IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小島プレス工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ダンパの取付構造 図1
  • 特開-ダンパの取付構造 図2
  • 特開-ダンパの取付構造 図3
  • 特開-ダンパの取付構造 図4
  • 特開-ダンパの取付構造 図5
  • 特開-ダンパの取付構造 図6
  • 特開-ダンパの取付構造 図7
  • 特開-ダンパの取付構造 図8
  • 特開-ダンパの取付構造 図9
  • 特開-ダンパの取付構造 図10
  • 特開-ダンパの取付構造 図11
  • 特開-ダンパの取付構造 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162780
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】ダンパの取付構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 7/06 20060101AFI20221018BHJP
   F16F 15/067 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B60R7/06 G
F16F15/067
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067771
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】308013436
【氏名又は名称】小島プレス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】東谷 早真
【テーマコード(参考)】
3D022
3J048
【Fターム(参考)】
3D022CA08
3D022CB01
3D022CC02
3D022CD13
3J048AA01
3J048AD05
3J048BC02
3J048EA36
(57)【要約】
【課題】グラブボックス本体に対してダンパを簡便に取り付けることができるダンパの取付構造を提供すること。
【解決手段】グラブボックスのリッドの自重による開速度を減衰させるためのダンパ4の取付構造である。グラブボックスは、収納ボックス20を有するグラブボックス本体2を備えている。グラブボックス本体2は、ピン23と、係合爪24aを備えている。ダンパ4は、グラブボックス本体2のピン23を相対的に挿し込み可能な挿込孔45aを有する取付部45を備えている。ダンパ4の挿込孔45aにグラブボックス本体2のピン23を相対的に挿し込むと、挿し込みの完了と同時に、取付部45の縁45bに係合爪24aが係合する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
グラブボックスのリッドの自重による開速度を減衰させるためのダンパの取付構造であって、
前記グラブボックスは、収納ボックスを有するグラブボックス本体を備え、
前記グラブボックス本体は、ピンと、係合爪と、を備え、
前記ダンパは、前記グラブボックス本体の前記ピンを相対的に挿し込み可能な挿込孔を有する取付部を備え、
前記ダンパの前記挿込孔に前記グラブボックス本体の前記ピンを相対的に挿し込むと、前記挿し込みの完了と同時に、前記取付部の縁に前記係合爪が係合するダンパの取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載のダンパの取付構造であって、
前記ダンパは、紐部材を備え、
前記係合爪は、前記紐部材に作用する張力に起因する前記ダンパの横ズレ移動を阻害する位置に形成されているダンパの取付構造。
【請求項3】
請求項1~2のいずれか1つに記載のダンパの取付構造であって、
前記グラブボックス本体は、前記係合爪が前記係合すると同時に、前記ダンパの外周の一部を周方向に沿って挟み込む挟持片を備えるダンパの取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンパの取付構造に関し、詳しくは、グラブボックスのリッドの自重による開速度を減衰させるためのダンパの取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車のインストルメントパネルのうちの助手席の向かい側には、小物入れとしてのグラブボックスを備えている。グラブボックスは、小物を収納可能な収納ボックスを有するグラブボックス本体と、グラブボックス本体に対してヒンジ結合を介して収納ボックスを開閉するリッドを備えている。ここで、下記特許文献1には、グラブボックス本体とリッドの間にダンパが介装されているグラブボックスが開示されている。