(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162537
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】溶接品質を予測するための分析論およびアルゴリズムの使用
(51)【国際特許分類】
B23K 31/00 20060101AFI20221017BHJP
B23K 20/10 20060101ALI20221017BHJP
G06N 20/00 20190101ALI20221017BHJP
G06N 3/08 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B23K31/00 Z
B23K20/10
B23K31/00 M
G06N20/00
G06N3/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】38
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022061671
(22)【出願日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】202121017108
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(31)【優先権主張番号】63/224,648
(32)【優先日】2021-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/582,110
(32)【優先日】2022-01-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.BLUETOOTH
3.Blu-ray
4.SWIFT
5.SMALLTALK
6.MATLAB
7.SIMULINK
(71)【出願人】
【識別番号】501410126
【氏名又は名称】ブランソン・ウルトラソニックス・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】弁理士法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョン・ポール・クルピエフスキ
(72)【発明者】
【氏名】ルイ・リウ
(72)【発明者】
【氏名】スコット・コールドウェル
(72)【発明者】
【氏名】アシス・マドカイカール
(72)【発明者】
【氏名】ルイロン・リー
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167AA01
4E167BE01
(57)【要約】
【課題】溶接品質を予測するための分析論およびアルゴリズムを使用するためのシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】システムおよび方法は、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータデータを入力し、予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成するように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータデータを入力し、
予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成する
ように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ
を備える、システム。
【請求項2】
データ分析論モデルが、溶接パラメータデータを溶接品質データと関連付ける実際の溶接データに基づく訓練手順の間に訓練される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
データ分析論モデルが、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータが、溶接の、引きはがし強さ、引張り強さ/抗張力、破裂圧力、および光学外観のうちの少なくとも1つを表す、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータが、電流データ、電圧データ、電力データ、および周波数データのうちの少なくとも1つを含む、溶接機の超音波電力供給部により溶接機の超音波コンバータに供給される電気エネルギーに対応する、溶接機の超音波電力供給部により生成されるデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータが、ホーンの、運動の距離/深さ、力、および、ホーンの速度/下方の速さのうちの少なくとも1つを含む、溶接機のホーンを運動させるアクチュエータにより生成されるデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータが、少なくとも1つのセンサにより生成されるデータを含み、少なくとも1つのセンサが、温度センサ、レーザ振動計、位置測定センサ、応力/歪みセンサ、衝撃センサ、およびカメラのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
溶接パラメータデータが、溶接プロセスの時間期間にわたる系列溶接パラメータ値を有する溶接グラフデータを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
プロセッサおよびメモリが、溶接グラフデータの中の異常を識別するために、マトリックスプロファイリングを使用して溶接グラフデータを分析するようにさらに構成される、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
少なくとも2つの部品が、ワイヤの束を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
溶接機が、超音波溶接機、レーザ溶接機、振動/摩擦溶接機、赤外線溶接機、赤外線予熱システムを伴う組み合わされた振動溶接機、スピン溶接機、およびホットプレート溶接機のうちの1つである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
データ分析論モデルが、溶接パラメータデータを溶接品質データと関連付ける実際の溶接データに基づくチューニング手順を利用することにより、溶接機が現場において動作させられた後に再較正されるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
プロセッサとメモリとを有するコンピュータによって、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取ることと、
コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータデータを入力することと、
コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較することと、
コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成することと
を含む、方法。
【請求項14】
溶接パラメータデータを溶接品質データと関連付ける実際の溶接データに基づく訓練手順の間にデータ分析論モデルを訓練することをさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
データ分析論モデルが、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータが、溶接の、引きはがし強さ、引張り強さ/抗張力、破裂圧力、および、溶接の光学外観のうちの少なくとも1つを表す、請求項13に記載の方法システム。
【請求項17】
溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータが、電流データ、電圧データ、電力データ、および周波数データのうちの少なくとも1つを含む、溶接機の超音波電力供給部により溶接機の超音波コンバータに供給される電気エネルギーに対応する、溶接機の超音波電力供給部により生成されるデータを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータが、ホーンの、運動の距離/深さ、力、および、ホーンの速度/下方の速さのうちの少なくとも1つを含む、溶接機のホーンを運動させるアクチュエータにより生成されるデータを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータが、少なくとも1つのセンサにより生成されるデータを含み、少なくとも1つのセンサが、温度センサ、レーザ振動計、位置測定センサ、応力/歪みセンサ、衝撃センサ、およびカメラのうちの少なくとも1つを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
溶接パラメータデータが、溶接プロセスの時間期間にわたる系列溶接パラメータ値を有する溶接グラフデータを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項21】
コンピュータによって、溶接グラフデータの中の異常を識別するために、マトリックスプロファイリングを使用して溶接グラフデータを分析することをさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、
溶接パラメータデータを少なくとも1つのしきい値と比較することに基づいて、溶接パラメータデータ内の異常を除去することにより溶接パラメータデータをフィルタリングし、
溶接パラメータデータ内の、あらゆる異常に対して、溶接パラメータデータが棄却されたということを指示する出力を生成し、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、フィルタリングされた溶接パラメータデータを入力し、
予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成する
ように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ
を備える、システム。
【請求項23】
溶接パラメータデータを少なくとも1つのしきい値と比較することに基づいて、溶接パラメータデータ内の異常を除去することが、統計的プロセス制御アルゴリズムを利用することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
統計的プロセス制御アルゴリズムが、溶接パラメータデータの少なくとも1つのデータ値を、少なくとも1つのデータ値に対応する平均値と比較し、少なくとも1つのデータ値が、平均値から、あらかじめ決められた数の標準偏差より多く離れていることに応答して、少なくとも1つのデータ値を異常と分類する、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
溶接パラメータデータを少なくとも1つのしきい値と比較することに基づいて、溶接パラメータデータ内の異常を除去することが、溶接パラメータデータを高いしきい値および低いしきい値と比較し、溶接パラメータデータが、高いしきい値より大きい、または、低いしきい値より低いことに応答して、溶接パラメータデータを異常と分類することを含む、請求項22に記載のシステム。
【請求項26】
高いしきい値および低いしきい値が、ユーザ定義可能である、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
データ分析論モデルが、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つに基づく、請求項22に記載のシステム。
【請求項28】
溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、
溶接パラメータデータを高いしきい値および低いしきい値と比較することに基づいて、溶接パラメータデータ内の第1の異常を除去することにより溶接パラメータデータをフィルタリングし、
統計的プロセス制御アルゴリズムに基づいて、溶接パラメータデータ内の第2の異常を除去することにより溶接パラメータデータをフィルタリングし、
溶接パラメータデータ内の第1および第2の異常に対して、溶接パラメータデータが棄却されたということを指示する出力を生成し、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するための少なくとも1つのデータ分析論モデルに、フィルタリングされた溶接パラメータデータを入力し、
予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成する
ように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ
を備える、システム。
【請求項29】
統計的プロセス制御アルゴリズムが、溶接パラメータデータの少なくとも1つのデータ値を、少なくとも1つのデータ値に対応する平均値と比較し、少なくとも1つのデータ値が、平均値から、あらかじめ決められた数の標準偏差より多く離れていることに応答して、少なくとも1つのデータ値を異常と分類する、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
少なくとも1つのデータ分析論モデルが、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項31】
少なくとも1つのデータ分析論モデルが、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも2つを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項32】
少なくとも1つのデータ分析論モデルが、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズムと、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つとを含む、請求項28に記載のシステム。
