(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162829
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】手すり
(51)【国際特許分類】
F21V 33/00 20060101AFI20221018BHJP
F21V 17/00 20060101ALI20221018BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221018BHJP
【FI】
F21V33/00 100
F21V17/00 154
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067853
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(71)【出願人】
【識別番号】000112185
【氏名又は名称】ビニフレーム工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002712
【氏名又は名称】弁理士法人みなみ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福井 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】清水 國孝
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 直行
(72)【発明者】
【氏名】加登 篤
(72)【発明者】
【氏名】辻井 千穂
(72)【発明者】
【氏名】吉野 貴之
(72)【発明者】
【氏名】瀬川 葉一
【テーマコード(参考)】
3K011
3K014
【Fターム(参考)】
3K011BA02
3K011EC01
3K014PB01
(57)【要約】
【課題】笠木に照明を内蔵したものであって、複数の照射方向に対応しつつ、各照射方向の場合において部材を共通化してコストを抑えた手すりを提供する。
【解決手段】筒状の笠木と、照明具を備え、前記笠木は、形材からなるカバー材と形材からなる目板材が係合して固定ネジで固定されたものであり、前記目板材は、前記固定ネジが貫通する目板固定面部を有しており、該目板固定面部は、見込方向の一方側寄りに位置しており、前記カバー材は、前記笠木の外形を構成するカバー外殻部と、該カバー外殻部の内側に設けられた支持部を有しており、該支持部は、前記固定ネジが螺合するカバー固定面部と、前記照明具が取り付けられる取付面部を有しており、前記カバー固定面部は、前記目板固定面部と平行であって見込方向の一方側寄りに位置しており、前記取付面部は、前記カバー固定面部に対して見込方向の他方側に位置している。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の笠木と、照明具を備え、
前記笠木は、形材からなるカバー材と形材からなる目板材が係合して固定ネジで固定されたものであり、
前記目板材は、前記固定ネジが貫通する目板固定面部を有しており、該目板固定面部は、見込方向の一方側寄りに位置しており、
前記カバー材は、前記笠木の外形を構成するカバー外殻部と、該カバー外殻部の内側に設けられた支持部を有しており、
該支持部は、前記固定ネジが螺合するカバー固定面部と、前記照明具が取り付けられる取付面部を有しており、前記カバー固定面部は、前記目板固定面部と平行であって見込方向の一方側寄りに位置しており、前記取付面部は、前記カバー固定面部に対して見込方向の他方側に位置していることを特徴とする手すり。
【請求項2】
前記目板材に対して択一的に取り付け可能な複数種類の前記カバー材を備えるものであって、
それぞれの前記カバー材は、前記取付面部の前記カバー固定面部に対する傾斜角度が異なるものであることを特徴とする請求項1記載の手すり。
【請求項3】
前記目板材は、底面部を有しており、該底面部は、前記目板固定面部と平行であって前記目板固定面部よりも前記カバー固定面部から離れておりかつ前記目板固定面部に対して見込方向の他方側に位置していることを特徴とする請求項1または2記載の手すり。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明を内蔵した手すりに関する。
【背景技術】
【0002】
通路などに設置される手すりにおいて、従来、特許文献1に示すように、人が手を掛けるための笠木に照明を内蔵したものがある。このような手すりによれば、別途照明器具を設置する必要がなく、通行人の足元を照らすことで安全性が確保され、また光の照射による演出効果が得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の手すりは、照明器具が真下方向(垂直下向き)に光を照射するものであって、それ以外の態様は想定されていないが、手すりの設置箇所の状況によっては、真下方向以外の垂直方向に対して傾斜した方向に光を照射するものが望まれる場合もある。しかしながら、複数の照射方向に対応するためにそれぞれ別個の笠木を用いるとなると、コストが高くなってしまう。
