(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162714
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】屋根構造
(51)【国際特許分類】
E04B 7/14 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
E04B7/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067678
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000001373
【氏名又は名称】鹿島建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096091
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 誠一
(72)【発明者】
【氏名】杉村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 泰史
(72)【発明者】
【氏名】枝川 和功
(72)【発明者】
【氏名】西 謙一
(72)【発明者】
【氏名】土居 靖
(57)【要約】
【課題】重量物を安全に吊下げることができる屋根構造等を提供する。
【解決手段】屋根構造1は、折板屋根2を吊り支持する鉄骨梁4と、鉄骨梁4から側方に張り出すように固定された溝形鋼5と、溝形鋼5の先端部に取り付けられ、折板屋根2を貫通する吊りボルト6と、折板屋根2の下方で吊りボルト6に取り付けられた架台7と、を具備する。折板屋根2の上面で座金621付きのナット62が吊りボルト6に螺合され、折板屋根2の下面でナット64が吊りボルト6に螺合され、座金621と折板屋根2の上面の間に止水のためのパッキン63が配置される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折板屋根を吊り支持する鉄骨梁と、
前記鉄骨梁から側方に張り出すように固定された支持鋼材と、
前記支持鋼材の先端部に取り付けられ、前記折板屋根を貫通する吊り支持用の線材と、
を具備することを特徴とする屋根構造。
【請求項2】
前記線材はボルトであることを特徴とする請求項1記載の屋根構造。
【請求項3】
前記折板屋根の上面でナットが前記ボルトに螺合され、前記ナットの下面に座金が設けられ、前記折板屋根の下面でナットが前記ボルトに螺合され、前記座金と前記折板屋根の上面の間に止水材が配置されたことを特徴とする請求項2記載の屋根構造。
【請求項4】
前記鉄骨梁はH形鋼であり、
前記支持鋼材は、前記鉄骨梁のウェブに固定され、
前記鉄骨梁と前記支持鋼材とを接続する補強部材が設けられたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の屋根構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折板屋根の屋根構造に関する。
【背景技術】
【0002】
折板屋根は、山部と谷部が交互に繰り返すように鋼板を折り曲げて形成された屋根材であり、吊り金具を用いて形鋼等の梁材の下方に取り付けられる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
広大な庇下空間が必要な施設では、吊り金具を用いて鉄骨梁に折板屋根を取り付けた屋根構造を大庇として用いる場合があり、この屋根構造に様々な設備等を吊り支持させたいというケースが存在する。
【0005】
例えば上記の施設の用途が特定防火対象物に該当すると、庇下の空間に消火設備を設置することを求められる場合があるが、地上置きの消火設備を設置すると車両の通行や作業に支障が出る。そのため鉄骨梁から庇下に消火設備を吊り下げたいというケースがある。
【0006】
しかしながら、上記の屋根構造では吊り金具以外の位置で折板屋根に貫通部を設けて重量物を吊り下げることは想定されておらず、安全性に配慮すると、鉄骨梁にしっかりと重量物を支持させるような工夫が必要となる。
【0007】
その他、上記の屋根構造では折板屋根の止水納まりが合理化されており、吊り金具以外の位置で折板屋根に貫通部を設ける場合、その貫通部の止水性確保も課題となる。
【0008】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、重量物を安全に吊り下げることができる屋根構造等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するための本発明は、折板屋根を吊り支持する鉄骨梁と、前記鉄骨梁から側方に張り出すように固定された支持鋼材と、前記支持鋼材の先端部に取り付けられ、前記折板屋根を貫通する吊り支持用の線材と、を具備することを特徴とする屋根構造である。
【0010】
