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特開2022-163044潅注法及びイメージングを備えるバー
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163044
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】潅注法及びイメージングを備えるバー
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20221018BHJP
   A61B 17/17 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
A61B17/16
A61B17/17
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022114906
(22)【出願日】2022-07-19
(62)【分割の表示】P 2020551415の分割
【原出願日】2018-06-27
(71)【出願人】
【識別番号】504154126
【氏名又は名称】ライト メディカル テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Wright Medical Technology, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー,エリン
(72)【発明者】
【氏名】ラトレル,ポール
(72)【発明者】
【氏名】トーレン,ブライアン・ロバート
(72)【発明者】
【氏名】ナハトラブ,ディーン・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウッダード,ジョセフ・ライアン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】シャルコー手術及び/又は低侵襲外科手術の施術に適した道具を提供する。
【解決手段】道具は、回転又は振動のために構成された第1のシャフトを有するバーを含む。前記バーは、第1の端部に複数の切断エッジを有する。前記第1のシャフトは、その第1の端部から第2の端部に延びる中央長手方向通路を有する。カメラは、前記第1のシャフトの第1の端部近傍に取り付けられる。カメラを用いて傷部位のイメージ又はビデオデータを収集するステップを含む。前記バーは、イメージデータを収集しながら、骨から物質を除去するために回転又は往復移動させる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転又は振動のために構成された第1のシャフトを有するバーと、
前記第1のシャフトの第1の端部に隣接して取り付けられたカメラと、を含む道具であって、
前記バーは、第1の端部に複数の切断エッジを有し、前記第1のシャフトは、その第1の端部から第2の端部まで延びる中央長手方向通路を有する道具。
【請求項2】
前記カメラは、第2のシャフトに取り付けられ、前記第2のシャフトは、前記第1のシャフトの中央長手方向通路に回転可能に配置できる、請求項1に記載の道具。
【請求項3】
前記第2のシャフトを把持し、
前記第1のシャフトを回転させ、
前記中央長手方向通路を介して前記第1のシャフトの第1の端部へ流体を送るように構成されたハンドルをさらに含む、請求項2に記載の道具。
【請求項4】
前記第1のシャフトは、中央長手方向通路から前記第1のシャフトの外周面まで延びる複数の放射状の穿孔を有する、請求項1に記載の道具。
【請求項5】
カメラと、
内壁を備える第1通路を有するガイドと、
第1の端部に複数の切断エッジを備える回転可能なシャフトを有するバーと、を含む道具であって、
前記内壁は、光を通すための第2通路、カメラ又はカメラカップリングのための第3通路、流体を流すための第4通路を定義し、
前記回転可能なシャフトは、前記シャフトの第1の端部が前記ガイドの第1の端部から延びるように前記第1通路を介して挿入可能であり、
前記カメラは、前記カメラカップリングを介してイメージ又はビデオ信号を出力するように接続されている、道具。
【請求項6】
前記第1の端部に対向するシャフトの第2の端部に前記シャフトを把持するように構成されたカラーと、前記カラーから前記シャフトの第1の端部まで延びるように構成されたアームと、を含むカメラホルダをさらに含み、前記カメラは、前記カラーに対向するアームの端部に取り付けられている、請求項5に記載の道具。
【請求項7】
前記ガイドを把持し、
前記ガイド内のシャフトを回転させ、
前記第3通路を介して前記シャフトの第1の端部へ流体を送るように構成されたハンドルをさらに含む、請求項5に記載の道具。
【請求項8】
前記ガイドは、第1の端部にグロメットを有し、前記グロメットは、患者の皮膚の切開部内に挿入されるように構成された、請求項5に記載の道具。
【請求項9】
