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特開2022-163119自律型車両のためのリアルタイム車線変更選択
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163119
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】自律型車両のためのリアルタイム車線変更選択
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/10 20060101AFI20221018BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20221018BHJP
【FI】
B60W30/10
G08G1/16 C
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022123190
(22)【出願日】2022-08-02
(62)【分割の表示】P 2020529291の分割
【原出願日】2018-11-05
(31)【優先権主張番号】15/831,678
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】エイブラムス,オースティン ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】デュプレ,ギヨーム
(57)【要約】
【課題】自律型車両のルーティングに関する。
【解決手段】例えば、車両(100)は、第1の車線内の場所を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の場所を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報(200)を使用して、第1の車線の経路(670)に沿って操縦され得る。操縦中に、第1の複数のノードのうちの第1のノードを第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、いつ車両が車線変更を行うべきかが判定され得る。第1の車線から第2の車線に車線変更を行うために評価が使用され得る。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型車両をルーティングする方法であって、
第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って前記車両を操縦することと、
操縦中に、前記第1の複数のノードうちの第1のノードを第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、前記経路をたどるためにいつ前記車両が車線変更を行うかを判定することと、
前記第1の車線から前記第2の車線に前記車線変更を行うために前記評価を使用することと、を含む、方法。
【請求項2】
コストを評価することが、コスト関数を適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コスト関数が、前記第1のノードによって表される前記位置および前記第2のノードによって表される前記位置からの前記変更の持続時間に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コスト関数は、現在の交通状況に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記コスト関数は、前記変更が以前に見逃されたかどうかに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記コスト関数は、前記車両が白い実線を横切るかどうかに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記コスト関数は、前記車両が交差点で変更を行うかどうかに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記コスト関数は、前記変更が発生する時刻に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記車両が前記変更を行うことができないとき、第1のノードによって表される前記位置と第2のノードによって表される前記位置との間で車線を変更するためのコストを増加させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1および第2の複数のノードのノードのペアを反復処理して、どこで前記変更を行うかを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
自律型車両をルーティングするためのシステムであって、
第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って前記車両を操縦することと、
操縦中に、
前記第1の複数のノードうちの第1のノードを第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、前記経路をたどるためにいつ前記車両が車線変更を行うかを判定することと、
前記第1の車線から前記第2の車線に前記車線変更を行うために前記評価を使用することと、をするように構成されている1つ以上のプロセッサを含む、システム。
【請求項12】
コストを評価することが、コスト関数を適用することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コスト関数が、前記第1のノードによって表される前記位置および前記第2のノードによって表される前記位置からの前記変更の持続時間に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コスト関数は、現在の交通状況に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記コスト関数は、前記変更が以前に見逃されたかどうかに基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記コスト関数は、前記車両が白い実線を横切るかどうかに基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサが、前記車両が前記変更を行うことができないとき、第1のノードによって表される前記位置と第2のノードによって表される前記位置との間で車線を変更するためのコストを増加させるようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つ以上のプロセッサが、前記第1および第2の複数のノードのノードのペアを反復処理して、どこで前記変更を行うかを判定するようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記地図情報を記憶するメモリをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記車両をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、「Real-Time Lane Change Selection For Autonomous Vehicles」と題する、2017年12月5日に出願された、米国特許出願第15/831,678号の出願日の利益を主張し、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
人間の運転手を必要としない車両などの自律型車両が、ある場所から他の場所への乗員乗客または物品の輸送を支援するために使用することができる。このような車両は、乗員乗客がピックアップ場所、目的地などのいくつかの初期入力を提供してもよく、車両は、1つ以上の車線変更を必要とし得る経路を判定し、それに従うなどして、その場所に自ら操縦する、完全な自律モードで動作してもよい。
