(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162566
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】超音波プローブ
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A61B8/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067418
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000189486
【氏名又は名称】上田日本無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】芝田 宏靖
(72)【発明者】
【氏名】大塚 幸隆
(72)【発明者】
【氏名】小野沢 真司
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE15
4C601GA18
4C601GA24
4C601GB18
4C601GD04
(57)【要約】
【課題】本発明は、超音波プローブの消費電力を低減することを目的とする。
【解決手段】画像処理プローブ12は、超音波振動子24と、制御部18と、圧力センサ38とを備えている。制御部18は、超音波振動子24に対する送信信号を生成し、超音波振動子で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行する。圧力センサ38は、画像処理プローブ12の送受信面14に加わる圧力を検出する。制御部18は、通常動作モードおよび低消費電力モードのうち、圧力センサ38の圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作する。すなわち、制御部18は、圧力検出値に基づく圧力評価値が所定の閾値以上であるときに通常動作モードで動作し、圧力評価値が所定の閾値未満であるときに低消費電力モードで動作する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブにおいて、
超音波振動子と、
前記超音波振動子に対する送信信号を生成し、前記超音波振動子で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行する制御部と、
前記超音波プローブの送受信面に加わる圧力を検出する圧力センサと、を備え、
前記制御部は、
通常動作モードおよび低消費電力モードのうち、前記圧力センサの圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波プローブにおいて、
前記制御部は、
前記圧力検出値に基づく圧力評価値が所定の閾値以上であるときに前記通常動作モードで動作し、前記圧力評価値が前記閾値未満であるときに前記低消費電力モードで動作することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の超音波プローブにおいて、
前記制御部は、
クロック周波数に従った処理速度でディジタル演算を行うことで、前記送信信号の生成および前記受信信号に対する処理を実行し、
前記低消費電力モードにおける前記クロック周波数は、前記通常動作モードにおける前記クロック周波数よりも低いことを特徴とする超音波プローブ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載の超音波プローブにおいて、
前記低消費電力モードは、
前記制御部に供給される電源電力が抑制される動作モードであることを特徴とする超音波プローブ。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の超音波プローブにおいて、
前記超音波プローブが移動したことを検知する移動検知センサを備え、
前記制御部は、
前記移動検知センサの検知結果に基づいて、前記超音波プローブが移動していないと判定したときに、前記通常動作モードおよび前記低消費電力モードのうち、前記圧力センサの圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作することを特徴とする超音波プローブ。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の超音波プローブにおいて、
画像表示装置との間で無線通信を行う無線部を備え、
前記制御部は、超音波画像データを生成するための画像処理を前記受信信号に対して施し、
