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特開2022-162972タービンロードカップリング冷却システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022162972
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】タービンロードカップリング冷却システム
(51)【国際特許分類】
   F02C 7/18 20060101AFI20221018BHJP
   F01D 25/12 20060101ALI20221018BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20221018BHJP
   F02C 7/36 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
F02C7/18 A
F01D25/12 E
F01D25/00 F
F02C7/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022037834
(22)【出願日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】17/228,794
(32)【優先日】2021-04-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】ジェラルド・プラタ
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ・マリオ・ロチン・マチャド
(72)【発明者】
【氏名】ラヴィンダー・イェラム
(72)【発明者】
【氏名】バラクリシュナン・ポヌラジ
(72)【発明者】
【氏名】トー・ヴァンカン・グエン
(57)【要約】
【課題】タービン用のロードカップリングを冷却するシステムを提供する。
【解決手段】ガスタービン(120)に結合され、排気ハウジング(126)内に配置されたロードカップリング(140)を冷却するためのシステムが提供される。システムは、ロードカップリング(140)の周りに取り付けられるように構成されたシュラウド(162)を含み、シュラウド(162)は、シュラウド(162)とロードカップリング(140)との間の入口通路(170)、および排気ハウジング(126)とシュラウド(162)との間の出口通路(172)を画定する。システムはまた、ロードカップリング(140)に結合するように構成された一組のブレード(200、204)を含む。一組のブレード(200、204)は、一組のブレード(200、204)がロードカップリング(140)と共に回転するときに空気(202)を入口通路(170)に引き込むように角度付けされる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン(120)に結合され、排気ハウジング(126)内に配置されたロードカップリング(140)を冷却するためのシステム(160)であって、
前記ロードカップリング(140)の周りに取り付けられるように構成されたシュラウド(162)であって、前記シュラウド(162)と前記ロードカップリング(140)との間の入口通路(170)、および前記排気ハウジング(126)と前記シュラウド(162)との間の出口通路(172)を画定するシュラウド(162)と、
前記ロードカップリング(140)に結合するように構成された一組のブレード(200、204)であって、前記一組のブレード(200、204)が前記ロードカップリング(140)と共に回転するときに空気(202)を前記入口通路(170)に引き込むように角度付けされる一組のブレード(200、204)と
を備える、システム(160)。
【請求項2】
前記排気ハウジング(126)は、前記シュラウド(162)から半径方向に離間したトンネル(132)を画定し、前記入口通路(170)および前記出口通路(172)は、前記トンネル(132)内の前記シュラウド(162)の前方端部(174)の周りで互いに流体結合し、前記空気(202)は、前記入口通路(170)内を前方方向に流れ、前記出口通路(172)内を後方方向に流れる、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項3】
前記トンネル(132)および前記ロードカップリング(140)は、前記ロードカップリング(140)の前記前方端部(174)に半径方向開口部(176)を画定し、それを通って上流源からのガス(178)が入り前記入口および出口通路(170、172)内の前記空気(202)と混合する、請求項2に記載のシステム(160)。
【請求項4】
前記シュラウド(162)は、円錐台形体を有し、前記円錐台形体の前方端部(174)および後端部(180)の少なくとも一方は、外側に広がった表面(182)を有する、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項5】
前記一組のブレード(200、204)は、複数のセグメント(212)を含むブレードマウント(210)を含み、各セグメント(212)は、前記一組のブレード(200、204)の少なくとも1つのブレード(204)を含む、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項6】
前記ブレードマウント(210)は、前記ロードカップリング(140)の後方端部でシャフトカプラ(148)に結合するように構成される、請求項5に記載のシステム(160)。
【請求項7】
前記ロードカップリング(140)の周りに間隔を空けて前記シュラウド(162)を前記排気ハウジング(126)に取り付けるように構成されたシュラウドマウント(184)をさらに備える、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項8】
前記シュラウド(162)は、いくつかのセグメント(190)を含み、前記いくつかのセグメント(190)は、取り付けられた状態で前記シュラウド(162)を集合的に形成するように構成される、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項9】
