IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社シグマクシスの特許一覧

特開2022-16258感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法
<>
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図1
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図2
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図3
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図4
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図5
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図6
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図7
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図8
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図9
  • 特開-感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016258
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/80 20180101AFI20220114BHJP
【FI】
G16H50/80
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020216051
(22)【出願日】2020-12-25
(62)【分割の表示】P 2020118217の分割
【原出願日】2020-07-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-05-26
(71)【出願人】
【識別番号】509297093
【氏名又は名称】株式会社シグマクシス・ホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】溝畑 彰洋
(72)【発明者】
【氏名】安田 純子
(72)【発明者】
【氏名】木村 迅
(72)【発明者】
【氏名】生島 尚
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA04
(57)【要約】
【課題】感染症の拡大を抑制することが可能な技術を提供する。
【解決手段】管理サーバ20の通信部230は、他人との接触状況をあらわす接触データ、ユーザの行動履歴をあらわす行動データ、ユーザの健康状態をあらわすヘルスケアデータを受信する。記憶部210は、感染症のリスクレベルを判定するための基準テーブルを記憶する。判定部240は、接触データと、行動データと、ヘルスケアデータと、基準テーブルとに基づき、ユーザの感染症のリスクレベルを判定する。出力部250は、判定部240による判定結果を適宜加工し、各ユーザが所属する企業などのコンピュータや各ユーザの携帯端末に出力する。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
他人との接触状況をあらわす接触データを受信する第1受信部と、
ユーザの行動履歴をあらわす行動データを受信する第2受信部と、
前記ユーザの健康状態をあらわすヘルスケアデータを受信する第3受信部と、
感染症のリスクレベルを判定するための基準情報を記憶する記憶部と、
前記接触データと、前記行動データと、前記ヘルスケアデータと、前記基準情報とに基づき、前記ユーザの前記感染症のリスクレベルを判定する判定部と、
前記判定の結果を出力する出力部と
を具備する感染症対策システム。
【請求項2】
前記出力部は、前記ユーザの携帯端末に、当該ユーザのリスクレベルを色分けして表示する、請求項1に記載の感染症対策システム。
【請求項3】
前記出力部は、さらに、前記ユーザの携帯端末に、当該ユーザのリスクレベルに応じた行動指針をあらわす指針情報を表示する、請求項2に記載の感染症対策システム。
【請求項4】
制御部、記憶部を備えた携帯端末に、接触トレース方法を実行させるためのプログラムであって、前記接触トレース方法は、
前記制御部が、近距離無線通信を利用して、当該携帯端末を利用するユーザが接触した接触ユーザの携帯端末との間でカプセル情報を交換する交換ステップと、
前記制御部が、交換したカプセル情報を前記記憶部に格納する格納ステップと、を含み、
交換される前記カプセル情報は、自端末を利用する前記ユーザを識別する自カプセル情報とともに、当該ユーザが過去に接触した他のユーザを識別するための履歴カプセル情報を含む、接触トレースプログラム。
【請求項5】
前記接触トレース方法は、さらに、
前記制御部が、感染したユーザを識別する感染カプセル情報を外部から受信する受信ステップと、
前記制御部が、前記感染カプセル情報と、前記自端末に格納されている前記自カプセル情報及び前記履歴カプセル情報とを比較することで、当該携帯端末を利用するユーザの接触状況を判定する判定ステップとを含む、請求項4に記載の接触トレースプログラム。
【請求項6】
前記接触トレース方法は、さらに、