本発明では、鉄骨梁から側方に張り出すように固定された支持鋼材に線材を取り付け、この線材が折板屋根を貫通し、折板屋根の下方で重量物を吊り支持する構成とすることにより、重量物を鉄骨梁からしっかりと吊り支持し、折板屋根の下方に安全に吊り下げることができる。
【0011】
前記線材はボルトであることが望ましい。また前記折板屋根の上面でナットが前記ボルトに螺合され、前記ナットの下面に座金が設けられ、前記折板屋根の下面でナットが前記ボルトに螺合され、前記座金と前記折板屋根の上面の間に止水材が配置されることが望ましい。
線材としてボルトを用いることで、汎用の部品を用いて支持鋼材や折板屋根へのボルトの取付、折板屋根のボルト貫通部の止水等を容易に行うことができる。折板屋根の止水に関しては、上記のようにナットや座金、止水材を用いることで、折板屋根のボルト貫通部の止水性を容易に確保することができる。
【0012】
前記鉄骨梁はH形鋼であり、前記支持鋼材は、前記鉄骨梁のウェブに固定され、前記鉄骨梁と前記支持鋼材とを接続する補強部材が設けられることが望ましい。
これにより、重量物の吊り支持に伴う支持鋼材の曲げ変形を抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、重量物を安全に吊り下げることができる屋根構造等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】吊り金具9を利用して架台7の吊り支持を行う例。
【
図5】角形鋼管11を利用して架台7の吊り支持を行う例。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る屋根構造1を側方から見た図である。屋根構造1は、鉄骨梁3、4の下方に折板屋根2を設け、さらに折板屋根2の下方に架台7を設けたものである。
【0017】
折板屋根2は、山部と谷部が交互に繰り返すように鋼板を折り曲げて形成された屋根材である。
【0018】
鉄骨梁3(大梁)は、一端が施設の躯体等に接合された片持ち梁であり、当該施設から外側に延びるように複数本平行に設けられる。
図1では、右側が施設側に対応する。鉄骨梁3は、図示しない鋼材等により施設側から吊り支持される。なお、鉄骨梁3(大梁)の先端(
図1の左側)は、柱または梁により支持される場合もある。
【0019】
鉄骨梁4(小梁)は、鉄骨梁3と平面において直交するように鉄骨梁3に取り付けて配置される。
【0020】
鉄骨梁3、4にはH形鋼が用いられる。折板屋根2は、山部と谷部が鉄骨梁の3の軸方向に延伸するように、鉄骨梁4の下方に吊り支持して配置される。鉄骨梁3は先端に向けて斜め上に傾斜するように設けられており、折板屋根2も同様の傾斜を有する。
【0021】
架台7は、各種設備等の重量物を載置するための架台である。
【0022】
図2(a)は屋根構造1を妻側から見た図である。
図2(a)に示すように、架台7は、鉄骨梁4に設けた溝形鋼5から吊りボルト6によって吊り支持される。
【0023】
架台7は、鉛直鋼材71と水平鋼材72をボルト接合(ピン接合)して形成され、鉛直鋼材71と水平鋼材72による鉛直方向の構面内にはブレース74等も設けられる。吊りボルト6の下端部は架台7の鉛直鋼材71に取り付けられる。鉛直鋼材71や水平鋼材72、ブレース74等は、
図2(a)に示す鉄骨梁4の軸方向に沿った面だけでなく、これと平面において直交する面にも設けられる。
【0024】
図2(a)の例では、前記の重量物として消火設備の配管73が架台7に載置されるが、架台7に載置する物は配管73に限らず、また消火設備でなくてもよい。
【0025】
図2(b)は、
図2(a)の架台7の吊り支持部分の詳細を示す図である。
図2(c)は、同じく架台7の吊り支持部分について、鉄骨梁4の軸方向と直交する方向の断面を見た図である。
【0026】
本実施形態では、鉄骨梁4のウェブ42から側方に張り出すように溝形鋼5(支持鋼材)が設けられており、その先端部に吊りボルト6の上端部が取り付けられる。
【0027】
溝形鋼5は凹字状の断面を有し、凹字の開放面を上に向けて配置される。溝形鋼5の基端部は鉄骨梁4のウェブ42の一方の面(溝形鋼5の固定面という)に溶接等で固定され、溝形鋼5は鉄骨梁4の軸方向と平面において直交する方向へとウェブ42から水平に張り出す。
【0028】
溝形鋼5の底部には孔511(後述する
図3参照)が設けられており、吊りボルト6の上端部は当該孔511に通される。溝形鋼5の底部の上面でナット64が平座金65を挟んで吊りボルト6に螺合され、溝形鋼5の底部の下面でナット61が平座金66を挟んで吊りボルト6に螺合されることで、吊りボルト6の上端部がナット61、64を用いて溝形鋼5に取り付けられる。緩み止めのため、ナット64にはダブルナットが用いられる。但し、ダブルナット以外にも、ナット61を溝形鋼5の底部の下面に溶接固定して緩み止めの対策を行うことも考えられる。なお、ナット61、64はワッシャWとセットで用いられ、溝形鋼5の底部の上面のナット64については、ワッシャWとしてスプリングワッシャが用いられる。
