(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163022
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】心外膜アクセスシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20221018BHJP
A61B 18/14 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A61B17/34
A61B18/14
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022112625
(22)【出願日】2022-07-13
(62)【分割の表示】P 2021042473の分割
【原出願日】2016-09-09
(31)【優先権主張番号】62/216,059
(32)【優先日】2015-09-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】513125957
【氏名又は名称】ベイリス メディカル カンパニー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BAYLIS MEDICAL COMPANY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】アーバンスキ ジョン ポール
(72)【発明者】
【氏名】ミラー ブロック
(72)【発明者】
【氏名】アボウ-マリー ルンド
(57)【要約】 (修正有)
【課題】心臓の囲心腔へのアクセスを得るための針用の方法およびデバイスを提供する。
【解決手段】針は、ルーメンおよびルーメンと連通するサイドポートを定める長尺部材(例えばメインシャフト)、組織を穿刺するためのエネルギー送給用の鈍い非外傷性先端、および、サイドポートを通してデバイス(例えばガイドワイヤ)を導くための案内面24(例えばランプ)、を含む。方法は、針を用いて、心膜をテンティングして、心膜を穿刺するためのエネルギーを送給すること、および、針を通して囲心腔へとガイドワイヤまたは他のデバイスを前進させること、を含む。
【選択図】
図A-V1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心外膜アクセスを得るための針であって、前記針は、ルーメンおよび前記ルーメンと連通するサイドポートを定める長尺部材、組織を穿刺するためのエネルギー送給用の鈍い先端、および、前記サイドポートを通してデバイスを導くための案内面、を備える、針。
【請求項2】
前記長尺部材は金属から成り、前記針は、前記長尺部材の外側をカバーする絶縁体をさらに備え、前記鈍い先端は、電極を定めるために電気的に露出し、前記針は、長尺部材の金属側壁を通じて前記電極にエネルギーを送給するために操作可能である、請求項1に記載の針。
【請求項3】
前記電極は、前記長尺部材よりも大きな放射線不透過性を有する、請求項2に記載の針。
【請求項4】
開口を定めるために前記サイドポートの近位部を絶縁部がカバーし、前記絶縁部は、前記デバイスが前記サイドポートを通して移動するにつれて、前記デバイスと前記サイドポートの近位縁との間の研磨摩擦を減らすように構成される、請求項1に記載の針。
【請求項5】
電気的リークを減らすために、前記サイドポートに隣接する前記長尺部材の内側表面上の絶縁体をさらに備える、請求項2~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項6】
電気的リークを減らすために、前記長尺部材のほとんどまたは実質的に全部の内側表面上の絶縁体をさらに備える、請求項2~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項7】
長尺部材の露出部を定めるために、前記サイドポートに隣接する前記長尺部材の一部および前記サイドポートの遠位部は、電気的に露出している、請求項2~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項8】
前記ルーメンは前記サイドポートで終端する、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項9】
前記針は、それを通って移動するデバイスのための操作可能な単一のサイドポートを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項10】
前記サイドポートはカプセル形状である、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項11】
前記サイドポートの遠位縁は斜角を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項12】
前記斜角は、丸い部分および平坦な部分の組合せを含む、請求項11に記載の針。
【請求項13】
前記サイドポートの遠位縁は、電極遠位先端から約0.050~0.125インチ(約1.27~3.18mm)離れて位置する、請求項2~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項14】
