(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163076
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】癌検出のための方法
(51)【国際特許分類】
C12Q 1/68 20180101AFI20221018BHJP
G01N 33/50 20060101ALI20221018BHJP
C12Q 1/6851 20180101ALN20221018BHJP
C12Q 1/6869 20180101ALN20221018BHJP
【FI】
C12Q1/68 ZNA
G01N33/50 G
G01N33/50 P
C12Q1/6851 Z
C12Q1/6869 Z
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022116618
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2019527223の分割
【原出願日】2017-11-22
(31)【優先権主張番号】62/425,549
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】519174780
【氏名又は名称】プライム ゲノミクス,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】フェルドマン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マタニ,メラニー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】乳癌の存在に対するリスクスコアを生成するための方法を提供する。
【解決手段】a)被験体上で画像化を実施し、それによって、被験体についての画像化からデータを生成する工程、
b)前記被験体から生体サンプルを収集する工程、
c)前記生体サンプルから核酸を単離する工程、
d)関心対象の遺伝子またはゲノム領域についての核酸を選択する工程、
e)前記選択された核酸を分析する工程であって、前記分析は、配列決定、PCR、量的PCR、または等温増幅を含む技術を含み得るものであり、それによって、データを生成する、分析する工程、
f)以下の組み合わせ:
i)前記画像化からのデータ、および
ii)前記核酸分析からのデータ
に基づいて前記被験体についてのリスクスコアを生成する工程であって、前記リスクスコアは前記被験体の乳癌の確率を提供する、リスクスコアを生成する工程
を含む、リスクスコアを生成する方法とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験体の健康状況を判定するための方法であって、
a)被験体から唾液サンプルを提供する工程;
b)唾液サンプルからバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーは唾液サンプル中のエキソソーム由来である、工程;
c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、工程;及び
d)比較に基づいて乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程
を含む、方法。
【請求項2】
被験体の乳房組織を画像化する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
画像化する工程はマンモグラムを使用して実行される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
マンモグラムからの結果に基づいて被験体のリスクスコアを調整する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
工程b)の前にバイオマーカーを放出するためにエキソソームを溶解する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
溶解前に唾液サンプルのエキソソーム分画を富化する工程を更に含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
富化の後にエキソソーム分画を安定させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
バイオマーカーは無細胞核酸である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
無細胞核酸はRNAである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
RNAはmRNA又はmiRNAである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
mRNAは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA1、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択された遺伝子の転写産物である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
定量する工程はRNAを逆転写する工程を更に含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
定量する工程はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実行する工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
PCRはqPCRを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
定量する工程は配列決定を実行する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
配列決定は超並列配列決定を含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも90%の精度により実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも80%の感度により実行される。請求項1に記載の方法。
【請求項20】
エキソソームの起始細胞は乳房細胞である、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
被験体はデンスブレスト組織を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
被験体はスクリーニングマンモグラムからの曖昧な結果を持つ、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
被験体は50歳未満である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
バイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子の転写産物である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
癌の特徴は、成長抑制因子の回避、免疫破壊の回避、複製の不死化の促進、腫瘍を促進する炎症、侵入及び転移の活性化、血管新生の誘導、ゲノム不安定性及び突然変異、細胞死に対する耐性、細胞のエネルギー学の調節解除、増殖性シグナル伝達の保持、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、ABCA1、ABCA2、TNFRSF10A、DTYMK、ALKBH1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
バイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子と同様の発現プロファイルを持つ遺伝子の転写産物である、請求項1に記載の方法。
【請求項29】
乳癌に対する偽陽性又は偽陰性の結果の数を減らすための方法であって、
a)被験体の生体サンプルを提供する工程であって、被験体は、スクリーニングマンモグラムからの陽性、陰性、又は曖昧な結果を持つ被験体の集団である、工程;
b)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程;
c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程;及び
d)比較の結果に基づいて乳癌に対する偽陽性又は偽陰性として、スクリーニングマンモグラムの結果を同定する工程
を含む、方法。
【請求項30】
被験体の健康状況を判定するための方法であって、
a)被験体の生体サンプルを提供する工程;
b)被験体の生体サンプル中の少なくとも2つのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、少なくとも2つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、工程;
c)少なくとも2つのバイオマーカーのサンプルレベルを少なくとも2つのバイオマーカーの基準レベルと比較する工程;及び
d)比較に基づいて被験体の健康状況を判定する工程
を含む、方法。
【請求項31】
被験体の健康状況を判定するための方法であって、
a)被験体にマンモグラムを実行する工程;
b)被験体の唾液サンプルを得る工程;
c)唾液サンプルからのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーはエキソソーム由来であり、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される遺伝子の転写産物である、工程;
d)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、工程;及び
e)乳癌に関連付けられる被験体の健康状況を判定するためにマンモグラムと比較の結果を組み合わせる工程
を含む、方法。
【請求項32】
a)被験体から唾液サンプルを提供する工程;
b)唾液サンプルからのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーは癌の特徴に関連付けられる遺伝子の転写産物である、工程;
c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは癌を抱える被験体から得られる、工程;及び
d)比較に基づいて癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程
を含む、方法。
【請求項33】
癌の特徴は、成長抑制因子の回避、免疫破壊の回避、複製の不死化の促進、腫瘍を促進する炎症、侵入及び転移の活性化、血管新生の誘導、ゲノム不安定性及び突然変異、細胞死に対する耐性、細胞のエネルギー学の調節解除、増殖性シグナル伝達の保持、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、請求項32に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2016年11月22日出願の米国仮特許出願第62/425,549号の利益を主張し、該仮出願は、その全体において引用により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
癌は、世界中で何百万もの人々に影響を与える流行疾患である。2016年では、推定1,685,210の新たな癌の症例が、米国のみで診断され、595,690人が癌により死亡する。2005年の1170万人(26人に1人)から上昇して、2020年までに、1820万人の米国人、およそ19人に1人が、癌患者又は癌生存者となる。
【0003】
米国で8人の女性のうち約1が、自身の生涯にわたり侵襲性乳癌を進行させる。2012年で、乳癌は全ての癌診断のうち25%近くを占めた。推定252,710の新たな侵襲性乳癌の症例、及び推定63,410の新たな非侵襲性乳癌の症例が、2017年に米国の女性に診断されると推測される。約2,470の新たな侵襲性乳癌の症例が、2017年に男性に診断されると推測される。癌診断が初期段階で行われる場合、生存率は増大し得る。
【0004】
引用による組み込み
本明細書中の出願公開、特許、及び特許出願は全て、あたかも個々の出願公開、特許、或いは特許出願がそれぞれ参照により組み込まれるように具体的且つ個々に指示されるように同じ程度まで、参照により組み込まれる。
【発明の概要】
【0005】
本発明の様々な態様は個々に、集団的に、或いは互いと組み合わせて評価され得ることが理解されよう。本明細書に記載される本発明の様々な態様は、後述の特定用途又は方法の何れかに適用され得る。
【0006】
一態様において、本開示は、被験体の健康状況を判定する方法を提供する。該方法は:a)被験体から唾液サンプルを提供する工程;b)唾液サンプルからバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーは唾液サンプル中のエキソソーム由来である、工程;c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、工程;及びd)比較に基づいて乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程を含み得る。幾つかの実施形態において、前記方法は被験体の乳房組織を画像化する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、画像化する工程はマンモグラムを使用して実行される。幾つかの実施形態において、前記方法は、マンモグラムからの結果に基づいて工程eからの被験体のリスクスコアを調整する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、工程b)の前にバイオマーカーを放出するためにエキソソームを溶解する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、溶解の前に唾液サンプルのエキソソーム分画を富化する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、富化の後にエキソソーム分画を安定させる工程を更に含む。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは無細胞核酸である。幾つかの実施形態において、無細胞核酸はRNAである。幾つかの実施形態において、RNAはmRNA又はmiRNAである。幾つかの実施形態において、mRNAは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA1、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択された遺伝子の転写産物である。幾つかの実施形態において、定量する工程は、RNAを逆転写する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、定量する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実行する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、PCRはqPCR含む。幾つかの実施形態において、定量する工程は、配列決定を実行する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、配列決定は、超並列配列決定を含む。幾つかの実施形態において、乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも90%の精度により実行される。幾つかの実施形態において、乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される。幾つかの実施形態において、乳癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも80%の感度により実行される。幾つかの実施形態において、エキソソームの起始細胞は乳房細胞である。幾つかの実施形態において、被験体はデンスブレスト組織を有する。幾つかの実施形態において、被験体は、スクリーニングマンモグラムからの曖昧な結果を有する。幾つかの実施形態において、被験体は18~40の年齢層である。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは、癌の特徴(hallmark)に関連付けられる遺伝子の転写産物である。幾つかの実施形態において、癌の特徴は、成長抑制因子の回避、免疫破壊の回避、複製の不死化の促進、腫瘍を促進する炎症、侵入及び転移の活性化、血管新生の誘導、ゲノム不安定性及び突然変異、細胞死に対する耐性、細胞のエネルギー学の調節解除、増殖性シグナル伝達の保持、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、ABCA1、ABCA2、TNFRSF10A、DTYMK、ALKBH1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子と同様の発現プロファイルを持つ遺伝子の転写産物である。
【0007】
一態様において、本開示は、乳癌に対する多数の偽陽性又は偽陰性の結果を減らすための方法を提供する。該方法は:a)被験体の生体サンプルを提供する工程であって、被験体は、スクリーニングマンモグラムからの陽性、陰性、又は曖昧な結果を持つ被験体の集団である、工程;b)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程;c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程;及びd)比較の結果に基づいて乳癌に対する偽陽性又は偽陰性として、スクリーニングマンモグラムの結果を同定する工程を含み得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは無細胞核酸である。幾つかの実施形態において、無細胞核酸はRNAである。幾つかの実施形態において、RNAはmRNA又はmiRNAである。幾つかの実施形態において、mRNAは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択された遺伝子の転写産物である。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはエキソソーム由来である。幾つかの実施形態において、前記方法は、工程b)の前にバイオマーカーを放出するために生体サンプルのエキソソーム分画を溶解する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、溶解の前に生体サンプルのエキソソーム分画を富化する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、富化の後にエキソソーム分画を安定させる工程を更に含む。幾つかの実施形態において、生体サンプルは唾液である。幾つかの実施形態において、同定する工程は、少なくとも90%の精度により実行される。幾つかの実施形態において、同定する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される。幾つかの実施形態において、同定する工程は、少なくとも80%の感度により実行される。幾つかの実施形態において、エキソソームの起始細胞は乳房細胞である。幾つかの実施形態において、被験体はデンスブレスト組織を有する。幾つかの実施形態において、被験体は曖昧なマンモグラム結果を有する。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子の転写産物である。幾つかの実施形態において、癌の特徴は、成長抑制因子の回避、免疫破壊の回避、複製の不死化の促進、腫瘍を促進する炎症、侵入及び転移の活性化、血管新生の誘導、ゲノム不安定性及び突然変異、細胞死に対する耐性、細胞のエネルギー学の調節解除、増殖性シグナル伝達の保持、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され得る。幾つかの実施形態において、癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、ABCA1、ABCA2、TNFRSF10A、DTYMK、ALKBH1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子と同様の発現プロファイルを持つ遺伝子の転写産物である。
【0008】
一態様において、本開示は、被験体の健康状況を判定する方法を提供する。該方法は:a)被験体のサンプルを提供する工程;b)被験体の生体サンプル中の少なくとも2つのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、少なくとも2つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、工程;c)少なくとも2つのバイオマーカーのサンプルレベルを少なくとも2つのバイオマーカーの基準レベルと比較する工程;及びd)比較に基づいて被験体の健康状況を判定する工程を含み得る。幾つかの実施形態において、生体サンプルは生体液である。幾つかの実施形態において、生体液は唾液である。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーのうち1つは、HIST1H4Kである。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーのうち1つは、TNFRSF10Aである。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーのうち1つは、ALKBH1である。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーのうち1つは、ABCA2である。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーのうち1つは、DTYMKである。幾つかの実施形態において、定量する工程は、少なくとも9つのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程を含む。幾つかの実施形態において、9つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、及びHs.161434である。幾つかの実施形態において、定量する工程は、少なくとも2つのバイオマーカーのmRNA転写産物を定量する工程を含む。幾つかの実施形態において、前記方法は、mRNAを放出するために生体サンプルのエキソソーム分画を溶解する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の精度により実行される。幾つかの実施形態において、バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも80%の感度により実行される。幾つかの実施形態において、バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーは癌の特徴に関連付けられる。幾つかの実施形態において、癌の特徴は、成長抑制因子の回避、免疫破壊の回避、複製の不死化の促進、腫瘍を促進する炎症、侵入及び転移の活性化、血管新生の誘導、ゲノム不安定性及び突然変異、細胞死に対する耐性、細胞のエネルギー学の調節解除、増殖性シグナル伝達の保持、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、少なくとも2つのバイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子と同様の発現プロファイルを含む。
【0009】
一態様において、本開示は、被験体の健康状況を判定する方法を提供する。該方法は:a)被験体にマンモグラムを実行する工程;b)被験体の唾液サンプルを得る工程;c)唾液サンプルからのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーはエキソソーム由来であり、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される遺伝子の転写産物である、工程;d)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、工程;及びe)乳癌に関連付けられる被験体の健康状況を判定するためにマンモグラムと比較の結果を組み合わせる工程を含み得る。幾つかの実施形態において、前記方法は、工程e)の組み合わせる工程を欠いた方法と比較して、乳癌に関連付けられる被験体の健康状況を判定するための精度がより優れている。幾つかの実施形態において、被験体はデンスブレスト組織を有する。幾つかの実施形態において、マンモグラムは被験体に曖昧な結果をもたらす。幾つかの実施形態において、被験体は18~40の年齢層である。幾つかの実施形態において、転写産物はmRNA又はmiRNAである。幾つかの実施形態において、定量する工程は配列決定を含む。
【0010】
