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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162844
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】錠剤容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 83/04 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
B65D83/04 B
B65D83/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067874
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000190068
【氏名又は名称】伸晃化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】早川 政希
(57)【要約】
【課題】従来技術より正確に、所望の数の錠剤を錠剤収容部内に収容可能な錠剤容器を提供する。
【解決手段】錠剤容器は、それぞれ第1方向に延在し、予め定められた複数の錠剤を収容可能な容積を有する複数の錠剤収容部を備える。複数の錠剤収容部は、それぞれ第1方向に延在し、互いに対向して配置された一対の壁部を有する。一対の壁部のうちの少なくとも一方は、他方の壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とが第1方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ第1方向に延在し、予め定められた複数の錠剤を収容可能な容積を有する複数の錠剤収容部を備え、
前記複数の錠剤収容部は、それぞれ前記第1方向に延在し、互いに対向して配置された一対の壁部を有し、
前記一対の壁部のうちの少なくとも一方は、他方の前記壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とが前記第1方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成された、
錠剤容器。
【請求項2】
前記各錠剤収容部は、前記第1方向の一端である上端に、前記複数の錠剤を通過させる錠剤通過孔を有し、
前記錠剤容器は、前記各錠剤収容部の中を前記第1方向に移動可能な錠数設定部材を更に備え、
前記錠数設定部材は、前記各錠剤収容部の中を前記第1方向に移動することによって、前記各錠剤収容部において、前記錠剤通過孔と前記錠数設定部材との間の容積を変更可能に構成された、
請求項1に記載の錠剤容器。
【請求項3】
前記各錠剤収容部には、前記第1方向に等間隔に整列した複数の取付穴が設けられ、
前記錠数設定部材は、前記複数の取付穴のうちの1つに着脱可能に挿入され、錠剤が前記第1方向に移動することを妨げるように構成された、
請求項2に記載の錠剤容器。
【請求項4】
前記各錠剤収容部の前記複数の取付穴の数nは、前記各錠剤収容部の前記複数の山部の数と前記複数の谷部の数との和に等しく、
前記複数の取付穴のうち最下部に配置された第1の取付穴は、前記複数の谷部のうち最下部に配置された第1の谷部より下方に配置され、
前記複数の取付穴のうち下からm(ここで、mは、2以上n以下の整数である)番目に配置された第mの取付穴は、前記複数の谷部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の谷部と、前記複数の山部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の山部と、の間に配置された、
請求項3に記載の錠剤容器。
【請求項5】
前記複数の錠剤収容部は、前記第1方向と交差する第2方向に整列し、前記複数の取付穴はそれぞれ、前記第2方向に整列する、請求項3又は4に記載の錠剤容器。
【請求項6】
前記各錠剤収容部の錠剤通過孔を個別に開閉可能に構成されたキャップを更に有する、請求項2~5のいずれか1項に記載の錠剤容器。
【請求項7】
前記一対の壁部のうちの他方は、前記第1方向に略直線状に延びる、請求項1~6のいずれか1項に記載の錠剤容器。
【請求項8】
前記一対の壁部のうちの他方は、前記一方の壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とが前記第1方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成され、
前記一対の壁部は、前記第1方向における前記一方の壁部の山部の位置と、前記他方の壁部の谷部の位置とが一致するように、前記第1方向に沿って並行する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の錠剤容器。
【請求項9】