前記サイドポートの遠位縁は、電極遠位先端から約0.090インチ(約2.29mm)離れて位置する、請求項13に記載の針。
【請求項15】
前記サイドポートの近位縁は斜角をつけられる、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項16】
前記案内面は一般にS字形状の表面を有する、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項17】
絶縁部が前記サイドポートの近位部をカバーし、そして、前記案内面の遠位端が斜角をつけられ、それにより、前記サイドポートから前進するときに、前記デバイスは、前記針の側部から出て、前方向に導かれる、請求項1に記載の針。
【請求項18】
囲心腔にアクセスする方法であって、前記方法は、(1)針を用いて心膜に接触するステップ、(2)前記針を用いて前記心膜をテンティングして、前記針の鈍い先端によりエネルギーを送給するステップ、(3)前記針を用いて前記心膜を穿刺して、前記針のサイドポートを通して囲心腔に造影フローを注入するステップ、(4)前記針を通して前記囲心腔へとガイドワイヤを前進させるステップ、および、(5)前記ガイドワイヤを前記囲心腔内に残す一方で、前記針を引っ込めるステップ、を含む、方法。
【請求項19】
囲心腔にアクセスする方法であって、前記方法は、(1)針を用いて心膜に接触するステップ、(2)前記針を用いて前記心膜をテンティングして、前記針の鈍い先端によりエネルギーを送給するステップ、(3)前記針を用いて前記心膜を穿刺して、前記針のサイドポートを通して囲心腔に造影フローを注入するステップ、(4)小さい直径のガイドワイヤを前記囲心腔へと前進させるステップ、(5)前記針を引っ込めて、心膜による穴を拡張するために拡張器を前進させるステップ、(6)前記拡張器を通じて外筒を囲心腔へと前進させるステップ、(7)前記小さい直径のガイドワイヤを引っ込めて、比較的大きいガイドワイヤを前記囲心腔へと前進させるステップ、および、(8)前記外筒を引っ込めるステップ、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、外科用縫合針の分野に関する。より詳しくは、この開示は、穿刺するためのエネルギーを使用する外科用縫合針に関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本発明が容易に理解されてよいように、本発明の実施形態は、添付図面に例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1A】
図1Aは、本発明の一実施形態によるサイドポートを有する針を示す図である。
【
図1B】
図1Bは、本発明の一実施形態によるサイドポートを有する針を示す図である。
【
図1C】
図1Cは、本発明の一実施形態によるサイドポートを有する針を示す図である。
【
図C1】拡大
図C1は、サイドポートの近位縁と接触するガイドワイヤを示す。
【
図C2】拡大
図C2は、サイドポートの近位縁と接触するガイドワイヤを示す。
【
図1D】
図1Dは、本発明の一実施形態によるサイドポートを有する針を示す図である。
【
図2】
図2は、本発明の別の実施形態によるサイドポートを有する針を示す図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3B】
図3Bは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3C】
図3Cは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3D】
図3Dは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3E】
図3Eは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3F】
図3Fは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3G】
図3Gは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図3H】
図3Hは、本発明の一実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図4A】
図4Aは、本発明の一実施形態によるECGの使用を示す図である。
【
図4B】
図4Bは、本発明の一実施形態によるECGの使用を示す図である。
【
図4C】
図4Cは、本発明の一実施形態によるECGの使用を示す図である。
【
図4D】
図4Dは、本発明の一実施形態によるECGの使用を示す図である。
【
図4E】
図4Eは、本発明の一実施形態によるECGの使用を示す図である。
【
図4F】
図4Fは、本発明の一実施形態によるECGの使用を示す図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施形態によるサイドポートの拡大図を示す図である。
【
図6A】