【発明の概要】
【0003】
この開示の一態様は、自律型車両をルーティングする方法を提供する。本方法は、車両を、第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って操縦することと、操縦中に、第1の複数のノードのうちの第1のノードを第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、経路をたどるためにいつ車両が車線変更を行うかを判定することと、評価を使用して、車線を第1の車線から第2の車線に変更することと、を含む。
【0004】
一例では、コストを評価することが、コスト関数を適用することを含む。一例では、コスト関数は、第1のノードによって表される位置および第2のノードによって表される位置からの変更の持続時間に基づく。追加または代替として、コスト関数は、現在の交通状況に基づく。追加または代替として、コスト関数は、変更が以前に見逃されたかどうかに基づく。コスト関数は、車両が白い実線を横切るかどうかに基づく。追加または代替として、コスト関数は、車両が交差点で変更を行うかどうかに基づく。追加または代替として、コスト関数は、変更が発生する時刻に基づく。別の例では、本方法はまた、車両が変更を行うことができないとき、第1のノードによって表される位置と第2のノードによって表される位置との間で車線を変更するためのコストを増加させることを含む。別の例では、本方法はまた、第1および第2の複数のノードのノードのペアを反復処理して、どこで変更を行うかを判定することを含む。
【0005】
本開示の他の態様は、自律型車両をルーティングするためのシステムを提供する。本システムは、第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って車両を操縦することと、操縦中に、第1の複数のノードうちの第1のノードを第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、経路をたどるためにいつ車両が車線変更を行うかを判定することと、評価を使用して、第1の車線から第2の車線に車線変更を行うことと、をするように構成されている1つ以上のプロセッサを含む。
【0006】
一例では、コストを評価することが、コスト関数を適用することを含む。一例では、コスト関数は、第1のノードによって表される位置および第2のノードによって表される位置からの変更の持続時間に基づく。追加または代替として、コスト関数は、現在の交通状況に基づく。追加または代替として、コスト関数は、変更が以前に見逃されたかどうかに基づく。コスト関数は、車両が白い実線を横切るかどうかに基づく。追加または代替として、コスト関数が、車両が交差点で変更を行うかどうかに基づく。追加または代替として、コスト関数は、変更が発生する時刻に基づく。別の例では、1つ以上のプロセッサが、車両が変更を行うことができないとき、第1のノードによって表される位置と第2のノードによって表される位置との間で車線を変更するためのコストを増加させるようにさらに構成されている。別の例では、1つ以上のプロセッサが、第1および第2の複数のノードのノードのペアを反復処理して、どこで変更を行うかを判定するようにさらに構成されている。別の例では、このシステムはまた、地図情報を記憶するメモリをさらに含む。他の例では、システムはまた、車両も含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示の実施形態による例示的な車両の機能図である。
図2A-2B】本開示の態様による地図情報の一例である。
図3】本開示の態様による車両の例示的な外観図である。
図4】例示の実施形態による例示的なシステムの絵図である。
図5】本開示の態様による、図4のシステムの機能図である。
図6】本開示の態様による地理的区域の例示的な鳥瞰図である。
図7】本開示の態様によるデータを伴う図6の地理的区域の例示的な図である。
図8】本開示の態様によるデータを伴う図6の地理的区域の例示的な図である。
図9】本開示の態様によるデータを伴う図6の地理的区域の例示的な図である。
図10】本開示の態様によるロータリーの例示的な鳥瞰図である。
図11】本開示の態様による例示的なフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
概要
この技術は、自律型車両、自律運転モードを有する車両などの車両が経路に沿って走行している間に車線をいつ変更するかを判定することに関する。場合によっては、車両のコンピューティングデバイスは、車両の環境を介して車両をルーティングする方法を判定するために、マップまたは道路図として互いに相互接続された複数のノードに依存することがある。したがって、車線変更により、車両は、ある車線のノードの1つのセットから異なる車線のノードの別のセットに効果的に通過する。移行時に異なるセットのどの個別のノードを使用するかを判定するには、コスト分析が使用され得る。
【0009】
このコスト分析は、例えば、2つのノード間の移行に関する異なる要素の一連の個別コストを判定し、これらの個別コストを使用して2つのノード間の移行の全体コストを判定することを含み得る。個々のコストを判定するために、2つのノード間の特定の移行について、各因子が任意の値に変換され得る。
【0010】
次いで、個々のコストのそれぞれの値を使用して、2つのノード間の移行の全体コストを判定し得る。次いで、コンピューティングデバイスは、考えられる異なる移行または車線変更に対応するノードのペアを反復処理し、ノードの各ペアの全体コストを特定し得る。考えられる異なる移行に対応するノードのペアを反復処理した後、コンピューティングデバイスは、特定のノードのペアを選択し得る。例えば、ノードのペアのすべてのうち全体のコストが最も低いノードのペアが選択され得る。次いで、この選択されたペアが、車線を変更するために車両を操縦する方法を判定するために車両のコンピューティングデバイスによって使用され得る。次いで、車線変更を完了するために車両が制御され得る。
【0011】
本明細書で説明する特徴により、自律型車両または自律運転モードで動作している車両が、車線変更をリアルタイムで行うのに最適な場所を特定することができる。さらに、これにより、車両が無限ループに陥り、車線変更不能となることを防止する。
【0012】
例示的なシステム
図1に示されるように、本開示の一態様による車両100は、様々な構成要素を含む。本開示の特定の態様は、特定のタイプの車両に関連して特に有用であるが、車両は、どのタイプの車両であってもよく、車、トラック、オートバイ、バス、レクリエーション用車両などを含むが、これらに限定されない。車両は、1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、および汎用コンピューティングデバイスに典型的に存在する他の構成要素を含むコンピューティングデバイス110のような1つ以上の制御コンピューティングデバイスを有し得る。
【0013】
メモリ130は、1つ以上のプロセッサ120によってアクセス可能である情報を記憶し、その情報には、プロセッサ120によって実行または別様に使用され得る命令134およびデータ132が含まれる。メモリ130は、プロセッサによってアクセス可能である情報を記憶することができる任意のタイプのメモリであってもよく、それらには、コンピューティングデバイス可読媒体、またはハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、もしくは他の光ディスク、ならびに他の書き込み可能および読み取り専用メモリなどの電子デバイスを使って読み取ることができるデータを記憶する他の媒体が含まれる。システムおよび方法は、上記の異なる組み合わせを含んでもよく、それによって、命令およびデータの様々な部分が、様々なタイプの媒体に記憶される。