前記一方の壁部の山部と前記他方の壁部の山部との距離の、前記第1方向に垂直な方向の成分は、前記一方の壁部の山部と、当該山部に隣接する前記一方の壁部の谷部と、の距離より小さい、請求項8に記載の錠剤容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤容器に関する。
【背景技術】
【0002】
錠剤の服用者が服用すべき用量の錠剤を取り出すための計量容器、定量取出容器等の錠剤容器が求められている。例えば、特許文献1は、収容可能な錠剤の数を所望の数に設定できる錠剤容器を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-179861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された従来技術では、複数の錠剤が錠剤収容部内に一直線に収容されるため、各錠剤の寸法誤差がこの直線方向に蓄積する。これにより、錠剤収容部内に収容される錠剤の数が所望の数からずれることがある。
【0005】
本発明の目的は、従来技術より正確に、所望の数の錠剤を錠剤収容部内に収容可能な錠剤容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る錠剤容器は、
それぞれ第1方向に延在し、予め定められた複数の錠剤を収容可能な容積を有する複数の錠剤収容部を備え、
前記複数の錠剤収容部は、それぞれ前記第1方向に延在し、互いに対向して配置された一対の壁部を有し、
前記一対の壁部のうちの少なくとも一方は、他方の前記壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とが前記第1方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る錠剤容器によれば、従来技術より正確に、所望の数の錠剤を錠剤収容部内に収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態に係る錠剤容器1の斜視図である。
図2図1の錠剤容器1の分解斜視図である。
図3図2の容器本体100の分解斜視図である。
図4図3の支持部材140及び2つのポケット部材120の分解斜視図である。
図5図4のポケット部材120の正面図である。
図6図4に示した2つの錠数設定部材130を示す斜視図である。
図7図1の容器本体100と、装填治具300と、錠剤ボトル2との組立状況を示す分解斜視図である。
図8】、図7の装填治具300を示す斜視図である。
図9】錠剤Tの装填状況を模式的に示す斜視図である。
図10図1の錠剤容器1から錠剤Tを取り出す動作例を説明するための模式的な斜視図である。
図11A】錠剤ポケット121の構成を例示する模式図である。
図11B図11Aの領域Rの部分拡大図である。
図11C図11Aの錠剤ポケット121に互いに異なる寸法の錠剤を収容した状態を比較説明するための模式図である。
図12】本発明の実施形態の第1変形例に係るポケット部材120aの正面図である。
図13図12のポケット部材120aに錠剤Tを収容した状態を示す正面図である。
図14】本発明の実施形態の第2変形例に係る容器本体100bの斜視図である。
図15図14の容器本体100bの平面図である。
図16図14の容器本体100bに錠剤Tを収容した状態を示す斜視図である。
図17図15の容器本体100bのXVII-XVII線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の第1態様によれば、
それぞれ第1方向に延在し、予め定められた複数の錠剤を収容可能な容積を有する複数の錠剤収容部を備え、
前記複数の錠剤収容部は、それぞれ前記第1方向に延在し、互いに対向して配置された一対の壁部を有し、
前記一対の壁部のうちの少なくとも一方は、他方の前記壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とが前記第1方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成された、
錠剤容器を提供する。
【0010】
本発明の第2態様によれば、
前記各錠剤収容部は、前記第1方向の一端である上端に、前記複数の錠剤を通過させる錠剤通過孔を有し、
前記錠剤容器は、前記各錠剤収容部の中を前記第1方向に移動可能な錠数設定部材を更に備え、
前記錠数設定部材は、前記各錠剤収容部の中を前記第1方向に移動することによって、前記各錠剤収容部において、前記錠剤通過孔と前記錠数設定部材との間の容積を変更可能に構成された、
第1態様に記載の錠剤容器を提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、
前記各錠剤収容部には、前記第1方向に等間隔に整列した複数の取付穴が設けられ、
前記錠数設定部材は、前記複数の取付穴のうちの1つに着脱可能に挿入され、錠剤が前記第1方向に移動することを妨げるように構成された、
第2態様に記載の錠剤容器を提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、
前記各錠剤収容部の前記複数の取付穴の数nは、前記各錠剤収容部の前記複数の山部の数と前記複数の谷部の数との和に等しく、
