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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162523
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】トレイ
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/30 20060101AFI20221017BHJP
【FI】
B65D85/30 500
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036215
(22)【出願日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】110113072
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李 旭基
(72)【発明者】
【氏名】彭 碧玉
(72)【発明者】
【氏名】李 俊徳
【テーマコード(参考)】
3E096
【Fターム(参考)】
3E096AA06
3E096BA16
3E096CA06
3E096CB02
3E096DA10
3E096DA11
3E096EA02X
3E096EA02Y
3E096FA09
3E096FA10
3E096FA27
3E096FA28
3E096FA30
3E096GA01
(57)【要約】
【課題】トレイを提供する。
【解決手段】本体及び把持部を備え、本体は少なくとも1つの部材、例えば、電子素子を配置するために用いられ、把持部は本体の下面に設置され、把持部はスペーサーを掴むために用いられる。把持部は第一把持具及び第二把持具を含み、第一把持具は第一接続部及び第一位置決め部を有し、第二把持具は第二接続部及び第二位置決め部を有している。第一接続部と第二接続部との間には収容スペースを有し、第一位置決め部と第二位置決め部との間にはチャンネルを有している。スペーサーがチャンネルを通過すると共に収容スペースに進入した後、第一位置決め部及び第二位置決め部によりスペーサーが収容スペース中に位置決めされる。トレイを撤去すると、把持部によりスペーサーを掴み、スペーサー下方に位置している他のトレイを露出させる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面を有し、前記上面は少なくとも1つの部材を配置するために用いられている本体と、
前記本体の前記下面に設置され、スペーサーを掴むために用いられ、第一把持具及び第二把持具を含み、前記第一把持具は第一接続部及び第一位置決め部を有し、前記第一接続部は前記下面に結合され、前記第二把持具は第二接続部及び第二位置決め部を有し、前記第二接続部は前記下面に結合され、前記第一接続部と前記第二接続部との間には収容スペースを有し、前記第一位置決め部と前記第二位置決め部との間にはチャンネルを有し、前記チャンネルは前記収容スペースに連通され、前記収容スペースは第一幅を有し、前記チャンネルは第二幅を有し、且つ前記第二幅は前記第一幅より小さく、前記スペーサーが前記チャンネルを通過した後に前記収容スペース中に制限される把持部と、を備えていることを特徴とするトレイ。
【請求項2】
前記第一接続部は第一表面を有し、前記第二接続部は第二表面を有し、前記第一表面は前記第二表面に向けられ、前記第一位置決め部は前記第一表面に突出していることを特徴とする請求項1に記載のトレイ。
【請求項3】
前記第二位置決め部は前記第二表面に突出していることを特徴とする請求項2に記載のトレイ。
【請求項4】
前記第一位置決め部は第一ガイドベベル面を有していることを特徴とする請求項2に記載のトレイ。
【請求項5】
前記第二位置決め部は第二ガイドベベル面を有していることを特徴とする請求項4に記載のトレイ。
【請求項6】
前記把持部は前記収容スペースの外側に位置している第三把持具を更に備え、前記第三把持具は第三接続部及び第三位置決め部を有し、前記第三接続部は前記下面に結合されていることを特徴とする請求項1に記載のトレイ。
【請求項7】
前記第三把持具の両端は前記第一把持具及び前記第二把持具にそれぞれ連結されていることを特徴とする請求項6に記載のトレイ。
【請求項8】
前記第三把持具と前記第一把持具との間には第一移譲空間を有し、前記第一移譲空間は前記収容スペースに連通され、前記第一移譲空間は前記スペーサーの第一隅部を収容するために用いられていることを特徴とする請求項6に記載のトレイ。
【請求項9】
前記第三把持具と前記第二把持具との間には第二移譲空間を有し、前記第二移譲空間は前記収容スペースに連通され、前記第二移譲空間は前記スペーサーの第二隅部を収容するために用いられていることを特徴とする請求項8に記載のトレイ。