前記シュラウド(162)および前記一組のブレード(200、204)は、前記排気ハウジング(126)内に軸方向に位置決めされる、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項10】
前記排気ハウジング(126)は、前記シュラウド(162)から半径方向に離間したトンネル(132)を画定し、前記トンネル(132)は、円筒形の内面(134)を含み、前記シュラウド(162)および前記トンネル(132)の前記円筒形の内面(134)は、前記出口通路(172)を画定する、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項11】
前記一組のブレード(200、204)における各ブレード(204)は、その前方端部(206)において、その後方端部(208)よりも大きな半径方向距離まで延びる、請求項1に記載のシステム(160)。
【請求項12】
ガスタービンシステム(100)であって、
ロータシャフト(124)および排気ハウジング(126)を含むガスタービン(120)と、
前記ガスタービン(120)の前記ロータシャフト(124)の後端部(128、180)に結合され、前記ガスタービン(120)の前記排気ハウジング(126)を通って延びるロードカップリング(140)と、
前記ロードカップリング(140)を冷却するためのシステム(160)であって、
前記ロードカップリング(140)の周りに取り付けられるように構成されたシュラウド(162)であって、前記シュラウド(162)と前記ロードカップリング(140)との間の入口通路(170)、および前記排気ハウジング(126)と前記シュラウド(162)との間の出口通路(172)を画定するシュラウド(162)、ならびに
前記ロードカップリング(140)に結合するように構成された一組のブレード(200、204)であって、前記一組のブレード(200、204)が前記ロードカップリング(140)と共に回転するときに空気(202)を前記入口通路(170)に引き込むように角度付けされる一組のブレード(200、204)
を含むシステム(160)と
を備える、ガスタービンシステム(100)。
【請求項13】
前記排気ハウジング(126)は、前記シュラウド(162)から半径方向に離間したトンネル(132)を画定し、前記入口通路(170)および前記出口通路(172)は、前記トンネル(132)内の前記シュラウド(162)の前方端部(174)の周りで互いに流体結合し、前記空気(202)は、前記入口通路(170)内を前方方向に流れ、前記出口通路(172)内を後方方向に流れる、請求項12に記載のガスタービンシステム(100)。
【請求項14】
前記トンネル(132)および前記ロードカップリング(140)は、前記ロードカップリング(140)の前記前方端部(174)に半径方向開口部(176)を画定し、それを通って上流源からのガス(178)が入り前記入口および出口通路(170、172)内の前記空気(202)と混合する、請求項13に記載のガスタービンシステム(100)。
【請求項15】
前記シュラウド(162)は、円錐台形体を有し、前記本体の前方端部(174)および後端部(180)の少なくとも一方は、外側に広がった表面(182)を有する、請求項12に記載のガスタービンシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、ガスタービンに関し、より詳細には、タービン用のロードカップリングを冷却するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンは、ロードカップリングによって発電機などの負荷に回転可能に結合される。ロードカップリングは、例えば、前方端部がガスタービンのロータシャフトに結合し、後方端部が負荷の回転シャフトに結合するシャフトを含む。いくつかの軸受を使用して、ロータシャフト、ロードカップリング、および負荷の回転シャフトを回転可能に支持することができる。ロードカップリングは、ガスタービンの排気ハウジング内のトンネル、例えば、円筒形のハウジングを通って延びる。ガスタービンからの排気は、トンネルの半径方向外部の排気ハウジングを通過する。排気よりも冷たいガスがトンネルの前方端部からトンネルに入り、ロードカップリングのいくらかの冷却を提供することができる。ロードカップリングはまた、外部送風機を使用してロードカップリングの後方端部および排気ハウジングに向かって空気を循環させることによって冷却されてもよい。
【発明の概要】
【0003】
以下に述べるすべての態様、例、および特徴は、任意の技術的に可能な方法で組み合わせることができる。
【0004】
本開示の一態様は、ガスタービンに結合され、排気ハウジング内に配置されたロードカップリングを冷却するためのシステムであって、ロードカップリングの周りに取り付けられるように構成されたシュラウドであって、シュラウドとロードカップリングとの間の入口通路、および排気ハウジングとシュラウドとの間の出口通路を画定するシュラウドと、ロードカップリングに結合するように構成された一組のブレードであって、一組のブレードがロードカップリングと共に回転するときに空気を入口通路に引き込むように角度付けされる一組のブレードとを備える、システムを提供する。
【0005】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、排気ハウジングは、シュラウドから半径方向に離間したトンネルを画定し、入口通路および出口通路は、トンネル内のシュラウドの前方端部の周りで互いに流体結合する。空気は、入口通路内を前方方向に流れ、出口通路内を後方方向に流れる。
【0006】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、トンネルおよびロードカップリングは、ロードカップリングの前方端部に半径方向開口部を画定し、それを通って上流源からのガスが入り入口および出口通路内の空気と混合する。
【0007】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、シュラウドは、円錐台形体を有し、円錐台形体の前方端部および後端部の少なくとも一方は、外側に広がった表面を有する。
