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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162890
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】通話システム、及び通信制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/00 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
H04M3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021067947
(22)【出願日】2021-04-13
(71)【出願人】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】藤央弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】眞下 大輔
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛志
(72)【発明者】
【氏名】會田 信一
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BB04
5K201BC01
5K201CB13
5K201CC04
5K201DA03
5K201EB06
5K201EC03
5K201EC06
5K201ED04
5K201ED09
(57)【要約】
【課題】特定の場所に近い対象者との迅速な通話を可能とする。
【解決手段】複数の端末間で通話を実現する通話システムであって、前記端末からの発信メッセージに従って、着信先の端末への接続処理を行う通話交換サーバと、前記端末の位置情報を管理する位置管理サーバとを備え、前記通話交換サーバは、前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報とに基づいて着信先の端末を決定し、発信元の端末と前記決定された着信先の端末との間で接続処理を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末間で通話を実現する通話システムであって、
前記端末からの発信メッセージに従って、着信先の端末への接続処理を行う通話交換サーバと、
前記端末の位置情報を管理する位置管理サーバとを備え、
前記通話交換サーバは、
前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報とに基づいて着信先の端末を決定し、
発信元の端末と前記決定された着信先の端末との間で接続処理を行うことを特徴とする通話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通話システムであって、
前記位置管理サーバは、前記端末から収集したセンサ情報に基づいて、前記端末の位置情報を算出することを特徴とする通話システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通話システムであって、
前記発信メッセージは、さらに前記端末を使用するユーザの属性情報を含み、
前記通話交換サーバは、前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報と、前記発信メッセージに含まれる属性情報とに基づいて着信先の端末を決定することを特徴とする通話システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通話システムであって、
前記通話交換サーバは、
前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報に基づいて、前記発信メッセージに含まれる位置情報に最も近い着信先の端末を決定し、発信元の端末と前記決定された着信先の端末との間で接続処理を行い、
当該着信先の端末と接続できない場合、前記発信メッセージに含まれる位置情報に次に近い着信先の端末を新たに決定し、発信元の端末と前記新たに決定された着信先の端末との間で接続処理を行うことを特徴とする通話システム。
【請求項5】
請求項1に記載の通話システムであって、
前記位置管理サーバは、着信拒否範囲を管理し、
前記通話交換サーバは、前記着信拒否範囲にいる端末への接続処理を行わないことを特徴とする通話システム。
【請求項6】
請求項1に記載の通話システムであって、
前記通話交換サーバは、
前記発信メッセージに含まれる位置情報の範囲に存在する複数の端末を着信先の端末に決定し、
発信元の端末と前記決定された複数の着信先の端末との間で接続処理を行うことを特徴とする通話システム。
【請求項7】
請求項1に記載の通話システムであって、
前記発信メッセージは、さらに優先的に接続する端末の情報を含み、
前記通話交換サーバは、
前記優先的に接続する端末との接続処理を試みて、
前記優先的に接続する端末と接続できない場合、前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報に基づいて着信先の端末を新たに決定し、発信元の端末と前記新たに決定された着信先の端末との間で接続処理を行うことを特徴とする通話システム。
【請求項8】
複数の端末間で通話を実現する通話システムの通信制御方法であって、
前記通話システムは、前記端末からの発信メッセージに従って、着信先の端末への接続処理を行う通話交換サーバと、前記端末の位置情報を管理する位置管理サーバとを備え、
前記通信制御方法は、
前記通話交換サーバが、前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報とに基づいて着信先の端末を決定し、
前記通話交換サーバが、発信元の端末と前記決定された着信先の端末との間で接続処理を行うことを特徴とする通信制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な通話システムは、着信者の電話番号やアドレスを指定して発信する。また、構内で発生した問題に対して人を現場に派遣して対処する等の場面において、個人を特定しなくても、特定の場所に近い対象者と緊急性が高い通話を要求する機会がある。
【0003】