【請求項33】
溶接パラメータと、溶接パラメータに関連付けられる溶接品質データとを含む溶接パラメータ訓練データを受け取り、
複数の対応する予測される溶接品質パラメータを生成するための複数のデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータ訓練データを入力し、
予測される溶接品質パラメータの各々を、知られている溶接品質データと比較し、
比較に基づいて、複数のデータ分析論モデルから個別のデータ分析論モデルを選択し、
溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される実際の溶接パラメータデータを受け取り、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するための個別のデータ分析論モデルに、実際の溶接パラメータデータを入力し、
予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成する
ように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータ
を備える、システム。
【請求項34】
複数のデータ分析論モデルの各々が、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つに基づく、請求項33に記載のシステム。
【請求項35】
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータが、溶接の、引きはがし強さ、引張り強さ/抗張力、破裂圧力、および光学外観のうちの少なくとも1つを表す、請求項33に記載のシステム。
【請求項36】
プロセッサとメモリとを有するコンピュータによって、溶接パラメータと、溶接パラメータに関連付けられる溶接品質データとを含む溶接パラメータ訓練データを受け取ることと、
コンピュータによって、複数の対応する予測される溶接品質パラメータを生成するための複数のデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータ訓練データを入力することと、
コンピュータによって、予測される溶接品質パラメータの各々を、知られている溶接品質データと比較することと、
コンピュータによって、比較に基づいて、複数のデータ分析論モデルから個別のデータ分析論モデルを選択することと、
コンピュータによって、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される実際の溶接パラメータデータを受け取ることと、
コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するための個別のデータ分析論モデルに、実際の溶接パラメータデータを入力することと、
コンピュータによって、予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較することと、
コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成することと
を含む、方法。
【請求項37】
複数のデータ分析論モデルの各々が、教師あり学習アルゴリズム、教師なし学習アルゴリズム、回帰アルゴリズム、分類アルゴリズム、人工知能ニューラルネットワークアルゴリズム、決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、K近傍法アルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、サポートベクターマシンアルゴリズム、および勾配ブースティング回帰アルゴリズムのうちの少なくとも1つに基づく、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータが、溶接の、引きはがし強さ、引張り強さ/抗張力、破裂圧力、および光学外観のうちの少なくとも1つを表す、請求項36に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年7月22日に出願された、米国仮出願第63/224,648号の利益を主張するものである。本出願は、また、2021年4月12日に出願された、インド国仮特許出願20212107108の利益および優先権を主張するものである。上記の出願の各々の全体の開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、溶接品質を予測するための分析論(analytics)を使用するシステムおよび方法、より詳しくは、溶接の品質を評価および予測するための、回帰、分類、および/または人工知能モデルおよびアルゴリズムを含む機械学習を使用する、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本節は、必ずしも先行技術ではない、本開示に関連する背景情報を提供する。
【0004】
溶接デバイスが、2つ以上のワークピースまたは部品を一体に溶接するために使用される。金属ワークピースは、例えば、超音波金属溶接機を使用して、一体に溶接され得る。プラスチックワークピースは、例えば、超音波プラスチック溶接機、レーザ溶接機、振動/摩擦溶接機、赤外線溶接機、スピン溶接機、ホットプレート溶接機を使用して、および/または、クリーン振動技術とも呼称される赤外線(IR)予熱を伴う振動溶接、ホットガス溶接、無線周波数溶接、もしくは熱的ステーキングを使用することにより、一体に溶接され得る。
【0005】
従前から、溶接品質を決めるために、いくつかのワークピースが、溶接されたワークピースの最高100%であり得る、あらかじめ決められたサンプルレートにおいて、溶接されたワークピースの集団からサンプリングおよび試験される。引きはがし強さ試験および引張り強さ(抗張力)試験などの、いくつかのタイプの試験は、従前から、良好な部品が試験プロセスの間に破壊されることを結果的に生じさせる、試験される部品に対して破壊的である試験手順を利用する。溶接されている部品の数量、およびサンプルレートに依存して、破壊的試験に起因するコストは、かなりのものであり得る。例えば、工場が、1生産ラインあたり1日あたり30,000の溶接されるピースの生産数量、および、1,000ピースごとあたり1回の破壊的試験の試験サンプルレートにおいて操業する場合、1日あたり30ピースが、1日あたり1生産ラインあたり破壊されることになる。各々のピースのコストが30ドルである場合、破壊される部品に起因するコストは、1日あたり1生産ラインあたり900ドルであることになる。工場が8つの生産ラインを含む場合、破壊される部品に起因する1日あたりのコストは、7,200ドルであることになり、破壊的試験の間に破壊される部品に起因する、結果的に生じる年間コストは、260万ドルであることになる。この例が示すように、破壊的試験に起因するコストは、相当なものであり得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第10,722,973号明細書
【特許文献2】米国特許第10,864,608号明細書
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Balz,I.、Abi Raad,E、Rosenthal E.ら。Process monitoring of ultrasonic metal welding battery tabs using external sensor data。Journal of Advanced Joining Processes 第1巻(2020年3月)
【非特許文献2】「SMOTE:Synthetic Minority Over-sampling Technique」、Journal of Artificial Intelligence Research 16(2002)321-357、2002年6月出版
【非特許文献3】「Multivariate Statistical Data Analysis-Principal Component Analysis (PCA)」、International Journal of Livestock Research、7(5)、60-78、(2017)
【非特許文献4】「Feature modeling using polynomial classifiers and stepwise regression」、Neurocomputing、第73巻、第10-12号、2010年6月、1752-1759頁
【非特許文献5】「Generalized Discriminant Analysis algorithm for feature reduction in Cyber Attack Detection」、International Journal of Computer Science and Information Security (IJCSIS)、第6巻、第1号、2009
【非特許文献6】「An overview of gradient descent optimization algorithms」、arXiv:1609.94747v2、2017年6月15日
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本節は、本開示の全般的な概要を提供するものであり、本開示の最大限の範囲、または、本開示の特徴のすべての包括的な開示ではない。
【0009】
システムが、提供され、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータデータを入力し、予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成するように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータを含む。
【0010】
方法が、また提供され、プロセッサとメモリとを有するコンピュータによって、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取ることと、コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータデータを入力することと、コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較することと、コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成することとを含む。
【0011】
別のシステムが、提供され、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、溶接パラメータデータを少なくとも1つのしきい値と比較することに基づいて、溶接パラメータデータ内の異常を除去することにより溶接パラメータデータをフィルタリングし、溶接パラメータデータ内の、あらゆる異常に対して、溶接パラメータデータが棄却されたということを指示する出力を生成し、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデルに、フィルタリングされた溶接パラメータデータを入力し、予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成するように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータを含む。
【0012】
別のシステムが、提供され、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される溶接パラメータデータを受け取り、溶接パラメータデータを高いしきい値および低いしきい値と比較することに基づいて、溶接パラメータデータ内の第1の異常を除去することにより溶接パラメータデータをフィルタリングし、統計的プロセス制御アルゴリズムに基づいて、溶接パラメータデータ内の第2の異常を除去することにより溶接パラメータデータをフィルタリングし、溶接パラメータデータ内の第1および第2の異常に対して、溶接パラメータデータが棄却されたということを指示する出力を生成し、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するための少なくとも1つのデータ分析論モデルに、フィルタリングされた溶接パラメータデータを入力し、予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成するように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータを含む。
【0013】
別のシステムが、提供され:溶接パラメータと、溶接パラメータに関連付けられる溶接品質データとを含む溶接パラメータ訓練データを受け取り;複数の対応する予測される溶接品質パラメータを生成するための複数のデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータ訓練データを入力し;予測される溶接品質パラメータの各々を、知られている溶接品質データと比較し;比較に基づいて、複数のデータ分析論モデルから個別のデータ分析論モデルを選択し;溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される実際の溶接パラメータデータを受け取り;少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するための個別のデータ分析論モデルに、実際の溶接パラメータデータを入力し;予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較し;少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成するように構成される、プロセッサとメモリとを有するコンピュータを含む。
【0014】
