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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162846
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】床材
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/02 20060101AFI20221018BHJP
   E04F 15/04 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
E04F15/02 B
E04F15/04 601A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067877
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100116012
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 徹
(72)【発明者】
【氏名】服部 真志
【テーマコード(参考)】
2E220
【Fターム(参考)】
2E220AA44
2E220AC01
2E220BA04
2E220BC06
2E220GA03Y
2E220GA07Y
2E220GA22X
2E220GA26X
2E220GA26Y
2E220GB32X
2E220GB32Y
2E220GB33Y
2E220GB43X
(57)【要約】      (修正有)
【課題】腿骨骨折のリスクを低減する床材を提供する。
【解決手段】床材は、断面二次モーメントが400mm以上25000mm以下である床上材と、床上材の下方に設けられ、床上材よりも断面二次モーメントが低い床下材と、を備えている。床上材の曲げ剛性は、100Nm/10mm以上200Nm/10mm以下であることが好ましい。また、床下材は、独立気泡が形成された発泡体により形成されており、床下材の発泡前密度に対する発泡後密度の比は、0.067以上0.143以下であることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面二次モーメントが400mm以上25000mm以下である床上材と、
床上材の下方に設けられ、床上材よりも断面二次モーメントが低い床下材と、
を備える
床材。
【請求項2】
前記床上材の曲げ剛性は、100Nm/10mm以上200Nm/10mm以下である
請求項1に記載の床材。
【請求項3】
前記床上材の厚さは、15mm以上40mm以下である
請求項1又は2に記載の床材。
【請求項4】
前記床上材の曲げ弾性率は、8000MPa以上である
請求項1から3のいずれか1項に記載の床材。
【請求項5】
前記床上材は、木材又は木質材料が混合された樹脂材料で形成された層を含む
請求項1から4のいずれか1項に記載の床材。
【請求項6】
前記床下材は、独立気泡が形成された発泡体により形成されている
請求項1から5のいずれか1項に記載の床材。
【請求項7】
前記床下材の発泡前密度に対する発泡後密度の比は、0.067以上0.143以下である
請求項6に記載の床材。
【請求項8】
荷重をかけた際において、前記床下材の前記独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギーが、前記独立気泡の気泡壁の気体圧力上昇による消費エネルギーよりも大きい
請求項6又は7に記載の床材。
【請求項9】
ひずみ速度200/s以上600/sにおける前記床下材のプラトー応力は、0.2MPa以上1.6MPa以下である
請求項6から8のいずれか1項に記載の床材。
【請求項10】
前記床下材の厚さは、3mm以上10mm以下である
請求項1から9のいずれか1項に記載の床材。
【請求項11】
面積が100cm以上900cm以下である
請求項1から10のいずれか1項に記載の床材。
【請求項12】
衝撃荷重が2000N以上6000N以下である
請求項1から11のいずれか1項に記載の床材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、床材に関し、特に大腿骨骨折のリスクを低減可能な床材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の転倒骨折が社会問題化しており、高齢者が要介護となる要因の10%を転倒骨折が占めている。また、医療事故においても、転倒骨折が20%から25%を占めている。さらに、幼稚園、保育園、認定こども園等の幼児保育関連施設においても、転倒骨折による事故は、全体の2割強を占めている。このため、転倒したときの衝撃を吸収することにより、骨折のリスクを低減させる床材が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3600726号公報