本技術分野の背景技術として、以下の先行技術がある。特許文献1(特開2001-268237号公報)には、無線端末と、所定のエリア内で前記無線端末と無線通信を行う基地局と、前記基地局が接続し、構内の電話回線を制御する制御局とを備えた構内電話システムにおいて、前記制御局に接続され、前記無線端末との回線接続により特定のゾーン内での案内放送を行う複数のページング案内装置を設け、前記制御局が、携帯端末で特定の操作が為された場合に、前記携帯端末の位置情報に基づいてページング案内装置を特定し、前記携帯端末と前記特定されたページング案内装置とを回線接続する制御局であることを特徴とする構内電話システムが記載されている(請求項1参照)。
【0004】
特許文献2(特開2009-10681号公報)には、基地局と接続して通信する通信部を備えた通信端末と、通信端末と接続する基地局と、通信端末同士の接続を管理する管理サーバとからなる通信システムにおいて、管理サーバは、通信端末から相手を特定しない通信である不特定通信の要求があった場合に、特定の基地局に接続された不特定多数の他の通信端末に対して接続要求を行うことを特徴とする通信システムが記載されている(要約参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-268237号公報
【特許文献2】特開2009-10681号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特定の場所に近い対象者と緊急性が高い通話を要求する機会において、発信者が想定した対象者が不在である、又は特定の場所と離れている場合は、発信者の目的達成が遅延する。このため、特定の場所を指定した発信によって、特定の場所にいる者に対する着信を実現する必要がある。
【0007】
また、前述した従来技術では、接続する端末を基地局単位で指定している。そのため、セルサイズが大きい無線システムでは該当する対象者が多くなり、対象者の適切な特定が困難である。
【0008】
本発明は、緊急性の高い通話機会に対して、特定の場所に近い対象者との迅速な通話を可能とする構内音声通話システムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明の代表的な一例を示せば以下の通りである。すなわち、複数の端末間で通話を実現する通話システムであって、前記端末からの発信メッセージに従って、着信先の端末への接続処理を行う通話交換サーバと、前記端末の位置情報を管理する位置管理サーバとを備え、前記通話交換サーバは、前記発信メッセージに含まれる位置情報と、前記位置管理サーバが管理する端末の位置情報とに基づいて着信先の端末を決定し、発信元の端末と前記決定された着信先の端末との間で接続処理を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、特定の場所に近い対象者と迅速に通話できる。前述した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1の音声通話システムの構成図である。
図2】実施例1の通話端末の構成を示す図である。
図3】実施例1のユーザ接続情報データベースの構成例を示す図である。
図4】実施例1の位置情報データベースの構成例を示す図である。
図5】実施例1の本実施例における発着信処理の一例を示すシーケンス図である。
図6図5の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバが実行する発着信処理のフローチャートである。
図7】実施例1の発着信処理の一例を示すシーケンス図である。
図8図7の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバが実行する発着信処理のフローチャートである。
図9】実施例1の発着信処理の一例を示すシーケンス図である。
図10図9の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバが実行する発着信処理のフローチャートである。
図11】実施例2の音声通話システムの構成図である。
図12】実施例2のユーザ属性情報データベースの構成例を示す図である。
図13】実施例2の発着信処理の一例を示すシーケンス図である。
図14図13の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバが実行する発着信処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<実施例1>
図1は、実施例1の音声通話システムの構成図である。
【0013】
実施例1の音声通話システムは、通話交換サーバ1、位置管理サーバ2、ネットワーク3、1以上の基地局4及び複数の通話端末5で構成される。なお、以下の説明で、複数の基地局4を区別する場合は基地局4-A、基地局4-Bと記載し、互いに区別しない場合は単に基地局4と記載する。同様に、複数の通話端末5を区別する場合は通話端末5-A、通話端末5-B、通話端末5-Cと記載し、互いに区別しない場合は単に通話端末5と記載する。また、通話端末5の後に電話番号を付記して説明する場合がある。
【0014】
通話交換サーバ1は、ユーザ接続情報データベース10及び位置情報データベース20を参照して、発信元の通話端末5からの発信メッセージに従って、着信先の通話端末5への接続処理を行い、通話端末5の間の通信経路を構築する制御装置である。位置管理サーバ2は、位置情報データベース20を用いて、通話端末5の位置を管理する制御装置である。具体的には、位置管理サーバ2は、通話端末5から収集したセンサ情報から通話端末5の位置を計算し、計算された位置を位置情報データベース20に格納する。ユーザ接続情報データベース10の構成は図3を、位置情報データベース20の構成は図4を参照して後述する。
【0015】
基地局4は、無線通信(例えば、ローカル5G、sXGP、WiFiなど)によって、通話端末5との通信経路を構築する。通話交換サーバ1、位置管理サーバ2及び基地局4は、ネットワーク3を介して接続される。通話端末5は、無線を介して基地局4と接続して、他の通話端末5と通信する電話機である。
【0016】
実施例1の音声通話システムには、ユーザ接続情報データベース10及び位置情報データベース20にデータを設定するための計算機である管理端末6が接続されている。
【0017】
図2は、通話端末5の構成を示す図である。
【0018】
通話端末5は、無線通信部50、表示部51、操作部52、センサ部53、位置指定部54、属性指定部55及びセンサ情報送信部56を有する。
