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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022016322
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】丸みをおびたステープルプッシャー
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20220114BHJP
【ＦＩ】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】ＯＬ
(21)【出願番号】P 2021107302
(22)【出願日】2021-06-29
(31)【優先権主張番号】16/925,270
(32)【優先日】2020-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド イー． バレンタイン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ティー． アイジンガー
【テーマコード（参考）】
4C160
【Ｆターム（参考）】
4C160CC09
4C160CC29
(57)【要約】
【課題】丸みをおびたステープルプッシャーの提供。
【解決手段】カートリッジアセンブリは、キャビティを画定するチャネル部材と、カートリッジ本体を含むステープルカートリッジと、を含む。各プッシャーが、中央に丸みのある凸部によって分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーが、カートリッジ本体内に配設されている。複数のステープルの各ステープルは、複数の保持スロットのうちの１つの保持スロット内に受容される。複数のステープルの各ステープルはバックスパンを含み、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各々のステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドは、複数のプッシャーと連続的に係合し、複数のステープルを複数の保持スロットを通して付勢するようにカートリッジ本体内で移動することができる。
【選択図】なし
【解決手段】カートリッジアセンブリは、キャビティを画定するチャネル部材と、カートリッジ本体を含むステープルカートリッジと、を含む。各プッシャーが、中央に丸みのある凸部によって分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーが、カートリッジ本体内に配設されている。複数のステープルの各ステープルは、複数の保持スロットのうちの１つの保持スロット内に受容される。複数のステープルの各ステープルはバックスパンを含み、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各々のステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドは、複数のプッシャーと連続的に係合し、複数のステープルを複数の保持スロットを通して付勢するようにカートリッジ本体内で移動することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジアセンブリであって、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された保持スロットを画定するカートリッジ本体、
前記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、前記複数のプッシャーの前記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、
複数のステープルであって、前記複数のステープルの各ステープルが、前記カートリッジ本体によって画定された前記保持スロットのうちの１つ内に受容され、前記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび前記バックスパンの前記端部の各々から延在する脚部を有し、前記複数のステープルのステープルの各々の前記バックスパンが、前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、および
前記複数のプッシャーと連続的に係合し、前記保持スロットから前記複数のステープルを付勢するように前記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含む、カートリッジアセンブリ。
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された保持スロットを画定するカートリッジ本体、
前記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、前記複数のプッシャーの前記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、
複数のステープルであって、前記複数のステープルの各ステープルが、前記カートリッジ本体によって画定された前記保持スロットのうちの１つ内に受容され、前記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび前記バックスパンの前記端部の各々から延在する脚部を有し、前記複数のステープルのステープルの各々の前記バックスパンが、前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、および
前記複数のプッシャーと連続的に係合し、前記保持スロットから前記複数のステープルを付勢するように前記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含む、カートリッジアセンブリ。
【請求項2】
各プッシャーの前記ステープル支持面によって画定される前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記複数のステープルの各ステープルの前記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、前記複数のステープルの各ステープルの前記バックスパンの前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記複数のプッシャーの各プッシャーの前記ステープル支持面の前記中央に丸みのある凸部が、前記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面が、前記複数のステープルの前記脚部と係合して、前記脚部をループに形成するように配置されている、請求項１に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
外科用ステープル留め装置であって、
ハンドルアセンブリ、
前記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在し、長手方向軸を画定する細長い本体であって、遠位端部分を有する、細長い本体、
前記細長い本体の前記遠位端部分に支持されたツールアセンブリであって、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを含む、ツールアセンブリを含み、
前記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび前記ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
前記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、前記複数のプッシャーの前記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、前記複数のステープルの各ステープルが、前記カートリッジ本体によって画定された前記保持スロットのうちの１つ内に受容され、前記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび前記バックスパンの前記端部の各々から延在する脚部を有し、前記複数のステープルのステープルの各々の前記バックスパンが、前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
