下をもって試験基準が満たされているものとする。
そして、システム環境確認、本人確認、受験環境確認の各試験基準が満たされているとされた場合に、判断部32は、ユーザUが受験可能であると判断する。
以下の実施形態では、システム環境判断部51、ユーザ判断部52および受験環境判断部53について、上述した個別に判断がなされるパターンを例に詳細に説明する。
【0032】
システム環境判断部51は、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たすか否かを判断する。
ここで、システム環境判断部51が用いる試験基準としては、全試験事業者共通の試験基準と、試験事業者ごとに設定可能な試験基準とがある例について説明する。
全試験事業者共通の試験基準としては、例えば、本試験システムによって規定されるOS(Operating System)やブラウザを、ユーザ端末3が使用していること、当該ブラウザ以外のアプリケーションが開かれていないこと等が挙げられる。
試験事業者ごとに設定可能な試験基準としては、例えば、カメラやマイクをユーザ端末3が装備して(または装着されて)いること、音声がONになっていること、ユーザ端末3と試験監督端末2との間でユーザ端末3の画面が共有されていること、チャットでの会話が可能なこと等が挙げられる。なお、試験基準としては、ユーザ端末3がインターネットに有線で接続していることも挙げられる。本実施形態では、試験基準は、後述する試験開始条件DB62に格納されるものとする。
【0033】
システム優先モードでは、まず、試験基準を満たすか否かの判断は、ユーザ端末3のブラウザ上で行われる。そして、ユーザによってセルフチェック(ブラウザ上で判断されたものを確認)が行われる。例えば、ユーザ端末3のOSやブラウザが、本試験システムが規定するOSやブラウザを使用していない場合、ユーザ端末3のブラウザは、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていないと判断する。
そして、ユーザ端末3から、ユーザ端末3のブラウザが判断した結果がサーバ1に送信される。そして、システム環境判断部51は、ユーザ端末3のブラウザが行った判断結果に応じて、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たすか否かを判断(決定)する。
【0034】
人優先モードでは、まず、試験基準を満たすか否かの判断は、ユーザ端末3のブラウザ上で行われる。そして、ユーザによってセルフチェック(ブラウザ上で判断されたものを確認)が行われる。
ユーザの必要に応じて、試験監督Dとチャットを行うことにより、例えば、試験基準を満たすためのアドバイスを試験監督Dから得ることもできる。
人優先モードの一例を説明する。例えば、本試験システムが規定するブラウザ以外のアプリケーションがユーザ端末3において開かれていた場合には、ユーザ端末3のブラウザは、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていないと判断する。この場合、試験監督DはユーザUに対しチャット等により不要なアプリケーションを閉じるように指示(サポート)をする。試験監督Dの指示によって、ユーザUが不要なアプリケーションを閉じた場合、試験監督Dは、例えば試験監督端末2のモニタ上の「試験基準OK」ボタンを押下する。当該「試験基準OK」ボタンの押下をもって、システム環境判断部51は、ユーザ端末3の仕様や作動状態は試験基準を満たしているものとする。一方、当該「試験基準OK」ボタンを試験監督Dによって押下されないときは、システム環境判断部51は、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていないものとする。すなわち、試験開始を許可されない状況(「試験基準OK」ボタンが押下されない状況)においては、対応するユーザにおいては試験が開始されない。なお、例えば、試験監督端末2のモニタ上に「試験基準NG」ボタンが設けられて、試験基準が満たされていない場合に試験監督Dによって、当該「試験基準NG」が押下されてもよい。
【0035】
ユーザ判断部52は、試験当日に、ユーザ端末3を操作しているユーザUが、試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを、試験基準を用いて判断する。
ここで、ユーザ判断部52が用いる試験基準としては、所定の項目が一致していることが挙げられる。所定の項目としては、ユーザ情報(ユーザ特定情報)に含まれる1以上の項目であって、例えば顔画像等が挙げられる。試験基準(所定の項目)は、後述する試験開始条件DB62に格納されるものとする。
【0036】
システム優先モードでは、ユーザ判断部52は、まず、ユーザ特定情報に含まれる顔画像情報と、ユーザ端末3によって撮像された画像に含まれるユーザ顔画像情報とを比較する。次に、ユーザ特定情報に含まれる氏名、生年月日等と、申込情報の氏名、生年月日等とを比較する。
上述のすべての項目が一致する場合、ユーザ判断部52は、ユーザUが試験基準を満たすと判断する。
上述の項目のうち不一致の項目があり、かつ不一致の項目が上述の所定の項目に該当する場合、ユーザ判断部52は、ユーザUが試験基準を満たさないと判断する。
上述の項目のうち不一致の項目があり、かつ不一致の項目が上述の所定の項目に該当しない場合、ユーザ判断部52は、ユーザUが試験基準を満たすと判断する。
ここで、ユーザ特定情報に含まれる顔画像とは、事前に取得する場合は、例えば、事前にアップロードされた身分証明書の顔画像であり、当日取得する場合は、ユーザ端末3によって撮像された画像に含まれる身分証明書の顔画像である。