前記制御部が、前記判定の結果を管理サーバに送信する送信ステップを含む、請求項5に記載の接触トレースプログラム。
【請求項7】
前記接触トレース方法は、さらに、
前記制御部が、前記判定の結果を当該携帯端末の表示装置に表示する表示ステップを含む、請求項5または6に記載の接触トレースプログラム。
【請求項8】
前記制御部は、前記接触状況について、当該携帯端末を利用するユーザが、前記感染したユーザの直接接触者であるか、間接接触者であるか、非接触者であるかを判別する、請求項5から7のいずれか一項に記載の接触トレースプログラム。
【請求項9】
前記交換した前記カプセル情報には、交換した日時を特定するための日時情報が含まれる、請求項4から8のいずれか一項に記載の接触トレースプログラム。
【請求項10】
制御部、記憶部を備えた携帯端末が実行する接触トレース方法であって、
前記制御部が、近距離無線通信を利用して、当該携帯端末を利用するユーザが接触した接触ユーザの携帯端末との間でカプセル情報を交換する交換ステップと、
前記制御部が、交換したカプセル情報を前記記憶部に格納する格納ステップと、を含み、
交換される前記カプセル情報は、自端末を利用する前記ユーザを識別する自カプセル情報とともに、当該ユーザが過去に接触した他のユーザを識別するための履歴カプセル情報を含む、接触トレース方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染症対策システム、接触トレースプログラム、及び接触トレース方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インフルエンザウイルスやコロナウイルスなどをはじめとする様々な感染症の拡大阻止を図るために予防策が種々検討されている。感染拡大を阻止するためには、感染者を早期に発見することはもちろん、感染者と接触した接触者を早期に発見し、感染のおそれがあることをいち早く知らせることが重要になる。
例えば、下記特許文献1には、感染者と接触した接触者に対し、警告メールを送信することで感染のおそれがあることを知らせる感染症予防システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-217649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、サーバ側で管理する接触者の情報(例えば、携帯電話機の電話番号、接触日時やメールアドレスなど)は、感染者の自己申告に委ねられている。このため、感染者と接触したにもかかわらず、申告漏れがあった接触者には、警告メールが通知されることはない。この結果、接触者への感染だけでなく、接触者による第三者への感染を招くおそれがある、という問題があった。
【0005】
本発明は、以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、感染症の拡大を抑制することが可能な技術を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る感染症対策システムは、他人との接触状況をあらわす接触データを受信する第1受信部と、ユーザの行動履歴をあらわす行動データを受信する第2受信部と、ユーザの健康状態をあらわすヘルスケアデータを受信する第3受信部と、感染症のリスクレベルを判定するための判定基準を記憶する記憶部と、接触データと、行動データと、ヘルスケアデータと、判定基準とに基づき、ユーザの感染症のリスクレベルを判定する判定部と、判定結果を出力する出力部とを具備することを要旨とする。
【0007】
本開示の別の態様に係る接触トレースプログラムは、制御部、記憶部を備えた携帯端末に、接触トレース方法を実行させるためのプログラムであって、接触トレース方法は、制御部が、近距離無線通信を利用して、携帯端末を利用するユーザが接触した接触ユーザの携帯端末との間でカプセル情報を交換する交換ステップと、制御部が、交換したカプセル情報を記憶部に格納する格納ステップと、を含み、交換されるカプセル情報は、自端末を利用する前記ユーザを識別する自カプセル情報とともに、ユーザが過去に接触した他ユーザを識別するための履歴カプセル情報を含むことを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の所定の態様によれば、感染症の拡大を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る感染症対策システムの構成の一例を示す図である。
図2】携帯端末、管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
図4】ヘルスケアデータの入力画面を例示した図である。
図5】管理サーバの機能構成を示すブロック図である。
図6】基準テーブルの登録内容を例示した図である。
図7】企業のコンピュータに表示される判定結果の表示画面を例示した図である。
図8】各携帯端末に表示される判定結果の表示画面を例示した図である。
図9】接触トレース方法の第1態様を示す説明図である。
図10】接触トレース方法の第2態様を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0011】
A.本実施形態
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る感染症対策システム100の構成の一例を示す図である。