前記複数のプッシャーと連続的に係合し、前記保持スロットから前記複数のステープルを付勢するように前記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
前記アンビルアセンブリが、前記カートリッジに面するステープル形成面を含み、前記ステープル形成面は、アンビルポケットの複数の列を画定し、前記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、外科用ステープル留め装置。
ハンドルアセンブリ、
前記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在し、長手方向軸を画定する細長い本体であって、遠位端部分を有する、細長い本体、
前記細長い本体の前記遠位端部分に支持されたツールアセンブリであって、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを含む、ツールアセンブリを含み、
前記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび前記ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
前記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、前記複数のプッシャーの前記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、前記複数のステープルの各ステープルが、前記カートリッジ本体によって画定された前記保持スロットのうちの１つ内に受容され、前記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび前記バックスパンの前記端部の各々から延在する脚部を有し、前記複数のステープルのステープルの各々の前記バックスパンが、前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
前記複数のプッシャーと連続的に係合し、前記保持スロットから前記複数のステープルを付勢するように前記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
前記アンビルアセンブリが、前記カートリッジに面するステープル形成面を含み、前記ステープル形成面は、アンビルポケットの複数の列を画定し、前記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、外科用ステープル留め装置。
【請求項7】
前記複数のプッシャーの各プッシャーの前記ステープル支持面によって画定される前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項６に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項8】
前記複数のステープルの各ステープルの前記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、前記複数のステープルの各ステープルの前記バックスパンの前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項６に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項9】
前記アンビルポケットの複数の列の各アンビルポケットの前記内面によって画定される前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項６に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項10】
前記複数のプッシャーの各プッシャーの前記ステープル支持面の前記中央に丸みのある凸部が、前記複数のプッシャーの前記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、請求項６に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項11】
前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面が、前記複数のステープルの前記脚部と係合して、前記脚部をループに形成するように配置されている、請求項６に記載の外科用ステープル留め装置。
【請求項12】
外科用ステープル留め装置で使用するためのツールアセンブリであって、
アンビルアセンブリと、
前記ツールアセンブリが開位置とクランプ位置との間で移動可能であるように、アンビルアセンブリに結合されたカートリッジアセンブリと、を含み、
前記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
前記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、前記複数のプッシャーの前記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、前記複数のステープルの各ステープルが、前記カートリッジ本体によって画定された前記保持スロットの１つ内に受容され、前記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび前記バックスパンの前記端部の各々から延在する脚部を有し、前記複数のステープルのステープルの各々の前記バックスパンが、前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
前記複数のプッシャーと連続的に係合し、前記保持スロットから前記複数のステープルを付勢するように前記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
前記アンビルアセンブリが、前記カートリッジに面するステープル形成面を含み、前記ステープル形成面が、アンビルポケットの複数の列を画定し、前記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、ツールアセンブリ。
アンビルアセンブリと、
前記ツールアセンブリが開位置とクランプ位置との間で移動可能であるように、アンビルアセンブリに結合されたカートリッジアセンブリと、を含み、
前記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび前記中央ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
前記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、前記複数のプッシャーの前記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、前記複数のステープルの各ステープルが、前記カートリッジ本体によって画定された前記保持スロットの１つ内に受容され、前記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび前記バックスパンの前記端部の各々から延在する脚部を有し、前記複数のステープルのステープルの各々の前記バックスパンが、前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
前記複数のプッシャーと連続的に係合し、前記保持スロットから前記複数のステープルを付勢するように前記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
前記アンビルアセンブリが、前記カートリッジに面するステープル形成面を含み、前記ステープル形成面が、アンビルポケットの複数の列を画定し、前記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、ツールアセンブリ。
