(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162570
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】ゴム生地用スクレーパ、及びゴム生地の剥ぎ取り方法
(51)【国際特許分類】
B29B 7/64 20060101AFI20221018BHJP
B29B 7/56 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B29B7/64
B29B7/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067430
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000004385
【氏名又は名称】NOK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179970
【弁理士】
【氏名又は名称】桐山 大
(74)【代理人】
【識別番号】100071205
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 陽一
(72)【発明者】
【氏名】大友 政明
【テーマコード(参考)】
4F201
【Fターム(参考)】
4F201AA45
4F201AM32
4F201BA01
4F201BC01
4F201BC02
4F201BC13
4F201BK16
4F201BK26
4F201BK28
4F201BK56
4F201BK58
4F201BK80
(57)【要約】
【課題】ロールから剥ぎ取られたゴム生地が板状のスクレーパに粘着して滞留することを防止する。
【解決手段】オープンロール型の混練機11が備えるロール12a,12bのうち一方のロール12bの表面に板状のスクレーパ131のブレード132を接触させ、回転するロール12bの表面からゴム生地201を剥ぎ取る(剥ぎ取り工程)。ロール12bから剥ぎ取られたゴム生地201の進行経路上に、ロール12bの支軸Aと平行な軸回りに回転するローラ151を配置し、ロール12bから剥ぎ取られたゴム生地201をローラ151で案内し、スクレーパ131の表面からゴム生地201を分離する(分離工程)。ゴム生地201の進行経路中、ローラ151よりも下流側に一又は二以上の第2のローラ171を回転自在に配置し、ゴム生地201の進行経路を所望の方向、例えばコンベア51の方向に定める。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オープンロール型の混練機が備えるロールの表面に接触可能に配置されるブレードを先端に有し、回転する前記ロールの表面に前記ブレードを接触させてゴム生地を剥ぎ取る板状のスクレーパと、
前記ロールから剥ぎ取られたゴム生地の進行経路上に位置する前記スクレーパの部分に配置され、前記ロールの軸と平行な軸回りに回転するローラと、
を備えるゴム生地用スクレーパ。
【請求項2】
前記ローラは、前記ブレードの刃面の位置に配置されている、
請求項1に記載のゴム生地用スクレーパ。
【請求項3】
前記ローラは、前記スクレーパに設けられた窪みに部分的に収納されている、
請求項1又は2に記載のゴム生地用スクレーパ。
【請求項4】
前記ローラは、前記スクレーパに固定されたフレームに回転可能に支持されている、
請求項1に記載のゴム生地用スクレーパ。
【請求項5】
ゴム生地の前記ローラよりも進行方向下流側で前記フレームに回転自在に支持され、ゴム生地の進行経路を定める一又は二以上の第2のローラを備える、
請求項4に記載のゴム生地用スクレーパ。
【請求項6】
オープンロール型の混練機が備えるロールの表面に板状のスクレーパのブレードを接触させ、回転する前記ロールの表面からゴム生地を剥ぎ取る工程と、
前記ロールから剥ぎ取られたゴム生地の進行経路上に配置されて、前記ロールの軸と平行な軸回りに回転するローラによって、前記スクレーパの表面からゴム生地を分離する工程と、
を備えるゴム生地の剥ぎ取り方法。
【請求項7】
前記ローラは、前記ブレードの刃面の位置に配置されている、
請求項6に記載のゴム生地の剥ぎ取り方法。
【請求項8】
前記ローラは、前記スクレーパに設けられた窪みに部分的に収納されている、
請求項6又は7に記載のゴム生地の剥ぎ取り方法。
【請求項9】