【0008】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、一組のブレードは、複数のセグメントを含むブレードマウントを含み、各セグメントは、一組のブレードの少なくとも1つのブレードを含む。
【0009】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、ブレードマウントは、ロードカップリングの後方端部でシャフトカプラに結合するように構成される。
【0010】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、ロードカップリングの周りに間隔を空けてシュラウドを排気ハウジングに取り付けるように構成されたシュラウドマウントをさらに含む。
【0011】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、シュラウドは、いくつかのセグメントを含み、いくつかのセグメントは、取り付けられた状態でシュラウドを集合的に形成するように構成される。
【0012】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、各ブレードは、ロードカップリングに個々に結合される。
【0013】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、排気ハウジングは、シュラウドと共に出口通路を画定する円筒形の内面を含む。
【0014】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、一組のブレードにおける各ブレードは、その前方端部において、その後方端部よりも大きな半径方向距離まで延びる。
【0015】
本開示の一態様は、ガスタービンシステムであって、ロータシャフトおよび排気ハウジングを含むガスタービンと、ガスタービンのロータシャフトの後端部に結合され、ガスタービンの排気ハウジングを通って延びるロードカップリングと、ロードカップリングを冷却するためのシステムであって、ロードカップリングの周りに取り付けられるように構成されたシュラウドであって、シュラウドとロードカップリングとの間の入口通路、および排気ハウジングとシュラウドとの間の出口通路を画定するシュラウド、ならびにロードカップリングに結合するように構成された一組のブレードであって、一組のブレードがロードカップリングと共に回転するときに空気を入口通路に引き込むように角度付けされる一組のブレードを含むシステムとを備える、ガスタービンシステムを提供する。
【0016】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、排気ハウジングは、シュラウドから半径方向に離間したトンネルを画定し、入口通路および出口通路は、トンネル内のシュラウドの前方端部の周りで互いに流体結合する。空気は、入口通路内を前方方向に流れ、出口通路内を後方方向に流れる。
【0017】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、トンネルおよびロードカップリングは、ロードカップリングの前方端部に半径方向開口部を画定し、それを通って上流源からのガスが入り入口および出口通路内の空気と混合する。
【0018】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、シュラウドは、円錐台形体を有し、円錐台形体の前方端部および後端部の少なくとも一方は、外側に広がった表面を有する。
【0019】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、一組のブレードは、複数のセグメントを含むブレードマウントを含み、各セグメントは、一組のブレードの少なくとも1つのブレードを含む。
【0020】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、ブレードマウントは、ロードカップリングの端部でシャフトカプラに結合するように構成される。
【0021】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、ロードカップリングの周りに間隔を空けてシュラウドを排気ハウジングに取り付けるように構成されたシュラウドマウントをさらに含む。
【0022】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、シュラウドは、いくつかのセグメントを含み、いくつかのセグメントは、取り付けられた状態でシュラウドを集合的に形成するように構成される。
【0023】
本開示の別の態様は、前述の態様のいずれかを含み、各ブレードは、ロードカップリングに個々に結合され、各ブレードは、少なくともロードカップリングに対するブレードの位置を保持するように構成された位置決め要素を含む。
【0024】
本開示の一態様は、ガスタービンのロードカップリングを冷却する方法であって、空気をロードカップリングがガスタービンの排気ハウジング内を通過する空間に引き込むことを含む方法を提供する。空間を分割するためにシュラウドを使用して、空気をシュラウドとロードカップリングとの間で前方に引き込み、次いでシュラウドと排気ハウジングとの間で後方に通過させることができる。
【0025】
この概要のセクションで説明されているものを含む、本開示で説明されている2つ以上の態様を組み合わせて、本明細書で具体的に説明されていない実施態様を形成することができる。
【0026】
1つまたは複数の実施態様の詳細は、添付の図面および以下の説明に記載されている。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【0027】
本開示のこれらおよび他の特徴は、本開示の様々な実施形態を図示する添付の図面と併せて、本開示の様々な態様に関する以下の詳細な説明から、さらに容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】例示的なガスタービンシステムの概略図である。
図2】本開示の実施形態による、冷却システムを含む排気ハウジングおよびロードカップリングの断面図である。
図3】本開示の実施形態による、冷却システムを含む排気ハウジングおよびロードカップリングの部分断面斜視図である。
図4】本開示の実施形態による、冷却システム用のシュラウドの斜視図である。
