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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162591
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】間仕切
(51)【国際特許分類】
   E05D 15/00 20060101AFI20221018BHJP
   E06B 3/28 20060101ALI20221018BHJP
   E06B 3/78 20060101ALI20221018BHJP
   E06B 3/16 20060101ALN20221018BHJP
   E06B 3/22 20060101ALN20221018BHJP
【FI】
E05D15/00 A
E06B3/28
E06B3/78
E06B3/16
E06B3/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067472
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000134958
【氏名又は名称】株式会社ニチベイ
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】中野 安能
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
【Fターム(参考)】
2E014AA01
2E014BA02
2E014BA08
2E014BB00
2E014BB06
2E016HA00
2E016HA05
2E016HA06
2E016HA07
2E016HA08
2E016HA10
2E016JA19
2E016JC00
2E016KA02
2E016KA03
2E016KA05
2E016KA06
2E016KA07
2E016LA01
2E016LB05
2E016LC01
2E016MA01
2E016MA03
2E016MA06
2E016MA08
2E016PA04
2E016PA06
2E016QA15
2E016RA00
(57)【要約】
【課題】対人用の仕切りとして使用可能であり、居室内の換気効率を向上させる間仕切を提供する。
【解決手段】間仕切は、吊り下げ具に吊り下げ支持される間仕切であって、開口部を有する矩形状の枠体と、上記開口部を上部開口部と下部開口部に区分した場合に当該上部開口部と下部開口部の何れかを遮蔽するように上記枠体に取り付けられた矩形状の遮蔽材と、を有する。上記遮蔽材は、標準的な身長の人の起立状態または着座状態の頭部の上端よりも高い位置にその上端を有し、当該頭部の下端よりも低い位置にその下端を有するように取り付けられ、当該遮蔽材が取り付けられない前記上部開口部と前記下部開口部の何れかは開放されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊り下げ具に吊り下げ支持される間仕切であって、
開口部を有する矩形状の枠体と、
前記開口部を上部開口部と下部開口部に区分した場合に当該上部開口部と下部開口部の何れかを遮蔽するように前記枠体に取り付けられた矩形状の遮蔽材と、を具備し、
前記遮蔽材は、標準的な身長の人の起立状態または着座状態の頭部の上端よりも高い位置にその上端を有し、当該頭部の下端よりも低い位置にその下端を有するように取り付けられ、当該遮蔽材が取り付けられない前記上部開口部と前記下部開口部の何れかは開放されている
間仕切。
【請求項2】
請求項1に記載の間仕切であって、
前記枠体は、一対の縦枠と、当該一対の縦枠を連結する、上端の第1横枠、下端の第2横枠、および、当該第1横枠と第2横枠との間に設けられ前記上部開口部及び前記下部開口部を形成する第3横枠を有し、
前記遮蔽材の前記上縁部および前記下縁部は、前記第1横枠および前記第3横枠、または、前記第3横枠および前記第2横枠に着脱可能に取り付けられる
間仕切。
【請求項3】
請求項2に記載の間仕切であって、
前記遮蔽材の前記上縁部および前記下縁部が取り付けられる前記第1横枠および前記第3横枠、または、前記第3横枠および前記第2横枠に取り付けられ、前記遮蔽材の上縁部および下縁部を係止する係止具
をさらに具備する間仕切。
【請求項4】
請求項3に記載の間仕切であって、