【0019】
無線通信部50は、基地局4との間で無線通信をするインターフェースである。表示部51は、ユーザに操作に必要な情報を提供する表示装置(例えば、液晶ディスプレイ装置)である。操作部52は、ユーザの操作を受け付ける入力装置(例えば、キーボード、タッチパネル)である。
【0020】
センサ部53は、通話端末5が自己位置を知るためにセンサ情報を計測する。通話端末5が計測するセンサ情報は、基地局4が送信した電波の強度や、BLEビーコンの電波強度や、通話端末5に実装されたジャイロが計測した基準点からの移動量を用いたデッドレコグニングや、いわゆる屋内GPSであるIMESなどを使用できる。このようなセンサ情報を使用すると、スマートフォンに搭載されるデバイスを用いた測位アプリによって通話端末5の位置を特定可能となり、通話端末5の導入費用を低減できる。センサ部53が計測したセンサ情報は、センサ情報送信部56から無線通信部50及び基地局4を介して、位置管理サーバ2に送信される。なお、センサ情報送信部56は、周期的又はユーザによる操作(例えば、電源オン)をトリガとしてセンサ情報を送信するとよい。
【0021】
位置指定部54は、ユーザが着信先の通話端末5の位置を指定するインターフェースである。本実施例の通話端末5は、XY座標、位置範囲、室番号、区画、位置が固定して設置されている装置などの方法で着信先の通話端末5の位置の指定を受けて発信する。例えば、表示部51に表示された地図上の位置や範囲を指定させてもよい。音声通話システムが病院に設置される場合には病室が指定され、工場に設置される場合には特定の装置が指定されたり、ホテルに設置される場合は室番号が指定されるとよい。
【0022】
属性指定部55は、ユーザが着信先の通話端末5のユーザの属性を指定するインターフェースであり、後述する実施例2で使用される。例えば、指定可能な属性を分類ごとにリスト形式で表示し、ユーザに選択させるとよい。
【0023】
図3は、ユーザ接続情報データベース10の構成例を示す図である。
【0024】
ユーザ接続情報データベース10は、図3に示す接続情報テーブル100によって構成される。接続情報テーブル100は、端末ID101、接続基地局102及び電話番号103のデータを含む。端末ID101は、通話端末5に付与された一意の識別情報である。接続基地局102は、通話端末5が接続可能な基地局4No識別情報が少なくとも一つ記録される。電話番号103は、発着信時に使用される番号である。なお、本実施例では、通話端末5は電話番号を指定して発信するが、通話端末5の間の接続にSIPプロトコルを用いる場合IPアドレスを指定して発信するとよい。この場合、ユーザ接続情報データベース10は、電話番号を指定してに代えてIPアドレスを記録するとよい。
【0025】
図4は、位置情報データベース20の構成例を示す図である。
【0026】
位置情報データベース20は、図4に示す位置情報テーブル200によって構成される。位置情報テーブル200は、端末ID201、フロアID202、位置203及び拒否範囲204のデータを含む。端末ID201は、通話端末5に付与された一意の識別情報であり、接続情報テーブル100の端末ID101と同じ識別情報が用いられる。フロアID202は、本実施例の音声通話システムが設置される建築物の階に付与された一意の識別情報である。位置203は、通話端末5の位置であり、通話端末5から収集したセンサ情報から位置管理サーバ2が計算した値である。位置203の代わりに、接続情報テーブル100の接続基地局102を位置情報として使ってもよい。フロアID202と位置203は、一つのデータに纏められてもよい。拒否範囲204は、当該通話端末5への着信が拒否される範囲であり、管理者やユーザが管理端末6や通話端末5から登録する。拒否範囲204は、例えば、現在の作業に集中しなければならない場所や時間帯(危険作業中、手術室など)に設定されるとよい。拒否範囲204には、領域でなく、時間帯やユーザが設定及び解除可能な拒否フラグを記録してもよい。
【0027】
図5は、本実施例の着信処理の一例を示すシーケンス図である。図5に示す発着信処理では、フロア1の位置(X,Y)を指定して発信する。
【0028】
まず、通話端末5-A(1000)が、フロア1の位置(X,Y)を指定して発信し、発信メッセージ[From:1000 To:1,(X,Y)]を基地局4-Aに送信する(S100)。基地局4-Aは、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを通話交換サーバ1に転送する(S101)。
【0029】
通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを受信すると、発信メッセージで指定される位置情報(フロア1の位置(X,Y))をキーにして位置情報データベース20を検索して(S102)、フロア1の位置(X,Y)の近傍にいる通話端末5の識別情報を取得する(S103)。位置情報データベース20は、拒否範囲外にいる通話端末5の検索結果を出力する。通話交換サーバ1は、フロア1の位置(X,Y)の近傍にいる通話端末5-B(2000)の識別情報を取得すると、位置情報データベース20から取得した着信先の通話端末5-Bの識別情報をキーにしてユーザ接続情報データベース10を検索して(S104)、当該通話端末5-Bと接続するための基地局4の情報を取得する(S105)。
【0030】
通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Bと接続するための基地局が基地局4-Bであるとの情報を取得すると、発信メッセージ[From:1000 To:2000]を基地局4-Bに送信する(S106)。基地局4-Bは、通話交換サーバ1から送信された発信メッセージを通話端末5-Bに転送する(S107)。
【0031】
通話端末5-Bは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信応答操作を受けると、基地局4-B及び通話交換サーバ1を経由して、基地局4-Aに着信応答メッセージを返信する(S108、S109、S110)。
【0032】
基地局4-Aは、着信応答メッセージを受信すると、通話交換サーバ1を経由して、基地局4-BにACKメッセージを返信する(S111、S112)。そして、基地局4-Aと基地局4-Bの間で通信路を設定するネゴシエーションを行って、基地局間通話が可能な通信路が確立する(S113)。その後、基地局4-Aは、発信元の通話端末5-Aに応答通知を返信する(S114)。