図6Aは、本発明の別の実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図6B】
図6Bは、本発明の別の実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図6C】
図6Cは、本発明の別の実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図6D】
図6Dは、本発明の別の実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図6E】
図6Eは、本発明の別の実施形態による針を使用する方法におけるステップを示す図である。
【
図7A】
図7Aは、本発明の一実施形態によるECG表示を示す図である。
【
図7B】
図7Bは、本発明の一実施形態によるECG表示を示す図である。
【
図7C】
図7Cは、本発明の一実施形態によるECG表示を示す図である。
【
図7D】
図7Dは、本発明の一実施形態によるECG表示を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
心膜空間への最小侵襲性アクセスは、さまざまな不整脈および他の条件の診断および治療のために必要とされる。空間へのアクセスは、下位剣状突起アプローチを介して大径(例えば、約17Ga)のテューイ-スタイル針(Tuohy-style needle)を使用して開始されてよい。次いで、ガイドワイヤ(例えば、約0.032インチ(約0.81mm)の外径)は、針ルーメンを通して心臓まで進む。心膜空間にアクセスした後に、オペレータは、テューイ-針を取り外し、次いで、処理デバイス(例えばアブレーション・カテーテルおよびマッピング・カテーテル)の使用を容易にするために、外筒(sheath)(例えば、8.5Fr)を進めて、固定する。
【0005】
大きな孔の針を使用する機械的な穿刺は、上記のように、高い臨床複雑化率と関係している。固い針がいくらかの安定性およびいくらかの触覚フィードバックをユーザに提供するにもかかわらず、針が組織を不注意に穿刺するかまたは意図せずに断裂する場合、不必要な組織の損傷は起こり得る。
【0006】
心膜空間にアクセスするための機械的な穿刺を使用するチャレンジおよび不確定度の結果として、心外膜アブレーションが好適な治療である状況(例えば心室性頻拍症)において、医師は、一般の心内膜アブレーションに向かってよい。心膜空間にアクセスする安全性および予測性を改良する新規なデバイスまたは方法は、有益である。
【0007】
心外膜にアクセスする使いやすさ、安全性および予測性を改良する課題は、心外膜アクセスを得るための針であって、ルーメンおよびルーメンと連通するサイドポートを定める長尺部材(例えばメインシャフト)、組織を穿刺するためのエネルギー送給用の鈍い非外傷性先端、および、サイドポートを通してデバイス(例えばガイドワイヤ)を導くための案内面(例えばランプ)、を有する針によって、少なくとも1つには、解決される。
【0008】
本発明の発明者は、この種の医療デバイスの実施形態を考えて、それを実行した。針のいくらかの実施形態は、17、18、19、または19.5Gaの鈍い先端を有する。鈍い先端は、心膜に対して押圧されるときに、心膜にいかなる早まった機械的な穿刺も防止する。また、鈍い先端を有する針は、鋭い先端を有する針に比べてより良好な触覚フィードバックを提供する。サイドポートは、造影剤の送給を許容して、心膜空間へのアクセスを確認するために、針を通してのデバイス(例えばガイドワイヤ)の展開を容易にする。心膜へのアクセスを確認するためにガイドワイヤ(または他のデバイス)が心臓をくるまれることを確認するために、医師は、放射線不透過性を概して使用する。誤った針の位置または障害を示してよい触覚フィードバックを介して、医師は、アクセスを確認してもよい。アクセスを確認して、針の位置を決定するために、医師は、造影剤を送給してもよい。
【0009】
1つの広い態様において、本発明の実施形態は、心臓の囲心腔にアクセスするための針であって、針は、穿刺するためのエネルギー送給用の鈍い先端、および、心外膜アクセスを確認するか、得るか、または容易にするためのサイドポート、を含む。
【0010】
この態様の特徴のように、針は、ガイドワイヤ(または他のデバイス)を針の側方から外へそして前方向に案内するように構成されるサイドポートの中で、案内面の特徴(例えばランプ)を含む。案内面のいくらかの実施形態は、一般にS字形状の表面を有する。
【0011】
第2の広い態様において、本発明の実施形態は、心外膜アクセスを得るための針であって、針は、ルーメンおよびルーメンと連通するサイドポートを定める長尺部材、組織を穿刺するためのエネルギー送給用の鈍い先端、および、サイドポートを通してデバイスを導くための案内面、を備える針、を含む。いくらかの実施形態では、長尺部材は金属から成り、針は、長尺部材の外側をカバーする絶縁体をさらに備え、鈍い先端は、電極を定めるために電気的に露出し、針は、長尺部材の金属側壁を通じて電極にエネルギーを送給するために操作可能である。この種の実施形態において、電極は、長尺部材よりも大きな放射線不透過性を有する。この広い態様のいくらかの実施形態は、開口を定めるためにサイドポートの近位部をカバーする絶縁部であって、絶縁部は、デバイスがサイドポートを通して移動するにつれて、デバイスとサイドポートの近位縁との間の研磨摩擦を減らすように構成される、絶縁部を含む。