【請求項13】
前記複数のプッシャーの各プッシャーの前記ステープル支持面によって画定される前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項１２に記載のツールアセンブリ。
【請求項14】
前記複数のステープルの各ステープルの前記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、前記複数のステープルの各ステープルの前記バックスパンの前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項１２に記載のツールアセンブリ。
【請求項15】
各アンビルポケットの前記内面によって画定される前記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、請求項１２に記載のツールアセンブリ。
【請求項16】
前記複数のプッシャーの各プッシャーの前記ステープル支持面の前記中央に丸みのある凸部が、前記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、請求項１２に記載のツールアセンブリ。
【請求項17】
前記複数のプッシャーの前記ステープル支持面が、前記複数のステープルの前記脚部と係合して、前記脚部をループに形成するように配置されている、請求項１２に記載のツールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
１．技術分野
本開示は、外科的処置を行うためのステープル留めデバイスを対象とする。より具体的には、本開示は、様々な厚さの組織での使用のために構成された外科用ステープル留めデバイスに関する。
本開示は、外科的処置を行うためのステープル留めデバイスを対象とする。より具体的には、本開示は、様々な厚さの組織での使用のために構成された外科用ステープル留めデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
２．背景技術
外科用ステープル留めデバイスは、典型的に、開位置とクランプ位置との間で互いに移動可能な、アンビルおよびカートリッジアセンブリを有するツールアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、列に整列され得る複数のステープルを支持するステープルカートリッジを含む。線形タイプのステープル留めデバイスにおいて、ステープルカートリッジは、ステープルをステープルカートリッジからアンビル内に排出して、ステープルを形成するように、駆動部材の動きに応じて、ステープルカートリッジの本体内でアンビルに向かって移動可能な複数のステープルプッシャーを支持している。ツールアセンブリがクランプ位置にあるとき、組織が、アンビルとカートリッジアセンブリのステープルカートリッジとの間にクランプされる。ステープルカートリッジとアンビルとの間の間隔は、組織の厚さに部分的に依存する。
外科用ステープル留めデバイスは、典型的に、開位置とクランプ位置との間で互いに移動可能な、アンビルおよびカートリッジアセンブリを有するツールアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、列に整列され得る複数のステープルを支持するステープルカートリッジを含む。線形タイプのステープル留めデバイスにおいて、ステープルカートリッジは、ステープルをステープルカートリッジからアンビル内に排出して、ステープルを形成するように、駆動部材の動きに応じて、ステープルカートリッジの本体内でアンビルに向かって移動可能な複数のステープルプッシャーを支持している。ツールアセンブリがクランプ位置にあるとき、組織が、アンビルとカートリッジアセンブリのステープルカートリッジとの間にクランプされる。ステープルカートリッジとアンビルとの間の間隔は、組織の厚さに部分的に依存する。
【0003】
既知のステープル留めデバイスでは、ステープルは、バックスパンと、バックスパンの両端部から延在する脚部と、を含む。脚部がアンビルに打ち込まれると、脚部はアンビルによって実質的にＢ字型の構成に形成される。組織が厚い場合、ステープルの圧着が不十分になり、ステープルの圧縮が不十分になり得、組織の保持が損なわれる場合がある。組織が薄い場合、ステープルの脚部の鋭利な端がバックスパンを超えて組織を通って突き出るように、ステープルを過度に圧着し得る。これは、組織の治癒に悪影響を及ぼす可能性があり、隣接する組織の炎症を引き起こし得る。
【0004】
ステープル留めの分野では、様々な厚さの組織を治療するのにより適した外科用ステープル留めデバイスが引き続き必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
態様において、本開示は、キャビティおよびステープルカートリッジを画定するチャネル部材を含むカートリッジアセンブリに関する。ステープルカートリッジは、中央ナイフスロットと、ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットとを画定する組織係合面を有するカートリッジ本体を含む。各プッシャーが中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーが、カートリッジ本体内に配設される。各プッシャーはまた、複数のステープルのステープルのうちのそれぞれステープルのバックスパンを支持する。複数のステープルの各ステープル、複数のステープルは、カートリッジ本体によって画定される保持スロットのうちの１つ内に受容される。また、複数のステープルの各ステープルが、端部を含むバックスパンと、バックスパンの端部の各々から延在する脚部と、を含むように、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各プッシャーのステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドを複数のプッシャーと連続的に係合させて、複数のステープルを保持スロットから付勢するようにカートリッジ本体内で移動させることができる。
【0006】
他の態様において、本開示は、可動ハンドルが作動ストロークを通じて移動することができるように、ハウジングと、ハウジングによって支持された可動ハンドルと、を含む、外科用ステープル留め装置に関する。細長い本体がハウジングから遠位方向に延在し、長手方向軸を画定し、ツールアセンブリが細長い本体の遠位端に支持されている。ツールアセンブリは、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、キャビティおよびステープルカートリッジを画定する、チャネル部材を含む。ステープルカートリッジは、中央ナイフスロットと、ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットとを画定する組織係合面を有するカートリッジ本体を含む。各プッシャーが中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーがカートリッジ本体内に配設される。各プッシャーはまた、複数のステープルのステープルのうちのそれぞれのステープルのバックスパンを支持する。複数のステープルの各ステープル、複数のステープルは、カートリッジ本体によって画定される保持スロットのうちの１つ内に受容される。また、複数のステープルの各ステープルが、端部を含むバックスパンと、バックスパンの端部の各々から延在する脚部を含むように、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各プッシャーのステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドを複数のプッシャーと連続的に係合させて、複数のステープルを保持スロットから付勢するようにカートリッジ本体内で移動させることができる。アンビルアセンブリは、カートリッジアセンブリに面し、ベース部分から遠位方向に延在するステープル形成面を含む。アンビルポケットの複数の列がアンビルナイフスロットの反対側に配置されるように、アンビルポケットの複数の列がステープル形成面上に画定される。追加的に、各アンビルポケットは、中央に丸みのある凸部によって分離された第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む。