【0033】
以上のシーケンスによって、発信元の通話端末5-Aと着信先の通話端末5-Bの間で通話が可能となる(S115)。
【0034】
図6は、図5の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバ1が実行する発着信処理のフローチャートである。
【0035】
まず、通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから発信メッセージを受信する(S150)。その後、通話交換サーバ1は、発信メッセージで指定される位置情報をキーにして位置情報データベース20を検索し(S151)、発信メッセージが示す位置の近傍に未選択の通話端末5があるかを判定する(S152)。当該位置情報の近傍に未選択の通話端末5がなければ、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-Aに通話不可応答を送信する(S161)。
【0036】
一方、当該範囲内に未選択の通話端末5があれば、通話交換サーバ1は、未選択で位置情報が示す位置に最も近い通話端末5の端末IDを取得し(S153)、取得した端末IDをキーとしてユーザ接続情報データベース10を検索し、着信先の通話端末5-Bの接続情報を取得する(S154)。通話交換サーバ1は、取得した着信先の通話端末5-Bの接続情報を用いて、接続先の基地局4を経由して、通話端末5-Bに発信メッセージを送信する(S155)。
【0037】
その後、通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bから応答を受信すると(S156)、受信した応答が着信応答であるかを判定する(S157)。受信した応答が着信応答でなければ、当該着信先の通話端末5-Bと接続できないので、ステップS151に戻り、位置情報データベース20を再検索する。
【0038】
一方、受信した応答が着信応答であれば、通話交換サーバ1は、受信した着信応答を発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4Aに送信する(S158)。そして、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-AからACKを受信すると(S159)、受信したACKを着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bに送信する(S160)。
【0039】
図7は、本実施例の発着信処理の一例を示すシーケンス図である。図7に示す発着信処理では、フロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2)を指定して発信する。
【0040】
まず、通話端末5-A(1000)が、フロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2)を指定して発信し、発信メッセージ[From:1000 To:1,(X1,Y1)-(X2,Y2)]を基地局4-Aに送信する(S200)。基地局4-Aは、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを通話交換サーバ1に転送する(S201)。
【0041】
通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを受信すると、発信メッセージで指定される位置情報(フロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2))をキーにして位置情報データベース20を検索して(S202)、当該範囲にいる全ての通話端末5の識別情報を取得する(S203)。位置情報データベース20は、拒否範囲外にいる通話端末5の検索結果を出力する。通話交換サーバ1は、フロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2)にいる通話端末5-B(2000)及び5-C(3000)の識別情報を取得すると、位置情報データベース20から取得した着信先の通話端末5-B、5-Cの識別情報をキーにしてユーザ接続情報データベース10を検索して(S204)、当該通話端末5-B、5-Cと接続するための基地局4の情報を取得する(S205)。
【0042】
通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-B、5-Cと接続するための基地局が基地局4-Bであるとの情報を取得すると、着信先候補の全ての通話端末5-B、5-Cに対する発信メッセージ[From:1000 To:2000/3000]を基地局4-Bに送信する(S206)。ステップS206で送信される発信メッセージは、複数の着信先候補の通話端末5を呼び出す一つの発信メッセージでも、各々が着信先候補の一つの通話端末5を呼び出す複数の発信メッセージでもよい。基地局4-Bは、通話交換サーバ1から送信された発信メッセージから、各着信先の通話端末5-B、5-Cへの発信メッセージを生成し、発信メッセージ[From:1000 To:2000]を通話端末5-Bへ送信し(S207)、発信メッセージ[From:1000 To:3000]を通話端末5-Cへ送信する(S208)。
【0043】
通話端末5-Cは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信応答操作を受けると、基地局4-B及び通話交換サーバ1を経由して、基地局4-Aに着信応答メッセージを返信する(S209、S210、S211)。
【0044】
通話端末5-Bは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信応答操作を受けると、基地局4-B及び通話交換サーバ1を経由して、基地局4-Aに着信応答メッセージを返信するが、通話交換サーバ1は着信応答メッセージが先に到着した通話端末5-Cとの通信路を設定するので、着信応答メッセージが遅れて到着した通話端末5-Bとの通信路は設定されない。なお、通話交換サーバ1は、着信応答メッセージを送信した全ての通話端末5と発信元の通話端末5-Aとのグループ通話が可能となるように、通信路を設定してもよい。
【0045】