前記ガイドは、中空の円筒形状を有する、請求項5に記載の道具。
【請求項10】
前記ガイドは、円錐切頭体形状を有する、請求項5に記載の道具。
【請求項11】
前記ガイドの第1の端部に取り付けられた少なくとも1つのスプレッダをさらに含む、請求項5に記載の道具。
【請求項12】
前記ガイドの第1の端部に取り付けられた少なくとも1つのストラップをさらに含む、請求項5に記載の道具。
【請求項13】
カメラがバーの第1の端部に隣接して配置され、シャフトがバーを介して延びた状態で、シャフト上のカメラを用いて傷部位のイメージデータを収集するステップと、
前記バーを用いて骨を除去するステップと
前記骨を除去する間、前記バーを介して流体を送るステップと、を含む方法。
【請求項14】
ハンドルに前記シャフトを固定するステップと、
前記バーを回転させるステップと、をさらに含み、
前記ハンドルは、回転を引き起こす、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ハンドルからバーまで流体を提供するステップをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記流体は、バーの内壁とシャフトとの間の空洞を通って、前記バーの第1の端部に送られる、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
前記バーは、側面に複数の穿孔を有し、前記流体を送るステップは、前記穿孔を介して放射状に流体を注入するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
バーの端部上のカメラを用いて、傷部位のイメージ又はビデオデータを収集するステップと、
前記イメージデータを収集しながら、骨から物質を除去するためにバーを回転、又は往復運動させるステップと
手ぶれ補正機能を用いてイメージ又はビデオデータを処理するステップと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手術道具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
患者の足を足底のグレード(plantar grade)に戻すために、ミッドフットシャルコー(Mid-foot Charcot)手術が行われる。切開の長さと手術時間は、シャルコー手術において重要である。多くのシャルコー手術は、開放型の外科的治療技術を用いる。外科医は、「ウェッジ切断(wedge cut)」を行って骨を除去するか、又は骨の質が良好な場合は、骨と軟組織をそのままにしておくことができる。ウェッジ切断は、外科医が「悪い」骨を除去した後、骨の二つの切除端部を元通りにすることができるように、足を横切っての鋭角切除術を提供する。切断が鋭角に行われたため、骨が再び共に引き戻されると、前記鋭角は足のアーチを生成し、偏平足/反り足の状態を解消する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
シャルコー手術及び/又は低侵襲外科手術の施術に適した道具が要求されている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一部の実施形態において、道具は、回転又は振動のために構成された第1のシャフトを有するバー(burr)を含む。前記バーは、第1の端部に複数の切断エッジを有する。第1のシャフトは、前記第1のシャフトの第1の端部から第2の端部まで延びる中央長手方向通路を有する。カメラは第1のシャフトの第1の端部に隣接して取り付けられている。
【0005】
一部の実施形態において、道具には、カメラが含まれる。ガイドは内壁を備える第1通路を有する。前記内壁は、光を通すための第2通路、カメラ又はカメラカップリングのための第3通路、及び流体を通すための第4通路を定義する。バーは第1の端部に複数の切断エッジを備える回転可能なシャフトを有する。前記回転可能なシャフトは、シャフトの第1の端部がガイドの第1の端部から延びるように第1通路を介して挿入可能である。前記カメラは、カメラカップリングを介してイメージ又はビデオ信号を出力するように接続されている。
【0006】
一部の実施形態において、方法は、カメラがバーの第1の端部に隣接して配置され、シャフトは前記バーを介して延びつつ、シャフト上のカメラを用いて傷部位のイメージデータを収集するステップを含む。骨はバーを用いて除去される。骨を除去しつつ、流体がバーを介して送られる。
【0007】
一部の実施形態において、方法は、バーの端部にあるカメラを用いて傷部位のイメージ又はビデオデータを収集するステップを含む。前記バーは、イメージデータを収集しながら、骨から物質を除去するために回転又は往復移動させる。前記イメージ又はビデオデータは、手ぶれ補正機能を用いて処理される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】骨を切断及び/又は研削するための例示的な道具の立体図である。