図5】本開示の実施形態による、ロードカップリング上の一組のブレードの後方斜視図である。
図6】本開示の実施形態による、ロードカップリング上の一組のブレードの拡大前方斜視図である。
図7】本開示の実施形態による、ロードカップリング上の一組のブレードの拡大後方斜視図である。
図8】本開示の代替の実施形態による、ロードカップリングおよび一組のブレードの後方斜視図である。
図9】本開示の代替の実施形態による、ブレードの拡大斜視図である。
図10図9のブレードの側面図である。
図11】本開示の追加の代替の実施形態による、ロードカップリングおよび一組のブレードの後方斜視図である。
図12図11のブレードの1つの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本開示の図面は、必ずしも原寸に比例しないことに留意されたい。図面は、本開示の典型的な態様だけを図示することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものと考えるべきではない。図面では、類似する符号は、図面間で類似する要素を表す。
【0030】
最初の問題として、本開示の主題を明確に説明するために、ガスタービン内の関連する機械構成要素を参照して説明するときに、特定の専門用語を選択することが必要になる。可能な限り、一般的な工業専門用語が、その受け入れられた意味と同じ意味で使用および利用される。別途記載のない限り、このような専門用語は、本出願の文脈および添付の特許請求の範囲と一致する広義の解釈を与えられるべきである。当業者であれば、多くの場合、特定の構成要素がいくつかの異なるまたは重複する用語を使用して参照されることがあることを理解するであろう。単一の部品であるとして本明細書に記載され得るものは、複数の構成要素からなるものとして別の文脈を含み、かつ別の文脈で参照されてもよい。あるいは、複数の構成要素を含むものとして本明細書に記載され得るものは、単一の部品として他の場所で参照されてもよい。
【0031】
加えて、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができ、このセクションの開始時にこれらの用語を定義することが有用であることがわかる。これらの用語およびその定義は、別途記載のない限り、以下の通りである。本明細書で使用する場合、「下流」および「上流」とは、タービンエンジンを通る作動流体、または例えば、燃焼器を通る空気の流れ、もしくはタービンの構成要素システムの1つを通る冷却剤などの流体の流れに対する方向を示す用語である。「下流」という用語は、流体の流れの方向に対応し、「上流」という用語は、流れとは反対の方向(すなわち、流体が流れてくる方向)を指す。「前方」および「後方」または「後部」という用語は、別途指定のない限り、方向を指し、「前方」はガスタービンシステムの前部または圧縮機端部を指し、「後方」および「後部」はガスタービンシステムの後方セクション、すなわち、後端部駆動ガスタービンシステム内の負荷に近いセクションを指す。
【0032】
多くの場合、中心軸線に関して異なる半径方向位置に配置された部品を記述することが要求される。「半径方向」という用語は、軸線に垂直な移動または位置を指す。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線に近接して位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向内側」または「内方」にあると述べる。一方、第1の構成要素が第2の構成要素よりも軸線から遠くに位置する場合には、本明細書では、第1の構成要素は第2の構成要素の「半径方向外側」または「外方」にあると述べることができる。「軸方向」という用語は、軸線に平行な移動または位置を指す。最後に、「円周方向」という用語は、軸線周りの移動または位置を指す。このような用語は、タービンの中心軸線、すなわち、そのロータシャフトおよび/またはロードカップリングに関連して適用することができることが理解されよう。
【0033】
加えて、以下に記載のように、本明細書ではいくつかの記述的用語を規則通りに使用することができる。「第1の」、「第2の」、および「第3の」という用語は、ある構成要素を別の構成要素から区別するために交換可能に使用することができ、個々の構成要素の場所または重要性を示すことを意図するものではない。
【0034】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用する場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「この(the)」は、特に明示しない限り、複数形も含むことを意図している。「備える(comprise)」および/または「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用する場合、記載した特徴、整数、ステップ、動作、要素、および/または構成要素が存在することを明示するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、および/またはそれらの組が存在することまたは追加することを除外しないことがさらに理解されよう。「任意選択の」または「任意選択で」は、後で述べられる事象もしくは状況が起こる場合も起こらない場合もあること、または後で述べられる構成要素もしくは要素が存在する場合もしない場合もあることを意味し、この記述は、その事象が起こるまたは構成要素が存在する事例と、起こらないまたは存在しない事例とを含むことを意味する。
【0035】
ある要素または層が別の要素または層に対して「上に」、「係合される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合には、他の要素または層に対して直接上に、係合され、接続され、または結合されてもよいし、あるいは介在する要素または層が存在してもよい。逆に、ある要素が別の要素または層に対して「直接上に」、「直接係合される」、「直接接続される」、または「直接結合される」と言及される場合には、介在する要素または層は存在しなくてもよい。要素間の関係について説明するために使用される他の語も、同様に解釈されるべきである(例えば、「~の間に」に対して「直接~の間に」、「~に隣接して」に対して「直接~に隣接して」など)。本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された項目のうちの1つまたは複数のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0036】
