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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162584
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】扉開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 65/10 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
E05B65/10 K
E05B65/10 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067458
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000138613
【氏名又は名称】株式会社ユニオン
(74)【代理人】
【識別番号】100119725
【弁理士】
【氏名又は名称】辻本 希世士
(74)【代理人】
【識別番号】100168790
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英之
(72)【発明者】
【氏名】田河 寿一
(72)【発明者】
【氏名】丸市 耕平
(57)【要約】
【課題】扉の両側に設置される2つのドアハンドルの両方において開扉操作をし易くできる扉開閉装置を提供する。
【解決手段】扉開閉装置は、係止機構10と、第1ハンドル20と、第2ハンドル30と、伝達機構40とを具備する。係止機構10は、扉1を閉状態に係止する。第1ハンドル20は、第1操作を受付け、第2ハンドル30は、第2操作を受付ける。第1操作、第2操作は、係止機構10による扉1の係止を解除する操作である。伝達機構40は、第2操作を第2ハンドル30から係止機構10に伝達する機構であり、連動部材41を含む。連動部材41は、扉1に対し直交する方向に沿って延びており、第1ハンドル20と重ならない上下方向の位置に配設され、第2ハンドル30と連動する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉(1)を閉状態に係止する係止機構(10)と、
前記扉(1)の一方側に設置され、前記係止機構(10)による前記扉(1)の係止を解除する第1操作を受付ける第1ハンドル(20)と、
前記第1ハンドル(20)と重なる上下方向の位置において前記扉(1)の他方側に、前記扉(1)との間に手を入れる空隙を置いて設置され、前記係止機構(10)による前記扉(1)の係止を解除する第2操作を受付ける第2ハンドル(30)と、
前記第2操作を前記第2ハンドル(30)から前記係止機構(10)に伝達する伝達機構(40)であって、前記扉(1)に対し直交する方向に沿って延びており、前記第1ハンドル(20)と重ならない上下方向の位置に配設され、前記第2ハンドル(30)と連動する連動部材(41、41A)を含む伝達機構(40)
とを具備する扉開閉装置。
【請求項2】
前記第2操作に対し前記係止機構(10)をロックするロック機構(50、50A)を更に具備する請求項1に記載の扉開閉装置。
【請求項3】
前記ロック機構(50、50A)は、
前記連動部材(41、41A)が前記第2ハンドル(30)と連動する動きを止めるストッパ部材(51、51A)と、
前記連動部材(41、41A)の動きを止めるストップ位置に、前記ストッパ部材(51、51A)を移動するリンク機構(52、52A)と、
前記リンク機構(52、52A)を介し前記ストッパ部材(51、51A)と連結されるシリンダ錠(53、53A)
とを含む請求項2に記載の扉開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉開閉装置、特に、非常用扉の室内側に、いわゆるパニックハンドルが設置される場合に、室外側に、機能的、構造的、デザイン的に優れたハンドルを設置できるようにするための扉開閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
非常用扉の開閉装置として、特許文献1には、横長のパニックハンドルが室内側に設置され、レバーハンドルが室外側に設置される扉開閉装置が記載されている。特許文献1に記載の扉開閉装置において、扉は、上下のロッドに取付けられた係合部材が扉枠と係合し、閉状態に係止される。室内側からの開扉操作においては、パニックハンドルを押すことによって係合部材の係合が解除され、扉の係止状態が解除され、更にパニックハンドルを押すことによって扉が開かれる。また、室外側からの開扉操作においては、レバーハンドルを回転することによって係合部材の係合が解除され、扉の係止状態が解除され、更にレバーハンドルを引くことによって扉が開かれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-2618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の扉開閉装置においては、室外側に、比較的に小さなレバーハンドルが設置される。非常用扉は、重量が大きいものが多く、小さなレバーハンドルでは、扉を開ける際に力が掛けにくく、力のある人でないと扉を開けにくかったり、小さなハンドルに大きな力が加わることによって、ハンドルが故障したりすることも多い。
