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  • 特開-光彩を有する半透明化粧料 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162888
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】光彩を有する半透明化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20221018BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20221018BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20221018BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20221018BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A61K8/86
A61K8/37
A61K8/92
A61K8/02
A61Q1/00
A61Q19/00
A61Q19/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067945
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】520176980
【氏名又は名称】株式会社みらい中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100139594
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 健次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100090251
【氏名又は名称】森田 憲一
(72)【発明者】
【氏名】石渡 正昭
(72)【発明者】
【氏名】李 娟娟
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA112
4C083AB292
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC071
4C083AC072
4C083AC092
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC132
4C083AC172
4C083AC181
4C083AC182
4C083AC262
4C083AC302
4C083AC392
4C083AC421
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC582
4C083AC622
4C083AD022
4C083AD052
4C083AD212
4C083AD352
4C083AD491
4C083AD492
4C083AD532
4C083AD622
4C083BB05
4C083CC04
4C083CC23
4C083DD01
4C083EE06
4C083EE07
4C083EE12
4C083EE16
4C083FF05
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、化粧料の基本的な機能面を持つとともに化粧料自体の見た目の美しさ又は面白さを示す化粧料を提供することである。
【解決手段】前記課題は、本発明の(A)下記式(1):RO-[(CO)m(CO)n]-H(Rは炭素数10~40の分岐鎖のアルキル基であり、mは10~40の整数であり、nは2~30の整数である)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、(B)脂肪酸の炭素数16~20の、ジ脂肪酸ソルビタン、セスキ脂肪酸ソルビタン、ジ脂肪酸グリセリル、セスキ脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリグリセリル、及びセスキ脂肪酸ポリグリセリルからなる群から選択される親油性界面活性剤、及び(C)油性成分、を含む、光彩を有する半透明化粧料によって解決することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)下記式(1):
RO-[(CO)m(CO)n]-H
(Rは炭素数10~40の分岐鎖のアルキル基であり、mは10~40の整数であり、nは2~30の整数である)
で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、
(B)脂肪酸の炭素数16~20の、ジ脂肪酸ソルビタン、セスキ脂肪酸ソルビタン、ジ脂肪酸グリセリル、セスキ脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリグリセリル、及びセスキ脂肪酸ポリグリセリルからなる群から選択される親油性界面活性剤、及び
(C)油性成分、
を含む、光彩を有する半透明化粧料。
【請求項2】
(D)液状の高級脂肪酸又は液状の脂肪族アルコールを、更に含む、請求項1に記載の光彩を有する半透明化粧料。
【請求項3】
(E)固形の高級アルコール又はステロールを更に含む、請求項1又は2に記載の光彩を有する半透明化粧料。
【請求項4】
(F)アニオン性界面活性剤を、更に含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の光彩を有する半透明化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光彩を有する半透明化粧料に関する。本発明によれば、光彩を有する化粧料を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
