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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162701
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】リュックサック
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A45F3/04 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067659
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】309012007
【氏名又は名称】池田 真実
(72)【発明者】
【氏名】池田 光明
(72)【発明者】
【氏名】池田 真実
【テーマコード(参考)】
2E181
【Fターム(参考)】
2E181BA01
2E181BA03
2E181BB02
2E181BD02
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来のリュックサックは、腰ベルトは収納部外部に設置されていたため、使用者と収納部内の荷物、特に重量荷物との密着が十分でないため、運動時の荷物の揺れを完全に抑えることができず、肩や足腰に振動負荷が掛かるものであった。
【解決手段】袋体の内収納部10aと使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰ベルト21と内収納部10aを取り出し可能に設けた開閉部を有する外収納部10bと左右一対以上の上肩ベルト22aと左右一対以上の下肩ベルト22bとを備え、少なくとも1つ以上のベルトが外収納部外に取り出せるように設けた複数の挿通孔31とを有する構造となって、ベルトを挿通孔に挿通させ、収納物を使用者の腰部に強く締付け固定できて、運動時の収納物の上下動を抑制可能とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被収納物を収納し、背負って運ぶリュックサックにおいて、
被収納部を収納する袋体の内収納部と、
前記内収納部の使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰ベルトと、
前記内収納部を包含する袋形状で内収納部を取り出し可能に設けた開閉部を有する外収納部と、
前記内収納部か、または前記外収納部の使用者の肩位置近傍に設けた左右一対以上の上肩ベルトと、
前記内収納部の前記腰ベルトより下か、または前記外収納部の下寄りに設けた左右一対以上の下肩ベルトと、
前記外収納部に前記内収納部を収納したとき、前記上肩ベルト、前記下肩ベルト及び前記腰ベルトのうち少なくとも1つ以上のベルトが外収納部外に取り出せるように設けた複数の挿通孔と
を有することを特徴とするリュックサック。
【請求項2】
前記外収納部を使用者の背中に対面する背当て部と背当て部以外の外周部に分割可能としたことを特徴とする請求項1記載のリュックサック。
【請求項3】
前記内収納部の内側に被収容物を固定可能な固定具を設置したことを特徴とする請求項1及び請求項2記載のリュックサック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、荷物等を背負って持ち運ぶリュックサックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、旅行や登山に限らず、通勤などでも使用されるリュックサックにおいては、使用者が背負った状態で、腰ベルトを使用者の腰周りに締め付け、リュックサックを使用者の腰部に密着させる構造が一部に採用されている。同構造は歩行や走行等の運動を行ったときの荷物の揺れを抑え、肩や足腰に加わる振動負荷を軽減するものである。また、一部のリュックサックにおいては、使用時の利便性のために、複数の収納部を組み合わせることができるものもある。
【0003】
例えば、特許文献1に開示されたリュックサックは、リュックサック本体、すなわち収納部全体を、伸縮自在の弾性体を介して腰ベルトにより使用者の腰周りに固定する構造を備えている。使用時においては、リュックサック本体に収容された物品等が腰ベルトにより上記弾性体と使用者の背中の間で挟持されるようになっている。
【0004】
また、特許文献2に開示されたリュックサックは、収納本体と、肩ベルトを備えた背当板との間を離間し、その間に、別の物品等を収容する袋状体を保持する構造を備えており、内容物によってそれらを別々に収納できるような、複数の収納部を組み合わせた構造になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-28027号公報