【0005】
また、特許文献1に記載の扉開閉装置においては、扉の係止機構と、係止機構に開扉操作を伝達する伝達機構とが扉本体に内蔵される。従って、室外側のレバーハンドルは、パニックハンドルの伝達機構との重なりを避ける必要もあって、パニックハンドルと同じ上下方向の位置に設置されず、パニックハンドルより下に設置される。パニックハンドルは、多くの人が力を掛け易い最適な上下方向の位置に設置されることが多く、室外側のレバーハンドルをパニックハンドルと異なる上下方向の位置に設置すると、レバーハンドルは、多くの人が力を掛け易い最適な位置から外れた位置に設置されることとなり、更に扉は開けにくくなる。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、扉の両側に設置される2つのドアハンドルの両方において開扉操作をし易くできる扉開閉装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に開示する扉開閉装置は、係止機構(10)と、第1ハンドル(20)と、第2ハンドル(30)と、伝達機構(40)とを具備する。前記係止機構(10)は、扉(1)を閉状態に係止する。前記第1ハンドル(20)は、前記扉(1)の一方側に設置され、第1操作を受付ける。前記第1操作は、前記係止機構(10)による前記扉(1)の係止を解除する操作である。前記第2ハンドル(30)は、前記第1ハンドル(20)と重なる上下方向の位置において前記扉(1)の他方側に、前記扉(1)との間に手を入れる空隙を置いて設置され、第2操作を受付ける。前記第2操作は、前記係止機構(10)による前記扉(1)の係止を解除する操作である。前記伝達機構(40)は、前記第2操作を前記第2ハンドル(30)から前記係止機構(10)に伝達する機構であり、連動部材(41)を含む。前記連動部材(41)は、前記扉(1)に対し直交する方向に沿って延びており、前記第1ハンドル(20)と重ならない上下方向の位置に配設され、前記第2ハンドル(30)と連動する。
【0008】
本願に開示する扉開閉装置は、ロック機構(50)を更に具備する。前記ロック機構(50)は、前記第2操作に対し前記係止機構(10)をロックする。
【0009】
本願に開示する扉開閉装置において、前記ロック機構(50)は、ストッパ部材(51)と、リンク機構(52)と、シリンダ錠(53)とを含む。前記ストッパ部材(51)は、前記連動部材(41)が前記第2ハンドル(30)と連動する動きを止める。前記リンク機構(52)は、前記連動部材(41)の動きを止めるストップ位置に、前記ストッパ部材(51)を移動する。前記シリンダ錠(53)は、前記リンク機構(52)を介し前記ストッパ部材(51)と連結される。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る扉開閉装置によれば、扉の両側に配置される2つのドアハンドルの両方において開扉操作をし易くできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示す正面図である。
図2】本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示す背面図である。
図3】本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示す上面図である。
図4】(a)第1ハンドル及び第2ハンドルが開扉操作されていない初期状態の図1の扉開閉装置を示す側面図である。(b)第1ハンドル及び第2ハンドルが開扉操作されている被操作状態の図1の扉開閉装置を示す側面図である。
図5】第2操作に対しロックされていない係止機構を示す正面図である。
図6】第2操作に対しロックされている係止機構を示す正面図である。
図7】第2操作に対しロックされていない、他の実施形態の係止機構を示す正面図である。
図8】第2操作に対しロックされている、他の実施形態の係止機構を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態に係る扉開閉装置を図面に基づいて詳しく説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明を実施するのに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨が明記されていない限り、この実施形態に限定されるものではない。
【0013】
〈実施形態〉
以下に、図1図6を参照して、本発明の実施形態に係る扉開閉装置を説明する。図1は、本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示す正面図である。図2は、本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示す背面図である。図3は、本発明の実施形態に係る扉開閉装置を示す上面図である。図4(a)は、第1ハンドル及び第2ハンドルが開扉操作されていない初期状態の図1の扉開閉装置を示す側面図である。図4(b)は、第1ハンドル及び第2ハンドルが開扉操作されている被操作状態の図1の扉開閉装置を示す側面図である。図5は、第2操作に対しロックされていない係止機構を示す正面図である。図6は、第2操作に対しロックされている係止機構を示す正面図である。