これにより、リッドの自重による開速度を減衰させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-335407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した特許文献1の技術では、ダンパは、2本のビスを介してグラブボックス本体に取り付けられている。このように取り付けられている場合、ビス締めの工数および材料費(ビスの費用)が生じることとなっていた。すなわち、ダンパの取り付けに手間とコストを要することとなっていた。そこで、グラブボックス本体に対してダンパを簡便に取り付けることが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つの特徴によると、グラブボックスのリッドの自重による開速度を減衰させるためのダンパの取付構造であって、グラブボックスは、収納ボックスを有するグラブボックス本体を備えている。グラブボックス本体は、ピンと、係合爪を備えている。ダンパは、グラブボックス本体のピンを相対的に挿し込み可能な挿込孔を有する取付部を備えている。ダンパの挿込孔にグラブボックス本体のピンを相対的に挿し込むと、挿し込みの完了と同時に、取付部の縁に係合爪が係合する。
【0006】
そのため、グラブボックス本体にダンパを取り付ける場合、ダンパの取付部の挿込孔にグラブボックス本体のピンを相対的に挿し込む作業を行うだけで、グラブボックス本体にダンパを取り付けることができる。したがって、例えば、ビスを介してダンパを取り付ける場合と比較すると、ビス締めの工数および材料費(ビスの費用)が不要となる。すなわち、ダンパの取り付けに手間とコストを要することがない。結果として、グラブボックス本体に対してダンパを簡便に取り付けることができる。
【0007】
本開示の他の特徴によると、ダンパは、紐部材を備えている。係合爪は、紐部材に作用する張力に起因するダンパの横ズレ移動を阻害する位置に形成されている。
【0008】
そのため、係合爪がダンパに作用する横ズレ力にともなうダンパの横ズレ移動を阻害する。したがって、紐部材に張力が作用しても、ダンパの横ズレ移動を防止できる。
【0009】
また、本開示の他の特徴によると、グラブボックス本体は、係合爪が係合すると同時に、ダンパの外周の一部を周方向に沿って挟み込む挟持片を備える。
【0010】
そのため、グラブボックス本体に対するダンパの取り付けを強固なものにできる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態のグラブボックスの全体斜視図であり、リッドの閉状態を示している。
図2図1の主要部の拡大図である。
図3図1において、リッドの開状態を示している。
図4図3の主要部の拡大図である。
図5図1を下側から見た斜視図である。
図6図3を下側から見た斜視図である。
図7】グローブボックスにダンパを取り付ける前の分解斜視図である。
図8図7の取り付け状態を示す斜視図である。
図9図8のIX-IX線の縦断面図である。
図10図1のリッドの拡大図である。
図11図10のヒンジ部の側面図である。
図12図11のフックの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
実施形態の1つを図1~12を参照して説明する。説明中、同じ部品番号は、同じ機能を有し、重複する説明を省略する。各図面で用いた各方向(上、下、前、後、左、右)は、自動車(図示しない)の進行方向を基礎として決定した。
【0013】
自動車のインストルメントパネルのうちの助手席(いずれも図示しない)の向かい側には、小物入れとしてのグラブボックス1を備えている(図1~2参照)。グラブボックス1は、小物(図示しない)を収納可能な収納ボックス20を有するグラブボックス本体2と、グラブボックス本体2に対するヒンジ結合を介して収納ボックス20を開閉するリッド3を備えている。グラブボックス本体2とリッド3の間には、リッド3の自重による開速度を減衰させるダンパ4が介装されている。以下に、これらグラブボックス本体2とリッド3とダンパ4を個別に説明する。
【0014】
はじめに、グラブボックス本体2を説明する(図1、5、7参照)。グラブボックス本体2は、矩形状の収納ボックス20と、収納ボックス20の開口(図示しない)の上下左右の各縁から張り出すフランジ状の取付体21を備えている(図1、5参照)。収納ボックス20の下面には、十字ピン23が下方に向けて突出するように形成されている。この十字ピン23は、左右方向に沿って2本形成されている(図7参照)。
【0015】