【特許文献2】特許第5244927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような転倒による骨折箇所は、年代によって大きく異なり、60歳代以降になると大腿骨骨折のリスクが急増している。大腿骨骨折は入院治療が必要となり、歩行できない状態が長期間続くため、骨量が減少して症状が深刻化し易く、要介護状態を招き易くなっている。しかしながら、上述した従来の床材においては、日本工業規格「JIS A6519」で規定されている床の硬さ試験に基づいて性能が評価されている。しかしながら、上述した試験は、頭部障害評価を転用したものであることから、この試験で性能が評価された床材は、大腿骨骨折に対する安全評価が十分に担保されているとは言い難い。
本開示は、このような問題に鑑みてなされたもので、特に大腿骨骨折のリスクを低減する床材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本開示の一態様に係る床材は、断面二次モーメントが400mm以上25000mm以下である床上材と、床上材の下方に設けられ、床上材よりも断面二次モーメントが低い床下材と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、大腿骨骨折のリスクを低減する床材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示に係る床材の位置構成例を示す断面図である。
図2A】複数の独立気泡を有する床下材に圧力がかかった場合の第2の状態(プラトー領域)を示す断面図である。
図2B】複数の独立気泡を有する床下材に圧力がかかった場合の第3の状態(緻密化領域)を示す断面図である。
図3】床下材の変位と床下材にかかる衝撃荷重との関係を示す変位-荷重曲線を模式的に示すグラフである。
図4】床材の衝撃荷重及び変位-荷重曲線を取得する衝撃試験を説明する模式図である。
図5】プラトー高さを説明するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本開示は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(例えば各実施形態を組み合わせる等)して実施することができる。
【0009】
1.本開示の床材について
本開示に係る床材は、上述したように、骨折、特に大腿骨骨折のリスクを低減することができる床材である。
本開示に係る床材は、大腿骨骨折のリスクを低減するために、歩行時につま先が引っかかることを抑制し、高い歩行性を有している。これにより、歩行時の転倒自体を起こりにくくして、大腿骨骨折のリスクを低減する。骨折の抑制のために衝撃荷重が小さい床材を得るためには、床材を軟化させることが行われる。床材を軟化させると、歩行者の自重によって、歩行者の足元の床材の沈み込みが容易に発生し、歩行性が低下する。
本実施形態では、衝撃荷重が小さい床材でありながら、高い歩行性を有する床材について説明する。
【0010】
また、本開示に係る床材は、例え歩行者が転倒してしまった場合であっても、床材の衝撃荷重を低減して大腿骨骨折のリスクを低減することができる床材であることが好ましい。骨折の抑制のために床材を軟化させる場合、床材を発泡させた材料が用いられるが、床下材を硬化させる場合、発泡倍率を下げる必要がある。この場合、床材の沈み込みが緻密化領域に到達するまでの変位が不足することにより、衝撃印加時のエネルギー吸収量が低下する。
本実施形態では、高い歩行性を有しつつ、大腿骨骨折の抑制に高い効果を発揮する床材について説明する。
【0011】
2.床材の構造
以下、図1を参照して、本開示に係る床材1について説明する。
床材1は、床下材11と、床下材11の上面(床材1の表面に近い側の面)側に設けられた床上材12とを備えている。
【0012】
床下材11は、例えば複数の互いに連結しない気泡である独立気泡を有し、床材1にかかる歩行時の圧力を吸収して床材1の緩衝性を高める機能を有する。また、これにより、床下材11は、材料の使用量を低減させつつ緩衝性を高める機能を発揮することができる。
また、床下材11上に設けられた床上材12は、歩行者が床材1の上を歩く際に局所的にかかる圧力に対して変形が小さく、床材1における歩行性を高める。また、床上材12は、床材1に対して局所的にかかる歩行時の圧力を床下材11の面内に分散させて、床下材11の歩行者が歩いた位置以外でも衝撃印加時のエネルギー吸収量を増やして床材1の緩衝性を高める機能を有する。
床材1は、床下材11と、床上材12とが積層された構成とされることにより、歩行性を向上させつつ、転倒時の大腿骨骨折リスクを低減することができる。
【0013】
