(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162853
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】超音波診断装置および医用解析装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/06 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A61B8/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067888
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】郷田 晃央
(72)【発明者】
【氏名】高橋 広樹
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601DD03
4C601DE04
4C601EE09
4C601JB30
4C601JB37
4C601JB43
4C601JC16
4C601KK18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】血流のパワーに関する抽出精度を維持しつつ、血流の速度および方向の表示の均一性を向上させる。
【解決手段】実施形態に係る超音波診断装置100は、送受信回路101と、ドプラ処理回路104と画像生成回路107とを備える。送受信回路は、反射波超音波データを取得する。ドプラ処理回路は、反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより血流に関する強度情報を抽出し、第2のフィルタをかけることにより位相変化情報を抽出する。画像生成回路は、強度情報と、位相変化情報とに基づいて、血流画像データを生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記強度情報と、前記位相変化情報とに基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
を備える超音波診断装置。
【請求項2】
前記第1のフィルタは、固有値展開型のウォールフィルタであり、
前記第2のフィルタは、固定長型のウォールフィルタである、
請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記第2のフィルタは、多項式近似型のウォールフィルタである、
請求項1または2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、第1の位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第3のフィルタをかけることにより、第2の位相変化情報を抽出する第3のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データの位相変化に基づいて、前記第1の位相変化情報と前記第2の位相変化情報のいずれかを選択する選択部と、
前記強度情報と、前記第1の位相変化情報または前記第2の位相変化情報のうち前記選択部によって選択されたものと、に基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
を備える超音波診断装置。
【請求項5】
前記第1のフィルタおよび前記第3のフィルタは、固有値展開型のウォールフィルタであり、
前記第2のフィルタは、固定長型のウォールフィルタである、
請求項4に記載の超音波診断装置。
【請求項6】
前記選択部は、前記反射波超音波データの位相変化が規定の基準よりも速い場合、前記第1の位相変化情報を選択し、前記反射波超音波データの位相変化が前記規定の基準以下の場合、前記第2の位相変化情報を選択する、
請求項4または5に記載の超音波診断装置。
【請求項7】
前記第1の位相変化情報に対する自己相関処理を行う第1の自己相関処理部と、
前記第2の位相変化情報に対する自己相関処理を行う第2の自己相関処理部と、
前記第1の自己相関処理部に基づいて第1の血流の速度を算出する第1の速度算出部と、
前記第2の位相変化情報の処理結果に基づいて第2の血流の速度を算出する第2の速度算出部と、
前記第1の血流の速度と、前記第2の血流の速度との差異が閾値よりも大きい場合、前記位相変化が前記規定の基準よりも速いと判定する位相変化検出部と、を備える、
請求項6に記載の超音波診断装置。
【請求項8】
前記血流画像データが複数の色の変化によって速度および前記血流の方向を表す第1の血流画像データであるか、単一の色の濃度の変化によって前記血流の速度を表す第2の血流画像データであるか、についてのユーザの選択を受け付ける受付部、をさらに備え、
前記選択部は、前記第2の血流画像データが選択されている場合、前記第1の位相変化情報を選択する、
請求項4から7のいずれか1項に記載の超音波診断装置。
【請求項9】
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記強度情報と、前記位相変化情報とに基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
医用解析装置。
【請求項10】
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、第1の位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第3のフィルタをかけることにより、第2の位相変化情報を抽出する第3のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データの位相変化に基づいて、前記第1の位相変化情報と前記第2の位相変化情報のいずれかを選択する選択部と、
前記強度情報と、前記第1の位相変化情報または前記第2の位相変化情報のうち前記選択部によって選択されたものと、に基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
医用解析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、超音波診断装置および医用解析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、超音波診断装置では、血流のパワーおよび速度の情報を、超音波画像データ上の色の変化によって表現するカラードプラ等の技術が知られている。このような技術においては、受信した反射波から得られる超音波データに含まれる不要な信号(クラッタ)をウォールフィルタによって抑圧することにより、血流のパワー、速度、方向等の血流情報を抽出する。
【0003】