前記無線部は、超音波画像を示す情報を前記画像表示装置に送信することを特徴とする超音波プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波プローブに関し、特に、超音波プローブの制御に関する。
【背景技術】
【0002】
超音波診断システムが広く用いられている。超音波診断システムは、一般に超音波プローブと本体装置とを備えている。超音波プローブは、被検体に対し超音波を送信し、被検体で反射した超音波を受信する。本体装置は、超音波プローブから取得した受信信号によって、被検体の超音波画像データを生成し、超音波画像データに基づく画像を表示する。
【0003】
近年では、超音波画像データを生成するための機能を超音波プローブに集約し、超音波プローブとは別に設けられた画像表示装置に超音波画像を表示する超音波診断システムが開発されている。このような超音波画像処理プローブは、受信した超音波に基づき超音波画像データを生成し、画像表示装置に無線送信する。画像表示装置は、受信した超音波画像データに基づく画像を表示する。画像表示装置には、例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータが用いられる。
【0004】
以下の特許文献1には、無線超音波プローブを備えた超音波システムが記載されている。この超音波システムでは、無線超音波プローブが超音波の送受信によって超音波画像走査ラインデータを生成し、プロセッサドングルに無線送信する。プロセッサドングルは、画像ラインデータ信号を受信し、受信された画像ラインデータ信号の画像処理を実行して表示のための超音波画像を発生する。また、特許文献2には、本願発明に関連する技術として、超音波プローブの放射面に加わる圧力に基づく画像データを生成する超音波診断装置が記載されている。また、以下の非特許文献1には、超音波画像データを生成するための機能が集約された超音波画像処理プローブが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-519964号公報
【特許文献2】特開2019-76298号公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】日本経済新聞電子版、「テルモ、ワイヤレスの超音波診断装置 点滴など支援」、2020年12月8日、<URL:https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ079PC0X01C20A2000000/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
超音波画像処理プローブ(以下、画像処理プローブという)にはバッテリが搭載され、画像処理プローブはバッテリが出力する電力によって動作する。従来の画像処理プローブでは消費電力が大きく、一定の診断可能時間を確保するためには容量が大きいバッテリを画像処理プローブに搭載する必要があった。そのため、画像処理プローブが大きくなってしまうことがあった。
【0008】
本発明は、超音波プローブの消費電力を低減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、超音波プローブにおいて、超音波振動子と、前記超音波振動子に対する送信信号を生成し、前記超音波振動子で受信された超音波に基づく受信信号に対する処理を実行する制御部と、前記超音波プローブの送受信面に加わる圧力を検出する圧力センサと、を備え、前記制御部は、通常動作モードおよび低消費電力モードのうち、前記圧力センサの圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作することを特徴とする。
【0010】
望ましくは、前記制御部は、前記圧力検出値に基づく圧力評価値が所定の閾値以上であるときに前記通常動作モードで動作し、前記圧力評価値が前記閾値未満であるときに前記低消費電力モードで動作する。
【0011】
望ましくは、前記制御部は、クロック周波数に従った処理速度でディジタル演算を行うことで、前記送信信号の生成および前記受信信号に対する処理を実行し、前記低消費電力モードにおける前記クロック周波数は、前記通常動作モードにおける前記クロック周波数よりも低い。
【0012】
望ましくは、前記低消費電力モードは、前記制御部に供給される電源電力が抑制または遮断される動作モードである。
【0013】
望ましくは、前記超音波プローブが移動したことを検知する移動検知センサを備え、前記制御部は、前記移動検知センサの検知結果に基づいて、前記超音波プローブが移動していないと判定したときに、前記通常動作モードおよび前記低消費電力モードのうち、前記圧力センサの圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作する。