【0014】
命令134は、プロセッサにより直接(マシンコードなど)または間接的に(スクリプトなど)実行される任意の一連の命令であってもよい。例えば、命令は、コンピューティングデバイス可読媒体上のコンピューティングデバイスコードとして記憶されてもよい。その点において、「命令」および「プログラム」という用語は、本明細書では、互換的に使用され得る。命令は、プロセッサによる直接処理のための物体コード形式で、または要求に応じて解釈されるか、もしくは予めコンパイルされる独立したソースコードモジュールのスクリプトもしくは集合体を含む、任意の他のコンピューティングデバイス言語で記憶されてもよい。命令の機能、方法、およびルーチンについては、以下でさらに詳細に説明される。
【0015】
データ132は、命令134に従ってプロセッサ120によって検索、記憶、または修正されてもよい。例えば、特許請求の範囲の主題は、いかなる特定のデータ構造にも限定されないが、データは、コンピューティングデバイスレジスタ内に、すなわち、複数の異なるフィールドおよびレコードを有する表、XMLドキュメント、またはフラットファイルとしてリレーショナルデータベース内に記憶されてもよい。データはまた、任意のコンピューティングデバイス可読形式でフォーマットされてもよい。
【0016】
1つ以上のプロセッサ120は、市販されているCPUなどの任意の従来のプロセッサであってもよい。別の方法として、1つ以上のプロセッサは、ASICまたは他のハードウェアベースプロセッサなどの専用デバイスであってもよい。図1は、プロセッサ、メモリ、およびコンピューティングデバイス110の他の要素を同じブロック内にあるものとして機能的に例示しているが、プロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリは、実際には、同じ物理的な筐体内に格納されていてもいなくてもよい、複数のプロセッサ、コンピューティングデバイス、またはメモリを含むことができることは、当業者により、理解されるであろう。例えば、メモリが、ハードドライブ、またはコンピューティングデバイス110の筐体とは異なる筐体内に設置された他の記憶媒体であってもよい。したがって、プロセッサまたはコンピューティングデバイスへの言及は、並行に動作してもしなくてもよいプロセッサまたはコンピューティングデバイスまたはメモリの集合体への言及を含むことを理解されたい。
【0017】
コンピューティングデバイス110は、上述したプロセッサおよびメモリ、ならびにユーザ入力150(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーンおよび/またはマイクロフォン)、様々な電子ディスプレイ(例えば、スクリーン、または情報を表示するように動作可能である任意の他の電気デバイスを有するモニタ)などのコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素であってもよい。この例では、車両は、内部の電子ディスプレイ152、ならびに1つ以上のスピーカー154を含み、情報または音響映像体験を提供する。この点について、内部の電子ディスプレイ152は、車両100の車内に位置付けられてもよく、コンピューティングデバイス110によって使用されて、車両100内の乗員乗客に情報を提供してもよい。
【0018】
コンピューティングデバイス110はまた、1つ以上の無線ネットワーク接続156も含み、以下に詳細に説明するクライアントコンピューティングデバイスおよびサーバコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスとの通信を容易にし得る。無線ネットワーク接続には、ブルートゥース、ブルートゥースローエネルギー(LE)、携帯電話接続などの短距離通信プロトコル、ならびにインターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFi、およびHTTPを含む様々な構成およびプロトコル、ならびに上記の様々な組み合わせが含まれてもよい。
【0019】
一例では、コンピューティングデバイス110は、車両100に組み込まれるか、または自律運転コンピューティングシステムのコンピューティングデバイスであり得る。この自律運転コンピューティングシステムは、メモリ130のプライマリ車両制御コードに従って車両100の移動を制御するために、車両の様々な構成要素と通信することが可能であり得る。例えば、図1を参照すると、コンピューティングデバイス110は、メモリ130の命令134に従って車両100の移動、速度などを制御するために、減速システム160、加速システム162、ステアリングシステム164、信号システム166、ルーティングシステム168、測位システム170、知覚システム172、および動力システム174(すなわち、車両のエンジンまたはモーター)などの、車両100の様々なシステムと通信し得る。また、これらのシステムは、コンピューティングデバイス110の外部にあるものとして示されているが、実際には、これらのシステムもまた、車両100を制御するための自律運転コンピューティングシステムとして再度、コンピューティングデバイス110の中に組み込まれてもよい。
【0020】
一例として、コンピューティングデバイス110が、車両の速度を制御するために、車両のブレーキ、アクセルペダル、および/またはエンジン、もしくはモーターなどの減速システム160および/または加速システム162の1つ以上のアクチュエータと相互作用してもよい。同様に、ハンドル、ステアリングシャフト、ならびに/またはラックアンドピニオン式システム内のピニオンおよびラックなどのステアリングシステム164の1つ以上のアクチュエータが、車両100の方向を制御するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、車またはトラックなどの車両100が道路上で使用するために構成されている場合、ステアリングシステムは、車両の向きを変えるために車輪の角度を制御するための1つ以上のアクチュエータを含んでもよい。信号システム166は、例えば、必要に応じて方向指示器またはブレーキライトを点灯させることによって、車両の意図を他の運転手または車両に知らせるために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。
【0021】
ルーティングシステム168は、ある場所までの経路を判定し、これをたどるために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。この点について、ルーティングシステム168および/またはデータ132が、詳細な地図情報、例えば、道路の形状および標高、車線境界線、交差点、横断歩道、速度制限、交通信号、建物、標識、リアルタイム交通情報、植生、または他のそのような物体および情報を特定する高精密地図、を記憶してもよい。
【0022】
図2Aおよび2Bは、交差点220を含む道路の区画の地図情報の例である。図2Aは、車線マーカーまたは車線ライン210、212、214の形状、位置、および他の特性を特定する情報、車線230、232、交通信号240、242(明確性と簡潔性のために図2Aには示さず)、ならびに停止線250、252、254を定義する情報を含む地図情報の一部を示す。これらの特徴に加えて、地図情報はまた、各車線の交通の方向と制限速度を特定する情報、ならびにコンピューティングデバイス110が、車両が特定の操縦を完了する(つまり、ターンを完了するか、または交通または交差点の車線を横断する)先行権を有しているかどうか、および縁石、建物、水路、植生、標識などの他の特徴を判定できるようにする情報を含み得る。
【0023】
