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特開2022-162961物流処理システム、物流処理方法及びデリバリーパック
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162961
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】物流処理システム、物流処理方法及びデリバリーパック
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20120101AFI20221018BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021195841
(22)【出願日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2021067535
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507009696
【氏名又は名称】株式会社パピルスカンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099933
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 敏
(74)【代理人】
【識別番号】100124028
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 公雄
(74)【代理人】
【識別番号】100145207
【弁理士】
【氏名又は名称】酒本 裕明
(74)【代理人】
【識別番号】100078813
【弁理士】
【氏名又は名称】上代 哲司
(74)【代理人】
【識別番号】100094477
【弁理士】
【氏名又は名称】神野 直美
(72)【発明者】
【氏名】横山 太一
(72)【発明者】
【氏名】多月 光司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
5L049CC51
(57)【要約】      (修正有)
【課題】納品先の受領担当者に不便を与えることなく、効率的な納品確認作業が可能な物流処理システム、物流処理方法及びデリバリーパックを提供する。
【解決手段】物流処理方法は、出荷元の受注担当者が、入力端末を用いて、納品先への納品に関する情報(納品情報)を入力し、記憶された納品情報を、納品伝票として、出荷元の出力端末から印字して出力するステップと、記憶された関連付けデータに基づいて形成・記憶された二次元コードを、出荷元の出力端末から所定の台紙上に印字して出力し、出力された納品伝票に基づいて、荷揃えを行うステップと、二次元コードが印刷された台紙と納品伝票とをデリバリーパック内に封入し、封入されたデリバリーパックが配送物に貼付された状態で、配送物を納品先へ向けて送付するステップと、配送物が納品先に到着すると、受領担当者が、納品の確認を行うステップを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出荷元と納品先とを連携する物流処理システムであって、
前記納品先への納品に関する情報を納品情報として入力する納品情報入力手段と、
入力された前記納品情報を記憶する納品情報記憶手段と、
記憶された前記納品情報へアクセスするためのデータを第1関連付けデータとして作成する関連付けデータ作成手段と、
作成された前記第1関連付けデータを記憶する関連付けデータ記憶手段と、
前記第1関連付けデータに基づいて作成され且つ記憶された第1二次元コードを、前記出荷元で出力する二次元コード出力手段と、
記憶された前記納品情報を、前記出荷元で、納品伝票として出力する納品伝票出力手段と、
前記第1二次元コードに基づいて、前記第1関連付けデータを介して、前記納品情報を、前記納品先で出力する納品情報出力手段とを備えており、
前記出荷元では、出力された前記第1二次元コードと前記納品伝票とが、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物に貼付されるデリバリーパックに同封された状態で、前記配送物と共に送付されるように構成され、
前記納品先では、前記納品伝票に基づいて納品が確認されると共に、前記第1二次元コードに基づいて前記納品情報が出力されるように構成されていることを特徴とする物流処理システム。
【請求項2】
前記納品情報記憶手段、前記関連付けデータ作成手段、及び前記関連付けデータ記憶手段は、サーバー内に設けられており、
前記サーバーと、前記納品情報入力手段、前記二次元コード出力手段、前記納品伝票出力手段及び前記納品情報出力手段のそれぞれとが、ネットワークを介して接続されて、所定のWebアプリケーションを用いて処理されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の物流処理システム。
【請求項3】
所定の期限内であれば、前記納品先及び前記出荷元の少なくとも一方において、記憶された前記納品情報に、随時、アクセス可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物流処理システム。
【請求項4】
記憶された前記納品情報が、前記納品先及び前記出荷元に設けられた経理処理システムに関連付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の物流処理システム。
【請求項5】
前記出荷元において請求情報を入力する請求情報入力手段と、
入力された前記請求情報を記憶する請求情報記憶手段と、
記憶された前記請求情報を、前記出荷元において請求書として出力する請求書出力手段と、
前記請求情報を前記納品先で出力する請求情報出力手段とをさらに備え、
前記請求情報記憶手段は、前記サーバー内に設けられ、
前記関連付けデータ作成手段はさらに、記憶された前記請求情報へアクセスするための第2関連付けデータを作成し、
前記関連付けデータ記憶手段はさらに、作成された前記第2関連付けデータを記憶し、
前記二次元コード出力手段はさらに、前記第2関連付けデータに基づいて作成され且つ記憶された第2二次元コードを、前記出荷元において出力し、
出力された前記第2二次元コード及び前記請求書は、同封されて前記出荷元から前記納品先へ送付され、
前記請求情報出力手段は、前記第2二次元コードに基づいて、前記第2関連付けデータを介して、前記請求情報を出力することを特徴とする請求項2に記載の物流処理システム。
【請求項6】
前記納品先に送付された前記配送物を前記出荷元に返送する処理を差し戻しとして、前記ネットワークを介して前記サーバーに登録する配送物差し戻し手段と、
前記請求書を前記出荷元に返送する処理を差し戻しとして、前記ネットワークを介して前記サーバーに登録する請求書差し戻し手段とをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の物流処理システム。
【請求項7】
前記サーバーは、前記納品情報入力手段、前記納品情報出力手段、前記請求情報入力手段、前記請求情報出力手段、前記配送物差し戻し手段及び前記請求書差し戻し手段のいずれかによる、前記ネットワークを介した前記サーバーへのアクセスを、トラッキングポイントとして記憶する記憶手段をさらに含み、
前記トラッキングポイントは、前記出荷元及び前記納品先の少なくとも一方に配置された端末装置から、前記ネットワークを介してアクセスされ得ることを特徴とする請求項6に記載の物流処理システム。
【請求項8】
前記記憶手段は、
前記納品情報入力手段又は前記納品情報出力手段による、前記ネットワークを介した前記サーバーへのアクセスを、前記第1二次元コードに対応させて第1トラッキングポイントとして記憶し、
前記請求情報入力手段又は前記請求情報出力手段による、前記ネットワークを介した前記サーバーへのアクセスを、前記第2二次元コードに対応させて第2トラッキングポイントとして記憶し、
前記配送物差し戻し手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスした後、前記納品情報入力手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスしたことを受けて、前記第1二次元コードに対応させて前記第1トラッキングポイントとは異なる新たなトラッキングポイントを記憶し、
前記請求書差し戻し手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスした後、前記請求情報入力手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスしたことを受けて、前記第2二次元コードに対応させて前記第2トラッキングポイントとは異なる新たなトラッキングポイントを記憶し、
前記第1トラッキングポイント、前記第2トラッキングポイント及び前記新たなトラッキングポイントは、前記端末装置から、前記ネットワークを介してアクセスされ得ることを特徴とする請求項7に記載の物流処理システム。
【請求項9】
出荷元と納品先とを連携する物流処理システムであって、
前記納品先への納品に関する情報を納品情報として入力する納品情報入力手段と、
入力された前記納品情報を記憶する納品情報記憶手段と、
予め印刷された二次元コードと記憶された前記納品情報とに基づいて、前記納品情報へアクセスするためのデータを関連付けデータとして作成する関連付けデータ作成手段と、
作成された前記関連付けデータを記憶する関連付けデータ記憶手段と、
記憶された前記納品情報を、前記出荷元で、納品伝票として出力する納品伝票出力手段と、
前記二次元コードに基づいて、前記関連付けデータを介して、前記納品情報を、納品先で出力する納品情報出力手段とを備えており、
前記出荷元では、前記二次元コードと前記納品伝票とが、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物に貼付されるデリバリーパックに同封された状態で、前記配送物と共に送付されるように構成され、
前記納品先では、前記納品伝票に基づいて納品が確認されると共に、前記二次元コードに基づいて前記納品情報が出力されるように構成されていることを特徴とする物流処理システム。
【請求項10】