前記第1横枠および前記第3横枠、または、前記第3横枠および前記第2横枠の各上下には、前記係止具を保持可能な溝部が設けられ、
前記係止具は、前記溝部に沿って移動可能に取り付けられる
間仕切。
【請求項5】
請求項4に記載の間仕切であって、
前記係止具は、前記溝部に取り付けられた状態で前記遮蔽材に張力を付す弾性片を有する
間仕切。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかに記載の間仕切であって、
前記係止具は、固定面に対して着脱自在に固定される固定具と、連結部材を介して連結可能である
間仕切。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかに記載の間仕切であって、
前記第3横枠は、前記縦枠に沿って上下に移動可能である
間仕切。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかに記載の間仕切であって、
前記第1横枠と前記第3横枠の間、または、前記第3横枠と前記第2横枠との間に設けられ、前記遮蔽材を上部遮蔽材と下部遮蔽材とに分割する第4の横枠をさらに具備し、
前記上部遮蔽材と前記下部遮蔽材のいずれかの少なくとも一部は開閉可能とされる
間仕切。
【請求項9】
請求項2乃至7のいずれかに記載の間仕切であって、
前記第1横枠と前記第3横枠の間、または、前記第3横枠と前記第2横枠との間に設けられ、前記遮蔽材が取り付けられた前記上部開口部または前記下部開口部を第1開口部と第2開口部とに分割する第4の横枠をさらに具備し、
前記遮蔽材は、前記第1開口部と前記第2開口部の一方を遮蔽するように設けられ、前記第1開口部と前記第2開口部の他方は開放される
間仕切。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の天井等に吊り下げられて支持される間仕切に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、天井等に吊り下げるタイプの移動間仕切装置が知られている。例えば下記特許文献1に記載されている移動間仕切装置(室内用パネル体)は、パネル体を上部パネル体と下部パネル体とに2分割して保持することができる枠体構造を採用している。更に、下部パネル体にはガラス等の透明部材が用いられる。
【0003】
これにより、パネル体を一枚で構成した場合と比べて、パネル体の厚さを薄くしても剛性を維持することができるため、ガラス等のパネル体を用いても軽量化を実現することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許6676017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のような軽量な移動間仕切装置は様々なシーンで使用することができるため、状況に応じて移動間仕切装置で隔てた空間同士の空気を循環させたいという要望がある。
【0006】
例えば昨今問題となっている感染症への飛沫感染防止を意図して使用するシーンでは、居住者がいるスペースでは対人用の仕切りが必要とされる一方で、居室内の空気循環を促すために換気効率を向上することが強く望まれている。
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に記載の移動間仕切装置は軽量化を実現することはできるものの、ダブルスキンファサード構造のインナースキンに適用されるパネルであるため、構造上パネルで隔てた空間同士を連通して換気効率を向上するという上記要望に対応できるものではない。
【0008】
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、対人用の仕切りとして使用可能であり、居室内の換気効率を向上させる間仕切を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る間仕切は、吊り下げ具に吊り下げ支持される間仕切であって、開口部を有する矩形状の枠体と、上記開口部を上部開口部と下部開口部に区分した場合に当該上部開口部と下部開口部の何れかを遮蔽するように上記枠体に取り付けられた矩形状の遮蔽材と、を有する。上記遮蔽材は、標準的な身長の人の起立状態または着座状態の頭部の上端よりも高い位置にその上端を有し、当該頭部の下端よりも低い位置にその下端を有するように取り付けられ、当該遮蔽材が取り付けられない前記上部開口部と前記下部開口部の何れかは開放されている。