別の方法が、提供され:プロセッサとメモリとを有するコンピュータによって、溶接パラメータと、溶接パラメータに関連付けられる溶接品質データとを含む溶接パラメータ訓練データを受け取ることと;コンピュータによって、複数の対応する予測される溶接品質パラメータを生成するための複数のデータ分析論モデルに、受け取られた溶接パラメータ訓練データを入力することと;コンピュータによって、予測される溶接品質パラメータの各々を、知られている溶接品質データと比較することと;コンピュータによって、比較に基づいて、複数のデータ分析論モデルから個別のデータ分析論モデルを選択することと;コンピュータによって、溶接によって少なくとも2つの部品を接合するための溶接機により溶接プロセスの間に生成される実際の溶接パラメータデータを受け取ることと;コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータを生成するための個別のデータ分析論モデルに、実際の溶接パラメータデータを入力することと;コンピュータによって、予測される溶接品質パラメータを溶接品質パラメータしきい値と比較することと;コンピュータによって、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータ、および、少なくとも1つの予測される溶接品質パラメータと溶接品質パラメータしきい値との間の比較の結果のうちの少なくとも1つを指示する出力を生成することとを含む。
【0015】
適用可能性のさらなる分野が、本明細書において提供される説明から明らかになることになる。本概要における説明および具体的な例は、単に例示の目的が意図されるものであり、本開示の範囲を限定することは意図されない。
【0016】
本明細書において説明される図面は、単に、すべての可能な実現形態ではなく、選択される実施形態の、例示の目的のためのものであり、本開示の範囲を限定することは意図されない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本開示による、溶接機および品質監視システムのブロック線図である。
【
図2】本開示による、別の溶接機および品質監視システムのブロック線図である。
【
図3】本開示による、品質監視コンピュータ/サーバのブロック線図である。
【
図4】本開示による、品質監視方法のフロー線図である。
【
図5】本開示による、訓練モードにおける品質監視モジュールのブロック線図である。
【
図6】本開示による、品質監視システムに対する訓練プロセスのフロー線図である。
【
図7】本開示による、品質監視モードにおける品質監視モジュールのブロック線図である。
【
図8】本開示による、品質監視方法のフロー線図である。
【
図9A】本開示の事例研究からのデータのグラフを例示する図である。
【
図9B】本開示の事例研究からのデータのグラフを例示する図である。
【
図9C】本開示の事例研究からのデータのグラフを例示する図である。
【
図10A】本開示の事例研究からのデータのグラフを例示する図である。
【
図10B】本開示の事例研究からのデータのグラフを例示する図である。
【
図11】本開示の事例研究からのデータのグラフを例示する図である。
【
図12】本開示による、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルを使用する品質監視システムのブロック線図である。
【
図13】本開示による、統計的プロセス制御アルゴリズム、ならびに、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルを使用する品質監視システムのブロック線図である。
【
図14】本開示による、上限および下限、統計的プロセス制御アルゴリズム、ならびに、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルを使用する品質監視システムのブロック線図である。
【
図15】本開示による、機械学習によって自動化される共通タスクを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
対応する参照番号は、図面のいろいろな視図の全体を通して、対応する部分を指示する。
【0019】
例示的な実施形態が、今から、付随する図面を参照して、より十二分に説明されることになる。
【0020】
本開示は、溶接品質を予測するための分析論を使用するシステムおよび方法を提供する。例えば、本開示は、溶接プロセスの間に監視または検知される溶接パラメータに基づいて、金属溶接、プラスチック溶接、および/または多材料溶接の品質を評価および予測するための、回帰、分類、および/または人工知能(AI)モデルおよびアルゴリズムを含む、データ分析論および機械学習を使用する、システムおよび方法を含む。本開示は溶接例を提供するが、本開示は、接合プロセスの品質が本開示によって評価および予測され得る、熱的ステーキング、リベット締め、および/または、任意の他の機械的接合プロセスなどの、他の機械的接合プロセスに、等しく適用可能である。このように、本開示のシステムおよび方法は、データ分析論および機械学習を使用して、監視または検知される溶接パラメータに基づいて、個別のワークピースの溶接品質の1つ以上のメトリックを正確および効率的に予測し、潜在的には、結果的に生じる溶接されたワークピースの、破壊的試験および廃棄される生産ロットを、低減する、または消失させることができる。しかるがゆえに、破壊的試験または廃棄されるロットのコストが、本明細書において説明される正確および効率的な試験手順の使用により、軽減または回避され得る。
【0021】
本開示のシステムおよび方法は、回帰および分類アルゴリズムまたはモデルなどの、教師あり学習アルゴリズムまたはモデルと類別される、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルを利用することができる。加えて、または代替として、本開示のシステムおよび方法は、AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルなどの、教師なし学習アルゴリズムまたはモデルと類別される、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルを利用することができる。例えば、本開示のシステムおよび方法により利用される、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルは、下記でさらに詳細に論考されるように、決定木アルゴリズムもしくはモデル、ランダムフォレストアルゴリズムもしくはモデル、K近傍法(KNN)アルゴリズムもしくはモデル、ナイーブベイズアルゴリズムもしくはモデル、サポートベクターマシンアルゴリズムもしくはモデル、および/または、AIニューラルネットワークアルゴリズムもしくはモデルを含むことができる。
【0022】
本開示は、溶接機からのデータを監視し受け取る、品質監視システムおよび方法を含む。例えば、監視され受け取られる溶接パラメータデータおよび/またはグラフは、溶接プロセスの間に溶接機により生成または使用される、電流、電圧、電力、周波数、時間、距離/深さ、力、速度、および/または、他のデータパラメータについてのデータを含むことができる。溶接グラフデータは、例えば、溶接グラフデータを作るために経時的にマッピングされる、溶接プロセスからの、時間対電力、時間対溶接深さ、および/または、任意の他の適切なデータなどの、溶接プロセスからの系列データを含むことができる。加えて、または代替として、品質監視システムは、温度センサからの温度データ、レーザ振動計位置測定値、応力/歪みデータ、カメラからの結果的に生じる溶接の画像データ、超音波スタックの振動を指示する衝撃センサからの振動データ、その他などの、溶接プロセスの外部にあるセンサからの溶接パラメータデータを受け取ることができる。品質監視システムおよび方法は、入力として溶接パラメータデータを受け取り、上記および下記で論考されるように、データ分析論および機械学習を使用して溶接パラメータデータを処理し、結果的に生じる溶接の品質を指示する、および/または、その品質に対応する、出力を生成する。例えば、品質監視システムおよび方法は、様々な入力を処理し、引きはがし強さ、引張り強さ/抗張力、破裂圧力、外観、その他などの、溶接強さの品質を指示する予測される値を生成および出力することができる。予測される値は、次いで、溶接された部品が十分な溶接強さ/品質を有するかどうかを決めるために、あらかじめ決められたしきい値と比較され得る。加えて、または代替として、品質監視システムは、個別の溶接が、期待されるプロセスをたどったかどうか、および/または、あらかじめ決められたしきい値より上もしくは下の、品質特性の何らかの測定値を達成したかどうかに基づいて、予測される溶接品質メトリックまたは測定値が十分であるかどうかを指示するために、あらかじめ決められたしきい値との予測される値の比較に基づいて、出力を生成することができる。
【0023】
図1および2を参照すると、本開示による、溶接品質を予測するためのデータ分析論および機械学習を使用する、例超音波溶接機システム10、11が示される。
図1において示される超音波溶接機システム10は、少なくとも2つの金属部品20を溶接するように構成され、一方で、
図2において示される超音波溶接機システム11は、少なくとも2つのプラスチック部品30を溶接するように構成される。溶接されることになる少なくとも2つの部品は、一体に溶接されることになる2つのみの部品、または、ワイヤの束などの、一体に溶接されることになる3つ以上の部品、3つ以上の部品のスタック、または、一体に溶接および接合されることになる部品の任意の他の適した集団を含むことができる。超音波溶接機システム10、11は、各々、超音波コンバータ12に電力を提供する超音波電力供給部18と、ブースタ14と、超音波ホーン16とを含む。超音波溶接の技術分野の当業者により、普通に理解されるように、超音波ホーン16は、超音波コンバータ12およびブースタ14からワークピース、すなわち、一体に溶接されている部品に機械的エネルギーを伝える金属棒である。超音波ホーン16は、典型的には、超音波コンバータ12により作り出される共振振動数において2分の1波長の長さである。例えば20-60kHzの周波数における電力供給部18からの電気エネルギーが、超音波コンバータ12により機械的エネルギーにコンバートされる。超音波コンバータ12においてコンバートされる機械的エネルギーは、ブースタ14および超音波ホーン16によって、一体に溶接されることになる、金属部品20(
図1)またはプラスチック部品30(
図2)などの適用物に伝送される。ブースタ14および超音波ホーン16は、機械的エネルギーを伝送する、および、利得因子だけ超音波コンバータ12からの機械的振動を変える機能を行う。超音波溶接機システム10、11は、各々、超音波溶接機システム10、11の適切な構成要素に結合される入力および出力を有するコントローラにより制御される。例えば、電力供給部18は、コントローラを含むことができ、または、コントローラは、電力供給部18とは別個のデバイスであり得る。溶接プロセスの後、部品20、30は、溶接40により、一体に接合される。
【0024】
ホーン16の先端部上で結果的に生じる機械的振動は、部品20、30を一体に溶接するタスクを行う動きである。ホーン先端部は、チタン、または、別の高い強さの硬質材料から作製され得る。一体に溶接されることになる部品20、30は、アンビル上に一体に置かれるなど、ホーン先端部に近接して置かれる。ホーン先端部は、アクチュエータ22により、運動させられ、一体に溶接されることになる部品20、30の上部部分と接触した様態に至らされる。超音波ホーン16は、溶接されることになる部品20、30において揺動を付与する様式で揺動する。すなわち、超音波ホーン16は、溶接界面において互いに接する部品20、30の表面が、加熱されて、ついには一体に溶融し、溶接40を形成することを引き起こす、互いについての部品20、30の揺動性圧縮/除圧を引き起こす。
【0025】
図1および2は、各々、例として超音波溶接機システム10、11を描写するが、本開示は、他のタイプの溶接機およびワークピース処理デバイスに、等しく適用可能である。例えば、超音波溶接機に加えて、本開示の、溶接品質を予測するための分析論を使用するシステムおよび方法は、また、レーザ溶接システム、振動/摩擦溶接システム、赤外線溶接システム、(クリーン振動技術とも呼称される)赤外線(IR)予熱システムを伴う組み合わされた振動溶接、スピン溶接システム、および/またはホットプレート溶接システムに適用可能である。加えて、金属溶接機およびプラスチック溶接機の例が、
図1および2を参照して上記で論考されているが、本開示は、多材料溶接機などの他の溶接機、および、他の機械的接合プロセスに、等しく適用可能である。加えて、本開示は溶接例を提供するが、本開示は、接合プロセスの品質が本開示によって評価および予測され得る、熱的ステーキング、リベット締め、および/または、任意の他の機械的接合プロセスなどの、他の機械的接合プロセスに、等しく適用可能である。超音波溶接機および他のワークピース処理デバイスに関する追加的な詳細は、2020年7月28日に発行された、「Dynamic Adjustment of Weld Parameter of an Ultrasonic Welder」と題された、本出願人の、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第10,722,973号、および、2020年12月15日に発行された、「Work Piece Processing Device with Servo-Elastic Actuator System with Compliance Elastic Member and Weight Compensation Elastic Member」と題された、本出願人の、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第10,864,608号に含まれており、それらの米国特許は、両方が、引用によりそれらの全体が組み込まれる。
【0026】
