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特開2022-16262情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016262
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/00 20060101AFI20220114BHJP
   A61B 5/18 20060101ALI20220114BHJP
   G01M 17/007 20060101ALI20220114BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20220114BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20220114BHJP
【FI】
A61B5/00 102A
A61B5/18
G01M17/007 D
B60W60/00
B60W40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000006
(22)【出願日】2021-01-01
(62)【分割の表示】P 2020118832の分割
【原出願日】2020-07-09
(71)【出願人】
【識別番号】516377348
【氏名又は名称】株式会社Arblet
(72)【発明者】
【氏名】清水 滉允
【テーマコード(参考)】
3D241
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
3D241BA70
3D241BB00
3D241CE02
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DD04Z
4C038PP03
4C038PQ04
4C038PS01
4C038PS07
4C117XA01
4C117XB01
4C117XC06
4C117XE13
4C117XE14
4C117XE17
4C117XE23
4C117XE24
4C117XE26
4C117XE37
4C117XE38
4C117XJ42
4C117XJ45
4C117XM12
4C117XN02
4C117XN06
4C117XP11
4C117XR02
(57)【要約】
【課題】異常発生信号生成部により、ユーザの測定データに基づき、特にユーザの異常を示す異常発生信号を通知する情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理システム1は、ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理システムであって、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるデータ管理部と、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成する生体データ生成部と、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成する異常発生信号生成部と、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御する車両管理部と、を備える。
【選択図】図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理システムであって、
前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるデータ管理部と、
前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成する生体データ生成部と、
前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成する異常発生信号生成部と、
前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御する車両管理部と、を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記測定データは、前記ユーザの心電、脈波、温度、加速度、角速度のうち少なくとも一つを含むデータである、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記生体データは、前記ユーザの血圧情報、心拍情報、血中酸素量情報、心電情報、呼吸数、体温情報、歩数情報、歩行速度情報、歩幅情報、重心の位置情報、姿勢情報、行動種別情報、ストレス情報、運動量情報、運動負荷情報、移動距離情報、活動量情報のうち少なくとも一つを含むデータである、
ことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記異常発生信号生成部は、血圧情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記異常発生信号生成部は、心拍情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記異常発生信号生成部は、心拍情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記異常発生信号生成部は、前記測定装置を装着した部位の動作情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記車両管理部は、前記異常発生信号に基づき、医療機関へ前記自動運転車両を運行させる、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記車両管理部は、前記異常発生信号及び前記ユーザの位置情報に基づき、前記ユーザの位置へ前記自動運転車両を運行させる、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記車両管理部は、前記異常発生信号及び医療従事者の位置情報に基づき、前記医療従事者の位置へ前記自動運転車両を運行させる、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記情報処理システムは、