【0007】
さらに別の態様において、本開示は、アンビルアセンブリに旋回可能に結合されたカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリに関する。カートリッジアセンブリは、キャビティおよびステープルカートリッジを画定する、チャネル部材を含む。ステープルカートリッジは、中央のナイフスロットと、ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットとを画定する組織係合面を有するカートリッジ本体を含む。各プッシャーが、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーは、カートリッジ本体内に配設される。各プッシャーはまた、複数のステープルのステープルのうちのそれぞれのステープルのバックスパンを支持する。複数のステープルの各ステープル、複数のステープルは、カートリッジ本体によって画定される保持スロットのうちの１つ内に受容される。また、複数のステープルの各ステープルが、端部およびバックスパンの端部の各々から延在する脚部を含むバックスパンを含むように、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各プッシャーのステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドは、複数のプッシャーと連続的に係合し、保持スロットから複数のステープルを付勢するようにカートリッジ本体内で移動させ得る。アンビルアセンブリは、カートリッジアセンブリに面し、ベース部分から遠位方向に延在するステープル形成面を含む。アンビルポケットの複数の列がアンビルナイフスロットの反対側に配置されるように、アンビルポケットの複数の列がステープル形成面上に画定される。追加的に、各アンビルポケットは、中央に丸みのある凸部によって分離された第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む。
【0008】
本開示の態様において、各プッシャーのステープル支持面によって画定される第１および第２の凹部は各々、半円形の形状である。
【0009】
本開示のいくつかの態様において、複数のステープルの各ステープルのバックスパンは、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含む。追加的に、複数のステープルの各ステープルのバックスパンの第１および第２の凹部の形状は、半円形である。
【0010】
本開示の特定の態様において、各アンビルポケットの内面によって画定される第１および第２の凹部は、半円形の形状である。
【0011】
本開示の態様において、複数のプッシャーの各プッシャーのステープル支持面の中央に丸みのある凸部は、それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる。
【0012】
本開示のいくつかの態様において、複数のプッシャーのステープル支持面は、複数のステープルの脚部と係合して脚部をループに形成するように配置される。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
（項目１）
カートリッジアセンブリであって、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された保持スロットを画定するカートリッジ本体、
上記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、上記複数のプッシャーの上記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、
複数のステープルであって、上記複数のステープルの各ステープルが、上記カートリッジ本体によって画定された上記保持スロットのうちの１つ内に受容され、上記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび上記バックスパンの上記端部の各々から延在する脚部を有し、上記複数のステープルのステープルの各々の上記バックスパンが、上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、および
上記複数のプッシャーと連続的に係合し、上記保持スロットから上記複数のステープルを付勢するように上記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含む、カートリッジアセンブリ。
（項目２）
各プッシャーの上記ステープル支持面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目３）
上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンの上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目４）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面の上記中央に丸みのある凸部が、上記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、上記項目のいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目５）
上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面が、上記複数のステープルの上記脚部と係合して、上記脚部をループに形成するように配置されている、上記項目のいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目６）
外科用ステープル留め装置であって、
ハンドルアセンブリ、
上記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在し、長手方向軸を画定する細長い本体であって、遠位端部分を有する、細長い本体、
上記細長い本体の上記遠位端部分に支持されたツールアセンブリであって、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを含む、ツールアセンブリを含み、
上記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび上記ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
上記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、上記複数のプッシャーの上記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、上記複数のステープルの各ステープルが、上記カートリッジ本体によって画定された上記保持スロットのうちの１つ内に受容され、上記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび上記バックスパンの上記端部の各々から延在する脚部を有し、上記複数のステープルのステープルの各々の上記バックスパンが、上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
上記複数のプッシャーと連続的に係合し、上記保持スロットから上記複数のステープルを付勢するように上記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
上記アンビルアセンブリが、上記カートリッジに面するステープル形成面を含み、上記ステープル形成面は、アンビルポケットの複数の列を画定し、上記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、外科用ステープル留め装置。