床材1の面積は、圧縮特性におけるプラトー領域の荷重(詳細は後述する)が骨折荷重以下となる様に調整されることが好ましい。具体的に、床材1の面積は、100cm以上900cm以下であることが好ましく、100cm以上400cm以下であることがより好ましい。床材1が100cm以上である場合、歩行時の圧力を吸収して変形する床下材11の面積を大きいため床材1に局所的にかかる圧力が分散されて床材1の緩衝性を高めることができる。また、床材1が900cm以下であることにより、圧力が効率的に分散される。
【0014】
また、床材1の衝撃荷重は、2000N以上6000N以下であることが好ましく、2000N以上3600N以下であることがより好ましい。床材1の衝撃荷重が2000N以上である場合、歩行時に床全体からの適度な反発力が得られ、床下材の沈み込みを抑制するため、転倒自体のリスクが低減される。床材1の衝撃荷重が6000N以下である場合、歩行者が転倒した際の大腿骨骨折リスクが低減される。
【0015】
ここで、床材1の衝撃荷重は、歩行者が転倒したときに大腿骨の転子部に加わる圧力分布に基づく重さ及び形状の衝撃付与体を、歩行者の腰の高さに相当する所定の落下高さから落下させて、人体軟組織を模した材料で形成された緩衝材を介して床材1へ衝撃を付与したときに生じる衝撃荷重Fである。衝撃荷重Fは、緩衝材へ衝撃を付与したときに生じる基準衝撃荷重Fsが6500Nとなるように設定された条件において計測される。
以下、床下材11及び床上材12について詳細に説明する。
【0016】
<床上材>
床上材12は、剛直で変形の少ない硬質の部材が用いられる。具体的には、床上材12は、断面二次モーメントが400mm以上25000mm以下の材料で形成されている。床上材12の断面二次モーメントが400mm以上25000mm以下である場合、床上材12が非常に高い剛性を有することから、床上材12がたわみにくく、床下材11全面を変形させることができるため、歩行者の位置直下の床材1の沈み込みを抑制して歩行性を高めることができる。この結果、大腿骨骨折につながる転倒リスクを低減することができる。
【0017】
また、床上材12の曲げ剛性は、100Nm/10mm以上300Nm/10mm以下であることが好ましく、100Nm/10mm以上200Nm/10mm以下であることが好ましい。床上材12の曲げ剛性が100Nm/10mm以上300Nm/10mm以下である場合、床上材12が非常に高い剛性を有することから、歩行性が向上するとともに床上材12にかかる圧力を床下材11の広い面に分散させて床材1の緩衝性を高めることができる。この結果、大腿骨骨折につながる転倒リスクを低減することができる。
【0018】
床上材12の厚さは、15mm以上40mm以下であることが好ましい。床上材12の厚さが15mm以上40mm以下の場合、歩行時における床下材11の変形が緻密化領域(詳細は後述する)まで進みにくくなり、歩行時の触感が低下しにくくなって歩行性が向上する。この結果、大腿骨骨折につながる転倒リスクを低減することができる。
【0019】
床上材12の曲げ弾性率は、8000MPa以上であることが好ましい。床上材12の曲げ弾性率が8000MPa以上である場合、床上材12の曲げ剛性が高まることにより、転倒時に床上材12にかかる圧力を床下材11の広い面に分散させるため、歩行時に床下材11の沈み込みを抑制し、転倒自体のリスクを抑制できる。このため、骨折につながる転倒リスクをより低減することができる。
【0020】
このような床上材12は、例えば木材又は木質材料が混合された樹脂材料で形成された層を含むことが好ましい。すなわち、床上材12は、木材の層又は木質材料が混合された樹脂材料で形成された層の少なくとも一方を有していればよく、例えば木材の層と木質材料が混合された樹脂材料で形成された層とが積層されていてもよい。また、床上材12は、木材又は木質材料が混合された樹脂材料で形成された層に、ステンレス(SUS)等の金属層が積層されていてもよい。
床上材12が複数の層で形成された積層体である場合、積層体全体の物性が上述した範囲であればよい。
【0021】
<床下材>
床下材11は、床上材12の下方(床上材12の表面と反対側)に設けられ、床上材12よりも断面二次モーメントが低い軟質の材料で形成されている。床下材11は、例えばポリエチレン又は塩化ビニルを用いて形成されている。これにより、床下材11は、床上材12にかかった圧力を吸収することができる。
【0022】
床下材11は、例えば独立気泡が形成された発泡体により形成されている。ここで、独立気泡が形成された床下材11の衝撃吸収のメカニズムについて、図2A及び図2B、並びに図3を参照して説明する。図2Aは、複数の独立気泡11Aを有する床下材11に圧力がかかった場合の第2の状態を示す断面図であり、図2Bは、複数の独立気泡11Aを有する床下材11に圧力がかかった場合の第3の状態を示す断面図である。また、図3は、床下材11の変位と床下材11にかかる衝撃荷重との関係を示す変位-荷重曲線を模式的に示すグラフである。床下材11のエネルギー吸収量は、床下材11の変形による変位―荷重曲線における面積から算出することができる。