このような技術において、ウォールフィルタの血流のパワーに関する情報の抽出精度を高めると、血流の速度および方向に関する変化について過剰に抽出してしまい、超音波画像データにおける血流の表示が不均一になる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、血流のパワーに関する抽出精度を維持しつつ、血流の速度および方向の表示の均一性を向上させることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る超音波診断装置は、取得部と、第1のフィルタ処理部と、第2のフィルタ処理部と、画像生成部とを備える。取得部は、反射波超音波データを取得する。第1のフィルタ処理部は、反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する。第2のフィルタ処理部は、反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、位相変化情報を抽出する。画像生成部は、強度情報と、位相変化情報とに基づいて、血流画像データを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係るドプラ処理回路の機能の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、比較例に係るドプラ画像データの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るドプラ画像データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係るドプラ画像データの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第2の実施形態に係るドプラ処理回路の機能の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態に係るドプラ画像データの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、変形例1に係るドプラ画像データの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、超音波診断装置および医用解析装置の実施形態について詳細に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置100の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、超音波診断装置100は、装置本体10と、超音波プローブ1と、入力装置3と、ディスプレイ2とを備える。
【0010】
装置本体10は、送受信回路101と、バッファメモリ102と、Bモード処理回路103と、ドプラ処理回路104と、出力インタフェース105と、入力インタフェース106と、画像生成回路107と、表示制御回路108と、画像メモリ109と、記憶回路110と、制御回路111と、NW(ネットワーク)インタフェース112とを備える。また、装置本体10は、ネットワークNWを介して外部装置400と接続されている。
【0011】
超音波プローブ1は、例えば、圧電振動子等の複数の素子を有する。これら複数の素子は、装置本体10の送受信回路101から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、例えば、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
【0012】
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の素子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。そして、超音波プローブ1は、反射波信号を装置本体10の送受信回路101に出力する。
【0013】
本実施形態においては、超音波プローブ1は、複数の超音波振動子が所定の方向に沿って配列された一次元アレイプローブであるとする。しかしながら、当該例に拘泥されず、超音波プローブ1は、ボリュームデータを取得可能なものとして、二次元アレイプローブ(複数の超音波振動子が二次元マトリックス状に配列されたプローブ)、又はメカニカル4Dプローブ(超音波振動子列をその配列方向と直交する方向に機械的に煽りながら超音波走査を実行可能なプローブ)であってもよい。
【0014】
入力装置3は、例えば、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボール、ジョイスティック等の入力手段により実現される。入力装置3は、超音波診断装置100の操作者からの各種設定要求を受け付け、受け付けた各種設定要求を装置本体10に転送する。
【0015】
ディスプレイ2は、例えば、超音波診断装置100の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像データにより示される超音波画像等を表示したりする。ディスプレイ2は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ等によって実現される。ディスプレイ2は、表示部の一例である。
【0016】
送受信回路101は、制御回路111による制御の下、超音波プローブ1から超音波を送信させるとともに、超音波プローブ1に超音波(超音波の反射波)を受信させる。すなわち、送受信回路101は、超音波プローブ1を介して超音波走査(超音波スキャン)を実行する。
【0017】
より詳細には、送受信回路101は、制御回路111による制御を受けて、超音波プローブ1に超音波を送信させる。送受信回路101は、例えば、図示しないトリガ発生回路、遅延回路およびパルサ回路等を有している。トリガ発生回路では、所定のレート周波数fr Hzで送信超音波を形成するためのトリガパルスが繰り返し発生される。また、遅延回路では、チャンネル毎に超音波をビーム状に集束し且つ送信指向性を決定するのに必要な遅延時間が、各トリガパルスに与えられる。パルサ回路は、このトリガパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動パルスを印加する。
【0018】
また、送受信回路101は、超音波プローブ1が受信した反射波信号に基づく超音波データである反射波超音波データを生成する。そして、送受信回路101は、生成した反射波超音波データをバッファメモリ102に格納する。
【0019】
より詳細には、超音波プローブ1により送信された超音波の反射波は、超音波プローブ1内部の圧電振動子まで到達した後、圧電振動子において、機械的振動から電気的信号(反射波信号)に変換され、送受信回路101に入力される。送受信回路101は、例えば、プリアンプと、A/D(Analog to Digital)変換器と、直交検波回路等を有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波超音波データを生成する。本実施形態において、「超音波データを取得する」という場合、超音波の送受信によって超音波データを得ることを含む。送受信回路101は、本実施形態における取得部の一例である。
【0020】
反射波超音波データは、走査線(以下、ラスタという)上に深さ方向に沿って並んだ複数のサンプル点の複数のデータが、ラスタ方向に沿って、ラスタの数の分だけ並んだ2次元のデータである。
【0021】
プリアンプは、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン調整(ゲイン補正)を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換することでゲイン補正された反射波信号をデジタル信号に変換する。直交検波回路は、A/D変換された反射波信号をベースバンド帯域の同相信号(I信号、I:In-phase)と直交信号(Q信号、Q:Quadrature-phase)とに変換する。
【0022】
そして、直交検波回路は、I信号およびQ信号を、反射波超音波データとしてバッファメモリ102に格納する。以下、I信号及びQ信号を総称する場合、IQ信号という。また、IQ信号はA/D変換されたデジタルデータであるため、IQデータともいう。
【0023】
バッファメモリ102は、送受信回路101により生成された反射波超音波データ(IQデータ)を少なくとも一時的に記憶する。例えば、バッファメモリ102は、1ラスタにつき複数回の超音波の送受信が行われることで取得された反射波超音波データを記憶する。ここで、1ラスタにつき複数回の超音波の送受信が行われることで、同一ラスタの反射波超音波データが複数個取得されるが、以下、同一ラスタの反射波超音波データの数をアンサンブル数、データそのものをアンサンブルデータと記す。バッファメモリ102は、時間方向にアンサンブル数分並んだアンサンブルデータを、ラスタ順に記憶する。バッファメモリ102は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子によって実現される。
