(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162543
(43)【公開日】2022-10-24
(54)【発明の名称】冷凍可能で再利用可能なボトル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
B65D 1/00 20060101AFI20221017BHJP
B65D 1/02 20060101ALI20221017BHJP
B65D 23/00 20060101ALI20221017BHJP
【FI】
B65D1/00 110
B65D1/02 221
B65D23/00 E BRF
B65D1/00 120
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022063853
(22)【出願日】2022-04-07
(31)【優先権主張番号】17/227,498
(32)【優先日】2021-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】591038831
【氏名又は名称】ダート インダストリーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100224672
【弁理士】
【氏名又は名称】深田 孝徳
(72)【発明者】
【氏名】ノーマ アンジェリカ アヴァロス
(72)【発明者】
【氏名】キース ハガティー
【テーマコード(参考)】
3E033
3E062
【Fターム(参考)】
3E033AA02
3E033BA13
3E033BA30
3E033BB01
3E033CA20
3E033DA03
3E033DB01
3E033EA05
3E033FA03
3E033GA02
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062DA02
3E062DA05
3E062KA01
3E062KB17
(57)【要約】
【課題】耐衝撃性及び破損することなく冷凍温度に耐える能力を有するボトルを提供する。
【解決手段】本体と、本体と係合するキャップとを有する冷凍可能で再利用可能なボトルである。本体は、容器部分と、容器部分から延びるネック部分とを含む。容器部分は、再利用可能なボトルの長手方向軸に沿って延在する複数のリブを含む。キャップは、本体のネック部分に取り外し可能に係合する。本体は、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%のSEBSの添加剤のポリマー組成物を含む。ボトルは、液体で満たされる場合に冷凍され、リブは冷凍中の内容物の膨張に対応し、添加剤は、硬質の冷凍された内容物に対応する耐衝撃性を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍可能で再利用可能なボトルであって、
前記再利用可能なボトルの長手方向軸に沿って延びる複数のリブを有する容器部分と、前記容器部分から延びるネック部分と、を含む本体と、
前記本体の前記ネック部分と係合するキャップと、
を備え、
前記本体は、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)のポリマー組成物を含む、再利用可能なボトル。
【請求項2】
前記ポリプロピレンは、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)である、請求項1に記載の再利用可能なボトル。
【請求項3】
前記ポリマー組成物は、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)85%及びスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)15%を含む、請求項2に記載の再利用可能なボトル。
【請求項4】
前記キャップは、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)のポリマー組成物を含む、請求項1に記載の再利用可能なボトル。
【請求項5】
前記ポリプロピレンは、ポリプロピレンブロックコポリマー(PPB)である、請求項4に記載の再利用可能なボトル。
【請求項6】
前記本体の前記ネック部分に近接して前記容器部分に形成された充填レベルインジケータをさらに含む、請求項1に記載の再利用可能なボトル。
【請求項7】
前記容器部分のベース部分の断面形状は、丸みを帯びた四角形である、請求項1に記載の再利用可能なボトル。
【請求項8】
前記複数のリブは、前記本体の前記容器部分の円周面に等間隔で配置されている、請求項1に記載の再利用可能なボトル。
【請求項9】
冷凍可能で再利用可能なボトルを使用する方法であって、
容器部分と、前記容器部分から延びるネック部分と、を含む本体を提供するステップであって、前記容器部分は、前記再利用可能なボトルの長手方向軸に沿って延びる複数のリブを備える、ステップと、
前記本体の前記ネック部分に係合するキャップを提供するステップと、
を有し、
前記本体は、約85から90%のポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)及び約10から15%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)のポリマー組成物を含み、
前記容器部分に飲料を充填するステップと、
前記飲料が冷凍するまで、前記本体及び前記キャップを冷凍温度にさらすステップと、
を有する、方法。
【請求項10】
冷凍可能で再利用可能なボトルを製造する方法であって、