一態様において、本開示は、以下を含む方法を提供する:a)被験体から唾液サンプルを提供する工程;b)唾液サンプルからのバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーは癌の特徴に関連付けられる遺伝子の転写産物である、工程;c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは癌を抱える被験体から得られる、工程;及びd)比較に基づいて癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程。幾つかの実施形態において、癌の特徴は、成長抑制因子の回避、免疫破壊の回避、複製の不死化の促進、腫瘍を促進する炎症、侵入及び転移の活性化、血管新生の誘導、ゲノム不安定性及び突然変異、細胞死に対する耐性、細胞のエネルギー学の調節解除、増殖性シグナル伝達の保持、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、Hs.161434、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、癌の特徴に関連付けられる遺伝子は、ABCA1、ABCA2、TNFRSF10A、DTYMK、ALKBH1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは唾液中のエキソソームから得られる。幾つかの実施形態において、前記方法は、エキソソーム分画からバイオマーカーを放出するために工程b)の前にエキソソームを溶解する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、エキソソームの起始細胞は乳房細胞である。幾つかの実施形態において、転写産物はRNAである。幾つかの実施形態において、RNAはmRNA又はmiRNAである。幾つかの実施形態において、定量する工程は、RNAを逆転写する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、定量する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実行する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、PCRはqPCRである。幾つかの実施形態において、定量する工程は、配列決定を実行する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、配列決定は、超並列配列決定を含む。幾つかの実施形態において、癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも90%の精度により実行される。幾つかの実施形態において、癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される。幾つかの実施形態において、癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程は、少なくとも80%の感度により実行される。幾つかの実施形態において、癌は乳癌である。幾つかの実施形態において、被験体はデンスブレスト組織を有する。幾つかの実施形態において、被験体は、スクリーニングマンモグラムからの曖昧な結果を有する。幾つかの実施形態において、被験体は18~40の年齢層である。幾つかの実施形態において、前記方法は被験体の乳房組織を画像化する工程を更に含む。幾つかの実施形態において、画像化する工程はマンモグラムを使用して実行される。幾つかの実施形態において、前記方法は、マンモグラムからの結果に基づいて工程d)からの被験体のリスクスコアを調整する工程を更に含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本開示の新規な特徴は、とりわけ添付の請求項で説明されている。本開示の特徴と利点についてのよりよい理解は、本開示の原則が用いられている例示的な実施形態を説明する以下の詳細な記載と添付の図面を参照することによって得られる。
【
図1】健康状態(例えば癌、乳癌)に関連付けられるバイオマーカーを検出するために本開示のバイオマーカーアッセイでの、被験体の生体サンプル(例えば唾液などの体液)の使用を示す。バイオマーカーアッセイからのデータは被験体の健康状況を判定するために使用され得る。
【
図2】被験体における癌(例えば乳癌)検出のために画像化データ(例えばマンモグラム)と組み合わせた本開示のバイオマーカーパネルの使用を示す。画像化データと組み合わせたアッセイの使用は、より優れた精度の検出を提供することができる。
【
図3】唾液サンプルを使用して被験体の癌を評価するための本開示の方法の例示的なワークフローを示す。
【
図4】本開示のバイオマーカーパネルの一部であり得る候補遺伝子を示す。
【
図5】コンピューターアーキテクチャシステムの例を説明するブロック図である。
【
図6】複数のコンピューターシステム、複数の携帯電話及び個人用携帯情報端末、及びNAS装置とのコンピューターネットワークを示す図である。
【
図7】共有仮想アドレスメモリ空間を用いるマルチプロセッサーコンピューターシステムのブロック図である。
【
図8】地理的位置からユーザーへと伝達されるコンピュータープログラム製品を示す。
【
図9】乳癌に対するバイオマーカーを同定する研究の結果を示す。10の乳癌被験体及び10対応且つ健康な対照由来の平均接続値が示される。
【
図10】60の被験体の検証研究から得られたqPCRを使用して実行された9-遺伝子アッセイから得られたスコアを示す。
【
図11】連続的に順序を付けた複合遺伝子発現値を示す。
【
図12】バイオマーカー遺伝子5に対する第2の検証研究の結果を示す。
【
図13】候補バイオマーカー遺伝子に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Aは、遺伝子2に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Bは、遺伝子3に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Cは、遺伝子7に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Dは、遺伝子9に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。
【
図14】遺伝子2に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図15】遺伝子3に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図16】遺伝子7に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図17】遺伝子9に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図18】候補バイオマーカー遺伝子に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Aは、遺伝子1に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Bは、遺伝子4に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Cは、遺伝子5に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Dは、遺伝子6に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。Eは、遺伝子8に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。
【
図19】遺伝子1に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図20】遺伝子4に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図21】遺伝子5に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図22】遺伝子6に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図23】遺伝子8に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【
図24】ハウスキーピング遺伝子G-H1に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。
【
図25】ハウスキーピング遺伝子G-H2に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。
【
図26】唾液バイオマーカー試験に対して最適化されたワークフローの例を示す。
【
図27】癌の特徴に関連付けられる例示的な遺伝子及びシグナル伝達系を示す。
【
図28】癌の1つ以上特徴に関連付けられる、本開示の方法を使用して同定された例示的なバイオマーカーを示す。
【
図29】乳癌遺伝子に対する唾液中の遺伝子発現プロファイルを評価する研究の結果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明及び実施例は、本開示の実施形態を詳細に例示する。本開示は、本明細書に記載される特定の実施形態に限定されず、そのため変化し得ることが理解されよう。当業者は、本発明の多数の変形及び修正が存在し、それらが本開示の範囲内に含まれることを認識するだろう。
【0013】
マンモグラムなどの画像化試験は、癌(例えば侵襲性乳癌及び非浸潤性乳癌)のような乳房疾患をスクリーニングし検出するために使用され得る。しかし、マンモグラムのスクリーニングは、5つの乳癌のうち約1つしか検出することができない。マンモグラムに対する偽陽性及び偽陰性の割合は、例えば約7-15%に及び得る。偽陽性及び偽陰性の割合は、より若い女性(例えば50歳未満の女性)及びデンスブレストを持つ女性において、より頻繁であり得る。更に、マンモグラムに基づいて侵襲性乳癌と乳癌の生命を脅かさない形態とを区別するのは困難な場合がある。結果的に、マンモグラムは患者の過剰診断に繋がりかねず、このことは非侵襲性の癌の過剰治療にも繋がりかねない。故に、乳癌検出のより正確な方法がかなり必要とされている。
【0014】
本明細書には、被験体の癌を検出するための方法が開示される。典型的な方法は、(a)被験体から唾液を得る工程、(b)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程、(c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程、(d)サンプルレベルと基準レベルとの比較に基づいて癌に対する被験体のリスクスコアを判定する工程、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。生体サンプルは例えば唾液であり得る。癌は例えば乳癌であり得る。バイオマーカーは例えばエキソソーム由来であり得る。前記方法は、生体サンプルの特定の分画、例えば生体サンプル中のエキソソームを溶解、単離、又は富化する工程を付加的に含み得る。
【0015】
本開示の典型的な方法は
図1に示される。
図1は、例えば癌に関連付けられる1つ以上バイオマーカーを検出するための、被験体からの唾液サンプルの使用を示す。唾液サンプル(101)は被験体から集められる。その後、唾液サンプルは処理され、バイオマーカー(103)を検出するために本開示(102)のバイオマーカーパネルアッセイにさらされる。バイオマーカーアッセイの結果は、被験体が癌を抱えるかどうかを判定するために使用される。被験体は診断(104)を与えられる。
【0016】
本開示の方法は、付加的なスクリーニング又は検出方法と組み合わせて使用することができる。例えば、本開示のバイオマーカーアッセイと追加のスクリーニング試験の組み合わせは、スクリーニング試験のみを用いて得られるものと比較して、癌の検出のより優れた精度、感度、及び/又は特異性を提供することができる。典型的な方法は、a)被験体による健康状態の発達のリスクを評価するために被験体にスクリーニング試験を実行する工程、b)被験体の生体サンプルを得る工程、c)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程、d)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程、e)スクリーニング試験とバイオマーカー比較の結果を組み合わせる工程、f)スクリーニング試験、バイオマーカー結果、又はそれらの任意の組み合わせからの組み合わせた情報に基づいて被験体の健康状況を判定する工程を含み得る。追加のスクリーニングテストは例えば、被験体の組織又は臓器からの画像化試験(例えば、X線、音波、放射性粒子、又は磁場を使用する)を含み得る。組織は例えば乳房組織であり得る。追加のスクリーニング試験は例えばマンモグラムであり得る。生体サンプルは例えば唾液であり得る。癌は例えば乳癌であり得る。バイオマーカーは例えばエキソソーム由来であり得る。バイオマーカーは例えばmRNAであり得る。
【0017】
本開示の典型的な方法は
図2に示される。
図2は、乳癌の検出のために追加のスクリーニング試験(例えばマンモグラム)と協働した本開示の唾液ベースのバイオマーカーアッセイの使用を示す。被験体(201)は、マンモグラム(202)などの画像化試験を受ける。被験体はまた、バイオマーカーパネルアッセイのために唾液(204)などのサンプルを提供する。画像化データ(203)が得られ且つ処理される。唾液サンプルは、バイオマーカー(205)を検出するためにバイオマーカーパネルアッセイにさらされる。画像化データ(203)及びバイオマーカーアッセイ結果(205)の組み合わせは、被験体(206)の乳癌を診断するために使用される。
【0018】
本明細書には、健康状態に対して偽陽性又は偽陰性の結果の数を減らすための方法が開示される。典型的な方法は、a)健康状態を発達させる被験体のリスクを評価するスクリーニング試験からの陽性、陰性、又は曖昧な結果を有する被験体の生体サンプルを得る工程、b)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程、c)健康状態に対してバイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程、d)バイオマーカー比較からの結果に基づいて健康状態に対して偽陽性又は偽陰性として、スクリーニング試験の結果を同定する工程を含み得る。スクリーニング試験は例えば、被験体の組織又は臓器からの画像化試験(例えば、X線、音波、放射性粒子、又は磁場を使用する)を含み得る。組織は例えば乳房組織であり得る。スクリーニング試験は例えばマンモグラムであり得る。生体サンプルは例えば唾液であり得る。健康状態は例えば乳癌であり得る。バイオマーカーは例えばエキソソーム由来であり得る。バイオマーカーは例えばmRNAであり得る。
【0019】
本開示の方法は、例えば、癌の早期検出のための、低コストで、正確で、非侵襲性で、且つ容易な試験の実施を提供する。本開示の方法は、癌の早期検出を補助することができる。本開示の方法は、デンスブレスト組織を持つ被験体に有用であり得る。本開示の方法は、偽陽性及び偽陰性の割合を減らし、癌診断の正確性を改善することができる。幾つかの実施形態において、本開示は、被験体の乳癌のリスクを判定するために被験体の唾液サンプルからのエキソソーム由来のmRNAを測定する工程を含む、唾液ベースの試験を提供する。
【0020】
幾つかの実施形態において、本開示は、本開示の方法を実行するための装置を提供する。該装置は、サンプルを分析するために、例えば、被験体のバイオマーカーシグネチャを生成するために使用することができる。幾つかの実施形態において、前記装置は、クリニック、病院、又は乳房画像化センターで使用することができる。
【0021】
本開示の態様は、健康状態又は疾患に悩む被験体のモニタリング、診断、及び/又は処置を改善可能な方法に関連し得る。健康状態は、例えば癌、神経変性疾患、炎症性障害、又は薬物反応障害であり得る。
【0022】
癌の非限定的な例は、以下を含む:急性リンパ芽球性白血病、急性骨髄性白血病、副腎皮質癌、AIDS関連の癌、AIDS関連のリンパ腫、肛門癌、虫垂癌、星細胞腫、神経芽細胞腫、基底細胞癌、胆管癌、膀胱癌、骨癌、小脳星状細胞腫などの脳腫瘍、大脳星細胞腫/悪性神経膠腫、上衣腫、髄芽腫、テント上原始神経外胚葉腫瘍、視覚伝導路及び視床下部膠腫、乳癌、気管支腺腫、バーキットリンパ腫、原発部位不明の癌由来、中枢神経系リンパ腫、小脳星状細胞腫、子宮頚癌、小児癌、慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病細胞、慢性骨髄増殖性疾患、結腸癌、皮膚T細胞リンパ腫、線維形成性小円形細胞腫瘍、子宮内膜癌、上衣腫、食道癌、ユーイング肉腫、生殖細胞腫瘍、胆嚢癌、胃癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、神経膠腫、ヘアリー細胞白血病、頭頚部癌、心臓癌、肝細胞(肝臓)癌、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、眼球内黒色腫、島細胞癌、カポジ肉腫、腎臓癌、喉頭癌、口唇癌及び口腔癌、脂肪肉腫、肝臓癌、非小細胞及び小細胞肺癌などの肺癌、リンパ腫、白血病、マクログロブリン血症、骨/骨肉腫の悪性線維性組織球腫、髄芽腫、黒色腫、中皮腫、原発不明の転移性頸部扁平上皮癌、口腔癌、多発性内分泌腫瘍症候群、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、鼻腔及び副鼻腔癌、上咽頭癌、神経芽細胞腫、非ホジキンリンパ腫、非小細胞肺癌、口腔癌、口腔咽頭癌、骨肉腫/骨の悪性線維性組織球腫、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣性胚細胞腫瘍、膵臓癌、膵臓癌島細胞、副鼻腔及び鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、咽頭癌、クロム親和性細胞腫、松果体星細胞腫、松果体胚細胞腫、下垂体腺腫、胸膜肺芽腫、形質細胞腫瘍形成、主要な中枢神経系リンパ腫、前立腺癌、直腸癌、腎細胞癌、腎盂及び尿管移行性細胞癌、網膜芽細胞腫、横紋筋肉腫、唾液腺癌、肉腫、皮膚癌、皮膚癌メルケル細胞、小腸癌、軟部組織肉腫、扁平上皮癌、胃癌、T細胞性リンパ腫、喉頭癌、胸腺腫、胸腺癌、甲状腺癌、絨毛性腫瘍(妊娠中)、原発部位不明の癌、尿管癌、子宮肉腫、膣癌、外陰癌、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、及びウィルムス腫瘍を含む。幾つかの実施形態において、健康状態は癌である。幾つかの実施形態において、健康状態は乳癌である。
【0023】
本開示の方法はバイオマーカーの存在を検出する工程を含み得る。バイオマーカーは健康状態(例えば癌)の測定可能な指標であり得る。バイオマーカーは、腫瘍により、或いは、例えば癌の存在からの生理反応の結果として分泌される場合がある。バイオマーカーは、例えば遺伝学的、後成的、プロテオミクス、グライコミクス、又は撮像のバイオマーカーであり得る。バイオマーカーは、診断、予後、又は疫学のために使用することができる。バイオマーカーは、組織生検などの侵襲的に採取されたサンプル中で分析することができる。バイオマーカーは、体液、例えば唾液などの非侵襲的に採取されたサンプル中で分析することができる。
【0024】
様々なバイオマーカーが本開示の方法での使用に適している。バイオマーカーは、例えばDNA又はRNAなどの核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、抗原、抗体、炭水化物、プロテオグリカン、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。バイオマーカーは、無細胞DNA又は無細胞RNAなどの無細胞核酸であり得る。バイオマーカーは以下から成る群から選択されたRNAであり得る:mRNA、小型RNA、miRNA、snoRNA、snRNA、rRNA、tRNA、siRNA、hnRNA、shRNA、及びそれらの組み合わせ。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはRNAであり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはmRNAであり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはmiRNAであり得る。
【0025】
バイオマーカーは遺伝子の産物(例えば発現産物)であり得る。バイオマーカーは、遺伝子の活性を測定することができる。バイオマーカー遺伝子の発現は、トランスクリプトームレベル(例えばRNA、mRNA、miRNA)、プロテオミクスレベル(例えばタンパク質、ポリペプチド)、又はそれらの組み合わせで測定することができる。
【0026】
バイオマーカー遺伝子は、例えば健康状態に対する基準レベル又は対照と比較して、差次的に発現することができる(例えば、過剰発現又は低発現される)。例えば、バイオマーカーには、健康状態に対する基準レベルと比較して少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、10倍、15倍、20倍、50倍、又は100倍の発現レベルの変化があり得る。幾つかの実施形態において、遺伝子発現レベルにおける差異は、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%以上である。基準レベルは1つ以上の被験体から得ることができる。本開示の方法は、対照と比較してバイオマーカー遺伝子の差次的な発現を判定する工程を含み得る。
【0027】
本開示の方法は、1より多くのバイオマーカーの検出を含み得る。方法は例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000のバイオマーカーを評価することができる。方法は例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000のバイオマーカーを評価することができる。方法は、少なくとも2つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも3つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも4つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも5つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも6つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも7つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも8つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。方法は、少なくとも9つのバイオマーカーを検出する工程を含み得る。
【0028】
バイオマーカーの検出又は分析は、バイオマーカーの発現レベル、存在、欠如、突然変異、コピー数変形、切断、重複、挿入、修飾、配列変形、分子集合、又はそれらの組み合わせの判定を含み得る。
【0029】
幾つかの実施形態において、遺伝子共発現ネットワークはバイオマーカーを発見するために分析され得る。例えば、全ての目的のために全体において参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公報20120010823も参照。遺伝子共発現ネットワークの分析は、変化する状態に対する細胞の転写反応に基づき得る。遺伝子の統合された共発現が相互作用タンパク質をコードし得るので、共発現パターンの研究は基礎的な細胞のプロセスへの見識を提供するかもしれない。
【0030】
閾値は、遺伝子共発現ネットワークに到達するためにピアソン相関係数上で設定することができ、コれは「関連性」ネットワークと呼ぶことができる。これらネットワークにおいて、ノードは与えられた遺伝子の遺伝子発現プロファイルに相当し得る。ノードは、例えば、有意なペアワイズ発現プロファイルを持つ場合、接続され得る。幾つかの実施形態において、ピアソン相関の絶対値は遺伝子発現クラスタ分析において標準として使用され得る。幾つかの実施形態において、ピアソン相関係数は共発現尺度として使用することができる。
【0031】
本開示の方法は、遺伝子発現モジュールの分析を含むことができる。クラスタリング手順は、遺伝子発現値間の高い相関、例えば0.95より大きな相関を用いて接続されたノードのモジュールを同定するために使用することができる。その後、これらのモジュール間の平均接続性を分析することができる。平均接続性は全てのモジュールにわたりkiの平均であり得る。モジュールiに対する接続性は、例えばモジュールiに対する約0.95より大きい相関と関連付けられるkiモジュールとして定めることができる:
【0032】
【数1】
ここで、a
ijは、i番目のモジュールに対する0.95より大きな相関を持つモジュールであり得る。
【0033】
幾つかの実施形態において、遺伝子発現値は重み付けされ得る。幾つかの実施形態において、新たな及び/又は追加の遺伝子がバイオマーカーパネルに加えられ得る。幾つかの実施形態において、遺伝子発現値及び/又は追加の遺伝子の重み付けは、被験体のスコアリングを改善することができ、このことはより優れた精度のバイオマーカー検出をもたらすことができる。改善されたスコアリングは、例えば90%より大きい、増大した感度をもたらすことができる。場合によっては、重み付けのレジーム(regime)は使用されない場合がある。
【0034】
同定されたバイオマーカー遺伝子は、乳癌などの健康状態を抱える被験体と健康な被験体との間の接続性又は共発現における差異を示すことができる。このことは、例えば、発見相別試験中に遺伝子チップからの遺伝子発現出力の検査からqPCRを使用した遺伝子発現出力の検査へと移るときに生じ、これは、より優れたダイナミックレンジ及び感度を備え得る。遺伝子サブネットワーク内の平均接続性の尺度は、qPCR結果をスコアリングし且つ乳癌被験体と健康な被験体との間の差異を示すために使用することができる。遺伝子サブネットワーク内の平均接続性の比較は、より優れた精度の試験のためのスコアを改善するために、遺伝子発現値の重み付けを可能にするデータを提供するか、又は新たな遺伝子を加えることができる。