なお、ユーザ特定情報に含まれる顔画像情報と、ユーザ顔画像情報との比較方法は、特に限定されない。例えば、ユーザ判断部52は、ユーザ特定情報の顔画像情報と、ユーザ顔画像情報との整合率を用いてもよい。例えば、ユーザ判断部52は、ユーザ特定情報の顔画像と、ユーザ顔画像情報との整合率が、所定値未満(例えば、90%未満)の場合はユーザUが試験基準を満たさないと判断し、所定値以上(例えば、90以上)の場合はユーザUが試験基準を満たすと判断してもよい。整合率は、例えばパターンマッチング等の種々の画像処理を用いて算出されるとよい。また、機械学習により生成した分類器を用いて、顔が一致するか否か(試験基準を満たすか否か)を判断してもよい。
なお、ユーザ判断部52による試験基準を満たすか否かの判断において、例えば、上述の整合率に応じて、当該判断を試験監督D等に委ねてもよい。
例えば、ユーザ判断部52は、整合率が第1閾値(例えば、30%)未満の場合に、同一人物ではないと判断する。
また、ユーザ判断部52は、整合率が第2閾値(例えば、70%)以上の場合に、同一人物であると判断する。
そして、ユーザ判断部52は、整合率が、第1閾値以上、かつ第2閾値未満の場合に、上述の判断を試験監督D等に委ねてもよい。すなわち、ユーザ判断部52によって、システム優先モードから人優先モードに切り替えられてもよい。
【0037】
人優先モードでは、試験監督Dが、試験当日にユーザ端末3を操作しているユーザUが、試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを目視によって判断する。
人優先モードの一例を説明する。試験監督Dは、試験監督端末2を用いて、まずユーザ特定情報に含まれる顔画像情報と、ユーザ顔画像情報とを目視によって比較する。次に、ユーザ特定情報に含まれる氏名、生年月日等と、申込情報の氏名、生年月日等とを目視によって比較する。
上述のすべての項目が一致する場合、試験監督Dは、ユーザUが試験基準を満たすと判断する。
上述の項目のうち不一致の項目があり、かつ不一致の項目が上述の所定の項目に該当する場合、試験監督Dは、ユーザUが試験基準を満たさないと判断する。
上述の項目のうち不一致の項目があり、かつ不一致の項目が上述の所定の項目に該当しない場合、試験監督Dは、ユーザUが試験基準を満たすと判断する。
試験監督Dは、上述の判断の後、例えば試験監督端末2のモニタ上の「試験基準OK」ボタンを押下する。ユーザ判断部52は、「試験基準OK」ボタンの押下をもって、試験基準が満たされているものとする。なお、「試験基準NG」ボタンを設けてもよく、例えば、試験監督Dは、上述の試験基準が満たされていない場合に、「試験基準NG」ボタンを押下する。ユーザ判断部52は、「試験基準NG」ボタンの押下をもって、試験基準が満たされていないものとする。
【0038】
受験環境判断部53は、受験環境情報に基づいて、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たすか否かを判断する。
ここで、受験環境判断部53が用いる試験基準としては、例えば、ログインからユーザ端末3が装備するカメラに他者が映り込まないこと、マイクに他者の声が入らないように人と人との間隔や空間を確保すること、ユーザ端末3を机の上などに設置すること、ユーザUの周辺に試験事業者が規定する物(例:色彩に関する試験の場合カラーチャート)以外の物が置かれていないこと、適切な照度があること、他者のプライバシーを侵害する可能性がある物などが録画、録音されないようにすること、公園、インターネットカフェ、レストランなどの公共スペースでユーザUが受験していないこと、周囲の録画の画像をアップロードしていること、試験事業者が規定する場合には受験資格を証明する書面(例えば上位資格を受験する場合における下位資格の資格証明書)が机上に置かれていること等が挙げられる。
【0039】
システム優先モードの一例を説明する。受験環境判断部53が行う判断には、通常行われる判断と、簡易的に行われる判断とがある。なお、いずれの判断を採用するかは、試験事業者によって設定可能である。
【0040】
通常行われる判断の一例を説明する。受験環境判断部53は、例えば、種々の画像処理を用いて、例えば、受験環境情報に対応する撮像画像中に、他者が映り込んでいる場合に、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たしていないと判断する。
なお、受験環境判断部53による試験基準を満たすか否かの判断において、例えば、撮像画像中に、試験基準を満たさない物体が存在する度合いを示す一致度に応じて、当該判断を試験監督D等に委ねてもよい。例えば、電卓が禁止されている試験において、上述の撮像画像中に電卓が映っていた場合、電卓は試験基準を満たさない物体であるため、当該一致度は高くなる。例えば、一致度は、パターンマッチング等の種々の画像処理を用いて算出される。
例えば、受験環境判断部53は、一致度が第1閾値(例えば、30%)未満の場合に、試験基準を満たしていると判断する。
また、受験環境判断部53は、一致度が第2閾値(例えば、70%)以上の場合に、試験基準を満たしていないと判断する。
そして、受験環境判断部53は、一致度が、第1閾値以上、かつ第2閾値未満の場合に、上述の判断を試験監督D等に委ねてもよい。
すなわち、例えば受験環境判断部53によって、システム優先モードから人優先モードに切り替えられてもよい。
なお、機械学習により生成した分類器を用いて、例えば、受験環境情報に対応する撮像画像中に、他者が映り込んでいるか否か(試験基準を満たすか否か)を判断してもよい。
【0041】