上述のように、本開示は、タービンロードカップリング冷却システムを提供する。システムは、ロードカップリングの周りに周囲からまたは換気ダクトワークから空気を導入し、高温空気をロードカップリングから離れる方向に向け直して動作中にロードカップリングの温度を低下させるために、ロードカップリングおよびロードカップリングに沿ったシュラウドに対して一組のブレードを追加する。冷却システムの意図は、一組のブレード、すなわち、プロペラ、および排気ハウジングとシュラウドを使用したロードカップリングとの間の空間内の物理的分割部を追加することによって、ロードカップリングを冷却することである。冷却システムは、高温排気から空気の流れを分離し、両方のガスのためのトラップを形成し、より低温の空気をロードカップリングと接触させたままにする。システムは、新旧の様々なロードカップリングのための信頼性の高い冷却システムを提供し、動作中のロードカップリングの高温を低下させる。システムはまた、システムの部品の内側にあり得る計装機器、センサ、軸受ハウジング、および流体配管などの他の構造を冷却する。加えて、システムは、より高い温度に対処するためにロードカップリングにおいてより特殊な材料を使用する必要性を回避し、したがってエンドユーザのコストを節約する。
【0037】
図1は、例示的なガスタービン(GT)システム100の概略図である。GTシステム100は、回転シャフト114を有する多段軸流圧縮機112を含むと考えることができる。空気は、点116で圧縮機112の入口に入り、軸流圧縮機112によって圧縮され、次いで燃焼器118に排出され、そこで天然ガスなどの燃料が燃焼されてガスタービン120を駆動する高エネルギー燃焼ガスを提供する。ガスタービン120では、高温ガスのエネルギーが仕事に変換され、その一部は回転シャフト114を通じて圧縮機112を駆動するために使用され、残りは電気を発生させるためにロータシャフト124(すなわち、回転シャフト114の延長部)を介して発電機122などの負荷を駆動する有用な仕事に利用可能である。GTシステム100からの排気は、排気ハウジング126に収集される。
【0038】
図2は、GTシステム100、特に排気ハウジング126およびロードカップリング140の拡大概略図を示す。図3は、排気ハウジング126およびロードカップリング140の部分断面斜視図を示す。図示のように、排気ハウジング126は、軸方向に貫通するトンネル132を含む外側エンクロージャ130を含む。トンネル132は、任意の断面形状を有することができるが、しばしば円筒形の断面を有する。トンネル132は、内面134を有する。排気ハウジング126は、ガスタービン120の後方端部に位置決めされ、ガスタービン排気152を受け入れる。排気ハウジング126は、様々な排気流を収集し、その後の加熱使用または任意の必要な環境処理後の大気への放出のために排気152を向け直す。トンネル132を含む排気ハウジング126は、排気152の高温、例えば、537℃(約1000°F)以上に耐えることが可能な、金属または金属合金などの任意の材料で作製することができる。
【0039】
ロードカップリング140は、排気ハウジング126のトンネル132を通って延びる。図2に示すように、ロードカップリング140は、ガスタービン120のロータシャフト124を発電機などの負荷122の回転シャフト142に結合し、ガスタービン120から負荷122に回転動力を伝達することを可能にする。より詳細には、ロードカップリング140は、ガスタービン120のロータシャフト124の後端部128(図2)に結合し、ガスタービン120の排気ハウジング126のトンネル132を通って延びる。ロードカップリング140は、2つの回転シャフト124、142を結合し、それに加えられる機械的力に耐えることが可能な任意の構造を含むことができる。ロードカップリング140は、例えば、金属または金属合金シャフト144を含むことができる。ロードカップリング140はまた、シャフト144をロータシャフト124に結合する前方シャフトカプラ146と、シャフト144を負荷122の回転シャフト142に結合する後方シャフトカプラ148とを含んでもよい。各シャフトカプラ146、148は、限定はしないが、互いにボルト締めすることができる対になった半径方向に延びるフランジなど、回転要素を結合する任意の現在知られているまたは今後開発されるシステムを含むことができる。様々なシャフトを回転可能に支持するために、任意の数および様々な軸受(すべては図示せず)を設けることができる。例えば、ガスタービン(GT)軸受150は、排気ハウジング126の上流でロータシャフト124および/またはロードカップリング140を回転可能に支持することができる。
【0040】
図2および図3に示すように、排気152は、排気ハウジング126に入り、収集されて垂直方向に向けられる(例えば、ロードカップリング140から半径方向外側に)。排気ハウジング126はまた、排気ハウジング126内で半径方向に排気152を向けるためにトンネル132と隣接する任意選択の円錐台形の後部セクション154を含むことができる。排気152は、例えば、任意の現在知られているまたは今後開発される方式で加熱源として使用することができる。高温排気152は、例えば、537℃(約1000°F)以上の温度を有し、これは高温すぎてロードカップリング140に対して冷却を提供することができない。ここで、トンネル132は、高温排気152がロードカップリング140に直接接触するのを防止する。しかし、現在のGTシステム100はより高い焼成温度を使用しており、トンネル132の存在にもかかわらず、ロードカップリング140の冷却に悪影響を及ぼすより高温の排気152をもたらしている。
【0041】