【0014】
図1図2に示すように、実施形態に係る扉開閉装置は、両開き式の非常用扉である扉1を開閉する装置であり、係止機構10と、第1ハンドル20と、第2ハンドル30と、伝達機構40と、ロック機構50とを具備する。扉1は、建物に設置される扉枠2に回動可能に支持される。
【0015】
係止機構10は、扉1に内蔵されるものであり、図1図3に示すように、扉1を閉状態に係止する。実施形態においては、係止機構10は、上下方向に配設される、2本の上側ロッド11及び2本の下側ロッド12と、ロッド11、12を所定範囲で上下に移動する移動機構13と、2本の上側ロッド11と各々連結されるトリガ装置14とを含む。
【0016】
2本の上側ロッド11が上限位置に移動し、2本の下側ロッド12が下限位置に移動したとき、係止機構10は、扉1を閉状態に係止する係止状態となる。また、2本の上側ロッド11が下限位置に移動し、2本の下側ロッド12が上限位置に移動したとき、係止機構10は、係止状態が解除されている解除状態となる。係止機構10の移動機構13については、図5図6を参照して、後で詳しく説明するが、移動機構13は、基本的には、上側ロッド11と下側ロッド12が、連動し、上下方向において反対方向に移動するように動作する。
【0017】
トリガ装置14は、公知のものであり、詳細説明は省略するが、上側ロッド11が上限位置に移動したとき、トリガ装置14は、トリガ装置14の上面から係合突起14aが突出されるように動作する。また、上側ロッド11が下限位置に移動したとき、トリガ装置14は、トリガ装置14の内部に係合突起14aが退避されるように動作する。
【0018】
また、扉1が開かれているとき、トリガ装置14は、上側ロッド11を下限位置に保持するように動作する。上側ロッド11が下限位置に保持されると、下側ロッド12は上限位置に保持される。また、扉1が閉じられると、トリガ装置14は、上側ロッド11の下限位置における保持を解除する。上側ロッド11の下限位置における保持が解除されることによって、上側ロッド11は、上限位置への移動が可能となり、下側ロッド12は、下限位置への移動が可能となる。
【0019】
また、係止機構10は、トリガ装置14の係合突起14aと、扉枠2の上部2aに設けられた受部2bとの係合によって、扉1を閉状態に係止する。更に、係止機構10は、2本の下側ロッド12の下端に各々取付けられるキャップ部材12aと、扉枠2の下部2cに設けられた受部2dとの係合によって、扉1を閉状態に係止する。
【0020】
図2図3に示すように、第1ハンドル20は、扉1の一方側に設置され、第1操作を受付ける。第1操作は、係止機構10による扉1の係止を解除する操作である。実施形態においては、第1ハンドル20は、扉1の左右方向に長い、いわゆるパニックハンドルであり、扉1の室内側に設置される。また、第1操作は、実施形態においては、第1ハンドル20を扉1の方向に押す押し操作である。
【0021】
具体的には、図4に示すように、ハンドル台21が扉1に固定され、第1ハンドル20は、扉1に対し進退可能にハンドル台21に取付けられ、細長い突片状の伝達部材22と連結される。伝達部材22は、第1ハンドル20と連動し、第1ハンドル20から係止機構10の移動機構13に第1操作を伝達する。
【0022】
伝達部材22は、実施形態においては、回動基端においてハンドル台21に軸支され、第1ハンドル20が押し操作されると、回動先端が上に移動するように回動し、図4(a)に示す初期状態から図4(b)に示す被操作状態に状態が変化する。
【0023】
第2ハンドル30は、図1図3に示すように、第1ハンドル20と重なる上下方向の位置において扉1の他方側に、扉1との間に手を入れる空隙を置いて設置され、第2操作を受付ける。第2操作は、係止機構10による扉1の係止を解除する操作である。実施形態においては、第2ハンドル30は、上下に長い棒状のロングハンドルであり、扉1の室外側に設置される。第2操作は、実施形態においては、扉1から離れる方向に第2ハンドル30を引く引き操作である。
【0024】
より具体的には、図4に示すように、第2ハンドル30は、扉1の上端から下端に至るまで延びており、下端において支軸I1によって扉1に軸支される。第2ハンドル30が引き操作されると、第2ハンドル30は、上端が扉1から離れる方向に回動する。第2ハンドル30の回動範囲は、制限機構31によって、一定角度に制限される。なお、制限機構31の詳細説明は省略する。
【0025】
伝達機構40は、図4に示すように、第2ハンドル30から係止機構10に第2操作を伝達する機構であり、連動部材41を含む。連動部材41は、扉1に対し直交する方向に沿って延びており、第1ハンドル20と重ならない上下方向の位置、本実施形態では、第1ハンドル20より下に配設され、第2ハンドル30と連動する。なお、実施形態においては、伝達機構40は、係止機構10の移動機構13に、第2ハンドル30から第2操作を伝達する。