【0010】
この構成により、上部開口部と下部開口部の一方を、起立または着座している人の頭部の高さに対応する遮蔽材で遮蔽し、他方を開放することで、間仕切を対人用の仕切りとして使用でき、居室内の換気効率を向上させることができる。特に、感染症の飛沫感染防止対策に有用である。
【0011】
上記枠体は、一対の縦枠と、当該一対の縦枠を連結する、上端の第1横枠、下端の第2横枠、および、当該第1横枠と第2横枠との間に設けられ上記上部開口部及び上記下部開口部を形成する第3横枠を有してもよい。この場合上記遮蔽材の上記上縁部および上記下縁部は、上記第1横枠および上記第3横枠、または、上記第3横枠および上記第2横枠に着脱可能に取り付けられる。
【0012】
上記間仕切は、上記遮蔽材の上記上縁部および上記下縁部が取り付けられる上記第1横枠および上記第3横枠、または、上記第3横枠および上記第2横枠に取り付けられ、上記遮蔽材の上縁部および下縁部を係止する係止具をさらに有してもよい。
【0013】
この構成によれば、横枠に取り付けられた係止具を利用して遮蔽材を取付けることができる。
【0014】
上記第1横枠および上記第3横枠、または、上記第3横枠および上記第2横枠の各上下には、上記係止具を保持可能な溝部が設けられてもよい。この場合上記係止具は、上記溝部に沿って移動可能に取り付けられる。
【0015】
この構成によれば、係止具が横枠に設けられた溝部に沿って移動可能であるため、遮蔽材を取り付ける際に係止具の位置を調整することができる。そのため、遮蔽材を容易に取り付けることができる。
【0016】
上記係止具は、上記溝部に取り付けられた状態で上記遮蔽材に張力を付す弾性片を有してもよい。
【0017】
この構成によれば、遮蔽材がフィルムのような剛性のない材質であっても、遮蔽材に張力を付して弛ませることなく取り付けることができる。
【0018】
上記係止具は、固定面に対して着脱自在に固定される固定部材と、連結部材を介して連結可能であってもよい。
【0019】
この構成によれば、吊り下げ支持される移動間仕切り装置が軽量であっても、前後に揺れることを抑止することができる。そのため、使用時における前後の振れを抑止することができるだけでなく、遮蔽材の着脱時における前後の振れも抑止することができるため、遮蔽材の容易な着脱が可能となる。
【0020】
上記第3横枠は、上記縦枠に沿って上下に移動可能であってもよい。
【0021】
この構成によれば、遮蔽材の大きさに応じて上部開口部および下部開口部の大きさを調整できるため、遮蔽材を容易に取り付けることができる。また、上部開口部および下部開口部の大きさを用途に応じて柔軟に調整することができる。
【0022】
上記間仕切は、上記第1横枠と上記第3横枠の間、または、上記第3横枠と上記第2横枠との間に設けられ、上記遮蔽材を上部遮蔽材と下部遮蔽材とに分割する第4の横枠をさらに有してもよい。この場合上記上部遮蔽材と上記下部遮蔽材のいずれかの少なくとも一部は開閉可能とされる。
【0023】
この構成によれば、開閉可能な部分を例えば飲食店における料理を受け渡したりその他店舗において商品を受け渡したりするための受け渡し口として使用することができ、利便性が向上する。
【0024】
上記間仕切は、上記第1横枠と上記第3横枠の間、または、上記第3横枠と上記第2横枠との間に設けられ、上記遮蔽材が取り付けられた上記上部開口部または上記下部開口部を第1開口部と第2開口部とに分割する第4の横枠をさらに有してもよい。この場合上記遮蔽材は、上記第1開口部と上記第2開口部の一方を遮蔽するように設けられ、上記第1開口部と上記第2開口部の他方は開放されてもよい。
【0025】
これにより、遮蔽材が設けられる方の開口部にも開放された開口部を設けることで、換気効率をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、対人用の仕切りとして使用可能であり、居室内の換気効率を向上させる間仕切を提供することができる。しかし、当該効果は本発明を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の第1実施形態に係る間仕切の設置例を示した図である。
図2図1の間仕切の正面図である。
図3図1の間仕切の係止具の構造を示した図である。
図4図1の間仕切の横枠の側面図である。
図5図4の横枠に係止具が取り付けられた状態を示した側面図である。