溶融混合物を準備するステップであって、前記溶融混合物は、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%の添加剤を含むポリマー組成物である、ステップと、
前記溶融混合物を用いて前記再利用可能なボトルのプリフォームを形成するステップであって、前記プリフォームは、ネック部分と、前記ネック部分から延びる管状部分とを備える、ステップと、
前記管状部分をブロー成形して、複数のリブを有する容器部分を形成するステップと、
を有する、方法。
【請求項11】
前記ポリプロピレンは、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、同時係属中の代理人整理番号132117-D200に関連し、その開示内容は引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、一般に、ボトルに関し、より具体的には、冷凍可能で再利用可能なボトル及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、プラスチック製のウォーターボトルは、水、飲料、及び他の液体を保存するために使用される。ボトルは、ポリプロピレン及びエラストマーを含むものなど、様々なポリマー組成を有する材料から形成されている。さらに、ボトルは、液体を収容する又は収容された液体を消費する通常の使用に適するように作られている。使用されるポリマー材料に応じて、ボトルは、使い捨て、すなわち1回限りの使用に適する場合、又は再利用可能、すなわち長期間にわたる繰り返し使用に適する場合がある。液体が充填されたボトルは、液体内容物を冷却するために低温保管場所に置かれる場合がある。ボトルを冷凍温度にさらすと、通常、望ましくない結果が生じる。例えば、冷凍時の液体内容物の膨張により、ボトル本体に亀裂が生じ、冷却室内で及び/又は後の解凍時に漏れが生じる可能性がある。膨張による亀裂が生じない場合でも、硬質であり、本体の低温衝撃特性が悪いことと相まって、冷凍された内容物の硬質の特性により。ボトルはわずかな衝撃で破損する可能性がある。冷凍されるとボトル本体がもろくなり、衝撃荷重による破損を防止する抵抗力がなくなる可能性がある。しかしながら、ユーザーは、ボトルの内容物を冷凍して、より長い時間にわたって非常に冷たい飲み物を楽しみたいと強く願う。長期間に再利用が可能であり、冷凍温度又は冷凍時の衝撃による破損を防止できるボトルは、ユーザーにとって非常に望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、改善された耐衝撃性及び破損することなく冷凍温度に耐える能力を有するボトルを開発するニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様によれば、再利用可能なボトルが開示される。再利用可能なボトルは、容器部分と、容器部分から延びるネック部分とを有する本体を含む。容器部分は、再利用可能なボトルの長手方向軸に沿って延びる複数のリブを含む。再利用可能なボトルは、本体のネック部分と係合するようになっているキャップを含む。本体は、約85から90パーセント(%)のポリプロピレン(PP)及び約10から15パーセント(%)の添加剤のポリマー組成物を含む。好ましい実施形態では、ポリプロピレンは、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)であり、ポリマー組成物は、85パーセントのポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)を含む。最も好ましい実施形態では、添加剤は、熱可塑性エラストマー(TPE)である。別の実施形態では、添加剤は、スチレン系添加剤である。さらに別の実施形態では、添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)であり、ポリマー組成物は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)を15%だけ含む。
【0006】
一実施形態において、キャップは、約85から90パーセントのポリプロピレン(PP)及び約10から15パーセントの添加剤のポリマー組成物を含み、ポリプロピレンは、ポリプロピレンブロックコポリマー(PPB)であり、添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である。
【0007】
一実施形態において、再利用可能なボトルは、本体のネック部分に近接して容器部分に形成された充填レベルインジケータを含む。別の実施形態では、容器部分のベース部分の断面形状は、丸みを帯びた四角形である。さらに別の実施形態では、複数のリブは、本体の容器部分の円周面に等間隔で配置されている。
【0008】
本開示の別の態様によれば、再利用可能なボトルが開示される。再利用可能なボトルは、容器部分と、容器部分から延びるネック部分とを有する本体を含む。容器部分は、再利用可能なボトルの長手方向軸に沿って延びる複数のリブを含む。再利用可能なボトルは、本体のネック部分と係合するようになっているキャップを含む。本体は、約85から90%のポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)及び約10から15%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)のポリマー組成物を含む。キャップは、約85から90%のポリプロピレンブロックコポリマー(PPB)及び約10から15%のスチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)のポリマー組成物を含む。