図1B】骨を切断及び/又は研削するための例示的な道具の立体図である。
図2図1のカニューレが挿入されたバーを示す拡大詳細図である。
図3A】取り外し可能なカメラを有するバーの一実施形態を示す。
図3B】取り外し可能なカメラを有するバーの一実施形態を示す。
図4】穿孔を有するバーを示す。
図5】流体及び光のチャンネルを備えたガイドカテーテルを示す。
図6図5のガイドカテーテルの変形を示す。
図7】遠位端にグロメットを有する図5又は図6のガイドカテーテルの変形を示す。
図8A】流体及び光チャンネルを備えた円錐形のガイドカテーテルを示す。
図8B】流体及び光チャンネルを備えた円錐形のガイドカテーテルを示す。
図8C】流体及び光チャンネルを備えた円錐形のガイドカテーテルを示す。
図8D】ハンドルを備えた円錐形のガイドカテーテルを示す。
図8E】ハンドルを備えた円錐形のガイドカテーテルを示す。
図9A】円錐形のガイドカテーテルの変形を示す。
図9B】円錐形のガイドカテーテルの変形を示す。
図9C】円錐形のガイドカテーテルの変形を示す。
図10図1のバーを用いる方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書の例示的な実施形態は、添付の図面に関連して読まれることを意図しており、記載内容全体の一部と見なされるべきである。本明細書において、「下部」、「上部」、「水平」、「垂直」、「上方」、「下方」、「上」、「下」、「上端」及び「下端」といった相対的な用語及びその派生語(例えば、『水平に』、『下向きに』、『上向きに』等)は、その時点で説明されているか、論議中の図面に示されている方向を指称すると解釈されるべきである。かかる相対的な用語は、説明の便宜上のものであり、装置が特定の方向に構成又は駆動されることを求めていない。「接続された」や「相互接続された」といった取り付け、結合等に関する用語は、特に言及しない限り、構造が中間構造体を介して直接又は間接的に互いに固定されたり取り付けられる関係だけでなく、可動式若しくは剛性の取り付け又は関係の両方を意味する。
【0010】
図1A図1B及び図2は、バー110を含む研削道具100を示す。一部の実施例において、前記バー110は、回転又は振動のために構成された第1のシャフト115を有する。前記バーは、研削、リーミング(reaming)又は切断に用いることができる。前記バー110は、第1の(遠位)端部116に複数の切断又は研削エッジ111を有する。図2に示すように、前記バー110は、カニューレを挿入することができる。切断又は研削エッジ111を有する第1のシャフト115及び遠位端部116は、いずれも第1の(遠位)端部116から第2の(近位)端部117まで、第1のシャフト115を介して延びる中央長手方向通路114を有し得る。前記バー110の第1の(遠位)端部は、円筒形の切断又は研削エッジ111を有するが、他の実施形態(図1A~2に示さず)において、前記バー110の遠位端部116は、球形、半球形、楕円形、円錐形、放物面、錐台、又は丸いカプセル(すなわち、半球形の端部を有する円柱)等の異なる形態を有することができるものの、これらに限定されるものではない。切断又は研削エッジ111は、例えば、らせん状のねじ山、又はシングルカット、ダブルカット、ダイヤモンドカット、又はローレットエッジ(knurled edge)を有することができる。
【0011】
前記バー110は、マイクロカメラ112と接続して、例えば、低侵襲手術のために、関節内又は骨中の可視性を提供することができる。一部の実施形態において、カメラ112は、第1のシャフト115の第1の(遠位)端部116に隣接する第2のシャフト113の遠位端部に取り付けられる。前記カメラ112は、相補性の金属酸化物半導体(CMOS)センサ又は電荷結合装置(CCD)センサを有し得る。前記カメラ112は、長手方向の軸を横切る方向に約1mm~約1.5mmの大きさを有し得る。例えば、前記カメ
ラ112は、約1.2mmの直径を有し得る。一部の実施形態において、前記カメラ112は、広い視野(FOV;field of view)を有する。例えば、前記カメラ112は、少なくとも64度のFOVを有し得る。一部の実施形態において、前記カメラ112は、少なくとも84度のFOVを有し得る。一部の実施形態において、前記カメラ112は、100度~130度の範囲のFOVを有し得る。一部の実施形態において、前記カメラ112は、イスラエルのメディガス社(Medigus,Ltd.)により販売されている「MICRO SCOUTCAM(商標)」デジタルシグナルプロセッサ(DS
P)ビデオプロセッサを備えた「MICRO SCOUTCAM(商標)」l.2カメラ
等のマイクロカメラであり得る。前記カメラ112は、DSPビデオプロセッサと有線接続(図示せず)又は無線接続することができる。前記DSPビデオプロセッサは、外科医が見ることができるように有線又は無線接続を介してディスプレイ(図示せず)に接続することができる。