ゴム生地の前記ローラよりも進行方向下流側に回転自在に設けられた一又は二以上の第2のローラによって、ゴム生地の進行経路を定める工程を備える、
請求項6に記載のゴム生地の剥ぎ取り方法。
【請求項10】
前記第2のローラによって、前記ロールに隣接配置されたコンベアにゴム生地を案内する、
請求項9に記載のゴム生地の剥ぎ取り方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ゴム生地用スクレーパ、及びゴム生地の剥ぎ取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ゴム製品を生成するためのゴム材料(マスターバッチ、ゴムコンパウンド)を製造するには、原料ゴム(ポリマー)を素練りし、素練りによって分子鎖を切断した原料ゴムに各種の薬品を練り込む混練りが行われる。混練りでは、NBRやEPDM、NRなどの原料ゴムに各種の薬品を配合剤として均一に混合分散する。
【0003】
素練りや混練りを行なう代表的な混練機としては、オープンロール型と密閉型(密閉型ミキサー)とがある。このうちオープンロール型は、隙間を開けて二本のロールを平行に並べた開放系の混練機であり、個々のロールを互いにカウンター方向に回転させて、ロール間のニップに投入したゴム生地を素練り又は混練りする。
【0004】
オープンロール型の混練機を用いる場合、素練り又は混練りしたゴム生地をロールの外周面から切り取る必要がある。ロールの外周面から切り取ったゴム生地は、再び二本のロール間のニップに投入してさらに練り込んだり、あるいは次工程としてコンベア上に搬送したりする。このとき人手に頼らず、自動でゴム生地の切り出しを行なうようにした技術が知られている(特許文献1、2参照)。
【0005】
特許文献1は、ロールの外周面に付着しているゴム生地の周方向にナイフで切れ目を入れ、スクレーパをロールの軸方向に移動させてゴム生地をロールから剥離するようにした自動切出装置を開示している。
【0006】
特許文献2は、ロールに対してスクレーパを垂直に接触させ、ロールの回転とともにその表面からゴム生地を剥離するようにしたゴム材の混練方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実開昭60-12418号公報
【特許文献2】特開昭59-192544号公報
【特許文献3】特開2007-276230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ロールにスクレーパを接触させてゴム生地を剥ぎ取る際、ゴム生地がスクレーパに粘着して滞留することがある。とりわけスクレーパの幅を大きくし、例えばロールからゴム生地を一挙に剥ぎ取り得るほどまでの幅にすると、スクレーパに対するゴム生地の粘着度合いが高まり、滞留現象が発生しやすい。こうしてゴム生地が滞留すると、ロールからのゴム生地の剥ぎ取り動作が阻害されるため、その解決が求められる。
【0009】
この点特許文献3には、回転軸から放射状に剥がし羽根を設けた羽根車状のスクレーパを混練用のロールとほぼ同じ幅で設け、ロールと同じ方向にスクレーパを回転させることでゴム生地を剥ぎ取るようにしたゴム材料の混練方法が紹介されている(特許文献3の段落[0016]参照)。スクレーパはロールとほぼ同じ幅であるため、ゴム生地はロールから一挙に剥ぎ取られるものと推察される。
【0010】
もっとも特許文献3に記載されているスクレーパは、特許文献1、2に記載されている板状のスクレーパとは形状も剥離の原理も異なる。板状のスクレーパに生ずるゴム生地の滞留という問題に対して、解決の糸口を与えるものではない。
【0011】
本開示は、板状のスクレーパに生ずるゴム生地の滞留という現象に対して、その解決策を模索する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
ゴム生地用スクレーパの一態様は、オープンロール型の混練機が備えるロールの表面に接触可能に配置されるブレードを先端に有し、回転する前記ロールの表面に前記ブレードを接触させてゴム生地を剥ぎ取る板状のスクレーパと、前記ロールから剥ぎ取られたゴム生地の進行経路上に位置する前記スクレーパの部分に配置され、前記ロールの軸と平行な軸回りに回転するローラとを備える。
【0013】