簡易的に行われる判断の一例を説明する。受験環境判断部53は、例えば、周囲の録画の画像がアップロードされている場合に、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たしていると判断してもよい。
本実施形態におけるシステム優先モードでは、受験環境判断部53は、受験環境情報が、ユーザUによってサーバ1へアップロードされた場合は、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たすと判断するものとする。
上述の簡易的に行われる判断を採用することは、画像処理によって受験環境の確認を行うことが難しい場合(例えば、参考書等が持ち込み可の場合等)に有効である。
また、アップロードされた受験環境情報を、試験開始後に人がチェックする運用を行っている試験事業者にとって有効である。
また、受験環境確認のすべてをシステムが行う(画像処理によって行う)のはコストが高いと試験事業者が判断した場合に有効である。
【0042】
人優先モードでは、試験監督Dが、上述の受験環境情報に対応する撮像画像を目視によって試験基準を満たすか否かを判断する。
人優先モードの一例を説明する。例えば、上述の受験環境情報に対応する撮像画像中に他者が映り込んでいることを、試験監督Dが目視によって確認した場合、試験監督Dは、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たしていないと判断する。
また、上述の受験環境情報に対応する撮像画像中に、例えば、他者が映り込んでいないこと及び、その他の試験基準も満たしていることを試験監督Dが目視によって確認した場合、試験監督Dは、づいて、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たしていると判断する。
なお、例えば、参考書の持ち込みが可能な試験の場合、ユーザ端末3が置かれている机の上に参考書が置かれている場合は、試験監督Dは、試験基準を満たすと判断する。
試験監督Dは、上述の判断の後、例えば試験監督端末2のモニタ上の「試験基準OK」ボタンを押下する。受験環境判断部53は、「試験基準OK」ボタンの押下をもって、試験基準が満たされているものとする。なお、「試験基準NG」ボタンを設けてもよく、例えば、試験監督Dは、上述の試験基準が満たされていない場合に、「試験基準NG」ボタンを押下する。受験環境判断部53は、「試験基準NG」ボタンの押下をもって、試験基準が満たされていないものとする。
【0043】
上述のシステム環境判断部51と、ユーザ判断部52と、受験環境判断部53が行った各種判断を用いて、判断部32は、判断を行う。
例えば、システム環境判断部51が、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていると判断した場合、ユーザ判断部52は、本人確認を行う。試験基準を満たさないとシステム環境判断部51が判断した場合、判断部32は、ユーザUが受験不可であると判断する。
本人確認において、ユーザ判断部52が、試験基準を用いてユーザ端末3を操作しているユーザUが、試験申込を行った人物と同一人物である(試験基準を満たす)と判断した場合、受験環境判断部53は、受験環境確認を行う。試験基準を用いてユーザ端末3を操作しているユーザUが、試験申込を行った人物と同一人物でない(試験基準を満たさない)とユーザ判断部52が判断した場合、判断部32は、ユーザUが受験不可であると判断する。
受験環境確認において、受験環境判断部53が、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たすと判断した場合、判断部32は、ユーザUが受験可能であると判断する。ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たさないと受験環境判断部53が判断した場合、判断部32は、ユーザUが受験不可であると判断する。
【0044】
出力制御部33は、判断部32が判断した結果(以下、判断情報という。)を、例えば、試験監督端末2等の外部通信機器へ出力するよう制御する。本実施形態では、テキスト情報として、例えば「受験可能」や「受験不可」といった判断情報が試験監督端末2へ出力され、試験監督端末2の表示部に表示される。出力される判断情報はテキスト情報に限定されず、試験監督Dの注意を惹くものであればよい。例えば、「ピンポーン」等の音声であってもよく、判断部32により受験可能と判断されたユーザUの名前を囲うアイコン(画像)を表示してもよい。また、判断情報が試験監督端末2の画面上に出力されていればよく、試験監督Dに対してユーザUが複数である場合には、ユーザUごとに出力されてもよい。
なお、判断情報は、ユーザ端末3へ出力されてもよい。例えば、「受験可能です」「受験不可です」といったテキスト等をユーザ端末3へ出力するよう制御してもよい。
【0045】
ユーザDB61には、情報受付部31が受け付けたユーザ情報が格納される。上述の判断部32は、ユーザDB61に格納されたユーザ情報と、上述の試験基準を用いて判断を行っている。
【0046】
試験開始条件DB62には、上述の試験基準が格納される。試験基準は、受付部42により受け付けられた情報に対して、受験可能か否かを判断するための情報である。本実施形態では、試験開始条件DB62には、3種類の試験基準(システム環境判断部が用いる試験基準と、ユーザ判断部52が用いる試験基準と、受験環境判断部53が用いる試験基準)が格納されているものとする。
なお、試験基準は、判断部32が受験可能と判断するための項目であってもよいし受験不可と判断するための項目であってもよい。本実施形態では、当該試験基準情報は、試験事業者によって試験日より前に予め格納されているものとする。
【0047】
<処理内容:試験開始可否判断処理>