【0005】
本発明は、このような事情を鑑みたものであり、笠木に照明を内蔵したものであって、複数の照射方向に対応しつつ、各照射方向の場合において部材を共通化してコストを抑えた手すりを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筒状の笠木と、照明具を備え、前記笠木は、形材からなるカバー材と形材からなる目板材が係合して固定ネジで固定されたものであり、前記目板材は、前記固定ネジが貫通する目板固定面部を有しており、該目板固定面部は、見込方向の一方側寄りに位置しており、前記カバー材は、前記笠木の外形を構成するカバー外殻部と、該カバー外殻部の内側に設けられた支持部を有しており、該支持部は、前記固定ネジが螺合するカバー固定面部と、前記照明具が取り付けられる取付面部を有しており、前記カバー固定面部は、前記目板固定面部と平行であって見込方向の一方側寄りに位置しており、前記取付面部は、前記カバー固定面部に対して見込方向の他方側に位置していることを特徴とする。ここで、目板固定面部、カバー固定面部および取付面部は、何れも各部材の表面の一部である面であり、平面状であっても曲面状であってもよい。そして、これらの面が形成される部材自体は、どのような形状のものであってもよい。また、カバー固定面部と目板固定面部が平行であるとは、両方の面に対して1本の直線が直交する状態であって、その直線上に固定ネジが位置するものである。なお、カバー材の支持部において、上記の部位に加えてそれ以外の部位もカバー固定面部や取付面部となるものであってもよい。同じ部位がカバー固定面部かつ取付面部となるものであってもよく、その場合、固定ネジが螺合する位置と照明具が取り付けられる位置が長手方向にずれた位置となる。また、目板材の目板固定面部は、それ自身が笠木の外形を構成するものであってもよいし、笠木の外形を構成する部分の内側に設けられたものであってもよい。
【0007】
また、本発明は、前記目板材に対して択一的に取り付け可能な複数種類の前記カバー材を備えるものであって、それぞれの前記カバー材は、前記取付面部の前記カバー固定面部に対する傾斜角度が異なるものであってもよい。
【0008】
また、本発明は、前記目板材が、底面部を有しており、該底面部は、前記目板固定面部と平行であって前記目板固定面部よりも前記カバー固定面部から離れておりかつ前記目板固定面部に対して見込方向の他方側に位置しているものであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、カバー材のカバー固定面部と目板材の目板固定面部を見込方向の一方側寄りに位置させて、一方側において固定ネジでカバー材と目板材を固定するものとしたことにより、それらに対して他方側に位置する取付面部の傾斜角度を自在に設定できる。よって、適宜取付面部の傾斜角度が異なるカバー材を用いることにより、照明具の光の照射方向を変えられるものであって、目板材は共通であるから、コストを抑えることができる。また、カバー固定面部と目板固定面部は常に平行なので、両者に対して固定ネジを垂直向きに螺合または貫通させることで、カバー材と目板材を確実に固定できる。
【0010】
また、予め取付面部のカバー固定面部に対する傾斜角度が異なる複数のカバー材を備えておけば、取り付けるカバー材を選択するだけで容易に照明具の光の照射方向を変えられる。
【0011】
また、目板材が、目板固定面部よりもカバー固定面部から離れておりかつ他方側に位置する底面部を有するものであれば、目板固定面部を貫通する固定ネジの頭部を、目板固定面部と底面部により形成される段差部分に納めることができるので、笠木の外周側に固定ネジの頭部が突出することがなく、笠木を支持する部材に対する取付性が良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】斜方照射用カバー材と支柱部目板材の固定部分の説明図(
図4のA-A線断面図)。
【
図2】斜方照射用カバー材を取り付けた笠木の照明具の取付部分の説明図(
図4のB-B線断面図)。
【
図3】斜方照射用カバー材と斜方照射用底部材の固定部分の説明図(
図4のC-C線断面図)。
【
図4】斜方照射用カバー材を取り付けた手すりの正面図。
【
図5】斜方照射用カバー材を取り付けた手すりの笠木の床面への取付構造の説明図(
図4のD-D線断面図)。
【
図6】斜方照射用カバー材を取り付けた手すりにおける給電部分の説明図(
図4のE-E線断面図)。
【
図7】斜方照射用カバー材を取り付けた手すりにおける笠木の連結部分の説明図であり、(a)は断面図((b)のF-F線断面図)、(b)は正面図。
【
図8】垂直照射用カバー材と支柱部目板材の固定部分の説明図(
図11のG-G線断面図)。
【
図9】垂直照射用カバー材を取り付けた笠木の照明具の取付部分の説明図(
図11のH-H線断面図)。
【
図10】垂直照射用カバー材と垂直照射用底部材の固定部分の説明図(
図11のI-I線断面図)。
【
図11】垂直照射用カバー材を取り付けた手すりの正面図。
【