図1および2において示されるように、超音波溶接機システム10、11は、各々、品質監視システム50を含む。品質監視システム50は、品質監視に関連する様々な溶接パラメータを受け取る。例えば、品質監視システム50は、例えば、提供される電気エネルギーの電流、電圧、電力、および/または周波数を指示するデータを含む、電力供給部18により超音波コンバータに提供される電気エネルギーの電気特性に基づく、超音波電力供給部18からの溶接パラメータを受け取ることができる。加えて、溶接パラメータは、溶接のために提供される電気エネルギーの開始時間、停止時間、または時間継続期間などの、電気エネルギーが電力供給部18により提供される時間の量に関連するデータを含むことができる。加えて、または代替として、品質監視システム50は、さらには、例えば、ホーン16の運動の距離/深さ、部品20、30に対するホーン16の力、および/または、ホーン16の速度もしくは下方の速さを指示するデータを含む、アクチュエータ22によるホーン16の運動の特性に基づく、アクチュエータ22からの溶接パラメータを受け取ることができる。加えて、または代替として、アクチュエータ22からの溶接パラメータは、また、溶接40の溶接崩壊および/または溶接保持に関連するデータを含むことができる。加えて、または代替として、品質監視システム50は、さらには、超音波溶接機システム10、11内に含まれる1つ以上のセンサ42から溶接パラメータを受け取ることができる。センサ42は、例えば、1つ以上の、温度センサ、レーザ振動計、位置測定センサ、応力/歪みセンサ、衝撃センサ、および/またはカメラを含むことができる。温度センサは、品質監視システム50への温度データを測定および提供することができる。レーザ振動計は、超音波スタックの振動データ、または、振動溶接機実施形態における振動溶接機の振動データを測定および提供することができる。位置測定センサは、ホーン16の、および/または、溶接されている部品20、30の位置データを提供することができる。応力/歪みセンサは、溶接されている部品20、30の応力/歪みデータを提供することができる。衝撃センサは、超音波スタックの振動データを提供することができる。カメラは、溶接されている部品20、30の画像データを提供することができる。
【0027】
品質監視システム50、電力供給部18、アクチュエータ22、および/または、もしあればセンサ42は、各々、品質監視システム50との有線またはワイヤレス通信接続を介してそのようなデータを通信するための十分な通信インターフェイスを含む。
【0028】
いくつかの実施形態において、品質監視システム50は、超音波溶接機システム10、11と同じ場所に配置される品質監視コンピュータを含むことがある。そのような事例において、超音波電力供給部18、アクチュエータ22、および/または、もしあればセンサ42は、本開示による処理のために品質監視コンピュータに様々な溶接パラメータおよびデータを通信することができ、品質監視コンピュータは、品質監視コンピュータのユーザに出力を提供するための、コンピュータモニタ、および/または、ディスプレイもしくはタッチスクリーンデバイスなどの出力デバイスに接続され得る。他の実施形態において、品質監視コンピュータは、溶接機と統合され得る。例えば、品質監視コンピュータは、超音波電力供給部18の中に埋め込まれ、ユーザに出力を提供するための出力デバイスに接続され得る。他の実施形態において、品質監視システムは、エンドユーザの製造企業システム(MES:manufacturing enterprise system)と統合され得る。他の実施形態において、品質監視システム50は、超音波溶接機システム10、11と同じ場所に配置される品質監視クライアントコンピュータと、超音波溶接機システム10、11とは異なる場所にリモートで配置される品質監視サーバコンピュータとを含むことがある。そのような事例において、品質監視クライアントコンピュータは、超音波電力供給部18、アクチュエータ22、および/または、もしあればセンサ42から、様々な溶接パラメータおよびデータを受け取り、本開示による処理のために品質監視サーバに様々な溶接パラメータおよびデータを通信することができる。例えば、品質監視コンピュータは、Microsoft Azureクラウドサービス、Amazon Web Services、またはGoogleクラウドコンピューティングサービスを利用するクラウド環境内でなど、超音波溶接機システム10、11の場所または施設からリモートのクラウド環境内で実現され得る。さらなる例として、品質監視コンピュータ/システムは、Emerson Electric Co.から利用可能なPlantweb(TM)デジタルエコシステムを使用して実現され得る。
【0029】
図3を参照すると、品質監視システム50の品質監視コンピュータ/サーバ300が示される。上記で触れられたように、いくつかの実施形態において、品質監視コンピュータ/サーバ300は、スタンドアロンコンピュータとして機能することができ、超音波溶接機システム10、11と同じ場所または施設に配置され得、そのような事例において、超音波電力供給部18、アクチュエータ22、および/または、もしあればセンサ42から、様々な溶接パラメータを直接的に受け取ることができる。他の実施形態において、品質監視コンピュータ/サーバ300は、サーバとして機能することができ、例えば、クラウド環境内に、または、製造企業システム(MES)内になど、超音波溶接機システム10、11からリモートで配置され得る。そのような事例において、品質監視クライアントは、超音波電力供給部18、アクチュエータ22、および/または、もしあればセンサ42から、様々な溶接パラメータおよびデータを受け取り、サーバとして機能する品質監視コンピュータ/サーバ300に様々な溶接パラメータおよびデータを通信することができる。
【0030】
品質監視コンピュータ/サーバ300は、中央処理ユニット(CPU)302と、メモリ304と、ネットワークインターフェイス306と、揮発性ストレージ308と、入出力インターフェイス310とを含むことができる。メモリ304は、品質監視コンピュータ/サーバ300の、アプリケーション312のための、および、オペレーティングシステム(OS)314のための実行可能コードを記憶する。メモリ304は、また、下記でさらに詳細に論考される、品質監視モジュールのための実行可能品質監視コード316、訓練モジュールのための訓練コード318、データ分析論モジュールのためのデータ分析論コード320、および、品質予測モジュールのための品質予測コード322を記憶する。OS314は、ハードウェアリソースの入出力を協調させること、および、品質監視コード316と、訓練コード318と、データ分析論コード320と、品質予測コード322とを含む、品質監視コンピュータ/サーバ300のバイナリ実行可能ファイルを実行することをハンドリングする。品質監視コンピュータ/サーバ300は、専用化されたハードウェアを伴う物理的デバイス、溶接機と統合された、および/または、溶接機の中に埋め込まれたデバイスであり得る。代替として、品質監視コンピュータ/サーバ300は、専用化されたハードウェアリソースの一部分を共有する仮想マシンとして実現され得る。
【0031】
図4を参照すると、本開示による、溶接品質を評価および予測するためのデータ分析論および機械学習を使用するシステムおよび方法のための方法論の概観が例示される。初めに、下記でさらに詳細に論考されるように、訓練データ400が、回帰モデル、分類モデル、および/またはAIニューラルネットワークモデルなどのデータ分析論モデル404を開発および訓練するために、学習または訓練プロセス402において使用される。データ分析論モデル404は、例えば、ランダムフォレストモデル、決定木モデル、サポートベクター回帰モデル、および/または、CatboostもしくはSGBoostなどの勾配ブースティング回帰モデルを含むことができる。訓練データ400は、例えば、知られている、または実際の溶接品質パラメータと関連して記憶される、様々な溶接パラメータまたはグラフを含むことができる。訓練プロセスにおいて、溶接パラメータは、入力された溶接パラメータに基づいて、1つ以上の予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデル404を訓練するために使用される。予測される溶接品質パラメータは、次いで、関連付けられる入力された溶接パラメータに対する実際の溶接品質パラメータと比較され、データ分析論モデル404は、次いで、予測される溶接品質パラメータと実際の溶接品質パラメータとの間の差に基づいて、調整、修正、および/またはチューニングされ得る。学習または訓練プロセス402は、次いで、訓練データ400からの入力された溶接パラメータの次のセットに対して、継続する。学習または訓練プロセス402は、データ分析論モデル404が、入力された溶接パラメータの与えられたセットに対する実際の溶接品質パラメータと同じである、または、その実際の溶接品質パラメータのあらかじめ決められた許容差の中にある、予測される溶接品質パラメータをロバストおよび正確に生成する能力をもつまで、継続させられ繰り返される。例えば、学習または訓練プロセス402は、データ分析論モデル404による品質予測の精度が、95%精度などのあらかじめ決められた精度しきい値より大きくなるまで、継続させられ繰り返され得る。代替として、学習または訓練プロセス402は、訓練データ400のすべてが利用されてしまうまで、継続させられ繰り返され得る。訓練プロセスが完了すると、データ分析論モデル404は、超音波溶接機システム10、11などの実際の溶接機システムにより行われている実際の溶接に対する溶接品質パラメータを予測するために、実際のライブの溶接パラメータデータに関して予測プロセス406において使用され得る。
【0032】
図4の例において、予測プロセス406は、溶接の予測される引きはがし強さに対応する溶接品質パラメータを生成するために使用される。
図4において例示されるように、予測プロセス406において、予測される引きはがし強さは、この事例において12ニュートンすなわち12Nである引きはがししきい値と比較される。比較の結果、および/または、予測される引きはがし強さなどの予測される溶接品質パラメータが、出力され、品質制御プロセスに通信され得、その品質制御プロセスにより、あらかじめ決められたしきい値未満である、予測される溶接品質パラメータ、例えば、予測される引きはがし強さを伴う溶接を有する製品は、さらなる評価を受け、および/または、処分され、取り替えられ、もしくは修理される。
【0033】
図5を参照すると、訓練モードにおける品質監視モジュール500を示すブロック線図が示される。品質監視モジュール500は、訓練モジュール502と、データ分析論モジュール504と、品質予測モジュール506とを含む。品質監視モジュール500、訓練モジュール502、データ分析論モジュール504、および品質予測モジュール506は、
図3において示され、上記で論考されたような、メモリ304内に記憶される、品質監視コード316、訓練コード318、データ分析論コード320、および品質予測コード322を実行する品質監視コンピュータ/サーバ300により実現され得る。
図5において示されるように、品質監視モジュール500は、品質監視モジュール500および品質監視コンピュータ/サーバ300に対してアクセス可能なコンピュータ可読記憶媒体から訓練データ400を受け取る。上記で論考されたように、訓練データ400は、知られている、または実際の溶接品質パラメータと関連して記憶される、様々な溶接パラメータを含むことができる。訓練モードにおいて、品質監視モジュール500の訓練モジュール502は、知られている実際の溶接品質パラメータを有する、実際の溶接に対応する、記憶される溶接パラメータを取得し、データ分析論モジュール504に、記憶される溶接パラメータを入力し、そのデータ分析論モジュール504は、入力された溶接パラメータに基づいて、1つ以上の予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデル404を利用する。訓練モジュール502は、次いで、予測される溶接品質パラメータを、訓練データ内に含まれる、および、入力された溶接パラメータと関連付けられる、関連付けられる入力された溶接パラメータに対する実際の溶接品質パラメータと比較する。比較に基づいて、訓練モジュール502は、予測される溶接品質パラメータと実際の溶接品質パラメータとの間の差に基づいて、データ分析論モデル404を調整、修正、およびチューニングするように、データ分析論モジュール504に命令することができる。訓練モジュール502は、次いで、訓練データ400からの入力された溶接パラメータの次のセットに対して、継続する。品質監視モジュール500および訓練モジュール502は、訓練モードにおいてこの方式で動作することを継続することを、データ分析論モジュール504が、訓練データからの入力された溶接パラメータの与えられたセットに対する実際の溶接品質パラメータと同じである、もしくは、その実際の溶接品質パラメータのあらかじめ決められた許容差の中にある、予測される溶接品質パラメータをロバストおよび正確に生成するまで、または、品質監視モジュール500および訓練モジュール502が、訓練データ400のセット内の追加的なエントリを尽きさせるまで行う。例えば、品質監視モジュール50および訓練モジュール502は、データ分析論モジュール504による品質予測の精度が、95%精度などのあらかじめ決められた精度しきい値より大きくなるまで、訓練モードにおいて動作することができる。代替として、品質監視モジュール500および訓練モジュール502は、訓練データ400のすべてが利用されてしまうまで、訓練モードにおいて動作を継続することができる。その時点において、品質監視モジュール500は、訓練モードから品質予測モードに切り替えられ得、超音波溶接機システム10、11などの実際の溶接機システムにより行われている実際の溶接に対する溶接品質パラメータを予測するために、実際のライブの溶接パラメータデータに関して使用され得る。
【0034】