【0024】
Bモード処理回路103は、バッファメモリ102から読み出した反射波超音波データに対して、対数増幅、包絡線検波、対数圧縮等の処理を行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0025】
ドプラ処理回路104は、バッファメモリ102に記憶された反射波超音波データを周波数解析することで、スキャン領域に設定されるROI(Region Of Interest:関心領域)内にある移動体のドプラ効果に基づく運動情報を抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。移動体とは、例えば血液である。例えば、ドプラ処理回路104は、カラーフローマッピング(CFM:Color Flow Mapping)法とも呼ばれるカラードプラ法を実行可能である。ドプラ処理回路104の処理の詳細については後述する。
【0026】
出力インタフェース105は、制御回路111からの電気信号を外部へ出力する。出力インタフェース105は、例えばバスを介して制御回路111に接続され、制御回路111からの電気信号をディスプレイ2に出力する。
【0027】
入力インタフェース106は、入力装置3を介し、操作者からの各種指示を受け付ける。入力インタフェース106は、例えばバスを介して制御回路111に接続され、操作者から入力される操作指示を電気信号へ変換し、電気信号を制御回路111へ出力する。なお、入力インタフェース106は、マウス及びキーボード等の物理的な操作部品と接続するものだけに限られない。例えば、超音波診断装置100とは別体に設けられた外部の入力機器から入力される操作指示に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路111へ出力する回路も入力インタフェースの例に含まれる。
【0028】
画像生成回路107は、Bモード処理回路103およびドプラ処理回路104により生成されたデータに基づいて、超音波画像データを生成する。画像生成回路107は、生成した超音波画像データを画像メモリ109に記憶させる。
【0029】
より詳細には、画像生成回路107は、Bモード処理回路103により生成されたBモードデータに基づいて、Bモード画像データを生成する。
【0030】
また、画像生成回路107は、ドプラ処理回路104により生成されたドプラデータに基づいて、ドプラ画像データを生成する。ドプラ画像データは、本実施形態における血流画像データの一例である。画像生成回路107は、ドプラ処理回路104により生成されたドプラデータ含まれる強度情報と、位相変化情報とに基づいて、ドプラ画像データを生成する。
【0031】
ドプラ画像データは、例えば、速度画像データ、分散画像データ、パワー画像データ、またはこれらを組み合わせた画像データである。例えば、画像生成回路107は、血流情報としてのドプラデータから、血流情報がカラーで表示される血流画像データを、ドプラ画像データとして生成する。この場合、画像生成回路107は、血流の信号パワーにより描出位置を、血流の速度と方向により表示色を決定することにより、血流をドプラ画像データとして映像化する。画像生成回路107は、本実施形態における画像生成部の一例である。
【0032】
表示制御回路108は、画像生成回路107によって生成された各種の超音波画像データに基づく超音波画像を、ディスプレイ2に表示させる。また、表示制御回路108は、操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUIをディスプレイ2に表示させても良い。
【0033】
画像メモリ109は、制御回路111により生成された各種の画像データを記憶する。例えば、画像メモリ109は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、または光ディスク等により実現される。
【0034】
記憶回路110は、例えば、磁気的若しくは光学的記憶媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、または光ディスク等のプロセッサにより読み取り可能な記憶媒体等により実現される。記憶回路110は、超音波送受信を実現するためのプログラム、各種データ等を記憶している。プログラム、及び各種データは、例えば、記憶回路110に予め記憶されていてもよい。また、例えば、非一過性の記憶媒体に記憶されて配布され、非一過性の記憶媒体から読み出されて記憶回路110にインストールされてもよい。なお、記憶回路110を本実施形態における記憶部の一例としても良い。
【0035】
制御回路111は、超音波診断装置100全体の動作を統括して制御する。例えば、制御回路111は、送受信回路101を介して超音波プローブ1を制御することで、超音波走査を制御する。
【0036】
NWインタフェース112は、例えばネットワークNWを介して外部装置400と接続され、外部装置400との間でデータ通信を行う。
【0037】
外部装置400は、例えば、超音波診断装置100で生成された各種データの後処理、および超音波画像データの表示等の処理を実行するワークステーションである。外部装置400は、例えば、プロセッサ等の処理回路、記憶装置、ディスプレイ、入力装置、および超音波診断装置100とネットワークNWを介して接続可能なNWインタフェースを備える。また、外部装置400は、タブレット端末等であっても良い。
【0038】
次に、ドプラ処理回路104についての詳細を説明する。
【0039】
図2は、第1の実施形態に係るドプラ処理回路104の機能の一例を示す図である。
図2に示すように、ドプラ処理回路104は、パワー用WF(Wall Filter、ウォールフィルタ)機能141、パワー推定機能142、速度・方向用WF機能143、自己相関処理機能144、速度・方向推定機能145、およびパッキング機能146を備える。
【0040】
パワー用WF機能141および速度・方向用WF機能143は、バッファメモリ102に保存されたアンサンブルデータ600に対して、それぞれウォールフィルタをかける。
【0041】
より詳細には、パワー用WF機能141は、アンサンブルデータ600に対してパワー(強度)情報用のウォールフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する。パワー用WF機能141は、固有値展開型のウォールフィルタを使用する。パワー用WF機能141は、本実施形態における第1のフィルタ処理部の一例である。また、パワー用WF機能141によってアンサンブルデータ600に掛けられる固有値展開型のウォールフィルタは、本実施形態における第1のフィルタの一例である。
【0042】
固有値展開型のウォールフィルタは、例えば、固有ベクトル(eigenvector)を用いて入力信号に応じて係数を変化させる適応型のMTI(Moving Target Indicator)フィルタである。固有ベクトルは、相関行列から計算される。具体的には、パワー用WF機能141は、複数フレームにわたって収集された同一位置の反射波超音波データのデータ列から、走査範囲の相関行列を計算する。本実施形態においては、同一位置の反射波超音波データはアンサンブルデータ600である。パワー用WF機能141は、相関行列から固有ベクトルを計算し、計算した固有ベクトルに基づいて、MTIフィルタに用いる係数を決定する。なお、固有ベクトルを用いた適応型のMTIフィルタは固有値展開型のウォールフィルタの一例であり、他の手法が採用されても良い。
【0043】