ゴム生地の剥ぎ取り方法の一態様は、オープンロール型の混練機が備えるロールの表面に板状のスクレーパのブレードを接触させ、回転する前記ロールの表面からゴム生地を剥ぎ取る工程と、前記ロールから剥ぎ取られたゴム生地の進行経路上に配置されて、前記ロールの軸と平行な軸回りに回転するローラによって、前記スクレーパの表面からゴム生地を分離する工程とを備える。
【発明の効果】
【0014】
スクレーパに粘着することによるゴム生地の滞留を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】オープンロール型の混練機を有する混練装置の概略構成を示す模式図。
【
図3】ゴム生地用スクレーパを拡大して示す側面図。
【
図4】ゴム生地用スクレーパを拡大して示す正面図。
【
図5】ローラが設けられていない場合に生ずる(A)はスクレーパへのゴム生地の粘着現象、(B)はゴム生地の滞留現象をそれぞれ示す混練機の側面図。
【
図6】ローラからゴム生地を剥ぎ取る動作を示す混練機の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
ゴム生地用スクレーパ及びゴム生地の剥ぎ取り方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は、オープンロール型の混練機11を有するゴムの混練装置1の概略構成を示している。混練装置1は、本実施の形態のゴム生地用スクレーパ111を適用したスクレーパ装置101を備えている。
【0018】
混練機11は、二本のロール12a,12bを水平かつ平行に配置しており、動力伝達機構13を介してモータM1の駆動力を個々のロール12a,12bに伝達する。個々のロール12a,12bは、支軸Aを中心に回転自在に支持され、モータM1の駆動力を受けて回転する。動力伝達機構13は、
図1中、左側に位置する一方のロール12aは時計方向、右側に位置するもう一方のロール12bは反時計方向に回転するように、モータM1の駆動力を個々のロール12a,12bの支軸Aに伝達する。
【0019】
混練機11の隣接位置には、コンベア51が設けられている。コンベア51は、混練機11によって混練されたゴム生地201を次工程に搬送するために用いられる。本実施の形態では、二本のロール12a,12bのうちの一方のロール12bに巻き付いたゴム生地201によるバンド202を剥ぎ取るという構造上、コンベア51はロール12bの隣接位置に配置されている。
【0020】
コンベア51は、それぞれ支軸Aを中心に回転する駆動ローラ52と従動ローラ53との間にベルト54を掛け渡した構造のもので、動力伝達機構55を介してモータM2の駆動力を駆動ローラ52の支軸Aに伝達する。動力伝達機構55は、駆動ローラ52が
図1中の時計方向に回転するように、モータM2の駆動力を駆動ローラ52の支軸Aに伝達する。
【0021】
図2に示すように、スクレーパ装置101は、ゴム生地用スクレーパ111を
図1中の垂直方向に移動自在に保持している(
図2中の矢印参照)。ゴム生地用スクレーパ111は、動力伝達機構102を介してソレノイドSから動力を伝達され、
図1-
図6中の垂直方向に移動する。
【0022】
ゴム生地用スクレーパ111は、スクレーパ131とローラ151と第2のローラ171とを備えている。
【0023】
スクレーパ131は、ソレノイドSに駆動されて上下動する板状の部材であり、先端にブレード132を有している。ブレード132は、スクレーパ131の上下動に応じて、一方のロール12bの表面に接触可能に配置されている。接触位置は、
図1中、コンベア51に対面するロール12bの右側部分であって、ロール12bの支軸Aよりも高い位置である。
【0024】
図2、
図6に示すように、ローラ151は、スクレーパ131によってロール12bから剥ぎ取られたゴム生地201の進行経路上に配置されている。ゴム生地201の進行経路は、スクレーパ131のブレード132が有する刃面133の位置になる。ローラ151は、ブレード132の刃面133の位置に配置されている。
【0025】
図3、
図4に示すように、ローラ151は、ロール12a,12bの支軸Aと平行に配置された支軸A1を中心に回転自在である。
【0026】
このようなローラ151は、ブレード132の刃面133に設けられた窪み134に部分的に収納されている。窪み134は水平に、つまりロール12a,12bの支軸Aと平行に形成されている。窪み134に対するローラ151の収納深さは、支軸A1の中心を通る回転中心RA(