図6を参照すると、訓練プロセスのための方法600が示され、602において開始する。方法600は、品質監視コンピュータ/サーバ300、ならびに例えば、品質監視モジュール500の訓練モジュール502およびデータ分析論モジュール504により行われ得る。604において、訓練モジュール502は、訓練データ400から溶接パラメータデータおよび実際の溶接品質パラメータデータを取得する。606において、訓練モジュール502は、データ分析論モジュール504に溶接パラメータデータを入力し、そのデータ分析論モジュール504は、予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデル404に溶接パラメータデータを入力する。608において、訓練モジュール502は、予測される溶接品質パラメータを実際の溶接品質パラメータと比較し、610において、訓練モジュールは、比較に基づいて、データ分析論モデル404を調整するように、データ分析論モジュール504に命令する。612において、訓練モジュール502は、何らかの追加的なエントリが処理のために訓練データ400内で利用可能であるかどうかを決める。612において、利用可能である訓練データ400内の追加的なエントリがないとき、方法600は、616において終了する。612において、追加的なエントリが訓練データ400内で利用可能であるとき、訓練モジュールは、614に進行する。614において、訓練モジュール502は、予測される溶接品質パラメータの現在の精度を精度しきい値と比較することにより、訓練モードにおいて動作することを継続すべきかどうかを決める。例えば、訓練モジュール502は、現在の精度を、95%精度などのあらかじめ決められた精度しきい値と比較することができる。データ分析論モジュール504が、あらかじめ決められた精度しきい値より大きい精度を伴う、予測される溶接品質パラメータを生成しているとき、訓練モジュール502は、616に進行し、訓練プロセスを終了する。614において、現在の精度が、あらかじめ決められた精度しきい値未満であるとき、訓練モジュール502は、604に戻るようにループし、訓練データ400からデータの次のセットを取得する。
【0035】
図7を参照すると、品質監視モードにおける品質監視モジュール500を示すブロック線図が示される。品質監視モードにおいて、品質予測モジュール506は、超音波溶接機システム10、11などの実際の溶接機システムから溶接パラメータ入力データを受け取る。上記で詳細に論考されたように、溶接パラメータ入力データは、超音波電力供給部18から、アクチュエータ22から、および/または、もしあればセンサ42から受け取られる溶接パラメータデータを含むことができる。品質予測モジュール506は、次いで、データ分析論モジュール504に、受け取られた溶接パラメータ入力データを入力し、そのデータ分析論モジュール504は、入力された溶接パラメータデータに基づいて、溶接に対する予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデル404内へと、受け取られた溶接パラメータ入力データを入力する。データ分析論モジュール504は、品質予測モジュール506に、予測される溶接品質パラメータを返し、その品質予測モジュール506は、次いで予測される溶接品質パラメータを出力する。予測される溶接品質パラメータは、品質監視モジュール500により、および/または、別個の品質制御プロセスもしくはデバイスにより行われる品質制御プロセスにおいて、あらかじめ決められたしきい値品質と比較され得る。予測される溶接品質パラメータが、あらかじめ決められたしきい値品質未満であるとき、溶接、および/または、関連付けられる製品は、さらなる評価を受け、および/または、処分され、取り替えられ、もしくは修理され得る。
【0036】
品質監視モードにおいて、品質監視モジュール500は、固定されたアルゴリズムを利用することができ、そのアルゴリズムにより、データ分析論モジュール504およびデータ分析論モデル404は、訓練プロセスが終了する時間において固定され、品質監視モードにおけるライブの動作の間に、さらに更新、調整、修正、および/またはチューニングされない。代替として、品質監視モジュール500は、能動学習アルゴリズムを利用することができ、そのアルゴリズムにより、実際の溶接が、現場において試験され、試験データが、実際の溶接品質パラメータを、品質監視モジュール500により出力される予測される溶接品質パラメータと比較するために使用される。そのような事例において、品質監視モジュールは、次いで、データ分析論モジュール504および品質予測モジュール506の精度が、ライブの動作の間に改善され、施設における現場における実際の動作および溶接条件に適合し得るように、比較の結果に基づいて、データ分析論モデル404を更新、調整、修正、および/またはチューニングすることができる。
【0037】
図8を参照すると、品質監視プロセスのための方法800が示され、802において開始する。方法800は、品質監視コンピュータ/サーバ300、ならびに例えば、品質監視モジュール500の品質予測モジュール506およびデータ分析論モジュール504により行われ得る。804において、品質予測モジュール506は、超音波溶接機システム10、11などの実際の溶接機システムから溶接パラメータ入力データを受け取る。806において、品質予測モジュール506は、データ分析論モジュール504に溶接パラメータデータを入力し、そのデータ分析論モジュール504は、予測される溶接品質パラメータを生成するためのデータ分析論モデル404に溶接パラメータデータを入力する。808において、品質予測モジュール506は、データ分析論モジュール504から、予測される溶接品質パラメータを受け取り、予測される溶接品質パラメータを、あらかじめ決められた品質しきい値と比較する。810において、品質予測モジュール506は、予測される溶接品質パラメータ、および/または、予測される溶接品質パラメータとあらかじめ決められた品質しきい値との間の比較の結果を指示する出力を生成する。例えば、予測される溶接品質パラメータが、あらかじめ決められたしきい値品質未満であるとき、溶接、および/または、関連付けられる製品は、さらなる評価を受け、および/または、処分され、取り替えられ、もしくは修理され得る。代替として、いくつかの実施形態において、808における比較は、省略され得、品質予測モジュール506は、810において、予測される溶接品質パラメータを単純に出力することができる。811において、品質監視プロセスは終了する。
【0038】
データ分析論アルゴリズム
本開示の品質監視システムおよび方法は、溶接プロセスの間に決められる、生成される、および/または検知される溶接パラメータに基づいて、与えられた溶接に対する溶接品質を予測または推定するための、回帰、分類、および/またはAIモデルおよびアルゴリズムを含む、データ分析論および機械学習を利用する。上記で論考されたように、本開示のシステムおよび方法は、回帰および分類アルゴリズムもしくはモデルなどの、教師あり学習アルゴリズムもしくはモデル、ならびに/または、AIニューラルネットワークアルゴリズムもしくはモデルなどの、教師なし学習アルゴリズムもしくはモデルを利用することができる。例えば、本開示のシステムおよび方法により利用される、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルは、決定木アルゴリズムもしくはモデル、ランダムフォレストアルゴリズムもしくはモデル、K近傍法(KNN)アルゴリズムもしくはモデル、ナイーブベイズアルゴリズムもしくはモデル、サポートベクターマシンアルゴリズムもしくはモデル、および/または、AIニューラルネットワークアルゴリズムもしくはモデルを含むことができる。いくつかの実施形態において、本開示の品質監視システムおよび方法は、CatBoostおよび/またはSGBoostと呼称される決定木に対する勾配ブースティング回帰アルゴリズムなどの、決定木に対する勾配ブースティング回帰アルゴリズムを含むことができる。CatBoost勾配ブースティング回帰アルゴリズムは、例えば、オーバーフィッティングを克服するための順序付けされたブースティング、カテゴリ特徴量に対するネイティブハンドリング、および、より高速の実行のために忘却(oblivious)木または対称木を使用することの特徴を含む。XGBoost勾配ブースティング回帰アルゴリズムは、例えば、木の賢い(clever)ペナライゼーション、葉ノードの比例的縮小(proportional shrinking)、ニュートンブースティング、エクストラランダム化パラメータ、ならびに、単一、分散システム上での実装、および、アウトオブコア計算の特徴を含む。いくつかの実施形態において、本開示の品質監視システムおよび方法は、アンサンブル機械学習アルゴリズムである、ランダム決定フォレストとも呼称される、ランダムフォレスト回帰アルゴリズムを含むことができる。ランダムフォレスト回帰アルゴリズムは、訓練プロセスの間に多数の決定木を構築し、クラスのモードであるクラス、または、個々の木の平均/アベレージの予測を出力することにより動作するアンサンブル学習方法を含む。
【0039】
他の実施形態において、本開示の品質監視システムおよび方法は、溶接プロセスの間に決められる、生成される、および/または検知される溶接パラメータに基づいて、与えられた溶接に対する溶接品質を予測または推定するための、人工ニューラルネットワークの使用を含むことができる。
【0040】
特定のデータ分析論アルゴリズムが上記で論考されているが、溶接プロセスなどのプロセスの間に決められる、生成される、および/または検知される、入力されたパラメータに基づいて、溶接品質などのパラメータを予測または推定するための機能性を含む、任意の他の機械学習(教師あり/構造化または非構造化/教師なし)アルゴリズムが、本開示によって使用され得る。
【0041】
加えて、マトリックスプロファイリング異常(matrix profiling anomalies)方法が、下記でさらに詳細に論考されるように、異常に対して溶接グラフデータを探索するために使用され得る。
【0042】
溶接品質パラメータ
本開示の品質監視システムおよび方法は、溶接プロセスの間に決められる、生成される、および/または検知される、入力された溶接パラメータに基づいて、溶接の溶接品質を予測または推定する。上記で論考された例において触れられたように、本開示の品質監視システムは、引きはがし強さおよび/または引張り強さ/抗張力などの、溶接強さの品質を指示する予測される値を生成することができる。特定の溶接品質パラメータが上記の例において論考されているが、溶接品質評価のための任意の方法論が使用され得る。例えば、本開示の品質監視システムおよび方法は、以下の溶接品質パラメータのうちの任意のものを予測または推定することにより、溶接品質を予測または推定することができる:
【0043】
- 溶接密封の完全性を測定するための気体漏れ検出。
【0044】
- エレクトロニクスにエネルギーを与え、結果を測定することにより、埋め込まれたエレクトロニクスを試験すること。例えば、テールランプが、溶接プロセスが内側でエレクトロニクスを損傷しなかったということを確実にするために灯され得る。
【0045】
- 抗張力。部品を離れるように引張り、溶接強さを測定するための破壊的方法。
【0046】
- 引きはがし強さ。溶接を離れるように引きはがすための破壊的方法。ワイヤスプライシングにおいて、より頻繁に使用される。引きはがし強さは、しばしば、引張り強さ(抗張力)とは異なる。
【0047】
- 破断または破裂強さ。容器が破裂まで加圧される破壊的方法。これは、溶接強さのメトリックである。
【0048】
- 臨界長さ測定。これは、例えば、ダイ、フィットをチェックするための工具、定規、またはレーザ測定デバイスによって測定され得る。測定は、総体的な部品、または、溶接深さなどの溶接の何らかの寸法のものであり得る)。
【0049】
- 熱的検知。溶接は、しばしば、材料の中で、より高い局在化した温度を結果的に生じさせる。熱電対、IRカメラ、IR温度計、またはレーザ温度計ビーム/ガンが、溶接区域の温度を測定するために使用され得る)。
【0050】
- 自動光学検査(AOI)/ビデオ画像処理。顧客が、記録保持および品質制御のために、溶接のデジタル写真またはビデオをとる。これは、トレーサビリティがより重要である、医療産業において、より普及している。
【0051】
- 外観。人間または機械による視覚的検査が、しばしば、溶接品質をチェックするために使用される。検査するものは、泡、ストランド、過剰な溶接材料(別名「フラッシュ」)、溶接ギャップ(不足溶接)、割れ、応力線、焼け跡、および、他の視覚的特徴を探す。金属溶接において、顧客は、変色、酸化の兆候を特に探す。顕微鏡および拡大が使用され得る。
【0052】
- 光学3-D表面スキャニングなどの計測法。Gom、Zeiss、およびNikonなどの供給業者が、表面寸法を決めるために、変動する焦点またはレーザを使用する機械を供給する。部品の3-Dスキャンは、それらの部品が、溶接の前または後のいずれかで、理想的な、または指定された部品と比較してどのようであるかを示すことができる。
【0053】
- 残留内部応力を測定すること。溶接プロセスは、内部部分応力を作ることがあり、それらの応力は、しばしば、(炉内での)熱的アニーリングを使用して緩和される。
【0054】
- 落下試験。部品は、損傷を測定するための標準的な試験方法によって落下させられる。
【0055】
- 電気抵抗または導電率。ワイヤおよびスポットの金属溶接において使用される。
【0056】
- 光学吸収。プラスチックは、溶接の後は、透き通っている、または、不透明であることがあり、これが、観測または測定され得る。
【0057】
- X線断層撮影法。X線が、異常を探すために、部品または組立体の内部構造を画像化するために使用され得る。
【0058】
- 表面プロファイリングまたは表面粗さ。溶接の近くでの、または、溶接から離れてのいずれかでの、部品の表面トポロジーまたは粗さの測定。プロフィロメータ、走査トンネル顕微鏡(STM)、線形可変差動変圧器、干渉計型プロファイラ、走査プローブなどの、このメトリックを測定することができる、多くのタイプのデバイスが存在する。
【0059】
- 剪断強さ。溶接に剪断力を印加する破壊的方法。
【0060】
- 破砕抵抗、圧縮、または変形。組立体を変形させる、割断する、粉砕する、または崩壊させるための、サンプル上の圧縮荷重を測定する破壊的試験。
【0061】
- クリープ試験。経時的な応力のもとでの部品の変形を決めるために使用される。
【0062】