さらに、少なくとも前記異常発生信号生成部を有する管理サーバを備え、
前記管理サーバは、前記異常発生信号の生成に基づき、前記ユーザに関連する連絡先へ異常の発生を通知する、
ことを特徴とする請求項1ないし請求項10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理方法であって、
データ管理部により、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるステップと、
生体データ生成部により、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成するステップと、
異常発生信号生成部により、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成するステップと、
車両管理部により、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御するステップと、を備える、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項13】
ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理方法をコンピュータにおいて実行する情報処理プログラムであって、
前記情報処理方法は、
データ管理部により、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるステップと、
生体データ生成部により、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成するステップと、
異常発生信号生成部により、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成するステップと、
車両管理部により、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御するステップと、
を実行する、
ことを特徴とする情報処理プログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
測定装置を利用してユーザの生体データを連続的に取得し、その変化から病気の早期発見や病状変化の検出を行うことは、健康管理を行う上で有効である。そのためには、取得した複数の生体データから様々な健康状態を把握する必要がある。
【0003】
例えば、ユーザの心電波形のデータと脈波形のデータとを測定装置から取得し、血圧情報を生成する血圧情報測定システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。また、例えば、ユーザの測定データから生体情報データへ演算を行うための因果関係である数理モデルを生成し、数理モデルを利用可能に提供する開発支援サーバも知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6202510号公報
【特許文献2】特許第6257015号公報
【特許文献3】特開2017-197070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、自動運転車両を利用したサービスの実用化に向けた取り組みが進んでいる。ユーザ個人が所有する自動運転車両だけではなく、自動運転車両を配車するサービスについても開発が行われている(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
しかしながら、いずれの場合にはおいても、自動運転車両はユーザを含む運転手が運転することなく目的地まで運行するので、車内で不測の事態が発生した際にその状況を判断する人員がいないことがあり得る。そのため、例えば乗車しているユーザが意識不明となった場合には、もし自動運転車両でない場合には車両の挙動から異常を発見できるものの、自動運転車両の場合には整然と車両が運行を継続するため、異常の発見が遅れる可能性がある。また、カメラやマイクにより異常を発見することも考えられるが、異常の内容(例えば、ユーザの生体情報に関する急激な変化など)によっては、これらのインタフェースでは十分ではない場合があり得る。
【0007】
また、上述の自動運転車両は、行き先を決定すると地図情報等から運行経路を算出し、当該運行経路に沿って自動的に運行するものであるが、自動運転車両に乗っているユーザや同乗者に異常が発生したとしても、医療機関等に行き先を変更できない場合が想定され、適切かつ迅速な処置を行うことが難しい場合があり得る。
【0008】
そこで、本開示では、ユーザが装着する測定装置から取得した測定データに基づき生成された異常発生信号に基づき、自動運転車両を制御する情報処理システム、情報処理方法及びプログラムについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様における情報処理システムは、ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理システムであって、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるデータ管理部と、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成する生体データ生成部と、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