【0029】
吊りボルト6は、折板屋根2の山部の孔(不図示)に通されて、折板屋根2を貫通する。
【0030】
架台7の鉛直鋼材71の上端には端板711が設けられ、吊りボルト6の下端部は端板711の孔(不図示)に通される。端板711の上面でナット61が吊りボルト6に螺合され、端板711の下面でナット64(ダブルナット)が吊りボルト6に螺合されることで、吊りボルト6の下端部が端板711に取り付けられる。これにより、架台7が吊りボルト6を用いて吊り下げられる。ナット61は、端板711に溶融亜鉛メッキ処理が施されていない場合にのみ必要に応じて端板711に溶接等で固定することもできる。
【0031】
吊りボルト6の途中では、ナット62、64を用いて吊りボルト6が折板屋根2に取り付けられる。ナット62は折板屋根2の上面で吊りボルト6に螺合される。ナット62の下面に設けられた座金621(シボリ座)と折板屋根2の上面との間に、ゴム製のパッキン63が止水材として配置される。ナット64(ダブルナット)は折板屋根2の下面で吊りボルト6に螺合される。
【0032】
鉄骨梁4の軸方向の溝形鋼5に対応する位置には、補強リブ81、82、83が設けられる。補強リブ81、82、83は、板面を鉛直方向として配置される板状の補強部材である。
【0033】
補強リブ81、82は、鉄骨梁4のウェブ42の一方の面(溝形鋼5の固定面)で、溝形鋼5の上下にそれぞれに設けられる。
【0034】
補強リブ81は、溝形鋼5の上で、鉄骨梁4のウェブ42および上側のフランジ41と溝形鋼5の底部の上面とを接続するように設けられる。
【0035】
補強リブ82は、溝形鋼5の下で、鉄骨梁4のウェブ42および下側のフランジ41と溝形鋼5の底部の下面とを接続するように設けられる。
【0036】
補強リブ83は、鉄骨梁4のウェブ42の他方の面(溝形鋼5の固定面と反対側の面)で、鉄骨梁4のウェブ42と上下のフランジ41とを接続するように設けられる。
【0037】
鉄骨梁4から吊りボルト6までの平面距離は、鉄骨梁4に加わる偏心荷重をなるべく小さくするため必要最小限の寸法とする。望ましくは、鉄骨梁4の吊りボルト6側の端部から吊りボルト6の軸芯までの平面距離(
図2(c)の符号L参照)を30mm程度とする。また、溝形鋼5の先端と折板屋根2の山部との間の鉛直方向の距離は、ナット等の施工性を考慮しつつ、吊り支持部分の剛性を高めるため必要最小限の寸法とする。望ましくは、溝形鋼5の先端と折板屋根2の山部の上面の間の鉛直方向の距離(
図2(c)の符号H参照)を100mm程度とする。この距離を確保するため、溝形鋼5は鉄骨梁4の下側のフランジ41から浮いた形でウェブ42に固定されている。
【0038】
なお本実施形態では、折板屋根2が吊り金具9を用いて鉄骨梁4に吊り支持される。吊り金具9は、鉄骨梁4の下側のフランジ41に取り付けられた把持金具91を有し、把持金具91にはボルト92(剣先ボルト)が固定される。
【0039】
ボルト92は折板屋根2の山部の孔(不図示)に通され、折板屋根2の下面でボルト92にナット95を螺合することで、折板屋根2が把持金具91の下面に設けた座金93(シボリ座)に向かって押し付けられ、折板屋根2が吊り金具9に取り付けられる。座金93と折板屋根2の間には、止水のためのパッキン94が設けられる。
【0040】
図3は溝形鋼5を上から見た図であり、溝形鋼5に吊りボルト6を通す前の状態を示したものである。本実施形態では、溝形鋼5の底部に吊りボルト6を通すための孔511が予め形成されており、この孔511が、鉄骨梁4の軸方向に長い長孔となっている。
【0041】
折板屋根2には、吊りボルト6を通すための孔は予め形成されていないが、本実施形態では、折板屋根2を取付けた後に、孔511に通したキリなどを用いて折板屋根2に孔を新設する。孔511が長孔となっていることにより、折板屋根2の孔の位置を調整でき、適切な位置に孔を形成できる。
【0042】
このように、本実施形態では、鉄骨梁4から側方に張り出すように固定された溝形鋼5に吊りボルト6を取り付け、この吊りボルト6が折板屋根2を貫通し、折板屋根2の下方で架台7や架台7上の配管73などの重量物を吊り支持する構成とすることにより、重量物を鉄骨梁4からしっかりと支持し、折板屋根2の下方に安全に吊り下げることができる。
【0043】
例えば
図4に示すように、吊り金具9のボルト92に長ナット10を介してボルト6aを接続し、長ナット10の下面でボルト6aにナット64(ダブルナット)を螺合することでボルト6aを長ナット10に固定して、このボルト6aを用いて本実施形態と同様に架台7を吊り支持することも考えられる。しかしながら、重量物の重さによる把持金具91の開きや、ボルト92のかかり代が少ないことによる長ナット10の緩みなどの恐れがある。一方、本実施形態では、前記した構成により、重量物を折板屋根2の下方に安全に吊下げることができる。