基地局4-Aは、着信応答メッセージを受信すると、通話交換サーバ1を経由して、基地局4-BにACKメッセージを返信する(S212、S213)。そして、基地局4-Aと基地局4-Bの間で通信路を設定するネゴシエーションを行って、基地局間通話が可能な通信路が確立する(S214)。その後、基地局4-Aは、発信元の通話端末5-Aに応答通知を返信する(S215)。
【0046】
以上のシーケンスによって、発信元の通話端末5-Aと着信先の通話端末5-Cの間で通話が可能となる(S216)。
【0047】
図8は、図7の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバ1が実行する発着信処理のフローチャートである。
【0048】
まず、通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから発信メッセージを受信する(S250)。その後、通話交換サーバ1は、発信メッセージで指定される位置情報の範囲をキーにして位置情報データベース20を検索して、当該範囲内の全ての通話端末5の識別情報を取得する(S251)。なお、発信メッセージに含まれる位置範囲内に通話端末5がなければ、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-Aに通話不可応答を送信する。
【0049】
次に、通話交換サーバ1は、取得した端末IDをキーとしてユーザ接続情報データベース10を検索し、着信先の通話端末5-B、5-Cの接続情報を取得する(S252)。通話交換サーバ1は、取得した着信先の通話端末5-B、5-Cの接続情報を用いて、通話端末5-B、5-Cに発信メッセージを送信する(S253)。前述したように、ステップS253で送信される発信メッセージは、複数の着信先候補の通話端末5を呼び出す一つの発信メッセージでも、各々が着信先候補の一つの通話端末5を呼び出す複数の発信メッセージでもよい。
【0050】
その後、通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bから応答を受信すると(S254)、受信した応答が着信応答であるかを判定する(S255)。受信した応答が着信応答でなければ、当該着信先の通話端末5-Bと接続できないので、通話交換サーバ1は、発信メッセージの宛先である全ての通話端末5から拒否応答を受信したかを判定する(S259)。発信メッセージの宛先である全ての通話端末5から拒否応答を受信すれば、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-Aに通話不可応答を送信する(S260)。
【0051】
一方、発信メッセージの宛先である一部の通話端末5から拒否応答を受信していなければ、ステップS254に戻り、他の着信先の通話端末5からの発信メッセージに対する応答を待つ。
【0052】
ステップS255において、着信応答を受信したと判定されると、通話交換サーバ1は、受信した着信応答を発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4に送信する(S256)。そして、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-AからACKを受信すると(S257)、受信したACKを着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bに送信する(S258)。
【0053】
図9は、本実施例の発着信処理の一例を示すシーケンス図である。図9に示す発着信処理では、優先着信通話端末を呼び出し、優先着信通話端末と通話できない場合にフロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2)を指定して発信する。
【0054】
まず、通話端末5-A(1000)が、優先着信通話端末として通話端末5-B(2000)とフロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2)を指定して発信し、発信メッセージ[From:1000 To:2000->1,(X1,Y1)-(X2,Y2)]を基地局4-Aに送信する(S300)。基地局4-Aは、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを通話交換サーバ1に転送する(S301)。
【0055】
通話交換サーバ1は、優先着信通話端末5-Bの電話番号をキーにしてユーザ接続情報データベース10を検索して(S302)、優先着信通話端末5-Bと接続するための基地局4の情報を取得する(S303)。
【0056】
通話交換サーバ1は、優先着信通話端末5-Bに対する発信メッセージ[From:1000 To:2000]を基地局4-Bに送信する(S304)。基地局4-Bは、通話交換サーバ1から送信された発信メッセージを通話端末5-Bに転送する(S305)。
【0057】
通話端末5-Bは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信拒否操作を受けると、基地局4-Bを経由して、通話交換サーバ1に応答拒否メッセージを返信する(S306、S307)。
【0058】
通話交換サーバ1は、優先着信通話端末5-Bから送信された応答拒否メッセージを受信すると、優先着信通話端末と通話できない場合の処理を開始する。まず、通話交換サーバ1は、発信メッセージで指定される位置情報(フロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2))をキーにして位置情報データベース20を検索して(S308)、当該範囲にいる全ての通話端末5の識別情報を取得する(S309)。位置情報データベース20は、拒否範囲外にいる通話端末5の検索結果を出力する。通話交換サーバ1は、フロア1の範囲(X1,Y1)-(X2,Y2)にいる通話端末5-C(3000)及び5-D(4000)の識別情報を取得すると、位置情報データベース20から取得した着信先の通話端末5-C、5-Dの識別情報をキーにしてユーザ接続情報データベース10を検索して(S310)、当該通話端末5-C、5-Dと接続するための基地局4の情報を取得する(S311)。
【0059】