【0035】
図4と表1は、本開示の方法を使用して同定された例示的なバイオマーカーを示す。これらバイオマーカーの1つ以上はバイオマーカーパネルの一部であり得る。「バイオマーカーパネル」、「バイオマーカー遺伝子パネル」、又は「バイオマーカーアッセイパネル」は、被験体の健康状況又は乳癌などの健康状態に対するリスクを判定するために生体サンプル中で分析され得る1セットのバイオマーカーを指す場合がある。場合によっては、パネルの部分集合又は変異体が使用され得る。
【0036】
【0037】
バイオマーカーパネルは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000のバイオマーカーを含むことができる。バイオマーカーパネルは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000のバイオマーカーを含むことができる。バイオマーカーパネルは、少なくとも2つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも3つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも4つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも5つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも6つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも7つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも8つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも9つのバイオマーカーを含み得る。バイオマーカーパネルは、少なくとも10のバイオマーカーを含み得る。
【0038】
バイオマーカーは、例えば、癌関係の遺伝子又は癌関連の遺伝子、乳癌経路の遺伝子、腫瘍遺伝子、癌の特徴に関連付けられる又は関与する遺伝子、又はそれらの組み合わせであり得る。バイオマーカーは、MCART1、LCE2B、HIST1H4K、ABCA1、ABCA2、ABCA12、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、Hs.161434、ALKBH1、及びそれらのホモログ、変異体、誘導体、産物、並びに組み合わせから成る群から選択され得る。バイオマーカーは、本明細書に開示される遺伝子のホモログ、変異体、誘導体、又は産物であり得る。本開示は本明細書に開示される遺伝子の他の名称及び別名をカバーすることを理解されたい。
【0039】
幾つかの実施形態において、バイオマーカーはMCART1であり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはLCE2Bであり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはHIST1H4Kであり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはABCA1であり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはABCA2であり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはTNFRSF10Aであり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはAK092120であり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはDTYMKであり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはHs.161434であり得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーはALKBH1であり得る。
【0040】
幾つかの実施形態において、バイオマーカーパネルは、少なくとも2つのバイオマーカー、例えばHIST1H4KとTNFRSF10Aを含む。幾つかの実施形態において、バイオマーカーパネルは、少なくとも2つのバイオマーカー、例えばHIST1H4KとTNFRSF10Aを含む。幾つかの実施形態において、バイオマーカーパネルは、MCART1、LCE2B、HIST1H4K、ABCA1、ABCA2、ABCA12、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、Hs.161434、及びそれらの変異体から成る群から選択される、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、又は9つのバイオマーカーを含み得る。
【0041】
バイオマーカーは、遺伝子又は溶質担体(SLC)遺伝子ファミリーの遺伝子産物、例えばMCART1であり得る。MCART1はまた、SLC25A51、CG7943、又はMGC14836として知られる場合がある。MCART1は、37879400-37904353の染色体位置(bp)を有する染色体9上で見られる場合がある。MCART1は、癌(例えば乳癌)において差次的に発現され得る。例えば、乳癌中の染色体9の領域(例えば9p13.3-p13.2)における増幅などの突然変異は、MCART1の過剰発現に関連付けられ得る。SLC25は、内部のミトコンドリア膜及び他の細胞小器官膜に埋め込まれる、核をコードされた輸送体の大きなファミリーである。SLC25スーパーファミリーのメンバーは、多数の代謝経路及び細胞機能に関係し得る。SLC25ファミリーメンバーは、三部分よりなる構造、6つの膜貫通α-ヘリックス、及び3倍の反復シグネチャモチーフなどの、配列特徴によって認識することができる。SLC25メンバーは、それらの輸送された基質の性質及びサイズ、輸送の形態(即ち、単輸送、共輸送又は対向輸送)、及び推進力において大幅に変動する。SLC25遺伝子における突然変異は、例えばカルニチン/アシルカルニチン担体欠損症、高オルニチン血症-高アンモニア血症-ホモシトルリン尿症症候群、アスパラギン酸塩/グルタミン酸塩アイソフォーム1及び2欠損症、先天性アーミッシュ型小頭症、両側性線条体壊死を伴う神経障害、先天性鉄利用不能性貧血、新生児てんかん性脳症、及びクエン酸塩担体欠損症に関連する様々な障害に関連付けられ得る。
【0042】
バイオマーカーは、レイトコーニファイドエンベロープ2B(LCE2B)又はそれらの産物であり得る。LCE2Bはまた、小さなプロリン豊富様の表皮分化複合タンパク質1B(SPRL1B)、皮膚に特異的なタンパク質Xp5(XP5)、及びレイトエンベロープタンパク質10(LEP10)として知られている場合がある。LCE2Bは染色体バンド1q21に位置し得る。LCE2Bは表皮分化に関係し得る。LCE2Bに関連する経路は、例えば角質化、サイトカイン炎症、及び細菌に対する宿主反応であり得る。バイオマーカーとしても機能し得るLCE2B遺伝子のパラログはLCE2Cである。
【0043】
バイオマーカーは、ヒストンクラスター1 H4ファミリーにおける遺伝子又は遺伝子産物、例えば、ヒストンクラスター1 H4メンバーK(HIST1H4K)であり、これは、H4ヒストンファミリーメンバーD、ヒストンクラスター1-H4k、H4/D、H4FD、ヒストンH4、又はDJ160A22.1としても知られる場合がある。ヒストンは、染色体紡錘糸のヌクレオソーム構造、及び癌の遺伝子の転写活性化の原因である塩基性核タンパクであり得る。4つのコアヒストン(H2A、H2B、H3、及びH4)の各々の2つの分子は八量体を形成することができ、この周囲で、およそ146bpのDNAを、ヌクレオソームと呼ばれる反復単位に包むことができる。リンカーヒストンであるH1は、ヌクレオソーム間のリンカーDNAと相互に作用し、より高い順序の構造への染色質の圧縮において機能することができる。HIST1H4Kはイントロンがない場合があり、ヒストンH4ファミリーのメンバー、ヒストンH4である複製依存性ヒストンをコードすることができる。HIST1H4Kからの転写産物は、ポリA尾部を欠く場合があり、回帰性の終点要素を含み得る。HIST1H4Kは、染色体6p22-p21.3上の小さなヒストン遺伝子クラスタに見出すことができる。
【0044】
バイオマーカーは、ATP結合カセット(ABC)ファミリーの遺伝子又は遺伝子産物、例えば、ATP結合カセットサブファミリーAメンバー2(ABCA2)であり、これは、ATP結合カセット輸送体2、ATP結合カセット2、ABC2、EC 3.6.3.41、KIAA1062、及びEC 3.6.3としても知られる。ABCタンパク質は、細胞外及び細胞内の膜を介して様々な分子を輸送することができる。ABCサブファミリーによってコードされたタンパク質は、例えば脳組織において高度に発現することができ、マクロファージ脂質代謝及び神経発達における役割を果たし得る。ABCの遺伝子は7つのサブファミリーへと分割することができる:ABC1、MDR/TAP、MRP、ALD、OABP、GCN20、及びWhite。バイオマーカーは、例えばABCA1、ABCA2、ABCA3、ABCA4、ABCA7、ABCA12、又はABCA13であり得る。ABCA2はABC1サブファミリーのメンバーであり得る。ABCA2は例えば、2つの転写変異体をコードすることができる。ABCの輸送体の過剰発現は、細胞毒性薬の蓄積を回避するために腫瘍細胞によって使用される適応的な利点を提供することができる。例えば、ABCA2は、神経系及び造血系の細胞に高度に発現され、腫瘍幹細胞を含む癌細胞における脂質輸送及び薬物耐性に関連付けられ得る。
【0045】
バイオマーカーは、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーの遺伝子又は遺伝子産物、例えば、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー10A(TNFRSF10A)であり、これは、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド受容体1、デス受容体4、TRAIL受容体1(TRAILR-1)、APO2、DR4、及びCD261抗原としても知られる。TNF受容体は、腫瘍壊死因子関連アポトーシス誘導リガンド(TNFSF10/TRAIL)によって活性化され得、これは細胞死シグナル伝達を形質導入し且つ細胞アポトーシスを誘導することができる。Fas結合デスドメインタンパク質FADDである、デスドメイン含有アダプタータンパク質は、TNF受容体タンパク質によって媒介されたアポトーシスに必要とされ得る。アダプター分子FADDは、活性化された受容体へカスパーゼ-8を動員することができる。結果として生じる死亡を誘導する情報伝達複合体(DISC)は、カスパーゼの後のカスケード(例えばアスパラギン酸塩に特異的なシステインプロテアーゼ)を開始することができる、カスパーゼ-8タンパク質分解活性化を実行することができる。TNFRSF10Aは、NF-カッパ-Bの活性化を促進することができる。TNFRSF10Aに関連付けられる疾患は、後強膜炎及び咽頭結膜熱を含み得る。TNFRSF10Aは、TRAF経路、アポトーシス、及びオートファジーに関連付けられ得る。TNFRSF10AのパラログはTNFRSF10Bであり、これは本明細書中のバイオマーカーとしても使用され得る。
【0046】
バイオマーカーはAK092120であり得る。AK092120はLOC283674に関連し得る。AK092120は、例えばmiRNA又は転写結合部位であり得る。AK092120は、癌の特徴に関連付けられる遺伝子に関連付けられ、その代わりになり、或いは同様に作用する(例えば、同様に発現される)ことができる。AK092120は癌遺伝子の特徴であり得る。
【0047】
バイオマーカーは、デオキシチミジル酸キナーゼ(DTYMK)であり、これは、チミジル酸キナーゼ、CDC8、TMPK、TYMK、EC 2.7.4.9、及びPP3731としても知られる。DTYMKの関連する経路の中に、ピリミジンデオキシリボヌクレオチドのデノボ生合成及びプリン代謝のスーパーウェイ(superpathway)(KEGG経路)が備わっている場合がある。DTYMKは、例えばキナーゼ活性及びチミジル酸キナーゼ活性に関係し得る。DTYMKによってコードされたタンパク質は、デオキシチミジン2リン酸(dTDP)へのデオキシチミジン1リン酸(dTMP)の転換を触媒することができる。DTYMKの欠損は、癌細胞における成長不全及び致死性に関連付けられ得る。
【0048】
バイオマーカーは、Hs.161434であり得る。Hs.161434は、例えばmiRNA又は転写結合部位であり得る。Hs.161434は、癌の特徴に関連付けられる遺伝子に関連付けられ、その代わりになり、或いは同様に作用する(例えば、同様に発現される)ことができる。Hs.161434は癌遺伝子の特徴であり得る。
【0049】
バイオマーカーは、2-オキソグルタラート及びFe2+依存性ヒドロキシラーゼファミリーに属する、AlkBファミリーの遺伝子又は遺伝子産物、例えばAlkBホモログ1(ALKBH1)であり得る。ALKBH1は、ヒストンH2Aからメチル基を取り除くことができるヒストンジオキシゲナーゼである。ALKBH1は、癌の特徴に関連付けられる遺伝子であり得る。これはDNA、RNA、tRNAなどの核酸に作用することができる。これは、例えばグルコース喪失に応じて、翻訳の開始及び伸長の調節因子として作用することができる。ALKBH1は、DNA N6-メチルアデニン(N6mA)に対するデメチラーゼ、即ち後成的な修飾であり、胚性幹細胞のコア転写多能性ネットワークと相互に作用することができる。ヒト間葉系幹細胞(MSC)におけるALKBH1の発現は、幹細胞誘導においてアップレギュレートされ得る。ALKBH1の枯渇は、転写因子4(ATF4)を活性化するプロモーター領域上でのN6mAの蓄積を結果としてもたらすことができ、これはATF4転写をサイレンシングすることができる。ALKBH1は、tRNAの可逆的なメチル化に関係し、これは転写後の遺伝子発現調節の機構として役立つことができる。
【0050】
バイオマーカーは、癌の特徴に関連付けられる遺伝子であり得る(例えば、全ての目的のためにその全体において参照により本明細書に組み込まれる、Hanahan D and Weinberg RA (January 2000) Cell. 100 (1): 57-70 and Hanahan, D and Weinberg, R. A. (2011) Cell. 144 (5): 646-674を参照)。
図4又は表1に示されるものなど、本明細書に開示される遺伝子は、癌遺伝子の特徴であり得る。癌遺伝子の特徴又は特徴遺伝子は、癌の特徴に関連付けられる遺伝子であり得る。癌は、正常細胞の悪性又は腫瘍細胞への形質転換を抑制することができる特徴を持つことができる。形質又は特徴は、例えば、増殖シグナルにおける自給率、抗増殖シグナルに対する無感覚、アポトーシスの回避、無限の複製の可能性、維持された血管新生、組織侵入、転移、異常な代謝経路、免疫系の回避、ゲノム不安定性、及び炎症であり得る。癌微小環境は、腫瘍増殖に対して特徴遺伝子を活用するシグナル伝達系を必要とし得る。
図27は、癌遺伝子及びシグナル伝達系の典型的な特徴を説明する。
図28は、癌の1つ以上の特徴に関連付けられる、DTYMK、TNFRSF10A、ABCA1/2及びALKBH1などの、本開示の方法を使用して同定されるバイオマーカーを示す。方法は、癌の特徴に関連付けられる遺伝子の差次的な発現を判定する工程を含み得る。方法は、癌の特徴に関連付けられる遺伝子の代わりになる(例えば、相関される、又は同様の発現プロファイルを持つ)遺伝子の差次的な発現を判定する工程を含み得る。
【0051】
バイオマーカーは、癌遺伝子の特徴に関連付けられる、相関され、その代わりになり又は置き換えられ、或いは同様に作用する(例えば、同様に発現、相関される)遺伝子であり得る。例えば、
図4又は表1に示されるものなど、本明細書に開示される遺伝子は、癌遺伝子の特徴に相関され、或いはそれと同様の発現プロファイルを持つことができ、且つ、それ故に特徴遺伝子の代わり又は代用として使用することができる。
【0052】
バイオマーカーは乳癌経路に関連付けられる遺伝子であり得る。そのような遺伝子の非限定的な例は、ABL1、AHR、AKT1、ANXA1、AR、ARAF、ATF1、ATM、ATR、BACH1、BAD、BAK1、BARD1、BAX、CCND1、BCL2、BID、BLM、BMPR1A、BMPR2、BRCA1、BRAF、BRCA2、CASP3、CASP8、CASP9、CDC25A、CDC25B、CDC42、CDH1、CDK2、CDK4、CDK7、CHEK1、CHUK、PLK3、CREB1、CSNK1D、CTNNB1、CYP19A1、DAG1、GADD45A、E2F1、EGFR、EP300、ESR1、FAU、FER、FOXO1、MTOR、GDI1、GRN、GSK3A、MSH6、HDAC1、HMGCR、IMPA1、IRS1、JAK1、JUN、KRAS、SMAD1、SMAD2、SMAD4、SMAD6、SMAD7、MAX、MDM2、MMP1、MRE11、MSH2、MYC、MYT1、NAB1、NF1、NFKB1、ODC1、PAK1、PHB、PIGR、PIK3R2、PLK1、PMLPKIA、MAPK1、PTEN、RAC1、RAD51、RALA、RAP1A、RB1、RHEB、RHO、RRAS、SMARCA4、SP1、STAT1、AURKA、STK11、TFPI、TGFBR1、TGFBR2、TP53、TPR、TSC1、TSC2、VEGFA、WEE1、XRCC3、FOSL1、NCOA3、RAD54L、PIAS1、TRADD、FADD、ALKBH1、MAP3K13、USP15、RAD50、TAB1、RPP38、USP16、NOXA1、EDAR、CHEK2、MYCBP2、SIRT1、ZMYND8、RASGRP3、ERAL1、USP21、FILIP1、HIPK2、LGALS13、DHTKD1、PPP4R3A、MAP3K7CL、ZMIZ1、PPP4R3B、CCNB1IP1、APOBEC3G、CERK、ZNF655、DCAKD、NUP85、ITPKC、USP38、UBE2F、JAKMIP1、RASGEF1A、RALGAPA1、MIR1281、GRIK1-AS2、又はそれらの任意の組み合わせを含む。
【0053】
1セットのバイオマーカーは、例えば、特異的な乳癌亜型、疾患重症度、疾患処置のタイプ又はモダリティを予測することができる遺伝子、又はそれらの組み合わせに基づいてカスタマイズすることができる。バイオマーカーパネルは例えば、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000のバイオマーカーを含むことができる。幾つかの実施形態において、バイオマーカーパネルは、少なくとも9つのバイオマーカーを含み得る。
【0054】
本開示の方法は、被験体から生体サンプルを得る又は提供する工程を含み得る。生体サンプルは、バイオマーカーを含む或いはそれを含むと推定される任意の物質であり得る。生体サンプルは、核酸又はタンパク質を含む或いはそれらを含むと推定される任意の物質であり得る。
【0055】
生体サンプルは液体サンプルであり得る。生体サンプルは体液であり得る。生体サンプルはエキソソームを含むサンプルであり得る。体液は、本質的に無細胞の液体サンプル、例えば唾液、血漿、血清、汗、尿、及び涙であり得る。他の実施形態において、生体サンプルは、固形生体サンプル、例えば糞便又は組織生検、例えば腫瘍生検であり得る。サンプルはまた、細胞培養培地における細胞、組み換え型細胞、及び細胞構成体の増殖から結果として生じる調整培地を含むがこれらに限定されない、インビトロの細胞培養成分を含み得る。
【0056】
生体サンプルは、血液、血清、血漿、尿、汗、涙、唾液、痰、その構成要素、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択され得る。幾つかの実施形態において、生体サンプルは唾液であり得る。幾つかの実施形態において、生体サンプルは血液であり得る。
【0057】
生体サンプルの非限定的な例は、唾液、全血、末梢血、血漿、血清、腹水、脳脊髄液、汗、尿、涙、頬サンプル、腔洗浄水、痰、臓器洗浄水、骨髄、滑液、眼房水、羊水、耳垢、母乳、気管支肺胞洗浄液、精液(前立腺液を含む)、カウパー流体、又は事前射出された流体、女性の射精液、汗、糞便、毛髪、涙、嚢胞液、胸膜液及び腹膜液、心膜液、リンパ液、粥状液、乳糜、胆汁、間質液、月経、膿汁、皮脂、嘔吐物、膣分泌物、粘膜分泌物、水様便、膵液、副鼻腔からの洗浄液、胚盤胞腔液(blastocyl cavity fluid)、又は他の洗浄液を含む。生体サンプルはまた、胎児又は母親由来の、胚盤胞、臍帯血、又は母体循環を含み得る。生体サンプルはまた、組織サンプル又は生検であり、そこからエキソソームが得られる場合がある。例えば、サンプルが固形サンプルである場合、サンプルからの細胞は培養され、エキソソーム産物が誘導又は探索され得る。
【0058】
生体サンプルの収集は、任意の適切な設定、例えば病院、家、クリニック、薬局、乳房画像化クリニック、及び診断ラボにおいて実行することができる。生体サンプルは、分析のために中央クリニックへ郵送又は空輸によって輸送することができる。生体サンプルは分析前に適切な条件下で保管することができる。
【0059】
本開示の方法は、エキソソームからバイオマーカーを検出するために使用することができる。例えば、生体サンプルのエキソソーム分画からのバイオマーカー、又はエキソソーム由来のバイオマーカー。
【0060】
エキソソームは、遺伝学的、環境的、及び/又は他のあらゆる変形又は改質を受けた細胞(例えば、遺伝子突然変異を伴う細菌/ウイルス感染細胞、腫瘍細胞又は細胞)を含む外胚葉、内胚葉、又は中胚葉から始まる、或いはそこから由来する細胞などであるがそれに限定されない、様々な異なる細胞からの細胞外環境へと放出され得る、小さな膜結合ベシクルであり得る。細胞膜のセグメントが自然に嵌入し、最終的にエキソサイトーシスにより分泌されると、エキソソームは細胞内で作成され得る。
【0061】
エキソソームの直径は、約30-1000nm、約30-800nm、約30-200nm、約30-100nm、約20nm-約100nm、約30nm-約150nm、約30nm-約120nm、約50nm-約150nm、又は約50nm-約120nmであり得る。
【0062】
エキソソームはまた、微細小胞、ナノ小胞、小胞、デキソソーム、水疱、小水疱、プロスタソーム(prostasomes)、微粒子、内腔(intralumenal)小胞、エンドソーム様小胞、又はエキソサイトーシスで分泌されたビヒクルを指し得る。
エキソソームはまた、細胞膜又は内膜のいずれかに由来する、任意の流出(shed)膜結合粒子を含み得る。エキソソームは更に、原形質膜の一部の脱出性膨出(herniated evagination)(例えば、ブレブ形成)分離及び封止(sealing)により生じる、又は、腫瘍由来マイクロRNA又は細胞内タンパク質を含むがこれらに限定されないエキソソーム内腔に含まれる分子と共に腫瘍由来タンパク質に選択的に結合する宿主循環に由来する表面結合分子等の腫瘍起源の種々の膜結合タンパク質を含む任意の細胞内膜に囲まれた小胞構造の搬出により生じる、脂質二重層膜によって囲まれた細胞由来構造を含み得る。
【0063】
エキソソームはバイオマーカーのソースであり得る。エキソソームは、例えば唾液、血液、尿、脳脊髄液、及び母乳などの体液に存在し得る。エキソソームはタンパク質及び核酸を含み得る。培養物中の全ての細胞型はエキソソームを分泌することができる。エキソソームは細胞間のシグナル伝達に関係し得る。エキソソームは、起源の細胞、即ちエキソソームが始まった細胞の分子成分を含み得る。生体サンプル(例えば唾液)から得られたエキソソームと組織(例えば乳癌組織)から得られたエキソソームとの間に相関が存在する場合がある。エキソソーム内のバイオマーカーは被験体の発癌性組織に見られるバイオマーカーと同じであり得る。
【0064】
エキソソームは起始細胞に特異的なエキソソームであり得る。エキソソームは腫瘍又は癌細胞に由来する場合がある。エキソソームに対する起始細胞は、例えば肺、膵臓、胃、腸、膀胱、腎臓、卵巣、睾丸、皮膚、大腸、乳房、前立腺、脳、食道、肝臓、胎座、又は胎児の細胞であり得る。幾つかの実施形態において、エキソソームの起始細胞は乳房組織である。
【0065】
本開示の方法はエキソソームから放出されたバイオマーカーを分析する工程を含み得る。幾つかの実施形態において、エキソソームバイオマーカーは直接生体サンプルから分析することができ、それにより、生体サンプルからのエキソソームの事前の単離、精製、又は濃縮を用いることなくエキソソームの1つ以上バイオマーカーが分析される。幾つかの実施形態において、エキソソームは生体サンプルから単離され、バイオマーカー分析前に富化され得る。
【0066】
エキソソームは分析前に精製又は濃縮され得る。エキソソームの分析は、生体サンプルの1つ以上エキソソーム集団の量を定量する工程を含み得る。例えば、エキソソームの異種混合の集団が定量され、或いは、特定のバイオマーカープロファイルを有する又は特定の細胞型に由来するエキソソームの集団などのエキソソームの均質集団(起始細胞の特異的なエキソソーム)が、エキソソームの異種混合の集団から単離され且つ定量され得る。エキソソームの分析は更に、定量的又は定質的に、エキソソームの特定のバイオマーカープロファイル又はバイオシグネチャを検出する工程を含み得る。エキソソームの富化された集団は、エキソソームを産生し且つそれを体液に放出することができる細胞由来の生体サンプルから得ることができる。
【0067】
エキソソームは、例えば、サイズ排除クロマトグラフィー、密度勾配遠心分離、分画遠心法、ナノ膜限外濾過、免疫吸着剤捕捉、親和性精製、微小流体分離、タンパク質精製キット、又はそれらの組み合わせを使用して、濃縮され、又は生体サンプルから単離され得る。