特徴情報に加えて、地図情報が、一連の道路または車線セグメントを含み得る。これらの車線セグメントを互いに接続して、車線の実際のカーブを表すレールまたは滑らかなカーブを提供し得る。例えば、図2Aは、レール260、262、264、266、268を含む。レール間を移行するために、コンピューティングデバイスは、以下でさらに説明するように、本質的に追加の曲線を描画し、これらの曲線をたどるように車両を制御する。2つの車線間をどのように移行するかを判定するために、コンピューティングデバイスは、複数のノードを特定することができる。各ノードは、規則的な感覚でレールに沿って本質的に「ドロップ」され得る。間隔は、距離で、例えば5メートル程度で、または走行の持続時間に基づいて、例えば車両の現在の速度もしくは予想される速度または道路の制限速度を使用して定義され得る。この例では、5メートルごとにノードをドロップする代わりに、2秒程度ごとにノードがドロップされ得る。これは、高速道路ではノードをさらに離して配置し、時速25マイルのゾーン、駐車場などの低速区域ではノード同士をより近づけて配置する効果がある。図2Bは、複数のそのようなノードを示す。もちろん、多くのノードが示されているが、明確性と簡潔性のために、図2Bでは少数のみに符号が付されている。見て分かるように、ノードA~Dの各々が、レール262に沿った位置を表し得る。同様に、ノードE~Hの各々が、レール260に沿った位置を表し得る。図示されていないが、これらのノードの各々が、識別子、例えば、ノードまたはレールの相対位置または実際位置に対応する数値に関連付けられ得る。
【0024】
本明細書では地図情報が画像ベースの地図として示されているが、地図情報は、完全に画像ベースである必要はない(例えば、ラスタ)。例えば、地図情報は、1つ以上の道路グラフ、または道路、車線、交差点、およびこれらの特徴間の接続などの情報のグラフネットワークを含み得る。各特徴は、グラフデータとして記憶されてもよく、地理的場所などの情報と関連付けられてもよく、いずれにせよ、他の関連する特徴にリンクされ、例えば、一時停止標識は、道路や交差点などにリンクされてもよい。いくつかの例では、関連付けられたデータは、道路グラフのグリッドベースのインデックスを含んで、ある道路グラフの特徴の効率的な検索を可能にし得る。
【0025】
測位システム170は、地図上または地球上の車両の相対的または絶対的位置を判定するために、コンピューティングデバイス110によって使用され得る。例えば、測位システム170は、デバイスの緯度、経度、および/または標高の位置を判定するためのGPS受信機を含むことができる。レーザベースの位置決めシステム、慣性支援GPS、またはカメラベースの位置決めなどの他の位置特定システムもまた、車両の位置を特定するために使用することができる。車両の位置は、緯度、経度、および標高などの絶対的な地理的位置だけでなく、多くの場合、より少ないノイズでその絶対的な地理的位置を判定することができる、車両のすぐ周りにある他の車に対する位置などの相対的な位置情報を含むことができる。
【0026】
測位システム170はまた、車両の方向および速度、またはそれらの変化を判定するための加速度計、ジャイロスコープ、別の方向/速度検出デバイスなどの、コンピューティングデバイス110と通信する他のデバイスも含み得る。単なる例として、加速デバイスは、重力の方向、または重力に対して垂直な平面に対する車両の縦揺れ、偏揺れ、または横揺れ(またはそれらの変化)を判定することができる。このデバイスはまた、速度の増減、およびそのような変化の方向を追跡することもできる。本明細書で説明したように、デバイスの位置および配向データの提供は、コンピューティングデバイス110、他のコンピューティングデバイス、および上記の組み合わせに自動的に提供され得る。
【0027】
知覚システム172はまた、他の車両、道路内の障害物、交通信号、標識、樹木などの車両の外部にある対象物を検出するために1つ以上の構成要素を含む。例えば、知覚システム172は、レーザ、ソナー、レーダー、カメラ、および/またはコンピューティングデバイス110が処理することができるデータを記録する任意の他の検出デバイスを含んでもよい。車両がミニバンなどの乗用車両である場合には、ミニバンは、屋根または他の都合のよい位置に搭載されるレーザまたは他のセンサを含んでもよい。例えば、図3は、車両100の例示的な外観図である。この例では、屋上にある筐体310およびドーム状筐体312は、ライダーセンサ、ならびに各種のカメラおよびレーダーユニットを含んでもよい。さらに、車両100の前端部に設置された筐体320、ならびに車両の運転手側および助手席側の筐体330、332は、各々、ライダーセンサを格納することができる。例えば、筐体330は、運転手ドア360の前部に位置付けられている。車両100はまた、車両100の屋根の上にさらに位置付けられたレーダーユニットおよび/またはカメラのための筐体340、342も含む。追加のレーダーユニットおよびカメラ(図示せず)は、車両100の前端および後端に、および/または屋根または屋上にある筐体310に沿った他の位置に位置付けることができる。
【0028】
コンピューティングデバイス110は、様々な構成要素を制御することによって車両の方向および速度を制御してもよい。例として、コンピューティングデバイス110は、詳細な地図情報およびルーティングシステム168からのデータを使用して、車両を目的地の位置に完全に自律的にナビゲートし得る。コンピューティングデバイス110は、車両の場所を判定するために測位システム170を使用し、その場所に安全に到着する必要があるとき、物体を検出かつ物体に対応するために知覚システム172を使用してもよい。そうするために、コンピューティングデバイス110は、車両を、(例えば、加速システム162により、エンジンに提供される燃料または他のエネルギーを増加させることによって)加速させ、(例えば、エンジンに供給される燃料を低減させ、ギヤを切り替え、および/または減速システム160によりブレーキをかけることによって)減速させ、(例えば、ステアリングシステム164により、車両100の前輪または後輪の向きを変えることによって)方向を変更させ、(例えば、信号システム166の方向指示器を点灯することによって)かかる変更を伝えさせてもよい。このため、加速システム162および減速システム160は、車両のエンジンと車両の車輪との間に様々な構成要素を含む、動力伝達装置の一部であり得る。再び、これらのシステムを制御することによって、コンピューティングデバイス110はまた、車両を自律的に操縦するために、車両の動力伝達装置を制御してもよい。
【0029】
車両100のコンピューティングデバイス110はまた、輸送サービスの一部であるコンピューティングデバイスならびに他のコンピューティングデバイスなどの他のコンピューティングデバイスとの間で情報を受信または転送し得る。図4および図5は、それぞれ、例示的なシステム400の絵図および機能図であり、システムは、ネットワーク460を介して接続された複数のコンピューティングデバイス410、420、430、440、および記憶システム450を含む。システム400はまた、車両100、および車両100と同様に、または類似して構成され得る車両100A、100Bを含む。簡潔にするため、いくつかの車両およびコンピューティングデバイスのみを図示しているが、典型的なシステムは、これよりもはるかに多くのものを含み得る。
【0030】
図4に示されるように、コンピューティングデバイス410、420、430、440の各々は、1つ以上のプロセッサ、メモリ、データ、および命令を含むことができる。そのようなプロセッサ、メモリ、データ、および命令は、コンピューティングデバイス110の1つ以上のプロセッサ120、メモリ130、データ132、および命令134と同様に構成されてもよい。
【0031】