化粧料には、肌の美しさを保つ、及び肌の状態を改善するなどの機能面の効果とともに、化粧料自体の見た目の美しさや面白さなどの効果が求められている。例えば、多層化粧料は、成分が層分離されることによる成分の劣化の抑制という機能面の効果に加えて、層形成による化粧料の見た目の美しさや面白さも兼ね備えた化粧料である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-147758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧料にとって、機能面の効果を示すことは重要である。しかしながら、機能面の効果に加えて、化粧品を使用する人の気持ちを盛り上げるような化粧品自体の見た目の面白さ又は美しさも重要である。従って、本発明の目的は、化粧料の基本的な機能面を持つとともに化粧料自体の見た目の美しさ又は面白さを示す化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、化粧料の基本的な機能面を持つとともに、化粧料の見た目の美しさ又は面白さを示す化粧料について、鋭意研究した結果、驚くべきことに、特定の親水性下面活性剤、親油性界面活性剤、及び油性成分を含む半透明化粧料が美しい光彩を呈することを見出した。
本発明は、こうした知見に基づくものである。
従って、本発明は、
[1](A)下記式(1):RO-[(CO)m(CO)n]-H(Rは炭素数10~40の分岐鎖のアルキル基であり、mは10~40の整数であり、nは2~30の整数である)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、(B)脂肪酸の炭素数16~20の、ジ脂肪酸ソルビタン、セスキ脂肪酸ソルビタン、ジ脂肪酸グリセリル、セスキ脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリグリセリル、及びセスキ脂肪酸ポリグリセリルからなる群から選択される親油性界面活性剤、及び(C)油性成分、
を含む、光彩を有する半透明化粧料、
[2](D)液状の高級脂肪酸又は液状の脂肪族アルコールを、更に含む、[1]に記載の光彩を有する半透明化粧料、
[3](E)固形の高級アルコール又はステロールを更に含む、[1]又は[2]に記載の光彩を有する半透明化粧料、及び
[4](F)アニオン性界面活性剤を、更に含む、[1]~[3]のいずれかに記載の光彩を有する半透明化粧料、
に関する。
【発明の効果】
【0006】
本発明の化粧料によれば、半透明化粧料自体が美しい光彩を呈することができる。本発明の化粧料は、従来高圧乳化法で添加されていた固形の高級アルコール、コレステロール、フィトステロールを、高圧乳化法を使用せずに、含むことができる。本発明の化粧料は、液状の脂肪酸、液状の脂肪族アルコール、又はアニオン性界面活性剤を含むことにより、透明性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の光彩を示す実施例1(B)、実施例2(C)、及び実施例3(C)半透明化粧料、及び成分Bを含まない光彩を示さない比較例(A)の化粧料を示した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の光彩を有する半透明化粧料は、(A)下記式(1):
RO-[(CO)m(CO)n]-H
(Rは炭素数10~40の分岐鎖のアルキル基であり、mは10~40の整数であり、nは2~30の整数である)で表されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、(B)脂肪酸の炭素数16~20の、ジ脂肪酸ソルビタン、セスキ脂肪酸ソルビタン、ジ脂肪酸グリセリル、セスキ脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリグリセリル、及びセスキ脂肪酸ポリグリセリルからなる群から選択される親油性界面活性剤、及び(C)油性成分、を含む。
【0009】
《ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(A)》
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(以下、成分Aと称することがある)は、下記式(1):
RO-[(CO)m(CO)n]-H
(Rは炭素数10~40の分岐鎖のアルキル基であり、mは10~40の整数であり、nは2~30の整数である)で表される親水性界面活性剤である。
前記分岐鎖のアルキル基の炭素数は、10~40である限りにおいて特に限定されるものではないが、好ましくは12~36であり、より好ましくは、14~34であり、更に好ましくは16~32であり、更に好ましくは18~30であり、最も好ましくは20~28である。具体的な分岐鎖のアルキル基としては、例えば2-ブチルオクチル基、2-ブチルデシル基、2-ヘキシルオクチル基、2-ヘキシルデシル基、2-ヘキシルドデシル基、2-オクチルデシル基、2-オクチルドデシル基、2-ヘキシルデシル基、2-オクチルデシル基、2-ヘキシルドデシル基、2-オクチルドデシル基、2-デシルテトラデシル基、又は2-ドデシルヘキサデシル基が挙げられるが、好ましくは2-ヘキシルデシル基、2-オクチルデシル基、2-ヘキシルドデシル基、2-オクチルドデシル基、2-デシルテトラデシル基、又は2-ドデシルヘキサデシル基である。
【0010】
前記mは、10~40である限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは14~36であり、より好ましくは16~34であり、更に好ましくは18~30であり、最も好ましくは22~26である。
前記nは2~30である限りにおいて、特に限定されるものではないが、好ましくは4~26であり、より好ましくは6~22であり、更に好ましくは8~18であり、最も好ましくは11~15である。
前記アルキル基の炭素数、m、及びnが、前記範囲であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルによって、本発明の化粧品は、優れた光彩感を得ることができる。
【0011】
《親油性界面活性剤(B)》
前記親油性界面活性剤(以下、成分Bと称することがある)は、脂肪酸の炭素数16~20の、ジ脂肪酸ソルビタン、セスキ脂肪酸ソルビタン、ジ脂肪酸グリセリル、セスキ脂肪酸グリセリル、ジ脂肪酸ポリグリセリル、及びセスキ脂肪酸ポリグリセリルである。