成する異常発生信号生成部と、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御する車両管理部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様における情報処理方法は、ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理方法であって、データ管理部により、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるステップと、生体データ生成部により、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成するステップと、異常発生信号生成部により、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成するステップと、車両管理部により、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御するステップと、を備える。
【0011】
また、本開示の一態様におけるプログラムは、ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理方法をコンピュータにおいて実行する情報処理プログラムであって、前記情報処理方法は、データ管理部により、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるステップと、生体データ生成部により、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成するステップと、異常発生信号生成部により、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成するステップと、車両管理部により、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザが装着する測定装置からの測定データに基づき、特にユーザの生体情報の変化を検知可能であるため、ユーザの生体情報の急激な変化などの異常が発生した場合には、外部に報知したり、病院に搬送したりと、迅速な対処が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態に係る情報処理システムを示すブロック構成図である。
図2】本開示の一実施形態に係る情報処理システムを示す他のブロック構成図である。
図3図1または図2の管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。
図4図3の記憶部120および制御部130の機能を例示したブロック図である。
図5図4の測定データに関連付けされるタグ情報の例を示す模式図である。
図6図1または図2の測定装置300で測定される心電波形及び脈波形の例について説明するための図である。
図7図1または図2の情報処理システム1の処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明の実施の形態によるシステムは、以下のような構成を備える。
【0015】
[項目1]
ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理システムであって、
前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるデータ管理部と、
前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成する生体データ生成部と、
前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成する異常発生信号生成部と、
前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御する車両管理部と、を備える、
ことを特徴とする情報処理システム。
[項目2]
前記測定データは、前記ユーザの心電、脈波、温度、加速度、角速度のうち少なくとも一つを含むデータである、
ことを特徴とする項目1に記載の情報処理システム。
[項目3]
前記生体データは、前記ユーザの血圧情報、心拍情報、血中酸素量情報、心電情報、呼吸数、体温情報、歩数情報、歩行速度情報、歩幅情報、重心の位置情報、姿勢情報、行動種別情報、ストレス情報、運動量情報、運動負荷情報、移動距離情報、活動量情報のうち少なくとも一つを含むデータである、
ことを特徴とする項目1または項目2のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目4]
前記異常発生信号生成部は、血圧情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする項目1ないし項目3のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目5]
前記異常発生信号生成部は、心拍情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする項目1ないし項目4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目6]
前記異常発生信号生成部は、温度情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする項目1ないし項目5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目7]
前記異常発生信号生成部は、前記測定装置を装着した部位の動作情報に関して異常を検出した場合に、前記異常発生信号を生成する、
ことを特徴とする項目1ないし項目6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目8]