【0012】
前記カメラ112は、第2のシャフト113(図2)に取り付けることができる。第2のシャフト113は、第1のシャフト115の中央長手方向通路114に回転可能に配置することができる。前記第2のシャフト113の外径は、第1のシャフト115の内径よりも小さく、第2のシャフト113と第1のシャフト115との間に環状の中央長手方向通路114を定義する。一部の実施形態において、前記道具100は、中央長手方向通路114を介して、第1のシャフト115の第1の(遠位)端部116に流体を送るように構成される。例えば、生理食塩水が中央長手方向通路114を介して提供され、バー110及び/又は切断若しくは研削される骨の過度な加熱を防止し、傷部位から骨片及び/又は軟組織を洗い流して蓄積を防止することができる。一部の実施形態において、第2のシャフト113は可撓性である。他の実施形態において、第2のシャフト113は剛性である。一部の実施形態において、前記バー110及び第2のシャフト113は、ステンレス鋼又はチタンを含む。
【0013】
一部の実施形態において、前記道具100は、第2の(カメラ)シャフト113を把持し、第1の(バー)シャフト115を回転するように構成されたハンドル120を有する。前記ハンドル120は、少なくとも1つのポートが提供された固定部分121を有する。図1A及び1Bのハンドル120は、光と生理食塩水用の二つのポート122及び123をそれぞれ有する。
【0014】
前記光ポート122は、傷部位内の組織を照らすために、バー110の遠位端部に光ファイバー(図1A~2に図示せず)によって接続することができる。一部の実施形態において、前記光ファイバー(図示せず)は、第2のシャフト113の長さに沿って第2のシャフト113の遠位端部から又はその近傍の地点まで長手方向に延びることができ、カメラ112の近傍に光を提供し、前記光を前記カメラ112のFOVに向わせることができる。
【0015】
生理食塩水ポート123は、ポンプ(図示せず)と接続することができる。一部の実施例において、前記生理食塩水ポート123は、傷部位の骨、軟骨及び/又は軟組織の任意の断片を洗い流すために生理食塩水(又は水、又はその他の滅菌された流体)を提供するのに用いられる。一部の実施形態において、前記生理食塩水ポート123は、傷部位から小さな断片及び粒子を除去するために真空(例えば、逆方向に作動するポンプ)に接続することができる。一部の実施形態において、図2に示すように、バー110の中央長手方向通路114は、カメラ112の近傍のバー110の遠位端部116に全ての生理食塩水(又はその他の流体)を送る。
【0016】
前記ハンドル120は、バー110の第1のシャフト115を固定及び回転させるために、モータ(図示せず)及び電動チャック124を有する。第2のシャフト113を安定
して把持するために、ノブ126又は固定ネジ(図示せず)を提供することができ、従って第2のシャフト113は、(ハンドル120に対して)カメラ固定を保ちながら、前記バー110が物質を除去するために回転することができる。一部の実施形態において、前記シャフト115は、ハンドル120内で摺動可能又は螺着可能に固定され、バー110とは独立して長手方向に延びるか後退し得る。例えば、前記カメラ112は、切断又は研削される組織を検査するために、図1A及び図1Bに示した位置に配置された後、骨を研削する間、前記カメラ112を保護するために、前記シャフト115内部から引き出される。前記ハンドル120は、バッテリー(図示せず)を含むか、又は電源供給用の他の電流接続を提供することができる電源130と接続することができる。
【0017】
図3A又は3Bは、切断又は研削面511を備えるバー500を含む道具の代案的な実施形態を示す。マイクロカメラ512は、カラー542から長手方向に延びるアーム541に取り付けられている。前記カラー542は、バー500(又は切断器具)と共に回転するように構成される。
【0018】
前記アーム541及びカラー542は、カメラ512をバー500に取り付けるための単一(シングルピース)装着装置540であり得る。他の実施形態(図示せず)において、前記アーム541は、前記カラー542に(例えば、ネジ山を嵌合することにより)接続された個別の部材であり得る。一部の実施形態において、前記カラー542は、バー500のシャフト515の周囲にしっかりフィットすることができる。他の実施形態において、前記カラー542は、シャフト515にカラー542を固定するための固定ネジ(図示せず)を有する。
【0019】
図3Bに示すように、装着装置540は、バー500から分離し、滅菌して他のバー(図示せず)と共に再利用することができる。一部の実施形態において、前記カラー542又は前記シャフト515は、前記カラー542が2つ以上の位置間で移動し、定位置に収まることができるように、1つ以上の戻り止め(図示せず)を有する。図3A及び図3Bは、シャフト515に固定されたカラー542を示しているが、他の実施形態(図示せず)において、前記カラーは、ハンドル120に固定され、バーと共に回転せず、モーションブラー(motion blur)を減少させ、手ぶれ補正機能を単純化する。