図5は、本実施形態に係る試験開始可否判断処理の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、ユーザUは、試験当日よりも前に、予め試験の申込を行っており、申込部41により受け付けられた申込情報は、ユーザDB61に格納されているものとする。なお、申込部41による申込が、受付部42による受付と同日であってもよい。すなわち、ユーザUは、試験当日に申込と受付を行ってもよい。以下、詳細について説明する。
【0048】
ステップS1において、出力制御部33は、ユーザUにセルフチェックを依頼する情報を出力するよう制御する。具体的には、例えば、サーバ1の出力制御部33が、通信部19を介して、ユーザ端末3に対して、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たすか否かをユーザUに確認させるメッセージを出力する。ユーザ端末3は、サーバ1から入力した情報をユーザ端末3のモニタ上に表示させる。
ユーザUは、出力制御部33によってユーザ端末3のモニタ上に出力されたメッセージを見て、ユーザ端末3の仕様や作動状態をユーザU自身で確認する。ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていない場合、ユーザUは、試験事業者が提供するFAQ(Fequently Asked Quetions)を参照して試験基準を満たすよう作業を行う。ここで、FAQとは、よくある質問と回答を集めたものである。また、ユーザU自身によって行われる、試験基準を満たすよう作業を行うことをセルフトラブルシュートという。
ユーザUは、セルフトラブルシュートの結果を、ユーザ端末3からサーバ1へ送信する。
【0049】
ステップS2において、受付部42は、ユーザ端末3からのセルフトラブルシュートの結果を受け付ける。
【0050】
ステップS3において、システム優先モードでは、システム環境判断部51は、ステップS2で受け付けたセルフトラブルシュートの結果に基づいて、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしているか否かを判断する。
また、ステップS3において、人優先モードでは、セルフトラブルシュートの結果に対して、試験監督Dがさらにチャット等を用いて対話を行うことで、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしているか否かを試験監督Dが判断する。
人優先モードの一例を説明する。セルフトラブルシュートの結果に基づいて、試験監督Dは、ユーザUとチャットによって対話を行う。なお、試験監督DとユーザUとの対話は任意の方法でもよく、試験監督DとユーザUが意思疎通を図ることができる方法(例えば、通話)であればよい。
試験監督Dは、ユーザUとの対話によって、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしているか否かを判断する。例えば、ユーザ端末3において不要なアプリケーションが開かれていた場合に、試験監督Dは当該不要なアプリケーションを閉じるようユーザUに通知する。ユーザUが、不要なアプリケーションを閉じた場合、試験監督Dは、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たすと判断する。
一方、試験監督Dが通知したにも関わらず、ユーザUが不要なアプリケーションを閉じない場合は、試験監督Dは、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていないと判断する。
試験監督Dは、上述の判断の後、例えば試験監督端末2のモニタ上の「試験基準OK」ボタンを押下する。当該「試験基準OK」ボタンの押下をもって、ユーザ判断部52は、試験基準が満たされているものとする。なお、「試験基準NG」ボタンを設けてもよく、例えば、試験監督Dは、上述の試験基準が満たされていない場合に、「試験基準NG」ボタンを押下する。そして、試験監督Dの判断の結果は、上述の何れかのボタンの押下をもってサーバ1に送信されるとよい。人優先モードでは、システム環境判断部51は、試験監督Dの判断に応じて、試験基準を満たしているか否かを決定(判断)するものとする。
上述の処理によって、システム環境判断部51が、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていると判断した場合(ステップS3-YES)、処理はステップS4に進む。システム環境判断部51が、ユーザ端末3の仕様や作動状態が試験基準を満たしていないと判断した場合(ステップS3-NO)、処理はステップS14に進む。
【0051】
ステップS4において、判断部32は、他の確認を行うか否かを判断する。他の確認とは、システム環境確認以外の確認、即ち、本人確認と受験環境確認である。なお、他の確認を行うか否かは、試験事業者によって予め設定されるものとする。
判断部32が他の確認を行うと判断した場合(ステップS4-YES)、処理はステップS5に進む。判断部32が他の確認を行わないと判断した場合(ステップS4-NO)、処理はステップS13に進む。
【0052】
ステップS5において、ユーザ判断部52は、事前に(例えば試験日より前)に身分証明書(の顔画像)がアップロードされているか否かを判断する。
身分証明書の顔画像が事前にアップロードされている場合(ステップS5-YES)、処理はステップS7に進む。身分証明書の顔画像が事前にアップロードされていない場合(ステップS5-NO)、処理はステップS6に進む。
ここで、試験の種類によって、身分証明書が、事前のアップロードを要する試験と、事前のアップロードを要しない試験(当日、身分証明書の確認を行う試験)がある。
