IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ JUKI株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図1
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図2
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図3
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図4
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図5
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図6
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図7
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図8
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図9
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図10
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図11
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図12
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図13
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図14
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図15
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図16
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図17
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図18
  • 特開-リード矯正治具及び部品実装装置 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162809
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】リード矯正治具及び部品実装装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/04 20060101AFI20221018BHJP
   B21D 3/00 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
H05K13/04 G
H05K13/04 C
B21D3/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067815
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003399
【氏名又は名称】JUKI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 翔子
(72)【発明者】
【氏名】石橋 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353BB05
5E353EE26
5E353EE29
5E353GG01
5E353HH11
5E353JJ13
5E353JJ21
5E353JJ28
5E353JJ48
5E353KK01
5E353KK11
5E353KK21
5E353KK25
5E353NN04
5E353NN12
5E353QQ11
(57)【要約】
【課題】リードの間隔を矯正すること。
【解決手段】リード矯正治具は、第1軸方向に配置された複数の傾斜面を有しリード部品のリードが押し付けられることにより第1軸方向のリードの間隔を矯正する第1矯正部と、第2軸方向に配置された複数の傾斜面を有しリード部品のリードが押し付けられることにより第2軸方向のリードの間隔を矯正する第2矯正部と、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸方向に配置された複数の傾斜面を有しリード部品のリードが押し付けられることにより前記第1軸方向のリードの間隔を矯正する第1矯正部と、
第2軸方向に配置された複数の傾斜面を有し前記リード部品のリードが押し付けられることにより前記第2軸方向のリードの間隔を矯正する第2矯正部と、を備える、
リード矯正治具。
【請求項2】
前記第1矯正部の傾斜面は、前記第1軸方向に配置された一対のリードのそれぞれに同時に押し付けられるように前記第1軸方向に少なくとも一対配置される、
請求項1に記載のリード矯正治具。
【請求項3】
前記第1矯正部の傾斜面は、第3軸方向一方側に向かって接近する第1組の傾斜面と、前記第3軸方向一方側に向かって離隔する第2組の傾斜面と、を含む、
請求項2に記載のリード矯正治具。
【請求項4】
前記第1矯正部は、前記第1軸方向に配置される一対の第1凸部と、前記第1軸方向に配置される一対の第2凸部と、を含み、
前記第1組の傾斜面は、一対の前記第1凸部のそれぞれの内側面を含み、
前記第2組の傾斜面は、一対の前記第2凸部のそれぞれの外側面を含む、
請求項3に記載のリード矯正治具。
【請求項5】
少なくとも一部が一対の前記傾斜面の間に配置される第1可動部材と、
前記第1可動部材を第3軸方向他方側に移動させる弾性力を発生する第1弾性部材と、を備える、
請求項2から請求項4のいずれか一項に記載のリード矯正治具。
【請求項6】
前記第1可動部材を第3軸方向にガイドする第1ガイド部材を備える、
請求項5に記載のリード矯正治具。
【請求項7】
前記第1矯正部の傾斜面は、前記第2軸方向に配置された複数のリードのそれぞれに同時に押し付けられるように前記第2軸方向に延伸する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリード矯正治具。