通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-C、5-Dと接続するための基地局が基地局4-Bであるとの情報を取得すると、着信先候補の全ての通話端末5-B、5-Cに対する発信メッセージ[From:1000 To:3000/4000]を基地局4-Bに送信する(S312)。ステップS206で送信される発信メッセージは、複数の着信先候補の通話端末5を呼び出す一つの発信メッセージでも、各々が着信先候補の一つの通話端末5を呼び出す複数の発信メッセージでもよい。基地局4-Bは、通話交換サーバ1から送信された発信メッセージから、各着信先の通話端末5-C、5-Dへの発信メッセージを生成し、発信メッセージ[From:1000 To:3000]を通話端末5-Cへ送信し(S313)、発信メッセージ[From:1000 To:4000]を通話端末5-Dへ送信する(S314)。
【0060】
通話端末5-Cは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信応答操作を受けると、基地局4-B及び通話交換サーバ1を経由して、基地局4-Aに着信応答メッセージを返信する(S315、S316、S317)。
【0061】
通話端末5-Dは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信応答操作を受けると、基地局4-B及び通話交換サーバ1を経由して、基地局4-Aに着信応答メッセージを返信するが、通話交換サーバ1は着信応答メッセージが先に到着した通話端末5-Cとの通信路を設定するので、着信応答メッセージが遅れて到着した通話端末5-Dとの通信路は設定されない。なお、通話交換サーバ1は、着信応答メッセージを送信した全ての通話端末5と発信元の通話端末5-Aとのグループ通話が可能となるように、通信路を設定してもよい。
【0062】
基地局4-Aは、着信応答メッセージを受信すると、通話交換サーバ1を経由して、基地局4-BにACKメッセージを返信する(S318、S319)。そして、基地局4-Aと基地局4-Bの間で通信路を設定するネゴシエーションを行って、基地局間通話が可能な通信路が確立する(S320)。その後、基地局4-Aは、発信元の通話端末5-Aに応答通知を返信する(S321)。
【0063】
以上のシーケンスによって、発信元の通話端末5-Aと着信先の通話端末5-Cの間で通話が可能となる(S322)。
【0064】
図10は、図9の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバ1が実行する発着信処理のフローチャートである。
【0065】
まず、通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから発信メッセージを受信する(S350)。その後、通話交換サーバ1は、優先着信通話端末5-Bの電話番号をキーにしてユーザ接続情報データベース10を検索して、優先着信通話端末5-Bと接続するための基地局4-Bの情報を取得する(S351)。
【0066】
通話交換サーバ1は、取得した着信先の通話端末5-Bの接続情報を用いて、通話端末5-Bに発信メッセージを送信する(S352)。ステップS352において、優先着信通話端末5-Bの位置にかかわらず優先着信通話端末5-Bに対する発信メッセージを送信するが、(1)優先着信通話端末5-Bが発信メッセージで指定される位置範囲内にいれば優先着信通話端末5-Bに対する発信メッセージを送信し、優先着信通話端末5-Bが発信メッセージで指定される位置範囲外にいれば優先着信通話端末5-Bに対する発信メッセージを送信せずに、ステップS310からの優先着信通話端末5-Bと通話できない場合の処理を開始してもよい。(2)また、発信元の通話端末5-Aからの発信メッセージに優先端末の明示の指定がなくても、予め設定された優先端末に優先的に接続してもよい。優先端末は、発信する通話端末5毎に設定されても、発信メッセージで指定される位置に対応して定められてもよい。
【0067】
その後、通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bから応答を受信すると(S353)、受信した応答が着信応答であるかを判定する(S354)。受信した応答が着信応答であれば、ステップS360に進む。一方、受信した応答が着信応答でなければ、通話交換サーバ1は、発信メッセージで指定される位置情報の範囲をキーにして位置情報データベース20を検索して、当該範囲内の全ての通話端末5の識別情報を取得する(S355)。なお、発信メッセージに含まれる位置範囲内に通話端末5がなければ、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-Aに通話不可応答を送信する。
【0068】
次に、通話交換サーバ1は、取得した端末IDをキーとしてユーザ接続情報データベース10を検索し、着信先の通話端末5-C、5-Dの接続情報を取得する(S356)。通話交換サーバ1は、取得した着信先の通話端末5-C、5-Dの接続情報を用いて、通話端末5-C、5-Dに発信メッセージを送信する(S357)。ステップS357で送信される発信メッセージは、複数の着信先候補の通話端末5を呼び出す一つの発信メッセージでも、各々が着信先候補の一つの通話端末5を呼び出す複数の発信メッセージでもよい。
【0069】
その後、通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Cが接続する基地局4-Bから応答を受信すると(S358)、受信した応答が着信応答であるかを判定する(S359)。受信した応答が着信応答でなければ、当該着信先の通話端末5-Cと接続できないので、通話交換サーバ1は、発信メッセージの宛先である全ての通話端末5から拒否応答を受信したかを判定する(S363)。発信メッセージの宛先である全ての通話端末5から拒否応答を受信すれば、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-Aに通話不可応答を送信する(S364)。
【0070】
一方、発信メッセージの宛先である一部の通話端末5から拒否応答を受信していなければ、ステップS358に戻り、通話交換サーバ1は、他の着信先の通話端末5からの発信メッセージに対する応答を待つ。
【0071】
ステップS359において、着信応答を受信したと判定されると、通話交換サーバ1は、受信した着信応答を発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4に送信する(S360)。そして、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-AからACKを受信すると(S361)、受信したACKを着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bに送信する(S362)。