身分証明書が事前にアップロードされている場合(ステップS5-YES)としては、例えば、事前のアップロードを要する試験において、ユーザUが事前(例えば、試験申込時)に身分証明書をアップロードした場合が挙げられる。
身分証明書が事前にアップロードされていない場合(ステップS5-NO)としては、例えば、事前のアップロードを要する試験において、ユーザUが事前に身分証明書をアップロードしていない場合(例えば、失念した場合)が挙げられる。
なお、身分証明書が事前にアップロードされていない場合には、事前のアップロードを要しない試験を実施している場合も含まれる。
【0053】
ステップS6において、受付部42は、身分証明書の顔画像を受け付ける。例えば、受付部42は、ユーザUに対して、身分証明書を提示するよう求め、ユーザ端末3によって撮像された身分証明書の顔画像を受け付ける。
【0054】
ステップS7において、システム優先モードでは、ユーザ判断部52は、試験当日にユーザ端末3を操作している人物が、試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを判断する。ユーザ判断部52は、試験基準を用いて、即ち、所定の項目(例えば顔画像)が一致するかによって、試験当日にユーザ端末3を操作しているユーザUが試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを判断する。なお、上述のように、ユーザ判断部52は、整合率に応じて、上述の判断を試験監督D等に委ねてもよい。
人優先モードでは、身分証明書に記載された顔画像、氏名、生年月日等と、ユーザ端末3に装備されたカメラを用いて撮像された画像に含まれる、ユーザUの顔画像、氏名、生年月日等とが一致するかを、試験監督Dは、目視によって確認することにより試験当日にユーザ端末3を操作している人物が、試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを判断する。
ユーザ判断部52は、上述のように、試験監督Dの判断に応じて、試験基準が満たされているか否かを決定する。ユーザ判断部52が同一人物であると判断した場合(ステップS7-YES)、処理はステップS8に進む。同一人物でないと判断した場合(ステップS7-NO)、処理はステップS14に進む。
【0055】
ステップS8において、ユーザ判断部52は、身分証明書に記載された顔画像以外の情報(例えば氏名、生年月日等)と、申込情報とについて、不備がないか否かを判断する。
ここで、不備がないとは、例えば、ユーザ特定情報の氏名、生年月日等と、申込情報の氏名、生年月日等とが一致しない場合が挙げられる。具体的には、ユーザ特定情報の氏名が漢字であり、申込情報の氏名が、ひらがな、カタカナ、アルファベットである場合、上述の不備があることになる。
不備がない場合(ステップS8-YES)、処理はステップS10に進む。不備がある場合(ステップS8-NO)、処理はステップS9に進む。
【0056】
ステップS9において、出力制御部33は、申込情報を変更する依頼をユーザ端末3へ出力するよう制御する。
例えば、出力制御部33は、申込情報のうち、生年月日に不備がある場合に、当該申込情報の生年月日を変更(修正)する依頼をユーザ端末3へ出力するよう制御する。この場合、申込情報の変更(修正)は、ユーザU自身により行われる。
なお、出力制御部33は、申込情報の変更候補を作成する依頼を、試験監督端末2へ出力するよう制御してもよい。この場合、試験監督D(試験監督端末2)は、当該変更(修正)候補を作成し、変更内容についての承諾をユーザU(ユーザ端末3)へ依頼する。ユーザUが当該変更候補の承諾した場合、承諾する旨がユーザ端末3からサーバ1に送信され、サーバ1内で(例えば、ユーザ判断部52によって)申込情報の変更がなされる。
なお、出力制御部33は、申込情報の変更(修正)依頼を試験監督端末2へ出力して、申込情報の変更が、試験監督Dのみによって行われてもよい。
【0057】
ステップS10において、判断部32は、他の確認を行うか否か判断する。他の確認とは、本人確認以外の確認、即ち、受験環境確認のことをいう。なお、他の確認を行うか否かは、試験事業者によって予め設定されるものとする。他の確認を行う場合(ステップS10-YES)、処理はステップS11に進む。他の確認を行わない場合(ステップS7-NO)、処理はステップS13に進む。
【0058】
ステップS11において、受付部42は、受験環境情報を受け付ける。具体的には、受付部42は、ユーザ端末3によって、ユーザの周囲を撮像した画像を受け付ける。
【0059】
ステップS12において、受験環境判断部53は、受験環境情報に基づいて、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たすか否かを判断する。
本実施形態においてシステム優先モードでは、受験環境判断部53は、ユーザUによって受験環境情報がサーバ1へアップロードされていれば、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たすと判断するものとする。
人優先モードでは、受験環境判断部53は、ユーザUが置かれている受験環境を試験監督Dが目視によって確認した結果に応じて、試験基準を満たすか否かを判断する。
人優先モードの一例を説明する。上述の受験環境情報中に、例えば、他者が映り込んでいることを、試験監督Dが目視によって確認した場合、試験監督Dは、ユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たしていないと判断する。