【請求項8】
前記第2矯正部の傾斜面は、前記第2軸方向に配置された複数のリードのそれぞれに同時に押し付けられるように前記第2軸方向に少なくとも3つ配置される、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のリード矯正治具。
【請求項9】
前記第2矯正部の傾斜面は、第3軸方向一方側に向かって接近する第3組の傾斜面と、前記第3軸方向一方側に向かって離隔する第4組の傾斜面と、を含む、
請求項8に記載のリード矯正治具。
【請求項10】
前記第3組の傾斜面と前記第4組の傾斜面とは、前記第2軸方向に配置される、
請求項9に記載のリード矯正治具。
【請求項11】
前記第3組の傾斜面及び前記第4組の傾斜面の少なくとも一方は、前記第2軸方向に複数配置される、
請求項10に記載のリード矯正治具。
【請求項12】
前記第2矯正部は、前記第2軸方向に配置される複数の凸部を有する凸部群を含み、
前記第3組の傾斜面は、相互に対向する一対の凸部のそれぞれの内側面を含み、
前記第4組の傾斜面は、1つの凸部の両側の外側面を含む、
請求項9から請求項11のいずれか一項に記載のリード矯正治具。
【請求項13】
前記凸部群は、前記第1軸方向に配置された一対のリードのそれぞれに同時に押し付けられるように前記第1軸方向に一対配置される、
請求項12に記載のリード矯正治具。
【請求項14】
少なくとも一部が一対の前記凸部群の間に配置される第2可動部材と、
前記第2可動部材を第3軸方向他方側に移動させる弾性力を発生する第2弾性部材と、を備える、
請求項13に記載のリード矯正治具。
【請求項15】
前記第2可動部材を第3軸方向にガイドする第2ガイド部材を備える、
請求項14に記載のリード矯正治具。
【請求項16】
請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のリード矯正治具と、
前記リード部品を保持するノズルを有する実装ヘッドと、
前記リード部品が前記ノズルに保持された状態でリードの間隔を検出する検出装置と、
前記検出装置の検出データに基づいて、前記ノズルに保持された前記リード部品のリードを前記第1矯正部及び前記第2矯正部の少なくとも一方に押し付けた後、前記リード部品を基板に実装する制御装置と、を備える、
部品実装装置。
【請求項17】
前記制御装置は、前記検出装置の検出データに基づいて、前記リード部品を前記第1矯正部及び前記第2矯正部の少なくとも一方に押し付けるときの前記ノズルの移動量を制御する、
請求項16に記載の部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リード矯正治具及び部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
部品実装装置に係る技術分野において、特許文献1に開示されているようなリード矯正治具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-021553号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているリード矯正治具は、リード部品に設けられる一対のリードの間隔を矯正するのに適する。一対のリードの間隔が矯正されることにより、リードが基板の開口に適正に挿入される。リードが基板の開口に適正に挿入されることにより、実装不良の発生が抑制される。リード部品にリードがマトリクス状に配置される場合がある。リードがマトリクス状に配置される場合においても、リードの間隔を矯正できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、リードの間隔を矯正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、第1軸方向に配置された複数の傾斜面を有しリード部品のリードが押し付けられることにより第1軸方向のリードの間隔を矯正する第1矯正部と、第2軸方向に配置された複数の傾斜面を有しリード部品のリードが押し付けられることにより第2軸方向のリードの間隔を矯正する第2矯正部と、を備える、リード矯正治具が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、リードの間隔を矯正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る部品実装装置を示す斜視図である。
図2図2は、実施形態に係る実装ヘッドを模式的に示す図である。
図3図3は、実施形態に係るリード部品を模式的に示す側面図である。
図4図4は、実施形態に係るリード部品を模式的に示す側面図である。
図5図5は、実施形態に係るリード部品を模式的に示す平面図である。
図6図6は、実施形態に係る照明装置及び検出装置を模式的に示す斜視図である。
図7図7は、実施形態に係るリード矯正治具を示す斜視図である。
図8図8は、実施形態に係るリード矯正治具の一部を示す斜視図である。
図9図9は、実施形態に係るリード矯正治具の一部を示す断面斜視図である。
図10図10は、実施形態に係る制御装置を示す機能ブロック図である。
図11図11は、実施形態に係るリードの矯正方法を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態に係るリード部品の画像データを模式的に示す図である。
図13図13は、実施形態に係るリード部品のリードが基板の開口に挿入される状態を模式的に示す図である。
図14図14は、実施形態に係るリードの矯正方法を模式的に示す斜視図である。
図15図15は、実施形態に係るリードの矯正方法を模式的に示す正面図である。
図16図16は、実施形態に係るリードの矯正方法を模式的に示す正面図である。
図17図17は、実施形態に係るリードの矯正方法を模式的に示す斜視図である。
図18図18は、実施形態に係るリードの矯正方法を模式的に示す側面図である。
図19図19は、実施形態に係るリードの矯正方法を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