前記車両管理部は、前記異常発生信号に基づき、医療機関へ前記自動運転車両を運行させる、
ことを特徴とする項目1ないし項目7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目9]
前記車両管理部は、前記異常発生信号及び前記ユーザの位置情報に基づき、前記ユーザの位置へ前記自動運転車両を運行させる、
ことを特徴とする項目1ないし項目7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目10]
前記車両管理部は、前記異常発生信号及び医療従事者の位置情報に基づき、前記医療従事者の位置へ前記自動運転車両を運行させる、
ことを特徴とする項目1ないし項目7のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目11]
前記情報処理システムは、
さらに、少なくとも前記異常発生信号生成部を有する管理サーバを備え、
前記管理サーバは、前記異常発生信号の生成に基づき、前記ユーザに関連する連絡先へ異常の発生を通知する、
ことを特徴とする項目1ないし項目10のいずれか1項に記載の情報処理システム。
[項目12]
ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理方法であって、
データ管理部により、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるステップと、
生体データ生成部により、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成するステップと、
異常発生信号生成部により、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成するステップと、
車両管理部により、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御するステップと、を備える、
ことを特徴とする情報処理方法。
[項目13]
ネットワークを介してユーザが装着する測定装置から測定データを受信し、前記測定データから生体データ及び異常発生信号の生成を行う情報処理方法をコンピュータにおいて実行する情報処理プログラムであって、
前記情報処理方法は、
データ管理部により、前記ユーザに関するユーザ情報に関連付けて前記測定データおよび前記生体データを記憶させるステップと、
生体データ生成部により、前記測定データに対して所定の演算を実行し、前記生体データを生成するステップと、
異常発生信号生成部により、前記生体データに基づき、前記ユーザの異常発生を示すための異常発生信号を生成するステップと、
車両管理部により、前記異常発生信号に基づいて、自動運転車両を制御するステップと、
を実行する、
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【0016】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。また、各実施形態で示される特徴は、互いに矛盾しない限り他の実施形態にも適用可能である。
【0017】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本開示の実施形態1に係る情報処理システム1を示すブロック構成図である。この情報処理システム1は、例えば、ネットワークNWを介して測定装置300からユーザの測定データを管理サーバ100にて受信し、当該測定データに対して所定の演算を行うことで生体データを生成し、当該生体データに基づき異常発生信号を生成し、当該異常発生信号により自動運転車両400を制御する情報処理システムである。
【0018】
情報処理システム1は、管理サーバ100と、ユーザ端末装置200と、測定装置300と、自動運転車両400と、ネットワークNWと、を有している。管理サーバ100と、ユーザ端末装置200と、自動運転車両400とは、ネットワークNWを介して接続される。ネットワークNWは、インターネット、イントラネット、ブロックチェーンネットワーク、無線LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等により構成される。
【0019】
管理サーバ100は、例えば、ネットワークを介して測定装置300からユーザの測定データを、ユーザ端末装置200を経由して受信して測定データから生体データへ演算を行う装置であり、例えば各種Webサービスを提供するサーバ装置により構成されている。
【0020】
ユーザ端末装置200は、ユーザが所持する、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、携帯電話、PHS、PDA等の情報処理装置であり、例えば、管理サーバ100で演算を行った生体データを波形グラフ等により表示させるなどに利用される。ユーザ端末装置200には、予めユーザの識別番号、生年月日、性別、身長、体重等のユーザ情報が登録されており、生年月日から算出した年齢等も含めたユーザ情報を測定データに関連付けてネットワークNWを介して管理サーバ100へ送信する。
【0021】
測定装置300は、ユーザの生体データを測定する装置であり、ユーザの手首や腕等の身体に装着して利用される、例えばウェアラブル装置である。この測定装置300は、例えばユーザの心電、脈波、温度(体温)、加速度、角速度のデータを測定するための複数種類の装置である。
【0022】