前記納品情報記憶手段、前記関連付けデータ作成手段、及び前記関連付けデータ記憶手段が、サーバー内に設けられており、
前記サーバーと、前記納品情報入力手段、前記納品伝票出力手段及び前記納品情報出力手段のそれぞれとが、ネットワークを介して接続されて、所定のWebアプリケーションを用いて処理されるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の物流処理システム。
【請求項11】
所定の期限内であれば、前記納品先及び前記出荷元の少なくとも一方において、記憶された前記納品情報に、随時、アクセス可能であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の物流処理システム。
【請求項12】
記憶された前記納品情報が、前記納品先及び前記出荷元に設けられた経理処理システムに関連付けられていることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の物流処理システム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の物流処理システムにおいて使用されるデリバリーパック。
【請求項14】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物流処理システムを用いて、出荷元と納品先との間で行われる物流処理方法であって、
前記出荷元の入力端末から、前記納品情報を入力する納品情報入力ステップと、
前記第1関連付けデータを第1二次元コード化して出力する二次元コード出力ステップと、
前記納品情報を納品伝票として出力する納品伝票出力ステップと、
前記第1二次元コードと前記納品伝票とを、デリバリーパックに同封して、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物と共に送付する送付ステップと、
送付されてきた前記配送物の納品を、前記納品伝票に基づいて確認する納品確認ステップと、
前記納品先の入力端末から入力された前記第1二次元コードに基づいて前記納品情報を出力する納品情報出力ステップとを備えていることを特徴とする物流処理方法。
【請求項15】
前記出荷元における入力端末から、請求情報を入力する請求情報入力ステップと、
入力された前記請求情報を記憶する請求情報記憶ステップと、
記憶された前記請求情報を、前記出荷元において請求書として出力する請求書出力ステップと、
前記納品先において前記請求情報を出力する請求情報出力ステップとを含み、
前記関連付けデータ作成ステップはさらに、記憶された前記請求情報へアクセスするための第2関連付けデータを作成するステップを含み、
前記二次元コード出力ステップはさらに、前記第2関連付けデータに基づいて作成され且つ記憶された第2二次元コードを、前記出荷元において出力するステップを含み、
前記請求情報出力ステップは、前記第2二次元コードに基づいて、前記第2関連付けデータを介して、前記請求情報を出力することを特徴とする請求項14に記載の物流処理方法。
【請求項16】
請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の物流処理システムを用いて、出荷元と納品先との間で行われる物流処理方法であって、
前記出荷元の入力端末から、前記納品情報を入力する納品情報入力ステップと、
前記納品情報を納品伝票として出力する納品伝票出力ステップと、
前記予め印刷された二次元コードと前記納品伝票とを、デリバリーパックに同封して、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物と共に送付する送付ステップと、
送付されてきた前記配送物の納品を、前記納品伝票に基づいて確認する納品確認ステップと、
前記納品先の入力端末から入力された前記二次元コードに基づいて前記納品情報を出力する納品情報出力ステップとを備えていることを特徴とする物流処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物流処理システム、前記物流処理システムを用いた物流処理方法、及び前記物流処理方法において使用されるデリバリーパックに関する。
【背景技術】
【0002】
物品の物流において、出荷元は、納品先から受注した内容(納品情報)に基づいて納品伝票を作成して配送物に貼付して、配送物と共に発送する一方、納品先は、納品時、納品伝票に記載された内容と納品された配送物とを照合、確認して受領する。その後、出荷元の経理担当部署は納品伝票に基づいて請求処理を行い、一方、納品先の経理担当部署は納品伝票に基づいて支払処理を行う。なお、ここでいう「納品伝票」とは、納品伝票に併せて発行される売上伝票や請求伝票など、納品情報に関するデータの伝票類も含まれる。
【0003】
従来、納品伝票は、一般的に、書面としてデリバリーパックに封入された状態で、配送物に貼付されて出荷先に送付されている。しかし、この方法の場合、納品先の経理担当部署が、納品完了後、納品伝票の記載に基づいてデータ入力して、納品管理や支払い手続きを行うため、データの入力作業に手間が掛かり、また、入力ミスが発生するリスクもある。
【0004】
そこで、近年、事務処理の効率アップのため、納品伝票の電子化が進められている(例えば、特許文献1参照)。具体的な方法としては、例えば、メールなどにより納品情報に関するデータを電子データとして提供する物流処理システムが挙げられる。しかし、このシステムの場合、書面で提供された納品伝票の内容と電子データの内容が一致しているか、突き合わせて確認する作業が必要であり、効率アップの効果が限定的である。
【0005】
また、出荷元において、納品伝票の内容をデータとしてウエブサイトに予め登録しておき、納品伝票と関連付けされた二次元コードを印刷した書面を納品伝票に替えてデリバリーパックに封入し、配送物に貼付して納品先に送付する一方、納品先において、送付されてきた二次元コードを読み取り、ウエブサイトに登録されているデータにアクセス、ダウンロードして納品伝票を出力することにより、納品内容を確認すると共にデータを保存する物流処理システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
このような物流処理システムを採用することにより、納品先は、納品データの入力作業を省くことができると共に、デリバリーパックに封入される書類が簡略化されるため、出荷元における書類作成作業を省力化することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003-296599号公報
【特許文献2】特開2013-45171号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記した出荷元が二次元コードだけをデリバリーパックに封入して納品先に送付し、納品先が二次元コードに基づいてウエブサイトから納品伝票をダウンロードするという物流処理システムは、納品先における納品確認作業において大きな不便性があり、必ずしも効率が良い物流処理システムとは言えないことが分かった。
【0009】
即ち、納品先の受領担当者は、コードリーダで二次元コードを読み取って、その二次元コードに基づいてウエブサイトから納品伝票をダウンロードして、ディスプレイに納品情報を表示させないことには、正確な納品が行われているか否かを、直ちに確認することができない。このため、受領担当者の各々が、二次元コードを読み取るためのコードリーダと、読み取った二次元コードに基づいて納品伝票の内容を表示させるディスプレイを所持する必要がある。しかし、コードリーダやディスプレイを携えて、ディスプレイに納品情報を表示させながら配送物との照合、確認を行うことは、受領担当者にとって容易なことではない。
【0010】
このような状況下、2023年10月より、消費税の仕入税額控除の方式として、インボイス制度(適格請求書保存方式)が導入されることが決まった。このインボイス制度の下で仕入税控除を受けるためには、出荷元から納品先への適格請求書(インボイス)の交付、納品先でのインボイスの保存が必要であり、インボイスには、取引の内容、税率毎に計算した対価の額、適用税率、及び消費税額など、現行の納品伝票における記載(納品情報)に加えて、さらに多くの項目の記載が要求されている。
【0011】
このように、インボイスには納品情報が含まれているため、インボイスの内容を電子データ化して配送物と関連付けして二次元コード化することにより、納品伝票に替えて配送物の検品に利用することができると考えられるが、関連付けされた二次元コードを利用する限り、上記と同様に、納品確認作業において大きな不便性がある。
【0012】
そこで、本発明は、二次元コードを利用した物流処理において、納品先の受領担当者に不便を与えることなく、効率的な納品確認作業が可能な物流処理システム、物流処理方法及びデリバリーパックを提供することを第1の目的とする。また、本発明は、所定期間毎に発行され、納品先に送付される請求書を電子化し、一元的に管理できる物流処理システム及び物流処理方法を提供することを第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、鋭意検討を行い、以下に記載する発明により上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
請求項1に記載の発明は、
出荷元と納品先とを連携する物流処理システムであって、
前記納品先への納品に関する情報を納品情報として入力する納品情報入力手段と、
入力された前記納品情報を記憶する納品情報記憶手段と、
記憶された前記納品情報へアクセスするためのデータを第1関連付けデータとして作成する関連付けデータ作成手段と、
作成された前記第1関連付けデータを記憶する関連付けデータ記憶手段と、
前記第1関連付けデータに基づいて作成され且つ記憶された第1二次元コードを、前記出荷元で出力する二次元コード出力手段と、
記憶された前記納品情報を、前記出荷元で、納品伝票として出力する納品伝票出力手段と、
前記第1二次元コードに基づいて、前記第1関連付けデータを介して、前記納品情報を、前記納品先で出力する納品情報出力手段とを備えており、
前記出荷元では、出力された前記第1二次元コードと前記納品伝票とが、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物に貼付されるデリバリーパックに同封された状態で、前記配送物と共に送付されるように構成され、