【0068】
ゲル浸透カラム、遠心分離、又は密度勾配遠心分離などのサイズ排除クロマトグラフィー、及び濾過法は、エキソソーム単離のために使用され得る。例えば、エキソソームは、分画遠心、陰イオン交換、及び/又はゲル透過クロマトグラフィー、ショ糖密度勾配、細胞小器官電気泳動、磁気活性化細胞選別(MACS)、又はナノ細胞膜限外濾過コンセントレータにより、単離され得る。単離又は濃縮の方法の様々な組み合わせが使用され得る。
【0069】
アルブミン及び免疫グロブリンなどの高度に豊富なタンパク質は、生体サンプルからエキソソームの単離を妨害し得る。例えば、エキソソームは、その生体サンプルに見られる最も豊富なタンパク質に特異的な多数の抗体を活用するシステムを使用して、生体サンプルから単離され得る。そのようなシステムは、一度に様々なタンパク質を取り除くことができ、故に起始細胞に特異的なエキソソームなどのより低い存在量の種を明らかにすることができる。生体サンプルからのエキソソームの単離は更に、高度に豊富なタンパク質除去方法によって増強され得る。生体サンプルからのエキソソームの単離は、グリコペプチド捕捉を使用して血清タンパク質を取り除くことにより増強され得る。加えて、生体サンプルからのエキソソームは、分画遠心法により単離され、その後、細胞質又は抗細胞質のエピトープを対象として抗体と接触され得る。タンパク質単離キットはエキソソーム単離のために使用され得る。
【0070】
エキソソームの存在は、ウェスタンブロッティング又は他の検出手段を介して、限定されないがMHCクラスIタンパク質、LAMP1、CD9、CD63、及びCD81などの既知のエキソソームマーカーを検出することにより確認され得る。透過型電子顕微鏡検査(TEM)、タンパク濃度、及びNano-Sight LM-10HS分析も、単離されたエキソソームの存在及び純度を分析するために使用することができる。
【0071】
エキソソームからのバイオマーカーの放出は、例えばエキソソームの溶解により行なうことができる。エキソソームの溶解は、生体サンプルにおいて直接実行され得る。エキソソームの溶解は、エキソソーム分画の富化の後に実行され得る。生体サンプルは、溶解条件、例えばエキソソーム分画の溶解に晒され得る溶解は、例えば音波粉砕によって実行され得る。溶解方法の非限定的な例は、試薬で促進された溶解方法(例えば、洗剤を使用)、試薬をあまり使用しない溶解方法、化学的、機械的(例えば、粉砕、磨砕、音波粉砕を使用)、熱的(例えば、熱を使用)、及び電気的(例えば、標的粒子の脂質二重層の不可逆性エレクトロポレーション)なものを含む。
【0072】
生体サンプルは、バイオマーカー分析前に細胞(例えば、全体の無傷細胞)を除去するために処理され得る。細胞を欠いたサンプルはエキソソーム単離及び富化に晒され得る。エキソソームを含むサンプルは、バイオマーカー分析前に保存及び/又は保管され得る。
【0073】
本開示の方法は、核酸の増幅を利用することができる。増幅された核酸は、例えば、超並列配列決定(例えば次世代配列決定方法)又はハイブリダイゼーションプラットフォームを使用して分析され得る。適切な増幅反応は、指数関数的又は等温的であり、且つ、PCR、鎖置換増幅(SDA)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、直鎖増幅、多置換増幅(MDA)、ローリングサークル増幅(RCA)、又はそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意のDNA増幅反応を含み得る。
【0074】
本開示の方法は、バイオマーカーの検出及び分析を含み得る。バイオマーカー分析からの結果は、被験体に対するバイオマーカーシグネチャを生成するために使用され得る。
図3は、被験体における癌の評価のために唾液サンプルからのバイオマーカー分析のための典型的な方法のワークフローを示す。唾液は、例えば収集チューブに吐き出させることによって被験体から集めることができる(301)。その後、唾液サンプルは処理及び保管のために研究所に輸送される(302)。サンプルは分析のために研究所に輸送され得る。サンプルは遠心分離機にかけることができる。アッセイ試薬をサンプルに加えることができる。RNAを含む唾液サンプルのエキソソーム分画は、単離され及び/又は安定され得る(303)。RNAは、適切な技術、例えば磁気ビーズアッセイシステムを用いてサンプルから単離することができる。単離されたRNAサンプルは、後の処理及び分析のために保管され得る(例えば-80℃で)。幾つかの実施形態において、単離されたRNAサンプルは、保管なしで更に処理され得る。RNAは、cDNAを生成するために逆転写され(例えば、RT-PCRを使用)、事前増幅工程が実行され得る(304)。幾つかの実施形態において、RNAは、1工程の反応において逆転写され且つ事前に増幅され得る。幾つかの実施形態において、逆転写及び事前増幅は、別個の工程で実行され得る。幾つかの実施形態において、事前増幅が実行されない場合がある。cDNAが増幅され得る。cDNAは、例えば安定性を増大させるために処理され得る。cDNAは、後の処理のために保管され得る。幾つかの実施形態において、cDNAは、保管無しで処理され得る。qPCRはcDNA上で実行することができる(305)。幾つかの実施形態において、qPCRは、1工程の反応において実行され得る。qPCRからのデータは、候補バイオマーカー遺伝子の発現レベルを検出するために分析され得る。精製工程は、ワークフローにおける工程の何れかの前、後、或いはその間に加えることができる。幾つかの実施形態において、RNA配列決定は、RNAの分析のために使用され得る。幾つかの実施形態において、標的にされたRNA配列決定は、RNAの分析のために使用され得る。幾つかの実施形態において、miRNA又は小型RNA配列決定は、RNAの分析のために使用され得る。
【0075】
バイオマーカー検出は、例えば、マイクロアレイ分析、RT-PCR及び量的PCR(qPCR)などのPCRベースの方法を含むポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、アレルに特異的なプローブによるハイブリダイゼーション、酵素的突然変異検出、ライゲーション連鎖反応(LCR)、オリゴヌクレオチドライゲーションアッセイ(OLA)、フローサイトメトリーヘテロデュプレックス分析、ミスマッチの化学的開裂、質量分析法、核酸配列決定、一本鎖高次構造多型(SSCP)、変性剤濃度勾配ゲル電気泳動(DGGE)、温度勾配ゲル電気泳動法(TGGE)、制限フラグメント多形性、遺伝子発現(SAGE)の連続分析、イムノブロッティング、免疫沈降、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、放射免疫定量法(RIA)、フローサイトメトリー、電子顕微鏡検査、G結合核型分析(G-banded karotyping)を用いる遺伝子検査、脆弱X試験(fragile X testing)、染色体マイクロアレイ(CMA、比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)としても知られる)(例えば、超顕微鏡的ゲノム欠失及び/又は重複について試験するために)、アレイベースの比較ゲノムハイブリダイゼーション、アレイによる一塩基多型(SNP)の検出、サブテロメア蛍光インサイツハイブリダイゼーション(subtelomeric fluorescence in situ hybridization)(ST-FISH)(例えば超顕微鏡的コピー数多型(CNV)を検出するために)、発現プロファイリング、DNAマイクロアレイ、RNAマイクロアレイ、mRNAマイクロアレイ、miRNAマイクロアレイ、高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイ、全ゲノムRNA発現アレイ、ペプチドマイクロアレイ、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ゲノム配列決定、DNA配列決定、RNA配列決定、miRNA配列決定、デノボ配列決定、454配列決定(Roche)、パイロシークエンシング、Helicos True Single Molecule Sequencing、SOLiD(商標)配列決定(Applied Biosystems, Life Technologies)、SOLEXA配列決定(Illumina配列決定)、ナノ配列決定、化学感応性電界効果トランジスタ(chemFET)アレイ配列決定(Ion Torrent)、イオン半導体配列決定(Ion Torrent)、DNAナノボールシーケンシング、ナノポアシーケンシング、Pacific Biosciences SMRT配列決定、Genia Technologiesナノポア単一分子DNA配列決定、Oxfordナノポア単一分子DNA配列決定、ポロニー配列決定、コピー数変形(CNV)分析配列決定、小ヌクレオチド多形(SNP)分析、免疫組織化学(IHC)、免疫細胞染色(ICC)、質量分析法、タンデム質量分析、マトリックス支援レーザー脱離イオン化法飛行時間質量分析法(MALDI-TOF MS)、インサイツハイブリダイゼーション、蛍光インサイツハイブリダイゼーション(FISH)、色原体インサイツハイブリダイゼーション(CISH)、銀インサイツハイブリダイゼーション(SISH)、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、デジタルPCR(dPCR)、逆転写PCR、量的PCR(Q-PCR)、単一マーカーqPCR、リアルタイムPCR、nCounter分析(Nanostring technology)、ウェスタンブロッティング、サザンブロッティング、SDS-PAGE、ゲル電気泳動法、及びノーザンブロッティング、又はそれらの任意の組み合わせの使用を含み得る。
【0076】
本開示の方法は遺伝子の発現を定量する工程を含み得る。遺伝子の発現は、トランスクリプトームレベル(例えばRNA、mRNA、miRNA)、プロテオミクスレベル(例えばタンパク質、ポリペプチド)、又はそれらの組み合わせで定量することができる。遺伝子は、癌に関係のある遺伝子であり得る。遺伝子は、乳癌経路における遺伝子であり得る。遺伝子は、腫瘍遺伝子であり得る。遺伝子は、癌の特徴に関連付けられ得る。
【0077】
発現分析は、例えばエキソソームから抽出されたRNA上で行うことができる。RNAは、例えば全RNA、mRNA、miRNA、及びtRNAであり得る。幾つかの実施形態において、エキソソームは起始細胞に特異的なエキソソームであり得る。これらエキソソームから生成された発現パターンは、与えられた疾患状態、疾患ステージ、治療に関連するシグネチャ、又は生理学的な条件を示し得る。一旦全RNAが単離されると、相補的DNA(cDNA)が生成され得る。その後、特異的mRNA標的に対するqRT-PCRアッセイが実行され得る。幾つかの実施形態において、発現マイクロアレイは、発現マーカーの高度に多重化されたセットを検出且つ同定するために実行され得る。遺伝子発現プロファイルを確立するための方法は、タンパク質又はペプチドをコード可能な遺伝子によって産生されるRNAの量を判定する工程を含み得る。これは、量的逆転写酵素PCR(qRT-PCR)、競合的RT-PCR、リアルタイムRT-PCR、ディファレンシャルディスプレイRT-PCR、ノーザンブロット解析、配列決定、又は他の試験によって達成することができる。ここのPCR反応を使用してこれらの技術を実施することは可能であるが、mRNAから産生された相補的DNA(cDNA)を増幅し且つそれを分析することも可能である。
【0078】
qPCR又はリアルタイムPCRはPCR方法を指し、検出可能な信号の量はPCRの各サイクルによりモニタリングされる。検出可能な信号が検出可能なレベルに到達するサイクル閾値(Ct)が判定され得る。Ct値が低いほど、調べられたアレルの濃度は大きくなり得る。データは、PCRの指数関数増殖(対数)段階中に集めることができ、ここでPCR産物の量は鋳型核酸の量に直接比例する。リアルタイムPCRのためのシステムは、ABI7700及び7900HT配列検出システムを含み得る。PCRの指数増殖期中のシグナルの増加は、変異遺伝子を含む鋳型の量の定量的測定を提供することができる。
【0079】
バイオマーカーは、アレルに特異的なPCRによって分析することができ、これは、遺伝子の2つのアレルを同時に増幅且つ区別するために特異的なプライマーを含み得る。幾つかの実施形態において、バイオマーカーは、一本鎖立体配座多形(SSCP)を検出するために分析され、これは、配列、並びにDNA及びRNAのアプタマーにおける差異に基づいて一本鎖核酸の電気泳動の分離に関与する。DNA及びRNAのアプタマーは、高親和性を持つ特定の分子に結合する能力に基づいて、ランダムプールから選択され得る短いオリゴヌクレオチド配列であり得る。
【0080】
幾つかの実施形態において、バイオマーカーの差次的な発現はRNAの分析により判定され得る。前記方法は、対応するcDNAの産生、及び、その後の結果として生じるDNAを分析する工程を含み得る
【0081】
幾つかの実施形態において、前記方法は、RNA配列決定を含み得る。例えば、前記方法は、以下の1つ以上を含み得る:RNAの抽出、断片化、cDNA生成、配列決定ライブラリ調製、及び高スループット配列決定(例えば次世代配列決定、超並列配列決定)。幾つかの実施形態において、前記方法は、本明細書に開示されるバイオマーカーに対する標的特異的なプローブの使用を含み得る。幾つかの実施形態において、前記方法は、(例えばmiRNA、mRNAに対して)特異的なマイクロアレイの使用を含み得る。
【0082】
幾つかの実施形態において、小型RNA配列決定又はmiRNA配列決定は、RNAの分析のために使用され得る。miRNA配列決定は、miRNA及び他の小型RNAを含む(例えば、唾液から得られた)RNAから製造されたRNAライブラリの生成を含み得る。
【0083】
バイオマーカー分析は、例えば、突然変異の不在(例えば、野生型)又は1つ以上の突然変異の存在(例えば、デノボ突然変異、ナンセンス変異、ミスセンス変異、サイレント突然変異、フレームシフト突然変異、挿入、置換、点突然変異、一塩基多型(SNP)、単一ヌクレオチド変異体、デノボ単一ヌクレオチド変異体、欠失、再配列、増幅、染色体転座、中間部欠失、染色体逆位、ヘテロ結合性損失、機能の損失、機能の獲得、優性的な陰性、又は致死);核酸修飾(例えばメチル化);或いはタンパク質上の翻訳後修飾の有無(例えば、アセチル化、アルキル化、アミド化、ビオチニル化、グルタミル化、グリコシル化、糖化、グリシル化、ヒドロキシル化、ヨウ素化、イソプレニル化、リポイル化、プレニル化、ミリストイル化、ファルネシル化、ゲラニルゲラニル化、ADP-リボシル化、酸化、パルミトイル化、ペグ化、ホスファチジルイノシトール付加、ホスホパンテテイニル化、リン酸化、ポリシアル化、ピログルタメート形成、アルギニル化、又はセレノイル化)を判定する工程を含み得る。
【0084】
本明細書に記載される方法は、1つ以上の次世代配列決定又は高スループット配列決定を使用することができ、例えば、限定されないが、米国特許第7,335,762号;7,323,305号;7,264,929号;7,244,559号;7,211,390号;7,361,488号;7,300,788号;及び7,280,922号に記載される方法である。
【0085】
次世代配列決定技術は、例えば、Helicos True Single Molecule Sequencing (tSMS) (Harris T.D. et al. (2008) Science 320:106-109);454配列決定(Roche) (Margulies, M. et al. 2005, Nature, 437, 376-380);SOLiD技術(Applied Biosystems);SOLEXA配列決定(Illumina);Pacific Biosciencesの一分子リアルタイム(SMRT(商標))技術;ナノポア配列決定(Soni GV and Meller A. (2007) Clin Chem 53: 1996-2001);半導体配列決定(Ion Torrent; Personal Genome Machine);DNAナノボール配列決定;Dover Systemsの技術を用いる配列決定(Polonator)、及び、ナノポアベースの戦略(例えば、Oxford Nanopore、Genia Technologies、及びNabsys)などの配列決定の前に天然DNAの増幅又は形質転換を要求しない技術(例えば、Pacific Biosciences and Helicos)を含み得る。
【0086】
幾つかの実施形態において、次世代配列決定技術は、454配列決定(Roche)であり得る(例えば、Margulies, M et al. (2005) Nature 437: 376-380を参照)。454配列決定は2つの工程に関与することができる。第1の工程において、DNAは、およそ300-800の塩基対のフラグメントへと剪断され、フラグメントは平滑末端化され得る。オリゴヌクレオチドアダプターはその後、フラグメントの端部に連結され得る。アダプターは、フラグメントの増幅及び配列決定のためにプライマーをハイブリダイズするための部位として機能し得る。フラグメントは、例えば5’-ビオチンタグを含み得るアダプターBを使用して、DNA捕捉ビーズ、例えばストレプトアビジンをコーティングしたビーズに付けることができる。フラグメントはハイブリダイゼーションを介してDNA捕捉ビーズに付けることができる。単一のフラグメントは1つのビーズごとに捕捉され得る。ビーズに付けられたフラグメントは、油水エマルジョンの小滴内でPCR増幅され得る。結果は各ビーズ上のクローン増幅されたDNAフラグメントの複数のコピーであり得る。エマルジョンは崩壊し、その一方で増幅されたフラグメントがそれらの特異的なビーズに結合したまま残る。第2の工程において、ビーズはウェル(ピコリットルのサイズ;PicoTiterPlate(PTP)装置)において捕捉され得る。1つのビーズだけが1つのウェルに適合するように表面が設計され得る。PTP装置は、配列決定のために器機へと充填され得る。パイロシークエンシングは、並列で各DNAフラグメント上で実行され得る。1つ以上ヌクレオチドの付加は、配列決定器機におけるCCDカメラによって記録可能な光信号を生成することができる。信号の強度は組み込まれたヌクレオチドの数に比例し得る。
【0087】
パイロシークエンシングは、ヌクレオチド付加に際して放出可能なピロリン酸塩(PPi)を利用することができる。PPiは、アデノシン5’ホスホリン酸の存在下でATPスルフリラーゼによりATPに変換され得る。ルシフェラーゼはルシフェリンをオキシルシフェリンに変換するためにATPを使用することができ、この反応は、検出され且つ分析可能な光を生成することができる。使用された454配列決定システムはGS FLX+システム又はGS Juniorシステムであり得る。
【0088】
次世代配列決定技術はSOLiD技術(Applied Biosystems; Life Technologies)であり得る。SOLiD配列決定において、ゲノムDNAはフラグメントへと剪断され、アダプターは、フラグメントライブラリを生成するためにフラグメントの5’及び3’末端に付けられ得る。代替的に、内部アダプターは、フラグメントの5’及び3’末端にアダプターをライゲートし、フラグメントを環状化し、内部アダプターを生成するために環状化フラグメントを消化し、メイトペアライブラリを生成するために結果として生じる5’及び3’末端にアダプターを付けることにより、導入され得る。次に、クローンのビーズ集団は、ビーズ、プライマー、鋳型、及びPCR構成要素を含むマイクロリアクターにおいて調製され得る。PCR後、鋳型は変形し、ビーズは伸長された鋳型でビーズを分離するために富化され得る。選択されたビーズ上の鋳型は、スライドガラスへの結合を可能にする3’修飾に晒され得る。配列決定プライマーは、アダプター配列に結合され得る。1セットの4つの蛍光標識された二塩基(di-base)プローブは、配列決定プライマーのライゲーションのために競合し得る。二塩基プローブの特異性は、各ライゲーション反応において第1及び第2の塩基を全て調査することにより達成され得る。鋳型の配列は、特異的なフルオロフォアによって同定され得る判定された塩基(又は塩基の対)での部分的にランダムなオリゴヌクレオチドの連続的なハイブリダイゼーション及びライゲーションによって、判定することができる。色が記録された後、ライゲートされたオリゴヌクレオチドは剪断且つ除去され、その後にプロセスを繰り返すことができる。一連のライゲーションサイクルの後、伸長産物は取り除かれ、鋳型は、2回目のライゲーションサイクルに対してn-1位置に相補的なプライマーによってリセットされ得る。5回目のプライマーのリセットは、各配列タグに対して完了され得る。プライマーリセットプロセスを通して、大半の塩基は2つの異なるプライマーによって2つの独立したライゲーション反応で調査され得る。最大99.99%の精度が、多塩基コード化スキームを使用した追加のプライマーでの配列決定によって達成され得る。
【0089】
次世代配列決定技術はSOLEXA配列決定(ILLUMINA配列決定)であり得る。ILLUMINA配列決定は、フォールドバックPCR及び固定されたプライマーを使用する固形表面上のDNAの増幅に基づき得る。ILLUMINA配列決定はライブラリ調製工程に関与し得る。ゲノムDNAは断片化され、剪断された端部は修復され且つアデニル化され得る。アダプターは、フラグメントの5’及び3’末端に付けられ得る。フラグメントはサイズ選択され且つ精製され得る。ILLUMINA配列はクラスタ生成工程を含み得る。DNAフラグメントは、フローセルチャネルの表面に付けられたオリゴヌクレオチドのローン(lawn)にハイブリダイズすることにより、フローセルチャネルの表面に付けることができる。フラグメントは伸長され、固有のクラスタを生成するためにブリッジ増幅を介してクローン的に増幅され得る。フラグメントは二本鎖になり、二本鎖の分子は変性され得る。複数のサイクルの固体相増幅、その後の変性は、おフローセルの各チャネルにおける同じ鋳型の一本鎖DNA分子の約1000のコピーの、数百万のクラスタを作成することができる。逆鎖は切断され且つ洗い流され得る。末端は遮断され、プライマーはDNA鋳型にハイブリダイズされ得る。ILLUMINA配列決定は配列決定工程を含み得る。何億ものクラスタが同時に配列決定され得る。プライマー、DNAポリメラーゼ、及び、4つのフルオロフォア標識されて可逆的に終端となるヌクレオチドが、連続する配列決定を実行するために使用され得る。4つの塩基は全て、鋳型に対して互いに競合し得る。ヌクレオチドの取り込み後、レーザーを使用してフルオロフォアを励起させ、画像を捕捉し、第1の塩基の同一性が記録される。各組み込まれた塩基からの3’ターミネーター及びフルオロフォアが取り除かれ、取り込み、検出、及び同定の工程が繰り返される。1つの塩基をサイクルごとに読み取ることができる。幾つかの実施形態において、HiSeqシステム(例えばHiSeq2500、HiSeq1500、HiSeq2000、又はHiSeq1000)が配列決定のために使用される。幾つかの実施形態において、MiSeqパーソナルシーケンサーが使用される。幾つかの実施形態において、Genome Analyzer IIxが使用される。
【0090】
次世代配列決定技術は、Pacific Biosciencesによるリアルタイム(SMRT(商標))技術を含み得る。SMRTにおいて、4つのDNA塩基の各々は、4つの異なる蛍光染料の1つに付けられ得る。これらの染料はホスホ結合(phospholinked)され得る。単一のDNAポリメラーゼは、ゼロモード導波路(ZMW)の底部にある鋳型の一本鎖DNAの単一分子で固定され得る。ZMWは、(マイクロ秒で)ZMWの中及び外で急速に拡散可能な蛍光ヌクレオチドのバックグラウンドに対する、DNAポリメラーゼによる単一のヌクレオチドの組み込みの観察を可能にする、制限構造となり得る。増大している鎖にヌクレオチドを組み込むのに数ミリ秒かかる場合がある。この間に、蛍光ラベルは励起し且つ蛍光シグナルを生成することができ、蛍光タグを切断することができる。ZMWは下から照らすことができる。励起ビームからの減じられた光は、より低い20-30nmのZMWそれぞれに浸透し得る。20ゼプトリットル(10~21リットル)の検出限界を持つ顕微鏡が作成され得る。小さな検出量は、バックグラウンドノイズの減少において1000倍の改善をもたらし得る。染料の対応する蛍光の検出は、どの塩基が組み込まれるかを示すことができる。このプロセスを繰り返すことができる。
【0091】