- 熱的試験。経時的な主たる特質に対する変化を測定するための、高い温度、低い温度、または熱的サイクリング。
【0063】
- 湿度または塩水噴霧試験。顧客製品を過酷な環境条件にさらす。
【0064】
- ヤング率試験。材料上の応力に応じての歪みの変化のレート。
【0065】
- 剥離強さ試験。引きはがし試験と同様であるが、薄膜適用物に対するものである。「クライミングドラム」が使用され得る。
【0066】
- 硬さ試験。材料または部品のデュロメータを測定する。ロックウェル硬さ試験機などの試験機器が使用され得る。
【0067】
- ハーメチック性(別名、気密性または水密性)。溶接および容器は、漏れに対して試験され得る。
【0068】
- 断面切開。溶接または部品を切り開くための破壊的方法。
【0069】
- 化学分析。溶接された部品および組立体が、化学組成に対して試験され得る。
【0070】
- ガスクロマトグラフィ。化学組成を決めるためにガス抜けを測定する。
【0071】
- 微粒子測定。粉塵または重量(百万分率、または、体積あたりの粒子)に対して測定する - より高い可能性として、クリーンルーム、空気ダクト、マイクロフルイディクスにおいて。
【0072】
- 疲労。部品の寿命またはサイクルを評価するための繰り返しの動き。
【0073】
- 密度。組立体の部品の体積あたりの重量の測定。
【0074】
- X線回折。サンプル内の元素粒子に当たった後にx線がどのように回折するかのプロファイルを測定するために、材料にx線を放射する。
【0075】
- 汚損。普通でない物質、異質な材料の導入、または、過剰な材料(例えば、練り歯磨きチューブを溶接すると、検査プロセスは、チューブの外側上の練り歯磨きを探すことであった)に対して溶接を検査する。
【0076】
- 共振。組立体の部品の共振振動数を見いだすために試験する(我々は、顧客に部品を再設計してもらうことを、それらの部品が我々の溶接機振動数の近くの共振振動数において振動するので行うことがしばしばある)。
【0077】
閉ループ補正
上記で詳細に論考されたように、本開示の品質監視システムおよび方法は、溶接プロセスの間に決められる、生成される、および/または検知される溶接パラメータに基づいて、与えられた溶接に対する溶接品質を予測または推定するための、データ分析論および機械学習アルゴリズムおよびモデルを利用する。溶接品質を予測または推定することに加えて、本開示の品質監視システムおよび方法は、後続の溶接に対して溶接プロセスの動作特性を調整するために、溶接プロセスに対する閉ループ補正を行うためのシステムおよび方法を含むことができる。例えば、溶接品質を調整および増大するために、本開示の品質監視システムおよび方法は、超音波コンバータ12に、電力供給部18により供給される電気エネルギーに対する調整を行うための、ホーン16の運動、および、ホーン16により印加される力に対する調整を行うための、ならびに/または、溶接プロセスの任意の他の制御可能な態様を調整するための、閉ループ補正を含むことができる。
【0078】
事例研究#1
データセットが、プラスチックiビーム部品に関するセットレシピによってエネルギーモードにおいて稼働されたBranson GSX-E1溶接機に関して、200の溶接から生成された。測定された変数は、最大力、溶接崩壊、溶接時間、ピーク電力、その他を含んだ。溶接の後の抗張力が、
図9Aから9C、10A、および10Bにおいて示されるように行われおよび記録された。以下のモデルが、抗張力の値、溶接品質の定量的な測定値を予測するために、データに関して実行された:
- 決定木アルゴリズム
- ランダムフォレストアルゴリズム
- K近傍法
- ナイーブベイズアルゴリズム
- サポートベクターマシン(SVM)アルゴリズム
- 人工ニューラルネットワークアルゴリズム
結果は、以下のようなものであった。
【0079】
【0080】
事例研究#2
別のデータセットが、Branson GMX-W1ワイヤスプライサからの500の溶接から生成された。以下のモデルが、溶接品質を予測および推定するために、データに関して実行された:ランダムフォレスト、決定木、サポートベクター回帰(SVM)、XGBoost、Catboost、およびニューラルネットワーク。結果は、以下のようなものであった。
【0081】
【0082】
これらの事例研究は、従来の電力供給部データに関して機械学習を使用する方法論が、金属溶接製品およびプラスチック接合製品の両方を正確に予測するアルゴリズムを開発することができるということを結論的に決めている。この結論は、論文:Balz,I.、Abi Raad,E、Rosenthal E.ら。Process monitoring of ultrasonic metal welding battery tabs using external sensor data。Journal of Advanced Joining Processes 第1巻(2020年3月)において要約されているような、学会における、現在の最先端における従前の思考に反するものである。
【0083】
事例研究#3:マトリックスプロファイリング異常
本開示によれば、マトリックスプロファイリング異常方法が、下記でさらに詳細に論考されるように、異常に対して溶接グラフデータを探索するために使用され得る。
【0084】
マトリックスプロファイリング異常と呼称される方法が、溶接異常に対して溶接グラフデータを探索するために使用された。視覚的表現が、
図11において示される。この方法において、パラメータ対時間(この事例において、溶接深さ対時間、および、電力対時間)のグラフが、50個のデータ点、または、50ms区間などの、データのより小さいセットへと分けられる。これらのセットが、次いで、知られている異常と比較される。マトリックスプロファイルグラフのピークは、性能における有意な変化を指示する。
【0085】
図12を参照すると、例超音波溶接機システム10、11のブロック線図が、示され、上記で説明されたように、品質監視システム50と、超音波電力供給部18と、アクチュエータ22と、もしあれば1つ以上のセンサ42とを含む。超音波溶接機デバイス900が、例えば、
図1および2を参照して上記で説明されたような、コンバータ12と、ブースタ14と、ホーン16とを含むことができる(
図12において示されない)。上記で説明されたように、品質監視システム50は、回帰および分類アルゴリズムもしくはモデルなどの、教師あり学習アルゴリズムもしくはモデル、または、AIニューラルネットワークアルゴリズムもしくはモデルなどの、教師なし学習アルゴリズムもしくはモデルを含む、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルを使用する、データ分析論モジュール504を含むことができる。品質監視システム50により使用されるアルゴリズム、例えば、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルが、
図12において904において示される。上記で説明されたように、品質監視システム50は、例えば、提供される電気エネルギーの電流、電圧、電力、および/または周波数を指示するデータを含む、電力供給部18により超音波コンバータに提供される電気エネルギーの電気特性などの、溶接パラメータ入力を受け取ることができる。上記でさらに説明されたように、品質監視システム50は、溶接のために提供される電気エネルギーの開始時間、停止時間、または時間継続期間などの、電気エネルギーが電力供給部18により提供される時間の量に関連するデータを含む、溶接パラメータ入力を受け取ることができる。加えて、または代替として、品質監視システム50は、また、例えば、ホーン16の運動の距離/深さ、部品20、30に対するホーン16の力、および/または、ホーン16の速度もしくは下方の速さを指示するデータを含む、アクチュエータ22によるホーン16の運動の特性に基づく、アクチュエータ22からの溶接パラメータを受け取ることができる。加えて、または代替として、アクチュエータ22からの溶接パラメータは、また、溶接40の溶接崩壊および/または溶接保持に関連するデータを含むことができる。加えて、または代替として、品質監視システム50は、また、超音波溶接機システム10、11内に含まれる1つ以上のセンサ42から溶接パラメータを受け取ることができる。センサ42は、例えば、1つ以上の、温度センサ、レーザ振動計、位置測定センサ、応力/歪みセンサ、衝撃センサ、および/またはカメラを含むことができる。温度センサは、品質監視システム50への温度データを測定および提供することができる。レーザ振動計は、超音波スタックの振動データ、または、振動溶接機実施形態における振動溶接機の振動データを測定および提供することができる。位置測定センサは、ホーン16の、および/または、溶接されている部品20、30の位置データを提供することができる。応力/歪みセンサは、溶接されている部品20、30の応力/歪みデータを提供することができる。衝撃センサは、超音波スタックの振動データを提供することができる。カメラは、溶接されている部品20、30の画像データを提供することができる。上記で説明されたように、品質監視システム50は、溶接パラメータデータを受け取り、予測される溶接品質パラメータを生成する、および/または、あらかじめ決められたしきい値との予測される溶接品質パラメータの比較の結果を生成するための、
図12において904において示される、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルを利用する。生成された、予測される溶接品質パラメータ、および/または、あらかじめ決められたしきい値との予測される溶接品質パラメータの比較の結果は、
図12において906において示される。比較に基づいて、例えば、品質監視システム50は、よろしい、または、疑わしい、のいずれかと、対応する溶接を分類することができる。例えば、溶接品質パラメータが、溶接の予測される引きはがし強さに対応する場合、品質監視システム50は、予測される引きはがし強さが、あらかじめ決められたしきい値より大きい場合、よろしいと、および、予測される引きはがし強さが、あらかじめ決められたしきい値未満であるときに、疑わしいと、対応する溶接を分類することができる。品質監視システム50は、次いで、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)ディスプレイ908に、生成された、予測される溶接品質パラメータ、および/または、予測される溶接品質パラメータの比較の結果、すなわち、よろしい、もしくは、疑わしい、のいずれかの分類を出力することができる。例えば、HMIディスプレイ908は、溶接の実際の予測される引張り強さなどの、実際の予測される溶接品質パラメータ、および/または、あらかじめ決められたしきい値との溶接品質パラメータの比較の結果を表示することができる。
【0086】
図12において904において示される、単一のデータ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルを利用する品質監視システム50は、受け取られた溶接パラメータ入力に基づいて、予測される溶接品質パラメータを決めることができるが、いくつかの実例において、品質監視システム50は、著しい異常を含む溶接パラメータ入力データにより混乱させられることがある。換言すれば、いくつかの実例において、単一のデータ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデルを利用する品質監視システム50は、溶接パラメータ入力データが、通常またはアベレージの溶接パラメータ入力データからあまりにも遠く離れているときに、溶接の溶接品質を予測することにおいて困難であることがある。
【0087】
この理由のために、
図13を参照して示される別の実施形態において、品質監視システム50’は、
図13において904において示される、データ分析論および機械学習アルゴリズムまたはモデル、すなわち、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルに、溶接パラメータデータが入力される前に、溶接パラメータ入力データの追加的なデータ処理層を含むことができる。例えば、品質監視システム50’は、溶接パラメータ入力データが、904における回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルに入力される前に、溶接パラメータ入力データを処理し、溶接パラメータ入力データ内の著しい異常に対応する溶接があれば除去するための、
図13において910において示される、統計的プロセス制御(SPC)アルゴリズムを利用する。例えば、品質監視システム50’のSPCアルゴリズム910は、溶接パラメータ入力データの、各々のデータ値を分析し、そのデータ値を、溶接パラメータ入力データのSPC平均と比較し、SPC平均から、あらかじめ決められた数の標準偏差より多く離れている、溶接パラメータ入力データに対応する溶接があれば棄却することができる。
図13において示されるように、SPCデータ分析に基づいて、疑わしいとして棄却された溶接が、
図13において912において示される。棄却された/疑わしい溶接を指示する出力が、HMIディスプレイ908に出力される。溶接パラメータ入力データのデータ値が、SPC平均から、あらかじめ決められた数の標準偏差の中にある場合、溶接パラメータデータは、
図12について上記で詳細に論考されたような処理のために、
図13において904において示される、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルに入力される。上記で説明されたように、予測される溶接品質パラメータ、および/または、あらかじめ決められたしきい値との予測される溶接品質パラメータの比較の結果は、HMIディスプレイ908上での表示であり得る。
【0088】