【0026】
連動部材41は、実施形態においては、支軸I2によって扉1に軸支されており、第2ハンドル30が引き操作されると、回動先端が上に移動するように回動し、図4(a)に示す初期状態から、図4(b)に示す被操作状態に状態が変化する。
【0027】
なお、図4(b)においては、連動部材41と伝達部材22の両方が被操作状態となっている。しかしながら、第1ハンドル20と第2ハンドル30とは、連動せず、独立に操作されるものであり、実際には、連動部材41と伝達部材22のうち、操作された方のハンドルに対応する部材だけが、被操作状態となる。
【0028】
図5図6に示すように、ロック機構50は、第2操作に対し係止機構10をロックする。以下、ロック機構50を詳しく説明する前に、図5図6を参照して、係止機構10の移動機構13を説明する。
【0029】
移動機構13は、実施形態においては、第1移動部材60と、第2移動部材70と、連結部材80と、スプリング90とを含む。
【0030】
第1移動部材60は、上下に長い板状であり、扉1を閉状態に係止する係止位置と、係止が解除される解除位置との間で上下に移動可能に、扉1に支持される。第1移動部材60は、2つのガイド孔60aと、下側ロッド12の取付部61と、連動部材41と当接する第1当接部材62と、伝達部材22と当接する当接孔部63とを有している。
【0031】
2つのガイド孔60aは、上下に長い長孔であり、扉1に対し固定されるガイドピン60bと各々係合し、第1移動部材60の移動を案内するとともに、第1移動部材60の上下の移動範囲を規定する。
【0032】
第1当接部材62は、第1移動部材60とは別体の板片状であり、連動部材41と対応する位置において、上下に移動可能に設けられており、下面62aにおいて連動部材41と当接し、下面62aの反対面である上面において第1移動部材60と当接する。連動部材41が第1当接部材62の下面62aと当接することによって、連動部材41の回動先端が上に移動すると、第1当接部材62は上に押圧される。第1当接部材62が上に押圧されると、第1移動部材60は、第1当接部材62によって上に押圧され、第1当接部材62とともに上に移動する。
【0033】
当接孔部63は、伝達部材22と対応する位置において第1移動部材60に設けられており、上端縁部63aにおいて伝達部材22と当接する。伝達部材22が当接孔部63の上端縁部63aと当接することによって、伝達部材22の回動先端が上に移動すると、第1移動部材60は、伝達部材22によって上に押圧され、上に移動する。
【0034】
なお、第1移動部材60が、伝達部材22によって上に押圧され、上に移動しても、第2ハンドル30が引き操作されない限り、第1移動部材60とは別体の第1当接部材62は、上に移動することなく、図5に示す初期位置に留まる。
【0035】
図5図6に示すように、第2移動部材70は、上下に長い板状であり、扉1を閉状態に係止する係止位置と、係止が解除される解除位置との間で上下に移動可能に、扉1に支持される。第2移動部材70は、実施形態においては、第1移動部材60と略平行な垂直部分と横方向に延びる水平部分とを有する。
【0036】
また、第2移動部材70は、2つのガイド孔70aと、上側ロッド11の取付部71とを有している。2つのガイド孔70aは、上下に長い長孔であり、扉1に対し固定されるガイドピン70bと各々係合し、第2移動部材70の移動を案内するとともに、第2移動部材70の上下の移動範囲を規定する。
【0037】
図5図6に示すように、連結部材80は、短冊板状であり、中央において支軸I3によって扉1に軸支され、第1移動部材60と第2移動部材70とが連動し、上下の反対方向に移動するように、第1移動部材60と第2移動部材70とを連結する。
【0038】
実施形態においては、連結部材80は、両端に、横長の連結孔80aを有する。両端の連結孔80aの一方には、第1移動部材60に固定された連結軸60cが遊嵌され、他方には、第2移動部材70に固定された連結軸70cが遊嵌される。第1移動部材60が上に移動すると、連結部材80が支軸I3を中心として回動し、第2移動部材70は下に移動する。第1移動部材60が下に移動すると、連結部材80が支軸I3を中心として回動し、第2移動部材70は上に移動する。また、第2移動部材70が上に移動すると、連結部材80が支軸I3を中心として回動し、第1移動部材60は下に移動する。第2移動部材70が下に移動すると、連結部材80が支軸I3を中心として回動し、第1移動部材60は上に移動する。
【0039】
図5図6に示すように、スプリング90は、第1移動部材60と第2移動部材70とを係止位置に向かって付勢する。実施形態においては、スプリング90は、第2移動部材70を上向きに付勢する。スプリング90が第2移動部材70を上向きに付勢することによって、上側ロッド11が上向きに付勢され、連結部材80を介し、第1移動部材60が下向きに付勢され、下側ロッド12が下向きに付勢される。
【0040】