次世代配列決定はナノ細孔配列決定を含み得る(例えば、Soni GV and Meller A.(2007)Clin Chem 53: 1996-2001を参照)。ナノ細孔は、直径約1ナノメートルの小さな穴であり得る。導電性流体におけるナノ細孔の浸漬、及びそれをわたる電位の適用は、結果として、ナノ細孔を介したイオンの伝導が原因で、僅かな電流をもたらし得る。流れる電流の量はナノ細孔の大きさに敏感であり得る。DNA分子がナノ細孔を通ると、DNA分子上のヌクレオチドはそれぞれ、異なる程度にまでナノ細孔を塞ぐことができる。故に、DNA分子がナノ細孔を通る時の、ナノ細孔を通る電流の変化は、DNA配列のリードを表すことができる。ナノ細孔配列決定技術は、Oxford Nanopore Technologies;例えばGridlONシステムに由来し得る。単一のナノ細孔は、マイクロウェルの上部にわたって高分子膜に挿入され得る。マイクロウェルはそれぞれ、個々の感知のための電極を有し得る。マイクロウェルは、1つのチップ当たり100,000以上のマイクロウェル(例えば約200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、又は1,000,000より多く)で、アレイチップへと組み立てられ得る。機器(又はノード)がチップを分析するために使用され得る。データはリアルタイムで分析され得る。1つ以上の機器を一度に操作することができる。ナノ細孔は、タンパク質ナノ細孔、例えばタンパク質アルファ溶血素、七量体タンパク質細孔であり得る。ナノ細孔は、ソリッドステートナノ細孔で出来ており、例えば、合成膜(例えばSiNx、又はS1O2)に形成されるナノメートルサイズの穴であり得る。ナノ細孔は、ハイブリッド細孔(例えば、ソリッドステート膜へのタンパク質細孔の統合)であり得る。ナノ細孔は、統合センサー(例えばトンネリング電極検出器、容量性検出器、又はグラフェンベースのナノギャップ、或いはエッジ状態検出器(edge state detectors))を備えたナノ細孔であり得る(例えば、Garaj et al. (2010) Nature vol. 67, doi: 10.1038/nature09379を参照)。ナノ細孔は、特定の型の分子(例えば、DNA、RNA又はタンパク質)を分析するために官能化され得る。ナノ細孔配列決定は、「鎖配列決定」を含むことができ、そこでは無傷のDNAポリマーが、DNAが細孔を転移させる際にリアルタイムで配列決定されながらタンパク質ナノ細孔を通過することができる。酵素は二本鎖DNAの鎖を分離することができ、ナノ細孔を通じて鎖を与えることができる。DNAは一方の末端でヘアピンを有することができ、システムは両方の鎖を読み取ることができる。幾つかの実施形態において、ナノ細孔配列決定は、「エキソヌクレアーゼ配列決定」であり、そこでは個々のヌクレオチドは前進性エキソヌクレアーゼによってDNA鎖から切断することができ、そのヌクレオチドはタンパク質ナノ細孔を通過することができる。ヌクレオチドは、細孔内の分子(例えば、シクロデキストラン)に一過的に結合することができる。電流の特性的断絶を使用して、塩基を同定することができる。
【0092】
GENIA製のナノ細孔配列決定技術を使用することができる。操作されたタンパク質細孔を、脂質二重層の膜に包埋することができる。「能動的制御」技術を使用して、効果的なナノ細孔-膜アセンブリ及びチャネルを通るDNA運動の制御を可能にする。幾つかの実施形態において、ナノ細孔配列決定技術は、NABsys製である。ゲノムDNAは、平均長約100kbの鎖に断片化され得る。100kbフラグメントは単一鎖になり、続いて6量体のプローブとハイブリダイズされ得る。プローブを持つゲノム断片は、ナノ細孔を通り抜けることができ、電流-対-時間の追跡を作り出すことができる。電流追跡は、各ゲノムフラグメント上のプローブ位置を提供することができる。ゲノムフラグメントを並べて、ゲノムに対するプローブマップを作り出すことができる。そのプロセスは、プローブのライブラリに対して並列に行うことができる。各プローブに対するゲノム長のプローブマップを生成することができる。誤りは、「移動窓配列決定バイハイブリダイゼーション(moving window Sequencing By Hybridization)(mwSBH)」と称されるプロセスで直すことができる。幾つかの実施形態において、ナノ細孔配列決定技術は、IBM/Roche製である。電子ビームを使用して、マイクロチップにナノ細孔サイズの開口部を作製することができる。電界を使用して、ナノ細孔を通じてDNAを引き寄せる又はねじ込むことができる。ナノ細孔におけるDNAトランジスタ装置は、金属と誘電体が交互になったナノメートルサイズの層を含むことができる。DNA骨格中の別個の電荷を、電界によってDNAナノ細孔の内部に閉じ込めることができる。ゲート電圧をオフ/オンすることにより、DNA配列を読み取ることができる。
【0093】
次世代配列決定方法は、(例えば、Life Technologies(Ion Torrent)の技術を使用する)イオン半導体配列決定を含み得る。イオン半導体配列決定は、ヌクレオチドがDNAの鎖へ組み込まれる時にイオンが放出され得るという事実を利用することができる。イオン半導体配列決定を行なうために、微細加工されたウェルの高密度アレイを形成することができる。各ウェルは、単一のDNA鋳型を保持することができる。ウェルの下はイオン感受性の層であり、イオン感受性の層の下はイオンセンサーであり得る。ヌクレオチドがDNAに加えられると、H+が放出され、pHの変化として測定され得る。H+イオンは電圧に変換され、半導体センサーにより記録され得る。アレイチップは、1つのヌクレオチドで連続して氾濫させられる(flooded)場合がある。走査、光、又はカメラは必要ではない場合がある。幾つかの実施形態において、IONPROTON(商標)シークエンサーが核酸を配列決定するために使用される。幾つかの実施形態において、IONPGM(商標)シークエンサーが使用される。
【0094】
次世代配列決定は、DNAナノボール配列決定を含むことができる(例えば、Complete Genomicsによって実施されるように;例えば、Drmanac et al. (2010) Science 327: 78-81を参照)。DNAを単離し、断片化し、サイズ選択することができる。例えば、DNAは、約500bpの平均長へと(例えば、超音波処理によって)断片化することができる。アダプター(Adl)を、断片の末端に付けることができる。アダプターを使用して、配列決定反応のためのアンカーにハイブリダイズさせることができる。各末端に結合したアダプターを持つDNAを、PCR増幅することができる。アダプター配列は、相補的一本鎖末端が互いに結合して環状DNAを形成するように修飾され得る。DNAをメチル化して、その後の工程において使用されるIIS型制限酵素による切断からこれを保護することができる。アダプター(例えば、右のアダプター)は、制限認識部位を有することができ、制限認識部位は非メチル化のままであり得る。アダプター中の非メチル化制限認識部位は、制限酵素(例えば、Acul)によって認識され得、DNAは、Aculによって右アダプターの右側13bpで切断されて、線状二本鎖DNAを形成することができる。右及び左のアダプターの第2巡(Ad2)を、線状DNAのいずれかの末端にライゲートすることができ、両方のアダプターが結合しているDNAは全て、(例えば、PCRによって)PCR増幅され得る。Ad2配列を修飾して、それらが互いに結合して環状DNAを形成することを可能にする。DNAはメチル化され得るが、制限酵素認識部位は、左Ad1アダプターにおいて非メチル化のままであり得る。制限酵素(例えば、Acul)を適用することができ、DNAは、Ad1の左側13bpで切断され、線状DNAフラグメントを形成することができる。右及び左のアダプターの第3巡(Ad3)を、線状DNAの右及び左側面にライゲートすることができ、その結果生じるフラグメントはPCR増幅することができる。
アダプターは、互いに結合して環状DNAを形成可能となるように修飾され得る。III型制限酵素(例えばEcoP15)を加えることができ;EcoP15は、Ad3の左側のDNA26bp、及びAd2の右の26bpを切断することができる。この切断は、DNAの大きなセグメントを除去し、DNAを再び線状化することができる。右及び左のアダプターの第4巡(Ad4)を、DNAにライゲートすることができ、DNAは(例えば、PCRによって)増幅され、且つ、互いに結合して完成した環状DNA鋳型を形成するように修飾され得る。ローリングサークル複製(例えばPhi29 DNAポリメラーゼを使用する)を使用して、DNAの小さなフラグメントを増幅することができる。4つのアダプター配列は、ハイブリダイズ可能なパリンドローム配列を含有することができ、一本鎖は、それ自体の上へと折りたたまれて、平均で直径およそ200~300ナノメートルとなり得るDNAナノボール(DNB(商標))を形成することができる。DNAナノボールは、マイクロアレイ(配列決定フローセル)に付けることができる(例えば、吸着により)。フローセルは、二酸化ケイ素、チタン、及びヘキサメチルジシラザン(HMDS)、並びにフォトレジスト材料でコーティングされたシリコンウエハであり得る。配列決定は、DNAに蛍光プローブをライゲートすることによる、連鎖しない配列決定によって実施することができる。問い合わせられた位置の蛍光の色は、高解像度カメラによって可視化することができる。アダプター配列間のヌクレオチド配列の同一性を決定することができる。
【0095】
次世代配列決定技術は、Helicos True Single Molecule Sequencing (tSMS)であり得る(例えば、Harris T. D. et al. (2008) Science 320:106-109を参照)。tSMS技術において、DNAサンプルは、およそ100~200のヌクレオチドの鎖へと切断することができ、ポリA配列には各DNA鎖の3’末端に追加され得る。各鎖は、蛍光標識されたアデノシンヌクレオチドの付加によって標識することができる。その後、DNA鎖はフローセルにハイブリダイズすることができ、これはフローセル表面に固定された何百万ものオリゴ-T捕捉部位を含むことができる。鋳型は約1億の鋳型/cm2の密度であり得る。その後、フローセルは、器機、例えばHELISCOPE(商標)シーケンサー)へと充填することができ、レーザーはフローセルの表面を照らし、各鋳型の位置を明らかにすることができる。CCDカメラは、フローセル表面上の鋳型の位置をマッピングすることができる。その後、鋳型蛍光標識が切断され且つ洗い流され得る。配列決定反応は、DNAポリメラーゼ及び蛍光標識されたヌクレオチドの導入により開始することができる。オリゴ-T核酸はプライマーとして機能し得る。DNAポリメラーゼは、鋳型指向性様式で標識されたヌクレオチドをプライマーに組み込むことができる。DNAポリメラーゼ及び組み込まれていないヌクレオチドを取り除くことができる。蛍光標識されたヌクレオチドの取り込みを対象とした鋳型は、フローセル表面の画像化により検出することができる。画像化の後、切断工程は蛍光標識を取り除き、所望のリード長が達成されるまで、このプロセスは他の蛍光標識されたヌクレオチドと共に繰り返され得る。配列情報は、各ヌクレオチド付加工程により収集され得る。配列決定は非同期性かもしれない。配列決定は、1日又は1時間当たり、少なくとも10億の塩基を含むことができる。
【0096】
配列決定技術は、フォワード及びリバースの鋳型鎖が配列決定される、対合末端の配列決定を含むことができる。幾つかの実施形態において、配列決定技術はメイトペアライブラリ配列決定を含み得る。メイトペアライブラリ配列決定において、DNAはフラグメントであり、2-5kbのフラグメントが(例えば、ビオチン標識されたdNTPにより)末端修復され得る。DNAフラグメントは環状化され、環状化されていないDNAは消化により取り除くことができる。環状DNAは断片化され且つ精製され得る(例えば、ビオチン標識を使用)。精製されたフラグメントは末端修復され、配列決定アダプターにライゲートされ得る。
【0097】
配列リードは、少なくとも約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100、101、102、103、104、105、106、107、108、109、110、111、112、113、114、115、116、117、118、119、120、121、122、123、124、125、126、127、128、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、139、140、141、142、143、144、145、146、147、148、149、150、151、152、153、154、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、185、186、187、188、189、190、191、192、193、194、195、196、197、198、199、200、201、202、203、204、205、206、207、208、209、210、211、212、213、214、215、216、217、218、219、220、221、222、223、224、225、226、227、228、229、230、231、232、233、234、235、236、237、238、239、240、241、242、243、244、245、246、247、248、249、250、251、252、253、254、255、256、257、258、259、260、261、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、288、289、290、291、292、293、294、295、296、297、298、299、300、301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、311、312、313、314、315、316、317、318、319、320、321、322、323、324、325、326、327、328、329、330、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、343、344、345、346、347、348、349、350、351、352、353、354、355、356、357、358、359、360、361、362、363、364、365、366、367、368、369、370、371、372、373、374、375、376、377、378、379、380、381、382、383、384、385、386、387、388、389、390、391、392、393、394、395、396、397、398、399、400、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、413、414、415、416、417、418、419、420、421、422、423、424、425、426、427、428、429、430、431、432、433、434、435、436、437、438、439、440、441、442、443、444、445、446、447、448、449、450、451、452、453、454、455、456、457、458、459、460、461、462、463、464、465、466、467、468、469、470、471、472、473、474、475、476、477、478、479、480、481、482、483、484、485、486、487、488、489、490、491、492、493、494、495、496、497、498、499、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、875、900、925、950、975、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、又は3000、又はそれよりも上、或いはそれ未満の塩基であり得る。幾つかの実施形態において、配列リードは、約10~約50の塩基、約10~約100の塩基、約10~約200の塩基、約10~約300の塩基、約10~約400の塩基、約10~約500の塩基、約10~約600の塩基、約10~約700の塩基、約10~約800の塩基、約10~約900の塩基、約10~約1000の塩基、約10~約1500の塩基、約10~約2000の塩基、約50~約100の塩基、約50~約150の塩基、約50~約200の塩基、約50~約500の塩基、約50~約1000の塩基、約100~約200の塩基、約100~約300の塩基、約100~約400の塩基、約100~約500の塩基、約100~約600の塩基、約100~約700の塩基、約100~約800の塩基、約100~約900の塩基、又は約100~約1000の塩基である。
【0098】
サンプルからの配列リードの数は、少なくとも約100、1000、5,000、10,000、20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000、100,000、200,000、300,000、400,000、500,000、600,000、700,000、800,000、900,000、1,000,000、2,000,000、3,000,000、4,000,000、5,000,000、6,000,000、7,000,000、8,000,000、9,000,000、又は10,000,000、又はそれよりも上、或いはそれ未満であり得る。
【0099】
サンプルの配列決定の深さは、少なくとも約1x、2x、3x、4x、5x、6x、7x、8x、9x、10x、11x、12x、13x、14x、15x、16x、17x、18x、19x、20x、21x、22x、23x、24x、25x、26x、27x、28x、29x、30x、31x、32x、33x、34x、35x、36x、37x、38x、39x、40x、41x、42x、43x、44x、45x、46x、47x、48x、49x、50x、51x、52x、53x、54x、55x、56x、57x、58x、59x、60x、61x、62x、63x、64x、65x、66x、67x、68x、69x、70x、71x、72x、73x、74x、75x、76x、77x、78x、79x、80x、81x、82x、83x、84x、85x、86x、87x、88x、89x、90x、91x、92x、93x、94x、95x、96x、97x、98x、99x、100x、110x、120x、130x、140x、150x、160x、170x、180x、190x、200x、300x、400x、500x、600x、700x、800x、900x、1000x、1500x、2000x、2500x、3000x、3500x、4000x、4500x、5000x、5500x、6000x、6500x、7000x、7500x、8000x、8500x、9000x、9500x、又は10000x、又はそれよりも上、或いはそれ未満であり得る。サンプルの配列決定の深さは、約1x~約5x、約1x~約10x、約1x~約20x、約5x~約10x、約5x~約20x、約5x~約30x、約10x~約20x、約10x~約25x、約10x~約30x、約10x~約40x、約30x~約100x、約100x~約200x、約100x~約500x、約500x~約1000x、約1000x~約2000x、約1000x~約5000x、又は約5000x~約10000x、又はそれよりも上、或いはそれ未満であり得る。配列決定の深さは、配列(例えばゲノム)が配列決定される時間の数であり得る。幾つかの実施形態において、Lander/Waterman方程式がカバレッジの計算のために使用される。一般的な方程式は次の通りであり得る:C=LN/G、ここでC=カバレッジであり;G=1倍体のゲノム長;L=リード長;及びN=はリード数である。
【0100】
幾つかの実施形態において、異なるバーコードが、(例えばプライマー又はアダプターの使用により)異なるサンプル中のポリヌクレオチドに加えることができ、異なるサンプルはプールされ、多重アッセイにおいて分析され得る。バーコードは、ポリヌクレオチドが由来したサンプルの判定を可能にし得る。
【0101】
幾つかの実施形態において、方法は、健康状態に対するバイオマーカー分析及び追加のスクリーニング試験の使用を含み得る。幾つかの実施形態において、方法は、追加のスクリーニング試験からの曖昧、陽性、又は陰性の結果を有する被験体にバイオマーカー分析を実行する工程を含み得る。追加のスクリーニング試験は、健康状態に対するプレスクリーニング試験であり得る。追加のスクリーニング試験は、健康状態を発達させる被験体のリスクを評価する試験であり得る。追加のスクリーニング法は、バイオマーカー分析の前、後、又はそれと合わせて実行され得る。2つ以上のスクリーニング法を含むそのような併用手法は、検出の精度、感度、及び/又は特異性を増大することができる。加えて、併用方法は、高リスクの被験体、或いはデンスブレスト組織を持つ被験体及び/又はマンモグラムなどのスクリーニング試験に対して曖昧な結果を持つ被験体に対する、早期癌検出の増大、追加のスクリーニングオプションの誘導に有用であり得る。
【0102】
様々な追加のスクリーニング試験又は方法が、本開示の方法での使用に適している。そのようなスクリーニング試験の非限定的な例は、撮像法(例えば、X線、音波、放射性粒子、又は磁場を使用)、マンモグラフィ、シンチマンモグラフィ、乳房試験(例えば、臨床的及び自己)、遺伝病スクリーニング(例えばBRCA試験)、超音波、磁気共鳴撮像(MRI)、分子乳房画像化、生検、超音波検査法、非侵襲的診断法(例えば、DNA(例えばcfdDNA)又は健康状態に関連付けられるRNA(例えばcfRNA)などの循環する無細胞核酸の定量化を含む)、及びそれらの任意の組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、追加のスクリーニング試験はマンモグラムである。
【0103】
幾つかの実施形態において、追加の方法は生検であり得る。幾つかの実施形態において、追加のスクリーニング試験は遺伝病スクリーニング(例えばBRCA試験)であり得る。幾つかの実施形態において、追加のスクリーニング法は、非侵襲的診断法(例えば、DNA(例えばcfdDNA)又は健康状態に関連付けられるRNA(例えばcfRNA)などの循環する無細胞核酸の定量化を含む)であり得る。幾つかの実施形態において、循環する無細胞核酸は生物流体生体サンプルから定量される。幾つかの実施形態において、サンプルは例えば血液、血漿、血清、尿、又は便であり得る。幾つかの実施形態において、定量化は、無細胞核酸の高性スループット配列決定を介して達成することができる。
【0104】
幾つかの実施形態において、追加のスクリーニング法は、画像化試験、例えばマンモグラフィなどの乳癌に対するプレスクリーニング試験である。例えば、バイオマーカー分析は、毎年の乳癌スクリーニング、又は例えばマンモグラフィを使用して実行される高リスクの乳癌を抱える被験体の試験と組み合わせて使用され得る。幾つかの実施形態において、本開示の方法は、乳癌検出のためのマンモグラムによる唾液ベースのバイオマーカーアッセイの組み合わせ、コンピューター断層撮影(CT)スキャン、乳房磁気共鳴撮像(MRI)スキャン、又はそれらの組み合わせを含み得る。
【0105】
マンモグラムから得らスコアは調整され、或いは新たなスコアが本開示の方法を使用して生成され得る。マンモグラム結果は、0(不完全)~6(既知の生検-悪性病変であると証明)に及び得る、Breast Imaging Reporting and Data system (BI-RADS) Assessment Category (即ち、BI-RADSスコア)に関して表すことができる。マンモグラムは、1-5(1=正常、2つの=良性、3=不定、4=悪性病変の疑い、5=悪性)のスケールでスコア付けされ得る。例えば、3のマンモグラム・スコアを有する被験体は、バイオマーカー分析からの結果に基づいて1として再分類され得る。
【0106】
例えば、バイオマーカー分析及び追加のスクリーニング試験、又は追加のスクリーニング試験からの結果を含む方法は、スクリーニング試験により単独で得られたものと比較して、検出の感度及び/又は特異性を増大させることができる。幾つかの実施形態において、特異性は、被験体を健康状態に対して陰性であると正確に識別することにより増大され又は最大化され得る。例えば、被験体を乳癌に対して陰性と正確に識別するために「コールバック」(例えば、正常であるが曖昧なマンモグラムを持つ患者)に対して本開示の併用方法の使用による。幾つかの実施形態において、感度は、被験体を健康状態に対して陽性であると正確に識別することにより増大され又は最大化され得る。例えば、癌の高いリスク又は高密度の乳房組織を有する被験体に対し本開示の併用方法を使用し、被験体を乳癌に対して陽性と正確に識別することによる。
【0107】
開示の方法は、被験体の健康状態に対するリスクスコアを生成する工程を含み得る。リスクスコアは、被験体によって健康状態を発達させるリスクを示し得る。リスクスコアは、バイオマーカーアッセイの結果に基づいて算出され得る。リスクスコアは、追加のスクリーニング試験のデータに基づいて算出され、組み合わせられ、及び/又は調整され得る。リスクスコアは、マンモグラム結果と合わせて提供され、組み合わせた情報は、例えば患者が癌にかかっている確率を判定するために使用され得る。
【0108】
本開示の方法は、(例えば、バイオマーカー分析の結果から得られた)自身のバイオマーカーシグネチャ単独に基づいて、又は追加のスクリーニング試験の結果と組み合わせて、被験体を2つ以上の群へと分類する工程を含み得る。被験体は、健康状態について陽性(例えば乳癌陽性)又は陰性(乳癌陰性)の群へと分類され得る。被験体は、健康状態について高いリスク、低リスク、及び中間リスクのカテゴリーへと分類され得る。一例では、バイオマーカーシグネチャは、被験体が乳癌に対して低いリスクであり且つ毎年のマンモグラムスクリーニングを受ける必要がないかもしれないことを判定するために使用され得る。別の例では、患者は、自身のバイオマーカーシグネチャとプレスクリーニング試験に基づいて高リスクの乳癌を抱えると分類され、癌検出の監視を増やすことを推奨され得る。
【0109】
本開示の方法は、被験体の現行のリアルタイム状態を示し得るリスクを提供することができる。リアルタイム状態は、与えられた疾患状態、疾患段階、治療に関連するシグネチャ、又は生理学的条件に関係し得る。リスクが被験体の現状の反映可能であるため、本開示の方法は、毎年、年2回、又は年4回など、患者の生活に対して繰り返し実行され得る。例えば、高リスクの患者は、本開示の方法を年4回実行することができる。本開示の方法は、被験体の生涯に1回実行され得る遺伝子検査とは異なる場合がある。遺伝子検査(例えば、BRCA1又はBRCA2などに対する乳癌遺伝子検査)は、被験体からの細胞を使用して行なうことができ、生涯のリスクを表わすことができる。遺伝子検査は、被験体の現行の健康状況を示す一方、本開示の方法は、試験の時点でリスクを判定することができる。
【0110】
本開示の方法の偽陽性の割合は低い場合がある。幾つかの実施形態において、本開示の方法の偽陽性の割合は、例えば、約1%未満、約2%未満、約3%未満、約4%未満、約5%未満、約6%未満、約7%未満、約8%未満、約9%未満、約10%未満、約11%未満、約12%未満、約13%未満、約14%未満、約15%未満、約16%未満、約17%未満、約18%未満、約19%未満、又は約20%未満であり得る。
【0111】