前記納品先では、前記納品伝票に基づいて納品が確認されると共に、前記第1二次元コードに基づいて前記納品情報が出力されるように構成されていることを特徴とする物流処理システムである。
【0015】
請求項2に記載の発明は、
前記納品情報記憶手段、前記関連付けデータ作成手段、及び前記関連付けデータ記憶手段は、サーバー内に設けられており、
前記サーバーと、前記納品情報入力手段、前記二次元コード出力手段、前記納品伝票出力手段及び前記納品情報出力手段のそれぞれとが、ネットワークを介して接続されて、所定のWebアプリケーションを用いて処理されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の物流処理システムである。
【0016】
請求項3に記載の発明は、
所定の期限内であれば、前記納品先及び前記出荷元の少なくとも一方において、記憶された前記納品情報に、随時、アクセス可能であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の物流処理システムである。
【0017】
請求項4に記載の発明は、
記憶された前記納品情報が、前記納品先及び前記出荷元に設けられた経理処理システムに関連付けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の物流処理システムである。
【0018】
請求項5に記載の発明は、
前記出荷元において請求情報を入力する請求情報入力手段と、
入力された前記請求情報を記憶する請求情報記憶手段と、
記憶された前記請求情報を、前記出荷元において請求書として出力する請求書出力手段と、
前記請求情報を前記納品先で出力する請求情報出力手段とをさらに備え、
前記請求情報記憶手段は、前記サーバー内に設けられ、
前記関連付けデータ作成手段はさらに、記憶された前記請求情報へアクセスするための第2関連付けデータを作成し、
前記関連付けデータ記憶手段はさらに、作成された前記第2関連付けデータを記憶し、
前記二次元コード出力手段はさらに、前記第2関連付けデータに基づいて作成され且つ記憶された第2二次元コードを、前記出荷元において出力し、
出力された前記第2二次元コード及び前記請求書は、同封されて前記出荷元から前記納品先へ送付され、
前記請求情報出力手段は、前記第2二次元コードに基づいて、前記第2関連付けデータを介して、前記請求情報を出力することを特徴とする請求項2に記載の物流処理システムである。
【0019】
請求項6に記載の発明は、
前記納品先に送付された前記配送物を前記出荷元に返送する処理を差し戻しとして、前記ネットワークを介して前記サーバーに登録する配送物差し戻し手段と、
前記請求書を前記出荷元に返送する処理を差し戻しとして、前記ネットワークを介して前記サーバーに登録する請求書差し戻し手段とをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載の物流処理システムである。
【0020】
請求項7に記載の発明は、
前記サーバーは、前記納品情報入力手段、前記納品情報出力手段、前記請求情報入力手段、前記請求情報出力手段、前記配送物差し戻し手段及び前記請求書差し戻し手段のいずれかによる、前記ネットワークを介した前記サーバーへのアクセスを、トラッキングポイントとして記憶する記憶手段をさらに含み、
前記トラッキングポイントは、前記出荷元及び前記納品先の少なくとも一方に配置された端末装置から、前記ネットワークを介してアクセスされ得ることを特徴とする請求項6に記載の物流処理システムである。
【0021】
請求項8に記載の発明は、
前記記憶手段は、
前記納品情報入力手段又は前記納品情報出力手段による、前記ネットワークを介した前記サーバーへのアクセスを、前記第1二次元コードに対応させて第1トラッキングポイントとして記憶し、
前記請求情報入力手段又は前記請求情報出力手段による、前記ネットワークを介した前記サーバーへのアクセスを、前記第2二次元コードに対応させて第2トラッキングポイントとして記憶し、
前記配送物差し戻し手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスした後、前記納品情報入力手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスしたことを受けて、前記第1二次元コードに対応させて前記第1トラッキングポイントとは異なる新たなトラッキングポイントを記憶し、
前記請求書差し戻し手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスした後、前記請求情報入力手段が、前記ネットワークを介して前記サーバーにアクセスしたことを受けて、前記第2二次元コードに対応させて前記第2トラッキングポイントとは異なる新たなトラッキングポイントを記憶し、
前記第1トラッキングポイント、前記第2トラッキングポイント及び前記新たなトラッキングポイントは、前記端末装置から、前記ネットワークを介してアクセスされ得ることを特徴とする請求項7に記載の物流処理システムである。
【0022】
請求項9に記載の発明は、
出荷元と納品先とを連携する物流処理システムであって、
前記納品先への納品に関する情報を納品情報として入力する納品情報入力手段と、
入力された前記納品情報を記憶する納品情報記憶手段と、
予め印刷された二次元コードと記憶された前記納品情報とに基づいて、前記納品情報へアクセスするためのデータを関連付けデータとして作成する関連付けデータ作成手段と、
作成された前記関連付けデータを記憶する関連付けデータ記憶手段と、
記憶された前記納品情報を、前記出荷元で、納品伝票として出力する納品伝票出力手段と、
前記二次元コードに基づいて、前記関連付けデータを介して、前記納品情報を、納品先で出力する納品情報出力手段とを備えており、
前記出荷元では、前記二次元コードと前記納品伝票とが、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物に貼付されるデリバリーパックに同封された状態で、前記配送物と共に送付されるように構成され、
前記納品先では、前記納品伝票に基づいて納品が確認されると共に、前記二次元コードに基づいて前記納品情報が出力されるように構成されていることを特徴とする物流処理システムである。
【0023】
請求項10に記載の発明は、
前記納品情報記憶手段、前記関連付けデータ作成手段、及び前記関連付けデータ記憶手段が、サーバー内に設けられており、
前記サーバーと、前記納品情報入力手段、前記納品伝票出力手段及び前記納品情報出力手段のそれぞれとが、ネットワークを介して接続されて、所定のWebアプリケーションを用いて処理されるように構成されていることを特徴とする請求項9に記載の物流処理システムである。
【0024】
請求項11に記載の発明は、
所定の期限内であれば、前記納品先及び前記出荷元の少なくとも一方において、記憶された前記納品情報に、随時、アクセス可能であることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の物流処理システムである。
【0025】
請求項12に記載の発明は、
記憶された前記納品情報が、前記納品先及び前記出荷元に設けられた経理処理システムに関連付けられていることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の物流処理システムである。
【0026】
請求項13に記載の発明は、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の物流処理システムにおいて使用されるデリバリーパックである。
【0027】
請求項14に記載の発明は、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の物流処理システムを用いて、出荷元と納品先との間で行われる物流処理方法であって、
前記出荷元の入力端末から、前記納品情報を入力する納品情報入力ステップと、
前記第1関連付けデータを第1二次元コード化して出力する二次元コード出力ステップと、
前記納品情報を納品伝票として出力する納品伝票出力ステップと、
前記第1二次元コードと前記納品伝票とを、デリバリーパックに同封して、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物と共に送付する送付ステップと、
送付されてきた前記配送物の納品を、前記納品伝票に基づいて確認する納品確認ステップと、
前記納品先の入力端末から入力された前記第1二次元コードに基づいて前記納品情報を出力する納品情報出力ステップとを備えていることを特徴とする物流処理方法である。
【0028】
請求項15に記載の発明は、
前記出荷元における入力端末から、前記請求情報を入力する請求情報入力ステップと、
入力された前記請求情報を記憶する請求情報記憶ステップと、
記憶された前記請求情報を、前記出荷元において請求書として出力する請求書出力ステップと、
前記納品先において前記請求情報を出力する請求情報出力ステップとを含み、
前記関連付けデータ作成ステップはさらに、記憶された前記請求情報へアクセスするための第2関連付けデータを作成するステップを含み、
前記二次元コード出力ステップはさらに、前記第2関連付けデータに基づいて作成され且つ記憶された第2二次元コードを、前記出荷元において出力するステップを含み、
前記請求情報出力ステップは、前記第2二次元コードに基づいて、前記第2関連付けデータを介して、前記請求情報を出力することを特徴とする請求項14に記載の物流処理方法である。
【0029】
請求項16に記載の発明は、
請求項9から請求項12のいずれか1項に記載の物流処理システムを用いて、出荷元と納品先との間で行われる物流処理方法であって、
前記出荷元の入力端末から、前記納品情報を入力する納品情報入力ステップと、
前記納品情報を納品伝票として出力する納品伝票出力ステップと、
前記予め印刷された二次元コードと前記納品伝票とを、デリバリーパックに同封して、前記出荷元から前記納品先へ向けて、配送物と共に送付する送付ステップと、
送付されてきた前記配送物の納品を、前記納品伝票に基づいて確認する納品確認ステップと、