このように、溶接パラメータデータが回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデル904に入力される前に、溶接パラメータ入力データを分析し、著しい異常を除去するためのSPCアルゴリズム910を含む、多数のアルゴリズムの使用により、品質監視システム50’の精度が改善され得る。このように、溶接パラメータデータは、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデル904に対してということによる処理の前に、著しい異常を除去するために、前処理またはフィルタリングされる。例として、著しい異常を有する溶接パラメータ入力データを生成する溶接は:金属箔の過剰な数の層、金属箔のあまりにも少ない層、上に油を有し、そのことにより摩擦を減少する材料サンプル、誤った金属の使用、適正な端部ピースもしくはカバーを伴わない溶接、誤った区域における溶接、単一のサンプルを2回、酸化を伴う材料、ホーン先端部が固定物と良好に位置合わせされない、誤ったホーンもしくはアンビルが使用される、および/または、溶接パラメータ入力データ内の著しい異常を生成する任意の他の問題点の結果であることがある。
【0089】
図13は、データ処理の2つの層、すなわち、SPCアルゴリズム910、ならびに、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデル904の使用を例示するが、データ処理の追加的な層が、また、システムの精度をさらに増大することのために使用され得る。例えば、
図14を参照すると、3つ以上のアルゴリズムを利用する品質監視システム50”の別の実施形態が示される。品質監視システム50”は、品質監視システム50”がSPCアルゴリズム910より前に上限および下限アルゴリズム914を利用するということを除いて、品質監視システム50’と同様である。上限および下限アルゴリズム914は、例えば、溶接パラメータ入力データのデータ値を高いしきい値および低いしきい値と比較するために使用され得る。上限および下限の外側である、すなわち、上限しきい値より高い、および、下限しきい値より低い、対応する溶接パラメータ入力データを伴う溶接があれば、912において、疑わしいとして棄却され得る。高いしきい値および低いしきい値の中の、対応する溶接パラメータ入力データを伴う溶接があれば、
図12において示される品質監視システム50’を参照して上記で説明された処理と同様の処理のために、SPCアルゴリズムに渡され得る。上限および下限は、あらかじめ決められたしきい値であり得、および/または、ユーザ調整可能しきい値であり得る。例えば、上限および下限は、品質監視システム50”のユーザにより調整され得るデフォルトしきい値セッティングによって初期化され得る。
【0090】
3つのアルゴリズムが
図13において示されるが、任意の数(N)のアルゴリズムが使用され得る。例えば、回帰および分類アルゴリズムもしくはモデル、ならびに/または、AIニューラルネットワークアルゴリズムもしくはモデルの追加的な層が、SPCアルゴリズム910と、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデル904との間に含まれ得る。さらに、904において示される、回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルは、多数の層へと分解され得る。例えば、データ処理の1つの層が、回帰および分類アルゴリズムまたはモデルを使用する処理を含むことができ、一方で、別個の層が、AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデルを使用する処理を含むことができる。例えば、品質監視システムは:上限および下限アルゴリズム層と;SPCアルゴリズム層と;決定木アルゴリズム、ランダムフォレストアルゴリズム、KNNアルゴリズム、ナイーブベイズアルゴリズム、その他を利用する回帰および分類層と;AIニューラルネットワークアルゴリズム層とを含む、データ処理の4つの層を利用することができる。
【0091】
このように、データ処理アルゴリズムの多数の層の使用は、溶接パラメータ入力データ内の著しい異常をより効果的に除去し、溶接品質をより正確に予測することができる。しかるがゆえに、データ処理アルゴリズムの多数の層の使用は、システムを、より堅牢にし、ノイズおよび異常なデータに左右されることをより少なくする。
【0092】
上記の実施形態に関してのように、HMIディスプレイ908は、予測される溶接品質パラメータ、および/または、あらかじめ決められたしきい値との予測される溶接品質パラメータの比較の結果を指示する出力を表示することができる。HMIディスプレイ908は、さらには、個別の溶接が、上限および下限アルゴリズム914またはSPCアルゴリズム910などの、個別の処理アルゴリズムに基づいて、疑わしいとして棄却されたということを指示される出力を表示することができる。
【0093】
事例研究#4:エンドツーエンド例
本開示によれば、プロセスデータの近似的に1,000レコードの別のセットが、ラボにおいて生成され、モデルを訓練するために使用された。この事例研究において、溶接機械から生起する超音波プロセスは、本質的に高度に非線形であり、フィールドの間で負の相関を有し、失敗事例は非常に少なかった。訓練データは、モデリングの前に、欠落属性、属性値、ノイズまたは外れ値、および重複に対して前処理された。
【0094】
加えて、合成マイノリティオーバーサンプリング技法(Synthetic Minority Oversampling Technique)(SMOTE)が、データ不均衡を克服するために適用された。SMOTEは、「SMOTE:Synthetic Minority Over-sampling Technique」、Journal of Artificial Intelligence Research 16(2002)321-357、2002年6月出版において説明されている。
【0095】
訓練データは、以下の列を含んだ:サイクルカウント、引張り力、エネルギー、トリガ圧力、圧力、振幅、時間、電力、プレ高さ(Pre-Height)、および高さ。
【0096】
モデリング&訓練プロセス
モデリング演習の一部分として、各々の特徴量(列)に対する特徴量重要度が、:「Multivariate Statistical Data Analysis-Principal Component Analysis (PCA)」、International Journal of Livestock Research、7(5)、60-78、(2017)において説明されているような、次元削減機械学習技法主成分分析(PCA);「Feature modeling using polynomial classifiers and stepwise regression」、Neurocomputing、第73巻、第10-12号、2010年6月、1752-1759頁において説明されているような、多項式特徴量;および、「Generalized Discriminant Analysis algorithm for feature reduction in Cyber Attack Detection」、International Journal of Computer Science and Information Security (IJCSIS)、第6巻、第1号、2009において説明されているような、一般化判別分析(Generalized Discriminant Analysis)(GDA)を使用して算出された。
【0097】
訓練データは、70%訓練データおよび30%試験データへと分けられ、非線形データに対する5つのアルゴリズムが、それらのそれぞれのハイパーパラメータを使用して訓練された。モデル重みが、ランダムに初期化され、「An overview of gradient descent optimization algorithms」、arXiv:1609.94747v2、2017年6月15日において説明されているような、確率的勾配降下法(SGD)が、訓練の一部分として重みを調整するために使用された。
【0098】
すべてのモデルは、ここで示されるように、出力として、特徴量「電力(N)」、「溶接時間(秒)」、「高さ(mm)」および「プレ高さ(mm)」、ならびに「引張り力(N)」を有した:
【0099】
【0100】
モデル評価
訓練されたモデルが、30%検証データに対して、およびまた、元データのほとんどすべての統計的特質をそのままで保つ現実のデータの合成バージョンによって、試験および評価された。ランダムフォレストおよびCatBoostが、最も良好な性能を結果的に生じさせた。モデル評価に対する結果の表は、以下のようなものである:
【0101】
【0102】
モデルは、700行を伴うデータセットに関して訓練された。予測は、300行を伴うデータセットに基づいた。
【0103】
モデル予測
最も良好に行うモデルが、デプロイ可能な分析論エンジンコードの一部分としてデプロイされるように選定された。
【0104】
ライブの溶接セッションの間に、モデルが、あらゆる溶接に対するプロセスデータを受け取ることになるように、モデルに対するプロセスデータフローが編成され、そのプロセスデータを、そのモデルが、次いで、結果的に生じる、可能性のある「引張り力」を予測するために使用した。
【0105】
【0106】
予測される引張り力は、次いで、溶接品質を決める最小しきい値引張り力に対して比較される。予測される引張り力がしきい値未満である場合、溶接ジョブは、疑わしいと分類される。さもなければ、溶接ジョブは、良好と分類される。
【0107】
事例研究#5:自動化された機械学習
本開示によれば、自動化された機械学習特徴は、溶接分析論エンジンのユーザが、オフラインモデリングおよび訓練のために外に生産データを送出することを回避するために、オンプレミスでかれらのデータを使用して、かれら自体のモデルを訓練することを可能とする。
【0108】
この特徴によって、溶接分析論エンジンは、与えられた訓練データセットに対して、最適なハイパーパラメータ値と併せて、最も良好なアルゴリズムおよび/またはアルゴリズムのスタックを自動的に評価および選択することができる。このように、本自動化された機械学習特徴は、機械学習モデルの選択、組成、およびパラメータ化を自動化し、遺伝的プログラミング、確率的ベイズ最適化、およびアンサンブル構築における最近の利点を活用する。
【0109】
システムは、与えられたデータセットに対して、最適なハイパーパラメータ値とともに、良好な予測的モデルまたはアンサンブルを作り上げ評価するために要される共通タスクのうちのいくつかを自動化する。例えば、
図15において示されるように、システムは、以下のタスクを自動化し、それらのタスクは:データクリーニング1502、特徴量削減および選択1504、モデル選択1506、ハイパーパラメータチューニング1508、ならびにモデル検証1510を含む。結果として、自動化システムは、良好な予測的モード/アンサンブルモデルに対して行われることになるアクションの最も良好なパイプラインを作り上げる。パイプラインは、システムが、与えられたデータセットに対して、多くの機械学習アルゴリズムを、それらのアルゴリズム自体のパラメータ値および多数の前処理ステップとともにフィットさせることを試行することにより、より良好に行うアルゴリズムおよびチューニング値を見いだすことを試行する際に、頻繁に更新される。
【0110】
システムは、あらゆる世代に対する、交差検証スコア、すなわち、精度を比較することにより、最も高いスコアリングパイプラインを見いだすための、遺伝的プログラミングアルゴリズムを使用する。システムは、モデル予測の誤差を最小化するオペレータの系列を見いだすために、広範な範囲の推定器、特徴量選択器、特徴量構築器(feature constructor)、アルゴリズム、モデル、およびパラメータにわたって探索する。多数の世代に対する最も良好なスコアが、下記で示される(最も良好なパイプライン:LinearSVR(input_matrix,C=5.0,dual=False,epsilon=1.0,loss=squared_spsilon_insensitive,tol=0.1)):
【0111】
【0112】
以下の表は、2つの予測される引張り力列を含む:(1)ファインチューニングされたモデルの予測;および(2)自動化された機械学習(AutoML)からの予測。データは、自動車用バッテリ溶接用途に対応し、結果的に生じた試験精度は、97.8%であった。
【0113】
【0114】
このように、本開示のシステムおよび方法は、試験データに関して異なるアルゴリズムおよびモデルを使用することと、溶接品質を最も正確に予測するアルゴリズムまたはモデルを評価および選択することと、次いで、ライブの溶接パラメータデータを使用して溶接品質を予測することに進む、選択されたアルゴリズムまたはモデルを使用することとを含む。
【0115】
加えて、品質監視システムが経時的に現場において使用されると、溶接機ハードウェアおよび他のシステム構成要素は、プロセスドリフトを被ることがあり、品質監視システムが最初に設置されたときと同じことを行わないことがある。しかるがゆえに、本開示は、経時的な現場におけるシステムの使用に起因するプロセスドリフトに対処するために、品質監視システムにより使用される選択されたアルゴリズムまたはモデルをチューニングおよびチェックするために、品質監視システムを更新することを含む。例えば、品質監視システムは、試験データの新しいセットに関して使用され得、品質監視システムにより使用される内部パラメータにより使用されるアルゴリズムまたはモデルは、プロセスドリフトに対処し、溶接品質をより正確に予測するために、現場において再チューニングおよび再較正され得る。換言すれば、データ分析論モデルは、溶接パラメータデータを溶接品質データと関連付ける実際の溶接データに基づくチューニング手順を利用することにより、溶接機が現場において動作させられた後に再較正され得る。
【0116】