本開示の方法の感度は、例えば、約75%、約80%、約83%、約85%、約87%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、又は100%であり得る。本開示の方法の感度は、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも83%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%であり得る。本開示の方法の感度は、例えば、75%より上、80%より上、83%より上、85%より上、87%より上、90%より上、93%より上、95%より上、96%より上、97%より上、98%より上、99%より上、又は99.5%より上であり得る。幾つかの実施形態において、本開示の方法の感度は約83%である。幾つかの実施形態において、本開示の方法の感度は83%より上である。
【0112】
本開示の方法の特異性は、例えば、約75%、約80%、約83%、約85%、約87%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、又は100%であり得る。本開示の方法の特異性は、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも83%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%であり得る。本開示の方法の特異性は、例えば、75%より上、80%より上、83%より上、85%より上、87%より上、90%より上、93%より上、95%より上、96%より上、97%より上、98%より上、99%より上、又は99.5%より上であり得る。幾つかの実施形態において、本開示の方法の特異性は約97%である。幾つかの実施形態において、本開示の方法の特異性は97%より上である。
【0113】
本開示の方法の精度は、例えば、約75%、約80%、約83%、約85%、約87%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、約99.5%、又は100%であり得る。本開示の方法の精度は、例えば、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも83%、少なくとも85%、少なくとも87%、少なくとも90%、少なくとも93%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、又は少なくとも99.5%であり得る。本開示の方法の精度は、例えば、75%より上、80%より上、83%より上、85%より上、87%より上、90%より上、93%より上、95%より上、96%より上、97%より上、98%より上、99%より上、又は99.5%より上であり得る。幾つかの実施形態において、本開示の方法の精度は約90%である。幾つかの実施形態において、本開示の方法の精度は97%より上である。
【0114】
幾つかの実施形態において、組み合わされた遺伝子のセットは、70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又は99.5%より上の特異性又は感度、及び/又は、少なくとも70%、75%、80%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、95.5%、96%、96.5%、97%、97.5%、98%、98.5%、99%、99.5%以上の精度を与える。
【0115】
本開示の方法は、腫瘍プロファイルの分化の助けとなり得る高い信号対雑音比を持つことができる。
【0116】
被験体は、ヒト、患者、チンパンジーなどのヒト以外の霊長類、及び他の類人猿並びにサル類;ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタなどの家畜;ウサギ、イヌ、およびネコなどの飼育動物;ラット、マウスおよびモルモットなどの、げっ歯類を含む実験動物であり得る。被験体は任意の年齢であり得る。被験体は、例えば、男性、女性、高齢の成人、成人、若者、思春期の青少年、子供、幼児、乳幼児であり得る。
【0117】
被験体は、例えば10~90歳であり得る。被験体は、例えば、10~60歳、18~25歳、18~30歳、18~35歳、18~40歳、18~45歳、18~50歳、18~55歳、18~60歳、18~65歳、18~70歳、20~25歳、20~30歳、20~35歳、20~40歳、20~45歳、20~50歳、20~55歳、20~60歳、20~65歳、20~70歳、25~30歳、25~35歳、25~40歳、25~45歳、25~50歳、25~55歳、25~60歳、25~65歳、25~70歳、30~35歳、30~40歳、30~45歳、30~50歳、30~55歳、30~60歳、30~65歳、30~70歳、35~40歳、35~45歳、35~50歳、35~55歳、35~60歳、35~65歳、35~70歳、40~45歳、40~50歳、40~55歳、40~60歳、40~65歳、40~70歳、45~50歳、45~55歳、45~60歳、45~65歳、45~70歳、50~55歳、50~60歳、50~65歳、50~70歳、55~60歳、55~65歳、55~70歳、60~65歳、60~70歳、又は65~70歳であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は18~40歳であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は40歳未満であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は35歳未満であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は50歳未満であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は60歳未満であり得る。幾つかの実施形態において、被験体は70歳未満であり得る。
【0118】
被験体は、癌などの前から存在する疾患又は疾病を抱えている場合がある。代替的に、被験体は、既知の前から存在する疾病を抱えない場合もある。被験体はまた、癌の処置などの既存の又は過去の処置に反応しない場合がある。被験体は、癌の処置、例えば化学療法を受けている場合がある。
【0119】
幾つかの実施形態において、被験体は高密度の乳房組織又はデンスブレスト組織を持つ場合がある。例えば、幾つかの実施形態において、被験体は高リスクの被験体、例えばBRCA1及び/又は、BRCA2保因者であり得る。被験体は、健康状態に対するプレスクリーニング試験の陽性、陰性、又は曖昧な結果を持つ場合がある。被験体は、陽性、陰性、又は曖昧なマンモグラム結果を持つ場合がある。被験体は曖昧なマンモグラム結果及びデンスブレスト組織を持つ場合がある。
【0120】
Breast Imaging Reporting and Database Systems又はBI-RADSにより分類されるような被験体の乳房密度は、大半が脂肪、散乱した密度、一貫した密度、又は極めて高密度であり得る。大半が脂肪の分類は、大半が脂肪から構成され且つ繊維及び腺質の組織をほとんど含まない乳房を示し得る。これは、マンモグラムが異常であったものを全て示し得ることを意味する。散乱した密度分類は、かなり多くの脂肪を持つが繊維及び腺質の組織の領域が少ししか無い乳房を示し得る。一貫した密度分類は、乳房を介して均一に分布される繊維及び腺質の組織の領域が多くある乳房を示し得る。これは、乳房において小さな塊を見ることを困難にし得る。極めて高密度のカテゴリーは、多くの繊維及び腺質の組織を持つ乳房を示し得る。これは、癌が正常組織と混ざる場合があるため、マンモグラム上で癌を見ることを困難にし得る。幾つかの実施形態において、被験体は、極めて高密度の乳房を有し得る。
【0121】
(例えば、材齢、性別、人種、身体状況、乳癌タイプ又は段階、及び乳房組織密度に関連する)被験体のデータの組み合わせは、本開示の方法と共に使用され得る。
【0122】
様々なコンピューターアーキテクチャが本開示での使用に適している。
図5は、コンピューターアーキテクチャシステム(500)の例を説明するブロック図である。コンピューターシステム500は、本開示の例の実施形態に関連して使用することができる。
図5に表されるように、コンピューターシステムの例は、命令を処理するためのプロセッサ((502))を含み得る。プロセッサの非限定的な例は、以下を含む:Intel Core i7(商標)、Intel Core i5(商標)、Intel Core i3(商標)、Intel Xeon(商標)、AMD Opteron(商標)、Samsung 32-bit RISC ARM 1176JZ(F)-S v1.0(商標)、ARM Cortex-A8 Samsung S5PC100(商標)、ARM Cortex-A8 Apple A4(商標)、Marvell PXA 930(商標)、又は機能的に同等のプロセッサ。複数のスレッドの実行が並列処理のために使用され得る。幾つかの実施形態において、多数のプロセッサ、又は多数のコアを有するプロセッサが使用され得る。幾つかの実施形態において、多数のプロセッサ、又は多数のコアを有するプロセッサは、単一のコンピューターシステム、クラスタにおいて使用され、又はネットワーク上でシステムを介して分布され得る。幾つかの実施形態において、多数のプロセッサ、又は多数のコアを有するプロセッサは、複数のコンピューター、携帯電話、及び/又は個人用携帯情報端末装置を含むネットワーク上でシステムを介して分布され得る。
【0123】
a.データ収集、処理、及び保管
高速キャッシュ(501)は、プロセッサ(502)により最近使用された、或いは頻繁に使用される指示又はデータのための高速メモリを提供するプロセッサ(502)に接続、又はその中に組み込むことができる。プロセッサ(502)はプロセッサバス(505)によってノースブリッジ(506)に接続される。ノースブリッジ(506)はメモリバス(504)によってランダムアクセスメモリ(RAM)(503)に接続され、プロセッサ(502)によってRAM(503)のアクセスを管理する。ノースブリッジ(506)もチップセットバス(507)によりサウスブリッジ(508)に接続される。サウスブリッジ(508)は次に、周辺バス(509)に接続される。周辺バスは、例えばPCI、PCI-X、PCI Express、又は別の周辺バスであり得る。ノースブリッジ及びサウスブリッジは頻繁に、プロセッサチップセットと称され、周辺バス(509)上でプロセッサと、RAMと、周辺コンポーネントとの間のデータ転送を管理する。幾つかのコンピューターアーキテクチャシステムにおいて、ノースブリッジの機能性は、別個のノースブリッジチップを使用する代わりにプロセッサに組み込まれ得る。
【0124】
幾つかの実施形態において、コンピューターアーキテクチャシステム(500)はアクセラレータカード(512)を含み得る。幾つかの実施形態において、コンピューターアーキテクチャシステム(500)は、周辺バス(509)に付けられているアクセラレータカードを含み得る。幾つかの実施形態において、アクセラレータカード(512)は、処理を加速するためのフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のハードウェアを含み得る。
【0125】
b.ソフトウェアインターフェース
ソフトウェア及びデータは、外部記憶装置モジュール(513)に保管され、プロセッサにより使用のためにRAM(503)及び/又はキャッシュ(501)へとロードされ得る。コンピューターアーキテクチャシステム(2300)は、システムリソースの管理のためにオペレーティングシステムを含み得る。オペレーティングシステムの非限定的な例は、以下を含む:Linux(登録商標)、Windows(商標)、MACOS(商標)、BlackBerry OS(商標)、iOS(商標)、及び他の機能的に同等のオペレーティングシステム。幾つかの実施形態において、オペレーティングシステムはオペレーティングシステムの上部で実行されるアプリケーションソフトウェアであり得る。
【0126】
図5において、コンピューターアーキテクチャシステム(500)はまた、外部記憶装置にネットワークインターフェースを提供するために、周辺バスに接続されるネットワークインターフェースカード(NIC)(510及び511)を含む。幾つかの実施形態において、ネットワークインターフェースカードは、分布される並列処理のために使用可能なネットワークアタッチトストレージ(NAS)デバイス又は他のコンピューターシステムである。
【0127】
c.コンピューターネットワーク
図6は、複数のコンピューターシステム(602a及び602b)、複数の携帯電話及び個人用携帯情報端末(602c)、及びNAS装置(601a及び601b)を有するコンピュータネットワーク(600)を示す図である。幾つかの実施形態において、システム(602a)、(602b)、及び(602c)は、データ保存を管理し、NAS装置(601a及び602b)上で保存されたデータに対してデータアクセスを最適化することができる。数学モデルは、コンピューターシステム(602a及び602b)及び携帯電話及び個人用携帯情報端末システム(602c)を介する分布された並列処理を使用して、データを評価するために使用され得る。コンピューターシステム(602a及び602b)及び携帯電話及び個人用携帯情報端末システム(602c)はまた、NAS装置(601a及び601b)上で保存されたデータの適合データ再構築に並列処理を提供することができる。
【0128】
図6は一例のみを例示しており、様々な他のコンピューターのアーキテクチャ及びシステムは、本開示の様々な実施形態と共に使用され得る。例えば、ブレードサーバーは並列処理を提供するために使用され得る。プロセッサブレードは、並列処理を提供するためにバックプレーンを通じて接続され得る。記憶装置はまた、別個のネットワークインターフェースを通ってバックプレーンに、又はNAS装置に接続され得る。
【0129】
幾つかの実施形態において、プロセッサは、別個のメモリ空間を維持し、ネットワークインターフェース、バックプレーン、又は他のプロセッサによる並列処理のための他のコネクターを通じてデータを伝達することができる。幾つかの実施形態において、プロセッサの幾つか又は全てが、共有仮想アドレスメモリ空間を使用することができる。
【0130】
d.バーチャルシステム
図7は、共有仮想アドレスメモリ空間を用いる、マルチプロセッサーコンピュータシステムのブロック図である。システムは、共有メモリーサブシステム(702)にアクセス可能な複数のプロセッサ(701a-701f)を含む。システムは、メモリサブシステム(702)に複数のプログラマブルハードウェアのメモリアルゴリズムプロセッサ(MAP)(703a-703f)を組み込む。各MAP(703a-703f)は、メモリーカード(704a-704f)及び1つ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)(705a-705f)を含むことができる。MAPは設定可能な機能ユニットを提供する。アルゴリズム又はアルゴリズムの一部は、それぞれのプロセッサと密に協働して処理するためにFPGA(705a-705f)に提供され得る。幾つかの実施形態において、MAPは各々、プロセッサ全てにより世界的にアクセス可能である。幾つかの実施形態において、MAPは各々、関連するメモリーカード(704a-704f)にアクセスするためにダイレクトメモリアクセス(DMA)を使用することができ、それにより、各マイクロプロセッサ(701a-701f)とは別個に、且つこれらから非同期的にタスクを実行することが可能となる。幾つかのこの構成において、MAPは、パイプライン処理(pipelining)及びアルゴリズムの並列実行のために別のMAPに直接結果を供給することができる。
【0131】
上記のコンピューターアーキテクチャ及びシステムは単なる例であり、種々様々な他のコンピューター、携帯電話、及び個人用携帯情報端末アーキテクチャ及びシステムが、例の実施形態に関連して使用され得る。幾つかの実施形態において、本開示のシステムは、一般的なプロセッサ、コプロセッサ、FPGA及び他のプログラマブルロジックデバイス、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、及び他の処理素子及び論理素子の組み合わせを使用することができる。様々なデータ記憶媒体が、RAM、ハードドライブ、フラッシュメモリ、テープドライブ、ディスクアレイ、NAS装置、及び他のローカル又は分散データ記憶装置及びシステムを含む、例の実施形態と共に使用され得る。
【0132】
幾つかの実施形態において、コンピューターシステムは、上述のコンピューターのアーキテクチャ及びシステムの何れかにて実行されるソフトウェアモジュールを使用して実施され得る。幾つかの実施形態において、システムの機能は、
図7で言及されるようなファームウェア又はプログラマブルロジックデバイス(例えば、FPGA)、システムオンチップ(SOC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、又は他の処理要素及び論理素子において部分的又は完全に実施され得る。例えば、セットプロセッサ及びオプティマイザは、
図5に示されるアクセラレータカード(512)などのハードウェアアクセラレータカードの使用によりハードウェアアクセラレーションで実施され得る。
【0133】
本明細書に記載される本開示の実施形態は、同じ地理的位置内にいるユーザーにより例えば生成且つ伝達され得る。本開示の生成物は、例えば、1か国の地理的位置から生成及び/又は送信され、本開示のユーザーは異なる国に存在し得る。幾つかの実施形態において、本開示のシステムによってアクセスされたデータは、複数の地理的位置(801)の1つからユーザー(802)に送信可能なコンピュータープログラム製品である。
図8は、地理的位置からユーザーへと伝達されるコンピュータープログラム製品を示す。本開示のコンピュータープログラム製品によって生成されたデータは、複数の地理的位置の中で往復させて伝達され得る。幾つかの実施形態において、本開示のコンピュータープログラム製品によって生成されたデータは、ネットワーク接続、安全なネットワーク接続、不安定なネットワーク接続、インターネット接続、又はイントラネット接続により伝達され得る。幾つかの実施形態において、本明細書中のシステムは物理的及びタンジブルの生成物上でコードされる。
【実施例0134】
本発明は、以下の実施例を参照して更に詳しく記載される。これら実施例は、例示目的のみのために提供され、別段の定めがない限り、限定的なものであるとは意図されない。故に、本発明は、以下の実施例に限定されるようには全く解釈されないが、本明細書に提供される教示の結果としての証拠となるあらゆる且つ全ての変形を包含するように解釈されるべきである。
【0135】
実施例1:バイオマーカーの同定
公的に入手可能なデータを使用して、遺伝子共発現ネットワークを分析する。18の可能なバイオマーカーを多数の疾病に対して発見した。バイオマーカーを、乳癌、結腸癌、肺癌、神経変性疾患、及び炎症性障害を含む疾病に対して発見した。
【0136】
実施例2:遺伝子発現レベルの分析
遺伝子発現レベルを、10の乳癌被験体及び10の対応する健康な対照から得た唾液サンプルを使用して分析した。この研究は、10の患者及び10の対照サンプルの発見データセットからのマイクロアレイデータを使用して、唾液ベースの乳癌検出に概念実証を提供した。サンプルは、例えば人種、BRCA及び非BRCA、高密度なサンプル、及び非高密度なサンプルの混合集団を含んでいた。
【0137】
バイオマーカー発見段階分析研究は、マイクロアレイ上のモジュール間の平均接続性を判定するために使用され得る、関連性の約8800の遺伝子を同定した(Affymetrix HG-U133 Plus 2.0 gene chip)。これら遺伝子に由来するモジュールの平均接続性を調べて、平均接続性が、高い感度、高い特異性、及び高い統計的有意差を持つバイオマーカーシグネチャをもたらしたかどうかを判定した。研究は、約90%の精度を含む結果をもたらした。
【0138】
図9は、10の乳癌被験体及び10対応する健康な対照由来の平均接続性値を示す。これらの値が由来した遺伝子発現マイクロアレイデータを、NCBI Gene Expression Omnibus, GSE 20266から得た。t検定による、乳癌被験体と対照被験体との比較は、約0.002のp値をもたらした。2つの群間の点線は、約90%の精度を持つ被験体を両方向に分けた。
【0139】
その後、結果に最も寄付した遺伝子発現モジュールを調べ、最も優れた有意性の遺伝子発現モジュールを持つ個々の遺伝子を分析した。最も優れた有意性の遺伝子発現モジュールを持つ個々の遺伝子の分析を行い、研究において対照群と乳癌群との分離をもたらす最も効率的なサブネットワークを生成した。最も効率的なサブネットワークは、
図4に示されるように、9つの重要な遺伝子を含む4つのモジュールを含んでいた。
図4は、8800の遺伝子について同定されるマイクロアレイデータに由来した平均接続性の分離をもたらすことに関与する主要なサブネットワークを示す。モジュール1(401)はSLC25A51を含み、これはMCART1及びLCE2Bとしても知られ;モジュール2(402)はHIST1H4K及びABCA2を含み;モジュール3(403)はTNFRSF10A、AK092120、及びDTYMKを含み;及びモジュール4(404)はHs.161434及びALKBH1を含んでいた。例示的実施例において、「9-遺伝子バイオマーカーアッセイ」又は「9-遺伝子バイオマーカーパネル」は、この実施例で同定され且つ
図4に例示されるバイオマーカー遺伝子の1つ以上を含み得る。
【0140】
このサブネットワーク内の相関は、ネットワークを全体として見るよりも高い程度にまで表現型の差異を反映することができる。9つの遺伝子に減らされたバイオマーカーパネルにより、遺伝子発現は例えばqPCRを使用して調べられてもよい。例えばqPCRでの遺伝子発現検出は、例えばマイクロアレイ(例えばAffymetrix 遺伝子チップ)を使用するよりも安価であり、且つ拡張性があり得る。
【0141】
実施例3:同定されたバイオマーカーの検証
実施例2で同定されたバイオマーカーの初期の検証を、9-遺伝子バイオマーカーパネル(例えば
図4における遺伝子)について60の患者サンプルに実行した。サンプルは、例えば人種、BRCA及び非BRCA、高密度なサンプル、及び非高密度なサンプルの混合集団を含んでいた。デンスブレスト組織の存在など、マンモグラムに合併症があったとき、9-遺伝子アッセイからのデータを使用して、更なるスクリーニングの必要性を方向付け、検出率を大幅に増大させた。
【0142】
図10は、60の被験体の検証研究から得られたqPCRを使用して実行された9-遺伝子アッセイから得られたスコアを示す。検証研究は、侵襲性腺管癌(IDC)を識別された30人の乳癌被験体、及び30人の健康な対照被験体を含んでいた。
図10に示される結果は、実施例2に使用される方法を検証した。アッセイには約83%の感度があった。マンモグラムからの90%の特異性レベルと比較して、アッセイには約97%の特異性があった。
【0143】
60人の患者研究からのデータは、唾液ベースの乳癌検出に対する9つの遺伝子アッセイが、約83%の感度及び約97%の特異性と共に約90%の精度を備えていることを示した。これらの結果に基づいて、9-遺伝子アッセイは、癌を抱える全女性の約83%を検出することができた。
【0144】
この初期の検証研究の結果は、バイオマーカー値が技術プラットフォーム(例えばqRT-PCR及びマイクロアレイ)を越えたことを示した。検出は、診断試験の範囲内の感度及び特異性のレベルを示した。
【0145】
図11は、連続的に順序を付けた複合遺伝子発現値を示す。データは、対照被験体(30人の患者複製セット)からの乳癌被験体の優れた分離を実証する。60人の患者コホートからデータを得て、9-遺伝子バイオマーカーアッセイのために連続的に順序付けした。
【0146】
120人の患者及び120人の対照を含む大きなコホート群に対して第2の検証研究を行った。サンプルは、例えば人種、BRCA陽性被験体、BRCA陰性被験体、高密度なサンプル、及び非高密度なサンプルの混合集団を含んでいた。この研究からのデータは、9つのバイオマーカー遺伝子及び2つのハウスキーピング遺伝子の各々について
図12-25に示される。
【0147】
図12は、バイオマーカー遺伝子5に対する第2の検証研究の結果を示す。データは、120の患者サンプル及び120の対照サンプルを含む、大きなコホート研究法から得られた。結果は、癌患者及び対照患者の有意な分離を示した。同様の結果が、9-遺伝子バイオマーカーパネルからの9つのバイオマーカー遺伝子のうち5つに対して得られた。
【0148】
図13のA-D~
図18は、9つの例示的なバイオマーカー遺伝子に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。データは、120の患者サンプル及び120の対照サンプルを含む、大きなコホート研究法から得られた。
【0149】
図13のAは、遺伝子2に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子2は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、84.2%の特異性、及び0.0001未満のp値を提示した。
図14は、遺伝子2に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0150】
図13のBは、遺伝子3に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子3は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、0.0001未満のp値を提示した。
図15は、遺伝子3に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0151】