前記複数の取付穴のうち最下部に配置された第1の取付穴は、前記複数の谷部のうち最下部に配置された第1の谷部より下方に配置され、
前記複数の取付穴のうち下からm(ここで、mは、2以上n以下の整数である)番目に配置された第mの取付穴は、前記複数の谷部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の谷部と、前記複数の山部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の山部と、の間に配置された、
第3態様に記載の錠剤容器を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、
前記複数の錠剤収容部は、前記第1方向と交差する第2方向に整列し、前記複数の取付穴はそれぞれ、前記第2方向に整列する、第3態様又は第4態様に記載の錠剤容器を提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、
前記各錠剤収容部の錠剤通過孔を個別に開閉可能に構成されたキャップを更に有する、第2~第5態様のいずれか1つに記載の錠剤容器を提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、
前記一対の壁部のうちの他方は、前記第1方向に略直線状に延びる、第1~第6態様のいずれか1つに記載の錠剤容器を提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、
前記一対の壁部のうちの他方は、前記一方の壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とが前記第1方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成され、
前記一対の壁部は、前記第1方向における前記一方の壁部の山部の位置と、前記他方の壁部の谷部の位置とが一致するように、前記第1方向に沿って並行する、
第1~第6態様のいずれか1つに記載の錠剤容器を提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、
前記一方の壁部の山部と前記他方の壁部の山部との距離の、前記第1方向に垂直な方向の成分は、前記一方の壁部の山部と、当該山部に隣接する前記一方の壁部の谷部と、の距離より小さい、第8態様に記載の錠剤容器を提供する。
【0018】
以下、本発明の実施形態に係る錠剤容器について、図面を参照して説明する。本実施形態において、同様の構成には同一の符号を付して、説明を省略する。
【0019】
1.構成
図1は、本実施形態に係る錠剤容器1の斜視図である。錠剤容器1は、容器本体100と、蓋体200とを備える。図2は、図1の錠剤容器1の分解斜視図である。図2は、容器本体100から蓋体200を取り外した状態を示している。説明の便宜上、図1は錠剤Tを収容した状態の錠剤容器1を示す一方、図2は錠剤Tを収容していない状態の錠剤容器1を示している。
【0020】
図1及び図2、並びに後述の図3~6等には、説明の便宜上、互いに直交するX軸、Y軸及びZ軸を示している。本明細書では、Z軸の正方向を上方向、Z軸の負方向を下方向とも呼ぶ。図1に例示した通常使用時の状態では、Z軸は鉛直方向に平行である。また、本明細書では、通常使用時の状態を想定して「上」、「下」、「前」、「後」、「右」、「左」等の方向を示す用語を用いる。しかしながら、これらの用語は、本発明の使用状態等を限定することを意味するものではない。
【0021】
図1及び図2に示すように、容器本体100は、14個の錠剤ポケット121を備える。錠剤ポケット121は、本開示の「錠剤収容部」の一例である。各錠剤ポケット121は、Z方向(第1方向)に延在している。図示の例では、各錠剤ポケット121は、1~32錠の錠剤Tを収容可能な容積を有する。各錠剤ポケット121の上端には、錠剤Tを通過させることができる錠剤通過孔が設けられている。
【0022】
蓋体200は、14個の各錠剤ポケット121にそれぞれ対応する14個のヒンジキャップ部210を備える。各ヒンジキャップ部210は、対応する錠剤ポケット121を開閉可能に構成される。蓋体200は、差込部材220を備え、差込部材220が後述の支持部材140に差し込まれることにより、容器本体100に着脱可能に装着される。
【0023】
図3は、図2の容器本体100の分解斜視図である。容器本体100は、図3に示すように組み立てられた支持部材140及び2つのポケット部材120と、これらを覆うケース110とを備える。ケース110は、収容された錠剤を視認可能なように透明材料で構成されてもよい。
【0024】
図4は、図3の支持部材140及び2つのポケット部材120の分解斜視図である。図3及び図4に示すように、2つのポケット部材120は、支持部材140を挟むようにして支持部材140に取り付けられる。各ポケット部材120には、X方向に並んだ7個の錠剤ポケット121が設けられている。
【0025】