図2および図3はまた、本開示の実施形態による、ロードカップリング140を冷却するためのシステム160を示す。上述したように、ロードカップリング140は、ガスタービン120に結合され、排気ハウジング126内に配置される。システム160は、ロードカップリング140の周りに取り付けられるように構成されたシュラウド162と、ロードカップリング140の上に空気202(図2)を引き込むように構成された一組のブレード200とを含む。トンネル132は、シュラウド162から半径方向に離間している。したがって、シュラウド162は、ロードカップリング140とトンネル132との間の空間164を別個の通路170、172に分離するように作用する。より詳細には、シュラウド162は、シュラウド162とロードカップリング140との間の入口通路170、およびシュラウド162と排気ハウジング126、例えば、トンネル132および/または円錐台形の後部セクション154との間の出口通路172を画定する。排気ハウジング126は、シュラウド162と共に出口通路172を画定する(トンネル132の)内面134を含む。入口通路170は、出口通路172の半径方向内側として示されている。
【0042】
シュラウド162は、ガスがシュラウド162の前方端部174の周りを入口通路170から出口通路172に通過することができるように、ロードカップリング140の端部、例えば、前方シャフトカプラ146の近くから軸方向に離間した前方端部174を有することができる。したがって、入口通路170および出口通路172は、トンネル132内でシュラウド162の前方端部174の周りに互いに流体結合される。図3に最もよく示すように、トンネル132およびロードカップリング140(より詳細には、ロードカップリング140の前方シャフトカプラ146)は、ロードカップリング140の前方端部に半径方向開口部176を画定する。後述するように、上流源からのガス178は、半径方向開口部176を通って入り、入口および出口通路170、172内の空気と混合することができる。ガス178の上流源は、任意の上流構造を含むことができる。1つの非限定的な例では、上流源は、部分的に、ロータシャフト124を回転可能に支持するために使用されるGT軸受150のためのハウジングからの排気152および漏れであってもよい。ガス178が排気152ほど高温ではないため、ガス178は、シュラウド162内のロードカップリング140、計装機器、センサ、軸受ハウジング、および/または流体配管に対してある程度の冷却を提供することができることに留意されたい。1つの非限定的な例では、ガス178は、260℃(約500°F)~370℃(約700°F)の範囲の温度を有し得る。
【0043】
図4は、GTシステム100(図3)から離れた例示的なシュラウド162の斜視図を示す。シュラウド162は、説明したように、任意の構造を含むことができ、空間164(図3)を分離することが可能な任意の形状を有することができる。一実施形態では、シュラウド162は、円筒形またはわずかに円錐台形の形状を有してもよい。図3に示すように、シュラウド162は、より円筒形であってもよく、図4に示すように、シュラウド162は、より円錐台形であってもよい。いずれの場合でも、シュラウド162は、例えば、所望の方向にガスを向けるために、その前方端部174および後端部180の少なくとも一方に外側に広がった表面182を有することができる。代替の実施形態では、外側に広がった表面182は省略されてもよい。シュラウド162は、空間164内の環境に耐えることが可能な、金属または金属合金などの任意の材料で作製することができる。シュラウド162はまた、ロードカップリング140の周りに間隔を空けてシュラウド162を排気ハウジング126に取り付けるように構成されたシュラウドマウント184を含み得る。シュラウドマウント184は、空間164に説明したようにシュラウド162を位置決めすることが可能な任意の現在知られているまたは今後開発される取り付けシステムを含むことができる。図3および図4に示す1つの非限定的な例では、シュラウドマウント184は、例えば、ボルト、溶接部、または他の締結具で、トンネル132などの排気ハウジング126に結合するための1つまたは複数のアーム186を含んでもよい。他の場合には、シュラウド162は、後方シャフトカプラ148の近くで排気ハウジング126とロードカップリング140との間に位置決めされた任意の形態の構造188に取り付けることができる。1つの非限定的な例では、構造188は、保護グリルを含むことができる。他の取り付けソリューションもまた、可能であり得る。いずれの場合でも、図4に示すように、シュラウド162は、任意選択で、取り付けられた状態でシュラウド162を集合的に形成するように構成されたいくつかのセグメント190を含んでもよい。各セグメント190は、シュラウド162の設置を容易にするために適切であると考えられる任意の角度範囲および任意の軸方向範囲のシュラウド162を提供することができる。図示の非限定的な例では、各セグメント190は、180°のシュラウド162およびその全軸方向範囲を提供する。理解されるように、例えば、新旧のGTシステム100に対するシュラウド162の設置を容易にするために、任意の形態のセグメント化を実施することができる。
【0044】
上述したように、ロードカップリング140を冷却するためのシステム160はまた、ロードカップリング140に結合するように構成された一組のブレード200を含むことができる。図5は、ロードカップリング140および一組のブレード200の後方斜視図を示し、図6は、ロードカップリング140および一組のブレード200の拡大前方斜視図を示す。一組のブレード200は、ロードカップリング140の上に所望の空気202の流量、体積などを生成するために必要な任意の数のブレード204を含むことができる。図5に最もよく示すように、一組のブレード200(すなわち、各ブレード204)は、空気202をロードカップリング140に沿って、すなわち、入口通路170に引き込むように動作するように角度付けまたは湾曲される。より詳細には、図2に最もよく示すように、一組のブレード200は、一組のブレード200がロードカップリング140と共に回転するときに空気202を入口通路170に引き込むように角度付けまたは湾曲される。各ブレード204は、同じ角度または湾曲を有してもよく、または変化してもよい。例えば図6に示す特定の実施形態では、一組のブレード200における各ブレード204は、その軸方向前方端部206において、その軸方向後方端部208よりも大きな半径方向距離まで延びてもよい。すなわち、それらは、空気202が入口通路170に入るにつれて、シュラウド162に向かって半径方向外側にますます遠くに延びる。しかし、ブレード204の半径方向範囲における他の変形例も用いることができる。ブレードの軸方向前方端部206は、ロードカップリング140(例えば、図5参照)に接近または接触することができ、軸方向後方端部208は、ブレードマウント210を介して後方シャフトカプラ148に結合される。空気202は、発電機122の周囲、換気システム、流れ生成プロペラ、または他の供給源などの任意の場所から供給されてもよい。