【0009】
本開示のさらに別の態様によれば、再利用可能なボトルを製造する方法が開示される。本方法は、溶融混合物を準備するステップを含み、溶融混合物は、約85から90パーセントのポリプロピレン(PP)及び約10から15パーセントの添加剤のポリマー組成物である。一実施形態において、ポリプロピレンは、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)であり、添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である。本方法は、溶融混合物を用いて再利用可能なボトルのプリフォームを形成するステップをさらに含む。プリフォームは、ネック部分と、ネック部分から延びる管状部分とを含む。本方法は、管状部分をブロー成形して、複数のリブを有する容器部分を形成するステップをさらに含む。
【0010】
本開示の非限定的な実施形態のこれら及び他の態様及び特徴は、当業者には添付の図面と併せて本開示の特定の非限定的な実施形態の以下の説明を検討することで明らかになるであろう。
【0011】
本開示の実施形態(その代替例及び/又は変形例を含む)のより良い理解は、以下の図面と共に実施形態の詳細な説明を参照することによって得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本開示の一実施形態による、再利用可能なボトルの分解斜視図である。
【
図2】
図1の線A-Aに沿って切り取った再利用可能なボトルの断面図である。
【
図3】
図1の再利用可能なボトルを製造する方法を示す概略断面図である
【
図4】
図3の再利用可能なボトルの製造方法の概略的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
特定の実施形態又は特徴を詳細に参照し、その実施例を添付の図面に示す。可能な限り、対応する又は類似の参照番号は、同一又は対応する要素を参照するために、図面全体にわたって使用されることになる。さらに、本明細書に記載される様々な要素への言及は、同じタイプの複数の要素が存在し得る場合、集合的に又は個別に行われる。しかしながら、そのような参照は、本質的に単に例示的なものである。単数形の要素への何らかの言及は、添付の特許請求の範囲に明示的に規定されない限り、そのような要素の正確な数又はタイプに本開示の範囲を限定することなく、複数形に関連すると解釈すること又はその逆も同様であることに留意されたい。
【0014】
図1を参照すると、本開示の一実施形態による、再利用可能なボトル100の分解斜視図が示されている。再利用可能なボトル100は、特に、水、飲料、又は冷凍可能な他の何らかの液体を収容するように設計されている。さらに、再利用可能なボトル100は、再利用可能なボトル100内の液体が、再利用可能なボトル100に損傷を与えることなくより長い期間にわたって冷凍保存できるように、冷蔵庫及び冷凍庫などの低温保管場所に置くことができるように設計することができる。本開示の再利用可能なボトル100は、ポリプロピレン及びエラストマーなどの添加剤のポリマー組成を有する材料で作られており、特に内容物を冷凍させた場合の再利用可能なボトル100の耐衝撃性を向上させるようになっている。添加剤は、再利用可能なボトル100の透明性をさらに向上させることができる。
【0015】
再利用可能なボトル100は、容器部分104と、容器部分104から延びるネック部分106とを有する本体102を含む。容器部分104は、水、飲料、又は他の冷凍させることができる何らかの液体などの液体を収容するように構成される。容器部分104は、液体を入れるための内部容積108を規定することができる。一例では、再利用可能なボトル100の内部容積は750mlとすることができる。しかしながら、当業者であれば、容器部分104の内部容積108は、限定されるものではないが、再利用可能ボトル100の用途、及び再利用可能ボトル100に保存される液体の種類を含む様々な要因に基づいて規定することができることを理解できる。
【0016】
飲料用ボトルの容器部分には多くの形状が知られているが、好ましい実施形態では、容器部分104は、ウエスト部分116に向かうトップ部分112及びベース部分114を含む。ウエスト部分116は、トップ部分112及びベース部分114の各々の断面積よりも小さい断面積を有する。このように、容器部分104は、ピーナッツ形状を実現するように設計されている。トップ部分112及びウエスト部分116の各々は、円形状を有しており、一方、ベース部分114の断面形状は、丸みを帯びた四角形状である。ベース部分114の丸みを帯びた四角形状により、再利用可能ボトル100を平面又は傾斜面に水平に置いた場合に、再利用可能ボトル100が表面上を転がることが防止される。さらに、冷凍庫及び冷蔵庫などの保管場所のスペースに制約がある場合、再利用可能なボトル100は水平に配置することができる。ベース部分114は、再利用可能ボトル100が直立状態に保たれるときに再利用可能ボトル100に安定性を与えるための足部117をさらに含むことができる。一例として、再利用可能なボトル100が空の場合、再利用可能なボトル100は、6度の傾斜角度まで安定することができ、再利用可能なボトル100が充填されている場合、再利用可能なボトル100は、10度の傾斜角度まで安定することができる。
【0017】