【特許文献2】特開2000-210122号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1のリュックサックにあっては、リュックサック全体を伸縮自在の弾性体を介して腰ベルトにより使用者の腰周りに固定する構造腰に固定してしまうものであり、昨今のようにパソコンや書籍・資料のような重量物をいれて、かつ、着替えのような軽くてクッション性のあるものを同時に収納した場合、ランニング時に重量物が収納部内で激しく上下動してしまい、非常に運動しづらいものになる。
【0007】
また、特許文献2のリュックサックにあっては、収納本体と、肩ベルトを備えた背当板との間を離間し、その間に、別の物品等を収容する袋状体を保持する構造を備え、複数の収納部を組み合わせた構造ではあるが、特に背当板が存在するため、運動への適応性を付したものではなく、使用者と重量物を収納する部分の密着性が十分でないため、やはりランニング時などに重量物が収納部内で激しく上下動してしまい、非常に運動しづらいものになる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のリュックサックは、被収納物を収納し、背負って運ぶリュックサックにおいて、被収納部を収納する袋体の内収納部と前記内収納部の使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰ベルトと前記内収納部を包含する袋形状で内収納部を取り出し可能に設けた開閉部を有する外収納部と前記内収納部か、または前記外収納部の使用者の肩位置近傍に設けた左右一対以上の上肩ベルトと前記内収納部の前記腰ベルトより下か、または前記外収納部の下寄りに設けた左右一対以上の下肩ベルトと前記外収納部に前記内収納部を収納したとき、前記上肩ベルト、前記下肩ベルト及び前記腰ベルトのうち少なくとも1つ以上のベルトが外収納部外に取り出せるように設けた複数の挿通孔とを有するようになっている。
【0009】
また、本発明のリュックサックは、前記外収納部を使用者の背中に対面する背当て部と背当て部以外の外周部に分割可能とするしたことを特徴とするようになっている。
【0010】
更に本発明のリュックサックは、前記内収納部の内側に被収容物を固定可能な固定具を設置するようになっている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の本発明のリュックサックは、被収納物を収納し、背負って運ぶリュックサックにおいて、被収納部を収納する袋体の内収納部と前記内収納部の使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰ベルトと前記内収納部を包含する袋形状で内収納部を取り出し可能に設けた開閉部を有する外収納部と前記内収納部か、または前記外収納部の使用者の肩位置近傍に設けた左右一対以上の上肩ベルトと前記内収納部の前記腰ベルトより下か、または前記外収納部の下寄りに設けた左右一対以上の下肩ベルトと前記外収納部に前記内収納部を収納したとき、前記上肩ベルト、前記下肩ベルト及び前記腰ベルトのうち少なくとも1つ以上のベルトが外収納部外に取り出せるように設けた複数の挿通孔とを有するような構造となっているので、内収納部に設けたベルトを外収納部の挿通孔を挿通させ使用者の腰部に固定することで、内収納部内の重量物を選択的に使用者の腰部とベルトの間に強く挟持できるため、歩行や走行時に重量物が上下動することを強く抑制することができる。また同時に、連結された外収納部に比較的軽量の嵩張るものを入れることができるので、重量物と嵩張る軽量物が混在した荷物を背負った状態で走行しても、重量物の上下動を抑制し、走行時の肩や足腰の負荷を軽減することができる。
【0012】
また、請求項2記載の本発明のリュックサックは請求項1記載のリュックサックにおいて外収納部を使用者の背中に対面する背当て部と背当て部以外の外周部に分割可能としているので、特に汗が染みこみやすい外収納部、とくに背当て部の選択的かつ部分的な洗濯を容易にすることができる。
【0013】
更に、請求項2記載の本発明の本発明のリュックサックは、背当て部のみを分離し洗濯することが可能になることで、背当て部に洗濯しやすい素材を、あまり汗がつかない外周部に見栄えはよいが洗濯しにくい素材、例えば、皮革などを使用し、運動時に使用可能でありながら高級感を出すデザインも可能となる。
【0014】