図6図1の間仕切の遮蔽材の取付方法を示した図である。
図7】本発明の第2実施形態に係る間仕切の遮蔽材の取付方法を示した図である。
図8】本発明の第3実施形態に係る間仕切の設置例を示した平面図である。
図9】本発明の第3実施形態に係る間仕切の正面図である。
図10図9の間仕切の変形例を示した図である。
図11】本発明の第4実施形態に係る間仕切の横枠の設置方法を示した図である。
図12】本発明の第5実施形態に係る間仕切の正面図である。
図13】本発明の第6実施形態に係る間仕切の正面図である。
図14】本発明の第7実施形態に係る間仕切の正面図である。
図15】本発明の第8実施形態に係る間仕切の正面図である。
図16】本発明の第9実施形態に係る間仕切の正面図である。
図17】本発明の第10実施形態に係る間仕切の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
【0029】
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態について説明する。
【0030】
[間仕切の概要]
図1は、本発明の第1実施形態における間仕切の設置例を示した図である。また図2図1の間仕切の正面図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態に係る間仕切100は、1つの居住空間(例えばオフィスや飲食店等のフロア)を複数の空間(例えば、執務者や客毎の空間)に仕切るものであり、天井等に設置されたレールRに移動可能に吊り下げ支持される。
【0032】
当該間仕切100は、例えば感染症への飛沫感染防止を意図して用いられ、図1に示すように、複数の間仕切100が、例えば椅子Cに座ってテーブル(机)Tにつく執務者や客の前面及び側面を仕切るように設置されてもよい。このとき、間仕切100の下部高さはテーブルTの高さよりも高い位置に設定されている。
【0033】
両図に示すように、間仕切100は、矩形状の枠体1と、遮蔽材2とを有する。枠体1は、例えばアルミニウム等の金属や合成樹脂等の軽量素材で製造される。遮蔽材2は、例えば合成樹脂製の透明なパネルとされる。遮蔽材2の高さは、少なくとも椅子Cに着席した人の上半身(少なくとも頭部)を隠す高さから、起立した人の身長よりも高い位置の範囲で設置される。
【0034】
すなわち遮蔽材2は、標準的な身長の人の起立状態または着座状態の頭部の上端よりも高い位置にその上端を有し、当該頭部の下端よりも低い位置にその下端を有するように取り付けられる。換言すると、遮蔽材2は、起立状態の人の飛沫の飛散を防ぐことができる位置に取り付けられてもよいし、着座状態の人の飛沫の飛散を防ぐことができる位置に取り付けられてもよいし、起立及び着座両方の状態の人の飛沫の飛散を防ぐことができる位置に取り付けられてもよい。本実施形態の図1で示した遮蔽材2は、起立及び着座両方の状態の人の飛沫の飛散を防ぐような面積及び高さで設けられている。
【0035】
上記枠体1は、一対の縦枠10と、当該一対の縦枠10を連結する複数の横枠11、すなわち、上端の第1横枠11a、下端の第2横枠11b、および、当該第1横枠11aと第2横枠11bとの間に設けられた第3横枠11cを有する。
【0036】
上記一対の縦枠10と、第1横枠11a及び第3横枠11cにより、上部開口部3が形成され、一対の縦枠10と、第3横枠11c及び第2横枠11bにより、下部開口部4が形成されている。遮蔽材2は、このうち下部開口部4を遮蔽するように、第3横枠11c及び第2横枠11bに着脱自在に取り付けられている。
【0037】
また第1横枠11aの上部両端には、上記レールに当該レールに沿って移動可能に係合し支持されるランナー6が設けられている。
【0038】
上記第3横枠11c及び第2横枠11bには、それぞれ、上記遮蔽材2の上縁部および下縁部を着脱可能に係止する複数(例えば5つ)の係止具5が取り付けられている。
【0039】
[係止具の詳細]
次に、上記係止具5について詳細に説明する。図3は、当該係止具5の構造を示した図である。このうち同図(A1)は係止具のキャップを省略した状態の正面図、同図(A2)はキャップを嵌めた状態の正面図、同図(B1)はキャップを省略した状態の側面図、同図(B2)はキャップを嵌めた状態の部分断面図である。
【0040】