図3参照)がブレード132の刃面133上に位置する深さである。これによってローラ151の回転中心RAは、スクレーパ131の表面(ブレード132の刃面133)から外部側に飛び出ない位置に位置づけられる。
【0027】
第2のローラ171は複数個、例えば4個設けられている。第2のローラ171の配置位置は、ゴム生地201の進行経路中、ローラ151よりも進行方向下流側である。
【0028】
図3、
図4に示すように、第2のローラ171も、ローラ151と同様に、ロール12a,12bの支軸Aと平行に配置された支軸A2-A5を中心に回転自在である。A2はローラ151に最も近い位置に配置された第2のローラ171の支軸、A3はその隣接位置の第2のローラ171の支軸、A4はその隣接位置の第2のローラ171の支軸、そしてA5はローラ151から最も離れた位置に配置された第2のローラ171の支軸である。
【0029】
このような第2のローラ171は、ローラ151によってスクレーパ131から分離されたゴム生地201の進行経路をコンベア51の方向に定め得る位置に配列されている。
【0030】
図3、
図4に示すように、ローラ151及び第2のローラ171は、ローラフレーム191(フレーム)に回転自在に取り付けられている。ローラフレーム191は、直角に屈曲させた両端に互いに対面する支持片192を有し、これらの支持片192にローラ151の支軸A1と第2のローラ171の支軸A2-A5とを回転自在に取り付けている。
【0031】
ゴム生地用スクレーパ111は、スクレーパ131を固定しているフレーム112を備え、フレーム112にローラフレーム191を固定している。これによってローラ151及び第2のローラ171は、スクレーパ131とともに、フレーム112に保持されている。
【0032】
このような構成において、ゴム製品を生成するためのゴム材料(マスターバッチ、ゴムコンパウンド)を製造するには、NBRやEPDM、NRなどの原料ゴム(ポリマー)を素練りし、素練りによって分子鎖を切断した原料ゴムに各種の薬品を配合剤として練り込んでゴム材料とする。原料ゴムに各種の薬品を練り込む作業がいわゆる混練りである。
【0033】
本実施の形態の混練装置1は、原料ゴムの素練りにも、原料ゴムに各種の薬品を練り込む混練りにも使用することができる。
【0034】
素練り作業をするには、混練機11が備える二本のロール12a,12bのニップ上に原料ゴムとなるゴム生地201を投入し、モータM1の駆動力によって二本のロール12a,12bを回転させる。ゴム生地201はニップを通って一方のロール12bに巻き付き、帯状のバンド202を形成する。このままロール12a,12bを回転し続けると、ゴム生地201の分子鎖が切断され、混練が可能な原料ゴムが生成される。
【0035】
混練り作業をするには、混練機11が備える二本のロール12a,12bのニップ上に素練り後のゴム生地201と各種の薬品からなる配合剤とを投入し、モータM1の駆動力によって二本のロール12a,12bを回転させる。ゴム生地201は薬品とともにニップを通って一方のロール12bに巻き付き、帯状のバンド202を形成する。このままロール12a,12bを回転し続けると、原料ゴムであるゴム生地201に配合剤が均一に混合分散し、ゴム材料(マスターバッチ、ゴムコンパウンド)になる。
【0036】
スクレーパ装置101は、ゴム生地201の素練り又は混練り作業後、一方のロール12bの外周面に巻き付いたバンド202を切断し、ロール12bからゴム生地201を分離してコンベア51に送り出す。このようなスクレーパ装置101の作用効果をつぎに説明する。
【0037】
ソレノイドSによってゴム生地用スクレーパ111を駆動すると、フレーム112とともにスクレーパ131が下降し、ロール12bの外周面に巻き付いたバンド202にブレード132を食い込ませ、バンド202を切断する。このときロール12bは回転し続けているため、切断されたバンド202であるゴム生地201は、ブレード132の刃面133に乗り上げてロール12bから分離される。
【0038】
本実施の形態のゴム生地用スクレーパ111は、ローラ151を備えている。ローラ151の作用効果を説明するために、もしもローラ151が設けられていないと仮定したときの動作を
図5(A)(B)に示す。
【0039】
図5(A)に示すように、スクレーパ131が下降し、ロール12bの外周面に巻き付いたバンド202をブレード132が切断すると、ロール12bの回転によって送り出されたゴム生地201は、その粘着力によってブレード132の刃面133に粘着する。