測定装置300の具体的な構成の例としては、2つの電極を皮膚に接触させ、検出電位の差の時間変化より心電を心電波形のデータとして取得する装置で構成しても良く、心電波形は、ガルバニック皮膚反応により取得されたデータでも良い。また、緑、赤、赤外の発光を行うLEDから各光を皮膚に照射し、フォトダイオードで受光した光の強度の時間変化により、ユーザの心臓の心拍により生ずる血管の容積変化により脈波を脈波形のデータとして取得する装置で構成しても良く、この方式で検出を行うことができる脈波形は光電式容積脈波形である。また、ユーザの皮膚に接触させる温度センサによりユーザの皮膚温度をデータとして取得する装置で構成しても良い。また、直交するXYZ軸それぞれの変異状態を検出する3軸加速度センサにより構成しても良く、ユーザの動作を加速度データとして取得し、例えば測定装置300がユーザの手首や腕等に装着されている場合、測定装置300は、手首や腕等の振りと、全身の動きが合成された加速度として加速度データの取得をする。さらに、直行するXYZ軸それぞれにおける回転角速度を検出するジャイロセンサ(角速度センサ)により構成しても良く、ユーザの動作を角速度データとして取得し、例えば測定装置300がユーザの手首や腕等に装着されている場合、測定装置300は、手首や腕等の回転と、全身の動きが合成された角速度として角速度データの取得をする。
【0023】
ユーザ端末装置200と測定装置300との間は、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信(Near Field radio Communication=NFC)、Afero(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Z-Wave(登録商標)、又は無線LAN等を用いて接続されている。なお、このような無線接続の代わりに有線で接続を行ってもよい。また、ユーザ端末装置200と測定装置300とは一体の機器であってもよく、例えば測定装置300にSIMを搭載するなどして通信機能を持たせて管理サーバ100と直接通信可能に構成してもよい。
【0024】
ユーザ端末装置200は、1または複数台あり、測定装置300を利用するユーザ数分ネットワークNWに接続されている。測定装置300は、1または複数台あり、1人のユーザが利用する台数分のユーザ端末装置200に接続されている。1人のユーザが複数の測定装置300を利用している場合は、1つのユーザ端末装置200に複数の測定装置300が接続されている。
【0025】
自動運転車両400は、既知の構成であってよく、例えば、管理サーバ100によって管理されてもよいが、図2に例示されるように、自動運転車両400を管理する車両管理サーバ500を独立して備え、管理サーバ100とネットワークNWを介して連携するような構成であると管理主体を分けることが可能であり望ましい。自動運転車両400の制御についても既知の方法であってよく、例えば、車両管理部520を備え、サーバにおいて自動運転車両400が有するGPS情報を取得することにより各車両の位置情報を認識するとともに、サーバから指示している経路情報を管理する。また、当該車両管理部520の機能の一部または全部は、図1または図2に示される管理サーバ100において設けられていてもよい。
【0026】
一方、自動運転車両400においては、地図情報及び位置情報、行き先までの経路に関する情報などに応じた既知の運転制御が行われ、さらに自動運転車両400が有するカメラ等のセンサに基づいて自らの周辺状況に応じた運転制御が行われる。
【0027】
自動運転車両400は、上述のとおり既知の構成であってよく、図示しない制御部や記憶部を有して運転制御される。また、自動運転車両400は、例えばAEDや医薬品、注射薬などの医療機器または包帯などの応急処置品、医療機関への直通の電話などが格納された格納部420を備えてもよい。格納部420は、例えば電子錠を有する扉が設けられており、管理サーバ100やユーザ端末装置200、測定装置300、自動運転車両400、車両管理サーバ500などからの異常発生信号、または、異常発生信号に基づく指示信号により解錠し、格納された物を利用できるようにしてもよい。
【0028】
<管理サーバ100>
図3は、管理サーバ100のハードウェア構成を示す図である。図4は、記憶部120および制御部130の機能を例示したブロック図である。なお、図示された構成は一例であり、これ以外の構成を有していてもよい。
【0029】
管理サーバ100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130と、入出力部140とを備える。これらの機能部は、管理サーバ100用の所定のプログラムを実行することにより実現される。
【0030】
通信部110は、ユーザ端末装置200と通信を行うための通信インタフェースであり、例えばTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信規約により通信が行われる。
【0031】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラム、入力データ等を記憶するものであり、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等から構成される。また、図4に示されるように、記憶部120は、測定装置300による測定データをユーザ情報と関連付けて記憶する測定データDB121と、測定データから演算されて生成される生体データをユーザ情報と関連付けて記憶する生体データDB122と、ユーザ識別番号を含むユーザ情報を記憶するユーザ情報DB123と、を記憶する。また、ユーザ情報は、データ管理部131により生成されたアカウント情報を含み、ユーザ情報DB123は、アカウント情報が他のユーザ情報と関連付けられて記憶するようにしてもよい。さらに、記憶部120は、ユーザ端末装置200と通信を行ったデータを一時的に記憶する。なお、DBのデータ構造は、これに限られるものではなく、上述のDBの一部をユーザ端末装置200または測定装置300に記憶するようにしてもよい。
【0032】