実施形態においては、3次元直交座標系を設定し、3次元直交座標系を参照しながら各部の位置関係について説明する。所定面内のX軸(第1軸)に平行な方向をX軸方向(第1軸方向)とする。所定面内においてX軸と直交するY軸(第2軸)に平行な方向をY軸方向(第2軸方向)とする。X軸及びY軸のそれぞれと直交するZ軸(第3軸)に平行な方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。X軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθX方向とする。Y軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθY方向とする。Z軸を中心とする回転方向又は傾斜方向をθZ方向とする。所定面は、XY平面である。Z軸は、所定面と直交する。実施形態において、所定面は、水平面と平行であることとする。Z軸方向は、上下方向である。Z軸方向一方側(第3軸方向一方側)は、下方側である。Z軸方向他方側(第3軸方向他方側)は、上方側である。なお、所定面が水平面に対して傾斜してもよい。
【0011】
[部品実装装置]
図1は、実施形態に係る部品実装装置100を示す斜視図である。部品実装装置100は、リード部品Cを基板Pに実装する。部品実装装置100は、ベースフレーム101と、フィーダバンク102と、基板搬送装置103と、実装ヘッド106と、実装ヘッド移動装置107と、ノズル移動装置112と、照明装置20と、検出装置30と、リード矯正治具1と、制御装置40とを備える。
【0012】
ベースフレーム101は、フィーダバンク102、基板搬送装置103、実装ヘッド106、実装ヘッド移動装置107、照明装置20、検出装置30、及びリード矯正治具1のそれぞれを支持する。
【0013】
フィーダバンク102は、フィーダ200を支持する。フィーダ200は、フィーダバンク102に設置される。フィーダ200は、リード部品Cを供給位置PJaに供給する。供給位置PJaは、リード部品Cを実装ヘッド106に供給する供給処理が実施される位置である。
【0014】
基板搬送装置103は、基板Pを実装位置PJbに搬送する。実装位置PJbは、リード部品Cを基板Pに実装する実装処理が実施される位置である。
【0015】
実装ヘッド106は、リード部品Cを保持するノズル50を有する。実装ヘッド106は、ノズル50に保持されたリード部品Cを基板Pに実装する。実装ヘッド106は、ノズル50をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動可能に支持する。
【0016】
実装ヘッド移動装置107は、供給位置PJa及び実装位置PJbを含むXY平面内において実装ヘッド106を移動する。実装ヘッド移動装置107は、実装ヘッド106をX軸方向にガイドするX軸ガイドレール108と、X軸ガイドレール108をY軸方向にガイドするY軸ガイドレール109と、実装ヘッド106をX軸方向に移動するための動力を発生するX駆動装置110と、実装ヘッド106をY軸方向に移動するための動力を発生するY駆動装置111とを有する。
【0017】
[実装ヘッド]
図2は、実施形態に係る実装ヘッド106を模式的に示す図である。実装ヘッド106は、リード部品Cを着脱可能に保持するノズル50を有する。ノズル50は、リード部品Cを吸着保持する吸着ノズルである。なお、ノズル50は、リード部品Cを挟んで保持する把持ノズルでもよい。
【0018】
ノズル移動装置112は、実装ヘッド106に設けられる。ノズル移動装置112は、ノズル50をZ軸方向及びθZ方向のそれぞれに移動する。ノズル移動装置112は、ノズル50をZ軸方向に移動するZ駆動装置113と、ノズル50をθZ方向に移動(回転)するθZ駆動装置114とを含む。
【0019】
ノズル50は、実装ヘッド移動装置107及び実装ヘッド106に設けられたノズル移動装置112により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル50は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
【0020】
実装ヘッド106は、供給位置PJa及び実装位置PJbのそれぞれにノズル50が配置されるように、XY平面内において移動可能である。ノズル50は、供給位置PJaにおいてフィーダ200から供給されたリード部品Cを保持する。リード部品Cがノズル50に保持された後、実装ヘッド106は、実装位置PJbに移動する。ノズル50は、実装位置PJbにおいてリード部品Cを基板Pに実装する。
【0021】
[部品]
図3及び図4のそれぞれは、実施形態に係るリード部品Cを模式的に示す側面図である。図5は、実施形態に係るリード部品Cを模式的に示す平面図である。図3は、リード部品Cを-Y側から見た図である。図4は、リード部品Cを-X側から見た図である。図5は、リード部品Cを-Z側から見た図である。
【0022】
リード部品Cは、挿入型電子部品である。図3図4、及び図5に示すように、リード部品Cは、ボディCbと、ボディCbから突出する複数のリードClとを有する。
【0023】
ボディCbは、合成樹脂製のハウジング部材を含む。ボディCbの内部空間には、例えばコイルが配置される。リードClは、金属製の突起物である。リードClは、例えばボディCbの内部空間に配置されているコイルと接続される。リードClは、ボディCbの下面から下方側に突出する。
【0024】
リードClは、ボディCbの下面にマトリクス状に複数配置される。リードClは、X軸方向に少なくとも2本配置され、Y軸方向に少なくとも2本配置される。実施形態において、リードClは、X軸方向に2本配置され、Y軸方向に5本配置される。すなわち、リードClは、ボディCbに10本設けられる。なお、X軸方向に配置されるリードClの本数は、2本でなくてもよく、3本以上の任意の複数でもよい。Y軸方向に配置されるリードClの本数は、5本でなくてもよく、2本以上4本以下でもよいし、6本以上の任意の複数でもよい。
【0025】
ノズル50は、ボディCbを保持する。実施形態において、ノズル50は、ボディCbの上面を吸着保持する。実装ヘッド106は、ノズル50でボディCbを保持した状態で、リード部品CのリードClを基板Pの表面に設けられた開口に挿入する。リード部品Cは、リードClが基板Pの開口に挿入されることによって、基板Pに実装される。
【0026】
[照明装置及び検出装置]
図6は、実施形態に係る照明装置20及び検出装置30を模式的に示す斜視図である。
【0027】