以下、図5図6を参照して、実施形態における移動機構13の動作を概説する。第1ハンドル20と第2ハンドル30とが操作されていない初期状態においては、第1移動部材60と第2移動部材70とは、スプリング90によって係止位置に向かって付勢され、係止位置に位置しており、係止機構10は、係止状態となっている。
【0041】
第1ハンドル20が第1操作を受付けると、伝達部材22の回動先端が上に移動し、第1移動部材60が、係止位置から解除位置まで上に移動し、連結部材80が回動し、第2移動部材70が、係止位置から解除位置まで下に移動し、係止機構10は、解除状態となる。
【0042】
第2ハンドル30が第2操作を受付けると、連動部材41の回動先端が上に動し、第1移動部材60が、係止位置から解除位置まで上に移動し、連結部材80が回動し、第2移動部材70が、係止位置から解除位置まで下に移動し、係止機構10は、解除状態となる。
【0043】
次に、図5図6を参照して、ロック機構50を説明する。実施形態のロック機構50は、第2操作に対し係止機構10をロックし、第1操作に対しては係止機構10をロックしないものであり、ストッパ部材51と、リンク機構52と、シリンダ錠53と、第1当接部材62に取付けられる当接ロッド54とを含む。第2操作は、実施形態においては、上述したとおり、ロングハンドルである第2ハンドル30の引き操作である。
【0044】
ストッパ部材51は、連動部材41が第2ハンドル30と連動する動きを止める部材である。また、ストッパ部材51は、連動部材41の動きを止めるストップ位置と、連動部材41の動きに干渉しない非干渉位置との間で移動可能に、扉1に支持される。図5において、ストッパ部材51は、非干渉位置に位置する。図6において、ストッパ部材51は、ストップ位置に位置する。
【0045】
実施形態においては、ストッパ部材51は、板状部材であり、2つのガイド孔51aを有する。2つのガイド孔51aは、扉1の左右方向に長い長孔であり、扉1に対し固定されるガイドピン51bと各々係合し、扉1の左右方向におけるストッパ部材51の移動を案内するとともに、扉1の左右方向におけるストッパ部材51の移動範囲を規定する。
【0046】
図6に示すように、ストッパ部材51がストップ位置に位置するとき、当接ロッド54が、突っ張り棒のようにストッパ部材51と当接し、第1当接部材62が上に移動できなくなり、連動部材41の動きが止められる。連動部材41の動きが止められると、第2ハンドル30を引き操作しようとしても引き操作できず、係止状態を解除できなくなり、第2操作に対し係止機構10がロックされる。
【0047】
一方、第1ハンドル20が第1操作を受付け、伝達部材22によって第1移動部材60が上に移動されるとき、第1移動部材60とは別体の第1当接部材62は、上に移動せず、図5に示す初期位置に留まる。従って、図6に示すように、ストッパ部材51がストップ位置に位置していても、当接ロッド54が突っ張り棒のようにストッパ部材51と当接することはなく、第1移動部材60は自由に上に移動でき、係止機構10の係止状態は解除可能である。以上のとおり、係止機構10は、第1操作に対しては、ロック機構50によってロックされることなく、係止機構10の係止状態は第1操作によって常に解除可能である。
【0048】
リンク機構52は、ストッパ部材51をストップ位置と非干渉位置とに移動する。実施形態においては、リンク機構52は、回動片52aと、スプリングロッド52bと、スプリングストッパ52cとを含む。
【0049】
回動片52aは、シリンダ錠53のシリンダと連結され、シリンダの回転に連動して所定範囲で回動する。回動片52aの回動先端は、ストッパ部材51の係合孔部51cと係合されており、回動片52aの回動先端が扉1の左右方向に移動することによって、ストッパ部材51は、扉1の左右方向に移動する。
【0050】
スプリングロッド52bは、一端が、回動片52aの回動先端に回動可能に連結され、他端が、スプリングストッパ52cに設けられた挿通孔に進退自在に遊挿される。スプリングロッド52bには、スプリングが圧縮状態で装着されており、回動片52aが中立位置を超えるまで回動されると、スプリングの弾性力によって回動片52aが回動され、ストッパ部材51がストップ位置又は非干渉位置まで確実に移動される。
【0051】
シリンダ錠53は、リンク機構52を介しストッパ部材51と連結される。実施形態においては、シリンダ錠53は、室外側からは、例えば鍵によって操作され、鍵を回転することによって、回動片52aが回動し、ストッパ部材51は、ストップ位置又は非干渉位置に移動する。また、シリンダ錠53は、室内側からは、例えばサムターンによって操作され、サムターンを回転することによって、回動片52aが回動し、ストッパ部材51は、ストップ位置又は非干渉位置に移動する。
【0052】
以上、図1図6を参照して説明したように、本実施形態の扉開閉装置によれば、横長のパニックハンドルである第1ハンドル20が扉1の一方側である例えば室内側に設置され、上下に長いロングハンドルである第2ハンドル30が、第1ハンドル20と重なる上下方向の位置において扉1の他方側である例えば室外側に、図4に示すように、扉1との間に手を入れる空隙Pを置いて設置される。そして、第2ハンドル30から係止機構10に第2操作を伝達する伝達機構40が、扉1に対し直交する方向に沿って延びる連動部材41を含んでおり、連動部材41が、第1ハンドル20と重ならない上下方向の位置に配設される。