図12】垂直照射用カバー材を取り付けた手すりにおける笠木の連結部分の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の手すりの具体的な内容について説明する。なお、以下において、前後方向とは手すりの見込方向であり、左右方向とは手すりの笠木が延びる方向(笠木の長手方向)である。
【0014】
本発明の手すりは、通路などにおいて歩行者の補助のために設置されるものであって、床面に立設した複数本の支柱の上端に笠木を取り付けたものである。各図に示すように、この手すりは、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2からなる2種類のカバー材と、斜方照射用底部材3と、垂直照射用底部材4と、本発明における目板材である支柱部目板材5と、照明具200と、支柱8を備える。斜方照射用カバー材1と垂直照射用カバー材2は、支柱部目板材5に対して択一的に取り付け可能であって、支柱部目板材5に固定ネジSで固定され、支柱部目板材5とともに筒状の笠木100を構成する。ただし、支柱部目板材5は、笠木100の支柱8に対応する部位に取り付けられるものであり、それ以外の部位においては、斜方照射用カバー材1に対しては斜方照射用底部材3が取り付けられ、垂直照射用カバー材2に対しては垂直照射用底部材4が取り付けられる。笠木100は、左右に直線状に延びており、その内部に、複数の照明具200が左右に間隔を空けて設けられている。そして、床面Fには複数本の支柱8が左右に間隔を空けて立設されており、これらの支柱8により笠木100が支持されている。
【0015】
まず、斜方照射用カバー材1を用いる場合について説明する。この場合の笠木100は、
図1~
図4に示すように、断面略円形の中空構造であって、上側に位置する斜方照射用カバー材1と、下側に位置する支柱部目板材5または斜方照射用底部材3が係合して、固定ネジSなどのネジで固定されたものである。
【0016】
斜方照射用カバー材1は、アルミ製の押出形材からなるものであって、
図1~
図3に示すように、笠木100の外形を構成するカバー外殻部11と、カバー外殻部11の内側に設けられた板状の第1板部16aおよび第2板部17aを有しており、カバー外殻部11と第1板部16aおよび第2板部17aは一体に形成されている。そして、第1板部16aおよび第2板部17aの表面の一部が支持部12となっているので、カバー外殻部11と支持部12も一体に形成されているといえる。より詳しくは、カバー外殻部11は、前後対称の円弧状であって中心角は180度よりやや大きい形状である。そして、カバー外殻部11の前後の下端に、内側に向けて突出する係合部18が形成されている。カバー外殻部11の内側には、互いに傾斜する2つの平板状部分である第1板部16aと第2板部17aが形成されており、第1板部16aの下面が第1面部16であり、第2板部17aの下面が第2面部17である。そして、支持部12は、第1面部16と第2面部17からなる断面略くの字形のものであり、斜方照射用カバー材1の上下方向中央部に位置している。第1板部16a(第1面部16)は、カバー外殻部11の前側部分の内周面から、後下側の水平面に対して17.5度傾斜する方向に向けて、斜方照射用カバー材1の前後方向中心よりやや後側まで延びている。第2板部17a(第2面部17)は、第1板部16a(第1面部16)の後端部から、後側(水平方向)に向けて、カバー外殻部11の後側部分の内周面まで延びている。そして、斜方照射用カバー材1は、カバー外殻部11の上側部分と、支持部12(第1板部16aと第2板部17a)とに囲まれた中空部15を有する。
【0017】
支柱部目板材5は、アルミ製の押出形材からなるものであって、
図1に示すように、何れも笠木100の外形を構成する、目板外殻部51と、目板固定板部52aと、底板部55aを有しており、目板外殻部51と目板固定板部52aと底板部55aは一体に形成されている。そして、目板固定板部52aの表面の一部が目板固定面部52となっており、底板部55aの表面の一部が底面部55となっているので、目板外殻部51と目板固定面部52と底面部55も一体に形成されているといえる。より詳しくは、支柱部目板材5の前後両側部分が目板外殻部51となっており、前後の目板外殻部51の間部分のうち、後側の半分より狭い部分が目板固定板部52aとなっており、残りの前側部分が底板部55aとなっていて、目板固定板部52aの下面が目板固定面部52であり、底板部55aの下面が底面部55である。目板固定板部52aと底板部55aは、何れも水平向きの平板状のものであり、底板部55aが目板固定板部52aよりも下側に位置していて、目板固定板部52aの前端と底板部55aの後端が、垂直向きの段部53により接続されている。よって、目板固定面部52と斜方照射用カバー材1の支持部12の第2面部17は平行である。また、底面部55が目板固定面部52よりも下側かつ前側に位置している。目板外殻部51は、前側部分については底板部55aの前端から前上側へ延び、後側部分については目板固定板部52aの後端から後上側へ延びるものであって、斜方照射用カバー材1のカバー外殻部11と同心の円弧状である。そして、目板外殻部51の前後の上端に、断面略L字形の被係合部54が形成されている。被係合部54は、目板外殻部51の上端から内側に向けて突出し屈曲して上側に向けて突出した形状となっている。