また、請求項3記載の本発明の本発明のリュックサックは、請求項1および2記載のリュックサックにおいて内収納部の内側に被収容物を固定可能な固定具を設置しているので、内収納部の内側に面ファスナー、ボタンあるいはマグネットなどの固定具を設置することで、内収納部の中で重量物が上下動することを強く抑制することができ、重量物の上下動をより強く抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部の組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、 図1(a)は外収納部、図1(b)は内収納部を示す。
図2】本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部を外収納部に組み立てのために近づけた状態の収納側からの斜視図である。
図3】本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部を外収納部に組みつけた状態の収納側からの斜視図である。
図4】本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部を組みつけ、外収納部の収納口を閉じた状態での外観の背当て側および収納側からの斜視図で、 図4(a)は背当て側から、図4(b)は収納側からの外観を示す。
図5】本発明の第二実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部の組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、 図5(a)は外収納部、図5(b)は内収納部を示す。
図6】本発明の第二実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部を組みつけ、外収納部の収納口を閉じた状態での外観の背当て側および収納側からの斜視図で、 図6(a)は背当て側から、図6(b)は収納側からの外観を示す。
図7】本発明の第三実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部との組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、 図7(a)は外収納部、図7(b)は内収納部を示す。
図8】本発明の第四実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部の背当て部と外収納部の外周部の組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、 図8(a)は外収納部:背当て部、図8(b)は外収納部:外周部、図8(c)は内収納部を示す。
図9】本発明の第五実施形態のリュックサックの内収納部内に固定具としての面ファスナーを設置した場合における、内収納部の収納側からの斜視図である。
図10】本発明の第五実施形態のリュックサックの内収納部内に固定具としての面ファスナーを設置した場合において、内収納部に板状の重量物を収納した状態の収納側からの斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明のリュクサックの第一の実施形態について、図1図4に基づいて説明する。図1は、本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部の組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、図1(a)は外収納部、図1(b)は内収納部を示す。図2は、本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部を外収納部に組み立てのために近づけた状態の収納側からの斜視図である。図3は、本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部を外収納部に組みつけた状態の収納側からの斜視図である。図4は、本発明の第一実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部を組みつけ、外収納部の収納口を閉じた状態での外観の背当て側および収納側からの斜視図で、図4(a)は背当て側から、図4(b)は収納側からの外観を示す。
【0017】
図1に示すように、本発明のリュックサック10は、主に重量物を収容する袋体である、内収納部10aと、内収納部を包含する袋形状で内収納部を取り出し可能に設けた開閉部を有する、比較的軽量の嵩張る荷物を収容する袋体である、外収納部10bで構成される。
【0018】