【0020】
前記カメラ512は、シャフト515に固定されているため、バー540とカメラ512の双方は骨の切断又は研削中に回転する。一部の実施形態において、前記カメラ512は、バー511が回転していない間に使用され、鮮明なイメージ又はビデオを得る。他の実施形態において、前記カメラ512が速い露出時間(例えば、30フレーム/秒)を有し、バー511が低速リーミング(例えば、330RPM以下)で使用されている場合、カメラ512は、ドリルの回転中に使用され得る。
【0021】
図4は、シャフト415及び切断エッジを備える外周面411を有するバー410の他の実施形態を示す。前記バー410は、カニューレが挿入されており、中央長手方向通路417を有する。前記バー410は、前記中央長手方向通路417から外周面411まで、半径方向に延びる複数の放射状の穿孔416を有する。前記バー410は、骨の研削中に前記バー410の側面に沿って複数の位置で生理食塩水、水等を提供して前記骨を冷却することができる。
【0022】
図5は、複数構成要素のカテーテルシステム600の実施形態を示す。カテーテル670は、外壁671及び内壁679を備えた第1通路672を有するガイドを提供する。第2通路の壁673及び内壁679の一部は、光を通すための第2通路674を定義する。第3通路の壁678及び内壁679の一部は、カメラ112(図6に図示せず)及び/又はカメラカップリングのための第3通路677を定義する。前記カメラカップリングは、
DSPビデオプロセッサ(図6に図示せず)と有線又は無線接続することができる。一部の実施形態において、前記カメラカップリングは、光ファイバを含み得る。一部の実施形態において、前記カメラ112は、第3通路677から延びることができる。例えば、前記カメラ112は、図2に示した形態のシャフト113上に取り付けることができる。他の実施形態において、前記カメラ112は、第3通路677と同じ高さであるか、又はその内部に埋め込み可能である。一部の実施形態において、第4通路の壁676及び内壁679の他の部分は、流体(例えば生理食塩水又は水)を送るための第4通路675を定義する。第4通路675の近位端部は、生理食塩水ポート123と接続することができる(図1A)。前記カニューレ670、第2通路の壁673、第3通路の壁678及び第4通路の壁676は、突出してもよい。
【0023】
一部の実施形態において、図5に示すように、前記カテーテル670は、光と生理食塩水を提供し、カメラを取り付け、バー611が第1通路672を通る。前記バー611は、カニューレが挿入されても、カニューレが挿入されなくてもよい。前記バー611は、いかなる光又は生理食塩水も有しないことがある。
【0024】
前記カテーテル670は、水と光を提供し、カメラ(図示せず)から光学信号又は電気信号を受信するための2つ以上のチャンネル674、675、677を有する。中央通路672は、バー611又は切断部品を収容することができる。一部の実施形態において、チャンネル674、675、及び677を定義するチューブ673、676、及び678は、カテーテルの内壁上に突出する。図5は、3つのチャンネル674、675、及び677を示すが、他の実施形態では、電力源、真空、紫外線(UV)光といった追加機能のために、2つ、4つ又はそれ以上のチャンネルを有することができる。
【0025】
図6は、外壁681、内壁683及び長手方向通路684、686、688を有するカテーテル680の変形を示す。前記カテーテル680aは、外壁681及び内壁683を備える第1通路682を有するガイドとしての役割を果たす。
【0026】
前記内壁683は、第1通路を定義し、これによってバー611又は切削道具がシャフト615上に延びる。前記長手方向通路684、686、及び688は、外壁681と内壁682との間に形成してもよい。一部の実施形態において、前記カテーテル680及び通路684、686、688は、押出又は積層式製造によって形成してもよい。
【0027】
一部の実施形態において、図6に示すように、前記光チャンネル684及び水チャンネル686は、カテーテル680の側壁681内に成形することができ、その遠位端部にバー611が取り付けられたシャフト615がカテーテルの中心を通ることができる。一部の実施形態において、カメラ688は、前記カテーテルの遠位端部の端部表面に収めることができる。前記カテーテルの壁内にカメラ688を収めることにより、カテーテル680を傷部位に前進させると共に、カメラを保護することできる。図6は、3つのチャンネル684、686、688を示すが、他の実施形態では、真空、紫外線(UV)光等といった追加機能のために、2つ、4つ又はそれ以上のチャンネルを有することができる。
【0028】