【0053】
連動部材41が、第1ハンドル20と重ならない上下方向の位置に配設されることによって、多くの人が操作し易い上下方向の位置に、パニックハンドルである第1ハンドル20を設置するとき、連動部材41は、多くの人がハンドル操作し易い上下方向の位置から外れた位置に配設される。従って、例えば非常用扉の室外側に、上下に長いロングハンドルを第2ハンドル30として設置するとき、多くの人が操作し易い上下方向の位置でロングハンドルを掴む際の障害とならないように連動部材41を設置でき、扉の両側に配置される2つのハンドルの両方を開扉操作し易い上下方向の位置に設置でき、扉の両側に設置される2つのドアハンドルの両方において開扉操作をし易くできる。
【0054】
また、実施形態において第1ハンドル20として採用されるパニックハンドルは、左右に長いことから非常時に混乱していてハンドルが見えないようなときにも、扉に体を当てるとパニックハンドルに体が当たり、係止状態が解除され、自然と扉が開く。従って、パニックハンドルは、特に非常用扉においては非常に開扉操作し易い形態のハンドルといえる。
【0055】
一方、実施形態において第2ハンドル30として採用されるロングハンドルは、従来のレバーハンドルと比較すると、掴み易く、特に開扉操作が引き操作である場合には、非常に力を掛け易く、また、係止状態を解除するための引き操作によって、そのまま扉1を開くこともでき、非常に開扉操作し易い形態のハンドルといえる。従って、実施形態の扉開閉装置によれば、連動部材41が、第1ハンドル20と重ならない上下方向の位置に配設されることによって、押側の第1ハンドル20として例えばパニックハンドルを採用したとき、引側の第2ハンドル30として例えば上下に長いロングハンドルを採用でき、扉の両側に配置される2つのハンドルの両方に開扉操作し易い形態のハンドルを採用でき、扉の両側に設置される2つのドアハンドルの両方において開扉操作をし易くできる。
【0056】
また、図1図6を参照して説明したように、実施形態に係る扉開閉装置は、第2操作に対し係止機構10をロックするロック機構50を更に具備する。従って、例えば第2ハンドル30を室外側に設置することによって、ロック機構50が係止機構10をロックしている施錠状態においては、室外側からの第2操作によっては扉1が開かれず、防犯性を向上させることができる。
【0057】
また、図1図6を参照して説明したように、実施形態に係る扉開閉装置によれば、ロック機構50が、ストッパ部材51と、リンク機構52と、シリンダ錠53とを含み、ストッパ部材51が、第2ハンドル30と連動する連動部材41の動きを止め、リンク機構52が、連動部材41の動きを止めるストップ位置に、ストッパ部材51を移動し、シリンダ錠53が、リンク機構52を介しストッパ部材51と連結される。
【0058】
ストッパ部材51が連動部材41の動きを止め、第2操作に対し係止機構10をロックするものであることによって、第1ハンドル20の第1操作とは干渉しない機構としてロック機構50を構成でき、ロック機構50が第2操作に対し係止機構10をロックしている施錠状態においても、第1ハンドル20に対する第1操作によって扉1の係止状態を解除できる。従って、第1ハンドル20として例えば室内側にパニックハンドルを設置したときに、サムターンを回すなどの解錠動作を要せずに扉1を開けることができるだけではなく、ロック機構50が施錠状態で故障し、解錠状態にできなくなったような場合にも、ロック機構50が施錠状態のままパニックハンドルに対する第1操作によって扉1を開けることができ、避難のための安全性を更に向上させることができる。
【0059】
次に、図7図8を参照して、本発明の他の実施形態を説明する。図7は、第2操作に対しロックされていない、他の実施形態の係止機構を示す正面図である。図8は、第2操作に対しロックされている、他の実施形態の係止機構を示す正面図である。
【0060】
図1図6の実施形態においては、図1図4に示したように、伝達機構40の連動部材41は、第1ハンドル20より下に配設される。これに対し、本実施形態においては、伝達機構40の連動部材41Aは、第1ハンドル20より上に配設される。それ以外の本実施形態の構成は、図1図6の実施形態と同様である。
【0061】
図7図8は、伝達機構40の連動部材41Aが第1ハンドル20より上に配設される場合の係止機構10の移動機構13Aとロック機構50Aの詳細構成を示している。なお、本実施形態における連動部材41Aは、第2ハンドル30が引き操作されると、回動先端が、上にではなく、下に移動する。
【0062】
図7図8に示すように、本実施形態に係る扉開閉装置において、係止機構10の移動機構13Aは、第1移動部材60Aと、第2移動部材70Aと、連結部材80Aと、スプリング90Aとを含む。
【0063】
第1移動部材60Aは、上下に長い板状であり、扉1を閉状態に係止する係止位置と、係止が解除される解除位置との間で上下に移動可能に、扉1に支持される。また、第1移動部材60Aは、2つのガイド孔60aと、下側ロッド12の取付部61と、伝達部材22と当接する第2当接部材64とを有している。