内収納部には使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰回りに当接する腰ベルト21と、肩に当接する左右一対の肩ベルト(上肩ベルト22a、下肩ベルト22b)を有し、外収納部には使用者の背中と対面する背中面32または側面33の背中寄りに内収納部の腰ベルトや肩ベルトを外収納部外に取り出せるように設けた挿通孔31が形成されている。各挿通孔は、それぞれのベルトが自然に使用者の体にフィットするように、背当て部の中でも、使用者の肩に近い上側、腹部に近い中央近く下寄り、腰に近い下側に、左右対象に位置している。
【0019】
外収納部と内収納部の組み立てにあたっては、図2図3のように、腰ベルトや肩ベルトを挿通孔31から挿通し、上肩ベルト22aと下肩ベルト22bを連結する。
【0020】
図4は、外収納部に内収納部を組付けた状態での外観を、背当て側、外周側から見た斜視図である。リュックサック全体10として普通のリュックサックと何ら変わりない形態に見え、様々なデザインを付与することができる基本構造を呈している。
【0021】
使用にあたっては、重量物を内収納部10a内に収納し、比較的軽量な荷物は外収納部10b内かつ内収納部の外の収納空間に収納し、肩ベルト(以下、上下の肩ベルトの1対を肩ベルトと呼ぶ)に腕を通して背負った後、腰ベルト21を強く腹部に締め付け固定する。これにより、内収納部内の重量物を選択的に使用者の背中に腰ベルトによって強く挟持可能としたことで同時に収納する荷物の有無にかかわらず重量物の上下動を抑制することができる。
【0022】
以下、本発明のリュクサックの第二の実施形態について、図5および図6に基づいて説明する。図5は、本発明の第二実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部の組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、 図5(a)は外収納部、図5(b)は内収納部を示す。図6は、本発明の第二実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部を組みつけ、外収納部の収納口を閉じた状態での外観の背当て側および収納側からの斜視図で、図6(a)は背当て側から、図6(b)は収納側からの外観を示す。
【0023】
本発明においては、重量物の上下動抑制に最も効果を持っているのは腰ベルトである。また、あまりに多くのベルトを外収納部の挿通孔を通すのは着用も面倒であるし、挿通孔から小さい荷物が落ちやすい欠点も増してくる。そのため、肩ベルトの上下の一端は挿通構造とせず、下肩ベルトは外収納部の下寄り、すなわち腰ベルトの下方に設置し、上肩ベルトと腰ベルトのみを挿通構造とし、主に腰ベルトによって強く腰部に固定する構造とすることもできる。
【0024】
図5に示すように、本発明のリュックサック10は、主に重量物を収容する袋体である、内収納部10aと、内収納部を包含する袋形状で内収納部を取り出し可能に設けた開閉部を有する、比較的軽量の嵩張る荷物を収容する袋体である、外収納部10bで構成される。
【0025】
内収納部には使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰回りに当接する腰ベルト21と、肩に当接する左右一対の上肩ベルト22aを有し、外収納部には下肩ベルト22bと使用者の背中と対面する背中面32または側面33の背中寄りに内収納部の腰ベルトや肩ベルトを外収納部外に取り出せるように設けた挿通孔31が形成されている。各挿通孔は、それぞれのベルトが自然に使用者の体にフィットするように、背当て部の中でも、使用者の肩に近い上側、腹部に近い中央近く下寄りに、左右対象に位置している。
【0026】
外収納部と内収納部の組み立てにあたっては、第一の実施形態と同様に、腰ベルトや上肩ベルトを挿通孔31から挿通し、上肩ベルト22aと下肩ベルト22bを連結する。
【0027】
図6は、外収納部に内収納部を組付けた状態での外観を、背当て側、外周側から見た斜視図である。リュックサック全体10として普通のリュックサックと何ら変わりない形態に見え、様々なデザインを付与することができる基本構造を呈している。
【0028】
使用にあたっては、重量物を内収納部10a内に収納し、比較的軽量な荷物は外収納部10b内かつ内収納部の外の収納空間に収納し、肩ベルトに腕を通して背負った後、腰ベルト21を強く腹部に締め付け固定する。これにより、第一の実施形態と同様に、内収納部内の重量物を選択的に使用者の背中に腰ベルトによって強く挟持可能としたことで同時に収納する荷物の有無にかかわらず重量物の上下動を抑制することができる。