【0023】
独立気泡を有する床下材11の変位-荷重曲線は、図3に示す様に、加圧初期の荷重立ち上がり領域、荷重がほぼ一定になるプラトー領域、及び急激に荷重が上昇する緻密化領域を有している。変位-荷重曲線の荷重立ち上がり領域は、床下材11の第1の状態に相当し、プラトー領域は図2Aに示す床下材11の第2の状態に相当し、緻密化領域は図2Bに示す床下材11の第3の状態に相当する。
【0024】
床下材11は、プラトー領域の荷重が大きいと硬く、プラトー領域の荷重が小さいと柔らかくなる。プラトー領域では、エネルギー吸収に伴う荷重増加が少ないため、緻密化領域にさしかかるまでの衝撃エネルギーであれば、衝撃荷重をほぼ一定に抑制できる。プラトー領域でのエネルギー吸収量の大きさは、床下材11のエネルギー吸収特性に寄与している。このため、プラトー領域の荷重と、緻密化領域に到達するまでの変位が、床下材11のエネルギー吸収量を決定する。
なお、理想的なエネルギー吸収特性とは、許容範囲内でのプラトー領域の荷重にて、緻密化領域までの変位量が大きい特性、すなわち、プラトー領域となる変位と、緻密化領域となる変位との差分が大きい特性である。このような床下材11の衝撃吸収エネルギーは、準静的圧縮試験を用いて大小を比較することもできる。
【0025】
上述したプラトー領域の荷重には、独立気泡11Aの座屈を伴う気泡壁の曲げや座屈が寄与すると考えられる。すなわち、床下材11の発泡前密度(ρ)に対する発泡後密度(ρ*)の比(発泡倍率)が低く、独立気泡11Aを取り囲む気泡壁の厚さが厚いほど、プラトー領域の荷重が高くなり、発泡倍率が高く、気泡壁の厚さが薄いほど、プラトー領域の荷重が低下する。
プラトー領域から緻密化領域に差し掛かるまでの床下材11の変位は、床下材11の発泡倍率や厚さに依存する。低発泡倍率の床下材11では、高発泡倍率の床下材11よりも少ない変位で緻密化領域に到達する。
【0026】
プラトー領域の荷重が許容される範囲である場合、低発泡倍率の床下材11でエネルギー吸収を高めるためには、床下材11の厚さを増やし、緻密化領域に到達するまでの変位を高めることが、エネルギー吸収にとって有効である。また、高発泡倍率の床下材11では、上述した通り、緻密化領域に到達するまでの変位は大きいが、プラトー領域の荷重が低下する。よって、床下材11が変形する面積を増やし、プラトー領域の荷重を許容範囲内で高めることにより、プラトー領域でのエネルギー吸収量を高めることができる。
【0027】
以上のメカニズムから、床下材11における発泡前密度(ρ)に対する発泡後密度(ρ*)の比(発泡倍率)が、0.067以上0.143以下であることが好ましい。発泡倍率をこの範囲とすることで、床下材11のプラトー領域における荷重を高めることができる。このため、転倒してもより大腿骨骨折のリスクが低減する。
ここで、床下材11の発泡後密度(ρ*)は、独立気泡の形成により床下材11の発泡前密度(ρ)より低下する。発泡前密度(ρ)及び発泡後密度(ρ*)は、例えば真密度計などの密度測定装置を用いて測定することができる。発泡前密度は、床下材に高圧圧縮を行い十分に破泡させた後に測定することで得られる。
【0028】
また、床下材11の厚さは、3mm以上10mm以下であることが好ましい。床下材11の厚さをこの範囲とすることで、緻密化領域に差し掛かるまでの変位を大きくすることができ、床下材11のプラトー領域における荷重を高めることができる。
【0029】
さらに、ひずみ速度200/s以上600/sにおける床下材11のプラトー高さ(プラトー応力)は、0.2MPa以上1.6MPa以下であることが好ましい。ここで、プラトー高さとは、上述した変位-荷重曲線の1階微分曲線において、加圧初期の荷重立ち上がり領域からプラトー領域への変遷に相当する上凸ピーク後の最小値となる、ひずみにおける試験力をいう。プラトー高さが上述した範囲である場合、床下材11が柔らかくなる。
【0030】
また、荷重をかけた際において、床下材11の独立気泡11Aの座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が、独立気泡11Aの気泡壁の気体圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))よりも大きいことが好ましく、1.8以上大きいことがより好ましい。独立気泡11Aの座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が大きいほど、床下材11が効率よく床下材11への衝撃エネルギーを吸収することができるためである。
独立気泡11Aの座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))及び独立気泡11Aの気泡壁の気体圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))の測定方法については後述する。
【0031】