また図4は、上記間仕切100の横枠11の側面図であり、図4の横枠11に係止具5が取り付けられた状態を示した側面図である。図5(A)は、横枠11のうち上側溝部に係止具5を取り付けた状態、図5(B)は、横枠11のうち下側溝部に係止具を取り付けた状態を示しており、これらの図においてキャップは図示を省略している。
【0041】
図3に示すように、係止具5は、円柱状の着脱部51と、当該着脱部51に着脱可能なキャップ52と、着脱部51が設けられた方とは反対側の端部に断面T字状に形成された取付部53と、当該取付部53の形成端から内側へ突出するように形成された片持ち梁状の弾性片54とを有する。着脱部51の上端はフランジ状に突出しており、キャップ52は当該フランジ状の部分に係合可能な溝を内面に有する。
【0042】
また図4に示すように、横枠11は、それぞれ断面がC字状の上側溝部111及び下側溝部112と、縦枠10と連結するためのネジが螺合される螺合部113とを有する。
【0043】
そして図5に示すように、係止具5は、その取付部53及び弾性片54が横枠11の上側溝部111及び下側溝部112に挿入され、弾性片54がその弾性力に抗して上側溝部111及び下側溝部112の開口端部内面に係合することで横枠11に係止される。
【0044】
[遮蔽材の枠体への取付方法]
図6は、遮蔽材2の枠体1への取付方法を示した図である。
【0045】
同図に示すように、遮蔽材2の上縁及び下縁には、上記着脱部51を挿通可能な取付穴21が所定間隔で形成されている。
【0046】
使用者は、間仕切100がレールRに支持されている状態で、係止具5を上記上側溝部111または下側溝部112上でスライドさせて、遮蔽材2の取付穴21に対する位置調整をしながら、各係止具5の着脱部51を取付穴21に挿入し、その上からキャップ52を取り付けることで、遮蔽材2を枠体1に取り付ける。
【0047】
なお各係止具5は、取付前の横枠11の上側溝部111または下側溝部112に横方向からスライド挿入された上で、縦枠10と横枠11とが接続されることで横枠11に取り付けられる。
【0048】
このように、本実施形態によれば、下部開口部4を遮蔽する軽量な間仕切100において、遮蔽材2が枠体1に着脱可能であるため、間仕切100をレールR吊り下げたままでも容易に遮蔽材2を着脱することができる。これは特に、感染症予防対策として対人用の仕切りとして使用され、遮蔽材2を交換する必要がある場合に有効である。また遮蔽材2を透明なパネルとしたことで、遮蔽材2を隔てて対人した相手の様子を視認することができる。さらに上部開口部3を換気口とすることで、空気循環を促して居室内の換気効率を向上させる間仕切100を提供できる。
【0049】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態及びこれ以降の実施形態において、上記第1実施形態と同様の機能を有する箇所には同一の符号を付す。
【0050】
図7は、本実施形態に係る間仕切の遮蔽材の取付方法を示した図である。同図(A)は取付時の遮蔽材上縁部の様子、同図(B)は取付時の遮蔽材下縁部の様子、同図(C)が取付後の遮蔽材の状態をそれぞれ示す。
【0051】
上記第1実施形態では、遮蔽材2は薄板(パネル)とされたが、同図に示すように、本実施形態では、遮蔽材2は、フィルム等の可撓性かつ多少の伸縮性のある(剛性が無い)素材で形成される。
【0052】
この場合、使用者は、同図(A)に示すように、遮蔽材2を、第3横枠11cと第2横枠11bのうち一方(例えば第3横枠11c)の係止具5に取り付けた後、同図(B)に示すように、遮蔽材2を他方の横枠11(例えば第2横枠11b)方向(同図矢印方向)へ引っ張りながら当該他方の横枠11の係止具5に取り付ける。
【0053】
そうすると、同図(C)に示すように、係止具5の弾性片54が、上記横枠11の上側溝部111及び下側溝部112に取付られた状態で、同図矢印方向へバネ変形する力に抗して遮蔽材2を付勢する力が働き、これにより第3横枠11c及び第2横枠11bの両側から遮蔽材2に張力が付される。
【0054】
このように本実施形態によれば、遮蔽材2がフィルムのような剛性のない材質であっても、遮蔽材2に張力を付して弛ませることなく取り付けることができる。
【0055】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0056】
図8は、本実施形態に係る間仕切100の設置例を示した平面図である。また図9は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0057】
