(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016267
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】磁力吸着式組み立て構造
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20220114BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20220114BHJP
【FI】
E04H1/12 Z
E04B2/74 561H
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021004345
(22)【出願日】2021-01-14
(31)【優先権主張番号】109123025
(32)【優先日】2020-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】512052731
【氏名又は名称】郭義卿
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】郭 義卿
(57)【要約】 (修正有)
【課題】外部に露出された組み立て部材を必要とせず、複数の本体を直接接触させ、箱体、間仕切り構造など各種立体構造に組み立てることができ、かつ結合箇所に突出物がなく、構造が簡単であり、容易かつ迅速に組み立て・分解が可能な磁力吸着式組み立て構造の提供。
【解決手段】磁力吸着式組み立て構造は、本体1を含み、本体の側縁に少なくとも1つの組み付け面10があり、本体の側縁内部、組み付け面の一側に少なくとも1つの活動空間20が設置され、活動空間内に磁石が設置され、かつ活動空間の大きさが少なくとも磁石を組み付け面の方向に移動、または一定角度回動させることができ、使用時は、本体の組み付け面を別の本体に向け、磁石が相互に対応する外側表面を相互に接触させ、2つの活動空間内の磁石が異極の相互吸着作用により自動的に移動または回動し、相互に磁力で吸着し、2つの本体の接触面を相互の磁力吸着により結合させ緊密に固定できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体を含み、該本体の側縁に少なくとも1つの組み付け面が定義され、該本体の側縁内部、該組み付け面の一側に少なくとも1つの活動空間が設置され、該活動空間内に磁石が設置され、かつ該活動空間の大きさが少なくとも該磁石を該組み付け面の方向に移動させる、または一定角度回動させることができる、ことを特徴とする、磁力吸着式組み立て構造。
【請求項2】
前記本体の側縁に枠体が形成され、該枠体の上下にそれぞれパネルが設置されて板体の形状が構成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【請求項3】
前記本体の側縁内部に仕切り板による仕切りを設置することで該活動空間が形成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【請求項4】
前記磁石が、強力な磁石から選択される、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【請求項5】
前記磁石が正方体の形状である、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【請求項6】
前記本体の側縁内部に仕切り板を設置することで通路を形成し、該通路内に大きさの異なる複数のブロック体を設置して該活動空間が形成される、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【請求項7】
前記磁石が直方体の形状である、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【請求項8】
前記磁石が正四角柱の形状である、ことを特徴とする、請求項1に記載の磁力吸着式組み立て構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は組み立て構造に関し、特に、別途外部に露出された組み立て部材を必要とせず、直接接触させて各種立体構造に組み立てることができ、かつ結合箇所に突出物がない、磁力吸着式組み立て構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現有のよく見受けられるシステムブースの構成部材には、通常、アルミポール、横方向ビーム、パネルが含まれ、つまり、「八角形ポール」(縦方向の支柱)に「横方向ビーム」を連結した金属構造にパネルを挿入した組み立て式システムであり、このようなシステムブースは世界各国でこの半世紀に現在最も環境にやさしく、最も実用的な見本市展示ブースの構築システムと公認されるようになっている。
【0003】
しかし、近年デジタル大判出力設備の進歩と市場競争のニーズにより、出展企業も比較的単純な小間用パネルを使用するだけでは満足しなくなり、続々と大判のポスターを大量に採用して自社ブースを装飾することが多くなっている。このため、システムブースがポスターを固定するフレームと化し、単なる小間構造、仕切り機能ではなくなっている。
【0004】
しかしながら、このようなシステムブースが大判ポスターの貼付に用いられるとき、横方向の距離1メートル毎に必ず1本の縦方向の「八角形ポール」を用いてパネルを挿入する必要があり、大判のポスターが1メートル毎にこの「八角形ポール」(縦方向の支柱)によって分割され、全体の美観が破壊されてしまうという、致命的な問題がある。
【0005】
このため、近年では、会場設計士とブース設営業者はいずれも背面に接着剤を塗布した大判出力表装板をスチレンボードや合成板に組み合わせたKTボード、フォームコアボード等を採用するようになっているが、これらの材料は基本的に発泡パネルを加工したもので、リサイクルすることができず、環境保護性能がなく、また防火性・難燃性もないため、見本市に隠れた重大リスクをもたらす。
【0006】
また、上述のシステムブースは主要な構成部材と関連付属品が比較的多く、各部材の形状、寸法が異なり、部材が複雑であるため、コストが高く、また使用者が組み立て、分解を行うときに迅速に行うことができず、展示フレームを使用しないときに取り外して収納、運搬する際も理想的な状態にあるとは言えない。
【0007】
このため、現有のよくあるシステムブースの構造はまだ理想に到達しておらず、改善の必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、別途外部に露出された組み立て部材を必要とせず、直接接触させて各種立体構造に組み立てることができ、かつ結合箇所に突出物がない、磁力吸着式組み立て構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下この考案について説明する。請求項1に記載する本発明の磁力吸着式組み立て構造は本体を含み、該本体の側縁に少なくとも1つの組み付け面が定義され、該本体の側縁内部、該組み付け面の一側に少なくとも1つの活動空間が設置され、該活動空間内に磁石が設置され、かつ該活動空間の大きさが少なくとも該磁石を該組み付け面の方向に移動させる、または一定角度回動させることができる。