3.床材の特性の測定方法
以下、床材1の各部における特性の測定方法について説明する。
<衝撃荷重>
図4を参照して、床材1の衝撃荷重及び変位-荷重曲線を取得する衝撃試験について説明する。
床材1の衝撃荷重は、特開2020―076764号公報で規定された方法を用いて測定することができる。すなわち、衝撃荷重の測定は、まず、床材の上(床上材の表面)に、人体軟組織に模した材料で形成した緩衝材20を準備する。この緩衝材20を床材1の表面に配置した評価用積層体(以下、積層体と記載する)に対して、特開2020―076764号公報に記載された、評価装置を用いて衝撃を付与し、積層体に生じた衝撃荷重を荷重計測装置(ロードセル)で計測することにより取得する。ここで、評価装置は、一体化した錘及び大腿骨形状を模した打撃部を備える振り子式の評価装置である。
【0032】
このとき、床材にかかる衝撃荷重を、例えば成人の平均的な腰の高さ(転倒の高さ)に相当する高さ50cmから積層体に打撃部を落下させることにより測定する。また、緩衝材20としては、厚さ15mm、寸法縦27mm×横27mm角のアスカーC硬度7(エクシール社製)の超軟質ウレタン造形用樹脂である人肌ゲルを用いることができる。
また、衝撃荷重の測定時に、積層体の変位を加速度計及び変位計により測定するとともに、打撃部の打撃速度を速度計により測定する。
このとき、打撃部の形状は、特開2020―076764号公報に記載されたように、直方体形状の錘に一体化される面が平面であり、錘に一体化されていない面が曲率115mmの曲面となっている。
【0033】
床材1に衝撃試験を行った時のエネルギーは、主に緩衝材20及び床材1の変形によって吸収される。床材1の変形は、床上材12の変形及び床下材11の変形に分解できる。床上材12へ衝撃試験を行う際、衝撃の直下に圧縮方向の荷重が掛かる一方、打撃直下以外の部分では床下材11の圧縮に対する抵抗により圧縮と逆方向への力が発生する。また、この時、床上材12の曲げモーメントによる床下材11の圧縮力が発生することから、床上材12の断面二次モーメントが低い場合、床上材12のたわみが大きくなり、それに伴って打撃直下の床下材11の局所的な圧縮が生じる。
【0034】
一方、床材1では、床上材12の断面二次モーメントが非常に高いため、床上材12のたわみは非常に小さくなり、床下材11は床材1全体に渡って近似的に一様に圧縮される床下材11が一様に圧縮される場合、圧縮面積の増加により、床下材11の圧縮に要する荷重が増加することになる。床下材11は、以下に述べる通り、圧縮特性(変位-荷重曲線)におけるプラトー領域の荷重が骨折荷重以下となる様に床材1自体の面積を最適にする必要がある。
【0035】
<プラトー高さ>
図5に示すように、床材1のプラトー高さは、衝撃試験で得た変位-荷重曲線の1階微分曲線を作成し、加圧初期の荷重立ち上がり領域からプラトー領域への変遷に相当する上凸ピーク後の最小値となる、ひずみにおける試験力から取得する。
【0036】
<床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))及び床下材の独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))>
床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))及び床下材の独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))は、衝撃試験で得た変位-荷重曲線を要素分解することにより算出できる。これらの消費エネルギーは、基準荷重(6500N)でのエネルギー吸収を比較するため、静的圧縮試験の結果を用いて比較することができる。
【0037】
(積層体の変位―荷重曲線の測定)
衝撃試験で得た変位-荷重曲線には、主に、衝撃試験における変位(x)に対する緩衝材への衝撃荷重と、変位(x)に対する床上材への衝撃荷重と、変位(x)に対する床下材への衝撃荷重とが含まれる。ここで、床上材は、断面二次モーメントが非常に高く、変形が少ないため、変位-荷重曲線には床上材の変形の寄与がほとんどないと推定される。このため、緩衝材の変位-荷重曲線をG(x)、床下材の変位-荷重曲線をH(x)とした場合、積層体の変位-荷重曲線F(x)は以下の式(1)で算出される。
F(x)≒G(x)+H(x) ・・・(1)
【0038】
(緩衝材の変位-荷重曲線の測定)
緩衝材への衝撃荷重G(x)を、上述した方法と同様にして測定する。すなわち、衝撃試験に記載の方法において、積層体を緩衝材単層に替えて緩衝材の衝撃荷重を測定する。また、衝撃荷重の測定時に、緩衝材の変位を加速度計及び変位計により測定するとともに、打撃部の打撃速度を速度計により測定する。
【0039】
(床下材の変位-荷重曲線の測定)