【0040】
図5(B)に示すように、その後もロール12bが回転し続けると、ブレード132の刃面133に粘着したゴム生地201は行き場を失い、その場に滞留する。その結果ロール12bからのゴム生地201の剥ぎ取り動作が阻害される。
【0041】
本実施の形態のゴム生地用スクレーパ111は、ローラ151を設けることによって、上記不都合の発生を防止する。ローラ151によるゴム生地201の滞留防止メカニズムは、つぎの通りである。
【0042】
図6に示すように、本実施の形態のゴム生地の剥ぎ取り方法は、ロール12bの表面にスクレーパ131のブレード132を接触させ、回転するロール12bの表面からゴム生地201を剥ぎ取る(剥ぎ取り工程)。その後ロール12bの支軸Aと平行な軸回りに回転するローラ151により、スクレーパ131の表面からゴム生地201を分離する(分離工程)。
【0043】
分離工程において、バンド202の切断によってブレード132の刃面133に乗り上げたゴム生地201は、刃面133中に配置されたローラ151に先端を突き当てる。するとローラ151は、ゴム生地201に押されて支軸A1を中心に回転する。このときローラ151は、刃面133に設けられた窪み134に部分的に収納されており、しかも回転中心RAが刃面133の表面から外部側に出ない位置に配置されている。このような配置条件によって、ローラ151は、刃面133から露出する部分がゴム生地201の進行方向に沿った方向に繰り出されるように回転する。その結果ゴム生地201は、スクレーパ131に粘着して滞留することなく、ローラ151に送り出される。
【0044】
説明を補足する。
【0045】
ブレード132の刃面133に乗り上げたゴム生地201は、ローラ151に先端を突き当てる前、刃面133に接触する。このときゴム生地201は、ローラ151に達する前の僅かな区間だけ刃面133に接するにすぎず、刃面133に粘着して滞留することはない。
【0046】
またゴム生地201はローラ151にも接触するわけであるが、ロール12bの回転に伴うゴム生地201の送り出しによって、ローラ151との接触位置は時々刻々と変化していく。このためゴム生地201は、ローラ151に粘着して滞留することはない。
【0047】
したがって本実施の形態によれば、スクレーパ131への粘着によるゴム生地201の滞留を防止することができる。
【0048】
図6に示すように、ローラ151によって送り出されたゴム生地201は、第2のローラ171に案内され、その進行経路が定められる。このときゴム生地201は、支軸A2-A5よりも下方の位置で第2のローラ171に接触するので、第2のローラ171はゴム生地201の送り出し方向に回転し、ゴム生地201を粘着させることなく送り出す。これによってゴム生地201はコンベア51に案内され、次工程に備えられる。
【0049】
実施に際しては、各種の変形や変更が可能である。
【0050】
例えばローラ151の配置位置は、ブレード132の刃面133の位置に限らず、スクレーパ131に対するゴム生地201の粘着による滞留を防止し得る位置であれば、いかなる位置であってもよい。
【0051】
スクレーパ131に対するゴム生地201の粘着による滞留を防止し得る限り、ローラ151は、窪み134に部分的に配置されていなくてもよく、またローラ151の回転中心RAは、刃面133(スクレーパ131)の表面から外部側に出ない位置に配置されていなくてもよい。
【0052】
上記実施の形態では第2のローラ171を設けたが、実施に際しては、第2のローラ171を省略するようにしてもよいし、第2のローラ171によるゴム生地201の案内先は、必ずしもコンベア51でなくてもよい。
【0053】
その他あらゆる変形や変更が許容される。
【符号の説明】
【0054】
1 混練装置
11 混練機
12a ロール
12b ロール
13 動力伝達機構
51 コンベア
52 駆動ローラ
53 従動ローラ
54 ベルト
55 動力伝達機構
101 スクレーパ装置
102 動力伝達機構
111 ゴム生地用スクレーパ
112 フレーム
131 スクレーパ
132 ブレード
133 刃面
134 窪み
151 ローラ
171 第2のローラ
191 ローラフレーム(フレーム)
192 支持片
201 ゴム生地
202 バンド
A 支軸
A1 支軸(ローラ)
A2-A5 支軸(第2のローラ)
M1 モータ(ロール)
M2 モータ(コンベア)
RA 回転中心
S ソレノイド