前記納品先の入力端末から入力された前記二次元コードに基づいて前記納品情報を出力する納品情報出力ステップとを備えていることを特徴とする物流処理方法である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、二次元コードを利用した物流処理において、納品先の受領担当者に不便を与えることなく、効率的な納品確認作業が可能な物流処理システム、物流処理方法及びデリバリーパックを提供できる。また、本発明によれば、所定期間毎に発行され、納品先に送付される請求書を電子化し、一元的に管理できる物流処理システム及び物流処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1図1は、本発明の一実施の形態に係る物流処理システムの仕組みの概要を説明する図である。
図2図2は、第3の実施の形態に係る物流処理システムの構成を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示したサーバーの構成を示すブロック図である。
図4図4は、トラッキングポイントの構成例を示すブロック図である。
図5図5は、出荷元における処理を示すフローチャートである。
図6図6は、納品先における処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、実施の形態に基づいて、本発明を具体的に説明する。
【0033】
[A]本発明の基本的な考え方
最初に、本発明の基本的な考え方について説明する。
【0034】
前記したように、二次元コードだけを利用する物流処理システムの場合、納品先の受領担当者において大きな不便性があり、必ずしも効率が良い物流処理システムとは言えないことが分かった。
【0035】
即ち、納品先の受領担当者は、コードリーダで二次元コードを読み取って、その二次元コードに基づいてウエブサイトから納品伝票をダウンロードして、ディスプレイに納品情報を表示させないことには、正確な納品が行われているか否かを、直ちに確認することができない。このため、受領担当者の各々が、二次元コードを読み取るためのコードリーダと、読み取った二次元コードに基づいて納品伝票の内容を表示させるディスプレイを所持する必要がある。しかし、コードリーダやディスプレイを携えて、ディスプレイに納品情報を表示させながら配送物との照合、確認を行うことは、受領担当者にとって容易なことではない。
【0036】
そこで、本発明者は、二次元コードだけではなく、二次元コードに関連付けされた納品情報を、従来と同じように、紙情報(納品伝票)として出力し、二次元コードと共に、デリバリーパックに同封して送付すれば、納品先の受領担当者が、従来と同じように、容易に納品内容を確認することができると考え、本発明を完成するに至った。
【0037】
即ち、受領担当者は、コードリーダで二次元コードを読み取ってディスプレイに表示させた納品情報に基づいて検品するのではなく、デリバリーパックに同封された納品伝票に基づいて、従来と同様に検品することができるため、効率的に納品を確認して、物流処理することができる。
【0038】
一方、デリバリーパックに同封された二次元コードは、納品確認後、受領担当者から経理担当者へと回付される。経理担当者は、回付された二次元コードに基づいて、関連付けデータを介して納品情報を電子データとしてダウンロードする。このとき、納品確認は、既に受領担当者が行っているため、ダウンロードされた電子データに基づいて、直ちに、納品管理や支払処理を行うことができる。
【0039】
このように、本発明では、出荷元で入力された納品情報に基づいて、以降の物流処理が行われるため、途中で入力ミスなどが発生することがなく、また、データの突合せ作業などが不要となるため、効率的な物流処理に効果を発揮することができる。また、経理担当者は、出荷元で入力された納品情報を、関連付けされた二次元コードに基づいて、容易かつ確実に、電子データとしてダウンロードして入手できるため、インボイス制度へも容易に対応することができる。
【0040】
そして、デリバリーパックに二次元コードと納品伝票の両者を同封することは、出荷元においても大きな負担とはならず、効率的な物流処理が妨げられるようなことはない。
【0041】
以上、納品伝票に替えて二次元コードを利用して物流処理を行う場合、通常は、納品伝票は不要と考えられるが、納品先の受領担当者が効率的に納品確認作業を行おうとした場合には、意外にも、この納品伝票が重要な役割を果たしていることが分かり、本発明を完成するに至った。
【0042】
なお、上記した二次元コードは、納品情報の入力に合わせて作成してもよいが、後述するように、配送物を識別するために予め台紙等に印刷されてデリバリーパックと共に供される二次元コードを利用してもよい。
【0043】
[B]具体的な実施の形態
[1]第1の実施の形態
本実施の形態では、出荷時に二次元コードの作成を行う場合における具体的な実施の形態について説明する。
【0044】
1.物流処理システム
まず、本実施の形態に係る物流処理システムについて説明する。
【0045】
本実施の形態に係る物流処理システムは、出荷元と納品先との間に設けられる物流処理システムであって、まず、以下に示す各手段を備えている。
(1)納品先への納品に関する情報を納品情報として入力する納品情報入力手段
(2)入力された納品情報を記憶する納品情報記憶手段
(3)記憶された納品情報へアクセスするためのデータを関連付けデータとして作成する関連付けデータ作成手段
(4)作成された前記関連付けデータを記憶する関連付けデータ記憶手段
(5)前記関連付けデータに基づいて作成・記憶された二次元コードを、出荷元で出力する二次元コード出力手段
(6)記憶された納品情報を、出荷元で、納品伝票として出力する納品伝票出力手段
(7)二次元コードに基づいて、関連付けデータを介して、納品情報を、納品先で出力する納品情報出力手段
【0046】
そして、出荷元では、出力された二次元コードと納品伝票とが、出荷元から納品先へ向けて、配送物に貼付されるデリバリーパックに同封された状態で、配送物と共に送付されるように構成されている一方、納品先では、納品伝票に基づいて納品が確認されると共に、二次元コードに基づいて納品情報が出力されるように構成されている。
【0047】
上記した納品情報記憶手段、関連付けデータ作成手段、及び、関連付けデータ記憶手段のそれぞれは、サーバー内に設けられており、納品情報入力手段、二次元コード出力手段、納品伝票出力手段、納品情報出力手段のそれぞれは、ネットワークを介してサーバーと接続されていることが好ましく、各々が所定のWebアプリケーションを用いて処理されるように構成されていることが好ましい。なお、サーバーは、出荷元や納品先に設けてもよいが、第3者が設けたサーバーを利用してもよい。そして、サーバーには、Webアプリケーションデータや、各データを記憶するストレージ部を設ける以外に、関係者以外からのアクセスを拒否するためのファイアウォールを設けておくことが好ましい。
【0048】
2.物流処理方法
次に、上記した物流処理システムの具体的な運用、即ち、物流処理方法について、図1を参照しながら説明する。なお、図1は、本実施の形態に係る物流処理システムの仕組みの概要を説明する図である。
【0049】
本実施の形態に係る物流処理は、上記した物流処理システムを用いて、出荷元と納品先との間で、以下に説明する各ステップに従って行われる。
【0050】
(1)納品情報入力ステップ
まず、出荷元の受注担当者が、入力端末を用いて、納品先への納品に関する情報(納品情報)を入力する。入力された納品情報は、図1に示すように、ネットワークを介して、サーバーへと送信され、サーバー内のストレージ部に記憶される。
【0051】
並行して、サーバー内では、記憶された納品情報へアクセスするためのデータが関連付けデータとして作成されて、作成された関連付けデータがストレージ部に記憶される。
【0052】
(2)二次元コード出力ステップ
次に、記憶された関連付けデータに基づいて形成・記憶された二次元コードを、出荷元の出力端末から所定の台紙上に印字して出力する。なお、この台紙には、二次元コード以外に、輸送中における湿度条件や温度条件などの留意情報を付記してもよい。そして、具体的な二次元コードとしては、例えば、(株)デンソーウェーブのSQRC(登録商標)などを挙げることができる。
【0053】
(3)納品伝票出力ステップ
次に、記憶された納品情報を、納品伝票として、出荷元の出力端末から印字して出力する。なお、この納品伝票出力ステップと二次元コード出力ステップとは、必要に応じて、順序を逆にしてもよい。
【0054】
(4)送付ステップ
次に、出荷担当者は、出力された納品伝票に基づいて、荷揃えを行い、その後、二次元コードが印刷された台紙と納品伝票とをデリバリーパック内に封入し、封入されたデリバリーパックが配送物に貼付された状態で、配送物を納品先へ向けて送付する。
【0055】
このとき、納品伝票に基づいて荷揃えを行うため、出荷担当者は効率的に出荷作業を行うことができる。
【0056】
(5)納品確認ステップ
次に、配送物が納品先に到着すると、受領担当者が、納品の確認を行う。具体的には、デリバリーパックから納品伝票を取り出し、納品伝票に基づいて納品確認を行うが、納品伝票に基づく納品確認は、基本的に、従来と同様であり、効率的に納品確認作業を行うことができる。
【0057】
このように、従来と同様に効率的に納品確認作業を行うことができるのは、デリバリーパックに、二次元コードだけでなく、納品伝票も封入されているためであり、日常の納品作業において、この効果は大きい。
【0058】
(6)納品情報出力ステップ
次に、受領担当者は、経理担当部署へ二次元コードを回付する。これにより、経理担当部署は、配送物が間違いなく納品されたことを確認することができる。
【0059】
そして、経理担当部署は、所定の期日に、サーバーに接続して、受領担当者から回付された二次元コードに関連付けされた納品情報をダウンロードすることができるため、ダウンロードされた納品情報に基づいて、容易に、支払処理を行うことができる。
【0060】
一方、出荷元の経理担当部署は、所定の期日に、サーバーに接続して、受領が確認されている二次元コードに関連付けされた納品情報をダウンロードすることができるため、ダウンロードされた納品情報に基づいて、容易に、請求処理を行うことができる。なお、納品先における納品を出荷元の経理担当部署で確認する具体的な方法としては、例えば、納品先の受領担当者が、受領時、二次元コードを読み取ってサーバーにアクセスすることにより、サーバーに納品確認のフラグが立つようなWebアプリケーションを設けるなどの方法が考えられる。