感染症対策システム100は、各ユーザが利用する携帯端末10と、各ユーザを管理する管理サーバ20とを含んで構成される。各携帯端末10と管理サーバ20とは、ネットワークNを介して相互通信可能となっている。
【0012】
ネットワークNのうちの1つまたは複数の部分は、有線ネットワークや無線ネットワークであってもよい。ネットワークNは、限定でなく例として、アドホック・ネットワーク(Ad Hoc Network)、イントラネット、エクストラネット、仮想プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network:VPN)、ローカル・エリア・ネットワーク(Local Area Network:LAN)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、大都市圏ネットワーク(Metropolitan Area Network:MAN)、インターネットの一部、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Network:PSTN)の一部、携帯電話網、ISDNs(Integrated Service Digital Networks)、無線LANs、LTE(Long Term Evolution)、CDMA(Code Division Multiple Access)、ブルートゥース(Bluetooth(登録商標))、IrDA(登録商標)、衛星通信など、または、これらの2つ以上の組合せを含むことができる。
【0013】
<感染症対策システム100の概要>
本実施形態に係る感染症対策システム100は、ユーザの行動や、他人との接触状況、ユーザの健康状態をもとに感染症のリスクレベルを判定し、ユーザ本人や本人が所属する企業などに、リスクレベルの判定結果を速やかに通知することで感染症の拡大を抑制することを可能とする(詳細は後述)。
【0014】
携帯端末10は、各ユーザが所持する端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータデバイス、ウェアラブル端末などによって構成されている。携帯端末10には、自端末を所持するユーザが過去に接触した人をトレース(追跡、確認)するためのアプリケーション(以下、「接触トレースアプリ」ともいう。)が格納されている。携帯端末10は、接触トレースアプリを起動することで、後述する接触トレース方法を実現する。
【0015】
管理サーバ20は、例えばサーバコンピュータにより実現され、各ユーザの携帯端末10から取得される様々な情報に基づき感染症のリスクレベルを判定し、判定結果を出力する。各ユーザの携帯端末10から取得される情報として、他人との接触状況をあらわす接触データや、ユーザの行動履歴をあらわす行動データ、ユーザの健康状態をあらわすヘルスケアデータなどがある(詳細は後述)。
【0016】
<ハードウェア構成>
図2は、携帯端末10、管理サーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末10及び管理サーバ20は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)1、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶装置2、有線通信や無線通信などを行う通信IF(Interface)3、入力操作を受け付ける入力デバイス4、及び情報の出力を行う出力デバイス5を有する。入力デバイス4は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイク等である。出力デバイス5は、例えば、ディスプレイ(画面)及び/又はスピーカ等である。
【0017】
以下、図3を参照しながら、携帯端末10の機能構成について説明する。
【0018】
<携帯端末10の機能ブロック構成>
携帯端末10は、記憶部110と、制御部120と、操作部130と、表示部140と、近距離無線通信部150と、接触データ取得部160と、行動データ取得部170と、ヘルスケアデータ取得部180と、通信部190とを含む。
【0019】
制御部120と、操作部130と、表示部140と、近距離無線通信部150と、接触データ取得部160と、行動データ取得部170と、ヘルスケアデータ取得部180と、通信部190は、携帯端末10のCPU1が記憶装置2に記憶された各種プログラムを実行することによって実現される。なお、プログラムは、USBメモリやCD-ROM等の記憶媒体に格納することができる。
【0020】
記憶部110は、記憶装置2によって実現され、上述した接触トレースアプリAP1のほか、様々なアプリケーションや各種データを記憶する。
【0021】
制御部120は、携帯端末10を中枢的に制御する。操作部130は、操作内容に応じた各種コマンドを入力し、表示部140は、ディスプレイに各種情報を表示する。近距離無線通信部150は、例えばブルートゥース規格に準拠した近距離無線通信機能を利用して、近接した他の携帯端末10との間で近距離無線通信を行う。本実施形態では、ユーザが他のユーザ(以下、「接触ユーザ」ともいう。)に接触した場合に、当該ユーザの携帯端末10と接触ユーザの携帯端末10との間で近距離無線通信を行い、カプセル情報の交換を行う。「カプセル情報」とは、各ユーザに割り当てられるユニークな識別情報(トークン)である。カプセル情報は、記憶部110に格納される。詳細は後述するが、交換されるカプセル情報には、そのユーザ自身のカプセル情報だけでなく、そのユーザが過去に接触して得た他のユーザのカプセル情報も含まれる。なお、以下では説明の便宜上、そのユーザ自身のカプセル情報を「自カプセル情報」と呼び、そのユーザが過去に接触して得た他のユーザのカプセル情報を「履歴カプセル情報」と呼ぶ。