炭素数16~20の脂肪酸としては、飽和脂肪酸でもよく、不飽和脂肪酸でもよい。具体的には、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、パクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、エイコサジエン酸、ミード酸、又はアラキドン酸が挙げられる。具体的な親油性界面活性剤としては、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、イソステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、又はジイソステアリン酸グリセリルが挙げられる。
【0012】
前記成分Aと成分Bとの混合比は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、成分Aと成分Bとが、好ましくは1:0.5~1:2であり、好ましい態様においては1:0.7~1:2であり、より好ましい態様においては、1:0.8~1:2であり、更に好ましい態様においては、1:0.9~1:2であり、更に好ましい態様においては1:1~1:2であり、更に好ましい態様においては1:1.1~1:2である。また、ある態様においては、1:1~1:1.8であり、ある態様においては1:1~1:1.7であり、ある態様においては1:1~1:1.6であり、ある態様においては1:1~1:1.5である。前記下限と上限とは、適宜組み合わせることができる。
【0013】
《油性成分》
本発明の光彩を有する半透明化粧料に用いる油性成分(以下、成分Cと称することがある)は、化粧料に通常用いられるものを限定することなく用いることができるが、具体的にはエステル油、炭化水素油、動植物油、脂肪族アルコール、高級脂肪酸、シリコーン、シリコーン誘導体、固形油、又は半固形油が挙げられる。これらの油性成分を含むことによって、様々な機能を有する化粧料を処方することができる。
【0014】
前記エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸エチル、オレイン酸エチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、カプリル酸セチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、オレイン酸オレイル、リシノール酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸2-オクチルドデシル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸2-ヘキシルデシル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸2-オクチルドデシル、リシノール酸2-オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジ2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジオレイン酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ2-エチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、ジペンタエリトリット脂肪酸エステル(1)、ネオペンタン酸2-オクチルドデシル、2-エチルヘキサン酸2-ヘキシルデシル、2-エチルヘキサン酸イソステアリル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、ジメチルオクタン酸2-ヘキシルデシル、ジメチルオクタン酸2-オクチルドデシル、イソパルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸2-ヘキシルデシル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸2-オクチルドデシル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸2-オクチルドデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリ2-エチルヘキシル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリ2-オクチルドデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ2-エチルヘキシル、セバシン酸ジブチルオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、又は12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル、等を挙げることができる。
【0015】
前記炭化水素油としては、α-オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、合成スクワラン、植物性スクワラン、スクワラン、ポリブテン、流動イソパラフィン、流動パラフィン、スクワレン、又はプリスタンを挙げることができる。
【0016】
前記動植物油としては、例えばアボガド油、トウモロコシ油、月見草油、パーシック油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、シナモン油、アーモンド油、大豆油、大豆胚芽油、菜種油、高オレイン酸菜種油、コーン油、ゴマ油、シソ油、亜麻仁油、落花生油、紅花油、高オレイン酸紅花油、ひまわり油、ミッドオレイックひまわり油、高オレイン酸ひまわり油、綿実油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、オリーブ油、米糠油、小麦胚芽油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、カカオ脂、卵黄油、ミンク油、牛脂、豚脂、ラード、鶏脂、乳脂、魚油、アザラシ油、及び藻類油、並びにそれらの分別油、硬化油、及びエステル交換油を挙げることができる。
【0017】