【0064】
2つのガイド孔60aは、上下に長い長孔であり、扉1に対し固定されるガイドピン60bと各々係合し、第1移動部材60Aの移動を案内するとともに、第1移動部材60Aの上下の移動範囲を規定する。
【0065】
第2当接部材64は、板片状であり、伝達部材22と対応する位置において第1移動部材60Aに固定され、下面64aにおいて伝達部材22と当接する。伝達部材22が回動し、回動先端が上に移動すると、第1移動部材60Aは、第2当接部材64を介し、伝達部材22によって上に押圧され、上に移動する。
【0066】
図7図8に示すように、第2移動部材70Aは、上下に長い板状であり、扉1を閉状態に係止する係止位置と、係止が解除される解除位置との間で上下に移動可能に、扉1に支持される。第2移動部材70Aは、第1移動部材60Aと略平行な垂直部分と横方向に延びる水平部分とを有する。
【0067】
また、第2移動部材70Aは、3つのガイド部70aと、上側ロッド11の取付部71と、連動部材41Aと当接する第3当接部材72とを有している。3つのガイド部70aのうちの下の2つは、上下に長い長孔であり、扉1に対し固定されるガイドピン70bと各々係合し、第2移動部材70Aの移動を案内するとともに、第2移動部材70Aの上下の移動範囲を規定する。3つのガイド部70aのうちの上の1つは、上下に長い溝であり、扉1に対し固定されるガイドピン70bと係合し、第2移動部材70Aの移動を案内するとともに、第2移動部材70Aの上下の移動範囲を規定する。
【0068】
第3当接部材72は、第2移動部材70Aとは別体の板片状であり、連動部材41Aと対応する位置において、上下に移動可能に設けられており、上面72aにおいて連動部材41Aと当接し、上面72aの反対面である下面において第2移動部材70Aと当接する。また、第3当接部材72は、トーションスプリング73によって上向きに付勢される。
【0069】
第3当接部材72が上面72aにおいて連動部材41Aと当接することによって、連動部材41Aの回動先端が下に移動すると、トーションスプリング73の付勢力に抗して第3当接部材72が下に移動し、第2移動部材70Aは、下に押圧され、下に移動する。
【0070】
図7図8に示すように、連結部材80Aは、短冊板状であり、中央において支軸I3によって扉1に軸支され、第1移動部材60Aと第2移動部材70Aとが連動し、上下反対方向に移動するように、第1移動部材60Aと第2移動部材70Aとを連結する。
【0071】
実施形態においては、連結部材80Aは、両端に、横長の連結孔80aを有する。2つの連結孔80aの一方には、第1移動部材60Aに固定された連結軸60cが遊嵌され、他方には、第2移動部材70Aに固定された連結軸70cが遊嵌される。第1移動部材60Aが上に移動すると、連結部材80Aが支軸I3を中心として回動し、第2移動部材70Aは下に移動する。第1移動部材60Aが下に移動すると、連結部材80Aが支軸I3を中心として回動し、第2移動部材70Aは上に移動する。また、第2移動部材70が上に移動すると、連結部材80が支軸I3を中心として回動し、第1移動部材60は下に移動する。第2移動部材70が下に移動すると、連結部材80が支軸I3を中心として回動し、第1移動部材60は上に移動する。
【0072】
図7図8に示すように、スプリング90Aは、第1移動部材60Aと第2移動部材70Aとを係止位置に向かって付勢する。実施形態においては、スプリング90Aは、第2移動部材70Aを上向きに付勢する。スプリング90Aが第2移動部材70Aを上向きに付勢することによって、上側ロッド11が上向きに付勢され、連結部材80Aを介し、第1移動部材60Aが下向きに付勢され、下側ロッド12が下向きに付勢される。
【0073】
以下、図7図8を参照して、本実施形態における移動機構13Aの動作を概説する。第1ハンドル20と第2ハンドル30とが操作されていない初期状態においては、第1移動部材60Aと第2移動部材70Aとは、スプリング90Aによって係止位置に向かって付勢され、係止位置に位置しており、係止機構10は、係止状態となっている。
【0074】
第1ハンドル20が第1操作を受付けると、伝達部材22の回動先端が上に移動し、第1移動部材60Aが、係止位置から解除位置まで上に移動し、連結部材80Aが回動し、第2移動部材70Aが、係止位置から解除位置まで下に移動し、係止機構10は、解除状態となる。
【0075】
第2ハンドル30が第2操作を受付けると、連動部材41Aの回動先端が下に移動し、第2移動部材70Aが、係止位置から解除位置まで下に移動し、連結部材80Aが回動し、第1移動部材60Aが、係止位置から解除位置まで上に移動し、係止機構10は、解除状態となる。
【0076】
次に、図7図8を参照して、ロック機構50Aを説明する。ロック機構50Aは、第2操作に対し係止機構10をロックし、第1操作に対しては係止機構10をロックしないものであり、ストッパ部材51Aと、リンク機構52Aと、シリンダ錠53Aとを含む。第2操作は、本実施形態においても、第2ハンドル30の引き操作である。
【0077】