ネットワーク460および仲介ノードは、ブルートゥース、ブルートゥースLE、インターネット、World Wide Web、イントラネット、仮想プライベートネットワーク、ワイドエリアネットワーク、ローカルネットワーク、1つ以上の企業に専用の通信プロトコルを使用するプライベートネットワーク、イーサネット、WiFi、およびHTTP、ならびに上記の様々な組み合わせなどの短距離通信プロトコルを含む様々な構成およびプロトコルを含んでもよい。そのような通信は、モデムおよび無線インターフェースなどの、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを送受信することができる任意のデバイスによって容易に行われ得る。
【0032】
一例では、1つ以上のコンピューティングデバイス110は、複数のコンピューティングデバイスを有する1つ以上のサーバ、例えば、負荷分散サーバファームを含んでもよく、負荷分散サーバファームは、他のコンピューティングデバイスとの間でデータを受信、処理、および送信する目的で、ネットワークの異なるノードと情報を交換する。例えば、1つ以上のコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を介して、車両100のコンピューティングデバイス110、または車両100Aの同様のコンピューティングデバイス、ならびにコンピューティングデバイス420、430、440と通信することが可能である1つ以上のサーバコンピューティングデバイスを含んでもよい。例えば、車両100、100Aは、サーバコンピューティングデバイスによって様々な位置に派遣され得る車両の集団の一部であり得る。この点について、サーバコンピューティングデバイス410は、派遣システムとして機能し得る。さらに、集団の車両は、車両のそれぞれの測位システムによって提供される位置情報、および以下でさらに説明する車両のステータスに関する他の情報をサーバコンピューティングデバイスに定期的に送信でき、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスは集団の車両の各々の位置とステータスを追跡し得る。
【0033】
加えて、サーバコンピューティングデバイス410は、ネットワーク460を使用して、コンピューティングデバイス420、430、440のディスプレイ424、434、444などのディスプレイ上に、ユーザ422、432、442などのユーザに情報を送信および提示することができる。この点について、コンピューティングデバイス420、430、440は、クライアントコンピューティングデバイスとみなされてもよい。
【0034】
図4に示すように、各クライアントコンピューティングデバイス420、430、440は、ユーザ422、432、442が使用することを意図されたパーソナルコンピューティングデバイスであってもよく、1つ以上のプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))、データおよび命令を格納するメモリ(例えば、RAMおよび内蔵ハードドライブ)、ディスプレイ424、434、444などのディスプレイ(例えば、画面を有するモニタ、タッチスクリーン、プロジェクタ、テレビ、または情報を表示するように動作可能である他のデバイス)、およびユーザ入力デバイス426、436、446(例えば、マウス、キーボード、タッチスクリーン、またはマイクロフホン)を含む、パーソナルコンピューティングデバイスと接続して通常使用されるすべての構成要素を有し得る。クライアントコンピューティングデバイスはまた、ビデオストリームを記録するためのカメラ、スピーカー、ネットワークインターフェースデバイス、およびこれらの要素を互いに接続するために使用されるすべての構成要素を含んでもよい。
【0035】
クライアントコンピューティングデバイス420、430、および440は、各々、フルサイズのパーソナルコンピューティングデバイスを含んでもよいが、代替的に、インターネットなどのネットワークを介してサーバとデータを無線で交換することが可能であるモバイルコンピューティングデバイスを含んでもよい。ほんの一例として、クライアントコンピューティングデバイス420は、携帯電話、または無線対応PDA、タブレットPC、ウェアラブルコンピューティングデバイスもしくはシステムなどのデバイス、またはインターネットもしくは他のネットワークを介して情報を取得することができるネットブックであってもよい。別の例では、クライアントコンピューティングデバイス430は、図4に示したように、腕時計として示されるウェアラブルコンピューティングシステムであってもよい。一例として、ユーザは、小型キーボード、キーパッド、マイクロフォンを使用して、カメラを用いた映像信号、またはタッチスクリーンを使用して、情報を入力し得る。
【0036】
いくつかの例では、クライアントコンピューティングデバイス440は、集団の車両にデポサービスを提供するためにデポの管理者またはオペレータによって使用されるコンシェルジュワークステーションであり得る。図4および図5には、単一のコンシェルジュワークステーション440のみが示されているが、典型的なシステムには、任意の数のそのようなワークステーションが含まれ得る。
【0037】
メモリ130と同様に、記憶システム450は、ハードドライブ、メモリカード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能メモリ、および読み出し専用メモリなどの、サーバコンピューティングデバイス410によりアクセス可能である情報を記憶することができる、任意のタイプのコンピュータ化された記憶装置であり得る。さらに、記憶システム450は、データが、同じまたは異なる地理的位置に物理的に設置され得る複数の異なる記憶デバイス上に格納される分散型記憶システムを含んでもよい。記憶システム450は、図4および図5に示すように、ネットワーク460を介してコンピューティングデバイスに接続されてもよく、かつ/またはコンピューティングデバイス110、410、420、430、440などのいずれかに直接接続されるか、もしくは組み込まれてもよい。
【0038】
記憶システム450は、以下でより詳細に説明されるように、様々なタイプの情報を記憶することができる。この情報は、本明細書で記載する特徴のうちのいくつかまたはすべてを実行するために、1つ以上のサーバコンピューティングデバイス410などのサーバコンピューティングデバイスによって検索または別様にアクセスされ得る。輸送サービスをユーザに提供するために、記憶システム450の情報が、資格情報などのユーザアカウント情報(例えば、従来の単一要素認証の場合のようなユーザ名およびパスワード、ならびにランダム識別子、生体認証などの多要素認証で通常使用される他のタイプの資格情報)を含んでもよく、1つ以上のサーバコンピューティングデバイスに対してユーザを識別するために使用することができる。ユーザアカウント情報はまた、ユーザの名前、連絡先情報、ユーザのクライアントコンピューティングデバイス(または、同じユーザアカウントで複数のデバイスが使用されている場合はそれらデバイス)の識別情報などの個人情報、ユーザについての1つ以上の固有の信号、および他のユーザプリファレンスまたは設定データを含み得る。
【0039】
記憶システム450はまた、ユーザに表示するためにクライアントコンピューティングデバイスに提供され得る情報を記憶してもよい。例えば、記憶システム450は、所与の集荷または目的地の場所について車両が停止する可能性が高い区域を判定するための所定の距離情報を記憶し得る。記憶システム450はまた、以下で論じられるように、ユーザに表示され得る図式、アイコン、および他の項目を記憶し得る。
【0040】
例示的な方法
上述し、図に例示した動作に加えて、様々な動作が、ここで説明される。以下の動作は、以降に説明された正確な順序で実行される必要はないことを理解されたい。むしろ、様々なステップが、異なる順序で、または同時に処理されてもよく、ステップもまた、追加または省略されてもよい。
【0041】