容器部分104のトップ部分112は、本体102のネック部分106の近くに形成された充填レベルインジケータ118を含む。充填レベルインジケータ118は、液体内容物が冷凍中の膨張により溢れる(又はそうでなければネック部分106の範囲を超えて膨張する)ことを防止するようなものとして、再利用可能ボトル100内の液体の最大充填レベルを示すマークとして形成することができる。一例として、充填レベルインジケータ118は、雪の結晶の形状で容器部分104上に形成することができる。充填レベルインジケータ118は、限定されるものではないが、再利用可能ボトル100の内部容積108、再利用可能ボトル100に保存できる液体の種類、再利用可能ボトル100の材料、液体の収縮特性、及び容器部分104のトップ部分112の形状を含む種々の要因に基づいて規定することができる。1つの実施形態では、充填レベルインジケータ118は、再利用可能なボトル100の製造中にデボス加工することができる。別の実施形態では、充填レベルインジケータ118は、再利用可能なボトル100にエンボス加工することができる。さらに別の実施形態では、充填レベルインジケータ118は、容器部分104に印刷された、ユーザーに対する視覚的インジケータとして機能するカラーマーカー、ラベル、又はテキストとすることができる。
【0018】
再利用可能なボトル100は、本体102のネック部分106と係合するように構成されたキャップ120をさらに含む。本体102のネック部分106は、円筒形であり、容器部分104のトップ部分112から延びている。好ましい実施形態では、ネック部分106は、キャップ120と螺合可能に係合するように構成されたネジ山を含むことができる。いくつかの実施形態では、キャップ120は、圧入、スナップ嵌め、又は当業者に知られている他の何らかの係合技術を使用して、本体102のネック部分106と液密係合することができる。一例では、キャップ120は、ネジ蓋式(screw-top)とすることができる。別の例では(図示せず)、キャップ120は引き上げ式(flip-top)とすることができる。キャップ120は、ユーザーがキャップ120を再利用可能ボトル100の本体102に自由に係合又は離脱させるための握り部として機能することができるタブ121をさらに含むことができる。
【0019】
図2を参照すると、本開示の一実施形態による、
図1の線A-Aに沿って切り取った再利用可能ボトル100の断面図が示されている。
図1及び
図2を参照すると、容器部分104は、再利用可能ボトル100の長手方向軸Lに沿って延びる複数のリブ122を含む。複数のリブ122は、容器部分104の円周面124の周りに等間隔で配置される。具体的には、複数のリブ122の各々は、容器部分104の円周面124に沿って、ベース部分114からウエスト部分116を通ってトップ部分112まで延在する。
図2に示すように、複数のリブ122は、谷部及び頂部を有する波形の形態で定めることができる。一実施形態では、容器部分104のトップ部分112及びベース部分114における頂部と谷部との間の直線距離と比較して、ウエスト部分116におけるその間の直線距離は、より長くすることができる。頂部と谷部との間の直線距離は、ウエスト部分116からトップ部分112及びベース部分114に向かって漸減することができる。容器部分104の円周面124上の波形又は波形構造の複数のリブ122は、再利用可能ボトル100が完全に凍結した場合に、ユーザーが再利用可能ボトル100を快適に保持することを助けることができる。具体的には、再利用可能なボトル100のウエスト部分116における複数のリブ122は、ユーザーの皮膚のより大きな表面積が再利用可能なボトル100の冷凍された内容物に接触するのを防止することができ、ユーザーは、より長い期間にわたって快適に再利用可能なボトル100を保持することができる。さらに、複数のリブ122は、このような波形構造を有しないボトルと比較して、再利用可能なボトル100の構造的剛性を増加させ、その結果、冷凍された内容物による再利用可能なボトル100の破損を回避することができる。さらに、複数のリブ122は、冷凍された内容物を有する再利用可能ボトル100が、再利用可能ボトル100の円周面124での水の結露に起因して著しく濡れることになるので、より長い期間にわたってユーザーによる再利用可能ボトル100の保持を強化するための握り部として機能することができる。
【0020】
図1及び
図2を参照すると、再利用可能ボトル100の本体102は、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%の添加剤のポリマー組成物を有する材料で作られている。添加剤を含むポリプロピレン(PP)の組成物により、冷凍温度においても再利用可能ボトル100の柔軟性が向上し、結果的に再利用可能ボトル100の本体102に何らかの割れ又は破損を生じることなく衝撃荷重を受けるだけの柔軟性のあるボトルにすることができる。1つの実施形態では、ポリマー組成物は、85%のポリプロピレン(PP)及び15%の添加剤を含有する。いくつかの実施形態では、ポリマー組成物は、90パーセントのポリプロピレン(PP)及び10パーセントの添加剤を含有する。ポリマー組成物中の添加剤の割合は、限定されるものではないが、再利用可能ボトル100に要求される耐衝撃性、再利用可能ボトル100に保存される液体の種類、及び再利用可能ボトル100の最終用途を含む様々な要因に基づいて規定することができる。さらに、ポリマー組成物中の添加剤は、再利用可能なボトルの本体を透明にすることができる。このように、ポリマー組成物中の添加剤の割合は、再利用可能なボトルにおける透明度の要求に基づいてさらに規定することができる。1つの実施形態では、ポリプロピレンは、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)である。いくつかの実施形態では、ポリプロピレンは、ポリプロピレンブロックコポリマー(PPB)とすることができる。