バー611は、シャフト615上に取り付けられる。前記シャフト615は、第1の(遠位)端部に滑らかな側面又は複数の切断エッジを有する回転可能なシャフトであり得る。前記回転可能なシャフト615は、図示したように前記シャフト615の第1の(遠位)端部がガイド682の第1の端部から延びるように第1通路682を介して挿入することができる。前記カメラは、カメラカップリングを介してイメージ又はビデオ信号を出力するように接続されている。一部の実施形態において、前記カメラ688は、前記カテーテル680の遠位端部と同じ高さであるか、又は遠位端部に埋め込まれている。
【0029】
図7は、ガイド750の第1の(遠位)端部にグロメット752を備えるガイド750を含む、カテーテルの変形を示す。前記グロメット752は、前記ガイド75周囲の皮膚753を保護するために、患者の皮膚753の切開部754内に挿入するように構成される。前記ガイド750は、作業チャンネルを定義する中空の円筒状の内壁718を有する。
【0030】
グロメットスタイルの端部752は、前記作業チャンネル718の安定性を提供し、作業チャンネル718周囲の皮膚753を保護する。前記グロメット752は、小さな切開部位754を介して作業することができ、皮膚下部に位置する。円筒型851は、前記皮膚753から突出するガイド750の唯一の部分であり、接近/作業チャンネル718を提供する。
【0031】
図7は、バー611がガイド750から延びる、原位置(in situ)の前記ガイ
ド750を示す。前記バー611は、図6で説明したように、シャフト615に取り付けられたカニューレが挿入されていないバーであり得る。他の実施形態において(図示せず)、前記バーは、前記バー110の通路114から延びたシャフト115上のカメラ112を含む図2に関して、上述のようなカニューレが挿入されたバー110であり得、且つ切断又は研削エッジ111を有することができる。前記バー110は、骨760を研削するように配置される。
【0032】
図8Aは、複数構成要素のカテーテルシステム810の実施形態を示す。前記カテーテル670は、外壁671及び内壁679を備えた第1通路672を有するガイドを提供する。第2通路の壁673及び内壁679の一部は、光を通すための第2通路674を定義する。第3通路の壁678及び内壁679の一部は、カメラ112(図6に図示せず)及び/又はカメラカップリングのための第3通路677を定義する。前記カメラカップリングは、DSPビデオプロセッサ(図示せずと有線又は無線接続することができる。
【0033】
図8A~8Cは、ガイド810が円錐切頭体形状を有する他の実施形態を示す。前記円錐切頭形状は、傷部位に挿入するアイテムのより広範囲の動きを可能にする。その形状は、外科医が研削又は切断中に、バー611の角度を変更することを可能にし、外科医が垂直のバー611では到達できない骨表面に接近することを可能にする。前記ガイド810は、切頭体形状の外面813及び切頭体形状の内面814、上端環状エッジ812及び下端環状エッジ818を有する。
【0034】
前記ガイド810の下端環状エッジ818は、器具、組織、流体等といった要素の挿入及び除去が可能なように開放されている。これらの要素は、下端環状エッジ818の開口を介して挿入及び/又は除去することができる。
【0035】
複数のチャンネル816a~816hは、外面813と内面814との間の壁を介して
延びる。前記チャンネルは、上端環状エッジ812から下端環状エッジ818まで延びる。前記複数のチャンネル816a~816hは、手術部位754(図7)へのより高い可
視性と接近を可能にする。光、流体、器具、組織、加熱配管、焼灼システム等は、これらチャンネル816a~816hを介して挿入及び/又は除去することができる。図8A
、8つのチャンネル816a~816hを示すが、任意の数のチャンネルを提供すること
ができる。本実施例において、チャンネル816a及び816bは、それぞれ生理食塩水
及び光を供給するための経路を提供する。
【0036】
前記システムは、前記ガイド810の第1端部に取り付けられた少なくとも1つのスプレッダー876をさらに含むことができる。図8Bは、前記ガイド810の両側にある2つのスプレッダー876示している。切開が行われると、前記スプレッダー876は、皮
膚874を広げて傷部位872を露出する。その後、前記ガイド810を挿入することができる。
【0037】
図8Cは、リトラクター880のスプレッダー876が所定の位置に保持されている、挿入したガイド810を示す。ストラップ882は、前記ガイド810を所定の位置に保持するために、前記ガイド810の第1の(遠位)端部で下端環状エッジ818に取り付けることができる。前記ガイド810を所定の位置に保持したまま、バー611(図6)を使用して骨の研削や切断ができる。
【0038】