固有値展開型のウォールフィルタでは、アンサンブルデータ600の固有べクトル次元におけるエネルギーが大きいものを主成分として検出し、主成分と空間的に近似するドプラシフト(ドプラ偏移)をクラッタ成分として抑圧する。このような固有値展開型のウォールフィルタは、クラッタの抑圧能、および血流のパワー成分の抽出に優れている。
【0044】
パワー推定機能142は、パワー用WF機能141によってアンサンブルデータ600から抽出された成分から、血流の強度情報を推定する。パワー推定機能142は、パワー推定部の一例である。
【0045】
速度・方向用WF機能143は、アンサンブルデータ600に対して速度・方向用のウォールフィルタをかけることにより、位相変化情報を抽出する。速度・方向用WF機能143は、固定長型のウォールフィルタを使用する。位相変化情報は、血流の速度情報および方向情報を含む。速度・方向用WF機能143は、本実施形態における第2のフィルタ処理部の一例である。また、速度・方向用WF機能143によって使用される固定長型のウォールフィルタは、本実施形態における第2のフィルタの一例である。
【0046】
より詳細には、本実施形態においては、速度・方向用WF機能143は、多項式近似型のウォールフィルタを使用する。多項式近似型のウォールフィルタでは、所定の多項式でフィッティングを行い、低次の次数の成分をクラッタ成分として特定する多項式フィッティングの手法により、クラッタ成分を除去する。なお、多項式近似型のウォールフィルタ以外の固定長型のウォールフィルタを採用しても良い。例えば、速度・方向用WF機能143は、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタを用いても良い。
【0047】
固定長型のウォールフィルタでは、ドプラシフト周波数が低い成分をクラッタとみなして抑圧する。ドプラシフト周波数は、静止している組織、あるいは、動きの遅い組織に由来する反射波超音波データでは低くなる。固定長型のウォールフィルタは、固有値展開型のウォールフィルタと比べてクラッタと血流の分離能が低くなる場合がある。しかしながら、固定長型のウォールフィルタでは、血流の速度および方向情報の変化を安定的に抽出することができる。
【0048】
比較例として、上述の固有値展開型のウォールフィルタを血流の速度および方向情報の抽出に用いた場合、主成分と空間的に近似する血流の速度および方向情報についても抑制するため、フレーム間の位相の変化が抽出されやすい。このため、固有値展開型のウォールフィルタの抽出結果に基づくドプラ画像データでは、血流の速度および方向情報の変化が強調されてしまう場合がある。このため、フレーム間の位相の変化が大きい場合、固有値展開型のウォールフィルタによって抽出された血流の速度および方向情報に基づくドプラ画像データでは、血流の速度および方向の表示の均一性が低下する場合がある。
【0049】
図3は、比較例に係るドプラ画像データ80a,80bの一例を示す図である。
図3のドプラ画像データ80aおよびドプラ画像データ80bは、固有値展開型のウォールフィルタによって抽出された血流情報に基づいて血流が表されたカラードプラ画像データである。ドプラ画像データ80aおよびドプラ画像データ80bは、血流の時系列の変化を示す。
【0050】
ドプラ画像データ80a,80bでは、血流情報に含まれる血流の強度情報に基づいて血流70a,70bの描出位置が定められる。また、ドプラ画像データ80a,80bでは、血流の速度および方向の情報に基づいて血流70a,70bの色が定められる。
図3に示すように、比較例のドプラ画像データ80a,80bでは、フレーム間の血流の速度および方向の変化が強調され、血流70a,70bの表示が不均一となっている。このため、血流70a,70b中の色の変化が大きく、血流70a,70bが滑らかに表示されていない。
【0051】
図4は、第1の実施形態に係るドプラ画像データ90a,90bの一例を示す図である。ドプラ画像データ90aおよびドプラ画像データ90bは、血流の時系列の変化を示す。本実施形態では、血流の強度情報は固有値展開型のウォールフィルタにより抽出されるが、血流の速度および方向情報は固定長型のウォールフィルタにより抽出される。このため、
図4に示すように、ドプラ画像データ90a,90b上に描出される血流71a,71b中の色の変化は滑らかであり、
図3と比較して均一性が改善されている。
【0052】
以下、本実施形態において個々のドプラ画像データ90a,90bを特に区別しない場合はドプラ画像データ90という。
【0053】
図2に戻り、自己相関処理機能144は、速度・方向用WF機能143によってアンサンブルデータ600から抽出されたデータに対する自己相関処理を行う。自己相関処理機能144は、自己相関処理部の一例である。
【0054】
速度・方向推定機能145は、自己相関処理機能144による自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度および方向情報を推定する。速度・方向推定機能145は、速度・方向推定部の一例である。なお、速度・方向推定機能145は、血流の分散についても推定しても良い。
【0055】
パッキング機能146は、パワー推定機能142によって推定された血流の強度情報と、速度・方向推定機能145によって推定された血流の速度および方向情報を結合することにより、血流の強度、速度、および方向情報を含むドプラデータを生成する。パッキング機能146によって生成されたドプラデータから、画像生成回路107によってドプラ画像データ90が生成される。パッキング機能146は、パッキング部の一例である。
【0056】
Bモード処理回路103、ドプラ処理回路104、画像生成回路107、表示制御回路108、および制御回路111は、プロセッサにより実現される。例えば、これらの回路で実行される処理が定義されたコンピュータによって実行可能なプログラムが、記憶回路110に記憶されている。これらの回路は、プログラムを記憶回路110から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。また、
図1においては単一の記憶回路110が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、各回路は個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0057】
上記説明では、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムを記憶回路110から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路110に保存されたプログラムを読み出して実行することで、
図1および
図2に示した各機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路110にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、
図1および
図2における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしても良い。
【0058】
次に、以上のように構成された本実施形態における超音波診断装置100で実行されるドプラ画像データ90の生成処理の流れについて説明する。
【0059】
図5は、第1の実施形態に係るドプラ画像データ90の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0060】
まず、送受信回路101は、超音波プローブ1から超音波を送信させと共に、送信された超音波の反射波を超音波プローブ1に受信させる(S101)。送受信回路101は、超音波プローブ1が受信した反射波信号に基づく超音波データである反射波超音波データを生成し、バッファメモリ102に保存する。