【0014】
望ましくは、画像表示装置との間で無線通信を行う無線部を備え、前記制御部は、超音波画像データを生成するための画像処理を前記受信信号に対して施し、前記無線部は、超音波画像を示す情報を前記画像表示装置に送信する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、超音波プローブの消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【発明を実施するための形態】
【0017】
各図を参照して本発明の実施形態について説明する。複数の図面に示されている同一の事項については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0018】
図1には、本発明の実施形態に係る超音波診断システム100の構成が示されている。超音波診断システム100は、画像処理プローブ12および画像表示装置16を備えている。画像処理プローブ12は、超音波画像データを生成するための機能を超音波プローブに集約したものである。超音波診断が行われるときは、画像処理プローブ12の送受信面14が被検体に当接するように画像処理プローブ12が支持される。
【0019】
画像処理プローブ12は、被検体に超音波を送信し、被検体で反射した超音波を受信する。画像処理プローブ12は受信した超音波に基づく受信信号を生成し、その受信信号に基づいて超音波画像の情報を含む画像データ信号を生成する。画像処理プローブ12は、さらに、画像データ信号を画像表示装置16に無線送信する。画像表示装置16は、スマートフォン、パーソナルコンピュータ等であってよい。画像表示装置16は、画像処理プローブ12から無線送信された画像データ信号を受信し、画像データ信号に基づいて、ディスプレイに超音波画像を表示する。
【0020】
図2には、画像処理プローブ12の構成が示されている。画像処理プローブ12は、送信部20、振動子アレイ22、受信部26、制御部18、圧力センサ38、無線部36、電源回路40およびバッテリ42を備えている。バッテリ42は使い切りのバッテリであってもよいし、繰り返し充放電が可能なバッテリであってもよい。電源回路40は、バッテリ42から供給される電力を、送信部20、受信部26、制御部18、および無線部36に供給する。圧力センサ38が電源電力を要するものである場合には、電源回路40は圧力センサ38に電力を供給する。電源回路40は、画像処理プローブ12が備えるその他の構成要素のうち、電源電力を要するものがある場合には、その構成要素に電力を供給してもよい。
【0021】
制御部18は、信号処理部30およびクロック生成部32を備えている。制御部18は、プログラムに従う処理を実行するプロセッサを含んでよい。制御部18は、プログラムを自ら記憶し、または外部のメモリからプログラムを読み込み、そのプログラムを実行することで信号処理部30を構成する。
【0022】
振動子アレイ22は、送受信面14に沿って配列された複数の超音波振動子24を備えている。複数の超音波振動子24は、直交する2方向に配列されてよい。信号処理部30は送信信号を生成し、送信部20に出力する。送信部20は、振動子アレイ22が備える各超音波振動子24に、遅延時間を調整した送信信号を出力する。すなわち、送信部20は、各超音波振動子24に出力する送信信号のそれぞれについて遅延時間を調整する。各超音波振動子24は、送信部20から出力された送信信号を超音波に変換し、被検体に向けて送信する。各超音波振動子24に対して送信信号の遅延時間が調整されることで、振動子アレイ22からは被検体内の特定方向に向けて超音波のビームが形成される。また、遅延時間の調整によって、振動子アレイ22から平面波に近似された超音波が送信されてもよい。
【0023】
振動子アレイ22が備える各超音波振動子24は被検体で反射した超音波を受信し、受信した超音波を電気信号に変換して受信部26に出力する。受信部26は、各超音波振動子24から出力された電気信号を整相加算して受信信号を生成する。ここで、整相加算とは、特定の方向から到来する超音波に基づく複数の電気信号が強め合うように、各電気信号の遅延時間を調整して加算合計することをいう。送信する超音波がビームを形成する場合、そのビームの方向から到来する超音波に基づく電気信号が強め合うように、各電気信号の遅延時間が調整されてよい。
【0024】
受信部26は、整相加算によって得られた受信信号を信号処理部30に出力する。信号処理部30は、超音波画像データを生成するための画像処理等を受信信号に対して施し、超音波画像の情報を含む画像データ信号を生成し、画像データ信号を無線部36に出力する。ここで、画像データ信号は、最終的な超音波画像データでなくてもよく、超音波画像を表示するための情報を含む信号であればよい。無線部36は、画像表示装置16(