【請求項10】
前記第三位置決め部は前記第三接続部の第三表面に突出していることを特徴とする請求項6に記載のトレイ。
【請求項11】
前記第三位置決め部は第三ガイドベベル面を有していることを特徴とする請求項10に記載のトレイ。
【請求項12】
上面及び下面を有し、前記上面は少なくとも1つの部材を配置するために用いられている本体と、
接続部及び位置決め部を有し、前記接続部は前記下面に結合され、前記位置決め部は前記接続部の表面に突出し、前記位置決め部はスペーサーを制限し、前記スペーサーをトレイに従って移動させるために用いられている把持具と、を備えていることを特徴とするトレイ。
【請求項13】
前記位置決め部はガイドベベル面を有していることを特徴とする請求項12に記載のトレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレイ(tray)に関し、より詳しくは、スペーサーを掴み取るためのトレイに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電子素子(例えば、半導体パッケージやウェハー等)を配置するため、電子素子を相互に積層している複数のトレイ中に配置する。且つ上層トレイの底部が下層トレイ中に配置されている電子素子に衝突しないようにするため、通常はタイベックを使用して相積層の上層トレイ及び下層トレイを分離し、下層トレイ中に配置されている電子素子を保護している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、前述した従来の技術では、下層トレイ中に配置された電子素子を使用する場合、下層トレイ上方に積層されている上層トレイを先に撤去し、続いて、下層トレイを被覆しているタイベックを撤去し、下層トレイ中に配置されている電子素子を露出する。このため、作業員の操作動作が増加し、生産効率も低下する。また、タイベックの撤去過程が不適切であると、下層トレイ中に配置されている電子素子が下層トレイから飛び出し、電子素子が損壊する。
【0004】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に至った。
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、トレイを提供することにある。換言すれば、トレイの把持部により、トレイ下方に設置されているスペーサーを掴み取り、作業員がスペーサーを単独で撤去する操作動作を減らす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様のトレイは、本体及び把持部を備え、前記本体は上面及び下面を有し、前記上面は少なくとも1つの部材を配置するために用いられ、前記把持部は前記本体の前記下面に設置され、前記把持部はスペーサーを掴むために用いられている。前記把持部は第一把持具及び第二把持具を含む。前記第一把持具は第一接続部及び第一位置決め部を有している、前記第一接続部は前記下面に結合されている。前記第二把持具は第二接続部及び第二位置決め部を有し、前記第二接続部は前記下面に結合されている。前記第一接続部と前記第二接続部との間には収容スペースを有し、前記第一位置決め部と前記第二位置決め部との間にはチャンネルを有している、前記チャンネルは前記収容スペースに連通される。前記収容スペースは第一幅を有し、前記チャンネルは第二幅を有し、且つ前記第二幅が前記第一幅より小さいため、前記スペーサーが前記チャンネルを通過した後に前記収容スペース中に制限される。
【0007】
本発明の別の態様は、トレイである。このトレイは、本体及び把持具を備え、前記本体は上面及び下面を有している。前記上面は少なくとも1つの部材を配置するために用いられ、前記把持具は接続部及び位置決め部を有している。前記接続部は前記下面に結合され、前記位置決め部は前記接続部の表面に突出し、前記位置決め部はスペーサーを制限し、前記スペーサーを前記トレイに従って移動させるために用いられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明は下面に設置されている把持部によりトレイ下方に位置しているスペーサーを把持、且つチャンネルを通過した後のスペーサーを収容スペース中に制限している。これにより、トレイを撤去した後、スペーサー下方に位置している他のトレイが露出し、作業員がトレイ及びスペーサーをそれぞれ撤去する操作動作を減らし、生産効率を高めている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施例に係るトレイとスペーサーを示す外観斜視図である。
図2】本発明の一実施例に係るトレイを示す底面斜視図である。
図3】本発明の一実施例に係るトレイを示す断面図である。
図4】本発明の一実施例に係るトレイを示す断面図である。