図8に示すように、本実施形態では、複数の間仕切100が、非使用時には居住空間の隅等の一箇所に収納され、使用時に適宜テーブルTや椅子Cの配置等に合わせてレールRで矢印方向に自由に移動されてレイアウトされる。
【0058】
このとき、各間仕切100をテーブルTの位置に合わせて設置しても、使用時に前後方向に振れてしまう場合がある。
【0059】
そこで本実施形態では、図9に示すように、例えば下端の第2横枠11bの下側溝部112に新たに係止具5が取り付けられており、当該係止具5が、テーブルT等の固定面に対して着脱自在に固定される固定具Fに対して、連結部材61を介して連結可能とされる。
【0060】
ここで固定具Fは例えば吸盤であるが、これに限られず、例えばフックやクランプ等であっても構わない。また連結部材61は例えば係止具5の着脱部51に掛けることが可能な紐状部材とされるが、これに限られず、例えばフック等であっても構わない。
【0061】
このように本実施形態によれば、レールRで吊り下げ支持される移動可能な間仕切り100が軽量であっても、前後に揺れることを抑止することができる。これにより、使用時における前後の振れを抑止することができるだけでなく、遮蔽材2の着脱時における前後の振れも抑止することができるため、遮蔽材2の容易な着脱が可能となる。
【0062】
図10は、図9の間仕切100の変形例を示した図である。
【0063】
図9の例では、固定具Fとの連結部材61を介した連結のために、第2横枠11bの下側溝部112に新たに係止具5が取り付けられた。しかし、同図に示すように、新たな係止具5は取り付けられずに、遮蔽材2の取付用に第2横枠11bの上側溝部111に既に取り付けられ、遮蔽材2の取付に用いられている係止具5が固定具Fとの連結に用いられている。
【0064】
これにより固定具Fとの連結のために新たに係止具5を設ける必要がなくなり、遮蔽材2の横枠11への取付時に併せて固定具Fとの連結作業も行うことが可能となる。
【0065】
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
【0066】
図11は、本実施形態に係る間仕切の横枠の設置方法を示した図である。同図(A)は本実施形態に係る間仕切100の正面図、同図(B)は横枠11の側面図及びサイドプレートの正面図、同図(C)は当該間仕切100における縦枠10の横枠11との接続部分の概略側面図である。
【0067】
上述の各実施形態では、第3横枠11cは縦枠10に対して固定された位置に接続されていた。これに対して本実施形態では、同図(A)の矢印に示すように、第3横枠11cの取付位置を縦枠10に対して上下に移動可能としている。
【0068】
すなわち、同図(B)に示すように、第3横枠11cと縦枠10とを接続するためにサイドプレート115が用いられる。サイドプレート115は、サイドプレート115が取り付けられた第3横枠11cを縦枠10に取り付けるために所定ピッチで設けられた一対の縦枠取付穴116と、第3横枠11cの螺合部113に対してネジ留めするための一対のネジ穴117を有する。
【0069】
また同図(C)に示すように、縦枠10には、上記縦枠取付穴116に対応して所定ピッチで設けられた複数対の横枠取付穴101が設けられる。
【0070】
まず同図(B)に示すように、サイドプレート115を、上記ネジ穴117を介して螺合部113にネジ留めすることで第3横枠11cに取り付ける。
【0071】
そして、同図(C)に示すように、サイドプレート115が取り付けられた状態の第3横枠11cの縦枠取付穴116を、縦枠10の所望の高さの横枠取付穴101に合わせてネジ102により螺合することで、第3横枠11cの縦枠10への取付が完了する。螺合対象の横枠取付穴101を変更することで、取付位置を移動させることが可能である。
【0072】
このように本実施形態によれば、遮蔽材2の大きさに応じて上部開口部3及び下部開口部4の大きさを調整できるため、遮蔽材2を容易に取り付けることができる。また、上部開口部3および下部開口部4の大きさを用途に応じて柔軟に調整することができる。
【0073】
<第5実施形態>
次に、本発明の第5実施形態について説明する。
【0074】
図12は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0075】