【0010】
請求項2に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における本体の側縁に枠体が形成され、該枠体の上下にそれぞれパネルが設置されて板体の形状が構成される。
【0011】
請求項3に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における本体の側縁内部に仕切り板による仕切りを設置することで該活動空間が形成される。
【0012】
請求項4に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における磁石が、強力な磁石から選択される。
【0013】
請求項5に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における磁石が正方体の形状である。
【0014】
請求項6に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における本体の側縁内部に仕切り板を設置することで通路を形成し、該通路内に大きさの異なる複数のブロック体を設置して該活動空間が形成される。
【0015】
請求項7に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における磁石が直方体の形状である。
【0016】
請求項8に記載する磁力吸着式組み立て構造は、請求項1における磁石が正四角柱の形状である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の使用時は、本体の組み付け面を別の本体に向け、磁石が相互に対応する外側表面を相互に接触させ、2つの活動空間内の磁石が、異極の相互吸着作用により自動的に移動または回動し、相互に磁力で吸着して、2つの本体の接触面を相互の磁力吸着により結合し、かつ緊密に固定することができ、別途外部に露出された組み立て部材を必要とせずに、複数の本体を直接接触させて、箱体、間仕切り構造など各種立体構造に組み立てることができ、かつ結合箇所に突出物がない。
【0018】
本発明は美觀と環境保護性能を備え、構成部材が少なく、構造が簡単であるためコストを抑えることができ、容易かつ迅速に組み立て・分解が可能で、収納や運搬等に便利であるという特徴を備えている。
【0019】
以下で、具体的な実施例を挙げ、かつ図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図16】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図17】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図18】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図19】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図20】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図21】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図22】本発明の別の構造の使用時の実施例図である。
【
図23】本発明のさらに別の構造の立体分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1から
図3に示すように、本発明は本体1を含み、該本体1の側縁に少なくとも1つの組み付け面10が定義され、該本体1の側縁内部、該組み付け面10の一側に少なくとも1つの活動空間20が設置され、該活動空間20内に磁石30が設置され、かつ該活動空間20の大きさが少なくとも該磁石30を該組み付け面10の方向に移動させる、または一定角度回動させることができる。
【0022】
一実施例において、該本体1の側縁に枠体が形成され、該枠体の上下にそれぞれパネル40が設置されて板体の形状が構成される。
【0023】
一実施例において、該本体1の側縁内部に仕切り板50による仕切りを設置することで該活動空間20が形成される。
【0024】
一実施例において、該磁石30は強力な磁石から選択される。
【0025】
一実施例において、該磁石30は正方体の形状である。
【0026】
以上のように本発明の各部構成部材及びその構成方法を説明してきたが、続いて以下で本発明の使用実施例、特徴、効果を説明する。
【0027】
図4、
図5に示すように、使用時は、本体1の組み付け面10を別の本体1に向け、磁石30が相互に対応する外側表面10、40を相互に接触させる。
【0028】
図6、
図7に示すように、2つの活動空間20内の磁石30が、異極の相互吸着作用により自動的に移動または回動し、相互に磁力で吸着して、2つの本体1の接触面を相互の磁力吸着により結合し、かつ緊密に固定することができ、別途外部に露出された組み立て部材を必要とせずに、複数の本体1を直接接触させて、箱体、間仕切り構造など各種立体構造に組み立てることができ、かつ結合箇所に突出物がない。
【0029】
本発明は美觀と環境保護性能を備え、構成部材が少なく、構造が簡単であるためコストを抑えることができ、容易かつ迅速に組み立て・分解が可能で、収納や運搬等に便利であるという特徴を備えている。
【0030】
図8から
図11に示すように、本発明の本体1は各種大きさの異なる板体形状としてもよく、箱体を構成でき、かつ本体1の数量を増減することで箱体の大きさを変えることができる。
【0031】
図12から
図15に示すように、一実施例において、該本体1の側縁内部に仕切り板50を設置することで通路を形成し、該通路内に大きさの異なる複数のブロック体60、61を設置して該活動空間20が形成される。
【0032】
一実施例において、該磁石30は直方体の形状である。
【0033】
図16から
図22に示すように、上述の構造の実施例を用いた使用例では、同様に本体1の組み付け面10を別の本体1に向け、磁石30が相互に対応する外側表面を相互に接触させ、2つの活動空間20内の磁石30が、異極の相互吸着作用により自動的に移動または回動し、相互に磁力で吸着して、2つの本体1の組み付け面10を相互の磁力吸着により結合し、かつ緊密に固定することができ、複数の本体1を直接接触させて間仕切り構造を構成することができる。
【0034】
図23に示すように、一実施例において、該磁石30は正四角柱の形状である。
【符号の説明】
【0035】
1 本体
10 組み付け面
20 活動空間
30 磁石
40 パネル
50 仕切り板
60、61 ブロック体