車両のコンピューティングデバイスは、経路をたどるために車両を制御し得る。図6は、図2Aおよび2Bの地図情報で定義された道路の区画に対応する道路の区画で操縦されている車両100の例示的な図である。例えば、図6は、交差点220に対応する交差点620を示す。さらに、車線ライン610、612、および614の形状、位置、および他の特性は、車線ライン210、212、214の形状、位置、および他の特性に対応する。同様に、交通信号630、632は交通信号230、232に対応し、停止線650、652、654は停止線250、252、254に対応する。レールをたどって、これらをまとめて接続することにより、ルーティングシステム168は、2つの位置の間の経路を生成し得る。例えば、図6に示すように、車両100は現在、経路670をたどる車線632を走行している。経路670は、交差点624で右折するために、車両100が車線632から車線630に変更することを要求する。
【0042】
いつおよびどこで車線を変更するかを判定するために、車両のコンピューティングデバイスは、地図情報のノードのペア間で移行するコストを評価し得る。そうするために、コンピューティングデバイス110は、地図情報からノードのペアを特定し得る。各ペアは、車両のソース車線または現在の車線に対応する地図情報からの1つのノードと、ターゲット車線またはむしろ隣接する車線に対応して車両が移行する必要がある車線からの1つのノードを含み得る。この例では、隣接する車線は、例えば、車線が左または右に直接隣接する平行な走行方向を有していることを意味することができる。そのような場合、コンピューティングデバイス110は、ノードをペアにするか、むしろ、車線が隣接車線のままである限り(すなわち、分岐または合流がない)、ソース車線のノードからターゲット車線のノードへの車線変更の機会を許可し、それらが長すぎないと仮定する。
【0043】
場合によっては、隣接する車線が特定されると、コンピューティングデバイス110は、地図情報からの速度制限情報または車両の現在または予想される将来の速度を使用することにより、一定の持続時間までの車線変更のための機会またはノードのペアを特定し得る。例えば、車線Jのノードから、コンピューティングデバイス110は、これらの車線変更の機会のいずれかが一定の持続時間よりも少ない限り、隣接車線K、またはさらには車線Kの隣接車線、車線Lへの車線変更移行を可能にし得る。この一定の持続時間は、40秒程度の長さになる場合もあれば、それより短いこともあり得る。この例では、車線J、K、Lの速度制限が30mphである場合、最大距離約530メートルに相当する。また、メモリ使用量を節約するために、コンピューティングデバイス110は、40秒までのすべての可能な車線変更またはすべての可能なペアのノードを特定しないことがある。例えば、コンピューティングデバイスは、1秒、2秒、4秒、10秒、20秒、および40秒の長さの車線変更の機会を構築することを選択することができる。これは、コンピューティングデバイス110に多くの機会を「スキップ」させるかもしれないが、実際には同様のルーティング挙動をもたらし得る。
【0044】
ただし、多くの場合、車線の直接隣接する車線は反対方向に進む可能性がある。この場合、ノードから反対側の隣接する車線のノードへの移行を構築することは、車線の変更ではなく、Uターンまたはマルチポイントターンのいずれかで達成され得る進行方向の180度の変更を表すだろう。このような移行は、低速の住宅道路でのみ許可され得る。さらに、ノード間のすべての遷移が実行可能であるとは限らないため、無視されることがある。例えば、コンピューティングデバイス110は、車線変更中に車が「後退」することを可能にするノードをペアにしなくてもよい。
【0045】
図6の例では、車線632はソース車線であり、車線630はターゲット車線である。コンピューティングデバイス110は、車線630および632のそれぞれにおける、車両100の現在位置と交差点620との間のノードをペアにし得る。そのようなノードは、ソース車線630に対応する複数のノードA~Dおよびターゲット車線632に対応する複数のノードE~Hを含み得る。図7は、車両の現在位置と交差点620との間の図2Bに示されている地図情報のノードA~Hを、図6の例から経路670を差し引いて重ねている。図8は、ソース車線632とターゲット車線630との間の車線変更をもたらすために車両100が遷移することができる例示的なノードのペア810、820、830を示す。言い換えると、コンピューティングデバイス110は、車両100が現在走行している車線632に対応する地図情報からの1つのノードと車線632に対応する地図情報からの1つのノードをそれぞれ含む3つのノードのペアを特定している。したがって、ノードのペア810、820、および830の各々は、車線632に対応する1つのノードおよび車線630に対応する1つのノードを含む。
【0046】
上述したように、これらのノードのペアの各々について、コンピューティングデバイス110は、車両がノード間を移行するためのコストを評価することができる。例えば、コンピューティングデバイス110は、車両100の(ノードのペア810の)ノードAからノードFへの移動、(ノードのペア820の)ノードBからノードGへの移動、および(ノードのペア820の)ノードCからノードHへの移動についてのコスト値を判定し得る。
【0047】
このコスト評価は、例えば、特定されたノードのペアの各々の2つのノード間の移行に関連する様々な要素の一連の個別コストを判定し、これらの個別コストを使用して2つのノード間の移行の全体コストを判定することを含む。例として、要素は、変更の持続時間、過去に変更が見逃されたかどうか、車両が白い実線を横切るかどうか、車両が交差点内で変更を開始または行うかどうか、現在の区域内での交通状況、変更が発生する時刻(つまり、学校が終わって子供がいるかどうか)、現在の車線がまもなく出口に変更されるかどうか、他者がどのように車線を変更、または区域で合流しようとしているか、および変更により特定の車両を太陽のまぶしさの経路に直接置くことになるどうかを含み得る。他の車両がどのように車線を変更しようとしているかの例として、他の車両が合流している車線の高速道路に車両100が現在いる場合、車両が車線をすぐに変更する方が良いだろう(つまり、簡単で低コストであるべきである)。
【0048】
個々のコストを判定するために、2つのノード間の特定の移行について、各因子が任意の値に変換され得る。これに関して、各要素は、その要素をコストにマッピングするために使用できる独自の個別のスケールまたは重みを有し得る。これらの重みには、べき法則、指数、区分的、二次、線形などが含まれる。
【0049】
例えば、持続時間は、区分的線形関数を使用して判定され得る。例示的な範囲は、0(移行を行うための有意または最大の時間)から5000(移行を行うための時間がほとんどまたはまったくない)までである。この最大時間は、40秒程度など、車両の乗員乗客の快適な車線変更体験に関連するいくつかの値に対応し得る。場合によっては、コストが実際にゼロにならないことがあり、追加することを検討し得ることの1つは、コストが実際には完全に0に下がるのではなく、100程度のようなゼロ以外の値で横ばいになることがある。これにより、所与の経路についての車線変更の総数を最小限に抑える効果を有することができる。これがなければ、コンピューティングデバイス110は、実際に、車両に「あまりに多くの」車線変更を行わせる、またはむしろ、車両を車線間で前後にジャンプさせる可能性がある。
【0050】
車両が白い実線に交差するかどうかは、バイナリ値(はい、またはいいえ)であるか、2つのノード間の面積にどの程度白い実線が含まれるかに応じた区分的線形関数を使用して判定され得る。前述の例のいずれかで、例示的な範囲は0(いいえ、または白い実線を交差しない)から「2000」(はい、または2つのノード間の距離の全長の間の白の実線)までであり得る。別の例として、車両が交差点内の2つのノード間で車線変更を開始するかどうかは、バイナリ(はいまたはいいえ)であり得る。いいえの例示的な値は0で、はいの例示的な値は「2000」であり得る。