図1)との間で無線通信を行う。すなわち、無線部36は画像データ信号を無線送信する。画像表示装置16は、無線部36から無線送信された画像データ信号を受信し、その画像データ信号に基づいて被検体内の超音波画像をディスプレイに表示する。
【0025】
なお、無線部36は、画像表示装置16から無線送信された制御信号を受信し、制御部18に出力してもよい。制御部18は、無線部36から出力された制御信号に従う動作を実行してもよい。
【0026】
クロック生成部32は、制御部18がディジタル演算を実行するためのクロック信号を生成する。信号処理部30は、クロック信号に応じた処理速度でディジタル演算を実行する。クロック信号の周波数、すなわちクロック周波数が高い程、信号処理部30は、より高速に動作する。クロック周波数が低い程、制御部18の消費電力はより小さくなる。
【0027】
制御部18は、画像処理プローブ12が被検体に接触する圧力に応じて、通常動作モードおよび低消費電力モードのうちいずれかの動作モードで動作する。通常動作モードは、画像表示装置16に超音波画像を表示する処理に対応する通常周波数のクロック信号によって動作する動作モードである。低消費電力モードは、通常動作モードに比較してクロック周波数が低い動作モードである。
【0028】
制御部18は、通常動作モードで動作するときは、送信部20および受信部26を制御して、送信部20および受信部26を通常動作モードで動作させてもよい。同様に、制御部18は、低消費電力モードで動作するときは、送信部20および受信部26を制御して、送信部20および受信部26を低消費電力モードで動作させてもよい。送信部20および受信部26に含まれるディジタル回路は、低消費電力モードで動作するときは、通常動作モードで動作するときに比べて低いクロック周波数で動作する。クロック周波数が高い程、送信部20および受信部26におけるディジタル回路は、より高速に動作する。クロック周波数が低い程、送信部20および受信部26におけるディジタル回路の消費電力はより小さくなる。
【0029】
圧力センサ38は、振動子アレイ22の傍らに配置され、被検体等の接触対象物から送受信面14が受ける圧力を検出する。圧力センサ38は、送受信面14が接触対象物に接触したときに圧力センサ38もまた接触対象物に接触し、送受信面14が接触対象物から離されたときに圧力センサ38もまた接触対象物から離されるように、画像処理プローブ12の筐体に固定されてよい。圧力センサ38は、接触対象物から受ける圧力に応じた圧力検出値を制御部18に出力する。
【0030】
圧力センサ38は、接触対象物から与えられた圧力に応じた電圧を出力する素子によって構成されてよい。また、圧力センサ38は、接触対象物から与えられた圧力に応じて、静電容量、抵抗値、インダクタンス等の素子定数が変化する素子によって構成されてもよい。
【0031】
制御部18は、圧力検出値に基づいて圧力評価値を求める。圧力評価値は、圧力センサ38が受ける圧力そのものを示す値であってもよいし、圧力センサ38が受ける圧力が大きい程大きい値となる値であってもよい。制御部18は、圧力評価値が所定の圧力閾値以上であるときは通常動作モードで動作する。通常動作モードで動作する制御部18は、クロック生成部32に、通常周波数のクロック信号を生成させる。
【0032】
一方、圧力評価値が所定の圧力閾値未満であるときは、制御部18は、低消費電力モードで動作する。低消費電力モードで動作する制御部18は、クロック生成部32に、低周波数のクロック信号を生成させる。
【0033】
なお、低消費電力モードは、制御部18に供給される電源電力が抑制される動作モードであってよい。すなわち、低消費電力モードは、制御部18の一部に供給される電源電力が遮断される動作モードであってもよい。ここで、制御部18の一部とは、制御部18の構成要素のうち、動作モードを切り替える機能を有する部分を除く全部または一部をいう。 また、送信部20および受信部26の低消費電力モードは、送信部20および受信部26が備える電気回路の一部または全部に供給される電源電力が遮断される動作モードであってもよい。
【0034】
このような構成によれば、ユーザが画像処理プローブ12を被検体に接触させたときは、圧力評価値が圧力閾値以上となり、制御部18は通常動作モードで動作する。そして、ユーザが画像処理プローブ12を被検体から離したときは、圧力評価値が圧力閾値未満となり、制御部18は低消費電力モードで動作する。
【0035】
また、制御部18の動作モードに応じて送信部20および受信部26の動作モードが切り替えられる場合、ユーザが画像処理プローブ12を被検体に接触させたときは、送信部20および受信部26は通常動作モードで動作する。そして、ユーザが画像処理プローブ12を被検体から離したときは、送信部20および受信部26は低消費電力モードで動作する。