【0018】
斜方照射用底部材3は、アルミ製の押出形材からなるものであって、
図2および
図3に示すように、笠木100の外形を構成する底外殻部31と、同じく笠木100の外形を構成する板状の底固定板部32aを有しており、底外殻部31と底固定板部32aは一体に形成されている。そして、底固定板部32aの表面の一部が底固定面部32となっているので、底外殻部31と底固定面部32も一体に形成されているといえる。より詳しくは、斜方照射用底部材3の前後方向中央部分が底固定板部32aとなっており、底固定板部32aの前後両側部分が底外殻部31となっていて、底固定板部32aの下面が底固定面部32である。底固定板部32aは、前上側から後下側に向けて傾斜した平板状のものであり、水平面に対する傾斜角度は17.5度である。よって、底固定面部32と斜方照射用カバー材1の支持部12の第1面部16は平行である。底固定板部32aの前端には、底固定板部32aと直交する向きで下方に突出する段部33が形成されている。底外殻部31は、前側部分については段部33の下端から前上側へ延び、後側部分については底固定板部32aの後端から後上側へ延びるものであって、斜方照射用カバー材1のカバー外殻部11と同心の円弧状である。そして、底外殻部31の前後の上端に、断面略L字形の被係合部34が形成されている。被係合部34は、底外殻部31の上端から内側に向けて突出し屈曲して上側に向けて突出した形状となっている。
【0019】
このように構成された斜方照射用カバー材1と支柱部目板材5および斜方照射用底部材3が組み合わさって、笠木100を構成している。斜方照射用カバー材1と支柱部目板材5については、斜方照射用カバー材1の前後の係合部18が支柱部目板材5の前後の被係合部54に係合するように組み合わさる。この際、斜方照射用カバー材1の係合部18の内側に支柱部目板材5の被係合部54の垂直部分が嵌まり込み、斜方照射用カバー材1のカバー外殻部11と支柱部目板材5の目板外殻部51が一連の円弧を形成する。そして、
図4に示すように、斜方照射用カバー材1と支柱部目板材5は、長手方向の複数箇所において固定ネジSによりネジ止めして固定されている。固定箇所においては、支柱部目板材5の目板固定面部52(目板固定板部52a)に、固定ネジSが貫通する通し穴が形成されており、斜方照射用カバー材1の支持部12の第2面部17(第2板部17a)に、固定ネジSが螺合するネジ穴が形成されている。よって、ここでは支持部12の第2面部17が、固定ネジSが螺合するカバー固定面部13となっており、また、カバー固定面部13と目板固定面部52が互いに平行でかつ水平面と平行であり、かつカバー固定面部13と目板固定面部52が何れも見込方向の一方側(後側)寄りに位置している。そして、固定ネジSが下側(支柱部目板材5側)から目板固定面部52の通し穴に挿入され、斜方照射用カバー材1のカバー固定面部13のネジ穴に螺合している。このように、固定ネジSは、笠木100の前後方向中心よりも後側寄りに位置している。なお、支柱部目板材5が目板固定面部52よりもカバー固定面部13から離れた側(下側)かつ他方側(前側)に位置する底面部55を有するので、固定ネジSの頭部が目板固定面部52と底面部55により形成される段差部分に納まる。
【0020】
また、斜方照射用カバー材1と斜方照射用底部材3については、斜方照射用カバー材1の前後の係合部18が斜方照射用底部材3の前後の被係合部34に係合するように組み合わさる。この際、斜方照射用カバー材1の係合部18の内側に斜方照射用底部材3の被係合部34の垂直部分が嵌まり込み、斜方照射用カバー材1のカバー外殻部11と斜方照射用底部材3の底外殻部31が一連の円弧を形成する。そして、
図3に示すように、斜方照射用カバー材1と斜方照射用底部材3は、長手方向の複数箇所において固定用のネジSaによりネジ止めして固定されている。固定箇所においては、斜方照射用底部材3の底固定面部32(底固定板部32a)に、ネジSaが貫通する通し穴が形成されており、斜方照射用カバー材1の支持部12の第1面部16(第1板部16a)に、ネジSaが螺合するネジ穴が形成されている。そして、ネジSaが下側(斜方照射用底部材3側)から底固定面部32の通し穴に挿入され、第1面部16のネジ穴に螺合している。
【0021】
また、
図2および
図4に示すように、笠木100の長手方向の所定箇所に、照明具200が取り付けられている。照明具200の数や笠木100の長手方向における位置は限定されないが、ここでは2本の支柱8の中間位置に設けられている。照明具200は、LEDやその他必要な回路などをケースに納めたものであり、下端部が発光部となっており、上端に平板状で左右に延びる取付板201が取り付けられている。照明具200には給電ケーブルが接続されているが、図示省略してある。そして、
図2に示すように、支持部12の第1面部16に下側から取付板201をネジ止めして取り付けられている。よって、ここでは支持部12の第1面部16が、照明具200が取り付けられる取付面部14となっており、また、取付面部14が水平面に対して傾斜していて、カバー固定面部13の他方側(前側)に位置している。