X方向は、本開示の「第2方向」の一例である。第2方向は、第1方向と交差し、例えば第2方向の一例であるX方向は、第1方向の一例であるZ方向と直交する。
【0026】
各錠剤ポケット121には、32個の取付穴129が形成されている。したがって、各ポケット部材120には、合計224個の取付穴129が設けられている。取付穴129には、錠数設定部材130が挿入される。
【0027】
図5は、図4のポケット部材120の正面図である。各錠剤ポケット121は、左壁122と右壁123とを有する。左壁122及び右壁123は、それぞれZ方向に延在し、互いに対向して配置されている。左壁122及び右壁123は、本開示の「一対の壁部」の一例である。左壁122及び右壁123は、それぞれ、波板形状に形成されている。すなわち、左壁122及び右壁123のそれぞれにおいて、内向きに突出する山部と外向きに凹む谷部とが、Z方向に進むに連れて交互に繰り返される。
【0028】
本開示の「一対の壁部」、例えば左壁122及び右壁123は、図示のように連続的な壁面であってもよいが、これに限定されない。「一対の壁部」は、錠剤Tを通さないものであればよく、例えば非連続的な突起等の障害物で構成されてもよいし、メッシュ状に形成された壁部であってもよい。
【0029】
左壁122及び右壁123は、Z軸に沿って並行する。すなわち、左壁122及び右壁123によって形成される波板形状の周期は略同一である。左壁122及び右壁123によって形成される波板形状の位相も略同一であり、左壁122の山部のZ位置は、対応する右壁123の谷部のZ位置に略一致する。このような波板形状の左壁122及び右壁123を有することにより、図1に示すように、各錠剤ポケット121に収容された錠剤Tは、Z方向に沿ってジグザグ状に整列する。
【0030】
例えば、図5において、左壁122の山部と右壁123の山部との距離のX方向の成分は、左壁122の山部と、当該山部に隣接する左壁122の谷部と、の距離より小さい。
【0031】
図5を参照して、取付穴129の位置、例えば取付穴129の中心位置について説明する。各錠剤ポケット121の取付穴129の数nは、左壁122の山部の数と谷部の数との和に等しい。最下部に配置された第1の取付穴129は、最下部に配置された第1の谷部より下方に配置されている。複数の取付穴129のうち下からm(ここで、mは、2以上n以下の整数である)番目に配置された第mの取付穴は、複数の谷部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の谷部と、複数の山部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の山部と、の間に配置されている。
【0032】
図6は、図4に示した2つの錠数設定部材130を示す斜視図である。各錠数設定部材130は、X方向を長手方向とする板状の基材131と、基材131の表面から突出する7個の突起132とを備える。突起132の数と、ポケット部材120の錠剤ポケット121の数とは一致する。7個の突起132はそれぞれ、異なる錠剤ポケット121の対応する取付穴129に着脱可能に挿入される(図5参照)。突起132は、取付穴129を貫通して錠剤ポケット121内に進入し、上から供給された錠剤Tが突起132より下方に移動することを妨げる。
【0033】
2.動作
以下、図2~10を参照して、錠剤容器1の動作について説明する。まず、図4に示すように、2つのポケット部材120のそれぞれに、錠数設定部材130を内側から挿入して取り付ける。
【0034】
図示の例では、錠数設定部材130をポケット部材120の最下段の取付穴129に挿入して取り付けた場合、各錠剤ポケット121には32錠の錠剤Tを収容できる。錠数設定部材130が挿入される取付穴129が1段上がる毎に、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤Tの数は1つずつ減少し、最上段(下から32番目)の取付穴129に挿入して取り付けた場合、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤Tの数は1個となる。図4の例では、錠数設定部材130は、下から6番目の取付穴129に挿入されているため、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤Tの数は、27個である。
【0035】
このように、錠数設定部材130は、各錠剤ポケット121の中を上下方向に移動可能に構成される。上下方向に移動することにより、錠数設定部材130は、各錠剤ポケット121において、錠剤通過孔と錠数設定部材130の突起132との間の容積を変更することができる。このような錠数設定動作を行う錠数設定操作者は、例えば、医師、薬剤師等の医療従事者である。
【0036】
次に、錠数設定操作者は、図3に示すように、2つのポケット部材120を、支持部材140を挟むようにして支持部材140に取り付け、上からケース110を被せる。
【0037】