図8D及び8Eは、前記ガイド850を所定の位置に配置し、保持するためのハンドル860を備えた前記ガイド850の変形を示す。前記ハンドル860は、ガイド860に、またはガイド860から、流体、光等を通すための複数のチャンネル861、863を有することができる。各チャンネル861、863は、前記ハンドル860を介して延びたガイド860のそれぞれのチャンネル856a、856bと接続する。図8D及び8Eは、2つのチャンネル861、863を備えるハンドル860を示し、任意の所定数のチャンネルが含まれ得る。前記チャンネル861、863は、流体、光、電力源等のためにそれぞれの供給配管862、864と接続することができる。図8Eは、切断又は研削工程の間、ハンドル860により所定の位置に固定されるガイド850を示す。図8A~8Cの円錐型ガイド810について上述したように、前記ガイド850は、光、流体、器具、組織、加熱配管、焼灼システム等に対するそれぞれのチャンネルを有する。
【0039】
図8A~8Eは、円錐切頭体形状を有するガイド810、850を示しているが、前記ガイドは、異なる形状を有することができる。例えば、図9Aは、変曲点914を備えた滑らかに湾曲した外表面912を有するガイド910を示す。前記変曲点914の上方において、表面912の断面は凸状である。変曲点の下方において、表面912の断面は凹状である。前記ガイド910の内面(図示せず)は、外表面912と(一定の壁厚の場合)同心円に湾曲することができる。他の実施形態において、前記ガイド910の内面(図示せず)は、(可変の壁厚の場合)円錐型切頭体であり得る、前記ガイドの他の実施形態では、その他の滑らかに湾曲した形状を有することができる。
【0040】
図9Bは、上端部921から始まる円錐形切頭体922と下端部923で終わる円筒形924を有する漏斗形状のガイド920を示す。一部の実施形態において、前記ガイド920の内面(図示せず)は、一定の壁厚に対して表面922及び924と同心に位置する上端部に切頭体部、及び下端部に円筒形の終了部分を有する。他の実施形態において、前記ガイド910の内面(図示せず)は、(可変の壁厚に対して)円錐形切頭体であり得る。
【0041】
図9Cは、上端部931に円錐形切頭体部932、及び下端部にグロメット933を有するガイド930の他の変形を示す。接続部分934は、前記円錐形切頭体部932と前記グロミット933とを接続する。前記接続部分は、(図示のとおり)滑らかに湾曲した又は円筒形の、反転した円錐形の切頭体であり得る。前記グロメット933は、図7に関連して、上述のとおりグロメット752と同様の方法で皮膚を保護することができる。
【0042】
図8A~9Cの形状は、単なる例示に過ぎず、前記ガイドは、他の変形の形態を有することができる。前記ガイド910、920又は930のいずれも、図8Cに示すようなストラップ、図8D及び8Eに示すようなハンドルにより、定位置に固定することができる。例えば、図8A~8Eに示すような小さな円筒形のチャンネルの代わりに、前記チャンネルは、流体又は光のためのより広い流路を提供し、弧形状であり、約20度から約85度までの角度を調整することができる。
【0043】
本明細書に記載した全てのバー及び切断道具は、ステンレス鋼、炭化タングステン、多結晶ダイヤモンド、これらの組合せといった硬質材料を含むことができる。一部の実施例において、前記バー及び切断道具は、黒色酸化物、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、窒化チタンカーボン、ダイヤモンド、窒化ジルコニウム等のコーティングを有することができる。
【0044】
図10は、骨を切断又は研削する例示的な方法のフローチャートである。
【0045】
ステップ1002で、外科医はハンドル120にバー110のシャフトを固定する。
【0046】
ステップ1004で、外科医はバー110を回転又は往復運動させる。前記ハンドル120は、回転又は往復運動を引き起こす。
【0047】
ステップ1006で、カメラ112は、傷部位のイメージデータを収集する。前記カメラ112は、シャフト115上に配置され、カメラ112は、バー110の第1の端部117に隣接して配置され、シャフト115は、バー110を介して延びる。
【0048】
ステップ1008で、外科医は、バー110を用いて骨物質を研削又は除去する。
【0049】
ステップ1010で、流体(例えば、生理食塩水、水)がハンドル120からバー110に提供される。
【0050】
ステップ1012で、骨を除去する間、前記流体がバー110の内壁とシャフト115との間の空洞114を通って、バー110の遠位端部116に前記バーを介して送られる。
【0051】
ステップ1014で、骨を研削又は除去する間、前記流体がバー110から送られ、傷部位を洗い流す。一部の実施形態(図1)において、前記流体は、前記バー110の遠位端部から送られる。一部の実施形態(図4)において、前記バー410は、側面に複数の前記穿孔416を有し、前記流体を送るステップは、前記穿孔416を介して放射状に流体を注入するステップを含む。
【0052】