【0022】
接触データ取得部160は、記憶部110に格納されているカプセル情報を接触データとして取得する。
行動データ取得部170は、携帯端末10に搭載されているGPS(Global Positioning System)機能や加速度センサ、画像センサ(いずれも図示略)などを利用して、当該携帯端末10を利用するユーザの位置や行動内容などを含む行動履歴をあらわす行動データを取得する。
ヘルスケアデータ取得部180は、ユーザによって入力される体温データ、問診データといった健康状態をあらわす情報を、ヘルスケアデータとして取得する。
【0023】
図4は、ディスプレイに表示されるヘルスケアデータの入力画面G1を例示した図である。
ユーザは、入力画面G1に従って、自身の体温データ(例えば、36.5℃など)D1を入力するとともに、自身の体調をあらわす問診データ(例えば、体がだるいか、息切れがあるか、咳がでるかなど)D2をタップ入力する。なお、携帯端末10に検温機能が搭載されている場合には、検温機能を使って自動で体温を測定し入力してもよい。
【0024】
通信部190は、ネットワークNを介して管理サーバ20を含む外部機器と様々なデータを授受する。一例として、通信部190は、接触データや行動データ、ヘルスケアデータを管理サーバ20に送信する。これらすべてのデータは、ユーザの許諾が得られることを前提に管理サーバ20へ送信される。もっとも、全てのデータが、ユーザの許諾なく管理サーバ20へ送信される構成であってもよく、また、一部のデータ(例えば、接触データ)についてのみユーザの許諾を必要とし、他のデータについてはユーザの許諾を必要としない構成であってもよい。
【0025】
次に、図5を参照しながら、管理サーバ20の機能構成について説明する。
【0026】
<管理サーバ20の機能ブロック構成>
管理サーバ20は、記憶部210と、制御部220と、通信部230と、判定部240と、出力部250とを含む。
【0027】
制御部220と、通信部230と、判定部240と、出力部250は、管理サーバ20のCPU1が記憶装置2に記憶された各種プログラムを実行することによって実現される。なお、プログラムは、USBメモリやCD-ROM等の記憶媒体に格納することができる。
【0028】
記憶部210は、記憶装置2によって実現され、様々なアプリケーションや各種データを記憶する。記憶部210には、個別データベースDB1が格納されている。個別データベースDB1には、ユーザごとに、当該ユーザを識別するカプセル情報と、当該ユーザの携帯端末10から受信した接触データ、行動データ、ヘルスケアデータなどが対応づけて登録されている。また、記憶部210には、感染症のリスクレベルを判定するための基準テーブルTA1(基準情報)が記憶されている。
【0029】
制御部220は、管理サーバ20を中枢的に制御する。通信部(第1~第3受信部)230は、ネットワークNを介して携帯端末10を含む外部機器と様々なデータを授受する。一例として、通信部230は、各携帯端末10から接触データや行動データ、ヘルスケアデータを受信する。
【0030】
判定部240は、通信部によって受信された接触データや行動データ、ヘルスケアデータとともに、記憶部210に格納されている基準テーブルTA1を利用して各ユーザの感染症のリスクレベルを判定する。
【0031】
図6は、基準テーブルTA1の登録内容を例示した図である。
図6に示すように、基準テーブルTA1には、判定基準と、4段階の感染症のリスクレベルとが対応づけて登録されている。図6を例に説明すると、判定部240は、「発熱がなく、体調に異常が認められない場合」には、最もリスクレベルが低い「リスクレベル0(健常者)」と判定する。一方、判定部240は、「発熱があるものの、体調の異常は軽度であり、かつ、過去〇×日の間に感染者集団(クラスター)が発生した場所にいなかった場合」には、「リスクレベル1(リスク・ロー・ユーザ)」と判定する。また、判定部240は、「37.5℃以上の発熱が継続するとともに、体調に重度の異常が認められ、かつ、過去×〇日の間に感染者と接触している場合」には、「リスクレベル2(リスク・ハイ・ユーザ)」と判定する。さらに、判定部240は、「PCR検査によって陽性が認められた場合」には、最もリスクレベルが高い「リスクレベル3(感染者)」と判定する。
【0032】
ここで、発熱の有無や体調の異常の有無などは、例えばヘルスケアデータに基づいて判断する。また、ユーザがクラスターの発生場所にいたか否かなどは、例えばクラスター・マップ(図示略)や行動データに基づいて判断する。また、感染者との接触の有無などは、例えば接触データに基づいて判断する。なお、管理サーバ20は、外部サーバに定期的(または不定期)にアクセスすることで、最新のクラスター・マップを取得することができる。
【0033】
出力部250は、判定部240による判定結果を適宜加工し、各ユーザが所属する企業などのコンピュータや各ユーザの携帯端末10に出力する。
【0034】
図7は、企業のコンピュータに表示される判定結果の表示画面G2を例示した図であり、図8は、各ユーザの携帯端末10に表示される判定結果の表示画面G3を例示した図である。
【0035】