照明装置20は、ノズル50に保持されているリード部品Cを照明光で照明する。照明装置20は、検出装置30よりも上方に配置される。照明装置20は、リード部品Cを下方から照明する。照明装置20は、ケース21と、ケース21の上部に設けられる発光素子22と、ケース21の下部に設けられる発光素子23とを有する。
【0028】
XY平面内において、ケース21の外形は、正方形状である。ケース21の上部に開口24が設けられる。ケース21の下部に開口25が設けられる。発光素子22は、ケース21の上部において、開口24を囲むように複数配置される。発光素子23は、ケース21の下部において、開口25を囲むように複数配置される。発光素子22及び発光素子23のそれぞれは、照明光を射出する。ノズル50に保持されているリード部品Cは、発光素子22及び発光素子23の少なくとも一方から射出された照明光で照明される。
【0029】
検出装置30は、リード部品Cがノズル50に保持された状態でリードClの位置を検出する。検出装置30は、XY平面内におけるリードClの先端部(下端部)の位置を検出する。XY平面内におけるリードClの位置が検出されることにより、XY平面内において隣接する一対のリードClの間隔が検出される。検出装置30は、リード部品Cがノズル50に保持された状態でリードClの間隔を検出する。検出装置30は、X軸方向に隣接する一対のリードClのX軸方向の間隔を検出する。検出装置30は、Y軸方向に隣接する一対のリードClのY軸方向の間隔を検出する。
【0030】
実施形態において、検出装置30は、撮像装置である。検出装置30は、光学系31と、光学系31を通過した光を受光するイメージセンサ32とを有する。光学系31の光軸AXは、Z軸と平行である。イメージセンサ32は、CCD(Couple Charged Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサを含む。検出装置30は、リード部品Cを撮像してリード部品Cの画像データを取得する。
【0031】
検出装置30は、ベースフレーム101に支持される。検出装置30は、ケース21よりも下方側に配置される。検出装置30は、ノズル50に保持され照明装置20で照明されたリード部品Cを下方側から撮像する。
【0032】
検出装置30でリード部品Cを撮像するとき、制御装置40は、Z駆動装置113を制御して、ノズル50に保持されているリード部品Cを、開口24を介してケース21の内部空間に移動する。制御装置40は、照明装置20を制御して、発光素子22及び発光素子23の少なくとも一方から照明光を射出させる。これにより、ケース21の内部空間に配置されているリード部品Cが照明光で照明される。検出装置30は、ノズル50に保持され照明装置20で照明されたリード部品Cを、開口25を介して下方側から撮像する。
【0033】
[リード矯正治具]
図7は、実施形態に係るリード矯正治具1を示す斜視図である。リード矯正治具1は、リード部品CのリードClの位置を矯正する。リード矯正治具1は、XY平面内におけるリードClの先端部の位置を矯正する。リード矯正治具1は、隣接する一対のリードClの先端部の間隔を矯正する。リード矯正治具1は、X軸方向に隣接する一対のリードClのX軸方向の間隔を矯正する。リード矯正治具1は、Y軸方向に隣接する一対のリードClのY軸方向の間隔を矯正する。
【0034】
リード矯正治具1は、X軸方向に配置された複数の傾斜面2を有する第1矯正部3と、Y軸方向に配置された複数の傾斜面4を有する第2矯正部5とを備える。
【0035】
第1矯正部3は、リード部品CのリードClが傾斜面2に押し付けられることによりX軸方向のリードClの間隔を矯正する。第2矯正部5は、リード部品CのリードClが傾斜面4に押し付けられることによりY軸方向のリードClの間隔を矯正する。
【0036】
第1矯正部3は、ベースプレート部6と、ベースプレート部6の上面においてX軸方向に配置される一対の凸部7(第1凸部)と、ベースプレート部6の上面においてX軸方向に配置される一対の凸部8(第2凸部)とを含む。凸部7は、ベースプレート部6の上面から上方に突出する。凸部8は、ベースプレート部6の上面から上方に突出する。実施形態において、一対の凸部7は、一対の凸部8よりも-X側に配置される。
【0037】
第2矯正部5は、ベースプレート部9と、ベースプレート部6の上面に配置される凸部群10とを含む。凸部群10は、Y軸方向に配置される複数の凸部11を有する。凸部群10は、X軸方向に一対配置される。実施形態において、凸部群10は、第1凸部群10Aと、第1凸部群10Aよりも+X側に配置される第2凸部群10Bとを含む。
【0038】
また、リード矯正治具1は、少なくとも一部が一対の凸部7の間に配置される可動部材12A(第1可動部材)と、少なくとも一部が一対の凸部8の間に配置される可動部材12B(第1可動部材)と、少なくとも一部が一対の凸部群10の間に配置される可動部材13(第2可動部材)とを備える。
【0039】
図8は、実施形態に係るリード矯正治具1の一部を示す斜視図である。図9は、実施形態に係るリード矯正治具1の一部を示す断面斜視図である。図8は、図7に示すリード矯正治具1から可動部材12Aと可動部材12Bと可動部材13とを除いた図に相当する。図9は、図8の一部を拡大した断面斜視図に相当する。
【0040】
第1矯正部3は、X軸方向に配置された複数の傾斜面2を有する。第1矯正部3の傾斜面2は、X軸方向に配置された一対のリードClのそれぞれに同時に押し付けられるようにX軸方向に少なくとも一対配置される。
【0041】
実施形態において、第1矯正部3の傾斜面2は、下方側に向かって接近する第1組の傾斜面2Aと、下方側に向かって離隔する第2組の傾斜面2Bとを含む。
【0042】
第1矯正部3は、X軸方向に配置される一対の凸部7(第1凸部)と、X軸方向に配置される一対の凸部8(第2凸部)とを含む。
【0043】
第1組の傾斜面2Aは、一対の凸部7のそれぞれの内側面を含む。凸部7は、+X側を向く側面と-X側を向く側面とを有する。凸部7の内側面とは、相互に対向する一対の凸部7の側面をいう。すなわち、凸部7の内側面とは、一対の凸部7の間に形成される凹部の内面をいう。
【0044】
第2組の傾斜面2Bは、一対の凸部8のそれぞれの外側面を含む。凸部8は、+X側を向く側面と-X側を向く側面とを有する。凸部8の外側面とは、相互に対向しない一対の凸部8の側面をいう。すなわち、凸部8の外側面とは、一対の凸部8の間に形成される凹部に面しない外面をいう。
【0045】