また、収納ボックス20の下面には、係合爪24aを有する撓み可能な係合片24が下方に向けて突出するように形成されている。この係合片24は、2本の十字ピン23を挟み込んで対向するように左右方向に沿って2個形成されている。すなわち、この2個の係合片24は、後述するダンパ4の2個の取付部45の外側の縁45bに位置するように形成されている。
【0016】
この2個の取付部45の外側の縁45bとは、左の取付部45では左の縁45bのことであり、右の取付部45では右の縁45bのことである。そのため、左の係合片24は、ダンパ4の左の取付部45の左の縁45bに位置するように形成されている。また、右の係合片24は、ダンパ4の右の取付部45の右の縁45bに位置するように形成されている。また、収納ボックス20の下面には、ダンパ4のダンパ本体40の外周面の一部を周方向に沿って挟み込み可能な挟持片25が左右方向に沿って2個形成されている。
【0017】
取付体21の内面には、インストルメントパネルの開口(図示しない)の縁の近傍に形成されている複数の係合孔(図示しない)に係合可能な複数の係合爪22が前方に向けて突出するように形成されている(図1参照)。また、取付体21の左右部の各下寄り位置には、後述するリッド3をヒンジ結合するヒンジ部26が対を成すように形成されている。グラブボックス本体2は、このように構成されている。
【0018】
次に、リッド3を説明する(図10~12参照)。リッド3の左右部の各下寄り位置には、上述したグラブボックス本体2の左右のヒンジ部26にリッド3をヒンジ結合するヒンジ部30が対を成すように形成されている(図10参照)。ヒンジ部30の先端30aには、この先端30aから突出し後述する紐部材43のリング状の先端43bを引っ掛け可能な略L字状のフック31が形成されている(図11参照)。
【0019】
フック31の内側には、フック31に引っ掛ける紐部材43の先端43bの脱落を抑制する反し体32が形成されている(図12参照)。反し体32の先端には、傾斜状の案内部32aが形成されている。これにより、フック31に紐部材43の先端43bを引っ掛けるとき、この引っ掛ける紐部材43の先端43bを外部36から後述する第2溝35に向けて導くことができる。
【0020】
そのため、フック31に引っ掛ける紐部材43の先端43bを第2溝35に向けて案内できる。フック31とヒンジ部30の先端30aとの間には、紐部材43の先端43bを引っ掛け可能な第1溝34が形成されている。反し体32とヒンジ部30の先端30aとの間には、外部36と第1溝34とを連通する第2溝35が形成されている。
【0021】
第1溝34の溝高さ長H1は、紐部材43の先端43bの紐径に対して192%となるように設定されている(以下、「第1設定」と記す)。この実施形態では、紐部材43の先端43bの紐径(外径)=1.3mmに設定されている。そのため、第1溝34の溝高さ長H1=1.3mm×192%=2.5mmで設定されている。また、第2溝35の溝高さ長H2は、紐部材43の先端43bの紐径に対して77%となるように設定されている(以下、「第2設定」と記す)。そのため、第2溝35の溝高さ長H2=1.3mm×77%=1.0mmで設定されている。
【0022】
また、反し体32の高さ長H3は、紐部材43の先端43bの紐径に対して115%となるように設定されている(以下、「第3設定」と記す)。そのため、反し体32の高さ長H3=1.3mm×115%=1.5mmで設定されている。反し体32の反し角部33の角度θは、90°となるように設定されている(以下、「第4設定」と記す)。反し角部33は、R0.5で面取りされるように設定されている(以下、「第5設定」と記す)。また、リッド3には、意匠面側から乗員(図示しない)が操作可能なノブが設けられている。このノブを操作すると、リッド3の内部に設けられている左右一対のロッド(図示しない)が互いに近づく方向にスライドする。リッド3は、このように構成されている。
【0023】
最後に、ダンパ4を説明する(図7、9参照)。ダンパ4は、円筒状のダンパ本体40と、ダンパ本体40の先端に形成されたすり鉢状に凹んだ先端壁42の略中心の貫通孔42aから出し入れ(引き出しまたは押し入れ)可能な紐部材43を備えている(図7参照)。ダンパ本体40の内部には、その軸方向に沿ってスライド可能なピストン41を備えている。ピストン41と先端壁42との間には、圧縮ばね44を備えている。紐部材43の基端43aは、圧縮ばね44の内部を介してピストン41に固着されている。
【0024】
紐部材43の先端43bは、リッド3のフック31に引っ掛け可能にリング状に形成されている。また、ダンパ本体40には、上述した収納ボックス20の十字ピン23を相対的に挿し込み可能な挿込孔45aを有する取付部45が形成されている。取付部45の挿込孔45aは、上述したグラブボックス本体2の十字ピン23の外径より僅かに大きく設定されている(図9参照)。取付部45は、ダンパ本体40の軸方向に沿って2個形成されている。ダンパ4は、このように構成されている。