【0061】
なお、出荷元及び納入先における経理処理と、配送物の移動とは、一般的に、タイミングが合わないため、サーバーのストレージ部に格納されている納品情報と、それに関連付けられた関連付けデータとは、予め定められた所定の保管期限内であれば、納品先及び/又は出荷元において、随時、アクセス可能とすることが好ましい。
【0062】
以上のように、本実施の形態に係る物流処理方法を採用することにより、二次元コードを利用した物流処理において、納品先の受領担当者に不便を与えることなく、効率的な納品確認作業が可能となる。また、出荷元及び納品先の経理担当部署では、納品書データや請求書データを加工することなく、それぞれの経理処理システムにサーバーから直接入手することができるため、事務処理効率の大幅な向上を図ることができると共に、インボイス制度へも適切に対応することができる。
【0063】
[2]第2の実施の形態
本実施の形態では、別途、二次元コードを、関連付けデータとして利用する場合について説明する。
【0064】
本実施の形態に係る物流処理システムは、以下に示す各手段を備えている。
(1)納品先への納品に関する情報を納品情報として入力する納品情報入力手段
(2)入力された納品情報を記憶する納品情報記憶手段
(3)予め印刷された二次元コードと記憶された納品情報とに基づいて、納品情報へアクセスするためのデータを関連付けデータとして作成する関連付けデータ作成手段
(4)作成された関連付けデータを記憶する関連付けデータ記憶手段
(5)記憶された納品情報を、出荷元で、納品伝票として出力する納品伝票出力手段
(6)二次元コードに基づいて、関連付けデータを介して、納品情報を、納品先で出力する納品情報出力手段
【0065】
そして、出荷元では、印刷された二次元コードと納品伝票とが、出荷元から納品先へ向けて、配送物に貼付されるデリバリーパックに同封された状態で、配送物と共に送付されるように構成されている一方、納品先では、納品伝票に基づいて納品が確認されると共に、二次元コードに基づいて納品情報が出力されるように構成されている。
【0066】
このように、本実施の形態では、第1の実施の形態に示した関連付けデータ作成手段から二次元コード出力手段までの段階が異なっている。
【0067】
即ち、本実施の形態では、関連付けデータ作成手段において、予め本システムとは別途印刷された二次元コードと記憶された納品情報とに基づいて、納品情報へアクセスするためのデータを関連付けデータとして作成しているため、第1の実施の形態のように、関連付けデータに基づいて作成・記憶された二次元コードを出力する必要がなく、二次元コード出力手段を設けることが不要となる。その結果、出荷元では、より効率的に、出荷作業を行うことができる。
【0068】
そして、納品先では、第1の実施の形態と同様に、デリバリーパックに同封された納品伝票及び二次元コードに基づいて、納品作業を行えばよいため、効率的に納品を確認して、物流処理することができる。
【0069】
[3]第3の実施の形態
第3の実施の形態では、所定の期間毎(例えば1カ月毎)に発送する請求書を電子化し、サーバーにおいて一元管理する。本実施の形態に係る物流処理システムは、図1と同様に構成されている。したがって、上記したように、配送物の出荷時に配送物に添付して送付される納品伝票が電子化される。本実施の形態に係る物流処理システムは、これに加えて、配送物とは別に発送される請求書をも電子化し、それらをサーバーにおいて一元管理する。以下においては、第1の実施の形態に係る物流処理システムと同じ機能に関しては重複説明を繰返さず、主として異なる機能に関して説明する。
【0070】
図2を参照して、物流処理システムは、出荷元100に配置されたPC102及び入出力装置104と、納品先200に配置されたPC202及び入出力装置204と、サーバー300とを含む。PC102、PC202及びサーバー300の各々はネットワーク106に接続されている。PC102及び202の各々は、搭載されているアプリケーションプログラム(以下、単にアプリケーションともいう)により、ネットワーク106を介してサーバー300と相互に通信できる。
【0071】
PC102は、出荷元100の各部門に配置された複数の端末装置(コンピュータ等)を集合的に表す。PC102として表される各端末装置は、操作装置(キーボード、マウス等)及び表示装置(液晶ディスプレイ等)を備えている。PC102は、例えば経理部門に配置され、経理担当者が所定期間(例えば1カ月)毎に発行される請求書に関する情報(以下、請求情報という)を入力するための端末装置(請求情報入力手段)を意味する。また、配送物の出荷に関しては、PC102は、上記したように、納品情報の入力時に受注担当者により操作される端末装置(納品情報入力手段)、又は、出荷部門に配置され、出荷担当者により操作される端末装置等を意味する。入出力装置104は、出力装置(プリンタ等)及び入力装置(イメージスキャナ等)を集合的に表したものである。PC102として表される端末装置に応じて、それに接続される入出力装置104の入出力機能は異なる。例えば、PC102が、受注担当者により操作される端末装置であれば、入出力装置104は、出力装置としての機能を有しているが、入力装置としての機能は有していなくてもよい。PC102が、出荷担当者により操作される端末装置であれば、入出力装置104は、後述するように二次元コード(印刷物)を読み取ることができる入力装置としての機能を有するが、出力装置としての機能を有していなくてもよい。
【0072】
同様に、PC202は、納品先200の各部門に配置された複数の端末装置(コンピュータ等)を表す。PC202として表される各端末装置は、操作装置及び表示装置を備えている。PC202は、例えば経理部門に配置され、所定期間毎に出荷元100から送付される請求書を確認するために、経理担当者がサーバー300にアクセスするための端末装置を意味する。また、出荷元100からの配送物の受け入れに関しては、PC202は、受領担当者により操作される端末装置を意味する。入出力装置204は、出力装置(プリンタ等)及び入力装置(イメージスキャナ等)を集合的に表したものである。PC202として表される端末装置に応じて、それに接続される入出力装置204の入出力機能は異なる。例えば、PC202が、経理担当者により操作される端末装置であれば、入出力装置204は、出力装置(請求情報出力手段)としての機能及び入力装置(イメージスキャナ等)としての機能を有している。PC202が、受領担当者により操作される端末装置であれば、入出力装置204は、後述するように二次元コード(印刷物)を読み取ることができる入力装置としての機能を有するが、出力装置としての機能を有していなくてもよい。
【0073】
なお、出荷元100において、二次元コード(印刷物)を読み取るための入出力装置104は、PC102と無線通信可能な携帯型の端末装置(例えば、ハンディターミナル、スマートフォン等)であってもよい。スマートフォン等、直接ネットワーク106に接続可能な携帯装置であれば、読み取った二次元コードを、PC102を介さずに直接サーバー300に送信してもよい。納品先200において、二次元コードを読み取るための入出力装置204に関しても同様である。
【0074】
図3を参照して、サーバー300は、制御部302、通信部304、ストレージ部306及び操作部308を含む。制御部302はCPU(Central Processing Unit)を含み、各部を制御し、後述する種々の処理を実現する。通信部304は、無線又は有線によりネットワーク106にアクセスする機能を有する。通信部304は、PC102及び202から、ネットワーク106を介してアップロードされる情報(納品情報、請求情報等)を受信する。通信部304は制御部302の制御を受けて、ストレージ部306からデータ(二次元コード、納品データ、請求データ等)を読み出し、PC102及び202に送信する。
【0075】
ストレージ部306は、書換可能な不揮発性の半導体メモリ及びHDD(Hard Disk Drive)等の大容量記憶装置を含む。通信部304により受信されたデータは、ストレージ部306に転送され、記憶される。ストレージ部306は、納品データ310、関連付けデータ312、二次元コード314、ユーザデータ316、請求データ318、トラッキングポイント320及びマスタデータ322を記憶している。納品データ310、関連付けデータ312及び二次元コード314は、第1の実施の形態に関して上記したものと同じである。即ち、納品データ310は、PC102に入力された納品情報が、ネットワーク106を介してアップロードされ、通信部304により受信されたデータである。制御部302は、納品データ310が記憶されると、その納品データ310にアクセスするための関連付けデータ312(第1関連付けデータ)を生成し、関連付けデータ312に基づき二次元コード314(第1二次元コード)を生成する。
【0076】
また、通信部304は、上記したように出荷元100の経理部門に配置されたPC102から入力された請求情報を、ネットワーク106を介して受信し、ストレージ部306に請求データ318として記憶する。制御部302は、請求データ318が記憶されると、その請求データ318にアクセスするための関連付けデータ312(第2関連付けデータ)を生成し、関連付けデータ312に基づき二次元コード314(第2二次元コード)を生成する。生成される関連付けデータ312及び二次元コード314は、納品データ310に対応するものと、請求データ318に対応するものとがあるので、それらを区別するために、適宜、括弧を付して、第1関連付けデータ、第2関連付けデータ、第1二次元コード又は第2二次元コードと付記する。
【0077】