【0029】
第二の実施形態においては、走行時や運動時の、収納した重量物の上下動を抑制する効果を第一の実施形態と比較してあまり低減させず、多くのベルトを外収納部の挿通孔を通す面倒さを低減したり、挿通孔から小さい荷物が落ちやすい欠点を減らすことができる。
【0030】
以下、本発明のリュクサックの第三の実施形態について、図7に基づいて説明する。図7は、本発明の第三実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部との組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、図7(a)は外収納部、図7(b)は内収納部を示す。
【0031】
本発明においては、重量物の上下動抑制に最も効果を持っているのは腰ベルトである。また、あまりに多くのベルトを外収納部の挿通孔を通すのは着用も面倒であるし、挿通孔から小さい荷物が落ちやすい欠点も増してくる。そのため、肩ベルトは挿通構造とせず外収納部に設置し、腰ベルトのみを挿通構造とし、主に腰ベルトによって強く腰部に固定する構造とすることもできる。
【0032】
図7に示すように、本発明のリュックサック10は、主に重量物を収容する袋体である、内収納部10aと、内収納部を包含する袋形状で内収納部を取り出し可能に設けた開閉部を有する、比較的軽量の嵩張る荷物を収容する袋体である、外収納部10bで構成される。
【0033】
内収納部には使用者の腰位置近傍であって、使用者の背中に対面する面と相対する面に設けた腰回りに当接する腰ベルト21を有し、外収納部には左右一対の上肩ベルト22aと下肩ベルト22bと使用者の背中と対面する背中面32または側面33の背中寄りに内収納部の腰ベルトを外収納部外に取り出せるように設けた挿通孔31が形成されている。各挿通孔は、腰ベルトが自然に使用者の体にフィットするように、背当て部の中でも、使用者の腹部に近い中央近く下寄りに、左右対象に位置している。
【0034】
外収納部と内収納部の組み立てにあたっては、腰ベルトを挿通孔31から挿通し、上肩ベルト22aと下肩ベルト22bを連結する。第三の実施形態においても、リュックサック全体として普通のリュックサックと何ら変わりない外観であり、様々なデザインを付与することができる基本構造を呈している。
【0035】
使用にあたっては、重量物を内収納部10a内に収納し、比較的軽量な荷物は外収納部10b内かつ内収納部の外の収納空間に収納し、肩ベルトに腕を通して背負った後、腰ベルト21を強く腹部に締め付け固定する。これにより、第一、第二の実施形態と同様に、内収納部内の重量物を選択的に使用者の背中に腰ベルトによって強く挟持可能としたことで同時に収納する荷物の有無にかかわらず重量物の上下動を抑制することができる。
【0036】
第三の実施形態においては、走行時や運動時の、収納した重量物の上下動を抑制する効果を第一、第二の実施形態と比較してあまり低減させず、多くのベルトを外収納部の挿通孔を通す面倒さを低減したり、挿通孔から小さい荷物が落ちやすい欠点を減らすことができる。
【0037】
なお、第三の実施形態においては、使用時に内収納部が外収納部内部での位置が安定することで荷物の出し入れがしやすいように、内収納部と外収納部は一部を接合した方が、望ましい。例えば図7のように、スナップボタン34a、34b、あるいは面ファスナーやボタンを収納口付近に設置し、内収納部と外収納部を着脱可能に接合すると、収納物の出し入れもよりしやすく、分離しての手入れなどもしやすくなる。
【0038】
なお、いずれの実施形態においても、外収納部に、内収納部への収納を邪魔しないようにポケット構造の収納空間を設けることで、収納しやすさを高め、かつ、挿通孔から小さな収納物が出てしまう欠点を改善することもできる。
【0039】
また、いずれの実施形態においても、腰ベルトや肩ベルトにおいては、腰を左右から、肩を上下から把持するように、ワンタッチで締結可能なアタッチメントやベルトの長さ調整可能なパーツを組付けることでより利便性を高めることができる。また、肩ベルトを左右クロスするように取り付けたり、胸や腹部の前で連結するパーツを付設することでより収納物の拘束を強くし、さらに収納物の上下動を抑制することもできる。
【0040】
以下、本発明のリュクサックの第四の実施形態について、図8に基づいて説明する。図8は、本発明の第四実施形態のリュックサックの内収納部と外収納部の背当て部と外収納部の外周部の組み立て前の分離状態の収納側からの斜視図で、図8(a)は外収納部:背当て部、図8(b)は外収納部:外周部、図8(c)は内収納部を示す。
【0041】