一方、例えば、上述の受験環境情報中に他者が映り込んでなく、また、その他の試験基準も満たされていることを、試験監督Dが目視によって確認した場合、試験監督DはユーザUが置かれている受験環境が試験基準を満たしていると判断する。
受験環境判断部53は、上述のように、試験監督Dの判断に応じて、試験基準が満たされているか否かを決定する。
受験環境判断部53が、試験基準を満たしていると判断した場合(ステップS12-YES)、処理はステップS13に進む。試験基準を満たしていない場合(ステップS12-NO)、処理はステップS14に進む。
【0060】
ステップS13において、判断部32は、試験開始許可の判断をし、試験開始可否判断処理は終了する。
【0061】
ステップS14において、判断部32は、試験開始不可の判断をし、試験開始可否判断処理は終了する。
【0062】
<画面表示例>
図6は、ユーザ端末3に表示される画面表示の一例を示す図である。図6は、ユーザUが受験サイトにログインし、試験監督Dが表示された際の表示例である。図6の例では、ユーザUは左上部に表示される(領域G11)。ユーザUが映し出された領域G11の下方には、ユーザ端末3のモニタに映る画面が表示される(領域G12)。試験監督Dは、ユーザUが映し出された領域G11の右側に表示される(領域G13)。試験監督Dが映し出された領域G13の下方には、ユーザ端末3の仕様や作動状態が表示されている。具体的には、使用されているカメラ71、マイク72が表示されている。また、カメラの作動状態として画面共有の設定状況73が表示されている。
【0063】
図7は、試験監督端末2に表示される画面表示の一例を示す図である。
領域G21~G23は、複数のユーザUの画像、および各ユーザ端末3のモニタに映る画面が表示される領域である。
領域G24は、上述のシステム環境確認が人優先モードで行われた場面において、試験監督DとユーザUがチャットで対話する場面の表示例である。
図7の例では、ユーザUが3名表示され(領域G21~G23)、領域G22に表示されるユーザUのユーザ端末3において試験事業者が規定するブラウザ以外の不要なアプリケーションが開かれていることが示されている。「不要なアプリケーションは閉じて下さい」(符号G24a)は試験監督DからユーザUへの指示である。「わかりました」(符号G24b)の表示は、試験監督Dの指示に対するユーザUの返信である。
なお、図7では、不要なアプリケーションを開いているユーザUと、不要なアプリケーションを開いていないユーザUが同時に表示されているが、例えば、不要なアプリケーションを開いているユーザUのみを表示してもよい。
【0064】
図8(A)、図8(B)は、ユーザ端末3に表示される画面表示の一例を示す図である。図8(A)、図8(B)は、上述の本人確認が人優先モードで行われ、かつ、試験当日にユーザ端末3から身分証明書の顔画像が送信された場面において、ユーザ端末3に表示される表示例である。
図8(A)は、ユーザ特定情報の一例である身分証明書81をユーザUが試験監督Dに提示している表示例である。
図8(B)は、図8(A)の領域G11における身分証明書81を拡大した図である。図8(B)の例では、身分証明書81は、例えば、運転免許証である。身分証明書81には、顔画像81a、氏名81bと、生年月日81cが表示されている。試験監督Dは、目視によって、本人確認を行う。
【0065】
図9は、試験監督端末2に表示される画面表示の一例を示す図である。図9は、図8(A)に示す場面において、試験監督端末2に表示される表示例である。試験監督Dは、ユーザUから提示された身分証明書81の顔画像81aと、ユーザ顔画像情報とを比較する。また、試験監督Dは、身分証明書81に記載された氏名81b、生年月日81c等と、申込情報の氏名、生年月日等とを比較して本人確認を行う。
【0066】
図10は、試験監督端末2に表示される画面表示の一例を示す図である。図10は、試験監督D一人に対してユーザUが複数である場合において、夫々の確認作業を行い判断部32が判断した結果(判断情報)が、試験監督端末2へ出力された場面の表示例である。領域G41~G49は、9名のユーザUの画像、および各ユーザ端末3のモニタに映る画面が表示される領域である。画面左側の領域92(破線部)には、試験監督Dが担当する複数のユーザ名が表示されている。領域92内の「開始する」(符号91)は、当該ユーザUが受験可能と判断された者であることを表示している。
【0067】
<本実施形態の有利な効果>
上述の実施形態によれば、システム環境判断部(サーバ)によって、ユーザ端末の仕様や作動状態が試験基準を満たしているか否かを判断することにより、試験監督による確認作業の負担を軽減することができる。すなわち、システム環境判断部が、従来であれば人が行っていたオンライン試験におけるシステム環境確認の一部またはすべてを行うことができるため、人による確認作業の負担を軽減することができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、ユーザ判断部(サーバ)によって試験当日に、ユーザ端末を操作しているユーザが、試験申込を行った人物と同一人物であるか否かを判断することにより、試験監督による確認作業の負担を軽減することができる。すなわち、ユーザ判断部が、従来であれば人が行っていたオンライン試験における本人確認の一部またはすべてを行うことができるため、人による確認作業の負担を軽減することができる。
【0069】
また、本実施形態によれば、ユーザ判断部が、所定の項目に基づいて本人確認を行うことにより、試験を開始できるか否かの判断に掛かる時間を短縮することができる。従来は、ユーザ情報のうち、不一致の項目がある場合、受験不可となり、当該受験不可となったユーザに対して試験監督が確認を行っていた。本実施形態では、不一致の項目があっても、所定の項目に該当しなければ受験可能としている。そのため、試験監督が確認を行うユーザUの数が従来の数より少なくなると推定されるため、試験を開始できるか否かの判断に掛かる時間を短縮することができる。