【0012】
第2の広い態様の特徴として、いくらかの実施形態は、電気的リークを減らすために、サイドポートに隣接する長尺部材の内側表面上の絶縁体をさらに含み、いくらかの実施形態は、電気的リークを減らすために、長尺部材のほとんどまたは実質的に全部の内側表面上の絶縁体をさらに含み、いくらかの実施形態は、長尺部材の露出部を定めるために、電気的に露出している、サイドポートに隣接する長尺部材の一部およびサイドポートの遠位部、を含む。
【0013】
第2の広い態様の特徴として、いくらかの実施形態は、サイドポートで終端するルーメンを含む。いくらかの実施形態は、それを通って移動するデバイスのための操作可能な単一のサイドポートを含む。いくらかの実施形態では、サイドポートはカプセル形状である。いくらかの実施形態は、斜角を含むサイドポートの遠位端を有し、この種の実施形態では、斜角は、丸い部分および平坦な部分の組合せを含む。
【0014】
針のいくらかの実施形態は、電極遠位先端から約0.050~0.125インチ(約1.27~3.18mm)離れて位置するサイドポートの遠位縁を含み、この種の実施形態では、サイドポートの遠位縁は、電極遠位先端から約0.090インチ(約2.29mm)離れて位置する。
【0015】
第2の広い態様の特徴として、いくらかの実施形態は、斜角をつけられるサイドポートの近位縁、一般にS字形状の表面を有する案内面、および、サイドポートの近位部をカバーする絶縁部、そして斜角をつけられる案内面の遠位端、を含み、それにより、サイドポートから前進するときに、デバイスは、針の側部から出て、前方向に導かれる。
【0016】
本発明の実施形態によれば、囲心腔にアクセスする方法であって、(1)針を用いて心膜に接触するステップ、(2)針を用いて心膜をテンティングして、針の鈍い先端によりエネルギーを送給するステップ、(3)針を用いて心膜を穿刺して、針のサイドポートを通して囲心腔に造影フローを注入するステップ、(4)針を通して囲心腔へとガイドワイヤを前進させるステップ、および、(5)ガイドワイヤを囲心腔内に残す一方で、針を引っ込めるステップ、を含む、方法が開示される。
【0017】
本発明の実施形態によれば、囲心腔にアクセスする方法であって、(1)針を用いて心膜に接触するステップ、(2)針を用いて心膜をテンティングして、針の鈍い先端によりエネルギーを送給するステップ、(3)針を用いて心膜を穿刺して、針のサイドポートを通して囲心腔に造影フローを注入するステップ、(4)小さい直径のガイドワイヤを囲心腔へと前進させるステップ、(5)針を引っ込めて、心膜による穴を拡張するために拡張器を前進させるステップ、(6)拡張器を通じて外筒を囲心腔へと前進させるステップ、(7)小さい直径のガイドワイヤを引っ込めて、比較的大きいガイドワイヤを囲心腔へと前進させるステップ、および、(8)外筒を引っ込めるステップ、を含む、方法が開示される。
【0018】
さらなる広い態様において、本発明の実施形態は、針を用いて心膜に接触するステップ、心膜にテンティングすることおよびエネルギーを送給することのために針を使用するステップ、心膜を穿刺することおよび囲心腔に造影フローを注入することのために針を使用するステップ、針を通して囲心腔にガイドワイヤ(または他のデバイス)を前進させるステップ、および、ガイドワイヤ(または他のデバイス)を囲心腔内に残す一方で、針を引き抜くステップ、を有する方法のためにある。
【0019】
この態様の特徴として、方法のいくらかの実施形態は、マッピング・カテーテルまたはいくらかの他の診断デバイスを前進させるステップ、および/または、アブレーション・カテーテルまたはいくらかの他の処理デバイスを前進させるステップ、および/または、リードまたは他の医療デバイスを配置するステップ、をさらに含む。
【0020】
詳細に図面の特定の参照について、示される詳細は、例として、そして、本発明の特定の実施形態に関する図示する議論のためだけにあると強調される。本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載されるかまたは図面に示される構成要素の構造の詳細および配置へのその適用において制限されないことを理解すべきである。本発明は、他の実施形態が可能であり、または、さまざまな方法で実施されるかまたは実行されることができる。また、本明細書において使用される語法および用語は、説明のためにあって、制限すると考えられてはならないことを理解すべきである。
【0021】
図1Aは、長尺部材21にサイドポート22を有する針20の上面図を示す。
図1Bは、サイドポート22から延びるガイドワイヤ50を有する同じ針の側面図を示す。
図1Aおよび