トラッキングポイント320は、サーバー300へのアクセスがあり、所定の処理が終了したことを示すデータである。トラッキングポイント320の構成は任意である。例えば、図4を参照して、トラッキングポイント320は、各取引の状況を表す情報として、終了した処理を表す情報を含む。トラッキングポイント320は、取引を特定するために、二次元コード314に対応して一意に付される取引番号(以下、取引Noという)と、各取引Noに付される枝番と、取引の状況を表すTP_Noとを含む。マスタデータ322は、TP_Noと、それに対応する処理を表すTP_Nameとを含み、トラッキングポイント320によりTP_Noを介して参照される。トラッキングポイント320の枝番は、1つの取引における経過の一部(後述する差し戻し等)を履歴として残すために設けられる。即ち、トラッキングポイント320には、同じ取引Noが複数回記憶され得ることとし、同じ取引Noが記憶された順序を枝番により表す。各取引の状況は、1つのデータセット(取引No,枝番,TP_No)により特定される。トラッキングポイント320のTP_Noが、マスタデータ322を参照するために利用されることにより、取引の状況を表す終了した処理(TP_Name)が特定される。TP_Nameには、例えば、図4に示したように、登録、送付、送金、完了及び返品等が設定される。
【0078】
例えば、図4には、同じ取引No=1001001に関して、(取引No,枝番)=(1001001,00)と、(取引No,枝番)=(1001001,01)とが存在する。(取引No,枝番)=(1001001,00)に関して、TP_No=5が設定され、(取引No,枝番)=(1001001,01)に関して、TP_No=4が設定されている。枝番=01に対応するTP_Noは、枝番=00に対応するTP_Noよりも新しい情報(後から記憶された情報)である。これらのことから、取引No=1001001の取引は現在「完了」しており(TP_No=4)、取引の過程において、「返品」(TP_No=5)が生じたことが分かる。取引No=1001002に関しては、(取引No,枝番,TP_No)=(1001002,00,3)だけが記憶されており、「送金」された状況であることが分かる。取引No=1001003に関しては、(取引No,枝番,TP_No)=(1001003,00,1)だけが記憶されており、「登録」(例えば、納品データの登録)された状況であることが分かる。
【0079】
図4に示したTP_Nameは一例であり、出荷元100及び納品先200の間の取引に応じて、監視されるべき処理を適宜設定できる。なお、取引Noは、二次元コード314に一意に対応するものであればよく、数字に限らずアルファベット等を含んでいてもよい。枝番は、順序を表すことができる情報であればよく、数字に限らずアルファベット等を含んでいてもよい。なお、トラッキングポイント320の別の構成として、取引における処理毎に設けられたフラグの集合を用いてもよい。
【0080】
トラッキングポイント320は、二次元コード314が生成されると、生成される。即ち、ストレージ部306に納品データ310が記憶され、対応する二次元コード314(第1二次元コード)が生成されると、データセット(取引_No,枝番,TP_No)が追加される。枝番には、例えば“00”が設定され、TP_Noには、マスタデータ322に含まれる納品データの登録を表すデータが設定される。また、ストレージ部306に請求データ318が記憶され、対応する二次元コード314(第2二次元コード)が生成されると、データセット(取引_No,枝番,TP_No)が追加される。枝番には、例えば“00”が設定され、TP_Noには、マスタデータ322に含まれる請求データの登録を表すデータが設定される。以下、トラッキングポイント320に新たなデータセットが追加されることを、トラッキングポイント320の生成といい、取引の進捗に応じて、トラッキングポイント320のTP_Noに新たなデータが設定されることを、トラッキングポイント320の更新という。
【0081】
ユーザデータ316は、出荷元100及び納品先200に関する登録データ(認証パスワード等を含む)であり、PC102及び202からアクセスがあった場合、制御部302は、ユーザデータ316を参照して、ストレージ部306に記憶されたデータへのアクセスを許可するか否か、及び、許可されるアクセスの種類(閲覧、追加、修正等)を判定する。なお、「追加」は、例えば納品情報及び請求情報の登録(アップロード)を意味し、「修正」は、トラッキングポイント320の更新を意味する。PC102及び202からのアクセスに関しては、アップロードされた納品情報及び請求情報を修正(削除を含む)することは許可されない。操作部308は、サーバー300の管理者等が制御部302に対する指示を入力するためのキーボード及びマウス等である。なお、サーバー300は、情報を表示するための表示装置(液晶ディスプレイ等)を含んでいてもよい。
【0082】
図5及び図6を参照して、出荷元100及び納品先200において実行される処理及びそれに伴い終了した処理がどのように記録されるかに関して、具体的に説明する。ここでは一例として、TP_Nameに次のものが含まれるとする。
・納品データのアップロード
・納品データのダウンロード
・配送物の出荷
・配送物の差し戻し
・キャンセル
・請求データのアップロード
・請求データのダウンロード
・請求承認
・請求書の差し戻し
・送金
・入金の確認
また、TP_Noには、各TP_Nameを特定するための一意のデータが設定されているとする。
【0083】
[出荷元における処理]
図5を参照して、出荷元100において実行される処理に関して説明する。図5に示した処理は、出荷元100の各部門に配置されたPC102において所定のアプリケーションが起動されることにより実現される。具体的には、PC102が操作されて、サーバー300が提供しているWebアプリケーションにログインすることにより、処理を選択する画面が表示される。ここでは、「出荷処理」、「請求処理」、「入金確認処理」及び「キャンセル処理」の選択肢(ボタン)が表示されるとする。
【0084】
ステップ400において、PC102が操作され、「出荷処理」が選択されたか否かが判定される。出荷処理が選択された場合、制御はステップ402に移行する。例えば、受注担当者によりPC102が操作され、出荷処理が選択される。そうでなければ、制御はステップ410に移行する。
【0085】
ステップ402において、PC102は、再出荷処理であるか否かを判定する。再出荷処理であると判定された場合、制御はステップ406に移行する。そうでなければ、制御はステップ404に移行する。再出荷処理は、後述するように、納品先200から配送物が差し戻された場合に行われる。例えば、PC102に、再出荷処理であるか否かを確認するメッセージ及びYES/NOの選択肢(ボタン)が表示され、受注担当者によりYESが選択された場合、再出荷処理であると判定され、NOが選択された場合、再出荷処理ではないと判定される。
【0086】
ステップ404において、受注担当者によりPC102が操作され、納品情報が入力される。納品情報には、発行日、取引内容(名称、単価、数量及び金額等)及び税金に関する情報(消費税額等)等が含まれる。入力された納品情報は、ネットワーク106を介してサーバー300にアップロードされ、納品データ310としてストレージ部306に記憶(登録)される。これに伴い、上記したように、記憶された納品データ310に対応する関連付けデータ312(第1関連付けデータ)及び二次元コード314(第1二次元コード)が生成される。また、制御部302は、二次元コード314に対応するトラッキングポイント320を生成する。制御部302は、トラッキングポイント320のTP_Noには、マスタデータ322を参照して「納品データのアップロード」に対応するデータを設定する。生成された二次元コード314は、PC102によりダウンロードされ、入出力装置104により印刷される。その後、制御はステップ408に移行する。
【0087】
ステップ402の判定結果がYESであれば、ステップ406において、ステップ404と同様に、受注担当者によりPC102が操作され、再出荷のために新たな納品情報が入力される。再出荷は、後述するように、配送物の差し戻しにより必要となる処理であり、サーバー300にはその取引、即ち納品(納品データ)に対応する二次元コード314が既に存在している。したがって、制御部302は、ステップ404の場合と異なり、その二次元コード314を新たな納品データ310に対応させ、新たな二次元コードを生成しない。枝番には、最新であることを表すデータが設定される。例えば、“00”から始まる連続番号が枝番に使用される場合、同じ二次元コードに対応する既存の枝番のいずれよりも大きい番号が設定される。納品先200から配送物と共に二次元コード(印刷物)が返送された場合、返送された二次元コードが入出力装置104により読み取られる。読み取られた二次元コード314は、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コード314に、新たな納品データ310を対応させる。また、受注担当者は、PC102を操作してトラッキングポイント320をリスト表示させ、配送物の差し戻し対象の取引No(即ち二次元コード314)を特定して、新たな納品情報を入力してもよい。制御部302は、特定された二次元コード314に、新たな納品データ310を対応させる。二次元コード314は、PC102によりダウンロードされ、入出力装置104により印刷される。その後、制御はステップ408に移行する。なお、納品先200から二次元コード(印刷物)が返送されていれば、二次元コードは印刷されなくてもよい。
【0088】
ステップ408において、出荷部門に配置されたPC102が操作され、配送物の出荷処理又は再出荷処理が行われる。具体的には、ステップ404又はステップ406により印刷された二次元コードが入出力装置104により読み取られる。読み取られた二次元コードは、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320を更新する。即ち、制御部302は、トラッキングポイント320のうち、最新の枝番に対応するTP_Noに、マスタデータ322を参照して「配送物の出荷」に対応するデータを設定する。出荷部門においては、上記したように、出荷担当者は、二次元コード(印刷物)と納品伝票とが封入されたデリバリーパックを配送物に貼付し、配送物を納品先200へ向けて出荷する。その後、PC102が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、出荷元100における出荷処理又は再出荷処理は終了する。なお、印刷された二次元コードの読み取りが行われなくてもよい。例えば、出荷担当者がPC102を操作してトラッキングポイント320をリスト表示させ、リストの中から配送物に対応する取引Noを選択して、出荷処理又は再出荷所を実行してもよい。