次に、各錠剤ポケット121に錠剤Tを装填する。錠剤装填動作には、例えば図7に示す装填治具300が利用されてもよい。錠剤装填動作を行う錠剤装填操作者は、例えば、医師、薬剤師等の医療従事者である。図7は、図1の容器本体100と、装填治具300と、錠剤ボトル2との組立状況を示す分解斜視図である。図8は、図7の装填治具300を示す斜視図である。
【0038】
図7及び図8において、装填治具300は、本体301と、錠剤ボトル2に取り付けられる錠剤容器取付部302とを備える。錠剤ボトル2には、複数の錠剤Tが収容されている。錠剤容器取付部302は、例えばねじによって、錠剤ボトル2に着脱可能に装着される。
【0039】
装填治具300は、本体301からZ方向に突出した可動差込部材311及び固定差込部材312を更に備える。錠剤装填操作者は、可動差込部材311及び固定差込部材312を容器本体100の支持部材140(例えば図2参照)に挿入することにより、装填治具300を容器本体100に着脱可能に取り付ける。
【0040】
図8に示すように、装填治具300には、錠剤ポケット121の数と同数である14個の錠剤経路314が設けられている。錠剤経路314は、図7及び図8の紙面に向かって上下方向に錠剤Tを通過させることができる。
【0041】
装填治具300は、錠剤経路314を錠剤Tが通過しないように、錠剤経路314を閉鎖可能に構成された錠剤ストッパ315を更に備える。錠剤ストッパ315は、スイッチ313に直接的又は間接的に連結されており、錠剤装填操作者によるスイッチ313の切替えにより、錠剤経路314を閉鎖する閉状態と、錠剤経路314を開放する開状態とを切り替えることができる。錠剤経路314は、図7の例では開状態であり、図8の例では閉状態である。
【0042】
図9は、錠剤Tの装填状況を模式的に示す斜視図である。図7に示すように錠剤ボトル2、装填治具300、及び容器本体100を組み立てた後にこれを倒立させると、図9に示す状態になる。図9では、錠剤経路314は開状態であり、錠剤ボトル2内の錠剤Tが装填治具300の錠剤経路314を通って、容器本体100の錠剤ポケット121内に装填される。錠剤Tが錠剤経路314を通った後、容器本体100の錠剤ポケット121内にスムーズに入るように、装填治具300の各錠剤経路314の一端(図8における上端)の形状は、錠剤ポケット121の錠剤通過孔の形状と略同一に構成される。このように、装填治具300は、錠剤Tを錠剤ポケット121に収容される向きに整列させる機構を備える。
【0043】
錠剤装填操作者は、錠剤Tが隙間なく装填されたことを確認した後、スイッチ313を切り替えて錠剤経路314を閉状態にし、次いで容器本体100から装填治具300を取り外す。閉状態では、錠剤ボトル2からの錠剤Tが装填治具300内を通過しないため、錠剤ボトル2が図9のように倒立した状態であっても、錠剤が零れることはない。
【0044】
次に、錠数設定操作者は、図2に示すように、差込部材220を支持部材140に差し込むことにより、蓋体200を容器本体100に取り付ける。以上の動作により、図1に示したような錠剤装填済みの錠剤容器1が完成する。錠剤装填済みの錠剤容器1は、医師、薬剤師等の医療従事者から錠剤Tの服用者等のユーザに引き渡される。
【0045】
図10は、図1の錠剤容器1から錠剤Tを取り出す動作例を説明するための模式的な斜視図である。図10に示すように、ユーザは、ヒンジキャップ部210の1つを開けて錠剤容器1を倒立させることにより、開いたヒンジキャップ部210に対応する錠剤ポケット121内に収容された錠剤Tを錠剤通過孔201から取り出すことができる。したがって、各錠剤ポケット121に収容される錠剤Tの数をユーザの1回分の用量に設定しておけば、ユーザは、錠剤容器1を倒立させるだけで、1回分の用量の錠剤Tを取り出すことができる。これにより、ユーザは、錠剤Tを数えながら取出作業をする必要がないため、煩わしい作業を低減できる。また、ユーザが錠剤Tを数え間違えて適切でない数の錠剤Tを服用するおそれも低減できる。
【0046】
また、容器本体100は、14個の錠剤ポケット121を有するため、追加の錠剤装填を行うことなく、例えば、1日に朝及び夜の2回錠剤を服用することを1週間続ける場合の用量に相当する、14回分の用量の錠剤を収納できる。
【0047】
3.錠剤ポケット121の構成の詳細
図11Aは、錠剤ポケット121の構成を例示する模式図である。図11Aでは、説明の便宜上、図5に示したような複数の錠剤ポケット121のうち1つのみを模式的に示している。
【0048】
図11Aに示すように、最下部の錠剤Tは、錠数設定部材130の突起132の上に乗る。錠剤ポケット121内には、錠剤Tが直列に収容される。図11Aに示すように、左壁122の山部と、当該山部に隣接する2つの谷部とをそれぞれ結ぶ2つの線分とのなす角度は、2θであるものとする。同様に、右壁123の山部と、当該山部に隣接する2つの谷部とをそれぞれ結ぶ2つの線分とのなす角度も、2θであるものとする。
【0049】