続いて、測定された緩衝材への衝撃荷重、緩衝材の変位及び打撃部の打撃速度から、緩衝材の変位-荷重曲線G(x)を作成する。積層体の変位-荷重曲線F(x)と、緩衝材の変位-荷重曲線G(x)とから、床下材の変位-荷重曲線をH(x)は以下の式(2)で算出される。
H(x)≒F(x)-G(x) ・・・(2)
【0040】
(独立気泡の圧縮による圧力上昇効果の算出)
床下材11の変位-荷重曲線H(x)は、座屈を伴う気泡壁の曲げの寄与と、独立気泡の圧力上昇の寄与に分けられる。このうち、独立気泡の圧力上昇の寄与分は、ボイルの法則で概算できる。すなわち、床下材11の圧縮により、独立気泡11Aが座屈変形するが、独立気泡11Aからの気体の流出は小さく、独立気泡11A内部の体積圧縮に伴って内部気体の圧力が上昇するとして算出する。
このような圧力上昇は、ボイルの法則を用いて、以下の式(3)で説明できる。ここで、床下材11のポアソン比は近似的に0と仮定している。
【0041】
【数1】
式中、ΔPはセル内部の気圧増加であり、Pは面積を考慮した大気圧である。ここで、発泡倍率は、床下材11の発泡前密度ρ及び発泡後の密度ρ*から、発泡倍率=ρ*/ρで表すことができる。
【0042】
(座屈を伴う気泡壁の曲げの寄与の算出)
式(4)に示すように、床下材11の変位-荷重曲線H(x)から、式(3)で得られた独立気泡11Aの圧力上昇の寄与ΔPの曲線を差し引くと、座屈を伴う気泡壁の曲げの寄与I(x)が得られる。
I(x)=H(x)―ΔP(x) ・・・(4)
【0043】
(各消費エネルギーの算出)
独立気泡の圧力上昇による消費エネルギーEΔP(x)は、式(5)に示すように、式(3)を積分することで算出できる。
EΔP(x)=∫ΔP(x)dx ・・・(5)
また、座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギーEI(x)は、式(6)に示すように、式(4)を積分することで算出できる。
EI(x)=∫I(x)dx ・・・(6)
ここで、式(5)及び式(6)における積分は区間積分であり、F(x)=6500Nとなる変位xをx1とした時に、x=x1~0までの区間を積分する。以上により、床下材11の独立気泡11Aの座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギーEI(x)及び床下材11の独立気泡11Aの圧力上昇による消費エネルギーEΔP(x)を得ることができる。
【0044】
(断面二次モーメント)
床上材12の断面二次モーメントは、床上材12を構成する各層の厚さ測長し、設定した幅に対して計算することで算出することができる。具体的には、床上材12を含む床材の断面に対して画像解析を行うことで床上材12の厚さを測長し、所定の幅に対して断面二次モーメントを算出することができる。
【0045】
(曲げ剛性)
単位幅(10mm)における床上材12の曲げ剛性の値は、三点曲げ試験によって得られるヤング率E(曲げ弾性)と断面二次モーメントIとの積(EI)から求められる。床上材12が、硬さの異なる複数の材料を積層した複合材料からなる場合には、各材料の層ごとにヤング率E(曲げ弾性)と断面二次モーメントIとの積(EI)をそれぞれ求めて、これらの和を算出することにより、床上材12全体の曲げ剛性を得ることができる。
【0046】
(曲げヤング率)
床上材12の曲げヤング率は、JIS K7171で示される様な三点曲げ試験を行うことにより得ることができる。
【0047】
4.本開示に係る床材の効果
以上説明した本開示に係る床材では、以下の効果を有する。
(1)床材は、高い断面二次モーメントを有する床上材と、床上材よりも低い断面二次モーメントを有する床下材とで構成されている。
これにより、床材は、歩行時の自重に対し、床上材がたわむことなく、床下材全面を変形させることができるため、自重直下の床材の沈み込みを抑制して歩行性を高め、骨折につながる転倒リスクを低減することができる。
【0048】
(2)床材は、独立気泡が形成された発泡体により形成された床下材を備えている。
これにより、床材は、床下材において高い衝撃吸収性と低い衝撃荷重を発揮することができる。また、上述した床上材を有することにより、床上材がたわむことなく、床下材全面を変形させることができる。このため、床上材による圧縮面積を増やし、圧縮時のプラトー領域の応力が低い高発泡倍率の床下材であっても、プラトー高さを高めることができる。また、プラトー領域での衝撃吸収エネルギーを増やすことで、転倒時の衝撃エネルギーに対しても衝撃荷重を低減できる。
【0049】
(3)上述した構成により、衝撃荷重が急上昇する緻密化領域までのひずみが大きいため、エネルギー吸収に必要な厚みを容易に確保可能となり、床下材の材料を削減することが可能となる。
【実施例0050】
以下、本開示に係る床材を実施例により説明する。
【0051】
<実施例1>