ステップ1016で、カメラのプロセッサは、手ぶれ補正機能を用いてイメージデータを処理する。
【0053】
本発明は、例示的な実施形態に関して説明したが、これに限定されない。むしろ、添付の特許請求の範囲は、当業者によって行われ得る他の変形及び実施形態を含むように広く解釈されるべきである。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図10
【手続補正書】
【提出日】2022-08-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラと、
内壁を備える第1通路を有するガイドと、
第1の端部に複数の切断エッジを備える回転可能なシャフトを有するバーと、を含む道具であって、
前記内壁は、光を通すための第2通路、カメラ又はカメラカップリングのための第3通路、流体を流すための第4通路を定義し、
前記回転可能なシャフトは、前記シャフトの第1の端部が前記ガイドの第1の端部から延びるように前記第1通路を介して挿入可能であり、
前記カメラは、前記カメラカップリングを介してイメージ又はビデオ信号を出力するように接続されている、道具。
【請求項2】
前記第1の端部に対向するシャフトの第2の端部に前記シャフトを把持するように構成されたカラーと、前記カラーから前記シャフトの第1の端部まで延びるように構成されたアームと、を含むカメラホルダをさらに含み、前記カメラは、前記カラーに対向するアームの端部に取り付けられている、請求項に記載の道具。
【請求項3】
前記ガイドを把持し、
前記ガイド内のシャフトを回転させ、
前記第3通路を介して前記シャフトの第1の端部へ流体を送るように構成されたハンドルをさらに含む、請求項に記載の道具。
【請求項4】
前記ガイドは、第1の端部にグロメットを有し、前記グロメットは、患者の皮膚の切開部内に挿入されるように構成された、請求項に記載の道具。
【請求項5】
前記ガイドは、中空の円筒形状を有する、請求項に記載の道具。
【請求項6】
前記ガイドは、円錐切頭体形状を有する、請求項に記載の道具。
【請求項7】
前記ガイドの第1の端部に取り付けられた少なくとも1つのスプレッダをさらに含む、請求項に記載の道具。
【請求項8】
前記ガイドの第1の端部に取り付けられた少なくとも1つのストラップをさらに含む、請求項に記載の道具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】
図6は、外壁681、内壁683及び長手方向通路684、686、688を有するカテーテル680の変形を示す。前記カテーテル680は、外壁681及び内壁683を備える第1通路682を有するガイドとしての役割を果たす。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
グロメットスタイルの端部752は、前記作業チャンネル718の安定性を提供し、作業チャンネル718周囲の皮膚753を保護する。前記グロメット752は、切開部位754を介して作業することができ、皮膚下部に位置する。円筒型851は、前記皮膚753から突出するガイド750の唯一の部分であり、接近/作業チャンネル718を提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
図8Aは、複数構成要素のカテーテルシステム810の実施形態を示す。前記カテーテル670は、外壁671及び内壁679を備えた第1通路672を有するガイドを提供する。第2通路の壁673及び内壁679の一部は、光を通すための第2通路674を定義する。第3通路の壁678及び内壁679の一部は、カメラ112(図6に図示せず)及び/又はカメラカップリングのための第3通路677を定義する。前記カメラカップリングは、DSPビデオプロセッサ(図示せず)と有線又は無線接続することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
図8D及び8Eは、前記ガイド850を所定の位置に配置し、保持するためのハンドル860を備えた前記ガイド850の変形を示す。前記ハンドル860は、ガイド850に、またはガイド850から、流体、光等を通すための複数のチャンネル861、863を有することができる。各チャンネル861、863は、前記ハンドル860を介して延びたガイド850のそれぞれのチャンネル856a、856bと接続する。図8D及び8Eは、2つのチャンネル861、863を備えるハンドル860を示し、任意の所定数のチャンネルが含まれ得る。前記チャンネル861、863は、流体、光、電力源等のためにそれぞれの供給配管862、864と接続することができる。図8Eは、切断又は研削工程の間、ハンドル860により所定の位置に固定されるガイド850を示す。図8A~8Cの円錐型ガイド810について上述したように、前記ガイド850は、光、流体、器具、組織、加熱配管、焼灼システム等に対するそれぞれのチャンネルを有する。
【外国語明細書】