【0089】
ステップ400の判定結果がNOであれば、ステップ410において、PC102が操作され、「請求処理」が選択されたか否かが判定される。請求処理が選択された場合、制御はステップ412に移行する。例えば、経理部門に配置されたPC102が操作され、請求処理が選択される。そうでなければ、制御はステップ420に移行する。
【0090】
ステップ412において、PC102は、再請求処理であるか否かを判定する。再請求処理であると判定された場合、制御はステップ416に移行する。そうでなければ、制御はステップ414に移行する。再請求処理は、後述するように、納品先200から請求書が差し戻された場合に行われる。例えば、PC102に、再請求処理であるか否かを確認するメッセージ及びYES/NOの選択肢(ボタン)が表示され、経理担当者によりYESが選択された場合、再請求処理であると判定され、NOが選択された場合、再請求処理ではないと判定される。
【0091】
ステップ414において、経理担当者によりPC102が操作されて請求情報が入力される。請求情報には、発行日、取引内容(名称、単価、数量及び金額等)及び税金に関する情報(消費税額等)等が含まれる。入力された請求情報は、ネットワーク106を介してサーバー300にアップロードされ、請求データ318としてストレージ部306に記憶(登録)される。これに伴い、記憶された請求データ318に対応する関連付けデータ312(第2関連付けデータ)が生成され、関連付けデータ312に基づき二次元コード314(第2二次元コード)が生成される。また、制御部302は、二次元コード314に対応するトラッキングポイント320を生成する。制御部302は、トラッキングポイント320のTP_Noには、マスタデータ322を参照して「請求データのアップロード」に対応するデータを設定する。その後、制御はステップ418に移行する。
【0092】
ステップ412の判定結果がYESであれば、ステップ416において、ステップ414と同様に、経理担当者によりPC102が操作され、再請求のために新たな請求情報が入力される。再請求は、後述するように、請求書の差し戻しにより必要となる処理であり、サーバー300にはその取引、即ち請求(請求データ)に対応する二次元コード314が既に存在している。したがって、制御部302は、ステップ414の場合と異なり、その二次元コード314を新たな請求データ318に対応させ、新たな二次元コードを生成しない。枝番には、最新であることを表すデータが設定される。例えば、“00”から始まる連続番号が枝番に使用される場合、同じ二次元コードに対応する既存の枝番のいずれよりも大きい番号が設定される。具体的には、経理担当者は、PC102を操作してトラッキングポイント320をリスト表示させ、請求書の差し戻し対象の取引No(即ち二次元コード314)を特定して、新たな請求情報を入力する。制御部302は、特定された二次元コード314に、新たな請求データ310を対応させる。また、経理担当者は、二次元コード(印刷物)(例えば、納品先200から返送されたもの)を入出力装置104により読み取ってもよい。読み取られた二次元コード314は、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コード314に、新たな請求データ310を対応させる。
【0093】
ステップ418において、経理担当者によりPC102が操作され、請求書送付の準備が行われる。具体的には、サーバー300から、請求データ318と、それに対応する二次元コード314とがダウンロードされ、各々印刷される。その後、PC102が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトする。印刷物が同封されて納品先200に送付されることにより、出荷元100における請求処理又は再請求処理は終了する。
【0094】
ステップ410の判定結果がNOであれば、ステップ420において、PC102が操作され、「入金確認処理」が選択されたか否かが判定される。入金確認処理が選択された場合、制御はステップ422に移行する。例えば、経理部門に配置されたPC102が操作され、入金確認処理が選択される。そうでなければ、制御はステップ430に移行する。
【0095】
ステップ422において、納品先200に送付された請求書のうち、支払期限が経過したものに関して、入金が確認される。具体的には、経理部門に配置されたPC102が操作されると、PC102はサーバー300にアクセスし、出荷元100に対応するトラッキングポイント320のTP_Noに「送金」に対応するデータがセットされている取引Noを、サーバー300に特定させる。PC102は、特定された取引Noに対応する請求データ318をサーバー300から取得し、取得した請求データ318を、確認/差し戻しの選択肢(ボタン)と共に表示する。経理担当者は、指定口座への入金額が、表示された請求データの請求額と一致しているか確認する。その後、制御はステップ424に移行する。
【0096】
ステップ424において、ステップ422により確認された結果、入金に不備があったか否かを判定する。不備があったと判定された場合、制御はステップ428に移行する。そうでなければ、制御はステップ426に移行する。例えば、入金額が請求額と一致しない場合、不備と判定される。
【0097】
ステップ426において、入金確認を登録する。具体的には、PC102が操作されて、確認が選択される。制御部302は、確認された請求データ318に対応するトラッキングポイント320のTP_Noに、マスタデータ322を参照して「入金の確認」に対応するデータを設定する。その後、PC102が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、出荷元100における入金確認処理は終了する。
【0098】
ステップ424の判定結果がYESであれば、ステップ428において、経理担当者は、納品先200の経理部門に、再入金を依頼する。依頼は、電子メール又は電話等により行われる。その後、PC102が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、出荷元100における入金確認処理は一時中断する。
【0099】
ステップ420の判定結果がNO(キャンセル処理の選択)であれば、ステップ430において、担当者によりPC102が操作され、キャンセル処理の対象である取引が特定され、キャンセルが登録される。キャンセル処理は、例えば、配送物が差し戻されたが、再出荷しない場合に行われる。具体的には、PC102は、サーバー300の制御部302に、トラッキングポイント320のTP_Noに、「配送物の差し戻し」に対応するデータが設定されている取引Noを特定させ、そのTP_Noに、マスタデータ322を参照して「キャンセル」に対応するデータを設定させる。その後、PC102が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、出荷元100におけるキャンセル処理は終了する。なお、納品先200から配送物と共に二次元コード(印刷物)が返送された場合、キャンセルの対象である取引を特定するために、返送された二次元コードが入出力装置104により読み取られてもよい。読み取られた二次元コードは、ネットワーク106を介してサーバー300に送信され、制御部302は、受信した二次元コードに対応する取引Noを特定できる。
【0100】
[納品先における処理]
図6を参照して、納品先200において実行される処理に関して説明する。図6に示した処理は、納品先200の各部門に配置されたPC202において所定のアプリケーションが起動されることにより実現される。具体的には、PC202が操作されて、サーバー300が提供しているWebアプリケーションにログインすることにより、処理を選択する画面が表示される。ここでは、「納品処理」及び「送金処理」の選択肢(ボタン)が表示されるとする。
【0101】
ステップ500において、PC202が操作され、「納品処理」が選択されたか否かが判定される。納品処理が選択された場合、制御はステップ502に移行する。例えば、受領担当者によりPC202が操作されて納品処理が選択される。そうでなければ(例えば、経理部門に配置されたPC202が操作されて送金処理が選択された場合)、制御はステップ512に移行する。
【0102】
ステップ502において、選択可能なボタンとして「受け入れ」及び「差し戻し」を含む画面がPC202に表示され、第1の実施の形態において示したように、納品先200に到着した配送物に対して、受領担当者により、デリバリーパックから取出した納品伝票を用いて納品の確認処理が行われる。また、受領担当者は、デリバリーパックに含まれる納品伝票を使用せず、デリバリーパックに含まれた二次元コードを読み取り、該当する納品データをダウンロードして納品の確認に利用してもよい。その場合、制御部302は、トラッキングポイント320のうち、読み取った二次元コードに対応する取引NoのTP_Noに、マスタデータ322を参照して「納品データのダウンロード」に対応するデータを設定する。その後、制御はステップ504に移行する。
【0103】
ステップ504において、ステップ502により確認された結果、配送物に不備があったか否かを判定する。不備があったと判定された場合、PC202に表示されている「差し戻し」が選択された後、制御はステップ510に移行する。そうでなければ、「受け入れ」が選択され、制御はステップ506に移行する。例えば、配送物の数量が、納品伝票に記載された数量と一致していない場合、不備と判定される。
【0104】
ステップ506において、配送物が受け入れられ(保管場所への移動等)、配送物に添付されたデリバリーパックに含まれていた二次元コード(印刷物)及び納品伝票は、経理部門に回付される。その後、制御はステップ508に移行する。なお、受領担当者は、適宜PC202を操作し、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトする。
【0105】