制御部130は、管理サーバ100の全体の動作を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)等から構成される。また、図4に示されるように、制御部130は、データ管理部131、生体データ生成部132、異常発生信号生成部133、データ出力部134といった機能部を含む。
【0033】
データ管理部131は、測定装置300を利用するユーザごとに、アカウント情報を生成する。このアカウント情報生成は、測定装置300を利用するユーザがユーザ端末装置200でアカウント情報を登録すると行われる。そのため、データ管理部131は、ユーザのユーザ端末装置200に対してアカウントごとに記憶部120内の各種DBへのアクセスの可否の制御を行う。データ管理部131は、測定データや生体データ、ユーザ支援データ等の各種データを対応するDBにユーザ情報に関連付けて記憶する。また、このとき、データ管理部131は、測定データに所定のタグ情報の関連付けを行って記憶させることが可能である。
【0034】
図5は、図4の測定データに関連付けされるタグ情報の例を示す模式図である。図5に示すデータD1は、測定装置300の測定データである。タグT1は、データD1に関連付けされたタグ情報であり、例えば、測定装置300がデータD1を測定した時刻情報、またはデータD1が測定装置300からユーザ端末装置200へ送信された時刻情報が時系列データとして記憶される。もしくは、測定した時刻情報と送信された時刻情報との両方について関連付けを行っても良い。例えば、図5に示すタグT1の1行目では、「20180620120746144」が格納されているが、2018年06月20日12時07分46秒144ミリ秒を示している。このような時刻情報は通信ログより取得可能である。これにより、測定データがどの時間帯のものか把握することが可能である。
【0035】
なお、このようなタグ情報による測定データの関連付けは、時刻情報に限られず、ユーザの身体状態や活動状態を示す身体情報や活動情報を自由記載で記入させてタグ情報として記憶しても良く、所定の選択肢から選択させ(例えば、「現在の体調は如何ですか?」という質問に対して、「1:良い、2:普通、3:悪い」のいずれかを選択させる、等)、その選択した回答を記憶するようにしても良い。これにより、制御部150にて生体データを生成する際に、当該タグ情報と生体データとを対応付けすることで、より精度の高い生体データを生成可能となり得る。
【0036】
また、例えばデータ管理部131は、図5に示すように、データD1をタグT1の時刻順に並べ替え(ソート)を行うことが可能である。このような構成にしたのは、測定データはユーザの生体データに基づいて時系列に取得したものであるから時系列に並んでいる方が処理しやすいからであるが、ユーザ端末装置200及び通信部110を経由して受信する際に通信状況の変化等により受信データの逆転(後で送信された送信データが先に送信された送信データより先に受信されること)等が起こる場合があり、そのときの測定データの不整合を防止するためである。これにより、測定データの不整合を防止することが可能である。
【0037】
生体データ生成部132は、測定データDB121に記憶された測定データに対して所定の演算を行い、生体データを生成する。この生体データは、測定データから算出可能なものであればどのような情報であってもよく、例えばユーザの血圧情報、心拍情報、血中酸素量情報、最大酸素摂取量情報、心電情報、呼吸数、体温情報、歩数情報、歩幅情報、重心の位置情報、姿勢情報、行動種別情報、ストレス情報、運動量情報、運動負荷情報、移動距離情報、移動速度情報、活動量情報、手または脚等の装着部位の動作情報などのデータであり、既知の手法により測定データから算出されるものである。演算により生成された生体データは、生体データDB122に記憶される。
【0038】
ここで、測定データから生体データである最大血圧と最小血圧を算出する方法を例示する。図6は、図1の測定装置300で測定される心電波形及び脈波の例について説明するための図であり、測定装置300が測定し、記憶部120に記憶されたユーザの心電波形及び光電式容積脈波形と、アプリが光電式容積脈波形を時間で1階微分した速度脈波形及び、光電式容積脈波形を時間で2階微分した加速度脈波形を示している。図6は上から順に、心電波形、光電式容積脈波形、速度脈波形及び加速度脈波形となる。縦軸は、各波形の強度を示しており、心電波形及び光電式容積脈波形は電位を示すmVで表される。横軸は時間経過を示し、左から右へ時間経過を示している。
【0039】
心電波形は、人の心臓の拍動を引き起こす電気的信号の周期的変化を示す波形である。心電波形は、その形状の変曲点にそれぞれP波,Q波,R波,S波,T波の名称が割り当てられ、心拍の1サイクルを示している。P波は心房収縮を表し、Q波R波S波は心室収縮の状態を表し、T波は心室拡張の開始を表す。
【0040】
光電式容積脈波形は、人の心臓の拍動に伴う末梢血管系内の血圧・体積の変化を示す波形である。光電式容積脈波形は、その形状の変曲点にそれぞれA波、P波、V波、D波の名称が割り当てられ、心拍の1サイクルを示している。A波を動脈脈波が生じた時点の基準点として、P波が左心室駆出によって生じるPercussion波(衝撃波)、V波が大動脈弁の閉鎖時に生じるValley波(重複隆起による波)、D波が反射振動波であるDicrotic波(重複波)を示している。
【0041】
速度脈波形は、光電式容積脈波形を時間で1階微分をしたものである。加速度脈波形は、速度脈波形を時間で1階微分したもの、すなわち光電式容積脈波形を2階微分したものである。加速度脈波形は、図6で示すように、その波形の各ピークにa波(収縮初期陽性波)、b波(収縮初期陰性波)、c波(収縮中期再上昇波)、d波(収縮後期再下降波)、e波(拡張初期陽性波)、f波(拡張初期陰性波)の名称が割り当てられている。
【0042】