上述の実施形態においては、間仕切100は上部開口部3及び下部開口部4の2つの開口部を有していた。これに対して本実施形態では、同図に示すように、第3横枠11cと第2横枠11bとの間に第4横枠11dが設けられ、これにより下部開口部4がさらに上下2つの開口部4a及び4bに分割されている。
【0076】
そしてこの分割された開口部4a及び4bのうち、開口部4aには上述の各実施形態と同様の遮蔽材2aが設けられ、開口部4bには、横一列に3つの遮蔽材2b、2c、2dが取り付けられている。
【0077】
換言すると、本実施形態では、新たに設けた第4横枠11dが、遮蔽材2を上部の遮蔽材2aと下部の遮蔽材2b、2c、2dとに分割している。
【0078】
そしてこの下部の遮蔽材2b、2c、2dのうち例えば中央の遮蔽材2cは、その上端は係止具5により係止されているがその下端(及び左右端)は係止されておらず、例えば使用者が手で押すことで開閉可能とされている。もちろん、これに変えて遮蔽材2bまたは2dが開閉可能とされてもよいし、全てが開閉可能とされてもよい。また下部の遮蔽材2の数は3つに限られない。
【0079】
これにより、開閉可能な遮蔽材2cを例えば飲食店における料理を受け渡したりその他店舗において商品を受け渡したりするための受け渡し口として使用することができ、利便性が向上する。
【0080】
<第6実施形態>
次に、本発明の第6実施形態について説明する。
【0081】
図13は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0082】
上述の各実施形態では、係止具5は横枠11に取り付けられ、当該横枠11に遮蔽材2が取り付けられていた。これに対して、同図に示すように、本実施形態では、係止具5は縦枠10に取り付けられ、遮蔽材2は当該縦枠10に取り付けられている。この場合、遮蔽材2の取付穴21も、上縁及び下縁ではなく左縁及び右縁に設けられる。
【0083】
またこの場合、第3横枠11cは遮蔽材2の取付に用いられないため、第3横枠11c自体が設けられなくてもよい。
【0084】
すなわち、枠体1は1つの開口部のみ有し、遮蔽材2を縦枠10の下半分領域(1つの開口部を上部開口部と下部開口部に区分した場合における下部開口部)に取り付けることで、上部開口部3を形成してもよい。
【0085】
これにより、第3横枠11cを無くすことで、透明の遮蔽材2と相まって意匠性及び視認性を向上させることができる。
【0086】
<第7実施形態>
次に、本発明の第7実施形態について説明する。
【0087】
図14は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0088】
上述の各実施形態における間仕切100は、縦枠10の長手方向(Y方向)の長さが、吊下げ時にその下端がテーブルTの高さに対応するように形成されていた。これに対して本実施形態に係る間仕切100は、上述の各実施形態に係る間仕切100よりも縦枠10の長手方向(Y方向)の長さが、吊下げ時に床面近傍まで達するように大きく形成されている。
【0089】
また本実施形態では、上述の各実施形態とは異なり、遮蔽材2は上部開口部3を遮蔽するように取り付けられており、下部開口部4は開放されている。
【0090】
このように本実施形態では、枠体1を床面まで延ばすことで、固定面Sである床面に、上記第3実施形態で図9及び図10に示した固定具Fと連結部材61等の揺れ留め手段やストッパー等によって間仕切100を固定することができ、間仕切100の位置を揺動不能に保持できる。
【0091】
また本実施形態では、起立した人の腰の高さからあたりから天井付近まで遮蔽材2によってシールドし、下方(下部開口部4)で空気循環を促すことができる。
【0092】
また、レールRが天井に取付不可能な場合等においては、天井からパイプでレールRを吊下げる吊下げ式レール(吊りパイプ)によって間仕切100を支持してもよい。この場合、間仕切り100の上方(レールRと天井との間)からの換気も可能となる。
【0093】
<第8実施形態>
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
【0094】
図15は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0095】
本実施形態に係る間仕切100は、上記図14に示した第7実施形態に係る間仕切100と比較して、第4横枠11dにより上部開口部3が上部の第1開口部3aと下部の第2開口部3bに分割され、遮蔽材2は第2開口部3bを遮蔽するように設けられ、第1開口部3aは開放されている点が異なる。