図1Bのサイドポートは、スロットホールである。スロットの寸法は、針ゲージおよびガイドワイヤ外径に依存している。針20のいくらかの実施形態は、17Gaであり、約0.036インチ(約0.91mm)のサイドポート幅、約0.018インチ(約0.46mm)の半径、約0.180インチ(約4.57mm)のスロット長さを有し、そして、0.032インチ(約0.81mm)のガイドワイヤの、およびより小さい外径を有するガイドワイヤの展開(配備)および後退に適応することができる。この種の実施形態は、より小さいクリアランスによって、0.035インチ(約0.89mm)の外径を有するガイドワイヤに適応してもよい。開示された方法において使用するガイドワイヤは、概して、ばね力のあるステンレス鋼から成る。いくらかの実施形態では、ガイドワイヤの遠位先端は、鋼よりも柔らかい先端を提供するためにニチノールでできている。いくらかの別の実施形態は、絶縁体上のなめらかなコーティングを有する絶縁されたガイドワイヤを含む。針20の実施形態は、概して、それを通してガイドワイヤ(または他のデバイス)を前進させるために操作可能な単一のサイドポートだけを有する。
【0022】
この開示が、説明的な目的のために、ガイドワイヤを有する針20の使用に焦点を当てる一方で、他のデバイス(例えば、送達エネルギーを操作可能なまたは生理的変数をモニタする可撓性デバイス)は、針を通して前進されることができる。
【0023】
図1Aのサイドポート22の実施形態は、丸いスロットまたは一定のサイドポート幅を有する(すなわちカプセル形状の)スロットホールである。この構成は、最小のエッジ輪郭を有する平坦な壁を提供する。これにより、ガイドワイヤを展開(配備)するかまたは後退するときに、破片を生成する潜在能力を減少させる。概して、サイドポート22およびガイドワイヤ50は、ガイドワイヤからのサイドポート22のクリアランスが少なくとも約0.001インチ(約0.025mm)であるように構成される。より小さい外径のガイドワイヤを使用する場合には、クリアランスはより大きい。
【0024】
詳細
図A-V1および詳細
図A-V2は、
図1Aの切断線A-Aの異なる図を示す。詳細
図A-V1およびA-V2は、サイドポート22の中の案内面24(またはランプ)を示す。そしてそれは、サイドポート22を通して前進するガイドワイヤ50を案内するように機能する。案内面の実施形態は、まっすぐ(例えば詳細
図A-V1)でもよく、または曲がって(例えば詳細
図A-V2)いてもよい。外部側面から(針の外側から)から見える案内面24の部分は、
図1Bの実施形態用に約0.020インチ(約0.51mm)の長さを有する。それらの図で示される特徴の理解のために必要ないので、全ての図が絶縁層を示すわけではない一方で、針20の典型的な実施形態は、絶縁を含む点に注意されたい。
【0025】
サイドポートを出るときに、ガイドワイヤ50は、曲げモーメントの下に置かれる。この力を減らすために、斜角(bevel)26(
図5に示される)は、サイドポート22の遠位端に位置する。いくらかの実施形態では、10度の斜角26は、サイドポート22の遠位端から約0.020インチ(約0.51mm)に位置する。この種の実施形態は、曲げモーメントの減少に効果的であることを示した。いくらかの実施形態では、斜角は一般に平坦である。その一方で、他の実施形態では、斜角は丸くされる。そして、さらに他の実施形態では、斜角は丸い部分および平坦な部分の組合せを含む。
【0026】
図5は、針20の遠位先端34を含む切断図であり、長尺部材21は、ルーメン28、案内面24、およびサイドポート22を定める。
図5の案内面24の実施形態は、一般にS字形状の表面を有する。一般に、サイドポート22は、針の遠位先端の近くに位置する。そしてそれは、それによって造影流体(contrast fluid)が針の先端の近くまで届けられることができるので、遠位先端34の位置を確認するために有利である。対照的に、先端から比較的離れて配置されるサイドポートを有するデバイスは、遠位先端が組織の層に穴をあけた場合であっても、サイドポートがまだ組織によってカバーされる状況に遭遇しそうである。遠位先端の近くに位置するサイドポート22は、先に述べた斜角26と結合して、カーブする前に前方へ短い距離進むためにサイドポート22を通して延びたカーブしたまたは「J」先端ワイヤも許容する。そしてそれは、ワイヤ先端による心外膜の潜在的突き通しを防止する。容易に曲がるかまたは遠位先端で弱いカーブした先端ワイヤが不必要な組織外傷を減少させるために有利である一方で、針20は、まっすぐな先端を有するガイドワイヤとともに用いられてもよい。
【0027】
図1Cは、ルーメン28および針20のサイドポートを通して前進したガイドワイヤ50を示す断面図である。拡大
図C1およびC2は、サイドポート22の近位縁30の2つの異なる実施形態と接触するガイドワイヤ50を示す。拡大
図C1は、ほぼ90°の角度を有する近位縁30を含む。この角度は、ガイドワイヤがサイドポートを通して前進するかまたは後退するにつれて、ガイドワイヤをこするのに十分鋭い。そしてそれは、いくらかの破片作成に結果としてなる場合がある。針を通してガイドワイヤを並進させるときに破片生成を減らすために、近位縁30が(例えば、拡大
図C2に示されるように)斜角をつけられることは、有利である。いくらかの実施形態は、近位縁30から約0.020インチ(約0.51mm)に位置するまっすぐな斜角エッジまたは丸い斜角を含む。この種の実施形態において、これらの斜角は、破片形成の減少に効果的であると判明した。
【0028】