図7に示すように、企業のコンピュータの表示画面G2には、どのリスクレベルにどれくらいの人数のユーザがいるか(すなわち、リスクレベルごとのユーザの割合)をあらわすグラフgf1や、所定期間中のアラートの発生数をあらわすグラフgf2などが表示される。
【0036】
出力部250は、企業の管理者が視認しやすいように、リスクレベルごとに色分けしてグラフgf1を表示する。一例として、出力部250は、「リスクレベル0(健常者)」を緑色、「リスクレベル1(リスク・ロー・ユーザ)」を黄色、「リスクレベル2(リスク・ハイ・ユーザ)」を橙色、「リスクレベル3(感染者)」を赤色で表示する。
【0037】
なお、グラフgf2に示すアラートの通知条件は、管理サーバ20が任意に設定するこができる。例えば体温が37.5℃以上、または体調に重度の異常が認められたユーザの携帯端末10に対し、アラートを通知することができる。
【0038】
出力部250は、図7に示す表示画面G2に示す各グラフgf1、gf2のほか、各リスクレベルの変動履歴に基づいてリスクレベルの変動を予想し、予想した結果をあらわすグラフなどを企業のコンピュータに表示する。
【0039】
一方、図8に示すように、各ユーザの携帯端末10の表示画面G3には、当該ユーザのリスクレベルに応じた行動指針をあらわす指針情報Im1が表示される。例えば、「リスクレベル0(健常者)」のユーザであれば、「出勤OKです」といったメッセージが表示される。また、「リスクレベル1(リスク・ロー・ユーザ)」であれば、「リモートワークOKです」といったメッセージ、「リスクレベル2(リスク・ハイ・ユーザ)」であれば、「指定の医療機関で受診してください。」といったメッセージ、「リスクレベル3(感染者)」であれば、「治療を継続してください。」といったメッセージなどが表示される。
【0040】
各ユーザは、携帯端末10に表示される指針情報Im1を確認することで、自身が出勤してもよいか、またはリモートワークすべきか等を速やかに把握することができる。その他にも、各ユーザは、携帯端末10を適宜操作することで、所定期間単位(例えば週、月、単位など)での自身の体温の変化を確認したり、所定期間単位(例えば、週、月、単位など)で自身が何人と接触していたのか等を確認したりすることができる。なお、出力部250は、ユーザが自身のリスクレベルを速やかに把握できるように、企業のコンピュータへの表示と同様、リスクレベルを色分けして表示してもよい。
【0041】
つぎに、本実施形態に係る接触トレースアプリAP1を利用した接触トレース方法について詳細に説明する。
【0042】
<接触トレース方法の説明>
(1)第1態様
図9は、各携帯端末10の制御部120が接触トレースアプリAP1を起動することで実行される接触トレース方法の第1態様を示す説明図である。
以下の説明では、4人のユーザA~Dの間で接触が行われ、最終的にユーザAが感染症に感染したことが判明した場合を想定する。また、ユーザA~Dのそれぞれの携帯端末10において、自カプセル情報1~4が生成・格納されているものとする。
【0043】
本実施形態に係る接触トレース方法は、直接接触のみならず、間接接触や非接触の判定などもサポートすることが可能となっている。
【0044】
ユーザAとユーザBが接触(近接)すると、ユーザA及びユーザBの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(A1参照)。カプセル情報を交換する際、各携帯端末10は、近距離無線通信機能を利用する。カプセル情報の交換によって得た他ユーザのカプセル情報は、それぞれ履歴カプセル情報として記憶部110に格納される。ユーザAとユーザBのカプセル情報の交換によって、ユーザAの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報1に加えて履歴カプセル情報2が格納され、ユーザBの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報2に加えて履歴カプセル情報1が格納される。
【0045】
ユーザCとユーザDが接触した場合も同様、ユーザC及びユーザDの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(A2参照)。ユーザCとユーザDのカプセル情報の交換により、ユーザCの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報3に加えて履歴カプセル情報4が格納され、ユーザDの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報4に加えて履歴カプセル情報3が格納される。
【0046】
その後、ユーザBとユーザCが接触すると、ユーザB及びユーザCの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(A3参照)。ユーザBとユーザCが接触した時点において、ユーザB及びユーザCは、自カプセル情報だけでなく履歴カプセル情報も保有している。よって、ユーザBとユーザCが接触した場合には、自カプセル情報とともに履歴カプセル情報の交換が行われることになる。この結果、ユーザBの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報2及び履歴カプセル情報1に加え、ユーザCの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報3及び4が格納される。一方、ユーザCの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報3及び履歴カプセル情報4に加え、ユーザBの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報2及び1が格納される。このように、本実施形態では、直接接触したユーザ(すなわち、直接接触者)のカプセル情報だけを交換するのではなく、そのユーザが過去に接触して得た他のユーザ(すなわち、間接接触者)のカプセル情報も交換する。なお、自カプセル情報と履歴カプセル情報を判別できるように、カプセル情報の種別をあらわすフラグを付加するようにしてもよい。