ステップ508において、経理部門に配置されたPC202が操作されることにより、納品データ310のダウンロードが行われる。具体的には、ステップ506により経理部門に回付された二次元コードが、入出力装置204により読み取られる。読み取られた二次元コードは、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コードに対応する納品データ310をPC202に送信する。それに伴い、制御部302は、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320を更新する。具体的には、制御部302は、トラッキングポイント320のTP_Noに、マスタデータ322を参照して「納品データのダウンロード」に対応するデータを設定する。ダウンロードされた納品データ310は、納品先200の経理処理システムに入力される。その後、PC202が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、納品先200における納品処理は終了する。
【0106】
ステップ504の判定結果がYESであれば、ステップ510において、配送物の差し戻しを登録する。具体的には、受領担当者によりPC202が操作されることにより、デリバリーパックに封入されていた二次元コードが入出力装置204により読み取られる。読み取られた二次元コードは、差し戻しを表す情報と共に、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320を更新する。具体的には、制御部302は、トラッキングポイント320のうち、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320のTP_Noに、マスタデータ322を参照して「配送物の差し戻し」に対応するデータを設定する。その後、PC202が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、納品先200における納品処理は一時中断する。なお、差し戻しの対象となった配送物に添付された二次元コード(印刷物)をどのように扱うかは任意(運用次第)である。即ち、二次元コードは、当該配送物及び納品伝票と共に、出荷元100に返送されてもよい。二次元コードは出荷元100に返送されなくてもよい。二次元コード(印刷物)が出荷元100に返送された場合、上記したように、出荷元100において新たな納品情報の登録(ステップ406参照)又はキャンセル処理(ステップ430参照)が行われる際に、返送された二次元コードが利用され得る。
【0107】
ステップ500の判定結果がNO(送金処理の選択)であれば、ステップ512において、請求内容を確認する処理が行われる。具体的には、経理部門に配置されたPC202が操作されることにより、二次元コードが入出力装置204により読み取られる。この二次元コード(第2二次元コード)は、図5のステップ418により、請求書と共に封筒等に封入され、出荷元100から送付されたものである。読み取られた二次元コードは、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コードに対応する請求データ318をPC202に送信する。それに伴い、制御部302は、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320を更新する。即ち、制御部302は、トラッキングポイント320のTP_Noに、マスタデータ322を参照して「請求データのダウンロード」に対応するデータを設定する。請求データ318のダウンロードが完了すると、選択可能なボタンとして「承認」及び「差し戻し」を含む画面がPC202に表示された後、制御はステップ514に移行する。
【0108】
ダウンロードされた請求データ318は、納品先200の経理処理システムに入力される。サーバー300に仕訳条件(例えば、納品先200の経理処理システムにおいて用いられる勘定科目)が登録されていれば、請求データ318は、登録された仕訳条件に従って仕訳された状態(例えば、勘定科目の情報が付されたデータ形式)でダウンロードされる。
【0109】
ステップ514において、経理担当者により請求書の照合が行われる。具体的には、ステップ508により経理処理システムに入力された納品データと、ステップ512により経理処理システムに入力された請求データとを照合する。
【0110】
ステップ516において、ステップ514により照合された結果、請求書に不備があったか否かを判定する。不備があったと判定された場合、PC202に表示されている「差し戻し」が選択された後、制御はステップ522に移行する。例えば、請求書(請求データ)に対応する納品伝票(納品データ)の金額の合計が、請求額と一致しない場合、不備と判定される。不備がなければ、PC202に表示されている「承認」が選択され、制御はステップ518に移行する。
【0111】
ステップ518において、請求の承認が行われる。具体的には、PC202から、ステップ512において読み取られた二次元コードが、ステップ516において選択された「承認」を表す情報と共に、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320を更新する。即ち、制御部320は、トラッキングポイント320のTP_Noに、マスタデータ322を参照して「請求承認」に対応するデータを設定する。
【0112】
ステップ518において、支払い処理が実行される。具体的には、経理担当者により、出荷元100指定の銀行口座等への送金処理が行われた後、PC202が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションにログインし、送金処理を行った請求書に対応する取引Noを特定する。制御部302は、特定された取引NoのTP_Noに、マスタデータ322を参照して「送金」に対応するデータを設定する。その後、PC202が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、納品先200における送金処理は終了する。
【0113】
ステップ516の判定結果がYESであれば、ステップ522において、請求書の差し戻しを登録する。具体的には、PC202から、ステップ512において読み取られた二次元コードが、ステップ516において選択された「差し戻し」を表す情報と共に、ネットワーク106を介してサーバー300に送信される。制御部302は、受信した二次元コードに対応するトラッキングポイント320を更新する。即ち、制御部320は、トラッキングポイント320のTP_Noに、マスタデータ322を参照して「請求書の差し戻し」に対応するデータを設定する。その後、PC202が操作され、サーバー300が提供しているWebアプリケーションからログアウトすることにより、納品先200における送金処理は一時中断する。経理担当者は、適宜出荷元100の経理部門に、請求書の不備を連絡し、請求書の再発行を依頼する。
【0114】
差し戻しの対象となった請求書に添付された二次元コード(印刷物)を、出荷元100に返送するか否かは任意(運用次第)である。二次元コード(印刷物)が出荷元100に返送された場合、上記したように、出荷元100において新たな請求情報の登録(ステップ416参照)が行われる際に、返送された二次元コードが使用され得る。
【0115】
以上により、第1の実施の形態と同様に、出荷元100から配送物を出荷する際に、サーバー300においては、納品データ310が記憶され、対応する関連付けデータ312(第1関連付けデータ)、二次元コード314(第1二次元コード)及びトラッキングポイント320が生成され、それらのデータが一元的に管理される。したがって、納品先200の受領担当者は納品確認を効率的に行うことができる。また、出荷元100から所定期間毎に請求書を発送する際に、サーバー300においては、請求データ318が記憶され、対応する関連付けデータ312(第2関連付けデータ)、二次元コード314(第2二次元コード)及びトラッキングポイント320が生成され、それらのデータが一元的に管理される。したがって、納品先200の経理担当者は、請求額の確認処理及び送金処理を効率的に行うことができる。
【0116】
サーバー300において、納品データ310及び請求データ318が一元的に管理され、それらに対応するトラッキングポイント320が設けられ、トラッキングポイント320は取引の進捗に応じて更新される。出荷元100及び納品先200のいずれからも、サーバー300に記憶されたデータ(納品データ310、請求データ318及びトラッキングポイント320)を閲覧可能にする。これにより、出荷元100及び納品先200における各担当者は、出荷元100及び納品先200の間の物流及び商流の進捗状況を容易に確認でき、担当業務を効率的に行うことができる。
【0117】
特に、納品伝票及び請求書が電子化され、取引における各処理に応じてトラッキングポイント320(TP_No)が更新され、二次元コードの読み取り等によりトラッキングポイント320(TP_No)を参照することにより、次の処理(業務)が分かる。即ち、上記した第3の実施の形態に係るシステムは、物流における、データ駆動型のシステムであり且つ取引状況をトラッキング可能なシステム(物流業向けデータ駆動型トラッキングシステム)である。伝票(納品伝票及び請求書)の改ざんを防止する観点から、伝票発送後(納品データ及び請求データのアップロード後)、サーバー300に記憶された該当データの修正を行わせない。これにより、配送物(納品伝票)又は請求書が差し戻された場合にも、該当データは、出荷元100及び納品先200のいずれからも閲覧可能な状態で、履歴として残る。税金計算の変更(切り上げ、切り捨て、四捨五入等)、又は、空売り的な未決済の伝票に関しても一目で確認でき、税に関する不正を防止できる。
【0118】
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。なお、本発明と同一及び均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0119】
100 出荷元
102、202 PC
104、204 入出力装置
106 ネットワーク
200 納品先
300 サーバー
302 制御部
304 通信部
306 ストレージ部
308 操作部
310 納品データ
312 関連付けデータ
314 二次元コード
316 ユーザデータ
318 請求データ
320 トラッキングポイント
322 マスタデータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6