前述の説明は、ただ単に本質的に例示であり、本開示、その用途、または使用を限定することは決して意図されない。本開示の広範な教示が、種々の形式で実現され得る。それゆえに、本開示は個別の例を含むが、本開示の真の範囲は、そのように限定されるべきではなく、なぜならば、他の修正形態が、図面、本明細書、および、以下の特許請求の範囲の考究を基に、明らかになることになるからである。方法の中の1つ以上のステップは、本開示の原理を改変することなく、異なる順序で(または同時的に)実行され得るということが理解されるべきである。さらに、実施形態の各々は、所定の特徴を有するように上記で説明されているが、本開示の任意の実施形態について説明されるそれらの特徴のうちの任意の1つ以上は、他の実施形態のうちの任意のものにおいて、および/または、その任意のものの特徴と組み合わされて実現されることが、その組み合わせが明示的に説明されないとしても行われ得る。換言すれば、説明される実施形態は、相互に排他的ではなく、1つ以上の実施形態の、互いとの置換は、本開示の範囲の中にとどまる。
【0117】
要素どうしの間の(例えば、モジュールどうしの間の)空間的および機能的関係性は、「接続される」、「係合させられる」、「インターフェイス接続される」、および「結合される」を含む、様々な用語を使用して説明される。「直接的」であると明示的に説明されない限り、第1の要素と第2の要素との間の関係性が上記の本開示において説明されているとき、その関係性は、第1の要素と第2の要素との間に存在する他の介在要素がない直接的な関係性、およびまた、1つ以上の介在要素が第1の要素と第2の要素との間に(空間的に、または機能的に、のいずれかで)存在する間接的な関係性を包摂する。
【0118】
本明細書において使用されるように、語句、A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、は、非排他的論理ORを使用すると、論理(A OR B OR C)を意味すると解されるべきである。例えば、語句、A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、は:(i)A単独;(ii)B単独;(iii)C単独;(iv)AおよびB共々;(v)AおよびC共々;(vi)BおよびC共々;(vii)A、B、およびC共々のうちの任意の1つを含むと解されるべきである。語句、A、B、およびCのうちの少なくとも1つ、は、「Aのうちの少なくとも1つ、Bのうちの少なくとも1つ、および、Cのうちの少なくとも1つ」を意味すると解されるべきではない。
【0119】
図において、矢尻により指示されるような矢印の方向は、一般的には、例示に対して関心のものである(データまたは命令などの)情報の流れを明示する。例えば、要素Aおよび要素Bは種々の情報を交換するが、要素Aから要素Bに伝送される情報が例示に対して関連性があるとき、矢印は、要素Aから要素Bに向いていることがある。この一方向性矢印は、要素Bから要素Aに伝送される他の情報がないということを含意するものではない。さらに、要素Aから要素Bに送出される情報に対して、要素Bは、要素Aに、情報に対する要求、または、情報の受信確認を送出することがある。用語、サブセットは、必ずしも正確な意味のサブセットを要しない。換言すれば、第1のセットの第1のサブセットは、第1のセットと同一の広がりをもつ(第1のセットに等しい)ことがある。
【0120】
下記の定義を含む本出願において、用語「モジュール」または用語「コントローラ」は、用語「回路」と置き換えられ得る。用語「モジュール」は、コードを実行するプロセッサハードウェア(共有される、専用化された、またはグループ)、および、プロセッサハードウェアにより実行されるコードを記憶するメモリハードウェア(共有される、専用化された、またはグループ)を指す、それらのハードウェアの一部分である、または、それらのハードウェアを含むことがある。
【0121】
モジュールは、1つ以上のインターフェイス回路を含むことがある。いくつかの例において、インターフェイス回路は、ローカルエリアネットワーク(LAN)またはワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)に接続する有線またはワイヤレスインターフェイスを実現することがある。LANの例は、米国電気電子技術者協会(IEEE)標準802.11-2016(WIFIワイヤレスネットワーキング標準としても知られている)、および、IEEE標準802.3-2015(ETHERNET有線ネットワーキング標準としても知られている)である。WPANの例は、IEEE標準802.15.4(ZigBeeアライアンスからのZIGBEE標準を含む)、および、Bluetoothスペシャルインタレストグループ(SIG)からの、BLUETOOTHワイヤレスネットワーキング標準(Bluetooth SIGからのコア仕様バージョン3.0、4.0、4.1、4.2、5.0、および5.1を含む)である。
【0122】
モジュールは、インターフェイス回路を使用して他のモジュールと通信し得る。モジュールは、他のモジュールと直接的に、論理的に通信するように、本開示において描写されることがあるが、様々な実現形態において、モジュールは、実際には、通信システムによって通信することがある。通信システムは、ハブ、スイッチ、ルータ、およびゲートウェイなどの、物理的および/または仮想ネットワーキング機器を含む。いくつかの実現形態において、通信システムは、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続し、または、そのWANを横断する。例えば、通信システムは、マルチプロトコルラベルスイッチング(MPLS)および仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む技術を使用して、インターネットまたはポイントツーポイント賃貸ライン上で互いに接続される多数のLANを含むことがある。
【0123】
様々な実現形態において、モジュールの機能性は、通信システムによって接続される多数のモジュールの間で分散されることがある。例えば、多数のモジュールが、負荷平衡システムにより分散される同じ機能性を実現することがある。さらなる例において、モジュールの機能性は、サーバ(さらにはリモートまたはクラウドとして知られている)モジュールと、クライアント(または、ユーザ)モジュールとの間で分けられることがある。例えば、クライアントモジュールは、クライアントデバイス上で実行する、および、サーバモジュールとネットワーク通信している、ネイティブまたはウェブアプリケーションを含むことがある。
【0124】
上記で使用されたような、用語、コードは、ソフトウェア、ファームウェア、および/またはマイクロコードを含むことがあり、プログラム、ルーチン、関数、クラス、データ構造、および/またはオブジェクトを指すことがある。共有されるプロセッサハードウェアは、多数のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを実行する単一のマイクロプロセッサを包摂する。グループプロセッサハードウェアは、追加的なマイクロプロセッサとの組み合わせで、1つ以上のモジュールからの一部またはすべてのコードを実行するマイクロプロセッサを包摂する。多数のマイクロプロセッサへの言及は、離散的なダイ上の多数のマイクロプロセッサ、単一のダイ上の多数のマイクロプロセッサ、単一のマイクロプロセッサの多数のコア、単一のマイクロプロセッサの多数のスレッド、または、上記の組み合わせを包摂する。
【0125】
共有されるメモリハードウェアは、多数のモジュールからの一部またはすべてのコードを記憶する単一のメモリデバイスを包摂する。グループメモリハードウェアは、他のメモリデバイスとの組み合わせで、1つ以上のモジュールからのいくつかまたはすべてのコードを記憶するメモリデバイスを包摂する。
【0126】
用語、メモリハードウェアは、用語、コンピュータ可読媒体のサブセットである。本明細書において使用されるような、用語、コンピュータ可読媒体は、(キャリア波上などで)媒体を通って伝搬する一時的電気または電磁信号を包摂せず;用語、コンピュータ可読媒体は、それゆえに、有形および非一時的と考えられる。非一時的コンピュータ可読媒体の非限定的な例は、不揮発性メモリデバイス(フラッシュメモリデバイス、消去可能プログラマブル読み出し専用メモリデバイス、またはマスク読み出し専用メモリデバイスなど)、揮発性メモリデバイス(スタティックランダムアクセスメモリデバイスまたはダイナミックランダムアクセスメモリデバイスなど)、磁気記憶媒体(アナログもしくはデジタル磁気テープ、またはハードディスクドライブなど)、および光学記憶媒体(CD、DVD、またはBlu-rayディスクなど)である。
【0127】
本出願において説明される装置および方法は、コンピュータプログラムの形で具現化される1つ以上の個別の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することにより作られる特殊目的コンピュータにより、部分的に、または完全に実現されることがある。上記で説明された機能的ブロックおよびフローチャート要素は、熟練した技術者またはプログラマのルーチンワークによりコンピュータプログラムへと翻訳され得る、ソフトウェア仕様書として役立つ。
【0128】
コンピュータプログラムは、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶されるプロセッサ実行可能命令を含む。コンピュータプログラムは、また、記憶されるデータを含む、または頼りとすることがある。コンピュータプログラムは、特殊目的コンピュータのハードウェアと相互作用する基本入出力システム(BIOS)、特殊目的コンピュータの個別のデバイスと相互作用するデバイスドライバ、1つ以上の、オペレーティングシステム、ユーザアプリケーション、バックグラウンドサービス、バックグラウンドアプリケーション、その他を包摂することがある。
【0129】
コンピュータプログラムは:(i)HTML(ハイパーテキストマークアップ言語)、XML(拡張可能マークアップ言語)、またはJSON(JavaScriptオブジェクト表記)などの、パースされることになる記述テキスト、(ii)アセンブリコード、(iii)コンパイラによりソースコードから生成されるオブジェクトコード、(iv)インタプリタによる実行のためのソースコード、(v)ジャストインタイムコンパイラによるコンパイルおよび実行のためのソースコード、その他を含むことがある。単に例として、ソースコードは、C、C++、C#、Objective C、Swift、Haskell、Go、SQL、R、Lisp、Java(R)、Fortran、Perl、Pascal、Curl、OCaml、JavaScript(R)、HTML5(ハイパーテキストマークアップ言語第5改訂版)、Ada、ASP(アクティブサーバページ)、PHP(PHP:ハイパーテキストプリプロセッサ)、Scala、Eiffel、Smalltalk、Erlang、Ruby、Flash(R)、Visual Basic(R)、Lua、MATLAB、SIMULINK、およびPython(R)を含む言語からの構文を使用して書き表され得る。
【0130】
例示的な実施形態は、本開示が、徹底的であることになる、および、当業者に範囲を十二分に伝えることになるように提供される。具体的な構成要素、デバイス、および方法の例などの、数多くの具体的な詳細は、本開示の実施形態の徹底的な理解をもたらすために論述されている。具体的な詳細は用いられることを必要としないということ、例示的な実施形態は多くの異なる形式で具現化され得るということ、および、どちらも本開示の範囲を限定すると解されるべきではないということが、当業者に明らかであることになる。いくつかの例示的な実施形態において、よく知られているプロセス、よく知られているデバイス構造、および、よく知られている技術は、詳細に説明されない。
【0131】
本明細書において使用される専門用語は、個別の例示的な実施形態を説明する目的のためのものであり、限定的であることは意図されない。本明細書において使用されるように、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が別段に明確に指示しない限り、複数形もまた含むことが意図され得る。用語「備える」、「備えている」、「含む」、および「有する」は、包含的であり、それゆえに、説述される特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素の存在を定めるが、1つ以上の、他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/または、それらの群の、存在または追加を排除しない。本明細書において説明される方法ステップ、プロセス、および動作は、はっきりと遂行の順序として識別されない限り、論考または例示される個別の順序での、それらの方法ステップ、プロセス、および動作の遂行を必ず要すると解されるべきではない。追加的または代替的なステップが用いられ得るということが、また、理解されるべきである。
【符号の説明】
【0132】
10、11 超音波溶接機システム
12 超音波コンバータ、コンバータ
14 ブースタ
16 超音波ホーン、ホーン
18 超音波電力供給部、電力供給部
20 金属部品、部品
22 アクチュエータ
30 プラスチック部品、部品
40 溶接
42 センサ
50、50’、50” 品質監視システム
300 品質監視コンピュータ/サーバ
302 中央処理ユニット(CPU)
304 メモリ
306 ネットワークインターフェイス
308 揮発性ストレージ
310 入出力インターフェイス
312 アプリケーション
314 オペレーティングシステム(OS)
316 実行可能品質監視コード、品質監視コード
318 訓練コード
320 データ分析論コード
322 品質予測コード
400 訓練データ
402 学習または訓練プロセス
404 データ分析論モデル
406 予測プロセス
500 品質監視モジュール
502 訓練モジュール
504 データ分析論モジュール
506 品質予測モジュール
600、800 方法
900 超音波溶接機デバイス
904 回帰および分類アルゴリズムまたはモデル/AIニューラルネットワークアルゴリズムまたはモデル
908 ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)ディスプレイ
910 SPCアルゴリズム
914 上限および下限アルゴリズム
1502 データクリーニング
1504 特徴量削減および選択
1506 モデル選択
1508 ハイパーパラメータチューニング
1510 モデル検証
【外国語明細書】