【0022】
斜方照射用底部材3の照明具200に対向する部分には、左右に長い矩形の穴が形成され、この穴に透明な素材からなる透過部材202が嵌め込まれている。透過部材202は、穴に丁度嵌まる大きさの矩形の板状のものであって、上端部が前後に延出しており、この延出部分が穴の縁部に係止している。照明具200から照射される光は、透過部材202を透過して外部を照らす。
【0023】
支柱8は、
図4および
図5に示すように、床面Fに立設された円筒状の柱本体81と、柱本体81の上端を塞ぐ略円板状の天板部82と、天板部82の上面から垂直上向きに延びる支持板83からなる。支持板83は、左右方向に対して平行な向きの略平板状のものであって、上端部は、左右方向中心から左右両側に向けて下方へ傾斜する形状となっている。また、支持板83の上部には、前後方向に貫通する穴が形成されている。
【0024】
また、笠木100の支柱部目板材5の下側には、柱連結部材9が取り付けられている。柱連結部材9は、左右幅が支柱部目板材5と同じものであって、水平向きの矩形平板状の土台部91と、土台部91の前端部と後端部から垂直下向きに延びる2つの垂下片92を有する。垂下片92は、前後方向から見て略三角形であって、前側の垂下片92の中心部には前後方向にネジを通す穴が形成されており、後側の垂下片92の中心部にはネジが螺合する雌ネジ部が形成されている。そして、土台部91が支柱部目板材5の底面部55に下側から当接しており、前後の垂下片92の間部分に形成された穴にネジを通して底面部55に螺合させて、柱連結部材9と支柱部目板材5が固定されている。固定ネジSの頭部は、土台部91と目板固定面部52の間に納まる。なお、土台部91の後端には、後上側に向けて突出する立設片93が形成されており、立設片93の上端が支柱部目板材5の目板固定面部52の後端に当接していて、固定ネジSの頭部が覆い隠されている。
【0025】
そして、支柱8の支持板83が、笠木100に取り付けられた柱連結部材9の2つの垂下片92によって前後から挟み込まれている。この際、支持板83の穴と前後の垂下片92の穴および雌ネジ部が連通しており、前側の穴からネジを挿入して雌ネジ部に螺合させて固定してある。なお、支持板83の上端部が左右に傾斜しているので、笠木100を水平方向に対して傾斜させて取り付ける場合でも、支持板83が笠木100の柱連結部材9に干渉しない。
【0026】
なお、前述のとおり、笠木100の支柱8に対応する部位以外の部位には、支柱部目板材5とは別部材の斜方照射用底部材3が取り付けられている。これにより、笠木100自体を支柱8から取り外すことなく、2本の支柱8の間部分の斜方照射用底部材3だけを取り外すことができるので、照明具200のメンテナンスが容易である。
【0027】
また、照明具200に電力を供給するための給電ケーブルCは、床面Fの中を通して電源に接続されており、この給電ケーブルCが床面Fから笠木100の内部へと延びている。そして、当該部分に給電カバー400が設けられていて、給電ケーブルCが覆い隠されている。
図4および
図6(斜方照射用底部材3は透過して表示してある)に示すように、給電カバー400は、支柱8と略同じ左右幅で、床面Fに立設された断面略矩形の筒状のものである。より詳しくは、給電カバー400は、何れもアルミ製の押出形材からなる、左側に向けて開口する断面略コ字形の給電カバー本体401と、給電カバー本体401の左側面を塞ぐ矩形平板状の閉塞板402と、上端部に取り付けられた左右方向から見て下向きに開口する略コ字形の蓋部403を有する。閉塞板402は、給電カバー本体401に対して着脱可能となっている。蓋部403は、給電カバー本体401および閉塞板402の上端を塞ぎ、さらに給電カバー本体401の上端部の前後面に被さっている。また、蓋部403の前後面には、それぞれ外側に突出する凸部404が形成されており、凸部404の下側は円弧状に形成されている。そして、笠木100の給電カバー400に対応する位置には、斜方照射用底部材3が存在せず、蓋部403が、斜方照射用カバー材1の第2面部17にネジ止めされている。さらに、蓋部403の凸部404に斜方照射用カバー材1のカバー外殻部11の前後の下端部が当接しており、カバー外殻部11と凸部404の下側の円弧状部分が一連の円弧を形成する。そして、給電ケーブルCが、床面Fから給電カバー400の内部を通って笠木100の内部へと延びている。
【0028】
また、笠木100の長さが所定の長さ以上となる場合、斜方照射用カバー材1および斜方照射用底部材3が連結される。