図13のCは、遺伝子7に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子7は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、60.8%の感度、94.2%の特異性、及び0.0001未満のp値を提示した。
図16は、遺伝子7に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0152】
図13のDは、遺伝子9に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子9は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、72.5%の感度、85%の特異性、及び0.0001未満のp値を提示した。
図17は、遺伝子9に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0153】
図18のAは、遺伝子1に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子1は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、0.0167のp値を有していた。
図19は、遺伝子1に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0154】
図18のBは、遺伝子4に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子4は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、81.7%の感度レベル、41.7%の特異性レベル、及び0.0001未満のp値を提示した。
図20は、遺伝子4に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0155】
図18のCは、遺伝子5に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子5は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、50.8%の感度レベル、74.2%の特異性レベル、及び0.0014のp値を提示した。
図21は、遺伝子5に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0156】
図18のDは、遺伝子6に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子6は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、63.3%の感度レベル、63.3%の特異性、及び0.0001のp値を提示した。
図22は、遺伝子6に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0157】
図18のEは、遺伝子8に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。遺伝子8は、唾液サンプル中の乳癌に対する最大の遺伝的寄与因子の1つではなかった。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、約85%の感度、58.5%の特異性、及び0.0001未満のp値を提示した。
図23は、遺伝子8に対するバイオマーカー検証研究のパラメータ及び結果を示す。
【0158】
図24は、ハウスキーピング遺伝子G-H1に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、96.7%の感度、25.8%の特異性、及び0.1551のp値を提示した。
【0159】
図25は、ハウスキーピング遺伝子G-H2に対するRT-qPCR-ベースの第2の検証研究の結果を示す。データは、対照患者からの癌患者の良好な分離を示し、且つ、84.2%の感度、30.8%の特異性、及び0.0355のp値を提示した。
【0160】
表2は、9つのバイオマーカー遺伝子及び2つのハウスキーピング遺伝子を分析するために使用されたプライマーを示す。データは、同義遺伝子が大きなコホート研究において個々の有意性を示すことを実証した。バイオマーカーが追加のバイオマーカーと組み合わせて使用されると、初期の分析は有意性を示した。データは、9つの遺伝子バイオマーカーパネルからの遺伝子2、遺伝子7、及び遺伝子9が、例えば癌を正確に拒絶する、或いは標準として正確に陰性サンプルを同定することにより、試験の特異性に最も寄与したことを示した。9つの遺伝子バイオマーカーパネルからの遺伝子4及び遺伝子7は、例えば正常なサンプルを正確に拒絶する、或いは癌として陽性サンプルを正確に同定することにより、感度に最も寄与した。Medcalc Softwareを使用して試験の感度及び特異性を算出した。方法の感度及び特異性は、マンモグラムのコンパニオンとして試験を実行することにより更に増大され得る。
【0161】
【0162】
【0163】
実施例4:オンコロジーに対する関与が知られるバイオマーカーパネルアッセイにおける遺伝子の転写レベルの相関
バイオマーカーレベル(例えば、実施例2からの9つのバイオマーカー遺伝子の転写レベル)を、乳癌の形成及び進行に関係すると知られるそれら遺伝子に相関させる。バイオマーカーに関連する倍率変化の差異を、癌の被験体及びサブクラスと、健康な被験体及びサブクラスとの間で調べ、サブクラスは年齢、人種、身体状態、乳癌のタイプ又は段階、及び乳房組織密度に関連する。この情報を使用して、乳癌の形成及び進行に関係すると知られる遺伝子及び関連経路の遺伝子オンコロジー検索を誘導する。この情報に基づいて、バイオマーカーの発現レベルのランク付け及び重み付けを決定し、試験の感度を改善させた。
【0164】
30人の患者(15人の癌患者及び15人の対照被験体)に関する患者情報及び唾液サンプルを得る。唾液サンプルをOragene RE-100カップに入れて送り、その中には、室温で60日間唾液中のRNAを安定化させるためのRNアーゼ阻害剤が含まれている。RNAを唾液から抽出する。qPCRを各サンプル上で二通り行う。遺伝子パネル(例えば、実施例2で同定された9つのバイオマーカー遺伝子)に対する遺伝子発現レベルの差異を、倍率変化の差異及びp値(t検定)に基づいて健康な癌被験体と癌被験体との間で調べる。遺伝子パネルから得たデータをベースラインとして使用する。
【0165】
その後、患者情報に関連するサブクラスにおける遺伝子発現の変化を分析する。サブクラスの遺伝子発現の変化を使用して、遺伝子オンコロジー検索を導く。例えば、年齢がベースラインから最大のデルタを作る場合、乳癌との関連も備える年齢関連の経路に関与する遺伝子に対する9つのバイオマーカー遺伝子の関連性を、分析する。遺伝子オンコロジーツール(例えば、AmiGO 2及びGene at NCBI)を、遺伝子オンコロジー検索のために使用する。遺伝子オンコロジー検索手順を、健康被験体-癌被験体のベースラインからの3つの最大のデルタに対して実行する。3つの導かれた遺伝子オンコロジー検索からの結果に基づいて、3つのランク付け且つ重み付けのレジームを算出する。その後、3つの重み付けのレジームを、精度、感度、及び特性について30のサンプルの重み付けしていないスコアリングに対して試験し、結果を比較する。重み付けのレジームは感度を90%より上に上昇させ、アッセイの全体的な精度を改善し、特異性レベルを97%以上に維持する。
【0166】
実施例5:乳癌に関連付けられたエキソソームのmRNA内容物の検査
標準治療の化学療法薬を用いて、及びそれを用いずに、培養物中で増殖される不死化乳癌細胞株(例えばMDA-MB-231及びMCF7)から放出されたエキソソームのmRNA内容物を、調べる。エキソソームのmRNA内容物から得られたデータを使用して、遺伝子発現値の重み付けを更に洗練させ、試験結果の測定を改善する。
【0167】
MDA-MB-231及びMCF7の不死化乳癌細胞株は、増殖培地へとmRNA含有エキソソーム様の小胞を放出することができる。バイオマーカーパネルにおける遺伝子(例えば、実施例2で同定された9つのバイオマーカー遺伝子)の転写のレベルを、ドキソルビシン(即ち、標準治療の化学療法薬)を用いて及び用いることなく培養された不死化乳癌細胞株(例えばMDA-MB-231及びMCF7)から放出されたエキソソームにおいて調べた。qPCRなどの標準検査手技を使用してサンプルを分析する。例えば、実施例4で説明されるように、発現レベルの差異を分析する。分析に基づいて、洗練されたランク付け及び重み付けのレジームを導き出す。洗練された重み付けのレジームを、実施例4の30のサンプルからのデータを用いて、実施例4からの重み付けされたスコアリングレジーム、及び、精度、感度、並びに特異性にたいして重み付けされないスコアリングレジームの両方に対して試験した。その後、結果を比較する。
【0168】
ドキソルビシンを用いて及び用いることなく培養された細胞の(例えば実施例2からの9-遺伝子アッセイに対する)バイオマーカーパネルにおける遺伝子の発現レベルに、差異が観察される。遺伝子の発現レベルの差異は、唾液中の乳癌検出に関与するエキソソーム機構の証拠を更に提供することができる。洗練された重み付けのレジームは、感度を90%より上に上昇させ、アッセイの特異性に大幅に影響を与えることなくバイオマーカーアッセイの精度を改善することができる。
【0169】
実施例6:盲検患者サンプル(n=30)を使用するバイオマーカーパネルの予測的な能力の試験
盲検唾液サンプル(例えば、癌があるかわからない30のサンプル、対照情報)を分析し、実施例4及び実施例5から収集された新たな重み付けの最適化を使用して実施例4におけるようにスコア付けした。
【0170】
実施例7:唾液ベースの診断アッセイのためのワークフロー
図26は、唾液遺伝子試験に対して最適化されたワークフローを示す。5mLの唾液を30分内に50mLの収集チューブに集め、チューブを診断研究所(2601)に運んだ。サンプルを4℃で15分間、2600gで遠心分離した。上清を集めた。5μL(即ち100ユニット)のsuperase阻害剤を唾液上清1mL当たりに加え、サンプルを保管した(2602)。その後、RNAを唾液サンプルから単離した(2603)。唾液上清サンプルを解凍した。200μLの解凍されたサンプルをサンプルチューブに直接移した。標準MagNAプロトコルに従って全RNAを単離した。RNAサンプルを-80℃で保管した。RNAを逆転写し、表3と表4に示される実験パラメータを使用して1工程の反応で予め増幅させた(2604)。
【0171】
【0172】
【0173】
増幅後、ExoSAPIT処理を使用して増幅産物を精製して、例えば、下流の適用(例えばqPCR及び配列決定)に干渉し得るPCR産物混合物に残る未消費のdNTP及びプライマーを排除した。精製後、cDNAを約40倍希釈した。表5と表6に示される実験条件を使用して、qPCRを1工程の反応で実行した(2605)。
【0174】
【0175】
【0176】
実施例8:乳癌に関連する遺伝子に対する唾液中の遺伝子発現プロファイルの評価
乳癌を抱える10人の患者と正常な10人の患者の唾液から集めたRNAを使用して、癌及び正常な表現型に対する相関性を算出した。これを使用して、癌サンプルと正常サンプルとの間で差次的に発現される遺伝子を判定した。
図29は、ヒートマップの形で研究の結果を示す。
図29において、最初の10のカラムは癌患者の唾液からのデータを示し、次の10のカラムは正常サンプルの唾液からのデータを示す。各行のボックスは、20人の患者における遺伝子の発現を示す。青色のボックスは、遺伝子発現が下がっていることを示した。赤色のボックスは、遺伝子発現が上がっていることを示した。
【0177】
差次的に発現されると判定された遺伝子を分析して、0.05のP値カットオフを用いる試験Kolmgorov-Smirnoff統計を使用して(例えばGOオントロジーによって注釈されたように)癌の特徴における富化を判定した。
図28は、差次的に発現される且つ癌の特徴に相当することが分かった遺伝子を示す。これらは、実施例2の候補バイオマーカーとして独立して同定される、TNFRSF10A、ABCA1/2、DTYMK、及びALKBH1を含んでいた。故に、この研究は、実施例2で同定され且つ
図4に示される候補遺伝子が、唾液からの乳癌検出のためのバイオマーカーとして使用可能であることを明らかにした。
【0178】
実施例9:乳癌に対する診断テスト
女性被験体はマンモグラムを受ける。被験体は、デンスブレストがあることを伝えられている。マンモグラムは、癌に対する陰性の指標を示す。被験体にデンスブレスト組織があるため、医療サービス提供者は、乳癌バイオマーカーアッセイ(例えば実施例4に記載される9-遺伝子アッセイ)を推奨する。
【0179】
医療サービス提供者の推奨に従い、被験体はカップの中につばを吐く。本開示の方法を使用して唾液サンプルを分析し、バイオマーカーパネルからの遺伝子の転写のレベルを判定する。被験体は、バイオマーカーアッセイからのデータ分析に基づいた診断を受ける。
【0180】
実施例10:コンパニオン診断
図2は、正確な癌診断のためにマンモグラム画像化と協働した唾液ベースのバイオマーカーアッセイの使用を示す。女性被験体(201)はマンモグラム(202)を受け、医療サービス提供者に唾液サンプル(204)を提出する。マンモグラムを分析し(203)、癌を検出する。同時に、本開示の方法を使用して唾液サンプルを分析し(205)、バイオマーカーパネルからの遺伝子の転写のレベルを判定する(例えば、実施例4に記載される9-遺伝子アッセイ)。被験体は、マンモグラム及びバイオマーカーアッセイからのデータの分析に基づいた診断を受ける(206)。
【0181】
実施例11:乳癌の診断
被験体は毎年、乳癌についてのスクリーニングを希望する。被験体は、画像化の前に、郵送で、又は個人的に唾液サンプルを提供する。被験体のサンプルをバイオマーカーパネルについて分析する。(例えば、郵送により又は個人的に伝達された)結果に基づいて、バイオマーカーは被験体をリスクカテゴリーへと分類する。これらカテゴリーは癌のリスク及び追跡の頻度を特定するために使用され得る。結果は更に、マンモグラム、MRI、及び/又は、唾液結果が非常に高リスクを示す場合のより広範な監視による、追加のスクリーニングに対する推奨を提供することができる。
【0182】
実施例12:乳癌の診断
被験体は毎年、スクリーニングマンモグラムのために医療サービス提供者を訪れ、同時に唾液サンプルを提供する。2つの試験を個別に分析する。結果を組み合わせて、癌に対する単一の組み合わされた確率スコアを生成し、これは何れかの試験単独よりも強健な乳癌リスクの推定値であり得る。
【0183】
実施例13:乳癌の診断
被験体は毎年、スクリーニングマンモグラムのために医療サービス提供者を訪れ、「曖昧な結果」の読み取りを含むマンモグラムを得る。およそ1/7のマンモグラムが曖昧であり得る。被験体は唾液サンプルを提供し、これを本開示のバイオマーカーアッセイを使用して分析する。バイオマーカーアッセイ及びマンモグラムからの結果を組み合わせて、反復マンモグラム、MRI、生検又は、唾液サンプル試験、マンモグラム、或いはその両方による監視頻度の増加などの追跡の進行に被験体を優先させる。
【0184】
実施例14:癌検診
被験体はスクリーニングのために訪問し、サンプルを提供する。サンプルを分析し、試験結果は患者の身体中の癌を同定する。被験体は、乳房などの特異的な体組織に癌を位置づけるために本開示のバイオマーカーアッセイなどの追跡試験を受ける。
【0185】
実施例15:マンモグラムの回避
被験体はマンモグラムの回避を希望する。マンモグラムには、デンスブレストを持つ被験体、若い被験体(例えば18~40の年齢層、40歳未満、又は35歳未満)、又は乳癌のリスクが高い被験体などに対する、高い偽陰性及び偽陽性の割合がある。若い被験体は、より高い頻度のデンスブレストを有し得る。被験体は34歳であり、デンスブレストを有する。被験体は、本開示の唾液ベースのバイオマーカーアッセイを受ける。被験体は、乳癌のリスクスコア、追加の試験への推奨、及び今後のスクリーニングの頻度を示される。
【0186】
実施形態
以下の非限定的な実施形態は、本発明の例示的な実施例を提供するが、本発明の範囲を限定するものではない。
【0187】
実施形態1.
a)被験体にスクリーニング試験を実行する工程であって、スクリーニング試験は健康状態を発達させるリスクに対して被験体を評価することを含む、工程;
b)被験体の生体サンプルを得る工程;
c)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程;
c)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程;
e)スクリーニング試験の結果と比較を組み合わせる工程;及び
f)比較に基づいて被験体の健康状況を判定する工程
を含む、方法。
【0188】
実施形態2.スクリーニング試験は被験体の乳房組織を画像化する工程を含む、実施形態1に記載の方法。
【0189】
実施形態3.画像化する工程はマンモグラムを使用して実行される、実施形態1又は2に記載の方法。
【0190】
実施形態4.スクリーニング試験は、被験体における無細胞核酸のサンプルレベルを定量する工程を含む、実施形態1乃至3の何れか1つに記載の方法。
【0191】
実施形態5.無細胞核酸は無細胞RNAである、実施形態1乃至4の何れか1つに記載の方法。
【0192】
実施形態6.無細胞核酸は無細胞DNAである、実施形態1乃至4の何れか1つに記載の方法。
【0193】
実施形態7.無細胞核酸は被験体の組織に特異的である、実施形態1乃至6の何れか1つに記載の方法。
【0194】
実施形態8.組織は乳房組織である、実施形態1乃至7の何れか1つに記載の方法。
【0195】
実施形態9.無細胞核酸は体液由来である、実施形態1乃至7の何れか1つに記載の方法。
【0196】
実施形態10.体液は、血液、血液分画、血清、血漿、唾液、痰、尿、精液、経膣流体、脳脊髄液、汗、胆汁、嚢胞流体、涙、乳房吸引液、及び乳房流体から選択される、実施形態1乃至7及び9の何れか1つに記載の方法。
【0197】
実施形態11.スクリーニング試験は遺伝子検査を含む、実施形態1乃至10の何れか1つに記載の方法。
【0198】
実施形態12.遺伝子検査は乳癌感受性遺伝子における突然変異について試験する工程を含む、実施形態1乃至11の何れか1つに記載の方法。
【0199】
実施形態13.遺伝子検査は、ATM、BARD1、BRCA1、BRCA2、BRIP1、CASP8、CDH1、CHEK2、CTLA4、CYP19A1、FGFR2、H19、LSP1、MAP3K1、MRE11、NBN、PALB2、PTEN、RAD51、RAD51C、STK11、TERT、TOX3、TP53、XRCC2、XRCC3、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される遺伝子における突然変異について試験する工程を含む、実施形態1乃至12の何れか1つに記載の方法。
【0200】
実施形態14.健康状態は癌である、実施形態1乃至13の何れか1つに記載の方法。
【0201】
実施形態15.癌は乳癌である、実施形態1乃至14の何れか1つに記載の方法。
【0202】
実施形態16.生体サンプルは体液である、実施形態1乃至15の何れか1つに記載の方法。
【0203】
実施形態17.体液は唾液である、実施形態1乃至16の何れか1つに記載の方法。
【0204】
実施形態18.体液は血液である、実施形態1乃至16の何れか1つに記載の方法。
【0205】
実施形態19.体液は、血液、血液分画、血清、血漿、唾液、痰、尿、精液、経膣流体、脳脊髄液、汗、胆汁、嚢胞流体、涙、乳房吸引液、及び乳房流体から選択される、実施形態1乃至18及びの何れか1つに記載の方法。
【0206】
実施形態20.バイオマーカーは、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、抗原、炭水化物、及びプロテオグリカンから成る群から選択される、実施形態1乃至19の何れか1つに記載の方法。
【0207】
実施形態21.バイオマーカーは核酸であり、核酸はDNA又はRNAである、実施形態1乃至20の何れか1つに記載の方法。
【0208】
実施形態22.核酸はRNAであり、RNAは、mRNA、miRNA、snoRNA、snRNA、rRNA、tRNA、siRNA、hnRNA、及びshRNAから成る群から選択される、実施形態1乃至21の何れか1つに記載の方法。
【0209】
実施形態23.RNAはmRNAである、実施形態1乃至22の何れか1つに記載の方法。
【0210】
実施形態24.RNAはmiRNAである、実施形態1乃至22の何れか1つに記載の方法。
【0211】
実施形態25.バイオマーカーは核酸であり、核酸はDNAであり、DNAは、二本鎖DNA、一本鎖DNA、相補的DNA、及び非コーディングDNAから成る群から選択される、実施形態1乃至21の何れか1つに記載の方法。
【0212】
実施形態26.バイオマーカーは無細胞核酸である、実施形態1乃至21の何れか1つに記載の方法。
【0213】
実施形態27.無細胞核酸は無細胞RNAである、実施形態1乃至24の何れか1つに記載の方法。
【0214】
実施形態28.無細胞RNAは無細胞mRNA又は無細胞miRNAである、実施形態1乃至21の何れか1つに記載の方法。
【0215】
実施形態29.バイオマーカーは無細胞DNAである、実施形態1乃至20の何れか1つに記載の方法。
【0216】
実施形態30.バイオマーカーはエキソソーム由来である、実施形態1乃至20の何れか1つに記載の方法。
【0217】
実施形態31.バイオマーカーはタンパク質である、実施形態1乃至20の何れか1つに記載の方法。
【0218】
実施形態32.バイオマーカーは乳癌経路中の遺伝子である、実施形態1乃至20の何れか1つに記載の方法。
【0219】
実施形態33.バイオマーカーは、MCART1、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、Hs.161434、ALKBH1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、実施形態1乃至20及び30乃至32の何れか1つに記載の方法。
【0220】
実施形態34.バイオマーカーはHIST1H4Kである、実施形態1乃至20及び30乃至33の何れか1つに記載の方法。
【0221】
実施形態35.バイオマーカーはTNFRSF10Aである、実施形態1乃至20及び30乃至33の何れか1つに記載の方法。
【0222】
実施形態36.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、少なくとも2つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、及びHs.161434から成る群から選択される、実施形態1乃至20及び30乃至35の何れか1つに記載の方法。
【0223】
実施形態37.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、2つのバイオマーカーはHIST1H4K及びTNFRSF10Aである、実施形態1乃至20及び30乃至36の何れか1つに記載の方法。
【0224】
実施形態38.健康状況を判定する工程は、被験体の組織の健康状況を判定する工程を含む、実施形態1乃至37の何れか1つに記載の方法。
【0225】
実施形態39.組織は乳房組織である、実施形態1乃至38の何れか1つに記載の方法。
【0226】
実施形態40.エキソソーム分画からバイオマーカーを放出するために生体サンプルのエキソソーム分画を実験的に溶解する工程を更に含む、実施形態1乃至39の何れか1つに記載の方法。
【0227】
実施形態41.基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、実施形態1乃至40の何れか1つに記載の方法。
【0228】
実施形態42.定量する工程は、RNAを実験的に逆転写する工程を更に含む、実施形態1乃至41の何れか1つに記載の方法。
【0229】
実施形態43.定量する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応を実行する工程を更に含む、実施形態1乃至42の何れか1つに記載の方法。
【0230】
実施形態44.PCRは量的PCRである、実施形態1乃至43の何れか1つに記載の方法。
【0231】
実施形態45.定量する工程は、配列決定を実行する工程を更に含み、配列決定は超並列配列決定を含む、実施形態1乃至44の何れか1つに記載の方法。
【0232】
実施形態46.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の精度により実行される、実施形態1乃至45の何れか1つに記載の方法。
【0233】
実施形態47.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の精度により実行される、実施形態1乃至46の何れか1つに記載の方法。
【0234】
実施形態48.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも80%の感度により実行される、実施形態1乃至45の何れか1つに記載の方法。
【0235】
実施形態49.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約80%、85%、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の感度により実行される、実施形態1乃至46の何れか1つに記載の方法。
【0236】
実施形態50.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される、実施形態1乃至45の何れか1つに記載の方法。
【0237】
実施形態51.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の特異性により実行される、実施形態1乃至46の何れか1つに記載の方法。
【0238】
実施形態52.