図5】本発明のトレイがスペーサーを把持の仕方を説明する断面図である。
図6】本発明のトレイがスペーサーを把持の仕方を説明する断面図である。
図7】本発明のトレイがスペーサーを把持の仕方を説明する断面図である。
図8】本発明のトレイがスペーサーを把持の仕方を説明する断面図である。
図9】本発明のトレイがスペーサーを把持の仕方を説明する断面図である。
図10】本発明の一実施例に係るトレイを示す底面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明によるトレイを図面に基づいて説明する。
【0011】
まず、図1から図4を参照すると、本発明に係るトレイ100を説明する。トレイ100は、本体110及び把持部120を備えている。本体110は上面111及び下面112を有し、上面111は少なくとも1つの部材(不図示)を配置するために用いられ、部材として半導体パッケージ、ウェハー等から選択されているが、これらに限定されるものではない。
【0012】
次は、図1から図8を参照すると、把持部120は本体110の下面112に設置され、把持部120はスペーサーOを掴むために用いられている。スペーサーOはタイベックから選択されているが、これに限定されるものではない。スペーサーOは幅Dを有している。
【0013】
図1から図4に示すように、把持部120少なくとも1つの把持具を備え、本実施例では、把持部120は第一把持具121及び第二把持具122を備えている。第一把持具121は第一接続部121a及び第一位置決め部121bを有し、第一接続部121aは本体110の下面112に結合され、第一位置決め部121bは第一接続部121aの第一表面121cに突出している。
【0014】
図2及び図3を参照すると、第二把持具122は第二接続部122a及び第二位置決め部122bを有し、第二接続部122aは本体110の下面112に結合されている。本実施例では、第一把持具121及び第二把持具122は下面112の対向する両側にそれぞれ配置されている。第一把持具121の第一表面121cは第二把持具122の第二表面122cに向けられ、第二位置決め部122bは第二表面122cに突出している。
【0015】
図2及び図3を参照すると、第一接続部121aと第二接続部122aとの間には収容スペースSを有し、第一位置決め部121bと第二位置決め部122bとの間にはチャンネルRを有し、チャンネルRは収容スペースSに連通されている、収容スペースSは第一幅D1を有し、且つチャンネルRは第二幅D2を有している。第二幅D2は第一幅D1より小さく、スペーサーOの幅Dは第二幅D2より大きい。好ましくは、第一位置決め部121bは第一ガイドベベル面(guide bevel)121dを有し、第二位置決め部122bは第二ガイドベベル面122dを有している。第一ガイドベベル面121d及び第二ガイドベベル面122dはスペーサーOをチャンネルRに通過すると共に収容スペースSに進入するようにガイドし、且つ第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bによりスペーサーOを収容スペースS中に制限し、スペーサーOをトレイ100に従って移動させている。
【0016】
図1及び図5から図7はトレイ100が他のトレイ100’上に配置されているスペーサーOを把持し、トレイ100’を露出させる概略図である。
【0017】
次は、図1及び図5に示すように、スペーサーOは予めトレイ100’上に配置され、続いて、トレイ100が他のトレイ100’に配置されると、第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bがスペーサーOを圧迫する(図6及び図7参照)。本実施例では、第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bは第一ガイドベベル面121d及び第二ガイドベベル面122dによりスペーサーOをそれぞれ圧迫し、スペーサーOをチャンネルRに通過させ、収容スペースSに進入するようにガイドする。図3及び図7を参照すると、チャンネルRの第二幅D2が収容スペースSの第一幅D1より小さく、且つスペーサーOの幅DがチャンネルRの第二幅D2より大きいため、スペーサーOが第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bにより収容スペースS中に位置決めされている。
【0018】
図8を参照すると、スペーサーOが第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bにより収容スペースS中に位置決めされている。トレイ100を撤去すると、トレイ100が第一把持具121及び第二把持具122によりスペーサーOを把持し、トレイ100’を露出させる。トレイ100及びスペーサーOを同時に撤去することにより、生産効率を効果的に高めている。