錠剤Tが装填された状態において、下から奇数番目の錠剤Tは、下方に隣接する錠剤Tと、右壁123とによって支持される。ただし、最下段(下から1番目)の錠剤Tは、錠数設定部材130の突起132と、右壁123とによって支持される。下から偶数番目の錠剤Tは、下方に隣接する錠剤Tと、左壁122とによって支持される。このような構成により、下から偶数番目の錠剤Tの中心と、当該偶数番目の錠剤Tの上に接触する錠剤Tの中心とを通る直線は、錠剤ポケット121が延在するZ方向に垂直なX方向に対して、θの角度をなす。θは、例えば30°以上75°以下であり、例えば45°、例えば60°である。
【0050】
この構成例では、最下段(下から1番目)の錠剤Tの下端から、最上段(下からi番目)の錠剤Tの上端までの総高さHは、次の式(1)で表される。
H=(i-1)Dsinθ+D …(1)
ここで、Dは、円筒形の錠剤Tの直径である。
【0051】
式(1)によれば、例えば、
i=32、D=3.0mm、θ=60°の場合、H=83.54mmであり、
i=32、D=3.0mm、θ=45°の場合、H=68.76mmである。
【0052】
図11Aにおいて、左壁122の山部と右壁123の山部との距離のX方向の成分dは、左壁122の山部と、当該山部に隣接する左壁122の谷部と、の距離より小さい。例えば、距離dは、錠剤Tの直径Dより小さい。例えば、錠剤Tの直径Dが3.0mmの場合、距離dは、2.0mm以上3.0mm未満に設定される。例えば、D=3.0mm、θ=60°の場合、d=2.43mmに設定され、D=3.0mm、θ=45°の場合、d=2.55mmに設定される。
【0053】
図11Bは、図11Aの領域Rの部分拡大図である。錠剤Tの寸法は、製造精度によりばらつく可能性がある。また、錠剤Tは、周囲環境の湿気により水分を含んで膨張する可能性がある。このように寸法にばらつきがある場合においても錠剤Tを収容可能とするため、錠剤ポケット121の並行する左壁122と右壁123との距離Wは、錠剤Tの直径Dにマージン値mを加えたものに設定されてもよい。mは、例えば錠剤Tの直径Dの2%~20%に設定される。これにより、例えば錠剤Tが水分を含んで膨張した場合であっても、錠剤ポケット121は、設定された数の錠剤Tを収容することができる。
【0054】
図11Cは、図11Aの錠剤ポケット121に互いに異なる寸法の錠剤を収容した状態を比較説明するための模式図である。図11Cの左図(a)は、図11Aと同様に錠剤ポケット121の構成を例示する模式図である。図11Cの左図(a)は、i=32、D(錠剤T1の直径φ)=3.0mm、θ=60°の場合の錠剤ポケット121の模式図である。図11Cの右図(b)は、図11Cの左図(a)と同一の錠剤ポケット121に、直径3.1mmの錠剤T2を32錠収容した場合の模式図である。
【0055】
上記のようにi=32、D=3.0mm、θ=60°の場合に、H=83.54mmとなるように構成した錠剤ポケット121において、マージン値mを0.40mmに設定すると、錠剤T2が膨張してD’=3.1mmとなったとき、最下段の錠剤T2の下端から、最上段の錠剤T2の上端までの総高さH’は、図11Cの右図(b)に示すように、83.83mmとなる。このH’の値は、i=32、D=3.1mm、θ=60°とした場合に式(1)により求められるHの値である86.33mmと異なる。これは、錠剤T2の直径Dが増加したこと及びマージン値mが存在することにより、下から偶数番目の錠剤T2の中心と、当該偶数番目の錠剤T2の上に接触する錠剤T2の中心とを通る直線がX方向に対してなす角度が60°からやや小さくなることに起因する。
【0056】
このように、錠剤T2が錠剤ポケット121内にZ方向に沿ってジグザグ状に収容されるとともに、マージン値mが存在することにより、錠剤T2が膨張した場合であっても、最下段の錠剤T2の下端から、最上段の錠剤T2の上端までの総高さの増加を低減することができる。
【0057】
4.効果等
以上のように、本実施形態に係る錠剤容器1は、それぞれZ方向に延在し、予め定められた複数の錠剤Tを収容可能な容積を有する複数の錠剤ポケット121を備える。複数の錠剤ポケット121は、それぞれZ方向に延在し、互いに対向して配置された一対の壁部の一例である左壁122及び右壁123を有する。左壁122及び右壁123は、それぞれ、他方の壁部に向かう内向きに突出する複数の山部と、外向きに凹む複数の谷部とがZ方向に沿って交互に繰り返す波板形状に構成されている。
【0058】
この構成によれば、波板形状の左壁122又は右壁123に沿って錠剤Tが錠剤ポケット121内にジグザグ状に収容されるため、Z方向に一直線に収容される場合に比べて、錠剤Tの寸法誤差のZ方向への蓄積を低減することができる。したがって、錠剤Tの寸法誤差が蓄積して錠剤ポケット121内に収容される錠剤Tの数が所望の数からずれることを防止することができ、従来技術より正確に、所望の数の錠剤Tを錠剤ポケット121内に収容することができる。
【0059】
また、本実施形態に係る錠剤容器1と異なり、錠剤Tが一直線に収容される場合、例えば一番下に収容された錠剤Tには、当該錠剤Tより上に収容されたすべての錠剤Tの重さ等の外力が加わり、この外力により錠剤Tが割れるおそれがある。これに対して、本実施形態に係る錠剤容器1では、錠剤ポケット121内に収容された錠剤Tは、下の錠剤Tに接触するだけではなく、左壁122又は右壁123にも接触する。したがって、錠剤Tに加わる当該錠剤Tより上に収容された錠剤Tの重さ等の外力は、当該錠剤Tのみに加わるのではなく、左壁122又は右壁123にも分散される。よって、本実施形態に係る錠剤容器1によれば、外力により当該錠剤Tが割れるおそれを低減することができる。