【0036】
このような動作によれば、ユーザが超音波画像を観測しないときには、画像処理プローブ12の消費電力が低減される。一方、ユーザが超音波画像を観測するときは、制御部18、送信部20および受信部26は、通常周波数のクロック信号に従って動作する。あるいは制御部18、送信部20および受信部26に対する電源電力の抑制が解除される。したがって、超音波画像の観測時の性能を維持しながら、画像処理プローブ12の消費電力が低減される。これによって、画像処理プローブ12に搭載されるバッテリ42が低容量化され、画像処理プローブ12が小型化される。
【0037】
図3には、応用実施形態に係る画像処理プローブ50が示されている。この画像処理プローブ50は、移動検知センサ44が設けられている点が、
図2の画像処理プローブ12と異なる。移動検知センサ44は、例えば、画像処理プローブ50の所定方向の加速度を検出し、加速度検出値(検知結果)を制御部18に出力する。移動検知センサ44には、加速度センサ、ジャイロセンサ等が用いられてよい。制御部18は、加速度検出値に基づいて加速度評価値を求める。加速度評価値は、画像処理プローブ50の所定方向への加速度そのものを示すものであってもよいし、画像処理プローブ50が所定方向に移動する際の加速度が大きい程大きい値となる値であってもよい。また、移動検知センサ44は、直交する3方向のそれぞれの加速度検出値を制御部18に出力してよい。この場合制御部18は、各方向の検出値の自乗の加算合計値の平方根に基づいて、加速度評価値を求めてもよい。
【0038】
制御部18は、加速度評価値が加速度閾値以上であるときは、圧力検出値が圧力閾値以上であるか否かに関わらず、通常動作モードで動作する。制御部18は、加速度評価値が加速度閾値未満であるときに、圧力評価値が所定の圧力閾値以上であるときは通常動作モードで動作する。一方、加速度評価値が加速度閾値未満であるときに、圧力評価値が圧力閾値未満であるときは、制御部18は低消費電力モードで動作する。
【0039】
このように、加速度評価値が加速度閾値以上であるときは画像処理プローブ50が移動している可能性が高い。制御部18は、加速度評価値が加速度閾値以上であるときは、画像処理プローブ50が移動していると判定し、通常動作モードで動作する。一方、制御部18は、加速度評価値が加速度閾値未満であるときは、画像処理プローブ50が移動していないと判定し、通常動作モードおよび低消費電力モードのうち、圧力センサ38の圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作する。
【0040】
なお、制御部18は、加速度評価値が加速度閾値以上となったときに、加速度評価値が加速度閾値以上となってから所定の時間が経過するまでの時間帯(移動判定時間帯)に、圧力検出値が圧力閾値以上であるか否かに関わらず、通常動作モードで動作してもよい。この場合、制御部18は、移動判定時間帯でない時間帯に圧力評価値が所定の圧力閾値以上であるときは、通常動作モードで動作する。一方、移動判定時間帯でない時間帯に圧力評価値が圧力閾値未満であるときは、制御部18は低消費電力モードで動作する。
【0041】
移動判定時間帯では画像処理プローブ50が移動している可能性が高い。制御部18は、移動判定時間帯では画像処理プローブ50が移動していると判定し、通常動作モードで動作する。一方、制御部18は、移動判定時間帯でない時間帯では、画像処理プローブ50が移動していないと判定し、通常動作モードおよび低消費電力モードのうち、圧力センサ38の圧力検出値に応じて定まる動作モードで動作する。
【0042】
このような構成によれば、ユーザが画像処理プローブ50を被検体に接触させ、一旦、画像処理プローブ50を被検体から離して画像処理プローブ50を移動させ、画像処理プローブ50を再び被検体に接触させるという繰り返し接触操作において、制御部18の動作モードが通常動作モードに維持される。動作モードが切り替わる場合、超音波画像データが連続的に生成されず、適切な超音波画像を表示することが困難となることがある。本実施形態によれば、繰り返し接触操作において動作モードが頻繁に切り替わることが回避され、適切な超音波画像が画像表示装置16に表示される。
【符号の説明】
【0043】
12,50 画像処理プローブ(超音波プローブ)、14 送受信面、16 画像表示装置、18 制御部、20 送信部、22 振動子アレイ、24 超音波振動子、26 受信部、30 信号処理部、32 クロック生成部、36 無線部、38 圧力センサ、40 電源回路、42 バッテリ、44 移動検知センサ。