前記高級脂肪酸としては、直鎖状の飽和脂肪酸(例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸)、分岐状の飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、ウンデシレン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸)、トール酸、ラノリン酸などを挙げることができる。
【0018】
前記シリコーン又はシリコーン誘導体としては、メチルポリシロキサン、ジメチルシロキサン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルアミノプロピルシロキサン、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン、シリコーンゴム、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルポリシロキサン、又はメチル(アミノプロピル)シロキサンを挙げることができる。
【0019】
前記固形油としては、キャンデリラロウ、マイクロクリスタリンワックス、固形パラフィン、合成エステルワックス、カルナウバロウ、ミツロウ、セレシンワックス、酢酸ステアリン酸スクロース、オゾケライト、セレシン、パラフィン、ポリエチレン末、カカオ脂、硬化ヤシ油、パーム油、硬化ヒマシ油、モクロウ、モンタンワックス、フィッシャートロプスワックス、ポリエチレンワックス、ラノリン、米ぬかロウ、ゲイロウ、イボタロウ、コメヌカロウ、モンタンロウ、カポックロウ、ベイベリーロウ、セラックロウ、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、還元ラノリン、硬質ラノリン、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸、12-ヒドロキシステアリン酸、コレステリン、フィトステロール、バチルアルコール、キミルアルコール、ミリスチン酸セチル、パルミチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、テトラミリスチン酸ペンタエリスリトール、が挙げられる。
前記半固形油としては、ワセリン、マカデミアナッツ油フィトステロールエステルが挙げられる。
【0020】
油性成分の含有比は、本発明の効果が得られる限りにおいて、特に限定されるものではないが、成分A及び成分Bの合計量を1とした場合に、上限は例えば1.5以下であり、好ましくは1.4以下であり、より好ましくは1.3以下であり、最も好ましくは1.2以下である。下限は、限定されないが0.1以上であり、より好ましくは0.2以上であり、更に好ましくは0.3以上である。
【0021】
《水溶性溶媒》
前記成分A、成分B、及び成分Cを混合するための溶媒として、水又は水溶性溶媒を用いる。水溶性溶媒としては、成分A~Cが混合できる限りにおいて特に限定されるものではないが、例えば多価アルコール又は多価アルコール誘導体が好ましい。多価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、1、3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,2-ペンタンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,2-オクタンジオールが挙げられる。また、多価アルコール誘導体としては、PPG-9ジグリセリル、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリンなどが挙げられる。前記水溶性溶媒は、保湿剤としての作用を有するものが好ましい。
【0022】
《液状の脂肪酸又は液状の脂肪族アルコール》
本発明の光彩を有する半透明化粧料は両親媒性の成分である液状の脂肪酸又は液状の脂肪族アルコール(以下、成分Dと称することがある)を含んでもよい。液状の脂肪酸として限定されるものではないが、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、又はリノレン酸が挙げられる。液状の脂肪族アルコールとして、分岐状の飽和アルコール(例えば、イソステアリルアルコール、又はオクチルドデノール)、又は不飽和アルコール(例えば、オレイルアルコール)などの炭素数が12~22のアルコール(いわゆる高級アルコール)を挙げることができる。
液状の脂肪酸又は液状の脂肪族アルコールを添加することによって、L値を向上させ、透明度を改善することができる。
【0023】
《固形の高級アルコール》
本発明の化粧料は、固形の高級アルコール(以下、成分Eと称することがある)を含んでもよい。固形の高級アルコールとしては、12~22の分枝状の飽和アルコール、又は不飽和アルコールが挙げられ、具体的にはラウリルアルコール、セチルアルコール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、ラノリンアルコール、水素添加ラノリンアルコール、へキシルデカノール、オクチルデカノール、イソステアリルアルコール、ホホバアルコール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
【0024】
《ステロール》
本発明の化粧料は、ステロール(以下、成分Eと称することがある)を含んでもよい。ステロールとしては、コレステロール、ジヒドロコレステロール、フィトステロール等が挙げられる。成分Fを含むことにより、白濁を防ぎ、透明度を向上させることができる。
【0025】
《アニオン性界面活性剤》
本発明の化粧料は、アニオン性界面活性剤(以下成分Fと称することがある)を含んでもよい。アニオン性界面活性剤としては、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ココイルメチルタウリンナトリウム、ココイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルメチルアラニンナトリウムなどが挙げられる。アニオン性界面活性剤を含むことによって、透明性を向上させることができる。
【0026】
本発明の化粧料は、半透明である。本明細書において半透明とは、L値が30~95であることを意味する。
【0027】
《作用》
本発明の化粧料が、美しい光彩を呈する理由は、完全に解明されているわけではないが、以下のように推論することができる。しかしながら、本発明は以下の説明によって限定されるものではない。