図1Dは、サイドポート22のまわりの領域を露出するままにしておいて、針軸をカバーする絶縁体32(概してポリマー)、および、組織に向けてそして組織を穿刺するために用いてよい電極36を定めるために露出する遠位先端領域を有する針20を示す。いくらかの別の実施形態において、絶縁体32はセラミックである。
【0029】
針20の典型的な実施形態は、304、316または317ステンレス鋼から成る長尺部材21(すなわちメインシャフト)、および、ドーム状に溶接された電極36とともに長尺部材21と同じ鋼から成る電極36を有する。長尺部材21の別の実施形態は、その中に、銅、チタン、およびニッケル-チタン合金を含む他の金属から成る。典型的な実施形態において、エネルギー(例えば電気)は、針20の金属側壁を通して電極36に送給される。いくらかの別の実施形態において、針の長尺部材21は、固いポリマーから成る。そして、電気エネルギーは、導電ワイヤを通して電極36に送給される。いくらかの別の実施形態は、針の先端の位置を決定するためにX線透視下で放射線不透過性の可視性を提供するために、少なくとも一部、長尺部材よりも大きな放射線不透過性の材料(例えばプラチナ、プラチナおよびイリジウム合金、金、または銀)から成る電極36(すなわち電極は長尺部材よりも大きな放射線不透過性を有する)を有する。ECGデータを集めるときに、この種の材料はまた、還元電位を改良する。先端の丸い電極および、組織を切るためのこの種の先端の丸い電極の使用は、米国特許8,192,425に記載されている。そしてそれは、その全体を本明細書において引用により組み込まれる。
【0030】
針20の1つの特定の実施形態において、長尺部材21のサイドポート22は、約0.180インチ(約4.57mm)の長さを有し、サイドポート22と電極36との間の距離は約0.065インチ(約1.65mm)であり、電極36は約0.025インチ(約0.64mm)の半径を有する半球状の形状を有する。それにより、針20の遠位先端34は約0.050インチ(約1.25mm)の外径を有し、そして、約0.090インチ(約2.29mm)の距離が電極の遠位先端37(
図1D)とサイドポート22との間にある。代わりの実施形態では、サイドポート22と電極36との間の距離は、針先端の外径の約0.5~2倍であり、サイドポート22の長さは針の内径および意図されるガイドワイヤの外径に依存して、約0.1~0.2インチ、または2.54~5.08mm(0.032インチ(約0.81mm)のガイドワイヤの外径の3~6倍相当)の範囲にあり、電極の遠位先端37とサイドポート22との間の距離は約0.050~0.125インチ(約1.27~3.18mm)の範囲にあり、電極36は約22~17ゲージ(約0.028インチ(約0.71mm)~約0.058インチ(約1.47mm))のサイズを有する。電極は、心臓組織に対してバンパー支持体を提供するのに十分太い。
【0031】
図1Dはまた、絶縁部32aを示す。そしてそれは、約0.039インチ(約0.99mm)の長さを有する開口38を定めるために、サイドポート22の近位部をカバーする。開口38は、(カバーされない)サイドポート22よりも小さい。造影流体が一定のルーメン流体圧の下で針20を通して届けられる場合、造影流体は、比較的長いサイドポートを通してよりも開口38を通して、より狭い流れおよび遠位先端により近くで放出する。
【0032】
絶縁部32aはまた、ガイドワイヤ50とサイドポートの近位縁30との間の研磨摩擦の量を減らす。第1に、それがサイドポートを通して進行するにつれてガイドワイヤ50がまだ近位縁30に対して擦れることができる一方で、絶縁部32aは、ガイドワイヤと近位縁30との間の摩擦力を減らす。第2に、ガイドワイヤ50がサイドポートを通して移動するときに、それは絶縁部32aを通じてすべる。そしてそれは、近位縁30の金属よりも柔らかくてより少ない研磨材であるポリマーから成る。下でさらに説明するように、絶縁部32aは、前進するガイドワイヤを前方に導くようにさらに機能する。
【0033】
加えて、絶縁部32aは、サイドポート22を通した電気的リークを減らす。針20の典型的な実施形態では、管状金属軸管は絶縁されない。そしてそれは、サイドポートにすぐ隣接した金属(すなわちサイドポートのエッジを形成している金属)からのいくらかの電気の漏出、およびルーメンの中の流体を通したさらにサイドポート22からのいくらかの電気の漏出を許容する。絶縁部32aは、そこからの電気的リークを減らすために、サイドポートにすぐ隣接した金属の一部をカバーする。絶縁部32aはまた、針の外側で環境にさらされるルーメン内部の流体の量を減らす。これにより、流体を通じた電気的リークを減らす。針20のいくらかの別の実施形態は、電気的リークを減らすために、サイドポートの領域における(すなわち隣接する)金属軸管の内側表面上の絶縁を含む。いくらかの他の代わりの実施形態は、電気的リークを減らすために、ほとんどまたは実質的に全部の金属軸管の内側表面上の絶縁を含む。
【0034】
図1Dに示される針20の別の特徴は、長尺部材露出部20aを定めるために、サイドポート22に隣接した針20の一部を絶縁32が露出したままにしておくことである。長尺部材露出部20aを記載する別の方法は、サイドポート22の遠位表面の輪郭(または表面領域)を減らすために、絶縁32がサイドポート22の遠位縁から戻って整えられることである。遠位表面のための減じた輪郭によって、ガイドワイヤは、減じた角度で(すなわち針20のより近くで)サイドポートを出ることができる。さらに、医師がガイドワイヤに不注意に電力を供給する場合に、長尺部材露出部20aを含むことは、サイドポートにすぐ隣接した絶縁に付着している金属的ガイドワイヤを回避するのを助けてよい。