【0047】
その後、例えばPCR検査などを受けることにより、ユーザAが感染症に感染したことが判明すると、ユーザAは、自身の携帯端末10を操作して感染症の感染を管理サーバ20に報告(以下、「感染報告」ともいう。)する。感染報告には、ユーザAを特定するカプセル情報が含まれる。本実施形態では、感染した本人の許諾が得られた場合に感染報告を行う場合を想定するが、本人の許諾なしに感染報告を行ってもよい。
【0048】
管理サーバ20は、携帯端末10から感染報告を受け取ると、感染報告に含まれるカプセル情報(以下、「感染カプセル情報」ともいう。)と、個別データベースDB1に登録されている各ユーザのカプセル情報を比較することで、感染したユーザを特定する。ここでは、感染報告に含まれる感染カプセル情報が、ユーザAのカプセル情報であることから、管理サーバ20は、ユーザAが感染したユーザであると判断する。
【0049】
管理サーバ20は、他のユーザの携帯端末10に対し、ユーザAの感染カプセル情報を含めてユーザAとの接触判定を指示する。
他のユーザの携帯端末10は、管理サーバ20からユーザAの感染カプセル情報を受け取ると、受け取った感染カプセル情報と、記憶部110に格納されているカプセル情報とを比較することで、他のユーザの接触状況を判定する。
【0050】
(ユーザBの場合)
ユーザBの携帯端末10には、ユーザAを特定する履歴カプセル情報1が格納されている。ここで、ユーザAは、ユーザBが直接カプセル情報を交換したユーザであることから、ユーザBの携帯端末10は、ユーザBは直接接触者であると判断し、判断結果をディスプレイ(表示装置)に出力する。一例として、ユーザBは「直接接触者」である旨のメッセージとともに、「出社停止」を促すメッセージをディスプレイに表示する(A4参照)。
【0051】
(ユーザCの場合)
ユーザCの携帯端末10にも、ユーザAを特定する履歴カプセル情報1が格納されている。しかしながら、ユーザAは、ユーザCが直接カプセル情報を交換したユーザではなく、ユーザBとのカプセル情報の交換を介して、間接的に接触してカプセル情報を得たユーザである。よって、ユーザCの携帯端末10は、ユーザCは間接接触者であると判断し、判断結果をディスプレイに出力する。一例として、ユーザCは「間接接触者」である旨のメッセージとともに、「経過観察」を促すメッセージをディスプレイに表示する(A5参照)。
【0052】
(ユーザDの場合)
ユーザDの携帯端末10には、ユーザAを特定する履歴カプセル情報1は格納されていない。よって、ユーザDの携帯端末10は、ユーザDは非接触者であると判断し、判断結果をディスプレイに表示する。一例として、ユーザDは「非接触者」である旨のメッセージとともに、「通常勤務」を促すメッセージをディスプレイに表示する(A6参照)。
【0053】
かかる第1態様によれば、直接接触したユーザのカプセル情報だけを交換するのではなく、そのユーザが過去に接触して得た他のユーザのカプセル情報も交換する。これにより、いずれかのユーザに感染が認められた場合に、直接接触者だけでなく、間接接触者や非接触者を判断することができる。
【0054】
(1)第2態様
図10は、各携帯端末10の制御部120が接触トレースアプリAP1を起動することで実行される接触トレース方法の第2態様を示す説明図である。
なお、図10では、5人のユーザA~Eの間で接触が行われ、最終的にユーザA及びユーザEが感染症に感染したことが判明した場合を想定する。また、ユーザA~Eのそれぞれの携帯端末10において、自カプセル情報1~5が生成・格納されているものとする。
【0055】
ユーザAとユーザBが接触すると、ユーザA及びユーザBの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(B1参照)。カプセル情報の交換によって得た他ユーザのカプセル情報は、それぞれ履歴カプセル情報として記憶部110に格納される。ユーザAとユーザBのカプセル情報の交換によって、ユーザAの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報1に加えて履歴カプセル情報2が格納され、ユーザBの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報2に加えて履歴カプセル情報1が格納される。
【0056】
その後、ユーザBとユーザCが接触すると、ユーザB及びユーザCの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(B2参照)。ユーザBとユーザCが接触した時点において、ユーザBは、自カプセル情報だけでなく履歴カプセル情報も保有している。一方、ユーザCは、自カプセル情報のみを保有している。よって、ユーザBとユーザCが接触した場合には、ユーザBの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報2及び履歴カプセル情報1に加え、ユーザCの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報3が格納される。一方、ユーザCの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報3に加え、ユーザBの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報2及び1が格納される。