【0019】
図9を参照すると、異なる実施例において、先ずスペーサーOを収容スペースS中に装設し、第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bによりスペーサーOを制限することで、スペーサーOをトレイ100に従って移動させ、且つ需要に応じてスペーサーOを交換する。
【0020】
図2及び図4を参照すると、トレイ100の把持部120は第三把持具123及び第四把持具124を更に備えている。第三把持具123及び第四把持具124は下面112の対向する両側にそれぞれ配置され、第三把持具123及び第四把持具124は収容スペースSの外側に位置し、且つ第一把持具121、第二把持具122、第三把持具123及び第四把持具124により収容スペースSを包囲している。第三把持具123は第三接続部123a及び第三位置決め部123bを有し、第三接続部123aは下面112に結合され、第三位置決め部123bは第三接続部123aの第三表面123cに突出し、第三位置決め部123bは第三ガイドベベル面123dを有している。第四把持具124は第四接続部124a及び第四位置決め部124bを有し、第四接続部124aは下面112に結合され、第四位置決め部124bは第四接続部124aの第四表面124cに突出し、第四位置決め部124bは第四ガイドベベル面124dを有している。第三ガイドベベル面123d及び第四ガイドベベル面124dはスペーサーOをチャンネルRに通過すると共に収容スペースSに進入するようにガイドするために用いられている。
【0021】
図2及び図4を参照すると、本実施例では、第三把持具123の両端は第一把持具121及び第二把持具122にそれぞれ連結され、第四把持具124の両端は第一把持具121及び第二把持具122それぞれ連結されている。スペーサーOがチャンネルRを通過すると共に収容スペースSに進入した後、スペーサーOが第一位置決め部121b及び第二位置決め部122bにより収容スペースS中に位置決めされるほか、第三位置決め部123b及び第四位置決め部124bにより収容スペースS中に位置決めされる。
【0022】
図10のトレイ100の、図2のトレイ100との当該相違点について、第一把持具121と第三把持具123との間には第一移譲空間(yielding space)S1を有し、第一移譲空間S1は収容スペースSに連通され、第一移譲空間S1はスペーサーOの第一隅部O1を収容するために用いられている。本実施例では、第三把持具123と第二把持具122との間には第二移譲空間S2を有し、第二移譲空間S2は収容スペースSに連通され、第二移譲空間S2はスペーサーOの第二隅部O2を収容するために用いられている。好ましくは、第四把持具124と第一把持具121の間には第三移譲空間S3を有し、第四把持具124と第二把持具122との間には第四移譲空間S4を有している。第三移譲空間S3及び第四移譲空間S4は収容スペースSに連通され、第三移譲空間S3及び第四移譲空間S4はスペーサーOの第三隅部O3及び第四隅部O4をそれぞれ収容するために用いられ、スペーサーOに歪みが生じる現象を回避している。
【0023】
本発明は下面112に設置されている把持部120によりトレイ100下方に位置しているスペーサーOを把持し、チャンネルRを通過した後のスペーサーOを収容スペースS中に制限することにより、トレイ100を撤去した際に、スペーサーO下方に位置している他のトレイ100’を露出させ、作業員がトレイ100及びスペーサーOをそれぞれ撤去するための操作動作を減らし、生産効率を高めている。
【0024】
本発明は、上記実施形態にされるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0025】
100 トレイ
100’ トレイ
110 本体
111 上面
112 下面
120 把持部
121 第一把持具
121a 第一接続部
121b 第一位置決め部
121c 第一表面
121d 第一ガイドベベル面
122 第二把持具
122a 第二接続部
122b 第二位置決め部
122c 第二表面
122d 第二ガイドベベル面
123 第三把持具
123a 第三接続部
123b 第三位置決め部
123c 第三表面
123d 第三ガイドベベル面
124 第四把持具
124a 第四接続部
124b 第四位置決め部
124c 第四表面
124d 第四ガイドベベル面
D 幅
D1 第一幅
D2 第二幅
O スペーサー
O1 第一隅部
O2 第二隅部
O3 第三隅部
O4 第四隅部
R チャンネル
S 収容スペース
S1 第一移譲空間
S2 第二移譲空間
S3 第三移譲空間
S4 第四移譲空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10