【0061】
次に、ドプラ処理回路104のパワー用WF機能141は、アンサンブルデータ600に対して固有値展開型のウォールフィルタをかける(S102)。
【0062】
そして、ドプラ処理回路104のパワー推定機能142は、パワー用WF機能141によってアンサンブルデータ600から抽出された成分から、血流の強度(パワー)情報を推定する(S103)。
【0063】
また、ドプラ処理回路104の速度・方向用WF機能143は、アンサンブルデータ600に対して多項式近似型のウォールフィルタをかける(S104)。
【0064】
次に、ドプラ処理回路104の自己相関処理機能144は、速度・方向用WF機能143によってアンサンブルデータ600から抽出されたデータに対する自己相関処理を実行する(S105)。
【0065】
次に、ドプラ処理回路104の速度・方向推定機能145は、自己相関処理機能144による自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度および方向情報を推定する(S106)。
【0066】
そして、ドプラ処理回路104のパッキング機能146は、パワー推定機能142によって推定された血流の強度情報と、速度・方向推定機能145によって推定された血流の速度および方向情報を結合することにより、血流の強度、速度、および方向情報を含むドプラデータを生成する(S107)。
【0067】
次に、画像生成回路107は、ドプラ処理回路104により生成されたドプラデータに基づいて、ドプラ画像データ90を生成する(S108)。
【0068】
次に、表示制御回路108は、画像生成回路107によって生成されたドプラ画像データ90に基づくドプラ画像を、ディスプレイ2に表示させる(S109)。ここで、このフローチャートの処理は終了する。
【0069】
このように、本実施形態の超音波診断装置100は、反射波超音波データから強度情報抽出用のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく血流の強度情報と、反射波超音波データから速度・方向用のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく血流の速度および方向の情報とに基づいて、ドプラ画像データを生成する。
【0070】
本実施形態においては、血流のパワーと、血流の速度および方向の情報について、それぞれの特性に適した別個のフィルタリング結果から求めることにより、血流のパワーに関する抽出精度を維持しつつ、血流の速度および方向の表示の均一性を向上させることができる。
【0071】
また、本実施形態の超音波診断装置100では、血流のパワーは固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータから求められる。また、本実施形態の超音波診断装置100では、血流の速度および方向の情報は、固定長型のウォールフィルタによって抽出されたデータから求められる。このため、本実施形態の超音波診断装置100によれば、血流のパワーとクラッタを高精度に分離すると共に、血流の速度および方向の変化を滑らかに表示させることができる。
【0072】
また、本実施形態の超音波診断装置100では、血流の速度および方向の情報は、多項式近似型のウォールフィルタによって抽出されたデータから求められる。これにより、本実施形態の超音波診断装置100では、血流の速度および方向の情報を安定して抽出することができる。
【0073】
(第2の実施形態)
上述の第1の実施形態では、血流の速度および方向の情報については、常に固定長型のウォールフィルタが使用されていた。本実施形態においては、位相変化に応じて固有値展開型のウォールフィルタと固定長型のウォールフィルタとを使い分ける。
【0074】
本実施形態の超音波診断装置100の全体構成は、
図1で説明した第1の実施形態と同様である。超音波診断装置100は、装置本体10と、超音波プローブ1と、入力装置3と、ディスプレイ2とを備える。また、装置本体10は、送受信回路101と、バッファメモリ102と、Bモード処理回路103と、ドプラ処理回路104と、出力インタフェース105と、入力インタフェース106と、画像生成回路107と、表示制御回路108と、画像メモリ109と、記憶回路110と、制御回路111と、NWインタフェース112とを備える。
【0075】
超音波プローブ1、入力装置3、ディスプレイ2、送受信回路101、バッファメモリ102、Bモード処理回路103、出力インタフェース105、入力インタフェース106、画像生成回路107、表示制御回路108、画像メモリ109、記憶回路110、制御回路111、およびNWインタフェース112は、第1の実施形態と同様の機能を備える。
【0076】
図6は、第2の実施形態に係るドプラ処理回路104の機能の一例を示す図である。本実施形態のドプラ処理回路104は、パワー用WF機能141、パワー推定機能142、第1の速度・方向用WF機能143a、第2の速度・方向用WF機能143b、第1の自己相関処理機能144a、第2の自己相関処理機能144b、第1の速度・方向推定機能145a、第2の速度・方向推定機能145b、パッキング機能146、位相変化検出機能147、および選択機能148を備える。
【0077】
パワー用WF機能141、およびパワー推定機能142は、第1の実施形態と同様の機能である。パワー用WF機能141は、第1の実施形態と同様に、固有値展開型のウォールフィルタを使用する。当該固有値展開型のウォールフィルタは、本実施形態における第1のフィルタの一例である。また、パワー用WF機能141は、本実施形態における第1のフィルタ処理部の一例である。
【0078】
第1の速度・方向用WF機能143aは、アンサンブルデータ600に対して第1の速度・方向用WFをかけることにより、血流に関する第1の位相変化情報を抽出する。第1の速度・方向用WF機能143aは、本実施形態における第2のフィルタ処理部の一例である。第1の速度・方向用WFは、本実施形態における第2のフィルタの一例である。第1の速度・方向用WFは、固定長型のウォールフィルタ、特に多項式近似型のウォールフィルタである。
【0079】
第2の速度・方向用WF機能143bは、アンサンブルデータ600に対して第2の速度・方向用WFをかけることにより、血流に関する第2の位相変化情報を抽出する。第2の速度・方向用WF機能143bは、本実施形態における第3のフィルタ処理部の一例である。第2の速度・方向用WFは、本実施形態における第3のフィルタの一例である。第2の速度・方向用WFは、固有値展開型のウォールフィルタである。
【0080】
第1の位相変化情報および第2位相変化情報は、血流の速度情報および方向情報である。
【0081】
第1の自己相関処理機能144aは、第1の速度・方向用WF機能143aによってアンサンブルデータ600から抽出されたデータに対する自己相関処理を行う。第1の自己相関処理機能144aは、第1の自己相関処理部の一例である。
【0082】
第2の自己相関処理機能144bは、第2の速度・方向用WF機能143bによってアンサンブルデータ600から抽出されたデータに対する自己相関処理を行う。第2の自己相関処理機能144bは、第2の自己相関処理部の一例である。
【0083】
第1の速度・方向推定機能145aは、第1の自己相関処理機能144aによる自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度および方向情報を推定する。例えば、第1の速度・方向推定機能145aは、第1の自己相関処理機能144aによる自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度を算出する。第1の速度・方向推定機能145aは、第1の速度・方向推定部および第1の速度算出部の一例である。