【0021】
1つの実施形態では、添加剤は、熱可塑性エラストマー(TPE)である。別の実施形態では、添加剤は、スチレン系添加剤である。いくつかの実施形態では、添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である。いくつかの実施形態では、添加剤は、NCTM UltraClearTM MaxImpactTM 10238、NX(登録商標) UltraClearTM、UltraclearTM、DeltaMaxTM i300、DeltaMaxTM a200、DeltaMaxTM m100、又はこれらの組み合わせとして商業的に知られている材料とすることができる。添加剤は、再利用可能なボトル100の耐衝撃性を向上させ、それによって再利用可能なボトル100を耐久性のあるものにするのを助ける。ポリマー組成物中の添加剤により、再利用可能ボトル100は、より低温に繰り返しさらすことができ、依然としてより長い寿命を実現することができる。
【0022】
再利用可能なボトル100のキャップ120は、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%の添加剤のポリマー組成物を有する材料で作られている。1つの実施形態では、ポリマー組成物は、85パーセントのポリプロピレン(PP)及び15パーセントの添加剤を含有する。いくつかの実施形態において、ポリプロピレンは、ポリプロピレンブロックコポリマー(PPB)であり、添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である。
【0023】
図3を参照すると、本開示の一実施形態による、
図1の再利用可能なボトル100を製造する方法200を示す概略断面図が示されている。
図4を参照すると、本開示の実施形態による、再利用可能なボトル100を製造する方法200の概略的なフロー図が示されている。再利用可能なボトル100を製造する方法200は、射出成形プロセス及びブロー成形プロセスの一般的状況で説明することができる。方法200が説明される順序は、限定的に解釈されることを意図しておらず、説明された方法ステップのいくつかを、任意の順序で組み合わせて再利用可能なボトル100を製造することが可能である。加えて、個々のステップは、本開示の範囲から逸脱することなく、方法200から削除することができる。
【0024】
図3及び
図4を参照すると、方法200は、ステップ202において、溶融混合物を準備するステップを含む。溶融混合物は、約85から90%のポリプロピレン(PP)及び約10から15%の添加剤のポリマー組成物である。1つの実施形態では、ポリマー組成物は、85パーセントのポリプロピレン(PP)及び15パーセントの添加剤を含有する。いくつかの実施形態では、ポリプロピレンは、ポリプロピレンランダムコポリマー(PPRC)であり、添加剤は、スチレン-エチレン-ブチレン-スチレン(SEBS)である。一実施形態では、溶融混合物は、添加剤の所望の分散のために、25以上のメルトフローインデックス値に維持することができる。
【0025】
方法200は、ステップ204において、溶融混合物を用いて再利用可能なボトル100のプリフォーム(preform)201を形成するステップを含む。再利用可能なボトル100のプリフォーム201は、射出成形プロセスを用いて製造することができる。射出成形プロセスは、プリフォーム201の形状に対応して定められた内部容積を有する射出成形型を使用することができる。次に、溶融混合物は、所望の形状のプリフォーム201を得るために射出成形金型に注入されて冷却プロセスに供される。プリフォーム201は、ネック部分106と、ネック部分106から延びる管状部分203とを含む。
【0026】
ステップ206において、方法200は、管状部分203をブロー成形して、複数のリブ122を有する容器部分104を形成するステップを含む。射出成形プロセスで得られたプリフォーム201は、本開示の再利用可能なボトル100を得るためにブロー成形プロセスにさらに供される。ブロー成形プロセスは、容器部分104の形状に対応して定められた内部容積を有するブロー金型を用いることができる。次に、プリフォーム201は、本開示の再利用可能なボトル100を得るために、ブロー金型内に配置されて所望の熱量及び空気圧を受ける。一実施形態において、再利用可能なボトル100の容器部分104の壁厚は、約1.0mmから約1.5mmの範囲で実現することができる。容器部分104の複数のリブ122に対応する周囲の波形構造は、容器部分104上に複数のリブ122を形成するために、ブロー金型の内部容積で定めることもできる。いくつかの実施形態では、充填レベルインジケータ118は、ブロー成形プロセス中に容器部分104上にエンボス加工又はデボス加工することができる。いくつかの実施形態では、充填レベルインジケータ118は、ブロー成形プロセスの後に容器部分上に印刷することができる。
【0027】
本開示の態様は、上記の実施形態を参照して具体的に示されかつ説明されているが、当業者であれば、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、開示された方法の修正によって様々な追加の実施形態を考え得ることを理解することができる。そのような実施形態は、特許請求の範囲及びその何らかの均等物に基づいて決定される本開示の範囲に含まれることを理解されたい。
【符号の説明】
【0028】
100 ボトル
102 本体
104 容器部分
106 ネック部分
108 内部容積
112 トップ部分
114 ベース部分
116 ウエスト部分
117 足部
120 キャップ
121 タブ
122 リブ