第1矯正部3の傾斜面2(2A,2B)は、Y軸方向に配置された複数のリードClのそれぞれに同時に押し付けられるように、Y軸方向に延伸する。
【0046】
図3図4、及び図5を参照して説明したように、実施形態において、リードClは、Y軸方向に5本配置される。第1矯正部3の傾斜面2(2A,2B)は、Y軸方向に配置された5本のリードClのそれぞれに同時に押し付けられるようにY軸方向に延伸する。すなわち、Y軸方向の傾斜面2(2A,2B)の長さは、5本のリードClのうち最も+Y側に配置されるリードClと最も-Y側に配置されるリードClとの距離よりも長い。Y軸方向に配置される5本のリードClは、1つの傾斜面2に同時に対向することができる。
【0047】
第2矯正部5は、X軸方向に配置された複数の傾斜面4を有する。第2矯正部5の傾斜面4は、Y軸方向に配置された複数のリードClのそれぞれに同時に押し付けられるようにY軸方向に少なくとも3つ配置される。
【0048】
実施形態において、第2矯正部5の傾斜面4は、下方側に向かって接近する第3組の傾斜面4Aと、下方側に向かって離隔する第4組の傾斜面4Bとを含む。
【0049】
第3組の傾斜面4Aと第4組の傾斜面4Bとは、Y軸方向に配置される。
【0050】
第3組の傾斜面4A及び第4組の傾斜面4Bの少なくとも一方は、Y軸方向に複数配置される。実施形態において、第3組の傾斜面4A及び第4組の傾斜面4Bの両方が、Y軸方向に複数配置される。第3組の傾斜面4Aは、Y軸方向に4つ(4組)配置される。第4組の傾斜面4Bは、Y軸方向に3つ(3組)配置される。
【0051】
第2矯正部5は、Y軸方向に配置される複数の凸部11を有する凸部群10を含む。
【0052】
第3組の2つの傾斜面4Aのうち一方の傾斜面4Aは、1つの凸部11の一方の側面(+Y側の側面)を含む。第3組の2つの傾斜面4Aのうち他方の傾斜面4Bは、1つの凸部11の他方の側面(-Y側の側面)を含む。
【0053】
第3組の傾斜面4Aは、相互に対向する一対の凸部11のそれぞれの内側面を含む。凸部11は、+Y側を向く側面と-Y側を向く側面とを有する。凸部11の内側面とは、相互に対向する一対の凸部11の側面をいう。すなわち、凸部11の内側面とは、一対の凸部11の間に形成される凹部の内面をいう。
【0054】
第4組の傾斜面4Bは、1つの凸部11の両側の外側面を含む。上述のように、凸部11は、+Y側を向く側面と-Y側を向く側面とを有する。凸部11の外側面とは、相互に対向しない1つの凸部11の両側の側面をいう。
【0055】
このように、凸部11の側面は、第3組の傾斜面4Aとして機能するとともに、第4組の傾斜面4Bとして機能する。
【0056】
凸部群10は、X軸方向に配置された一対のリードClのそれぞれに同時に押し付けられるように、X軸方向に一対配置される。
【0057】
図3図4、及び図5を参照して説明したように、実施形態において、リードClは、X軸方向に2本配置される。第2矯正部5の凸部群10は、X軸方向に配置された2本のリードClのそれぞれに同時に押し付けられるように、X軸方向に2つ配置される。実施形態において、凸部群10は、第1凸部群10Aと、第1凸部群10Aよりも+X側に配置される第2凸部群10Bとを含む。X軸方向に配置された2本のリードClのうち、+X側のリードClが第1凸部群10Aに対向している状態で、-X側のリードClは第2凸部群10Bに対向することができる。
【0058】
可動部材12A(第1可動部材)の少なくとも一部は、一対の傾斜面2Aの間に配置される。実施形態において、リード矯正治具1は、可動部材12Aを上方側に移動させる弾性力を発生する弾性部材14A(第1弾性部材)と、可動部材12AをZ軸方向にガイドするガイド部材15A(第1ガイド部材)とを備える。
【0059】
可動部材12Aは、Y軸方向に長い。可動部材12Aは、一対の凸部7の間において上下方向に移動可能である。可動部材12Aの+Y側の端部は、凸部7よりも+Y側に配置される。可動部材12Aの-Y側の端部は、凸部7よりも-Y側に配置される。
【0060】
弾性部材14Aは、可動部材12Aの+側の端部及び-Y側の端部のそれぞれを支持する。弾性部材14Aは、可動部材12Aが一対の凸部7の間において上方側に移動するように弾性力を発生する。
【0061】
ガイド部材15Aは、凸部7よりも+Y側及び-Y側のそれぞれに配置される。ガイド部材15Aは、可動部材12Aの少なくとも一部が配置されるガイド孔16Aを有する。ガイド孔16Aは、上下方向に長い。可動部材12Aは、ガイド孔16Aにより上下方向にガイドされる。
【0062】
可動部材12B(第1可動部材)の少なくとも一部は、一対の傾斜面2Bの間に配置される。実施形態において、リード矯正治具1は、可動部材12Bを上方側に移動させる弾性力を発生する弾性部材14B(第1弾性部材)と、可動部材12BをZ軸方向にガイドするガイド部材15B(第1ガイド部材)とを備える。
【0063】
可動部材12Bは、Y軸方向に長い。可動部材12Bは、一対の凸部8の間において上下方向に移動可能である。可動部材12Bの+Y側の端部は、凸部8よりも+Y側に配置される。可動部材12Bの-Y側の端部は、凸部8よりも-Y側に配置される。
【0064】
弾性部材14Bは、可動部材12Bの+側の端部及び-Y側の端部のそれぞれを支持する。弾性部材14Bは、可動部材12Bが一対の凸部8の間において上方側に移動するように弾性力を発生する。
【0065】
ガイド部材15Bは、凸部8よりも+Y側及び-Y側のそれぞれに配置される。ガイド部材15Bは、可動部材12Bの少なくとも一部が配置されるガイド孔16Bを有する。ガイド孔16Bは、上下方向に長い。可動部材12Bは、ガイド孔16Bにより上下方向にガイドされる。
【0066】
可動部材13(第2可動部材)の少なくとも一部は、一対の凸部群10の間に配置される。実施形態において、リード矯正治具1は、可動部材13を上方側に移動させる弾性力を発生する弾性部材17(第2弾性部材)と、可動部材13をZ軸方向にガイドするガイド部材18(第2ガイド部材)とを備える。
【0067】
可動部材13は、Y軸方向に長い。可動部材13は、一対の凸部群10の間において上下方向に移動可能である。可動部材13の+Y側の端部は、凸部群10よりも+Y側に配置される。可動部材13の-Y側の端部は、凸部群10よりも-Y側に配置される。
【0068】