図7に示すように、連結部分においては、笠木100の内部に連結材7が挿入されるとともに、笠木100の外周側にジョイント材71が取り付けられる。連結材7は、アルミ製の中空押出形材からなるものであって、笠木100の内周部に丁度嵌まる形状となっている。すなわち、断面略矩形であって、上面は中間部に前側が高くなる向きの傾斜面部72が形成されており、この傾斜面部72が斜方照射用カバー材1の第1面部16に当接し、上面の傾斜面部72より後側部分が第2面部17に当接している。前面と後面は、何れも斜方照射用底部材3の被係合部34の内側面に当接している。下面は前側部に前側が高くなる向きの傾斜面部73が形成されており、この傾斜面部73が斜方照射用底部材3の底固定板部32aの上面に当接してネジ止めされている。後下側の角部は外側に凸な曲面部74が形成されており、この曲面部74が斜方照射用底部材3の底外殻部31の内側面に当接している。また、ジョイント材71は、円筒状の部材であって、その内周部に笠木100が丁度嵌まるものであり、斜方照射用カバー材1および斜方照射用底部材3の連結部を覆い隠す。ジョイント材71は、下側から斜方照射用底部材3にネジ止めされる。
【0029】
次に、垂直照射用カバー材2を用いる場合について説明する。この場合の笠木100は、
図8~
図11に示すように、断面略円形の中空構造であって、上側に位置する垂直照射用カバー材2と、下側に位置する支柱部目板材5または垂直照射用底部材4が係合して、固定ネジSなどのネジで固定されたものである。
【0030】
垂直照射用カバー材2は、アルミ製の押出形材からなるものであって、
図8~
図10に示すように、笠木100の外形を構成するカバー外殻部21と、カバー外殻部21の内側に設けられた板状のカバー板部22aを有しており、カバー外殻部21とカバー板部22aは一体に形成されている。そして、カバー板部22aの表面の一部が支持部22となっているので、カバー外殻部11と支持部22も一体に形成されているといえる。より詳しくは、カバー外殻部21は、前後対称の円弧状であって中心角は180度よりやや大きい形状である。そして、カバー外殻部21の前後の下端に、内側に向けて突出する係合部28が形成されている。カバー板部22aは、水平向きの平板状のものであって、カバー板部22aの下面が支持部22である。そして、カバー板部22a(支持部22)は、カバー外殻部21の前側部分の内周面から後側部分の内周面まで延びており、垂直照射用カバー材2の上下方向中央部に位置している。そして、垂直照射用カバー材2は、カバー外殻部21の上側部分と、支持部22(カバー板部22a)とに囲まれた中空部25を有する。
【0031】
垂直照射用底部材4は、アルミ製の押出形材からなるものであって、
図9および
図10に示すように、笠木100の外形を構成する底外殻部41と、同じく笠木100の外形を構成する板状の底固定板部42aを有しており、底外殻部41と底固定板部42aは一体に形成されている。そして、底固定板部42aの表面の一部が底固定面部42となっているので、底外殻部41と底固定面部42も一体に形成されているといえる。より詳しくは、垂直照射用底部材4の前後方向中央部分が底固定板部42aとなっており、底固定板部42aの前後両側部分が底外殻部41となっていて、底固定板部42aの下面が底固定面部42である。底固定板部42aは、水平向きの平板状のものである。よって、底固定面部42と垂直照射用カバー材2の支持部22は平行である。底外殻部41は、前側部分については底固定板部42aの前端から前上側へ延び、後側部分については底固定板部42aの後端から後上側へ延びるものであって、垂直照射用カバー材2のカバー外殻部21と同心の円弧状である。ただし、底固定板部42aの上下位置は底外殻部41の下端よりもやや上側である。よって、垂直照射用底部材4の下面には、底固定面部42を底面として下側に向けて開口し垂直照射用底部材4の長手方向に沿って延びる溝部45が形成されている。そして、底外殻部41の前後の上端に、断面略L字形の被係合部44が形成されている。被係合部44は、底外殻部41の上端から内側に向けて突出し屈曲して上側に向けて突出した形状となっている。
【0032】
このように構成された垂直照射用カバー材2と支柱部目板材5および垂直照射用底部材4が組み合わさって、笠木100を構成している。垂直照射用カバー材2と支柱部目板材5については、
図8に示すように、垂直照射用カバー材2の前後の係合部28が支柱部目板材5の前後の被係合部54に係合するように組み合わさる。この際、垂直照射用カバー材2の係合部28の内側に支柱部目板材5の被係合部54の垂直部分が嵌まり込み、垂直照射用カバー材2のカバー外殻部21と支柱部目板材5の目板外殻部51が一連の円弧を形成する。そして、
図11に示すように、垂直照射用カバー材2と支柱部目板材5は、長手方向の複数箇所において固定ネジSによりネジ止めして固定されている。固定箇所においては、支柱部目板材5の目板固定面部52(目板固定板部52a)に、固定ネジSが貫通する通し穴が形成されており、垂直照射用カバー材2の支持部22(カバー板部22a)の後側寄り部分に、固定ネジSが螺合するネジ穴が形成されている。よって、ここでは支持部22の後側寄り部分が、固定ネジSが螺合するカバー固定面部23となっており、また、カバー固定面部23と目板固定面部52が互いに平行でかつ水平面と平行であり、かつカバー固定面部23と目板固定面部52が何れも見込方向の一方側(後側)寄りに位置している。そして、固定ネジSが下側(支柱部目板材5側)から目板固定面部52の通し穴に挿入され、垂直照射用カバー材2のカバー固定面部23のネジ穴に螺合している。このように、固定ネジSは、笠木100の前後方向中心よりも後側寄りに位置している。なお、支柱部目板材5が目板固定面部52よりもカバー固定面部23から離れた側(下側)かつ他方側(前側)に位置する底面部55を有するので、固定ネジSの頭部が目板固定面部52と底面部55により形成される段差部分に納まる。