【0072】
<実施例2>
本発明の実施例2では、通話端末5の使用者の属性を考慮して着信端末を選択する。実施例2の説明において、実施例1と同じ構成や機能には同じ符号を付し、それらの説明は省略する。
【0073】
図11は、実施例2の音声通話システムの構成図である。
【0074】
実施例2の音声通話システムは、通話交換サーバ1、位置管理サーバ2、ネットワーク3、1以上の基地局4及び複数の通話端末5で構成される。
【0075】
通話交換サーバ1は、ユーザ接続情報データベース10及び位置情報データベース20を参照して、発信元の通話端末5と着信先の通話端末5との間の通信経路を構築する制御装置である。また、通話交換サーバ1は、ユーザ属性情報データベース11を参照して、着信候補の通話端末5を選択する。ユーザ属性情報データベース11の構成は図12を参照して後述する。
【0076】
図12は、ユーザ属性情報データベース11の構成例を示す図である。
【0077】
ユーザ属性情報データベース11は、図12に示す属性情報テーブル110によって構成される。属性情報テーブル110は、端末ID111、ユーザ名112、グループ113、所属114及びスキル115のデータを含む。端末ID111は、通話端末5に付与された一意の識別情報である。ユーザ名112は、当該通話端末5を使用しているユーザの氏名である。グループ113は、当該通話端末5を使用しているユーザが所属するグループ名である。所属114は、当該通話端末5を使用しているユーザが所属する組織名(例えば、診療科)である。スキル115は、当該通話端末5を使用しているユーザが提供可能な能力(例えば、医師、看護師、特定の装置を扱える資格など)である。
【0078】
図13は、本実施例の発着信処理の一例を示すシーケンス図である。図13に示す発着信処理では、フロア1の位置(X,Y)及び特定のスキル保持者を指定して発信する。
【0079】
まず、通話端末5-A(1000)が、フロア1の位置(X,Y)を指定して発信し、発信メッセージ[From:1000 To:1,(X,Y)]を基地局4-Aに送信する(S400)。基地局4-Aは、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを通話交換サーバ1に転送する(S401)。
【0080】
通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから送信された発信メッセージを受信すると、発信メッセージで指定される位置情報(フロア1の位置(X,Y))をキーにして位置情報データベース20を検索して(S402)、フロア1の位置(X,Y)の近傍にいる通話端末5の識別情報を取得する(S403)。位置情報データベース20は、拒否範囲外にいる通話端末5の検索結果を出力する。
【0081】
通話交換サーバ1は、フロア1の位置(X,Y)の近傍にいる通話端末5-B(2000)の識別情報を取得すると、発信メッセージで指定される属性情報をキーにしてユーザ属性情報データベース11を検索して(S404)、位置情報データベース20から取得した着信先の通話端末5のうち、指定された属性情報と一致する通話端末5の識別情報を特定する(S405)。
【0082】
通話交換サーバ1は、フロア1の位置(X,Y)の近傍にいて、かつ特定の属性情報を有する通話端末5-B(2000)の識別情報を取得すると、位置情報データベース20から取得した着信先の通話端末5-Bの識別情報をキーにしてユーザ接続情報データベース10を検索して(S406)、当該通話端末5-Bと接続するための基地局4の情報を取得する(S407)。
【0083】
通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Bと接続するための基地局が基地局4-Bであるとの情報を取得すると、発信メッセージ[From:1000 To:2000]を基地局4-Bに送信する(S408)。基地局4-Bは、通話交換サーバ1から送信された発信メッセージを通話端末5-Bに転送する(S409)。
【0084】
通話端末5-Bは、自宛の発信メッセージを受信すると着信鳴動を行い、ユーザの着信応答操作を受けると、基地局4-B及び通話交換サーバ1を経由して、基地局4-Aに着信応答メッセージを返信する(S410、S411、S412)。
【0085】
基地局4-Aは、着信応答メッセージを受信すると、通話交換サーバ1を経由して、基地局4-BにACKメッセージを返信する(S413、S414)。そして、基地局4-Aと基地局4-Bの間で通信路を設定するネゴシエーションを行って、基地局間通話が可能な通信路が確立する(S415)。その後、基地局4-Aは、発信元の通話端末5-Aに応答通知を返信する(S416)。
【0086】
以上のシーケンスによって、発信元の通話端末5-Aと着信先の通話端末5-Bの間で通話が可能となる(S417)。
【0087】
図14は、図13の処理シーケンスにおいて、通話交換サーバ1が実行する発着信処理のフローチャートである。
【0088】
まず、通話交換サーバ1は、通話端末5-Aから発信メッセージを受信する(S450)。その後、通話交換サーバ1は、発信メッセージで指定される位置情報をキーにして位置情報データベース20を検索する(S451)。
【0089】
通話交換サーバ1は、発信メッセージが示す位置の近傍に未選択の通話端末5があるかを判定する(S452)。当該位置情報の近傍に未選択の通話端末5がなければ、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-Aに通話不可応答を送信する(S463)。
【0090】
一方、当該範囲内に未選択の通話端末5があれば、通話交換サーバ1は、未選択で位置情報が示す位置に最も近い端末IDを取得し(S453)、取得した端末IDをキーとしてユーザ属性情報データベース11を検索し、着信先候補の通話端末5の属性情報を取得する(S454)。通話交換サーバ1は、発信メッセージで指定される位置情報及び属性情報に合致する通話端末5-Bを特定する。
【0091】
その後、通話交換サーバ1は、特定された端末IDをキーとしてユーザ接続情報データベース10を検索し、着信先の通話端末5-Bの接続情報を取得する(S456)。通話交換サーバ1は、取得した着信先の通話端末5-Bの接続情報を用いて、通話端末5-Bに発信メッセージを送信する(S457)。