【0051】
次に、個々のコストの各々の値を使用して、コスト関数を用いた2つのノード間の移行の全体コストを判定し得る。一例では、コスト関数は線形関数であってもよく、値が合計されて、その移行または車線変更の全体コストを生成することができる。代替的には、コスト関数は、重み付けされた線形和であり、値が重み付けされて合計されるか、正規化されて合計されて、全体コストを生成することができる。さらに、場合によっては、コスト関数または値の合計が正規化されて、全体コストを判定することができる。多くの場合、車線変更を実行するためにできるだけ多くの時間を車両に提供するために、最長の車線変更(つまり、最長の持続時間を有する車線変更)のコストが最も低くてもよい。
【0052】
次いで、コンピューティングデバイスは、考えられる異なる移行または車線変更に対応するノードのペアを反復処理し、上記のようなコスト関数を使用して、ノードの各ペアの全体コストを特定することができる。この点について、コンピューティングデバイス110は、最初にノードのペア810の全体コストを判定し、その後、ノードのペア820の全体コストを判定し、最後にノードのペア830の全体コストを判定することができる。例えば、コンピューティングデバイスは、「2500」に等しい、ノードのペア810の全体コスト、「2000」に等しい、ノードのペア820の全体コストを判定することができる。
【0053】
考えられる異なる移行に対応するノードのペアを反復処理した後、コンピューティングデバイスは、特定のノードのペアを選択することができる。例えば、すべてのノードのペアのうち全体コストが最も低いノードのペアが選択され得る。この点について、ノードBおよびGに対応するノードのペア820が、全体コストが最も低いものとして選択され得る。
【0054】
次いで、この選択されたペアが、車線を変更するために車両を操縦する方法を判定するために車両のコンピューティングデバイスによって使用され得る。この点について、コンピューティングデバイスは、これらのノードを使用して、選択されたノードのペアの一方のノードからそのペアの他方のノードへ、または選択されたノードのペアの2つのノードの間を通過する車両の将来の位置を定義する1つ以上のパスまたは軌跡を生成することができる。例えば、図9は、経路670をたどり、交差点624で右折するために、ノードBとGの間を通過する車両を含む軌道970を示す。次いで、車線変更を完了するために、車両を制御して1つ以上の軌道をたどることができる。
【0055】
さらに、車両が、選択されたノードのペアを使用して変更を行うことができない場合、選択されたノードのペア間で車線を変更するためのコストが増加する可能性がある。次いで、この増加は、後で使用するために、例えば地図内に保存され得る例えば、過去に選択したノードのペア間の車線変更を車両が逃した回数が増えると、将来、同じノード間のこの個別のコスを増やし、同様にこれらのノード間の移行の全体コストを大きくする。これにより、車両が将来のその区域での車線変更に対してその車線変更(つまり、これらの2つのノード)を選択する可能性を減らすことにより、車両が特定の車線変更を行えないという無限ループに陥ることを回避できる。これは、ループの車線変更の全体コストが一定である場合に、全体コストが最小である2つのノード間の車線変更を車両が行うことができない場合、車両が無限ループに陥る可能性がある(つまり、車線を変更できずに、サークルをまわり続ける)サークルで車両が車線変更を試みるケースに特に関連があり得る。
【0056】
さらに、車両が選択されたノードのペアに対して車線変更を行うことができず、その車線変更が目的地に到達する唯一の方法である場合、コンピューティングデバイス110は、目的地に実際には到達できないと判定することができる。そのような場合、コンピューティングデバイス110は、できるだけ早くプルオーバーし、新しい目的地を選択し、サーバコンピューティングデバイス410、コンシェルジュワークステーション440、または乗員乗客のクライアントコンピューティングデバイスなどから支援またはさらなる指示を要求し得る。
【0057】
例えば、図10は、ロータリー1000の例である。この例では、車両100は、ポイント1010とポイント1010の間のロータリー1000のまわりに車両を導く経路(図示せず)をたどるために、ポイント(またはノード)1010でロータリーに入り、ポイント(またはノード)1020でロータリーを出る必要があることがある。現在、車両100は内側車線1030を走行しているが、ポイント1010でロータリー1000を出るために外側車線1032に変更しなければならない。コンピューティングデバイス110は、内側車線1030と外側車線1032との間の移行に全体コストが最も小さいノードのペアがノードPおよびQであると判定していることがある。しかしながら、なんらかの理由、例えば、移行を完了するのに十分な時間または距離がないためか、または他の車両または物体が車両100の移行を妨げているために、車両100がノードPとQの間の移行を完了することができない場合、車両100は、内側車線1030のサークル1000のまわりをループすることがある。特定の状況では、このループが不明確になることさえある。したがって、これを回避するために、ノードPとQとの間の移行の全体コストを増やすことにより、コンピューティングデバイス110は、車線変更のための別のノードのペアを特定することができ、したがって、異なるノードのペア間の別の場所で車線変更をもたらすことができ、ポイント1020またはおそらくポイント(またはノード)1040のいずれかでロータリー1000を出発し、車両の最終目的地がどこにあっても再ルーティングすることができ得る。
【0058】
これらのコストの増加は、時間的に制限される可能性がある。例えば、コストの増加が、この1回のトリップのみ、営業時間中のみ、週末のみ、次の20分間のみ有効としてもよい。実際の例として、車線内の特定のノードを妨害している配達、ゴミ収集などの静止車両が、車両の車線変更の実行を妨げることがある。ただし、これらの車両は短時間で移動することが予想されるため、コスト増加について20分程度の短時間制限が適切であり得る。同様に、車両が交通量のために車線変更を行うことができない場合、次の1時間だけ、同じ曜日の同じ時間帯など、少し長いまたはより具体的な時間制限が使用され得る。上記のサークルの例では、困難が続く可能性が高いため、時間制限がないことがある。これにより、車両は、経時的に同じ車線変更のコストを削減または減らすことができ得る。
【0059】
車両のコンピューティングデバイスはまた、ノードのペアの個々のコストの増減を他の車両と共有し得る。例えば、この情報は、ネットワークを介して、もしくは所定の距離(1マイル程度)内の車両100Aなどの近くの車両にブロードキャストされるか、車両の集団の全部の車両にブロードキャストされるか、または派遣サービスから情報を受信する他の車両の全部もしくは一部に中継する派遣サーバに送信され得る。
【0060】
いくつかの例では、特定の状況に応じて、個別のコストが調整されるか、スケールが変更されることがある。例えば、2つのノード間の車線変更の継続時間の個々のコストは、トラフィックまたは時刻に応じて自動的に増減することがある。また、この情報は地図情報に記憶されてもよい。
【0061】