【0084】
第2の速度・方向推定機能145bは、第2の自己相関処理機能144bによる自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度および方向情報を推定する。例えば、第2の速度・方向推定機能145bは、第2の自己相関処理機能144bによる自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度を算出する。第2の速度・方向推定機能145bは、第2の速度・方向推定部および第2の速度算出部の一例である。
【0085】
位相変化検出機能147は、第1の位相変化情報または第2の位相変化情報の少なくともいずれか一方に基づいて、反射波超音波データの位相変化を検出する。本実施形態においては、位相変化検出機能147は、固定長型のウォールフィルタと固有値展開型のウォールフィルタのフィルタリング結果の差異に基づいて、規定の基準よりも速い位相変化を検出する。固定長型のウォールフィルタと固有値展開型のウォールフィルタのフィルタリング結果の差異は、位相変化が速い場合に大きくなる。このため、位相変化検出機能147は、当該差異を利用して、規定の基準よりも速い位相変化を検出する。
【0086】
より詳細には、位相変化検出機能147は、第1の速度・方向推定機能145aによって算出された第1の血流の速度と、第2の速度・方向推定機能145bによって算出された第2の血流の速度と、の類似度を求める。位相変化検出機能147は、類似度の算出結果に基づいて、第1の血流の速度と、第2の血流の速度との差異が閾値よりも大きい場合、位相変化が規定の基準よりも速いと判定する。また、位相変化検出機能147は、第1の血流の速度と、第2の血流の速度との差異が閾値以下の場合、位相変化が規定の基準以下であると判定する。なお、第1の血流の速度と、第2の血流の速度との差異の閾値は特に限定されるものではない。
【0087】
なお、位相変化の検出の手法はこれに限定されない、例えば、位相変化検出機能147は、第1の位相変化情報または第2の位相変化情報に基づく血流の分散を利用して、急激な位相変化を検出しても良い。位相変化検出機能147は、位相変化検出部の一例である。
【0088】
選択機能148は、反射波超音波データの位相変化に基づいて、第1の位相変化情報と第2の位相変化情報のいずれかを選択する。より詳細には、選択機能148は、第1の速度・方向用WF機能143aによってアンサンブルデータ600から抽出されたデータと、第2の速度・方向用WF機能143bによってアンサンブルデータ600から抽出されたデータのいずれかを、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。選択機能148は、選択部の一例である。
【0089】
具体的には、選択機能148は、位相変化が規定の基準よりも速い場合、第1の位相変化情報を選択し、位相変化が規定の基準以下の場合、第2の位相変化情報を選択する。規定の基準となる位相変化の程度は特に限定されるものではない。
【0090】
換言すれば、選択機能148は、位相変化検出機能147によって規定の基準よりも速い位相変化が検出された場合、アンサンブルデータ600から固定長型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく、血流の速度および方向情報を、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。また、選択機能148は、位相変化が規定の基準以下の場合、アンサンブルデータ600から固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく、血流の速度および方向情報を、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。
【0091】
パッキング機能146は、パワー推定機能142によって推定された血流の強度情報と、第1の速度・方向推定機能145aおよび第2の速度・方向推定機能145bによって推定された血流の速度および方向の情報にうち選択機能148によって選択されたものと、を結合することにより、血流の強度、速度、および方向情報を含むドプラデータを生成する。
【0092】
パッキング機能146によって生成されたドプラデータから、画像生成回路107によってドプラ画像データ90が生成される。換言すれば、本実施形態の画像生成回路107は、強度情報と、第1の位相変化情報または第2の位相変化情報のうち選択機能148によって選択されたものと、に基づいて、血流画像データを生成する。
【0093】
次に、以上のように構成された本実施形態における超音波診断装置100で実行されるドプラ画像データ90の生成処理の流れについて説明する。
【0094】
図7は、第2の実施形態に係るドプラ画像データ90の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0095】
S101の超音波送受信処理から、S103のパワー推定処理までは、第1の実施形態と同様である。
【0096】
また、ドプラ処理回路104の第1の速度・方向用WF機能143aは、アンサンブルデータ600に対して多項式近似型のウォールフィルタをかける(S201)。
【0097】
次に、第1の自己相関処理機能144aは、第1の速度・方向用WF機能143aによってアンサンブルデータ600から抽出されたデータに対する自己相関処理を実行する(S202)。
【0098】
次に、第1の速度・方向推定機能145aは、第1の自己相関処理機能144aによる自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度および方向情報を推定する(S203)。
【0099】
また、第2の速度・方向用WF機能143bは、アンサンブルデータ600に対して固有値展開型のウォールフィルタをかける(S204)。
【0100】
次に、第2の自己相関処理機能144bは、第2の速度・方向用WF機能143bによってアンサンブルデータ600から抽出されたデータに対する自己相関処理を実行する(S205)。
【0101】
次に、第2の速度・方向推定機能145bは、第2の自己相関処理機能144bによる自己相関処理の結果に基づいて、血流の速度および方向情報を推定する(S206)。
【0102】
そして、位相変化検出機能147は、急激な位相変化を検出したか否かを判定する(S207)。位相変化検出機能147は、位相変化が規定の基準よりも速い場合、急激な位相変化を検出したと判定する。より詳細には、位相変化検出機能147は、第1の速度・方向推定機能145aによって算出された第1の血流の速度と、第2の速度・方向推定機能145bによって算出された第2の血流の速度と、の類似度を求め、第1の血流の速度と、第2の血流の速度との差異が閾値よりも大きい場合、位相変化が規定の基準よりも速いと判定する。
【0103】
急激な位相変化が検出された場合(S207“Yes”)、選択機能148は、第1の速度・方向用WF機能143aによる処理結果を選択する(S208)。つまり、選択機能148は、アンサンブルデータ600から多項式近似型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく、血流の速度および方向情報を、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。
【0104】
また、急激な位相変化が検出されなかった場合(S207“No”)、選択機能148は、第2の速度・方向用WF機能143bによる処理結果を選択する(S209)。つまり、選択機能148は、アンサンブルデータ600から固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく、血流の速度および方向情報を、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。