【0057】
その後、ユーザAとユーザDが接触すると、ユーザA及びユーザDの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(B3参照)。ユーザAとユーザDが接触した時点において、ユーザAは、自カプセル情報だけでなく履歴カプセル情報も保有している。一方、ユーザDは、自カプセル情報のみを保有している。よって、ユーザAとユーザDが接触した場合には、ユーザAの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報1及び履歴カプセル情報2に加え、ユーザDの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報4が格納される。一方、ユーザDの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報4に加え、ユーザAの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報1及び2が格納される。
【0058】
その後、ユーザDとユーザEが接触すると、ユーザD及びユーザEの携帯端末10は、カプセル情報の交換を行う(B4参照)。ユーザDとユーザEが接触した時点において、ユーザDは、自カプセル情報だけでなく履歴カプセル情報も保有している。一方、ユーザEは、自カプセル情報のみを保有している。よって、ユーザDとユーザEが接触した場合には、ユーザDの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報4及び履歴カプセル情報1及び2に加え、ユーザEの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報5が格納される。一方、ユーザEの携帯端末10の記憶部110には、自カプセル情報5に加え、ユーザDの携帯端末10から受け取った履歴カプセル情報4、1及び2が格納される。
【0059】
その後、例えばPCR検査などを受けることにより、ユーザAおよびユーザEが感染症に感染したことが判明すると、ユーザA及びユーザEは、それぞれ自身の携帯端末10を操作して管理サーバ20に感染報告する。ユーザAからの感染報告には、ユーザAを特定するカプセル情報が含まれる一方、ユーザEからの感染報告には、ユーザEを特定するカプセル情報が含まれる。
【0060】
管理サーバ20は、携帯端末10から感染報告を受け取ると、感染報告に含まれる感染カプセル情報と、個別データベースDB1に登録されている各ユーザのカプセル情報を比較することで、感染したユーザを特定する。ここでは、感染報告に含まれる感染カプセル情報が、ユーザAのカプセル情報及びユーザEのカプセル情報であることから、管理サーバ20は、ユーザA及びユーザEが感染したユーザであると判断する。
【0061】
管理サーバ20は、他のユーザの携帯端末10に対し、ユーザA及びユーザEの感染カプセル情報を含めてユーザA及びユーザEとの接触判定を指示する。
他のユーザの携帯端末10は、管理サーバ20からユーザA及びユーザEの感染カプセル情報を受け取ると、受け取った感染カプセル情報と、記憶部110に格納されているカプセル情報とを比較することで、他のユーザの接触状況を判定する。
【0062】
(ユーザBの場合)
ユーザBの携帯端末10には、ユーザAを特定する履歴カプセル情報1が格納されている。ここで、ユーザAは、ユーザBが直接カプセル情報を交換したユーザであることから、ユーザBの携帯端末10は、ユーザBは直接接触者であると判断し、判断結果をディスプレイに出力する。
【0063】
(ユーザCの場合)
ユーザCの携帯端末10にも、ユーザAを特定する履歴カプセル情報1が格納されている。しかしながら、ユーザAは、ユーザCが直接カプセル情報を交換したユーザではなく、ユーザBとのカプセル情報の交換を介して、間接的に接触してカプセル情報を得たユーザである。よって、ユーザCの携帯端末10は、ユーザCは間接接触者であると判断し、判断結果をディスプレイに出力する。
【0064】
(ユーザDの場合)
ユーザDの携帯端末10には、ユーザAを特定する履歴カプセル情報1とともに、ユーザEを特定する履歴カプセル情報5が格納されている。そして、ユーザA及びユーザEは、いずれもユーザDが直接カプセル情報を交換したユーザであることから、ユーザDの携帯端末10は、ユーザDは複数の感染者と接触したクラスター接触者(複数回、感染者との接触が確認された接触者)であると判断し、判断結果をディスプレイに出力する。
【0065】
かかる第2態様によれば、直接接触者だけでなく、間接接触者やクラスター接触者を判断することができる。なお、各携帯端末10は、接触状況の判定結果を管理サーバ20に送信してもよい。管理サーバ20は、各携帯端末10から送信される各ユーザの接触状況の判定結果を統合・分析することで、前掲図7に示すリスクレベルごとのユーザの割合をあらわすグラフgf1などを生成・出力することが可能となる。