【0033】
また、垂直照射用カバー材2と垂直照射用底部材4については、
図10に示すように、垂直照射用カバー材2の前後の係合部28が垂直照射用底部材4の前後の被係合部44に係合するように組み合わさる。この際、垂直照射用カバー材2の係合部28の内側に垂直照射用底部材4の被係合部44の垂直部分が嵌まり込み、垂直照射用カバー材2のカバー外殻部21と垂直照射用底部材4の底外殻部41が一連の円弧を形成する。そして、
図11に示すように、垂直照射用カバー材2と垂直照射用底部材4は、長手方向の複数箇所において固定用のネジSaによりネジ止めして固定されている。固定箇所においては、垂直照射用底部材4の底固定面部42(底固定板部42a)に、ネジSaが貫通する通し穴が形成されており、垂直照射用カバー材2の支持部22(カバー板部22a)に、ネジSaが螺合するネジ穴が形成されている。そして、ネジSaが下側(垂直照射用底部材4側)から底固定面部42の通し穴に挿入され、支持部22のネジ穴に螺合している。
【0034】
また、
図11に示すように、笠木100の長手方向の所定箇所に、照明具200が取り付けられている。
図9に示すように、照明具200は、支持部22の前後方向中心部分に下側から取付板201をネジ止めして取り付けられている。よって、ここでは支持部22の前後方向中心部分が、照明具200が取り付けられる取付面部24となっており、また、取付面部24が水平面と平行であってカバー固定面部23と同じ高さに位置しかつカバー固定面部23の他方側(前側)に位置している。
【0035】
垂直照射用底部材4の照明具200に対向する部分には、左右に長い矩形の穴が形成されている。穴は前後幅が溝部45よりも狭く、溝部45に透明な素材からなる透過部材202が嵌め込まれていて、穴が覆われている。透過部材202は、溝部45に丁度嵌まり穴を覆う大きさの矩形の板状のものである。照明具200から照射される光は、透過部材202を透過して外部を照らす。
【0036】
なお、前述のとおり、笠木100の支柱8に対応する部位以外の部位には、支柱部目板材5とは別部材の垂直照射用底部材4が取り付けられている。これにより、笠木100自体を支柱8から取り外すことなく、2本の支柱8の間部分の垂直照射用底部材4だけを取り外すことができるので、照明具200のメンテナンスが容易である。
【0037】
また、給電カバー400は、斜方照射用カバー材1を用いた場合と同様に、蓋部403が、垂直照射用カバー材2の支持部22にネジ止めされて、取り付けられている。
【0038】
また、笠木100の長さが所定の長さ以上となる場合、垂直照射用カバー材2および垂直照射用底部材4が連結される。
図12に示すように、連結部分においては、笠木100の内部に連結材7が挿入されるとともに、笠木100の外周側にジョイント材71が取り付けられる。連結材7は、斜方照射用カバー材1を用いた場合のものと同じものであって、笠木100の内周部に丁度嵌まる形状となっている。すなわち、上面の傾斜面部72より前側部分が支持部22に当接している。前面と後面は何れも垂直照射用底部材4の被係合部44の内側面に当接している。下面(傾斜面部73と曲面部74の間部分)は垂直照射用底部材4の底固定板部42aの上面に当接してネジ止めされている。また、ジョイント材71も、斜方照射用カバー材1を用いた場合のものと同じものであって、その内周部に笠木100が丁度嵌まるものであり、垂直照射用カバー材2および垂直照射用底部材4の連結部を覆い隠す。ジョイント材71は、下側から垂直照射用底部材4にネジ止めされる。
【0039】
このように構成された本発明の手すりによれば、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2のカバー固定面部13,23と支柱部目板材5の目板固定面部52を見込方向の一方側寄りに位置させて、一方側において固定ネジSで斜方照射用カバー材1または垂直照射用カバー材2と支柱部目板材5を固定するものとしたことにより、それらに対して他方側に位置する取付面部14,24の傾斜角度を自在に設定できる。ここでは、斜方照射用カバー材1においては取付面部14をカバー固定面部13に対して傾斜させたものとし、垂直照射用カバー材2においては取付面部24をカバー固定面部23と平行なものとしている。よって、斜方照射用カバー材1と垂直照射用カバー材2を使い分けることにより、照明具200の光の照射方向を変えられる。すなわち、本実施形態ではカバー固定面部13,23が水平向きとなるので、斜方照射用カバー材1を取り付ければ、取付面部14が水平面に対して傾斜して照明具200が傾き、光の照射方向を垂直方向に対して傾斜させることができ、垂直照射用カバー材2を取り付ければ、取付面部24が水平向きとなって照明具200が垂直向きとなり、光の照射方向を垂直方向にすることができる。