弾性部材17は、可動部材13の+Y側の端部及び-Y側の端部のそれぞれを支持する。弾性部材17は、可動部材13が一対の凸部群10の間において上方側に移動するように弾性力を発生する。
【0069】
ガイド部材18は、凸部群10よりも+Y側及び-Y側のそれぞれに配置される。ガイド部材18は、可動部材13の少なくとも一部が配置されるガイド孔19を有する。ガイド孔19は、上下方向に長い。可動部材13は、ガイド孔19により上下方向にガイドされる。
【0070】
[制御装置]
図10は、実施形態に係る制御装置40を示す機能ブロック図である。制御装置40は、コンピュータシステムを含む。制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサを含む演算処理装置と、RAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリ及びROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリを含む記憶装置と、入出力インターフェースとを有する。
【0071】
基板搬送装置103、実装ヘッド移動装置107、ノズル移動装置112、照明装置20、及び検出装置30のそれぞれは、制御装置40に接続される。基板搬送装置103、実装ヘッド移動装置107、ノズル移動装置112、照明装置20、及び検出装置30のそれぞれは、制御装置40に制御される。
【0072】
制御装置40は、駆動制御部41と、撮像制御部42と、画像処理部43と、判定部44と、矯正指令部45とを有する。
【0073】
駆動制御部41は、基板搬送装置103を制御する制御指令を出力する。駆動制御部41は、実装ヘッド移動装置107を制御する制御指令を出力する。駆動制御部41は、ノズル移動装置112を制御する制御指令を出力する。
【0074】
撮像制御部42は、照明装置20を制御する制御指令を出力する。撮像制御部42は、検出装置30を制御する制御指令を出力する。撮像制御部42は、ノズル50に保持されているリード部品Cが照明装置20で照明された状態で検出装置30により撮像されるように、照明装置20及び検出装置30のそれぞれに制御指令を出力する。
【0075】
画像処理部43は、検出装置30により取得されたリードClの画像データに基づいて、複数のリードClのそれぞれの位置を算出する。また、画像処理部43は、リードClの位置に基づいて、隣接する一対のリードClの間隔を算出する。
【0076】
判定部44は、画像処理部43により算出されたリードClの位置が目標位置に対して許容範囲か否かを判定する。また、判定部44は、リードClの位置に基づいて、リードClの間隔が目標間隔に対して許容範囲か否かを判定する。
【0077】
矯正指令部45は、リードClの間隔が許容範囲ではないと判定された場合、リードClの間隔がリード矯正治具1で矯正されるように、矯正指令を出力する。
【0078】
すなわち、矯正指令部45は、検出装置30の検出データに基づいて、リードClの間隔をリード矯正治具1で矯正するために、ノズル50に保持されたリード部品CのリードClが第1矯正部3及び第2矯正部5の少なくとも一方に押し付けられるように、矯正指令を出力する。矯正指令部45は、検出装置30の検出データに基づいて、リード部品Cを第1矯正部3及び第2矯正部5の少なくとも一方に押し付けるときのノズル50のZ軸方向の移動量を制御する。
【0079】
リード部品CのリードClが第1矯正部3及び第2矯正部5の少なくとも一方に押し付けられた後、駆動制御部41は、リード部品Cが基板Pに実装されるように、実装ヘッド106を制御する。
【0080】
[矯正方法]
図11は、実施形態に係るリードClの矯正方法を示すフローチャートである。駆動制御部41は、実装ヘッド106を供給位置PJaに移動する。駆動制御部41は、供給位置PJaにおいてノズル50でリード部品Cを保持する(ステップS1)。
【0081】
駆動制御部41は、ノズル50を検出装置30の上方側に移動させる。撮像制御部42は、ノズル50に保持されたリード部品Cを検出装置30で撮像する(ステップS2)。
【0082】
画像処理部43は、リード部品Cの画像データを検出装置30から取得する。画像処理部43は、XY平面内における複数のリードClのそれぞれの位置を算出する(ステップS3)。
【0083】
判定部44は、複数のリードClのそれぞれの位置が許容範囲か否かを判定する(ステップS4)。
【0084】
図12は、実施形態に係るリード部品Cの画像データを模式的に示す図である。図12に示すように、リードClの位置の許容範囲を示すサークルTLが設定される。サークルTLの中心は、リードClの目標位置を示す。リードClの先端部がサークルTLの内側に配置される場合、判定部44は、複数のリードClのそれぞれの位置が目標位置に対して許容範囲であると判定する。図12に示す例においては、リードClxのX軸方向の位置が許容範囲にない。また、リードClyのY軸方向の位置が許容範囲にない。
【0085】
ステップS4において、リードClの位置が許容範囲にあると判定された場合(ステップS4:Yes)、駆動制御部41は、ノズル50に保持されているリード部品Cが基板Pに実装されるように、実装ヘッド106を移動する(ステップS5)。
【0086】
図13は、実施形態に係るリード部品CのリードClが基板Pの開口PKに挿入される状態を模式的に示す図である。ボディCbを保持したノズル50がXY平面内において移動しながら下方側に移動することにより、リードClが基板Pの開口PKに挿入される。リードClが基板Pの開口PKに挿入された後、ノズル50によるリード部品Cの保持が解放される。これにより、リード部品Cが基板Pに実装される。
【0087】
ステップS4において、リードClの位置が許容範囲にないと判定された場合(ステップS4:No)、矯正指令部45は、リードClがリード矯正治具1で矯正されるように、矯正指令を出力する(ステップS6)。
【0088】
駆動制御部41は、矯正指令に基づいて、ノズル50に保持されているリード部品Cがリード矯正治具1の上方に配置されるように、実装ヘッド106を移動する。
【0089】
矯正指令部45は、許容範囲にないリードClの位置に基づいて、リード矯正治具1の複数の傾斜面(2A、2B,4)のうち、リードClの矯正に使用する傾斜面を決定する(ステップS7)。
【0090】