厚さ30mmであり、曲げ剛性が122Nm、曲げ弾性率が12000MPa、断面二次モーメントが10139mmである木材で形成された床上材と、独立気泡を含み、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.125である厚さ6.5mmのポリエチレンで形成された床下材とを積層して、面積100cm(縦100mm×横100mm)の床材を形成し、実施例1の床材とした。このとき、床下材は、独立気泡を含むポリエチレンで形成されていることから、厚さ30mmの木材で形成された床上材よりも断面二次モーメントが小さくなっている。
【0052】
<実施例2>
発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.1である床下材を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2の床材を形成した。
【0053】
<実施例3>
厚さ10mmであり、曲げ剛性が10Nm、曲げ弾性率が12000MPa、断面二次モーメントが833mmの木材である床上材と、厚さ5mmであり、曲げ剛性が87Nm、曲げ弾性率が205000MPa、断面二次モーメントが427mmであるステンレス板とを、ステンレス板が床下材側となるように積層した床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.067である床下材とを用いた以外は、実施例1と同様にして実施例3の床材を形成した。
【0054】
<実施例4>
厚さ30mmであり、曲げ剛性が225Nm、曲げ弾性率が10000MPa、断面二次モーメントが22500mmの木材である床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.050である床下材とを用い、床材面積を225cm(縦150mm×横150mm)とした以外は、実施例1と同様にして実施例4の床材を形成した。
【0055】
<実施例5>
厚さ30mmであり、曲げ剛性が225Nm、曲げ弾性率が10000MPa、断面二次モーメントが22500mmの木材である床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.033である床下材とを用い、床材面積を400cm(縦200mm×横200mm)とした以外は、実施例1と同様にして実施例5の床材を形成した。
【0056】
<実施例6>
厚さ30mmであり、曲げ剛性が225Nm、曲げ弾性率が10000MPa、断面二次モーメントが22500mmの木材である床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.025であり、厚さ10mmの床下材とを用い、床材面積を900cm(縦300mm×横300mm)とした以外は、実施例1と同様にして実施例6の床材を形成した。
【0057】
<実施例7>
厚さ30mmであり、曲げ剛性が225Nm、曲げ弾性率が10000MPa、断面二次モーメントが22500mmの木材である床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.025である床下材とを用い、床材面積を900cm(縦300mm×横300mm)とした以外は、実施例1と同様にして比較例2の床材を形成した。
【0058】
<実施例8>
厚さ30mmであり、曲げ剛性が225Nm、曲げ弾性率が10000MPa、断面二次モーメントが22500mmの木材である床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.025である床下材とを用い、床材面積を400cm(縦200mm×横200mm)とした以外は、実施例1と同様にして比較例3の床材を形成した。
【0059】
<実施例9>
発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.100である床下材を用い、床材面積を225cm(縦150mm×横150mm)とした以外は、実施例1と同様にして比較例4の床材を形成した。
【0060】
<実施例10>
発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.025であり、厚さが3mmの床下材を用い、床材面積を400cm(縦200mm×横200mm)とした以外は、実施例1と同様にして比較例5の床材を形成した。
【0061】
<比較例1>
厚さ3mmであり、曲げ剛性が0.23Nm、曲げ弾性率が10000MPa、断面二次モーメントが23mmの木材である床上材と、発泡前密度に対する発泡後密度の比が0.025である床下材とを用いた以外は、実施例1と同様にして比較例1の床材を形成した。
【0062】
[床材の評価]
上述した各実施例及び比較例の床材を用いて、以下の評価を行った。
(歩行性)