b波の強度とa波の強度の比、及びf波の強度とe波の強度の比はそれぞれ血管の伸縮性すなわち弾性を示すパラメータである。主な血管の成分は、血管内皮(Endothelium)、弾性線維(Elastin)、タンパク質(Collagen)、平滑筋(Smooth Muscle)である。これらの成分は、それぞれ異なった性質があり、最大血圧、最小血圧時の血管の弾性はそれぞれCollagen、Elastinが強い影響力を担っている。そのため、血圧値によって異なる弾性をb波の強度とa波の強度の比である(b/a),f波の強度とe波の強度の比である(f/e)のパラメータで示すことができ、年齢・性別・環境変数の影響によってもこれらの値は変動する。そのため、(b/a),(f/e)の値は、加速度脈波形の特性情報として算出することができる。
【0043】
図6で示すように、R波の生じた時間TrとP波の生じた時間Tpの差分の時間が心室収縮期脈波伝搬時間PTT_SYSとなる。T波の生じた時間TtとD波の生じた時間Tdの差分の時間が心室拡張期脈波伝搬時間PTT_DIAとなる。すなわち、心電波形のR波の時間Tr及びT波の時間Ttと、光電式容積脈波形のT波の時間TpとD波の時間Tdから、心室収縮期脈波伝搬時間PTT_SYS及び心室拡張期脈波伝搬時間PTT_DIAを算出することができる。
【0044】
また、脈波伝播速度と動脈壁の縦弾性係数との関係が所定の式で示される相関関係にあることが知られており、縦弾性係数と血圧値との関係も所定の式で示される相関関係にあることが知られている。そのため、最大血圧を心室収縮期脈波伝搬時間PTT_SYSの所定の式で求めることが可能であり、最小血圧を心室拡張期脈波伝搬時間PTT_DIAの所定の式で求めることが可能である。これにより、最大血圧と最小血圧を算出することが可能である。
【0045】
また、測定データから生体データである心拍情報、特に安静時心拍数を算出する方法を例示すると、例えば安静時にユーザが装着している測定装置300により測定される心電波形データ(例えば、図6の心電波形データ等)におけるQRS波の間隔などから、心拍情報を得ることができる。
【0046】
また、測定データから生体データである温度情報を算出する方法を例示すると、例えばユーザが装着している測定装置300の温度センサにより測定されるユーザの皮膚温度データを温度情報として得ることができる。
【0047】
また、測定データから生体データであるユーザの手等の装着部位の動作情報を算出する方法を例示すると、例えばユーザが装着している測定装置300により測定される加速度データおよび角速度データから、測定装置300を装着している部位(例えば、手首や足首など)がどれくらいの速度でどのような角度で動いているのかという動作情報を得ることができる。
【0048】
異常発生信号生成部133は、上述の血圧情報や、心拍情報、温度情報、装着部位の動作情報などの生体データに基づく異常発生信号を生成する。より具体的には、生体データ生成部132により所定の間隔で常時算出される生体データを生体データDB122に記憶し、異常発生信号生成部133が当該生体データDB122に記憶された過去の生体データと現在の生体データを比較し(例えば、数分前のデータとの比較や、過去の所定期間の平均値との比較、安静時との比較など)、所定の閾値以上の差異があった場合には異常発生信号を生成する。これにより、血圧情報や心拍情報、温度情報等の生体データでは例えば体調が著しく悪化した場合などに異常発生を確認することが可能となり、装着部位の動作情報等の生体データでは例えば意識を失って倒れた場合などに異常発生を確認することが可能となる。さらに、装着部位の動作情報に基づく異常発生信号の生成は、これに限らず、例えば、比較結果が所定の閾値以上の差異があった後、その後の動作情報からユーザが動作していない状態が所定期間続いていることを判定した場合に異常発生信号を生成するようにしてもよい。また、複数の生体データにおいて異常が発生している(例えば、比較結果が所定の閾値以上の差異がある生体データが複数あるなど)と判定した場合に異常発生信号を生成するなどしてもよい。
【0049】
生成された異常発生信号は、例えば管理サーバ100のデータ出力部134から直接的に、または、ユーザ端末装置200若しくは測定装置300を介して間接的に、医療機関または近親者などユーザ情報に紐づけられた連絡先へ異常を示す通知(例えば、PCまたはスマートフォンなどのデバイスに記憶された所定のアプリケーションを介した通知やメールアドレスを利用した通知など)を発信するように制御してもよいし、ユーザ端末装置200において上記連絡先との通話を開始するようにしてもよい。この時に、ユーザの過去の生体データや現在の生体データの状況、現在位置情報も通知に併せて発信するようにしてもよいし、連絡先のデバイスに対してユーザの生体データを閲覧する権限を付与してもよい。これにより、ユーザ自らが異常発生状況を知らせることが難しい場合であっても、自動的に異常発生を知らせることが可能となる。加えて、特に医療機関に適切な情報が共有されるので、医療機関がユーザの処置にあたる際などには直ちに対処可能となる。
【0050】
また、生成された異常発生信号は、例えば管理サーバ100内で、または、管理サーバ100から直接的に、若しくは、ユーザ端末装置200や測定装置300を介して間接的に、車両管理部520にて異常発生信号または異常発生信号に基づく指示信号が認識され、当該車両管理部520によりユーザが乗車する自動運転車両400の行き先を医療機関等に変更してもよい。より具体的には、自動運転車両400の行き先を、自動運転車両400の位置情報に基づき、例えば、管理サーバ100や車両管理サーバ500に登録された地図情報や事前の医療機関の登録情報などを検索するなどして近隣の医療機関に設定したり、例えば、ユーザ情報に関連付けられてユーザ情報DB123に登録されたかかりつけの医療機関へと設定するようにしてもよい。また、上述の医療機関等への通知を連動させ、当該行き先変更により選択された医療機関へ通知するようにしてもよい。
【0051】