そして、支柱部目板材5は共通であるから、コストを抑えることができる。また、何れの場合においても、カバー固定面部13,23と目板固定面部52が平行なので、平面状の両者に対して固定ネジSを垂直向きに螺合または貫通させることで、固定ネジSの雄ネジ部がカバー固定面部13,23の雌ネジ部(すなわちカバー固定面部13,23が形成された第2板部17a、カバー板部22aの雌ネジ部)に確実に螺合するとともに、固定ネジSの頭部の全面が目板固定面部52に当接して、斜方照射用カバー材1または垂直照射用カバー材2と支柱部目板材5を確実に固定できる。なお、このように予め取付面部14,24のカバー固定面部13,23に対する傾斜角度が異なる複数のカバー材(斜方照射用カバー材1と垂直照射用カバー材2)を備えておけば、取り付けるカバー材を選択するだけで容易に照明具200の光の照射方向を変えられる。また、支柱部目板材5が、目板固定面部52よりもカバー固定面部13,23から離れた側(下側)かつ他方側(前側)に位置する底面部55を有することにより、目板固定面部52を貫通する固定ネジSの頭部を、目板固定面部52と底面部55により形成される段差部分に納めることができるので、笠木100の外周側に固定ネジSの頭部が突出することがなく、笠木100を支持する柱連結部材9に対する取付性が良好なものとなる。すなわち、固定ネジSの頭部が目板固定面部52と柱連結部材9の土台部91の間に納まり、底面部55を土台部91に当接させて確実に固定できる。
【0040】
また、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2において、カバー外殻部11,21と支持部12,22が一体に形成されているので、より簡易な構成となりかつ剛性が高い。さらに、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2が、カバー外殻部11,21と支持部12,22に囲まれた中空部15,25(すなわちカバー外殻部11と第1板部16aおよび第2板部17aに囲まれた中空部15ならびにカバー外殻部21とカバー板部22aに囲まれた中空部25)を有するので、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2自体の剛性がより高くなるとともに、支持部12,22の剛性(すなわち第1板部16aおよび第2板部17aの剛性ならびにカバー板部22aの剛性)も高くなる。これにより、取付面部14,24に対して照明具200をより安定して固定できる。また、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2と支柱部目板材5、斜方照射用底部材3および垂直照射用底部材4とは、支持部12,22のカバー固定面部13,23に固定ネジSなどのネジを螺合して固定するので、斜方照射用カバー材1および垂直照射用カバー材2に対して支柱部目板材5、斜方照射用底部材3および垂直照射用底部材4をより安定して固定できる。さらに、照明具200の傾斜角度を設定するための別部材などは必要なく、簡易な構成とすることができる。また、照明具200の傾斜角度を設定するための別部材を用いる場合、その部材の加工精度や取付精度によっては、笠木100の長手方向の各所において照明具200の傾斜角度がずれるおそれがあり、そのずれがわずかであっても、手すりから離れた床面などに照射される光は大きくずれて、見た目が悪くなってしまう。これに対し、本発明では、取付面部14,24が笠木100を構成する斜方照射用カバー材1または垂直照射用カバー材2自体に設けられているので、笠木100の長手方向にわたって傾斜角度が一致し、照明具200の光の照射角度を揃えることができ、手すりから離れた床面などに照射される光も揃えられる。
【0041】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨の範囲内で適宜変更できる。たとえば、笠木において、支柱に対応する部位以外の部位にも、支柱部目板材が取り付けられるものであってもよい。また、斜方照射用カバー材や垂直照射用カバー材において、中空部に相当する部分が、中身の詰まった中実部になっているものであってもよい。その場合、中実部の下面が支持部となる。あるいは、支持部がカバー外殻部と別部材になっているものであってもよいし、支持部が前後に分離されているものであってもよい。そして、カバー材は、上記の斜方照射用カバー材と垂直照射用カバー材の2種類に限られず、さらに取付面部のカバー固定面部に対する傾斜角度が異なる多種類のものがあってもよい。さらに、支柱部目板材において、目板固定面部が笠木の外形を構成する目板外殻部の内側に設けられたものであってもよい。また、笠木を支持する支柱の構成は、この手すりの設置箇所の状況や意匠性などを考慮して、適宜変更できる。
【符号の説明】
【0042】
1 斜方照射用カバー材(カバー材)
2 垂直照射用カバー材(カバー材)
5 支柱部目板材(目板材)
11,21 カバー外殻部
12,22 支持部
13,23 カバー固定面部
14,24 取付面部
52 目板固定面部
55 底面部
100 笠木
200 照明具
S 固定ネジ