例えば、X軸方向のリードClの間隔を狭まる場合、矯正指令部45は、第1矯正部3の傾斜面2Aを使用することを決定する。X軸方向のリードClの間隔を拡げる場合、矯正指令部45は、第1矯正部3の傾斜面2Bを使用することを決定する。Y軸方向のリードClの間隔を調整する場合、矯正指令部45は、第2矯正部5の傾斜面4を使用することを決定する。
【0091】
矯正指令部45は、リードClを傾斜面に押し付けるときの押し込み量を決定する(ステップS8)。
【0092】
押し込み量は、リード部品Cを保持しているノズル50のZ軸方向の移動量(下降量)である。押し込み量は、使用する傾斜面(2A,2B,4)毎に予め設定されている。押し込み量は、リード部品C毎に設定されてもよい。
【0093】
なお、矯正指令部45は、許容範囲にないリードClの位置と目標位置とのずれ量に基づいて、リードClを傾斜面に押し付けるときの押し込み量を決定してもよい。画像処理部43により算出されたリードClの位置と目標位置とのずれ量が大きい場合、押し込み量は大きい値に設定されてもよい。画像処理部43により算出されたリードClの位置と目標位置とのずれ量が小さい場合、押し込み量は小さい値に設定されてもよい。
【0094】
駆動制御部41は、リードClを傾斜面に押し付ける矯正処理を開始する(ステップS9)。
【0095】
矯正処理は、リードClの先端部が傾斜面に接触した状態で、リード部品Cを保持しているノズル50を下降させる処理を含む。
【0096】
図14は、実施形態に係るリードClの矯正方法を模式的に示す斜視図である。図15は、実施形態に係るリードClの矯正方法を模式的に示す正面図である。図14及び図15は、X軸方向のリードClの間隔を狭めるときの動作を示す。
【0097】
図14及び図15に示すように、X軸方向のリードClの間隔を狭める場合、第1矯正部3の一対の傾斜面2Aが使用される。駆動制御部41は、一対のリードClの先端部と一対の傾斜面2Aとが接触している状態で、リード部品Cを保持しているノズル50を下降させる。駆動制御部41は、ステップS8において決定された押し込み量だけノズル50を下降させる。一対のリードClの先端部と一対の傾斜面2Aとが接触している状態で、リード部品Cを保持しているノズル50が下降することにより、X軸方向のリードClの間隔が狭められる。
【0098】
図15に示すように、ボディCbの下面と可動部材12Aの上面とが接触した状態で、リード部品Cが下降する。可動部材12Aは、弾性部材14Aに支持されている。そのため、リード部品Cが下降すると、弾性部材14Aが圧縮され、可動部材12Aは、リード部品Cと一緒に下降する。
【0099】
リード部品Cが下降され、リードClの間隔が狭められた後、駆動制御部41は、リード部品Cを保持しているノズル50を上昇させる。可動部材12Aは、弾性部材14Aに支持されている。そのため、リード部品Cが上昇すると、可動部材12Aは、弾性部材14Aの弾性力により上昇する。
【0100】
ノズル50を上昇させるとき、リードClの少なくとも一部が傾斜面2Aに引っ掛かる現象が発生する可能性がある。リードClの少なくとも一部が傾斜面2Aに引っ掛かる現象が発生すると、リード部品Cが円滑に上昇されない可能性がある。実施形態においては、ノズル50が上昇するとき、可動部材12Aは、弾性部材14Aの弾性力により、リード部品Cを持ち上げるように上昇する。これにより、リードClの少なくとも一部が傾斜面2Aに引っ掛かる現象が発生しても、リード部品Cは、弾性部材14Aの弾性力により、円滑に上昇することができる。
【0101】
図16は、実施形態に係るリードClの矯正方法を模式的に示す正面図である。図16は、X軸方向のリードClの間隔を拡げるときの動作を示す。
【0102】
図16に示すように、X軸方向のリードClの間隔を拡げる場合、第1矯正部3の一対の傾斜面2Bが使用される。駆動制御部41は、一対のリードClの先端部と一対の傾斜面2Bとが接触している状態で、リード部品Cを保持しているノズル50を下降させる。駆動制御部41は、ステップS8において決定された押し込み量だけノズル50を下降させる。一対のリードClの先端部と一対の傾斜面2Bとが接触している状態で、リード部品Cを保持しているノズル50が下降することにより、X軸方向のリードClの間隔が広げられる。
【0103】
図16に示すように、ボディCbの下面と可動部材12Bの上面とが接触した状態で、リード部品Cが下降する。可動部材12Bは、弾性部材14Bに支持されている。そのため、リード部品Cが下降すると、弾性部材14Bが圧縮され、可動部材12Bは、リード部品Cと一緒に下降する。
【0104】
リード部品Cが下降され、リードClの間隔が拡げられた後、駆動制御部41は、リード部品Cを保持しているノズル50を上昇させる。可動部材12Bは、弾性部材14Bに支持されている。そのため、リード部品Cが上昇すると、可動部材12Bは、弾性部材14Bの弾性力により上昇する。
【0105】
ノズル50を上昇させるとき、リードClの少なくとも一部が傾斜面2Bに引っ掛かる現象が発生する可能性がある。実施形態においては、ノズル50が上昇するとき、可動部材12Bは、弾性部材14Bの弾性力により、リード部品Cを持ち上げるように上昇する。これにより、リードClの少なくとも一部が傾斜面2Bに引っ掛かる現象が発生しても、リード部品Cは、弾性部材14Bの弾性力により、円滑に上昇することができる。
【0106】
図17は、実施形態に係るリードClの矯正方法を模式的に示す斜視図である。図18は、実施形態に係るリードClの矯正方法を模式的に示す側面図である。図19は、実施形態に係るリードClの矯正方法を模式的に示す正面図である。図17図18、及び図19は、Y軸方向のリードClの間隔を矯正するときの動作を示す。
【0107】
図17図18、及び図19に示すように、Y軸方向のリードClの間隔を矯正する場合、第2矯正部5の傾斜面4(4A,4B)が使用される。駆動制御部41は、-X側に配置されている複数のリードClの先端部と第1凸部群10Aの傾斜面4(4A,4B)とが接触し、+X側に配置されている複数のリードClの先端部と第2凸部群10Bの傾斜面4(4A,4B)とが接触している状態で、リード部品Cを保持しているノズル50を下降させる。駆動制御部41は、ステップS8において決定された押し込み量だけノズル50を下降させる。複数のリードClの先端部と複数の傾斜面4(4A,4B)とが接触している状態で、リード部品Cを保持しているノズル50が下降することにより、Y軸方向のリードClの間隔が矯正される。