【0045】
図7は、一組のブレード200の拡大斜視図を示す。一組のブレード200は、ロードカップリング140の後方端部でシャフトカプラ148に結合するように構成されたブレードマウント210を含む。図示のように、ブレードマウント210は、一組のブレード200の設置を容易にするために複数のセグメント212を含むことができる。任意の数のセグメント212、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つなどを設けることができる。各セグメント212は、一組のブレード200の少なくとも1つのブレード204を含む。このようにして、一組のブレード200は、部分的にロードカップリング140に容易に結合することができる。一実施形態では、各セグメント212は、例えば、後方シャフトカプラ148における開口部と一致するように構成されたいくつかの取り付け孔222を有する半径方向に延びる弓形フランジ220を含む。ブレード204の軸方向後方端部208は、それぞれのフランジ220に固定的に結合される。このようにして、一組のブレード200は、負荷122の回転シャフト142に結合されているときにロードカップリング140に取り付けることができる。フランジ220は、ワッシャに取って代わることができ、または後方シャフトカプラ148の一部である締結具224と共に使用されるワッシャの延長部として作用することができる。
【0046】
図8は、代替の実施形態による、ロードカップリング140および一組のブレード200の後方斜視図を示す。図9は、代替の実施形態による、ブレード204の1つの拡大斜視図を示し、図10は、代替の実施形態による、ブレード204の1つの側面図を示す。ここで、各ブレード204は、ロードカップリング104に個々に結合される。一例では、各ブレード204は、それぞれの締結具224、例えば、ボルトまたはボルト/ナットの組み合わせによって、その中の開口部230を通してロードカップリング140に結合されてもよい。締結具224は、例えば、後方シャフトカプラ148の一部であってもよい。図8では、ブレード204は、締結具224によって定位置に保持されてもよい。必要に応じて、回転を制限または防止するために、例えば、ロックワッシャ、ブレード204およびロードカップリング140の雄雌合わせ面などの追加の構造を用いることができる。図8図10に示すように、一組のブレード200における各ブレード204は、空気202をロードカップリング140に沿って、すなわち、入口通路170に引き込むように動作するように角度付けまたは湾曲される。より詳細には、図10に最もよく示すように、各ブレード204は、一組のブレード200がロードカップリング140と共に回転するときに空気202を入口通路170に引き込むように角度付けまたは湾曲される。各ブレード204は、同じ角度または湾曲を有してもよく、または変化してもよい。
【0047】
図11は、他の代替の実施形態による、ロードカップリング140および一組のブレード200の後方斜視図を示し、図12は、他の代替の実施形態による、ブレード204の1つの拡大斜視図を示す。ここで、各ブレード204は、少なくともロードカップリング140、他のブレード204、およびシャフトカプラ148に対するそれぞれのブレード204の位置を保持するように構成された位置決め要素240を含むことができる。位置決め要素240は、ブレード204の位置を維持し、特に、少なくともロードカップリング140に対するブレード204の回転を制限するように構成される。位置決め要素240は、回転を制限するために、本明細書で前述した構造、例えば、ロックワッシャに取って代わることができ、またはそれらの構造と共に使用することができる。一例では、位置決め要素240は、隣接するブレード204上の同様の延長部242、244と係合するブレード204の側面246から延びる延長部242、244を含むことができる。図示の例では、延長部244は、ブレード位置を保持し、一方または両方のブレード204の回転を制限するために、隣接するブレード204の延長部242と係合する。このようにして、位置決め要素240は、ブレードの位置を保持し、ブレードを連結し、少なくともロードカップリング140に対するブレード204の回転を少なくとも制限し、理想的には防止するように作用する。位置決め要素240の特定の形状およびサイズが開示されているが、多種多様な代替の形状およびサイズの要素が使用されてもよい。図11図12に示すように、先の実施形態と同様に、一組のブレード200における各ブレード204は、空気202をロードカップリング140に沿って、すなわち、入口通路170に引き込むように動作するように角度付けまたは湾曲されてもよい。すなわち、各ブレード204は、一組のブレード200がロードカップリング140と共に回転するときに空気202を入口通路170に引き込むように角度付けまたは湾曲されてもよい。各ブレード204は、同じ角度または湾曲を有してもよく、または変化してもよい。
【0048】
図8図12の実施形態に関して、各締結具224はそれぞれのブレード204と共に示されているが、これはすべての場合に必要ではない。例えば、場合によっては、異なる数のブレード204を使用することができ、これは、それだけに限らないが、1つおきの締結具224または2つおきの締結具224を含む。本明細書に記載の実施形態のいずれかでは、ブレード204の数(ブレードサイズ、曲率などの他の要因の中でも)を制御し、ロードカップリング140を冷却するために引き込まれる空気の体積を制御することができる。
【0049】
理解されるように、形態にかかわらず、冷却システム160は、新型のGTシステム100に取り付けることができ、または旧型のGTシステム100に後付けすることができる。設置は、製造環境または発電プラントの現場で行うことができる。