ローカルに最適化されたソリューションを使用して単一の車線変更の状況を考慮することに加えて、コンピューティングデバイスは実際に複数の車線変更の影響を一度に考慮することがある。例えば、車両100が車線Xから車線Yに、車線Yから車線Zに連続して複数の車線変更を行う必要がある場合、XからYに、およびYからZに移動する機会が多くなることがある。場合によっては、XからYへの最善なソリューションが、YからZへの車線変更の機会を制限または妨げることがある。この点について、ノードと移行のセットがルーティングネットワークを形成する。したがって、コンピューティングデバイス110は、ネットワークを介して全体的に最適化された経路を選択してもよい。つまり、XからYに、YからZに変更する場合を検討するときに、コンピューティングデバイスは、XからYに移動し、YからZに移動する総コストを最小化する車線変更の機会を選択してもよい。これらのいずれもこれらの車線変更に対するそれぞれの局地的最適ソリューションでないことがあるが、全体の総コストは最小化され得る。
【0062】
図11は、プロセッサ110などの1つ以上のプロセッサによって実行され得る、車両100などの自律型車両をルーティングするためのいくつかの例の例示的なフロー図1100を含む。例えば、ブロック1110で、車両は、第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って操縦される。ブロック1120で、操縦中に、車両がいつ変更を行うべきかが、第1の複数のノードのうちの第1のノードを第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することによって判定される。ブロック1130で、車線を第1の車線から第2の車線に変更するために評価が使用される。
【0063】
特段の記述がない限り、前述の代替例は、相互に排他的ではないが、独自の利点を達成するために様々な組み合わせで実施することができる。上述した特徴のこれらおよび他の変形ならびに組み合わせは、特許請求の範囲によって定義される主題から逸脱せずに利用され得るため、前述の実施形態の説明は、特許請求の範囲によって定義された主題を限定するものとしてではなく、例示するものとしてみなされるべきである。加えて、本明細書に説明された実施例、ならびに「など」、「含む」などとして表現された語句の提供は、特許請求の範囲の主題を特定の例に限定するものと解釈されるべきではなく、むしろ、それらの例は、多くの可能性のある実施形態のうちの単なる1つを例示することが意図されている。さらに、異なる図面中の同じ参照番号は、同じまたは類似の要素を識別することができる。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2022-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自律型車両をルーティングする方法であって、
第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って前記車両を操縦することと、
操縦中に、前記第1の複数のノードと前記第2の複数のノードとの間の複数のノードペアのそれぞれにおいて、各ノードペアにおける前記第1の複数のノードうちの第1のノードを前記第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、前記経路をたどるために、いつどこで前記車両が、車線変更が許可される一定の持続時間の間に車線変更を行うかを判定することと、
前記複数のノードペアの第1のノードペアで前記車両が前記車線変更を行うことができないとき、前記第1のノードペアにおける前記第1のノードによって表される前記位置と前記第1のノードペアにおける前記第2のノードによって表される前記位置との間で車線を変更するためのコストを増加させること、
前記第1の車線から前記第2の車線に前記車線変更を行うために前記評価を使用することと、
を含む、方法。
【請求項2】
コストを評価することが、コスト関数を適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コスト関数が、前記第1のノードによって表される前記位置および前記第2のノードによって表される前記位置からの前記車線変更の持続時間に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コスト関数は、現在の交通状況に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記コスト関数は、前記車線変更が以前に見逃されたかどうかに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記コスト関数は、前記車両が白い実線を横切るかどうかに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記コスト関数は、前記車両が交差点で変更を行うかどうかに基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記コスト関数は、前記車線変更が発生する時刻に基づく、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記第1および第2の複数のノードのノードのペアを反復処理して、どこで前記車線変更を行うかを判定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記一定の持続時間は、前記地図情報からの速度制限情報または前記車両の現在または予想される将来の速度に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
自律型車両をルーティングするためのシステムであって、
第1の車線内の位置を表す第1の複数のノードと、第1の車線とは異なる第2の車線内の位置を表す第2の複数のノードとを特定する地図情報を使用して、第1の車線の経路に沿って前記車両を操縦することと、
操縦中に、
前記第1の複数のノードと前記第2の複数のノードとの間の複数のノードペアのそれぞれにおいて、各ノードペアにおける前記第1の複数のノードうちの第1のノードを前記第2の複数のノードのうちの第2のノードに接続するコストを評価することにより、前記経路をたどるために、いつどこで前記車両が、車線変更が許可される一定の持続時間の間に車線変更を行うかを判定することと、
前記複数のノードペアの第1のノードペアで前記車両が前記車線変更を行うことができないとき、前記第1のノードペアにおける前記第1のノードによって表される前記位置と前記第1のノードペアにおける前記第2のノードによって表される前記位置との間で車線を変更するためのコストを増加させること、
前記第1の車線から前記第2の車線に前記車線変更を行うために前記評価を使用することと、をするように構成されている1つ以上のプロセッサを含む、システム。
【請求項12】
コストを評価することが、コスト関数を適用することを含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コスト関数が、前記第1のノードによって表される前記位置および前記第2のノードによって表される前記位置からの前記車線変更の持続時間に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記コスト関数は、現在の交通状況に基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記コスト関数は、前記車線変更が以前に見逃されたかどうかに基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
前記コスト関数は、前記車両が白い実線を横切るかどうかに基づく、請求項12に記載のシステム。
【請求項17】
前記1つ以上のプロセッサが、前記第1および第2の複数のノードのノードのペアを反復処理して、どこで前記車線変更を行うかを判定するようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記地図情報を記憶するメモリをさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記車両をさらに含む、請求項15に記載のシステム。
【外国語明細書】