【0070】
また、本実施形態によれば、受験環境判断部(サーバ)によってユーザが置かれている受験環境が試験基準を満たすか否かを判断することにより、試験監督による確認作業の負担を軽減することができる。すなわち、受験環境判断部が、従来であれば人が行っていたオンライン試験における受験環境確認の一部またはすべてを行うことができるため、人による確認作業の負担を軽減することができる。
【0071】
また、本実施形態によれば、システム環境確認、本人確認、受験環境確認のうち、どの確認を行うかを試験事業者によって設定することができるため、試験の種類に応じて、確認作業を選択することができる。例えば、参考書の持ち込みが可能であるオンライン試験の場合、試験事業者は受験環境確認を行わないという選択をすることができる。また、例えば、ユーザの人生を左右するような厳格な国家試験の場合は、システム環境確認、本人確認、受験環境確認のすべてを行う選択をしてもよい。
【0072】
また、本実施形態によれば、本人確認において、ユーザ情報のうち、不一致の項目があっても、当該不一致の内容が軽微な場合(所定の項目に該当しない場合;例えば、生年月日の不一致であって誤記と思われる場合)は、判断部が受験可能と判断しつつ、出力制御部が試験監督端末に申込情報を変更する指示を出力するよう制御している。よって、不一致の内容が軽微な場合、確認対象のユーザは受験開始可能であると判断されることで、当該ユーザに対して試験前の本人確認を行わなくて済む。これにより、試験監督は、本人確認に掛かる時間を短縮することができる。なお、上述の場合、例えば試験開始後であって時間に余裕があるときに、試験監督が、不一致の項目(生年月日等)を手作業で修正することが想定される。
【0073】
本実施形態によれば、試験監督端末またはユーザ端末へ受験可能であるか否かを出力制御部が表示させることで、試験監督とユーザに試験開始可否を認識させることができる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。また、実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0075】
(変形例)
上述の実施形態では、ユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報の3つすべてを受け付ける例を説明したが、情報受付部は、ユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報のうち少なくとも一つの情報を受け付けるようにしてもよい。この場合、判断部32は、情報受付部によって受け付けられた情報に対応する判断を行うとよい。例えば、情報受付部によって上記3つのうちシステム環境の情報のみが受け付けられた場合、判断部は、システム環境確認のみを行うとよい。
【0076】
上述の実施形態では、システム環境確認、本人確認、受験環境確認を、すべてシステムが行うパターンと、すべて人が行うパターンについて説明したが、これに限らない。試験事業者は、例えば、システム環境確認をシステム優先で行い、本人確認と受験環境確認を人優先で行うよう、決定してもよい。また、試験事業者は、国家試験などユーザUの人生を左右するようなものについては、システム環境確認、本人確認、受験環境確認の3つすべてを人が行ってもよい。
【0077】
上述の実施形態では、システム環境確認をシステム優先モードで行うに際し、試験当日のシステム環境の情報を用いる例を説明したが、システム環境の情報は、試験日より前に受け付けてもよい。例えば、試験日より前にユーザUはユーザ端末の仕様や作動状態をサーバへ送信する。システム環境判断部が判断した結果、ユーザ端末の仕様や作動状態が試験基準を満たさない場合には、ユーザUは、試験前日に試験基準を満たすようセルフトラブルシュートを行ってもよい。
【0078】
上述の実施形態では、本人確認をシステム優先モードで行うに際し、身分証明書に記載されたユーザ特定情報の顔画像情報、氏名、生年月日等を用いる例を説明したが、例えば、身分証明書を用いず、ユーザの指紋や虹彩といった身体的特徴のデータを用いて本人確認を行ってもよい。
【0079】
上述の実施形態では、申込情報の変更依頼が、受験開始前に出力制御部によって出力するよう制御される例を説明したが、申込情報の変更指示は、ユーザが試験を開始した後に行われてもよい。
【0080】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
【0081】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えば汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0082】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。リムーバブルメディアは、例えば、磁気ディスク(フロッピーディスクを含む)、光ディスク、又は光磁気ディスク等により構成される。光磁気ディスクは、例えば、CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory)、DVD(Digtal versatile Disk)等により構成される。光磁気ディスクは、MD(MINI DISK)等により構成される。また、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体は、例えば、プログラムが記録されているROMや、記憶部に含まれるハードディスク等で構成される。