ストッパ部材51Aは、伝達機構40の連動部材41Aが第2ハンドル30と連動する動きを止める部材であり、連動部材41Aの動きを止めるストップ位置と、連動部材41Aの動きに干渉しない非干渉位置との間で移動可能に、扉1に支持される。図7において、ストッパ部材51Aは、非干渉位置に位置する。図8において、ストッパ部材51Aは、ストップ位置に位置する。
【0078】
実施形態においては、ストッパ部材51Aは、板状部材であり、2つのガイド孔51aを有する。2つのガイド孔51aは、扉1の左右方向に長い長孔であり、扉1に対し固定されるガイドピン70bと各々係合し、扉1の左右方向におけるストッパ部材51Aの移動を案内するとともに、扉1の左右方向におけるストッパ部材51の移動範囲を規定する。
【0079】
図8に示すように、ストッパ部材51Aがストップ位置に位置するとき、ストッパ部材51Aの上端が第3当接部材72の下面と当接し、第3当接部材72が下に移動できなくなり、連動部材41Aの動きが止められる。連動部材41Aの動きが止められると、第2ハンドル30を引き操作しようとしてもできなくなり、第2操作に対し係止機構10がロックされる。
【0080】
一方、第1ハンドル20が第1操作を受付け、伝達部材22によって第1移動部材60が上に移動され、第2移動部材70Aが下に移動するとき、第2移動部材70Aとは別体の第3当接部材72は、トーションスプリング73によって支えられ、図7に示す初期位置に留まる。従って、図8に示すように、ストッパ部材51Aがストップ位置に位置していても、第2移動部材70Aは自由に下に移動でき、係止機構10の係止状態は解除可能である。以上のとおり、係止機構10は、第1操作に対しては、ロック機構50Aによってロックされず、係止機構10の係止状態は第1操作によって常に解除可能である。
【0081】
リンク機構52Aは、ストッパ部材51Aをストップ位置と非干渉位置とに移動する。実施形態においては、リンク機構52Aは、回動片52aと、スプリングロッド52bと、スプリングストッパ52cと、連結ロッド52dとを有する。
【0082】
回動片52aは、シリンダ錠53Aのシリンダと連結され、シリンダの回転に連動して回動する。スプリングロッド52bは、一端が、回動片52aの回動先端に回動可能に連結され、他端が、スプリングストッパ52cに穿設された挿通孔に進退自在に遊挿される。スプリングロッド52bには、スプリングが圧縮状態で装着される。
【0083】
連結ロッド52dは、上端においてストッパ部材51Aと回動可能に連結され、下端において回動片52aの回動先端と回動可能に連結され、上端と下端との間の所定位置において、支軸I4によって扉1に軸支される。回動片52aの回動先端が扉1の左右方向に所定範囲内で移動すると、連結ロッド52dが回動し、ストッパ部材51Aは、ストップ位置と非干渉位置との間で扉1の左右方向に移動する。
【0084】
また、回動片52aが中立位置を超えるまで回動されると、スプリングロッド52bに装着されるスプリングの弾性力によって回動片52aが回動され、ストッパ部材51Aがストップ位置又は非干渉位置まで確実に移動される。
【0085】
シリンダ錠53Aは、リンク機構52Aを介しストッパ部材51Aと連結される。実施形態においては、シリンダ錠53Aは、室外側からは、鍵によって操作され、鍵を回転することによって、回動片52aが回動し、ストッパ部材51Aは、ストップ位置又は非干渉位置に移動する。また、シリンダ錠53Aは、室内側からは、サムターンによって操作され、サムターンを回転することによって、回動片52aが回動し、ストッパ部材51Aはストップ位置又は非干渉位置に移動する。
【0086】
以上、図7図8を参照して説明したように、本実施形態の扉開閉装置によれば、連動部材41Aを第1ハンドル20より上に配設した場合にも、連動部材41が第1ハンドル20より下に配設されている図1図6の扉開閉装置と同様に、扉の両側に設置される2つのハンドルの両方を開扉操作し易い上下方向の位置に設置でき、扉の両側に設置される2つのハンドルの両方に開扉操作し易い形態のハンドルを採用でき、扉の両側に設置される2つのドアハンドルの両方において開扉操作をし易くでき、防犯性を向上させることができるとともに、避難のための安全性を更に向上させることができる。
【0087】
また、第3当接部材72がトーションスプリング73によって初期位置に付勢されることによって、第2ハンドル30に対し第2操作が行われていないとき、ストッパ部材51Aと干渉しない初期位置に第3当接部材72を保持でき、第3当接部材72がストッパ部材51Aと無用に干渉し、ロック機構50Aが施錠できなくなることを防止でき、防犯性を更に向上させることができる。
【0088】
以上、図面(図1図9)を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。
【符号の説明】
【0089】
1…扉
10…係止機構
20…第1ハンドル
30…第2ハンドル
40…伝達機構
41、41A…連動部材
50、50A…ロック機構
51、51A…ストッパ部材
52、52A…リンク機構
53、53A…シリンダ錠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8