【0035】
図2は、触覚フィードバックを強化するために、潤滑コーティングを有する針20の実施形態を示す。
図2A~
図2Cは、針20の使用法のいくつかを示す。
図2Aは、サイドポートから前進して、前方へ前進しているガイドワイヤ50を示す。ガイドワイヤ50は、絶縁部32aおよび案内面24の斜角26によって前方へ導かれる。より詳細には、絶縁部32aはサイドポートの近位部をカバーし、そして、案内面(またはランプ)の遠位端は斜角をつけられる。それにより、サイドポートから前進するときに、デバイス(例えばガイドワイヤ)は針の側部から前方向へ導かれる。
図2Bは、造影流れ(contrast flow)52を引き起こすためにサイドポートを使用して注入される造影流体を示す。
図3は、電極36から成る鈍い先端がECGモニタリングおよび記録のために使われることができることを示す。
図4は、
図4A~
図4Fからなり、いくらかのモニタリング状況および関連するECG信号を示す。
図7は、
図7A~
図7Dからなり、心膜穿刺を確認する際のECG使用の利点を示すために、ブタの中で針20の遠位先端34の異なる位置のECG読み取りを示す。
【0036】
記載されているジオメトリを有する針の遠位部分を製造する1つの方法は、針ルーメンの内側に置かれて針の遠位先端と平らになる金属ビレットを、針の金属軸の遠位端と結合(weld)することである。金属ビレットは、ミリングまたは放電加工(EDM)を用いて作成されるプレハブ方式の案内面を有し、そして、針軸はプレハブ方式のサイドポートを有する。
【0037】
針の遠位部分を製造する別の方法は、最初に固体金属ビレットを針の軸の遠位先端と結合して平らにし、次いでサイドポートおよび案内面に対応するジオメトリを有するEDM電極を用いてサイドポート・スロットおよび案内面を形成することである。
【0038】
図3は、本明細書において開示される針20を含む、5つのデバイスを使用する8つのステップ方法を示す。
図3Aは、針20を用いて心膜70に接触するステップ1を示す。心臓は、下位剣状突起アプローチを使用して、典型的にアクセスされる。ステップ2(
図3B)は、針を用いる心膜70のテンティング、および針20の鈍い先端によるエネルギーの送給(折れ線に示される)を含む。ステップ3(
図3C)は、針を用いる心膜70の穿刺、および針20のサイドポートによる囲心腔(pericardial cavity)72への造影フロー(contrast flow)52の注入を含む。方法のこの例において、針20は心筋(myocardium)74を接触していない。その一方で、別の実施形態では、針20は心筋74に接触するが、心筋74をテントでおおわない。
図3Dは、サイドポートを通して囲心腔72へと小さい直径のガイドワイヤ54を前進させるステップ4を示す。小さい直径のガイドワイヤ54が前進した後、方法は、針20を引っ込めて、心膜70による穴を拡張させるために拡張器(dilator)56を前進させるステップ5(
図3E)をさらに含む。外筒(sheath)58は、拡張器56を用いて前進されてよい。または、外筒は、
図3Eの図示に到達するために、その後前進されてよい。一旦穴が拡張されると、方法は、
図3Fの図示に到達するために、拡張器を通じて囲心腔72へと外筒58を前進させるステップ6を含む。ステップ7は、小さい直径のガイドワイヤ54を引っ込めて、囲心腔72へとガイドワイヤ50を前進させること(
図3G)を含む。ステップ8(
図3H)は、外筒を引っ込めて、ガイドワイヤ50を囲心腔72内に残すことを含む。いくらかの実施形態では、ガイドワイヤ50は約0.032インチ(約0.813mm)の直径を有する。そして、小さい直径のガイドワイヤ56は約0.018インチ(約0.46mm)の直径を有する。いくらかの代わりの実施形態では、小さい直径のガイドワイヤ56は、0.018インチ(約0.46mm)よりも小さい直径を有する。アクセスを提供するために一旦ガイドワイヤ50が囲心腔72へと前進したら、他のステップは、マッピング・カテーテルまたはいくらかの他の診断デバイスを前進させること、アブレーション・カテーテルまたはいくらかの他の処理デバイスを前進させること、またはリードまたは他の医療デバイスを配置することを含んでよい。
【0039】
図6は、2つのデバイス、針20およびガイドワイヤ50を使用する5つのステップの方法を示す図である。ステップ1(
図6A)は、針20を使用して心膜70に接触することを含む。ステップ2(
図6B)は、針を用いて心膜70にテンティングすること、および針20の鈍い先端を通してエネルギーを送給すること(折れ線に示される)を含む。ステップ3(
図6C)は、針を用いて心膜70を穿刺すること、および針20のサイドポートを通して囲心腔72へと造影フロー52を注入することを含む。
図6Dは、針によるそして囲心腔72へのガイドワイヤ50を前進させるステップ4を示す。ガイドワイヤ50が前進した後、