【0050】
動作中、ガスタービン120のロードカップリング140を冷却する方法は、空気202をロードカップリング140がガスタービンの排気ハウジング126内を通過する空間164に引き込むことを含む。空気202は、ロードカップリング140と共に回転する一組のブレード200によって空間164に、より詳細には、シュラウド162とロードカップリング140との間に画定された入口通路170に引き込まれる。空間164を分割するためにシュラウド162を使用して、空気202をシュラウド162とロードカップリング140との間で前方に、すなわち、入口通路170に引き込むことができる。入口通路170および出口通路172は、例えば、トンネル132内でシュラウド162の前方端部174の周りに互いに流体結合する。したがって、空気202は、シュラウド162の前方端部174の周りを通過し、次いでシュラウド162と排気ハウジング126、例えば、トンネル132および/または円錐台形の後部セクション154との間を後方に通過し、最終的に排気ハウジング126から出る。したがって、空気202は、入口通路170内で前方方向(ガスタービン120および排気152内の作動流体と比較して上流)に流れ、出口通路172内で後方方向に、ロードカップリング140の後方端部におけるシャフトカプラ148に向かって流れる。図2および図3に示すように、排気ハウジング126で空気を吹き付けるシステムとは対照的に、冷却システム160、すなわち、シュラウド162および一組のブレード200は、排気ハウジング126内で軸方向にあり、ロードカップリング140への空気202の改善された直接適用を可能にする。また、いくらかの限られた量のガス178(図2図3)が、冷却のために半径方向開口部176(図2図3)を通って空間164に入ることができる。しかし、より高温の排気152は、空間164には入らず、空間内の空気202によって空間164に入るのが防止される。
【0051】
冷却システム160の実施形態は、一組のブレード、すなわち、プロペラ、および排気ハウジング126とロードカップリング140との間の空間164内の物理的分割部を追加することによって、ロードカップリング140を冷却する。したがって、冷却システム160は、高温排気152から空気202の流れを分離し、両方の温度ガスのためのトラップを形成し、より低温の空気202をロードカップリング140と接触させたままにする。したがって、冷却システム160は、新旧の様々なロードカップリング140のための信頼性の高い冷却を提供し、動作中のロードカップリングの高温を低下させる。システムはまた、これらの部品の故障またはコークス化を回避するために、システムの部品の内側にあり得る計装機器、センサ、軸受ハウジング、および流体配管などの他の構造を冷却する。加えて、冷却システム160は、高温に対処するためにロードカップリングにおいてより特殊な材料を使用する必要性を回避し、したがってエンドユーザのコストを節約する。
【0052】
本明細書および特許請求の範囲を通してここで使用される、近似を表す文言は、関連する基本的機能に変化をもたらすことなく、差し支えない程度に変動し得る任意の量的表現を修飾するために適用することができる。したがって、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語によって修飾された値は、明記された厳密な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例では、近似を表す文言は、値を測定するための機器の精度に対応することができる。ここで、ならびに本明細書および特許請求の範囲を通して、範囲の限定は組み合わせおよび/または置き換えが可能であり、文脈または文言が特に指示しない限り、このような範囲は識別され、それに包含されるすべての部分範囲を含む。範囲の特定の値に適用される「約」は、両端の値に適用され、値を測定する機器の精度に特に依存しない限り、記載された値の+/-10%を示すことができる。
【0053】
以下の特許請求の範囲におけるミーンズプラスファンクションまたはステッププラスファンクションの要素すべての、対応する構造、材料、動作、および均等物は、具体的に請求された他の請求要素と組み合わせてその機能を実施するための、一切の構造、材料、または動作を包含することを意図している。本開示の記述は、例示および説明の目的で提示されており、網羅的であることも、または本開示を開示した形態に限定することも意図していない。当業者には、本開示の範囲および趣旨から逸脱することなく多くの修正および変形が明らかであろう。本開示の原理および実際の用途を最良に説明し、想定される特定の使用に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態について本開示を他の当業者が理解することができるようにするために、本実施形態を選択し、かつ説明した。
【符号の説明】
【0054】
100 ガスタービン(GT)システム
104 ロードカップリング
112 圧縮機
114 回転シャフト
116 点
118 燃焼器
120 ガスタービン
122 発電機、負荷
124 ロータシャフト、回転シャフト
126 排気ハウジング
128 後端部
130 外側エンクロージャ
132 トンネル
134 内面
140 ロードカップリング
142 回転シャフト
144 金属または金属合金シャフト
146 前方シャフトカプラ
148 後方シャフトカプラ
150 ガスタービン(GT)軸受
152 ガスタービン排気、高温排気
154 円錐台形の後部セクション
160 冷却システム
162 シュラウド
164 空間
170 入口通路
172 出口通路
174 前方端部
176 半径方向開口部
178 ガス
180 後端部
182 外側に広がった表面
184 シュラウドマウント
186 アーム
188 構造
190 セグメント
200 一組のブレード
202 空気
204 ブレード
206 軸方向前方端部
208 軸方向後方端部
210 ブレードマウント
212 セグメント
220 弓形フランジ
222 取り付け孔
224 締結具
230 開口部
240 位置決め要素
242 延長部
244 延長部
246 側面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】