【0066】
B.その他
上記実施形態では、特に言及しなかったが、交換日時(年月日や時刻など)を特定するための日時情報を、交換対象となるカプセル情報に含めるようにしてもよい。カプセル情報に含まれる日時情報を利用することで、例えば、いつ感染者に接触したのか等を正確に把握することができる。また、どの範囲の接触者までカプセル情報の交換対象とするかは任意に設定・変更可能である。例えば、二次接触者(間接接触者)までのカプセル情報を交換対象としてもよい。また、二次接触者が多数いる場合には、直近N人(N≧1)までの二次接触者をカプセル情報の交換対象としてもよい。また、交換したカプセル情報は、例えば14日間など、所定期間だけ記憶部110に格納し、その後に消去するようにしてもよい。
【0067】
また、上記実施形態では、感染報告を行う際、自端末10を特定するカプセル情報のみを管理サーバ20に送信したが、これに限る趣旨ではない。例えば、自端末10の記憶部110に格納されている全てのカプセル情報を管理サーバ20に送信してもよい。かかる構成によれば、感染者だけでなく直接接触者なども、管理サーバ20において判断することが可能となる。
また、カプセル情報を管理サーバ20に送信するタイミングは、感染報告を行う場合に限る趣旨ではない。感染報告とは異なるタイミング、例えばユーザ自身の体調が悪くなった場合やユーザが希望する場合など、ユーザが任意のタイミングでカプセル情報を管理サーバ20に送信してもよい。
【0068】
なお、管理サーバ20において管理される各ユーザのカプセル情報は、固定的なものであってもよいが、定期的(例えば1ヶ月ごと)に更新してもよい。
【0069】
また、各企業において確認された感染者のカプセル情報を企業間で共有することで、感染症の汎発流行(パンデミック)を抑制するようにしてもよい。なお、本実施形態では、ユーザの一例として企業に所属する従業員を例に説明したが、様々な団体に所属する構成員を含め、あらゆる人に本システムを適用可能である。
【0070】
また、上記各実施形態及び変形例において、「部」とは、単に物理的手段を意味するものではなく、その「部」が有する機能をソフトウェアによって実現する場合も含む。また、1つの「部」や装置が有する機能が2つ以上の物理的手段や装置により実現されても、2つ以上の「部」や装置の機能が1つの物理的手段や装置により実現されても良い。
【符号の説明】
【0071】
100…感染症対策システム、10…携帯端末、20…管理サーバ、110…記憶部、120…制御部、130…操作部、140…表示部、150…近距離無線通信部、160…接触データ取得部、170…行動データ取得部、180…ヘルスケアデータ取得部、190…通信部、210…記憶部、220…制御部、230…通信部、240…判定部、250…出力部、AP1…接触トレースアプリ、DB1…個別データベース、TA1…基準テーブル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2020-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部、記憶部を備えた携帯端末に、接触トレース方法を実行させるためのプログラムであって、前記接触トレース方法は、
前記制御部が、近距離無線通信を利用して、当該携帯端末を利用するユーザが接触した接触ユーザの携帯端末との間でカプセル情報を交換する交換ステップと、
前記制御部が、交換したカプセル情報を前記記憶部に格納する格納ステップと、を含み、
交換される前記カプセル情報は、自端末を利用する前記ユーザを識別する自カプセル情報とともに、当該ユーザが過去に接触した他のユーザを識別するための履歴カプセル情報を含む、接触トレースプログラム。
【請求項2】
前記接触トレース方法は、さらに、
前記制御部が、感染したユーザを識別する感染カプセル情報を外部から受信する受信ステップと、
前記制御部が、前記感染カプセル情報と、前記自端末に格納されている前記自カプセル情報及び前記履歴カプセル情報とを比較することで、当該携帯端末を利用するユーザの接触状況を判定する判定ステップとを含む、請求項に記載の接触トレースプログラム。
【請求項3】
前記接触トレース方法は、さらに、
前記制御部が、前記判定の結果を管理サーバに送信する送信ステップを含む、請求項に記載の接触トレースプログラム。
【請求項4】
前記接触トレース方法は、さらに、
前記制御部が、前記判定の結果を当該携帯端末の表示装置に表示する表示ステップを含む、請求項またはに記載の接触トレースプログラム。
【請求項5】
前記制御部は、前記接触状況について、当該携帯端末を利用するユーザが、前記感染したユーザの直接接触者であるか、間接接触者であるか、非接触者であるかを判別する、請求項からのいずれか一項に記載の接触トレースプログラム。
【請求項6】
前記交換した前記カプセル情報には、交換した日時を特定するための日時情報が含まれる、請求項からのいずれか一項に記載の接触トレースプログラム。
【請求項7】
制御部、記憶部を備えた携帯端末が実行する接触トレース方法であって、
前記制御部が、近距離無線通信を利用して、当該携帯端末を利用するユーザが接触した接触ユーザの携帯端末との間でカプセル情報を交換する交換ステップと、
前記制御部が、交換したカプセル情報を前記記憶部に格納する格納ステップと、を含み、
交換される前記カプセル情報は、自端末を利用する前記ユーザを識別する自カプセル情報とともに、当該ユーザが過去に接触した他のユーザを識別するための履歴カプセル情報を含む、接触トレース方法。