【0092】
その後、通話交換サーバ1は、着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bから応答を受信すると(S458)、受信した応答が着信応答であるかを判定する(S459)。受信した応答が着信応答でなければ、当該着信先の通話端末5-Bと接続できないので、ステップS451に戻り、通話交換サーバ1は位置情報データベース20を再検索する。
【0093】
一方、受信した応答が着信応答であれば、通話交換サーバ1は、受信した着信応答を発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4に送信する(S460)。そして、通話交換サーバ1は、発信元の通話端末5-Aが接続する基地局4-AからACKを受信すると(S461)、受信したACKを着信先の通話端末5-Bが接続する基地局4-Bに送信する(S462)。
【0094】
以上に説明したように、本発明の実施例の音声通話システムは、通話端末5の位置情報を管理する位置管理サーバ2と、通話端末5からの発信メッセージに従って、着信先の通話端末5への接続処理を行う通話交換サーバ1とを備え、通話交換サーバ1は、発信メッセージに含まれる位置情報と、位置管理サーバ2が管理する通話端末5の位置情報とに基づいて着信先の通話端末5を決定し、発信元の通話端末5と決定された着信先の通話端末5との間で接続処理を行うので、緊急性の高い通話機会において、特定の場所に近い対象者と迅速に通話できる。
【0095】
また、位置管理サーバ2は、通話端末5から収集したセンサ情報に基づいて、通話端末5の位置情報を算出するので、位置を特定するための特別の装置を通話端末5に実装する必要がなく、システム構築費用を低減できる。
【0096】
また、発信メッセージは、通話端末5を使用するユーザの属性情報を含み、通話交換サーバ1は、発信メッセージに含まれる位置情報と、位置管理サーバ2が管理する通話端末5の位置情報と、発信メッセージに含まれる属性情報とに基づいて着信先の通話端末5を決定するので、発信元の通話端末5で指定された位置に近く、かつ、当該事案に対応できる人を選択して通話できる。
【0097】
また、通話交換サーバ1は、発信メッセージに含まれる位置情報と、位置管理サーバ2が管理する通話端末5の位置情報に基づいて、発信メッセージに含まれる位置情報に最も近い着信先の通話端末5を決定し、発信元の通話端末5と決定された着信先の通話端末5との間で接続処理を行い、当該着信先の通話端末5と接続できない場合、発信メッセージに含まれる位置情報に次に近い着信先の通話端末5を新たに決定し、発信元の通話端末5と新たに決定された着信先の通話端末5との間で接続処理を行うので、最初の着信候補の通話端末5と接続不可であっても、再発信を不要として、次の着信候補の通話端末5(すなわち、他の適任者)に自動的に発信できる。
【0098】
また、位置管理サーバ2は、着信拒否範囲を管理し、通話交換サーバ1は、着信拒否範囲にいる通話端末5への接続処理を行わないので、着信拒否範囲内で行われる集中した作業を妨げることがない。
【0099】
また、通話交換サーバ1は、発信メッセージに含まれる位置情報の範囲に存在する複数の通話端末5を着信先の通話端末5に決定し、発信元の通話端末5と決定された複数の着信先の通話端末5との間で接続処理を行うので、複数の通話端末5を同時に呼び出して、着信候補の通話端末5と早く通話を開始できる。
【0100】
また、発信メッセージは、優先的に接続する通話端末5の情報を含み、通話交換サーバ1は、優先的に接続する通話端末5との接続処理を試みて、優先的に接続する通話端末5と接続できない場合、発信メッセージに含まれる位置情報と、位置管理サーバ2が管理する通話端末5の位置情報に基づいて着信先の通話端末5を新たに決定し、発信元の通話端末5と新たに決定された着信先の通話端末5との間で接続処理を行うので、本当に会話をすべき人への発信、代行者への発信を一連に行うことができる。
【0101】
なお、本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、添付した特許請求の範囲の趣旨内における様々な変形例及び同等の構成が含まれる。例えば、前述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに本発明は限定されない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えてもよい。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えてもよい。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をしてもよい。
【0102】
また、前述した各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により、ハードウェアで実現してもよく、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し実行することにより、ソフトウェアで実現してもよい。
【0103】
各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置、又は、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に格納することができる。
【0104】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、実装上必要な全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には、ほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてよい。
【符号の説明】
【0105】
1 通話交換サーバ
2 位置管理サーバ
3 ネットワーク
4、4-A、4-B 基地局
5、5-A、5-B、5-C、5-D 通話端末
6 管理端末
10 ユーザ接続情報データベース
11 ユーザ属性情報データベース
20 位置情報データベース
50 無線通信部
51 表示部
52 操作部
53 センサ部
54 位置指定部
55 属性指定部
56 センサ情報送信部
100 接続情報テーブル
200 位置情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14