歩行性は、床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))及び独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))と、床上材の断面二次モーメントに基づき評価した。具体的には、床上材の断面二次モーメントが400mm以上かつ床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))よりも1.8以上大きい場合に歩行性を「◎」、床上材の断面二次モーメントが400mm以上かつ床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))よりも1.8未満大きい場合に歩行性を「〇」と評価した。また、床上材の断面二次モーメントが400mm以上かつ床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))と同等又は小さい場合に歩行性を「△」、床上材の断面二次モーメントが400mm未満の場合に歩行性を「×」と評価した。
【0063】
ここで、床上材の断面二次モーメントが小さい場合、歩行時に床材にかかる局所的な圧力を床下材前面に拡散することが困難となり、歩行時の触感が悪くなる。
また、床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))よりも大きいほど、歩行時における床材の沈み込みが少なくなる。また、床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))と同様又は小さい場合、歩行時における床下材の変形が緻密化領域まで進むため、歩行時の触感が悪くなる。
【0064】
(衝撃吸収性)
衝撃吸収性は、床材の衝撃荷重に基づき評価した。衝撃吸収性は、床材の衝撃荷重が3600N以下の場合に「◎」、床材の衝撃荷重が3600N超6000N以下の場合に「〇」、床材の衝撃荷重が6000N超の場合に「×」と評価した。
【0065】
【表1】
【0066】
表1に示すように、断面二次モーメントが400mm以上と非常に高い床上材を有する各実施例の床材は、歩行性の低下を抑制することができる。これは、各実施例の床材において床上材の変形が小さく、歩行時に床上材にかかる局所的な圧力が床下材の面方向に分散するため、床上材及び床下材のいずれにおいても歩行時の沈み込みが小さいためであると考えられる。
【0067】
また、表1に示すように、床上材は、曲げ剛性が100Nm/10mm以上、好ましくは100Nm/10mm以上200Nm/10mm以下である場合、歩行性がより向上するため好ましい。また、床上材は、厚さが15mm以上40mmの場合、断面二次モーメントが高くなる傾向にあるため好ましい。実施例3に示すように、曲げ弾性率が顕著に高い床上材を用いる場合は、床上材の厚さを比較的薄くしても高い歩行性が得られる。
【0068】
床下材は、床下材の独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))よりも大きい場合、歩行性が向上した。これは、歩行時に床材が沈み込みにくくなるためであると考えられる。特に、独立気泡の座屈を伴う気泡壁の曲げの消費エネルギー(EI(x))が独立気泡の圧力上昇による消費エネルギー(EΔP(x))よりも1.8以上大きい場合、歩行性が顕著に向上した。
【0069】
また、床下材は、発泡後密度に対する発泡前密度の比は、0.067以上0.143以下である場合、歩行性がより向上し、この比が、0.100以上0.143以下である場合、衝撃吸収性が向上した。
これは、独立気泡により歩行時の圧力を吸収するが、発泡後密度に対する発泡前密度の比が大きくなりすぎない(独立気泡が多くなりすぎない)方が、床下材自体の強度の低下を抑制して、歩行時の圧力を支えやすくなるためである。
さらに、床下材は、厚さが3mm以上10mm以下の場合、歩行性が向上した。これは、床下材の変形が緻密化領域まで進みにくくなり、歩行時の触感が低下しにくくなるためであると考えられる。
【0070】
床材は、面積が小さい(例えば400cm以下)方が歩行性及び衝撃吸収性が向上する傾向にあるため好ましい。例えば、発泡後密度に対する発泡前密度の比が好ましい範囲にあっても、床材の面積が大きい場合には衝撃を分散する効果が薄れる傾向にあることから、床材の面積を適切に設定することが特に好ましい。
【0071】
以上、本開示の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本開示の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本開示の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本開示の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0072】
1 床材
11 床下材
11A 独立気泡
12 床上材
20 緩衝材
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5