【0108】
例えば、一対のリードClと一対の傾斜面4Aとが接触している状態でリード部品Cが下降することにより、一対のリードClのY軸方向の間隔が狭められる。一対のリードClと一対の傾斜面4Bとが接触している状態でリード部品Cが下降することにより、一対のリードClのY軸方向の間隔が拡げられる。
【0109】
図19に示すように、ボディCbの下面と可動部材13の上面とが接触した状態で、リード部品Cが下降する。可動部材13は、弾性部材17に支持されている。そのため、リード部品Cが下降すると、弾性部材17が圧縮され、可動部材13は、リード部品Cと一緒に下降する。
【0110】
リード部品Cが下降され、Y軸方向のリードClの間隔が矯正された後、駆動制御部41は、リード部品Cを保持しているノズル50を上昇させる。可動部材13は、弾性部材17に支持されている。そのため、リード部品Cが上昇すると、可動部材13は、弾性部材17の弾性力により上昇する。
【0111】
ノズル50を上昇させるとき、リードClの少なくとも一部が傾斜面4(4A,4B)に引っ掛かる現象が発生する可能性がある。実施形態においては、ノズル50が上昇するとき、可動部材13は、弾性部材17の弾性力により、リード部品Cを持ち上げるように上昇する。これにより、リードClの少なくとも一部が傾斜面4(4A,4B)に引っ掛かる現象が発生しても、リード部品Cは、弾性部材17の弾性力により、円滑に上昇することができる。
【0112】
実施形態において、リード部品Cを傾斜面4に押し付ける押し付け動作は、1つのリード部品Cについて2回実施される。上述のように、一対のリードClと一対の傾斜面4Aとが接触している状態でリード部品Cが下降することにより、一対のリードClのY軸方向の間隔が狭められる。一対のリードClと一対の傾斜面4Bとが接触している状態でリード部品Cが下降することにより、一対のリードClのY軸方向の間隔が拡げられる。そのため、第1回目の押し付け動作が実施された後、リード部品Cが上昇され、Y軸方向のリードClのピッチ分だけリード部品Cをずらしてから、第2回目の押し付け動作が実施される。
【0113】
矯正処理が終了した後、矯正指令部45は、リードClの矯正が正しく実施されたか否かを確認するために、検出装置30でリード部品Cの撮像を実施する(ステップS10)。
【0114】
画像処理部43は、ステップS10において取得された画像データに基づいて、リードClの位置を算出する(ステップS11)。
【0115】
判定部44は、リードClの位置が許容範囲か否かを判定する。すなわち、判定部44は、リードClの矯正が正しく実施されたか否かを判定する(ステップS12)。
【0116】
ステップS12において、リードClの位置が許容範囲であると判定された場合(ステップS12:Yes)、リード部品Cの実装処理が実施される(ステップS5)。
【0117】
ステップS12において、リードClの位置が許容範囲でないと判定された場合(ステップS12:No)、判定部44は、矯正処理のリトライを実施するか否かを判定する(ステップS13)。
【0118】
ステップS13において、矯正処理のリトライを実施すると判定された場合(ステップS13:Yes)、ステップS6からステップS12の処理が実施される。
【0119】
実施形態において、矯正処理のリトライ回数が予め定められている。例えばリトライ回数が3回である場合、リトライ回数の範囲において、ステップS12においてリードClの位置が許容範囲であると判定されるまで、ステップS6からステップS12の処理が繰り返される。
【0120】
リトライ回数が3回を超えても、ステップS12においてリードClの位置が許容範囲であると判定されない場合(ステップS12:No)、ステップS13において、矯正処理のリトライを実施しないと判定される(ステップS13:No)。
【0121】
リードClの位置が許容範囲に矯正されなかったリード部品Cは、廃棄される(ステップS14)。
【0122】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、リード矯正治具1は、X軸方向のリードClの間隔を矯正する第1矯正部3と、Y軸方向のリードClの間隔を矯正する第2矯正部5とを備える。そのため、リード部品CにリードClがマトリクス状に配置される場合においても、X軸方向及びY軸方向のそれぞれのリードClの間隔が矯正される。実施形態において、リードClは、X軸方向に2本配置され、Y軸方向に5本配置される。すなわち、実施形態において、リード部品Cは、所謂、2列複数行リードタイプである。2列複数行リードタイプのリード部品Cを基板Pに実装する場合、リード矯正治具1により、X軸方向及びY軸方向のそれぞれのリードClの間隔が適正に矯正される。
【符号の説明】
【0123】
1…リード矯正治具、2…傾斜面、2A…傾斜面、2B…傾斜面、3…第1矯正部、4…傾斜面、4A…傾斜面、4B…傾斜面、5…第2矯正部、6…ベースプレート部、7…凸部(第1凸部)、8…凸部(第2凸部)、9…ベースプレート部、10…凸部群、10A…第1凸部群、10B…第2凸部群、11…凸部、12A…可動部材(第1可動部材)、12B…可動部材(第1可動部材)、13…可動部材(第2可動部材)、14A…弾性部材(第1弾性部材)、14B…弾性部材(第1弾性部材)、15A…ガイド部材(第1ガイド部材)、15B…ガイド部材(第1ガイド部材)、16A…ガイド孔、16B…ガイド孔、17…弾性部材(第2弾性部材)、18…ガイド部材(第2ガイド部材)、19…ガイド孔、20…照明装置、21…ケース、22…発光素子、23…発光素子、24…開口、25…開口、30…検出装置、31…光学系、32…イメージセンサ、40…制御装置、41…駆動制御部、42…撮像制御部、43…画像処理部、44…判定部、45…矯正指令部、50…ノズル、100…部品実装装置、101…ベースフレーム、102…フィーダバンク、103…基板搬送装置、106…実装ヘッド、107…実装ヘッド移動装置、108…X軸ガイドレール、109…Y軸ガイドレール、110…X駆動装置、111…Y駆動装置、112…ノズル移動装置、113…Z駆動装置、114…θZ駆動装置、200…フィーダ、AX…光軸、C…リード部品、Cb…ボディ、Cl…リード、P…基板、PK…開口PJa…供給位置、PJb…実装位置、TL…サークル。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19