【0025】
上述したように構成されているグラブボックス本体2の左右のヒンジ部26とリッド3の左右のヒンジ部30は、ヒンジピン(図示しない)を介して回転可能に結合されている。すなわち、グラブボックス本体2とリッド3は、ヒンジピンを介してヒンジ結合されている(図1、3参照)。そのため、リッド3を回転させてグラブボックス本体2の収納ボックス20を開閉できる(図3、6参照)。
【0026】
また、上述したダンパ4は、グラブボックス本体2に取り付けられている。ここで、この取り付け構造について説明する(図7~9参照)。まず、図7に示す状態から、ダンパ4のダンパ本体40の2個の取付部45の各挿込孔45aにグラブボックス本体2の2本の十字ピン23を相対的に挿し込む作業を行う。すると、2個の取付部45と2個の係合片24の各係合爪24aが干渉する。
【0027】
この干渉により、2個の係合片24が互いに遠ざかる方向に撓んでいく。さらに、相対的に挿し込む作業を行うと、2個の取付部45が2本の十字ピン23の各座23aに底付くことで2本の十字ピン23の相対的な挿し込みが完了して2個の挿込孔45aに2本の十字ピン23が嵌合する。この嵌合と同時に、この2個の取付部45が2個の係合片24の各係合爪24aを乗り越える。この嵌合により、グラブボックス本体2とダンパ4とにおいて、前後方向と左右方向の移動が規制される。
【0028】
また、この乗り越えにより、2個の取付部45の各縁45bに2個の係合片24の各係合爪24aが係合する。すなわち、左の取付部45の左の縁45bに左の係合片24の係合爪24aが係合する。また、右の取付部45の右の縁45bに右の係合片24の係合爪24aが係合する。これにより、グラブボックス本体2とダンパ4とにおいて、上下方向の移動が規制される。
【0029】
また、この係合において、2個の係合片24が撓んだ状態になっている。そのため、この撓みの反力が2個の取付部45に作用する。したがって、この係合におけるガタツキを抑制できる。このように3方向(上下方向、前後方向、左右方向)の移動が規制されることにより、グラブボックス本体2にダンパ4が取り付けられる(図8~9参照)。
【0030】
なお、図8からも明らかなように、上述した2個の取付部45の各縁45bに2個の係合片24の各係合爪24aが係合すると同時に、ダンパ4のダンパ本体40の外周面の一部を周方向に沿って2個の挟持片25が挟み込んだ状態となる。そのため、グラブボックス本体2に対するダンパ4の取り付けを強固なものにできる。
【0031】
一方、紐部材43の先端43bを圧縮ばね44の付勢力に抗して紐部材43の一部を貫通孔42aから引き出して、単に、グラブボックス本体2のフック31に引っ掛ける作業を行う(図2、4参照)。そのため、紐部材43の先端43bをグラブボックス本体2のフック31に簡便に引っ掛けることができる。なお、フック31に引っ掛けられた紐部材43は、圧縮ばね44によって張力が作用した状態(テンションが作用した状態)となっている。
【0032】
また、この紐部材43を引っ掛けた状態において、フック31は、上述したように、第1設定~第5設定となっている。そのため、この引っ掛けた紐部材43の引っ掛けを解消し難くできる(引っ掛けた紐部材43の先端43bをグラブボックス本体2のフック31から脱落し難くできる)。
【0033】
上述したようにグラブボックス本体2にダンパ4を取り付ける場合、ダンパ4のダンパ本体40の2個の取付部45の各挿込孔45aにグラブボックス本体2の2本の十字ピン23を相対的に挿し込む作業を行うだけで、グラブボックス本体2にダンパ4を取り付けることができる。そのため、例えば、ビスを介してダンパ4を取り付ける場合と比較すると、ビス締めの工数および材料費(ビスの費用)が不要となる。すなわち、ダンパ4の取り付けに手間とコストを要することがない。したがって、グラブボックス本体2に対してダンパ4を簡便に取り付けることができる。グラブボックス1は、これらグラブボックス本体2とリッド3とダンパ4から構成されている。
【0034】
このように構成されているグラブボックス1は、インストルメントパネルの助手席の向かい側に形成されている開口(図示しない)に配置されている。そして、この配置されたグラブボックス1の複数の係合爪22は、インストルメントパネルの開口の縁に形成されている複数の係合孔に係合されている。これにより、インストルメントパネルののうちの助手席の向かい側にグラブボックス1を備えることができる。
【0035】