【0105】
そして、パッキング機能146は、パワー推定機能142によって推定された血流の強度情報と、選択機能148によって選択された血流の速度および方向情報を結合することにより、血流の強度、速度、および方向情報を含むドプラデータを生成する(S107)。S108の画像生成処理からS109の画像表示処理までは、第1の実施形態と同様である。
【0106】
このように、本実施形態の超音波診断装置100によれば、反射波超音波データの位相変化に基づいて、速度・方向用のウォールフィルタの種類を動的に変更することにより、第1の実施形態の効果を備えた上で、位相変化に応じた適切な血流情報の抽出をすることができる。
【0107】
例えば、固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づくドプラ画像データ80では、一般に、位相変化が速い場合に、
図3で説明した比較例のように血流の速度および方向の表示が不均一となる傾向がある。このため、本実施形態の超音波診断装置100では、位相変化が速い場合は、血流の速度および位相の情報の抽出のために固定長型のウォールフィルタを使用することにより、血流の速度および方向の表示の不均一性を低減する。また、本実施形態の超音波診断装置100では、位相変化が遅い場合は、血流の速度および方向の情報の抽出のために固有値展開型のウォールフィルタを使用することにより、固有値展開型のウォールフィルタの優れたクラッタ分離能を活用することができる。
【0108】
また、本実施形態の超音波診断装置100では、固定長型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づいて算出された第1の血流の速度と、固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づいて算出された第2の血流の速度との差異に基づいて、位相変化が規定の基準よりも速いか否かを判定する。このため、本実施形態の超音波診断装置100では、固定長型のウォールフィルタと固有値展開型のウォールフィルタのフィルタリング結果の差異を利用して、規定の基準よりも速い位相変化を容易に検出することができる。
【0109】
(変形例1)
上述の各実施形態では、カラーフローマッピング法によるカラーのドプラ画像データ90の生成処理を例としたが、超音波診断装置100は、他の種類の超音波画像データを生成するモードを備えても良い。
【0110】
例えば、超音波診断装置100は、単一の色の濃度の変化によって血流の速度を表す単色マップと呼ばれる超音波画像データを生成しても良い。
【0111】
例えば、入力装置3は、上述の各実施形態で例示した複数の色の変化によって速度および血流の方向を表すカラーのドプラ画像データ90の生成モードと、単色マップの生成モードのいずれかを選択するユーザの操作を受け付ける。入力装置3は受付部の一例である。
【0112】
また、カラーのドプラ画像データ90は、本変形例の第1の血流画像データの一例である。単色マップは、本変形例における第2の血流画像データの一例である。
【0113】
本変形例の超音波診断装置100のドプラ処理回路104は、例えば、第2の実施形態と同様に、パワー用WF機能141、パワー推定機能142、第1の速度・方向用WF機能143a、第2の速度・方向用WF機能143b、第1の自己相関処理機能144a、第2の自己相関処理機能144b、第1の速度・方向推定機能145a、第2の速度・方向推定機能145b、パッキング機能146、位相変化検出機能147、および選択機能148を備える。
【0114】
単色マップにおいては、血流の速度および方向に応じた色の変化がないため、血流の速度および方向の表示の不均一性を考慮する必要がない。
【0115】
このため、本変形例の選択機能148は、第2の実施形態の機能を備えた上で、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されている場合、位相変化の大きさに関わらず、第2の位相変化情報を選択する。
【0116】
図8は、変形例1に係るドプラ画像データの生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0117】
S101の超音波送受信処理からS103のパワー推定処理まで、および、S201の第1の速度・方向用ウォールフィルタ処理からS206の血流の速度および方向の推定処理までは、第2の実施形態と同様である。
【0118】
そして、本変形例の選択機能148は、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されているか否かを判定する(S301)。生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されている場合(S301“Yes”)、選択機能148は、第2の速度・方向用WF機能143bによる処理結果を選択する(S209)。つまり、選択機能148は、アンサンブルデータ600から固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく、血流の速度および方向情報を、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。
【0119】
また、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されていない場合(S301“No”)、選択機能148は、S207の処理に進み、第2の実施形態と同様に、位相変化に応じて固有値展開型ウォールフィルタによって抽出されたデータまたは多項式近似型ウォールフィルタによって抽出されたデータのいずれかを選択する。以降の処理は、第2の実施形態と同様である。
【0120】
このように、本変形例の超音波診断装置100によれば、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されている場合は固有値展開型のウォールフィルタを採用することにより、カラー表示をする場合以外には、固有値展開型のウォールフィルタの優れたクラッタ分離能を活用することができる。
【0121】
なお、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されているか否かの判定の処理のタイミングは、
図8に示す例に限定されない。例えば、単色マップが選択されているか否かの判定の処理がウォールフィルタの処理よりも前に実行されても良い。この場合、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されている場合は、S201~S203の処理は実行されなくとも良い。
【0122】
また、本変形例では、単色マップが選択されているか否かと、位相変化と、の両方に基づいて判定を行ったが、位相変化に応じたウォールフィルタの使い分けしない構成を採用しても良い。この場合、選択機能148は、単色マップが選択されているか否かによって固有値展開型のウォールフィルタと固定長型のウォールフィルタを使い分ける。つまり、生成対象の血流画像データとして単色マップが選択されている場合、選択機能148は、固有値展開型のウォールフィルタによって抽出されたデータに基づく血流の速度および方向情報を、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。そして、単色マップが選択されていない場合、選択機能148は、固定長型のウォールフィルタによって抽出されたデータを、ドプラデータの生成に使用するデータとして選択する。
【0123】