【0096】
これにより、遮蔽材2が設けられる上部開口部3にも開放された開口部を設けることで、換気効率をさらに向上させることができる。
【0097】
なお、この例とは逆に、上述の第1乃至第6実施形態のように、上部開口部3が開放され下部開口部4に遮蔽材2が取り付けられる場合においても、本実施形態のように下部開口部が第4横枠11dにより上部の第1開口部と下部の第2開口部に分割され、そのうち第1開口部に遮蔽材2が設けられ、第2開口部が開放されてもよい。
【0098】
<第9実施形態>
次に、本発明の第9実施形態について説明する。
【0099】
図16は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0100】
本実施形態に係る間仕切100は、上記第1乃至第6実施形態と同様に、上部開口部3が開放され下部開口部4に遮蔽材2が取り付けられたものであるが、下部開口部4は、第4横枠11d及びそのやや下方に設けられた第5横枠11eによって、上部の第1開口部4a、中部の第2開口部4b及び下部の第3開口部4cに分割されている。
【0101】
第1開口部4aのY方向の長さは少なくとも人の頭部の長さ以上とされ、第2開口部4bのY方向の長さは人の手が挿入可能な程度の長さとされる。そして第1開口部4a及び第3開口部4cにはそれぞれ遮蔽材2a及び遮蔽材2bがそれらを遮蔽するように取り付けられ、第2開口部4bは開放されている。
【0102】
このような構成により、2つの開口部を開放させることで換気効率を向上させながら、遮蔽材2が示す面積も大きくすることで遮蔽性も向上させることができる。また上記第2開口部4bにより、間仕切100の手前の人と反対側の人との間で、例えば書類、現金、カード等、比較的厚みのない物品の授受が可能となる。この間仕切100は、例えばオフィスにおける書類の受け渡しやチケット売り場におけるチケットと現金・カードの受け渡し等に適用可能となり、利便性が向上する。
【0103】
<第10実施形態>
次に、本発明の第10実施形態について説明する。
【0104】
図17は、本実施形態に係る間仕切100の正面図である。
【0105】
本実施形態に係る間仕切100は、上記図12に示した第5実施形態に係る間仕切100の変形例である。
【0106】
すなわち、上述の第5実施形態と比較して、本実施形態に係る間仕切100においては、下部開口部4が分割された開口部4aと開口部4bの面積比がほぼ逆となっており、開口部4bに1枚の大きな遮蔽材2aが設けられ、開口部4aに3つの小さな遮蔽材2b、2c、2dが設けられ、遮蔽材2cは開閉可能とされている。
【0107】
これにより、上記第5実施形態と同様に、開閉可能な遮蔽材2cを例えば飲食店における料理を受け渡したりその他店舗やオフィスにおいて商品その他の物品を受け渡したりするための受け渡し口として使用することができ、利便性が向上する。この場合、上記第5実施形態の場合よりも物品の受け渡し位置がユーザの上方となる。
【0108】
[変形例]
本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0109】
上述の実施形態においては、遮蔽材2は透明なパネルまたはフィルムとされたが、不透明なパネルまたはフィルムであっても構わない。これにより、感染症予防対策を講じながらプライバシーを保護することも可能となる。
【0110】
間仕切100は、上述の実施形態で示したようなレールRによって移動可能なものではなく、天井等に固定された吊り下げ具に固定的に吊り下げられるものであってもよい。
【符号の説明】
【0111】
1…枠体
2(2a、2b、2c)…遮蔽材
3…上部開口部
4…下部開口部
5…係止具
6…ランナー
10…縦枠
11…横枠
11a…第1横枠
11b…第2横枠
11c…第3横枠
11d…第4横枠
21…取付穴
51…着脱部
52…キャップ
53…取付部
54…弾性片
61…連結部材
100…間仕切
101…横枠取付穴
102…ネジ
111…上側溝部
112…下側溝部
113…螺合部
115…サイドプレート
116…縦枠取付穴
117…ネジ穴
T…テーブル
C…椅子
R…ハンガーレール
S…固定面
F…固定具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17