a)被験体の唾液サンプルを得る工程;
b)バイオマーカーを放出するために唾液サンプルのエキソソーム分画を実験的に溶解する工程;
c)バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程;及び
d)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、工程
を含む、方法。
【0239】
実施形態53.追加の試験は、乳癌を発達させるリスクに対して被験体を評価する工程を含む、実施形態52に記載の方法。
【0240】
実施形態54.追加の試験の結果と工程d)の比較とを組み合わせる工程を更に含む、実施形態52又は53に記載の方法。
【0241】
実施形態55.組み合わせに基づいて被験体の乳癌状態を判定する工程を更に含む、実施形態52乃至54の何れか1つに記載の方法。
【0242】
実施形態56.追加の試験は被験体の乳房組織を画像化する工程を含む、実施形態52乃至55の何れか1つに記載の方法。
【0243】
実施形態57.画像化する工程はマンモグラムを使用して実行される、実施形態52乃至56の何れか1つに記載の方法。
【0244】
実施形態58.追加の試験は、被験体における無細胞核酸のサンプルレベルを定量する工程を含む、実施形態52乃至57の何れか1つに記載の方法。
【0245】
実施形態59.無細胞核酸は無細胞RNA又は無細胞DNAである、実施形態52乃至58の何れか1つに記載の方法。
【0246】
実施形態60.無細胞核酸は被験体の組織に特異的である、実施形態52乃至59の何れか1つに記載の方法。
【0247】
実施形態61.組織は乳房組織である、実施形態52乃至60の何れか1つに記載の方法。
【0248】
実施形態62.無細胞核酸は体液由来である、実施形態52乃至60の何れか1つに記載の方法。
【0249】
実施形態63.体液は、血液、血液分画、血清、血漿、唾液、痰、尿、精液、経膣流体、脳脊髄液、汗、胆汁、嚢胞流体、涙、乳房吸引液、及び乳房流体から選択される、実施形態52乃至60及び62の何れか1つに記載の方法。
【0250】
実施形態64.バイオマーカーは、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、抗原、炭水化物、及びプロテオグリカンから成る群から選択される、実施形態52乃至63の何れか1つに記載の方法。
【0251】
実施形態65.バイオマーカーは核酸である、実施形態52乃至64の何れか1つに記載の方法。
【0252】
実施形態66.核酸はRNAである、実施形態52乃至65の何れか1つに記載の方法。
【0253】
実施形態67.RNAはmRNAである、実施形態52乃至66の何れか1つに記載の方法。
【0254】
実施形態68.RNAはmiRNAである、実施形態52乃至66の何れか1つに記載の方法。
【0255】
実施形態69.核酸はDNAである、実施形態52乃至65の何れか1つに記載の方法。
【0256】
実施形態70.バイオマーカーは乳癌経路中の遺伝子である、実施形態52乃至69の何れか1つに記載の方法。
【0257】
実施形態71.バイオマーカーは、MCART1、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、Hs.161434、ALKBH1、MCART1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、実施形態52乃至70の何れか1つに記載の方法。
【0258】
実施形態72.バイオマーカーはHIST1H4Kである、実施形態52乃至71の何れか1つに記載の方法。
【0259】
実施形態73.バイオマーカーはTNFRSF10Aである、実施形態52乃至71の何れか1つに記載の方法。
【0260】
実施形態74.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、少なくとも2つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、及びHs.161434から成る群から選択される、実施形態52乃至73の何れか1つに記載の方法。
【0261】
実施形態75.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、2つのバイオマーカーはHIST1H4K及びTNFRSF10Aである、実施形態52乃至74の何れか1つに記載の方法。
【0262】
実施形態76.工程b)の前に唾液サンプルのエキソソーム分画を実験的に富化する工程を更に含む、実施形態52乃至75の何れか1つに記載の方法。
【0263】
実施形態77.実験的に富化した後にエキソソーム分画を安定化させる工程を更に含む、実施形態52乃至76の何れか1つに記載の方法。
【0264】
実施形態78.バイオマーカーはRNAであり、定量する工程は、RNAを実験的に逆転写する工程を更に含む、実施形態52乃至68及び70乃至77の何れか1つに記載の方法。
【0265】
実施形態79.定量する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応を実行する工程を更に含む、実施形態52乃至78の何れか1つに記載の方法。
【0266】
実施形態80.PCRは量的PCRである、実施形態52乃至79の何れか1つに記載の方法。
【0267】
実施形態81.定量する工程は、配列決定を実行する工程を更に含み、配列決定は超並列配列決定を含む、実施形態52乃至80の何れか1つに記載の方法。
【0268】
実施形態82.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の精度により実行される、実施形態52乃至81の何れか1つに記載の方法。
【0269】
実施形態83.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の精度により実行される、実施形態52乃至82の何れか1つに記載の方法。
【0270】
実施形態84.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも80%の感度により実行される、実施形態52乃至83の何れか1つに記載の方法。
【0271】
実施形態85.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも80%、85%、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の感度により実行される、実施形態52乃至84の何れか1つに記載の方法。
【0272】
実施形態86.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される、実施形態52乃至85の何れか1つに記載の方法。
【0273】
実施形態87.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の特異性により実行される、実施形態52乃至86の何れか1つに記載の方法。
【0274】
実施形態88.遺伝子検査を更に含む、実施形態52乃至87の何れか1つに記載の方法。
【0275】
実施形態89.遺伝子検査は乳癌感受性遺伝子における突然変異について試験する工程を含む、実施形態52乃至88の何れか1つに記載の方法。
【0276】
実施形態90.遺伝子検査は、ATM、BARD1、BRCA1、BRCA2、BRIP1、CASP8、CDH1、CHEK2、CTLA4、CYP19A1、FGFR2、H19、LSP1、MAP3K1、MRE11、NBN、PALB2、PTEN、RAD51、RAD51C、STK11、TERT、TOX3、TP53、XRCC2、XRCC3、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される遺伝子における突然変異について試験する工程を含む、実施形態52乃至89の何れか1つに記載の方法。
【0277】
実施形態91.
a)被験体にマンモグラムを実行する工程;
b)被験体の唾液サンプルを得る工程;
c)被験体の唾液サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーはエキソソーム由来である、工程;
d)バイオマーカーのサンプルレベルをバイオマーカーの基準レベルと比較する工程であって、基準レベルは乳癌を抱える被験体から得られる、工程;及び
e)被験体の健康状況を判定するためにマンモグラムと比較の結果を組み合わせる工程
を含む、方法。
【0278】
実施形態92.マンモグラム結果は、被験体の乳癌に対して陰性である、実施形態91に記載の方法。
【0279】
実施形態93.工程e)における組み合わせに基づいて、マンモグラムの陰性結果を偽陰性として同定する工程を更に含む、実施形態91又は92に記載の方法。
【0280】
実施形態94.マンモグラム結果は、被験体の乳癌に対して陽性である、実施形態91に記載の方法。
【0281】
実施形態95.工程e)における組み合わせに基づいて、マンモグラムの陽性結果を偽陽性結果として同定する工程を更に含む、実施形態91及び94の何れか1つに記載の方法。
【0282】
実施形態96.マンモグラム結果は、被験体の乳癌に対して曖昧である、実施形態91に記載の方法。
【0283】
実施形態97.バイオマーカーは、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、抗原、炭水化物、及びプロテオグリカンから成る群から選択される、実施形態91乃至96の何れか1つに記載の方法。
【0284】
実施形態98.バイオマーカーは核酸である、実施形態91乃至97の何れか1つに記載の方法。
【0285】
実施形態99.核酸はRNAである、実施形態91乃至98の何れか1つに記載の方法。
【0286】
実施形態100.RNAはmRNAである、実施形態91乃至99の何れか1つに記載の方法。
【0287】
実施形態101.RNAはmiRNAである、実施形態91乃至99の何れか1つに記載の方法。
【0288】
実施形態102.核酸はDNAである、実施形態91乃至98の何れか1つに記載の方法。
【0289】
実施形態103.バイオマーカーは乳癌経路中の遺伝子である、実施形態91乃至102の何れか1つに記載の方法。
【0290】
実施形態104.バイオマーカーは、MCART1、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、Hs.161434、ALKBH1、MCART1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、実施形態91乃至93の何れか1つに記載の方法。
【0291】
実施形態105.バイオマーカーはHIST1H4Kである、実施形態91乃至104の何れか1つに記載の方法。
【0292】
実施形態106.バイオマーカーはTNFRSF10Aである、実施形態91乃至104の何れか1つに記載の方法。
【0293】
実施形態107.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、少なくとも2つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、及びHs.161434から成る群から選択される、実施形態91乃至106の何れか1つに記載の方法。
【0294】
実施形態108.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、2つのバイオマーカーはHIST1H4K及びTNFRSF10Aである、実施形態91乃至107の何れか1つに記載の方法。
【0295】
実施形態109.唾液サンプルのエキソソーム分画を溶解する工程を更に含む、実施形態91乃至108の何れか1つに記載の方法。
【0296】
実施形態110.溶解の前に唾液サンプルのエキソソーム分画を実験的に富化する工程を更に含む、実施形態91乃至109の何れか1つに記載の方法。
【0297】
実施形態111.実験的に富化した後にエキソソーム分画を安定化させる工程を更に含む、実施形態91乃至110の何れか1つに記載の方法。
【0298】
実施形態112.バイオマーカーはRNAであり、定量する工程は、RNAを実験的に逆転写する工程を更に含む、実施形態91乃至101及び103乃至111の何れか1つに記載の方法。
【0299】
実施形態113.定量する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応を実行する工程を更に含む、実施形態91乃至101及び103乃至112の何れか1つに記載の方法。
【0300】
実施形態114.PCRは量的PCRである、実施形態91乃至101及び103乃至113の何れか1つに記載の方法。
【0301】
実施形態115.定量する工程は、配列決定を実行する工程を更に含み、配列決定は超並列配列決定を含む、実施形態91乃至114の何れか1つに記載の方法。
【0302】
実施形態116.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の精度により実行される、実施形態91乃至115の何れか1つに記載の方法。
【0303】
実施形態117.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の精度により実行される、実施形態52乃至82の何れか1つに記載の方法。
【0304】
実施形態118.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも80%の感度により実行される、実施形態91乃至117の何れか1つに記載の方法。
【0305】
実施形態119.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも80%、85%、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の感度により実行される、実施形態91乃至118の何れか1つに記載の方法。
【0306】
実施形態120.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される、実施形態91乃至119の何れか1つに記載の方法。
【0307】
実施形態121.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、又は99%の特異性により実行される、実施形態91乃至120の何れか1つに記載の方法。
【0308】
実施形態122.遺伝子検査を更に含む、実施形態91乃至121の何れか1つに記載の方法。
【0309】
実施形態123.遺伝子検査は乳癌感受性遺伝子における突然変異について試験する工程を含む、実施形態91乃至122の何れか1つに記載の方法。
【0310】
実施形態124.遺伝子検査は、ATM、BARD1、BRCA1、BRCA2、BRIP1、CASP8、CDH1、CHEK2、CTLA4、CYP19A1、FGFR2、H19、LSP1、MAP3K1、MRE11、NBN、PALB2、PTEN、RAD51、RAD51C、STK11、TERT、TOX3、TP53、XRCC2、XRCC3、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される遺伝子における突然変異について試験する工程を含む、実施形態91乃至123の何れか1つに記載の方法。
【0311】
実施形態125.被験体はデンスブレスト組織を持つ、実施形態91乃至124の何れか1つに記載の方法。
【0312】
実施形態126.健康状態に対する偽陽性又は偽陰性の結果の数を減らすための方法であって、
a)被験体にスクリーニング試験を実行する工程であって、スクリーニング試験は健康状態を発達させるリスクに対して被験体を評価することを含む、工程;
b)被験体の生体サンプルを得る工程であって、被験体は、スクリーニング試験からの陽性、陰性、又は曖昧な結果を持つ被験体の集団である、工程;
c)被験体の生体サンプル中のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程であって、バイオマーカーは健康状態に関連付けられる、工程;
d)バイオマーカーのサンプルレベルを健康状態に対するバイオマーカーの基準レベルと比較する工程;及び
e)比較の結果に基づいて健康状態に対する偽陽性又は偽陰性として、スクリーニング試験の結果を同定する工程
を含む、方法。
【0313】
実施形態127.健康状態は癌である、実施形態126に記載の方法。
【0314】
実施形態128.癌は乳癌である、実施形態126乃至127の何れか1つに記載の方法。
【0315】
実施形態129.スクリーニング試験は被験体の乳房組織を画像化する工程を含む、実施形態126乃至128の何れか1つに記載の方法。
【0316】
実施形態130.画像化する工程はマンモグラムを使用して実行される、実施形態126乃至129の何れか1つに記載の方法。
【0317】
実施形態131.スクリーニング試験は、被験体における無細胞核酸のサンプルレベルを定量する工程を含む、実施形態126乃至130の何れか1つに記載の方法。
【0318】
実施形態132.無細胞核酸は無細胞RNA又は無細胞DNAである、実施形態126乃至131の何れか1つに記載の方法。
【0319】
実施形態133.無細胞核酸は体液から得られる、実施形態126乃至132の何れか1つに記載の方法。
【0320】
実施形態134.体液は、血液、血液分画、血清、血漿、唾液、痰、尿、精液、経膣流体、脳脊髄液、汗、胆汁、嚢胞流体、涙、乳房吸引液、及び乳房流体から選択される、実施形態126乃至133の何れか1つに記載の方法。
【0321】
実施形態135.生体サンプルは体液である、実施形態126乃至134の何れか1つに記載の方法。
【0322】
実施形態136.体液は唾液である、実施形態126乃至135の何れか1つに記載の方法。
【0323】
実施形態137.体液は血液である、実施形態126乃至135の何れか1つに記載の方法。
【0324】
実施形態138.体液は、血液、血液分画、血清、血漿、唾液、痰、尿、精液、経膣流体、脳脊髄液、汗、胆汁、嚢胞流体、涙、乳房吸引液、及び乳房流体から選択される、実施形態126乃至137及びの何れか1つに記載の方法。
【0325】
実施形態139.バイオマーカーは、核酸、ペプチド、タンパク質、脂質、抗原、炭水化物、及びプロテオグリカンから成る群から選択される、実施形態126乃至138の何れか1つに記載の方法。
【0326】
実施形態140.バイオマーカーは核酸であり、核酸はDNA又はRNAである、実施形態126乃至139の何れか1つに記載の方法。
【0327】
実施形態141.核酸はRNAであり、RNAは、mRNA、miRNA、snoRNA、snRNA、rRNA、tRNA、siRNA、hnRNA、及びshRNAから成る群から選択される、実施形態126乃至140の何れか1つに記載の方法。
【0328】
実施形態142.RNAはmRNAである、実施形態126乃至141の何れか1つに記載の方法。
【0329】
実施形態143.RNAはmiRNAである、実施形態126乃至141の何れか1つに記載の方法。
【0330】
実施形態144.バイオマーカーは核酸であり、核酸はDNAであり、DNAは、二本鎖DNA、一本鎖DNA、相補的DNA、及び非コーディングDNAから成る群から選択される、実施形態126乃至140の何れか1つに記載の方法。
【0331】
実施形態145.バイオマーカーは無細胞核酸である、実施形態126乃至144の何れか1つに記載の方法。
【0332】
実施形態146.無細胞核酸は無細胞RNAである、実施形態126乃至143の何れか1つに記載の方法。
【0333】
実施形態147.無細胞RNAは無細胞mRNA又は無細胞miRNAである、実施形態126乃至143及び145乃至146の何れか1つに記載の方法。
【0334】
実施形態148.バイオマーカーはエキソソーム由来である、実施形態126乃至147の何れか1つに記載の方法。
【0335】
実施形態149.バイオマーカーは乳癌経路中の遺伝子である、実施形態126乃至148の何れか1つに記載の方法。
【0336】
実施形態150.バイオマーカーは、MCART1、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、Hs.161434、ALKBH1、MCART1、及びそれらの任意の組み合わせから成る群から選択される、実施形態126乃至149の何れか1つに記載の方法。
【0337】
実施形態151.バイオマーカーはHIST1H4Kである、実施形態126乃至150の何れか1つに記載の方法。
【0338】
実施形態152.バイオマーカーはTNFRSF10Aである、実施形態126乃至150の何れか1つに記載の方法。
【0339】
実施形態153.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、少なくとも2つのバイオマーカーは、LCE2B、HIST1H4K、ABCA2、TNFRSF10A、AK092120、DTYMK、ALKBH1、MCART1、及びHs.161434から成る群から選択される、実施形態126乃至152の何れか1つに記載の方法。
【0340】
実施形態154.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、2つのバイオマーカーを定量する工程を含み、2つのバイオマーカーはHIST1H4K及びTNFRSF10Aである、実施形態126乃至153の何れか1つに記載の方法。
【0341】
実施形態155.被験体はデンスブレスト組織を持つ、実施形態126乃至154の何れか1つに記載の方法。
【0342】
実施形態156.エキソソーム分画からバイオマーカーを放出するために生体サンプルのエキソソーム分画を実験的に溶解する工程を更に含む、実施形態126乃至155の何れか1つに記載の方法。
【0343】
実施形態157.定量する工程は、RNAを実験的に逆転写する工程を更に含む、実施形態126乃至156の何れか1つに記載の方法。
【0344】
実施形態158.定量する工程は、ポリメラーゼ連鎖反応を実行する工程を更に含む、実施形態126乃至157の何れか1つに記載の方法。
【0345】
実施形態159.PCRは量的PCRである、実施形態126乃至158の何れか1つに記載の方法。
【0346】
実施形態160.定量する工程は、配列決定を実行する工程を更に含み、配列決定は超並列配列決定を含む、実施形態126乃至159の何れか1つに記載の方法。
【0347】
実施形態161.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の精度により実行される、実施形態126乃至160の何れか1つに記載の方法。
【0348】
実施形態162.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、99%、又は99.5%の精度により実行される、実施形態126乃至161の何れか1つに記載の方法。
【0349】
実施形態163.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約80%の感度により実行される、実施形態126乃至162の何れか1つに記載の方法。
【0350】
実施形態164.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約80%、85%、約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、99%、又は99.5%の感度により実行される、実施形態163に記載の方法。
【0351】
実施形態165.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも90%の特異性により実行される、実施形態126乃至164の何れか1つに記載の方法。
【0352】
実施形態166.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、95%、97%、98%、99%、又は99.5%の特異性により実行される、実施形態126乃至165の何れか1つに記載の方法。
【0353】
実施形態167.バイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、又は10のバイオマーカーのサンプルレベルを定量する工程を含む、実施形態126乃至166の何れか1つに記載の方法。