【0044】
また本実施形態では、吊り支持用にボルト(吊りボルト6)を用いることで、汎用の部品を用いて溝形鋼5や折板屋根2へのボルトの取付、折板屋根2のボルト貫通部の止水等を容易に行うことができる。折板屋根2の止水に関しては、前記のようにナット62や座金621、止水用のパッキン63を用いることで、折板屋根2のボルト貫通部の止水性を容易に確保することができる。
【0045】
例えば
図5(a)、(b)は、鉄骨梁4のウェブ42から側方に張り出すように固定した一対の鋼板5aの間に、角形鋼管11の上端部を図示しないボルト等を用いて取り付けた構成を
図2(b)、(c)と同様に示したものであり、この角形鋼管11の下端部に鉛直鋼材71の上端を取り付けて架台7を吊り下げる構成も考えられるが、この場合、止水のための構成が大掛かりになり、施工が困難になる。
図5(a)、(b)の例では、折板屋根2の谷部の鋼管貫通部の止水を行うため、当該谷部の上方を塞ぐ水切り材12を配置する必要があり、しかも、水切り材12は折板屋根2の先端(
図1の折板屋根2の左端)まで設けて折板屋根2の谷部を当該先端においても塞がなければならない。
【0046】
また角形鋼管11が水切り材12を貫通するため、水切り材12の鋼管貫通部の止水を行う必要もあり、
図5(a)、(b)の例では、水切り材12の鋼管貫通部を囲むように水切り材12の上面に筒体121を設け、筒体121の上端のフランジ部122と、角形鋼管11の周囲に固定された鍔状のプレート113との間にシーリング材13を配置する。このように、
図5(a)、(b)の構成では止水のための構成が大掛かりとなり、その施工が困難となる。
【0047】
一方、本実施形態では、角形鋼管11よりも細径の線材である吊りボルト6を吊り支持に用いることで、止水のための構成が簡易なものとなり、且つ前記したように汎用の部品を用いることができるので施工が容易になる。なお
図5(a)、(b)の符号114は角形鋼管11の上端を止水のために塞ぐプレートである。
【0048】
また本実施形態では、鉄骨梁4のウェブ42に前記の補強リブ81、82を設けることで重量物の吊り支持に伴う溝形鋼5の曲げ変形を抑制することができ、さらに補強リブ81、82の反対側でウェブ42に補強リブ83を設けることで、鉄骨梁4のねじれ変形も抑制することができる。
【0049】
しかしながら、本発明が前記の実施形態に限ることはない。例えば前記の実施形態では支持鋼材として溝形鋼5を用いたが、支持鋼材はこれに限らず、例えば溝形鋼5に代えてH形鋼を用いることも可能である。この場合、H形鋼の両フランジの端部を鉄骨梁4の下側のフランジ41に載せ、当該端部を溶接等により下側のフランジ41に固定することもでき、補強リブ82を省略することが可能である。また前記の補強リブ81、83も必須ではなく、場合によっては省略することが可能である。
【0050】
架台7の構成も特に限定されず、吊りボルト6を用いて吊り支持されるものであればよい。ただし、
図2(a)で示す架台7は、鉛直鋼材71と水平鋼材72をボルト接合(ピン接合)し、且つ鉛直鋼材71と水平鋼材72で構成される鉛直方向の構面内にブレース74を配置することで、全体として鉛直面の剛性が高い構成となっている。そのため、揺れにより架台7が変形し、鉛直鋼材71が傾斜するなどして吊りボルト6に力が集中して振り子のように変形したり、折板屋根2の吊りボルト6の貫通部において折板屋根2自体にも局所的な変形が生じて止水性能が低下する、といったことが起こりにくい。吊りボルト6には水平力(せん断力)が加わるが、架台7が全体として剛性の高い構成となっていることで、水平力が架台7を吊り支持する複数の吊りボルト6で分散して負担され、個々の吊りボルト6に加わる水平力は低減される。
【0051】
一般的な地震対策としては、
図2(a)の符号74aに示すように鉄骨梁4と架台7を接続する揺れ止め用のブレースを設けることが考えられるが、この場合ブレース74aが折板屋根2を貫通するためその貫通部の止水がさらに必要となる。符号74bに示すように、前記した吊りボルト6の下端部と架台7とを接続するようにブレースを設ければ止水は簡単であるが、この場合、当該吊りボルト6の下端部が架台7と同様に揺れるのでブレースの効果が無くなる。
【0052】
その他、吊りボルト6は対象物を吊り支持するものであればよく、架台7や架台7上の設備等を吊り支持するものに限らない。また吊りボルト6に代えてその他の吊り支持用の線材を用いることも可能である。
【0053】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0054】
1:屋根構造
2:折板屋根
3、4:鉄骨梁
5:溝形鋼
6:吊りボルト
7:架台
9:吊り金具
41:フランジ
42:ウェブ
61、62、64:ナット
63:パッキン
65、66;平座金
71:鉛直鋼材
72:水平鋼材
73:配管
74:ブレース
81、82、83:補強リブ
511:孔
621:座金
W:ワッシャ