そして、グラブボックス1は、収納ボックス20が閉じ状態(リッド3が閉じ状態)のとき、リッド3の左右一対のロッドの先端である各ロック部3aがインストルメントパネルの開口の左右の縁に形成されているロック穴(図示しない)に引っ掛った(進出した)状態となっている。これにより、閉じ状態のリッド3をロックできる。また、ノブを操作すると、既に説明したように、リッド3の内部に設けられている左右一対のロッドが互いに近づく方向にスライドするため、この左右一対のロッドの先端である各ロック部3aがインストルメントパネルのロック穴から退行する。
【0036】
これにより、リッド3のロックが解除されるため、自重によりリッド3を回転させて収納ボックス20を開けることができる。なお、リッド3の回転動作にともなって、圧縮ばね44の付勢力に抗してダンパ4の紐部材43の一部が貫通孔42aから引き出される。すると、既に説明したように、フック31に引っ掛けられた紐部材43は、圧縮ばね44によって張力が作用した状態となっている。したがって、グラブボックス本体2とリッド3の間に緩衝力が作用するため、リッド3の自重による開速度を減衰させることができる。
【0037】
なお、紐部材43に張力が作用していると、この張力に起因する横ズレ力(左方を向いた引っ張り力)がダンパ本体40に作用する。しかし、既に説明したように、左の係合片24は、ダンパ4の左の取付部45の左の縁45bに位置するように形成されている。そのため、この左の係合片24がダンパ本体40に作用する横ズレ力にともなうダンパ本体40の横ズレ移動を阻害する。したがって、紐部材43に張力が作用しても、ダンパ本体40の横ズレ移動を防止できる。
【0038】
また、収納ボックス20が閉じるようにリッド3を戻して(逆回転させて)いくと、この戻していくリッド3の左右一対のロッドのロック部3aが戻し完了の直前にインストルメントパネルのロック穴の縁を乗り越えて、再度、ロック穴に引っ掛かる。これにより、収納ボックス20が閉じ状態に戻されると共に、この閉じ状態に戻された収納ボックス20を塞ぐリッド3を再度ロックできる。
【0039】
実施形態を上記構成を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって実施形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば実施形態は、特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。
【0040】
上記構成によると、自重によりリッド3を回転させて収納ボックス20を開ける形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、僅かでもリッド3の自重が作用していれば、手動操作によりリッド3を回転させて収納ボックス20を開ける形態でも構わない。
【0041】
また、上記構成によると、第1溝34の溝高さ長H1は、紐部材43の先端43bの紐径に対して192%となるように設定されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第1溝34の溝高さ長H1は、紐部材43の先端43bの紐径に対して160%から192%までの範囲内で設定されていれば、幾つであっても構わない。また、上記構成によると、第2溝35の溝高さ長H2は、紐部材43の先端43bの紐径に対して77%となるように設定されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、第2溝35の溝高さ長H2は、紐部材43の先端43bの紐径に対して60%から77%までの範囲内で設定されていれば、幾つであっても構わない。
【0042】
また、上記構成によると、反し体32の高さ長H3は、紐部材43の先端43bの紐径に対して115%となるように設定されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、反し体32の高さ長H3は、紐部材43の先端43bの紐径に対して100%から115%までの範囲内で設定されていれば、幾つであっても構わない。また、上記構成によると、反し体32の反し角部33の角度θは、90°となるように設定されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、反し体32の反し角部33の角度θは、60°~135°の範囲内で設定されていれば、幾つであっても構わない。また、上記構成によると、反し角部33は、R0.5で面取りされるように設定されている形態を説明した。しかし、これに限定されるものでなく、反し角部33は、R0.3~R1.0の範囲内で面取りされていれば、幾つであっても構わない。
【符号の説明】
【0043】
1 グラブボックス
2 グラブボックス本体
3 リッド
4 ダンパ
20 収納ボックス
23 十字ピン(ピン)
24a 係合爪
45 取付部
45a 挿込孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12