一般に、リュックサックの背当て部は汗が染みこみやすい部分になるが、とくに荷物を背負った状態で運動する場合、使用者は汗をかきやすく、外収納部、とくに背当て部は、非常に汗が染みこみやすい部分になる。一方、外収納部、とくに外周部は、外観を支配し、ファッション性の観点から非常に重要な部分である。そこで、外収納部を背当て部と外周部の境界部にオープン型ファスナーやボタン、面ファスナーなどを配置し、分割可能な構造とすることで、部分的な洗濯などの手入れを容易にすることができる。
【0042】
図8は、外収納部の背当て部10b1と外周部10b2の境界部にオープン型ファスナーを設置し、外収納部を背当て部と外周部に分離可能とした構造を示す斜視図である。とくに、背当て部のみを分離し洗濯することが可能になることで、あまり汗がつかない外周部に洗濯しにくい素材、例えば、皮革などを使用し、運動可能でありながら高級感を出すデザインが可能となる。
【0043】
以下、本発明のリュクサックの第五の実施形態について、図9図10に基づいて説明する。図9は、本発明の第五実施形態のリュックサックの内収納部内に固定具としての面ファスナーを設置した場合における、内収納部の収納側からの斜視図である。図10は、本発明の第五実施形態のリュックサックの内収納部内に固定具としての面ファスナーを設置した場合において、内収納部に板状の重量物を収納した状態の収納側からの斜視図である。
【0044】
一般に、リュックサックを強く体に固定しても、同時に収納した荷物やリュックサック内の隙間のために、走行時の上下動によって重量物が若干上下動してしまうことで、肩や足腰への負担を十分低減できないことも多い。とくに重量物の上下に隙間があると、腰部に強く固定しているつもりでも、収納部内で滑ってしまい重量物が上下動してしまう場合も多い。そのため、本発明のリュックサックにおいて、内収納部の内側に面ファスナー、ボタンあるいはマグネットなどの固定具を一対または複数対設置することで、内収納部の中で重量物が上下動することを強く抑制することができ、腰ベルトによる挟持と組み合わせることで重量物の上下動をより強く抑制することができる。
【0045】
図9の構造であれば、閉じた面ファスナーが内収納部の中で重量物が上下動することを強く抑制することができるため、腰ベルトで腰に強く固定することで、運動時や走行時などの重量物の上下動をより強く抑制することができる。
【0046】
すなわち、本発明のリュックサックにおいて、昨今の通勤時間を運動に活用するようなライフスタイルにおいても、使用者が通勤時には運動しやすい服装を着て、重量のあるパソコンやタブレット、あるいはファイル、書籍などを内収納部に収納し自身の腰部に選択的に強く固定し、職場で着替えるスーツや仕事着を外収納部に収納することで、これらの収納物を一緒にリュックサックに入れて走りながら通勤するケースにおいても、肩や足腰への負担を著しく軽減したり、収納物の破損を予防することとなる。
【0047】
加えて、本発明のリュックサックにおいて、汗が染みこみやすい外収納部の背当て部のみを分離出来る構造にすることで、背当て部のみを洗濯するなど、長期間快適かつ衛生的に使用する事ができる。あわせて、外観を支配する外収納部の外周部を洗濯が難しい皮革などを使用することで、運動時の使用利便性を保ちながら、外観で高級感を出すデザインも可能となる。
【0048】
加えて、本発明のリュックサックにおいて、内収納部の内側に面ファスナー、ボタンあるいはマグネットなどの固定具を設置することで、内収納部の中で重量物が上下動することをより抑制することができ、重量物の上下動をより強く抑制することができる。
【0049】
これらの構造により、、とくにノート型パソコンやタブレット、書籍、紙ファイルといった表面が滑りやすい板状重量物を収納した場合でも、収納部内の上下の隙間の間で滑ることで収納物が上下動してしまうことを防ぐことができ、使用者の腰部へのより安定した固定が可能となり、重量物を含んだ荷物を背負って運動・走行する時の、肩や足腰への負担をさらに軽減したり、収納物の破損を予防することとなる。
【符号の説明】
【0050】
10 リュックサック
10a 内収納部
10b 外収納部
10b1 分割型外収納部の背当て部
10b2 分割型外収納部の外周部
21 腰ベルト
22a 上肩ベルト
22b 下肩ベルト
23 内収納部内の固定具
24 内収納部に収納した板状重量物
31 挿通孔
32 外収納部(背当て部)
33 外収納部(側面)
34a 外収納部と内収納部の接合固定具(スナップボタン メス側)
34b 外収納部と内収納部の接合固定具(スナップボタン オス側)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10