【0060】
本実施形態に係る錠剤容器1において、各錠剤ポケット121は、Z方向の一端である上端に、錠剤Tを通過させる錠剤通過孔を有する。錠剤容器1は、各錠剤ポケット121の中をZ方向に移動可能な錠数設定部材130を更に備えてもよい。錠数設定部材130は、各錠剤ポケット121の中をZ方向に移動することによって、各錠剤ポケット121において、錠剤通過孔と錠数設定部材130との間の容積を変更可能に構成される。
【0061】
従来、服用者の服用数に応じて、当該服用数の錠剤を取り出すための錠剤容器又は定量取出容器を製造する必要があった。例えば、10錠を用量とする服用者と、20錠を用量とする服用者がいる場合、10錠を一度に取り出すための錠剤容器と、20錠を一度に取り出すための錠剤容器の両方を製造し、在庫として保管する必要があった。これに対して、本実施形態に係る錠剤容器1は、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤の数を所望の数に設定することができる。したがって、様々な形状の錠剤容器を設計及び製造し、在庫として保管する必要がないため、製造コスト及び在庫の保管スペースを低減できる。
【0062】
本実施形態に係る錠剤容器1において、各錠剤ポケット121には、Z方向に等間隔に整列した複数の取付穴129が設けられてもよい。錠数設定部材130は、複数の取付穴129のうちの1つに着脱可能に挿入され、錠剤TがZ方向に移動することを妨げるように構成される。
【0063】
この構成によれば、錠数設定部材130を挿入する取付穴129を選択することにより、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤Tの数を細やかに設定することができる。
【0064】
本実施形態に係る錠剤容器1において、各錠剤ポケット121の複数の取付穴129の数nは、各錠剤ポケット121の複数の山部の数と複数の谷部の数との和に等しくてもよい。複数の取付穴129のうち最下部に配置された第1の取付穴129は、複数の谷部のうち最下部に配置された第1の谷部より下方に配置される。複数の取付穴129のうち下からm番目に配置された第mの取付穴129は、複数の谷部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の谷部と、複数の山部のうち下からm-1番目に配置された第m-1の山部と、の間に配置される。
【0065】
この構成によれば、n個の取付穴129から、錠数設定部材130を挿入する取付穴129を選択することにより、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤Tの数をより細やかに設定することができる。
【0066】
本実施形態に係る錠剤容器1において、複数の錠剤ポケット121は、X方向に整列し、したがって、複数の取付穴129はそれぞれ、X方向に整列してもよい。
【0067】
この構成によれば、X方向に整列した突起132を有するような、製造容易な錠数設定部材130を用いることにより、各錠剤ポケット121における錠剤通過孔と錠数設定部材130との間の容積を同程度に設定することができる。したがって、各錠剤ポケット121に収容可能な錠剤Tの数を同一に設定することができる。
【0068】
本実施形態に係る錠剤容器1は、各錠剤ポケット121の錠剤通過孔を個別に開閉可能に構成されたヒンジキャップ部210を更に有してもよい。
【0069】
この構成によれば、ユーザは、ヒンジキャップ部210の1つを開けて、開放された錠剤ポケット121内に収容された錠剤Tのみを錠剤容器1から取り出すことができる。これにより、ユーザは、錠剤Tを数えながら取出作業をする必要がないため、煩わしい作業を低減できる。また、ユーザが錠剤Tを数え間違えて適切でない数の錠剤Tを服用するおそれも低減できる。
【0070】
本実施形態に係る錠剤容器1において、左壁122及び右壁123は、Z方向における左壁122の山部の位置と、右壁123の谷部の位置とが一致するように、Z方向に沿って並行してもよい。
【0071】
この構成によれば、波板形状の左壁122及び右壁123に沿って錠剤Tが錠剤ポケット121内に収容されるため、より確実に錠剤ポケット121内の錠剤Tをジグザグ状に整列させることができる。
【0072】
本実施形態に係る錠剤容器1において、左壁122の山部と右壁123の山部との距離のX方向の成分dは、左壁122の山部と、当該山部に隣接する左壁122の谷部と、の距離より小さくてもよい。例えば、左壁122の山部と右壁123の山部との距離のX方向の成分dは、錠剤Tの直径Dより小さい。
【0073】