本発明の化粧料は、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(成分A)、脂肪酸の炭素数16~20の脂肪酸ソルビタン、脂肪酸グリセリル、又は脂肪酸ポリグリセリル(成分B)、及び油性成分(成分C)を含む。これらの成分A、成分B、成分Cを含むことによって、これらの3つ成分が液晶を形成し、この液晶が液中に微分散することによって、光を反射し光彩を呈するものと推定される。
本発明の化粧料は、本願発明の効果を維持したまま、肌の美しさを保つ、及び肌の状態を改善するなどの機能を発揮する成分を添加することができる。従って、化粧料の基本的な機能面を持つとともに、化粧料の見た目の美しさ又は面白さを示す化粧料を提供することが可能である。
【実施例0028】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
【0029】
《実施例1~8》
本実施例では、成分Aとして、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(RO-[(CO)24(CO)13]-H;なお、Rはデシルテトラデシルである)を用い、成分Bとして、セスキイソステアリン酸ソルビタン、又はジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を用い、表1に示した油性成分等組成で混合し、化粧料を作製した。混合は、組成(1)を混合した後に、組成(2)、及び組成(3)を順次添加することによって行った。
L値及び光彩の有無を表1に示す。図1に実施例1~3の写真と、比較例として、成分Bを含まないものを示す。成分Bを含まない化粧料は、光彩を呈しないが、実施例1~3の化粧料は美しい光彩を呈した。表1に示すように実施例1~8の化粧料は、優れたL値及び優れた光彩感を示した。なお、L値は以下のように測定した。
SMカラーメーター(SM-T:スガ試験機株式会社製)を用い、ガラスセルに精製水5mLを入れて、光を透過させたときの透明度を100とし、光を完全に遮断して、透過光がないときの透明度を0として測定した。
【0030】
【表1】
【0031】
《実施例9~17》
本実施例では、成分Aとして、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(RO-[(CO)24(CO)13]-H;なお、Rはデシルテトラデシルである)を用い、成分Bとして、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を用い、表2に示した油性成分等の組成で混合し、化粧料を作製した。混合は、組成(1)を混合した後に、組成(2)、及び組成(3)を順次添加することによって行った。
L値及び光彩の有無を表2に示す。表2に示すように実施例9~17の化粧料は、優れたL値及び優れた光彩感を示した。
【0032】
【表2】
【0033】
《実施例18~22》
本実施例では、成分Aとして、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル(RO-[(CO)24(CO)13]-H;なお、Rはデシルテトラデシルである)を用い、成分Bとして、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2を用い、表2に示した油性成分等の組成で混合し、化粧料を作製した。すなわち、成分Aと成分Bとの割合を変えて、光彩感を検討した。混合は、組成(1)を混合した後に、組成(2)、及び組成(3)を順次添加することによって行った。
L値及び光彩の有無を表3に示す。また、「肌なじみのよさ」及び「べたつきの無さ」を女性パネル12名で評価し、下記の「〇」、「△」、及び「×」で記載した。
肌なじみのよさ
〇:肌なじみが良好と評価したパネルが9名以上
△:肌なじみが良好と評価したパネルが4~8名
×:肌なじみが良好と評価したパネルが3名以下
べたつきの無さ
〇:皮膚への塗布時にべたつきがなく、伸びが良好と評価したパネルが9名以上
△:皮膚への塗布時にべたつきがなく、伸びが良好と評価したパネルが4~8名
×:皮膚への塗布時にべたつきがなく、伸びが良好と評価したパネルが3名以下
表3に示すように実施例18~24の化粧料は、優れたL値及び優れた光彩感を示した。また、成分Bの量が少ないと、「肌なじみのよさ」及び「べたつきの無さ」が若干低下するが、光彩感は優れていた。
【0034】
【表3】
【0035】
《実施例23~31》
本実施例では、成分Dの脂肪酸(イソステアリン酸)又は脂肪族アルコール(イソステアリルアルコール)、成分Fのアニオン性界面活性剤の効果を検討した。表4に示した組成で混合し、化粧料を作製した。混合は、組成(1)を混合した後に、組成(2)、及び組成(3)を順次添加することによって行った。
L値及び光彩の有無を表4に示す。実施例25~33の化粧料は、優れたL値及び優れた光彩感を示した。また、成分Dの添加及び成分Fの添加によって、L値が上昇し、透明性が向上した。
【0036】
【表4】
【0037】
《実施例33~35》
本実施例では、成分Eの高級アルコール又はステロールの効果を検討した。表5に示した組成で混合し、化粧料を作製した。混合は、組成(1)を混合した後に、組成(2)、及び組成(3)を順次添加することによって行った。
L値及び光彩の有無を表4に示す。実施例34~37の化粧料は、優れたL値及び優れた光彩感を示した。また、成分Eの添加及び成分Fの添加によって、L値が安定し、透明性が向上した。
【0038】
【表5】
【0039】
《実施例36》
本実施例では、表6の組成に従って、美白化粧料を製造した。美白化粧料は、優れた光彩感を示した。
【0040】
【表6】
【0041】
《実施例37》
本実施例では、表7の組成に従って、うるおい化粧液を製造した。うるおい化粧液は、優れた光彩感を示した。
【0042】
【表7】
【0043】
《実施例38》
本実施例では、表8の組成に従って、抗老化美容液を製造した。抗老化美容液は、優れた光彩感を示した。
【0044】
【表8】
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明の化粧料は、美容液、化粧水、オーデコロン、又はクレンジング(メーク落とし)などに用いることができる。
図1