また、生成された異常発生信号は、例えば管理サーバ100内で、または、管理サーバ100から直接的に、若しくは、ユーザ端末装置200や測定装置300を介して間接的に、車両管理部520にて異常発生信号または異常発生信号に基づく指示信号が認識されることに加えて、例えば管理サーバ100内に事前に登録された医療従事者の位置情報(例えば、任意の住所情報や所定周期で医療従事者端末(不図示)から取得した位置情報など)も併せて車両管理部520にて認識し、上述のとおり医療機関へと移動するために移動経路を再設定する際に、上記医療従事者の位置情報の地点、または、当該位置情報の地点と自動運転車両400の現在地とから導かれる任意の地点(例えば、お互いの移動速度を考慮して最短で医療従事者が自動運転車両400に乗車可能な地点など)を中継地点として含めてもよい。これにより、医療機関に到着する前に、より適切な応急処置が可能となる。
【0052】
また、生成された異常発生信号は、例えば管理サーバ100のデータ出力部134から直接的に、または、ユーザ端末装置200や測定装置300、車両管理サーバ500を介して間接的に、自動運転車両400に送信され、例えばAEDや医薬品、注射薬などが格納された格納部420が解錠されて利用可能とされてもよい。これにより、例えば同乗者が乗り合わせていた場合においても、応急処置等をスムーズに行うことが可能である。
【0053】
また、生成された異常発生信号は、例えば管理サーバ100のデータ出力部134から直接的に、または、ユーザ端末装置200や測定装置300、車両管理サーバ500を介して間接的に、自動運転車両400に送信され、例えば座席の背もたれが自動的に倒れるなどして簡易ベッドのように構成されてもよいし、自動的に窓を開いたり、車外に設けられたランプが自動的に点灯したり、クラクションや車外に設けられたサイレンが自動的に作動するなど、自動運転車両に搭載された設備が異常発生に関連して自動的に適切な動作をするようにしてもよい。
【0054】
データ出力部134は、上述のように、生体データや異常発生信号、各種通知などをユーザ端末装置200等の各デバイスや車両管理サーバ500へ出力する。ユーザ端末装置200等においては、出力データを例えば専用のアプリケーションを介して画面に表示するなどしてユーザが容易に確認可能としてもよい。
【0055】
入出力部140は、キーボード・マウス類等の情報入力機器、及びディスプレイ等の出力機器である。
【0056】
<処理の流れ>
図7を参照しながら、情報処理システム1が実行する情報処理方法の処理の流れについて説明する。図7は、図1の情報処理システム1の処理の例を示すフローチャートである。
【0057】
ステップS101の処理として、データ管理部131では、測定装置300を利用するユーザごとにアカウント情報が生成され、ユーザ端末装置200等から所定のユーザ情報を取得する。登録されたユーザ情報は、データ管理部131により、ユーザ情報DB123に記憶される。ステップS101の処理は、ユーザが測定装置300を利用するための前処理として行われてもよいし、ユーザが測定装置300を初めて利用する際に行われてもよい。
【0058】
ステップS102の処理として、ユーザが測定装置300を利用すると、測定データが測定装置300からユーザ端末装置200を介して管理サーバ100へ送信され、通信部110を介して受信される。データ管理部131により、記憶部120の測定データDB121内においてユーザ情報に関連付けられて測定データが記憶される。
【0059】
ステップS103の処理として、生体データ生成部132により測定データが読み取られ、所定の演算等により生体データの生成が行われる。生成された生体データは、データ管理部131により、生体データDB122に記憶される。
【0060】
ステップS104の処理として、異常発生信号生成部133により生体データが読み取られ、過去の生体データと現在の生体データとの比較を所定周期で行い、異常発生信号を生成するか否かを判断する。例えば、所定の閾値以上の差異がない場合には、ステップS102へ戻り、所定の閾値以上の差異がある場合には、次のステップ105へ進む。
【0061】
ステップS105の処理として、データ出力部134により生体データ、異常発生信号、通知のうち少なくともいずれか1つが、ユーザ端末装置200や車両管理部520、自動運転車両400へ出力される。
【0062】
(実施形態2)
上述の実施形態1においては、ユーザが自動運転車両400に乗車中を想定した情報処理システムであるが、ユーザが自動運転車両400外にいる場合においても有用である。すなわち、上述の異常発生信号が生成された際に、ユーザ端末装置200または測定装置300に備えられたGPS等によりユーザの位置情報を取得し、当該位置情報と異常発生信号とを併せて車両管理部520により認識することで、異常が発生したユーザがいる場所に自動運転車両400を向かわせることができる。
【0063】
そして、例えば、周囲の人々が自動運転車両400を利用してユーザを医療機関へ搬送したり、自動運転車両400に備えられた格納部420から必要な機器等を持ち出して利用することで、ユーザの異常に対して迅速に対応が可能である。
【0064】
<効果>
以上のように、本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザが装着する測定装置からの測定データに基づき、特にユーザの生体情報の変化を検知可能であるため、ユーザの生体情報の急激な変化などの異常が発生した場合には、自動運転車両の外部に報知したり、自動運転車両により病院に搬送したり、自動運転車両を向かわせたりと、迅速な対処が可能となる。
【0065】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1 情報処理システム
100 管理サーバ
200 ユーザ端末装置
300 測定装置
400 自動運転車両
500 車両管理サーバ
NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7