また、本変形例の構成を第1の実施形態に組わせても良い。例えば、ユーザによって生成対象として単色マップが選択されている場合はパワー用のウォールフィルタと、速度および方向用のウォールフィルタとを分けずに、単一の固有値展開型のウォールフィルタを使用しても良い。当該構成を採用する場合、ユーザによって生成対象としてカラーのドプラ画像データ90が選択されている場合は、パワー用の固有値展開型のウォールフィルタと、速度および方向用の固定長型のウォールフィルタとを使用する。
【0124】
また、超音波診断装置100は、さらに他の種類の超音波画像データを生成するモードを備えても良い。例えば、超音波診断装置100は、血流の速度を表示せず、パワーおよび分散を表す超音波画像データを生成しても良い。また、超音波診断装置100は、プッシュパルスにより発生したせん断波の伝播速度を計測することで硬さ画像を表示するシアウェーブ・エラストグラフィ(Shear Wave Elastography:SWE)の機能を備えても良い。また、超音波診断装置100は、カラードプラ画像データ以外の超音波画像データを生成する場合にも、固定長型のウォールフィルタと固有値展開型のウォールフィルタの使い分けもしても良い。
【0125】
(変形例2)
上述の各実施形態では、超音波診断装置100がカラーフローマッピング法によるカラーのドプラ画像データ90の生成処理をするものとして説明したが、例えば超音波診断装置100に接続された外部装置400が当該処理を実行しても良い。当該構成を採用する場合、外部装置400の処理回路は、
図2または
図6で説明したドプラ処理回路104と同様の機能を備えても良い。外部装置400は、本変形例における医用解析装置の一例である。
【0126】
また、この場合、外部装置400のNWインタフェースが、超音波診断装置100からアンサンブルデータ600を取得する。当該NWインタフェースは、本変形例における取得部の一例である。なお、外部装置400の機能の一部または全てがクラウド環境で実現されても良い。
【0127】
なお、本明細書において扱う各種データは、典型的にはデジタルデータである。
【0128】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、血流のパワーに関する抽出精度を維持しつつ、血流の速度および方向の表示の均一性を向上させることができる。
【0129】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0130】
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
【0131】
(付記1)
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記強度情報と、前記位相変化情報とに基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
を備える超音波診断装置。
【0132】
(付記2)
前記第1のフィルタは、固有値展開型のウォールフィルタであっても良い。また、前記第2のフィルタは、固定長型のウォールフィルタであっても良い。
【0133】
(付記3)
前記第2のフィルタは、多項式近似型のウォールフィルタであっても良い。
【0134】
(付記4)
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、第1の位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第3のフィルタをかけることにより、第2の位相変化情報を抽出する第3のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データの位相変化に基づいて、前記第1の位相変化情報と前記第2の位相変化情報のいずれかを選択する選択部と、
前記強度情報と、前記第1の位相変化情報または前記第2の位相変化情報のうち前記選択部によって選択されたものと、に基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
を備える超音波診断装置。
【0135】
(付記5)
前記第1のフィルタおよび前記第3のフィルタは、固有値展開型のウォールフィルタであってもよい。
また、前記第2のフィルタは、固定長型のウォールフィルタであってもよい。
【0136】
(付記6)
前記選択部は、前記反射波超音波データの位相変化が規定の基準よりも速い場合、前記第1の位相変化情報を選択し、前記反射波超音波データの位相変化が前記規定の基準以下の場合、前記第2の位相変化情報を選択してもよい。
【0137】
(付記7)
前記第1の位相変化情報に対する自己相関処理を行う第1の自己相関処理部と、
前記第2の位相変化情報に対する自己相関処理を行う第2の自己相関処理部と、
前記第1の自己相関処理部に基づいて第1の血流の速度を算出する第1の速度算出部と、
前記第2の位相変化情報の処理結果に基づいて第2の血流の速度を算出する第2の速度算出部と、
前記第1の血流の速度と、前記第2の血流の速度との差異が閾値よりも大きい場合、前記位相変化が前記規定の基準よりも速いと判定する位相変化検出部と、を備えてもよい。
【0138】
(付記8)
前記血流画像データが複数の色の変化によって速度および前記血流の方向を表す第1の血流画像データであるか、単一の色の濃度の変化によって前記血流の速度を表す第2の血流画像データであるか、についてのユーザの選択を受け付ける受付部、をさらに備えてもよい。
前記選択部は、前記第2の血流画像データが選択されている場合、前記第1の位相変化情報を選択してもよい。
【0139】
(付記9)
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記強度情報と、前記位相変化情報とに基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
医用解析装置。
【0140】
(付記10)
反射波超音波データを取得する取得部と、
前記反射波超音波データに対して第1のフィルタをかけることにより、血流に関する強度情報を抽出する第1のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第2のフィルタをかけることにより、第1の位相変化情報を抽出する第2のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データに対して第3のフィルタをかけることにより、第2の位相変化情報を抽出する第3のフィルタ処理部と、
前記反射波超音波データの位相変化に基づいて、前記第1の位相変化情報と前記第2の位相変化情報のいずれかを選択する選択部と、
前記強度情報と、前記第1の位相変化情報または前記第2の位相変化情報のうち前記選択部によって選択されたものと、に基づいて、血流画像データを生成する画像生成部と、
医用解析装置。
【符号の説明】
【0141】
1 超音波プローブ
2 ディスプレイ
3 入力装置
10 装置本体
90,90a,90b ドプラ画像データ
100 超音波診断装置
101 送受信回路
102 バッファメモリ
103 Bモード処理回路
104 ドプラ処理回路
105 出力インタフェース
106 入力インタフェース
107 画像生成回路
108 表示制御回路
109 画像メモリ
110 記憶回路
111 制御回路
112 NWインタフェース
141 パワー用WF機能
142 パワー推定機能
143 速度・方向用WF機能
143a 第1の速度・方向用WF機能
143b 第2の速度・方向用WF機能
144 自己相関処理機能
144a 第1の自己相関処理機能
144b 第2の自己相関処理機能
145 速度・方向推定機能
145a 第1の速度・方向推定機能
145b 第2の速度・方向推定機能
146 パッキング機能
147 位相変化検出機能
148 選択機能
400 外部装置
600 アンサンブルデータ
P 被検体