この構成によれば、錠剤ポケット121に錠剤通過孔から錠剤Tを装填する際、錠剤Tが一度に落下する落下距離が、錠数設定部材130から錠剤通過孔までの高さより小さくなる確率が高くなる。例えば、距離dが錠剤Tの直径Dより小さい場合、錠剤通過孔から投入された錠剤Tは、左壁122の山部又は右壁123の山部に接触するため、どこにも接触することなく錠数設定部材130まで一直線に落下することはない。このように錠剤Tが一度に落下する落下距離が、錠数設定部材130から錠剤通過孔までの高さより小さくなることにより、落下による衝撃の大きさが小さくなるので、落下により錠剤Tが破損するおそれを低減することができる。
【0074】
[変形例]
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの説明は本発明の一例に過ぎない。上記の例示的な実施形態に対しては、種々の改良や変形を行うことができる。例えば、以下のような変更が可能である。以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
【0075】
[第1変形例]
図12は、本発明の実施形態の第1変形例に係るポケット部材120aの正面図である。図5のポケット部材120と比較して、図12のポケット部材120aは、右壁123aの構造が異なる。具体的には、図5のポケット部材120の右壁123が波板形状であるのに対して、図12のポケット部材120aの右壁123aは、略直線状に延びるストレート形状を有する。
【0076】
左壁122と右壁123aとの距離は、左壁122の山部と、当該山部に隣接する左壁122の谷部と、の距離より大きく、当該距離の2倍より小さい。例えば、左壁122と右壁123aとの距離は、錠剤Tの直径Dより大きく、2Dより小さい。これにより、錠剤通過孔から投入された錠剤Tは、錠剤ポケット121内を通って錠数設定部材130の突起132に到達することができるとともに、各錠剤ポケット121において2錠の錠剤TがX方向に並んで並列に収容されることがない。
【0077】
図13は、図12のポケット部材120aに錠剤Tを収容した状態を示す正面図である。本発明の実施形態の第1変形例に係るポケット部材120aによっても、上記実施形態と同様に、錠剤Tが錠剤ポケット121内にジグザグに収容されるため、錠剤Tの寸法誤差が蓄積して錠剤ポケット121内に収容される錠剤Tの数が所望の数からずれることを防止することができる。
【0078】
さらに、第1変形例では、ユーザが錠剤容器1を倒立させて錠剤ポケット121内に収容された錠剤Tを取り出す際、右壁123aが波板形状ではないため、錠剤Tが左壁122又は右壁123aに接触する可能性が減る。したがって、第1変形例によれば、ユーザは、錠剤Tを素早く取り出すことができ、錠剤容器1の使用性が向上する。
【0079】
[第2変形例]
図14は、本発明の実施形態の第2変形例に係る容器本体100bの斜視図である。図15は、図14の容器本体100bの平面図である。容器本体100bは、上記実施形態のポケット部材120に代えて、ポケット部材120bを備える。
【0080】
図16は、図14の容器本体100bに錠剤Tを収容した状態を示す斜視図である。図17は、図15の容器本体100bのXVII-XVII線端面図である。説明の便宜上、図17には、錠剤ポケット121内に収容された錠剤Tを示している。
【0081】
図1及び図2に例示した容器本体100では、円柱形の錠剤Tは、底面を正面(Y方向)に向けて錠剤ポケット121に収容される。言い換えれば、円柱形の錠剤Tの一方の底面の中心と、他方の底面の中心とを通る直線は、Y軸に略平行である。
【0082】
これに対して、図16に示すように、第2変形例に係る容器本体100bでは、円柱形の錠剤Tは、側面を正面に向けて錠剤ポケット121に収容される。また、容器本体100bでは、取付穴129bは、ポケット部材120bの一方の側面から他方の側面まで貫通する貫通孔を形成する。取付穴129bには、ポケット部材120bの一方の側面から他方の側面まで貫通する棒状の錠数設定部材130bが挿入される。
【0083】
図17に示すように、各錠剤ポケット121は、波板形状に形成された内壁123bを有する。したがって、各錠剤ポケット121に収容された錠剤Tは、内壁123bとケース110とに挟まれて、Z方向に沿ってジグザグ状に整列する。
【0084】
この構成によっても、上記実施形態及び第1変形例と同様に、錠剤Tが錠剤ポケット121内にジグザグ状に収容されるため、錠剤Tの寸法誤差が蓄積して錠剤ポケット121内に収容される錠剤Tの数が所望の数からずれることを防止することができる。
【符号の説明】
【0085】
1 錠剤容器
100 容器本体
110 ケース
120 ポケット部材
121 錠剤ポケット(錠剤収容部)
122 左壁(壁部)
123 右壁(壁部)
129 取付穴
130 錠数設定部材
131 基材
132 突起
140 支持部材
200 蓋体
201 錠剤通過孔
210 ヒンジキャップ部
220 差込部材
300 装填治具
301 本体
302 錠剤容器取付部
311 可動差込部材
312 固定差込部材
313 スイッチ
314 錠剤経路
315 錠剤ストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13
図14
図15
図16
図17