図6Eの図示に到達するために、方法は、ガイドワイヤ50を囲心腔72内に残す一方で、針20を引き抜くステップ5をさらに含む。いくらかの実施形態では、ガイドワイヤ50は、約0.032インチ(約0.813mm)の直径を有する。上記の方法と同様に、アクセスを提供するために一旦ガイドワイヤ50が囲心腔72へと前進したら、他のステップは、マッピング・カテーテルまたはいくらかの他の診断デバイスを前進させること、アブレーション・カテーテルまたはいくらかの他の処理デバイスを前進させること、または例えば心外膜用のリードまたは他の医療デバイスを配置することを含んでよい。2つの上記されている方法で使用するガイドワイヤは、まっすぐな先端または曲がった先端を有してよい。
【0040】
上記されている本発明の実施形態は、例示的なことだけを意図する。したがって、本発明の範囲は、添付の請求項の範囲によって単に制限されることを意図する。
【0041】
明確さのために、別々の実施形態の文脈において記載された、本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組合せて設けられてもよいと認められる。逆に、簡潔さのため、1つの実施形態の文脈において記載された、本発明のさまざまな特徴は、別々にまたは適切なサブコンビネーションにおいて設けられてもよい。
【0042】
本発明がその特定の実施形態とともに記載されたけれども、多くの変形例、変更態様および改変が当業者にとって明らかであることは明白である。したがって、添付の請求項の幅広い範囲に入るすべてのこの種の変形例、変更態様および改変を受け入れることが意図される。各々個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書に組み込まれることが特にそして個々に示された場合と同程度に、この明細書において記載されたすべての刊行物、特許または特許出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。加えて、この明細書におけるいかなる参照の引用または識別も、かかる参照が本発明に対する先行技術として利用可能であるという承認として解釈されない。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心外膜アクセスを得るための針であって、前記針は、ルーメンおよび前記ルーメンと連通するサイドポートを定める長尺部材、組織を穿刺するためのエネルギー送給用の鈍い先端、および、前記サイドポートを通してデバイスを導くための案内面、を備え、前記針は、前記長尺部材の外側をカバーする絶縁体をさらに備え、前記絶縁体は、開口を定めるために前記サイドポートの近位部をカバーする絶縁部を有し、前記案内面の遠位端が斜角をつけられ、それにより、前記サイドポートから前進するときに、前記デバイスは、前記サイドポートの近位部をカバーする前記絶縁部によって、前記針の側部から出て、前方向に導かれる、針。
【請求項2】
前記サイドポートの遠位で隣接する前記長尺部材の一部が長尺部材露出部を定めるために電気的に露出しているように、前記長尺部材の外側をカバーする前記絶縁体は、前記サイドポートの遠位縁から戻って整えられ、前記長尺部材露出部は、前記デバイスが針により近い減じた角度で前記サイドポートを出ることができる減じた輪郭を定める、請求項1に記載の針。
【請求項3】
前記案内面は一般にS字形状の表面を有し、前記S字形状の表面の遠位端が斜角をつけられ、それにより、前記S字形状の表面は、前記デバイスが針を出るときに前記デバイスを前方に向けて案内するために、前記サイドポートの近位部をカバーする前記絶縁部と協働するように構成される、請求項1に記載の針。
【請求項4】
前記長尺部材は金属から成り、前記長尺部材の外側をカバーする前記絶縁体は、前記鈍い先端が電極を定めるために電気的に露出しているように前記鈍い先端をカバーせず、前記針は、前記長尺部材の金属側壁を通じて前記電極にエネルギーを送給するために操作可能である、請求項1に記載の針。
【請求項5】
前記ルーメンは前記サイドポートで終端し、前記針は、それを通って移動する前記デバイスのための操作可能な単一のサイドポートを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項6】
前記サイドポートの遠位縁は斜角を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項7】
前記斜角は、丸い部分および平坦な部分の組合せを含む、請求項6に記載の針。
【請求項8】
前記サイドポートの遠位縁は、電極遠位先端から約1.27~3.18mm離れて位置する、請求項1~4のいずれか1項に記載の針。
【請求項9】
囲心腔にアクセスするシステムであって、前記システムは、請求項1~4のいずれか1項に記載の針と、
前記針が心膜をテンティングするときに前記針を用いて前記心膜を穿刺するために前記針の鈍い先端によりエネルギーを送給するためのユニットと、
を備える、システム。
【請求項10】
前記心膜を穿刺するときに前記針を通して囲心腔へと前進するように構成されたガイドワイヤをさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【外国語明細書】