【0083】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0084】
図2に示すシステム構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、夫々の役割を実行することができる機能が試験システム内に備えられていればよく、さらにネットワークを介さずに、直接接続されていてもよい。
【0085】
図3に示す各ハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。例えば、1つのハードウェアが他のハードウェアの機能を兼ね備えていてもよく、同じ機能を持つハードウェアが複数含まれていてもよい。
【0086】
図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能がサーバ1に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に図4の例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよく、ソフトウェア単体で構成してもよく、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0087】
<その他>
換言すると、本発明が適用される試験システムは、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される試験システム(例えば図3のサーバ1)は、
ユーザ端末(例えば図2のユーザ端末3)からユーザ情報、受験環境情報及びシステム環境の情報のうち少なくとも一つの情報を受け付ける受付手段(例えば図4の情報受付部31)と、
受付手段により受け付けられた情報に対して、受験可能か否かを判断するための情報を記憶する記憶手段(例えば図4の記憶部18)と、
前記受付手段により受け付けられた情報と、前記記憶手段により記憶された情報とを比較することにより、受験可能であるか否かをユーザごとに判断する判断手段(例えば図4の判断部32)と、
を備える。
【0088】
この構成により、確認作業の一部または全部を試験システムが行うことで、オンライン試験において、試験事業者は試験を開始するための確認作業を効率的に行うことができる。
【0089】
また、前記ユーザ情報には、前記ユーザを特定可能なユーザ特定情報(例えば、身分証明書に記載の情報)と、ユーザ端末に取得される撮像画像情報に含まれる顔画像情報(例えば、ユーザ顔画像情報)と、申込情報(例えば、氏名や生年月日)とが含まれ、前記判断手段は、前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とが一致しない場合に、受験可能ではないと判断してもよい。
この構成により、本人確認において、本人と、本人でない者とを判別するために比較すべき情報が明確となるため、正確に本人確認を行うことができる。
【0090】
また、前記ユーザ特定情報と、前記申込情報は、それぞれ複数の項目を含み、前記判断手段は、前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とがすべて一致する場合に、受験可能であると判断し、前記ユーザ特定情報と、前記顔画像情報または前記申込情報とにおける一部の項目が不一致(例えば、ユーザ端末によって撮像されるユーザ顔画像情報と身分証明書の顔画像が不一致)であって、かつ、当該不一致の項目が所定の項目(例えば、顔画像)に含まれる場合に、受験可能ではないと判断し、前記ユーザ特定情報と前記顔画像情報または前記申込情報とにおける一部の項目が不一致(例えば、申込情報の生年月日と、身分証明書の生年月日が不一致)であって、かつ、当該不一致の項目が所定の項目に含まれない場合に、受験可能であると判断してもよい。
この構成により、本人確認において、上述の各種情報を比較した際に不一致の項目がある場合でも、当該不一致の項目が深刻な場合と軽微な場合とに区別することができる。これにより、試験監督は、深刻な場合(不一致の項目が所定の項目に該当する場合)にのみ確認作業を行えばよいため、確認作業の時間短縮を図ることができる。
【0091】
また、前記所定の項目には、前記ユーザの顔を認識する情報(例えば、顔画像)が含まれてもよい。
この構成により、顔を認識する情報は本人を特定するうえで重要な要素であるため、本人確認を容易に(正確に)行うことができる。
例えば、顔を示す情報が異なれば、即座に受験不可と判断することが可能となるため、確認作業の時間短縮を図ることができる。
【0092】
また、前記判断手段によって判断された受験可能であるか否かを示す情報を、外部通信機器に出力する出力手段(例えば図4の出力制御部33)をさらに備えてもよい。
この構成により、ユーザまたは試験監督が受験可能か否かを認識し易くなる。これにより、例えば、ユーザからの受験可否に係る試験事業者への問い合わせが減り、ユーザに対応する時間が減るため、試験事業者は、効率的に確認作業を進めることができるようになる。
【符号の説明】
【0093】
1・・・サーバ、2・・・試験監督端末、3・・・ユーザ端末、11・・・CPU、18・・・記憶部、19・・・通信部、31・・・情報受付部、32・・・判断部、33・・・出力制御部、41・・・申込部、42・・・受付部、51・・・システム環境判断部、52・・・ユーザ判断部、53・・・受験環境判断部、61・・・ユーザDB、62・・・試験開始条件DB
図1
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図10