（項目７）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目８）
上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンの上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目９）
上記アンビルポケットの複数の列の各アンビルポケットの上記内面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１０）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面の上記中央に丸みのある凸部が、上記複数のプッシャーの上記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１２）
上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面が、上記複数のステープルの上記脚部と係合して、上記脚部をループに形成するように配置されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１３）
外科用ステープル留め装置で使用するためのツールアセンブリであって、
アンビルアセンブリと、
上記ツールアセンブリが開位置とクランプ位置との間で移動可能であるように、アンビルアセンブリに結合されたカートリッジアセンブリと、を含み、
上記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
上記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、上記複数のプッシャーの上記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、上記複数のステープルの各ステープルが、上記カートリッジ本体によって画定された上記保持スロットの１つ内に受容され、上記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび上記バックスパンの上記端部の各々から延在する脚部を有し、上記複数のステープルのステープルの各々の上記バックスパンが、上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
上記複数のプッシャーと連続的に係合し、上記保持スロットから上記複数のステープルを付勢するように上記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
上記アンビルアセンブリが、上記カートリッジに面するステープル形成面を含み、上記ステープル形成面が、アンビルポケットの複数の列を画定し、上記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、ツールアセンブリ。
（項目１４）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目に記載のツールアセンブリ。
（項目１５）
上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンの上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（項目１６）
各アンビルポケットの上記内面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（項目１７）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面の上記中央に丸みのある凸部が、上記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（項目１８）
上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面が、上記複数のステープルの上記脚部と係合して、上記脚部をループに形成するように配置されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（摘要）
カートリッジアセンブリは、キャビティを画定するチャネル部材と、カートリッジ本体を含むステープルカートリッジと、を含む。各プッシャーが、中央に丸みのある凸部によって分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーが、カートリッジ本体内に配設されている。複数のステープルの各ステープルは、複数の保持スロットのうちの１つの保持スロット内に受容される。複数のステープルの各ステープルはバックスパンを含み、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各々のステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドは、複数のプッシャーと連続的に係合し、複数のステープルを複数の保持スロットを通して付勢するようにカートリッジ本体内で移動することができる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
（項目１）
カートリッジアセンブリであって、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された保持スロットを画定するカートリッジ本体、
上記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、上記複数のプッシャーの上記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、
複数のステープルであって、上記複数のステープルの各ステープルが、上記カートリッジ本体によって画定された上記保持スロットのうちの１つ内に受容され、上記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび上記バックスパンの上記端部の各々から延在する脚部を有し、上記複数のステープルのステープルの各々の上記バックスパンが、上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、および
上記複数のプッシャーと連続的に係合し、上記保持スロットから上記複数のステープルを付勢するように上記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含む、カートリッジアセンブリ。
（項目２）
各プッシャーの上記ステープル支持面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目３）
上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンの上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目４）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面の上記中央に丸みのある凸部が、上記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、上記項目のいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目５）
上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面が、上記複数のステープルの上記脚部と係合して、上記脚部をループに形成するように配置されている、上記項目のいずれか一項に記載のカートリッジアセンブリ。
（項目６）
外科用ステープル留め装置であって、
ハンドルアセンブリ、
上記ハンドルアセンブリから遠位方向に延在し、長手方向軸を画定する細長い本体であって、遠位端部分を有する、細長い本体、
上記細長い本体の上記遠位端部分に支持されたツールアセンブリであって、カートリッジアセンブリおよびアンビルアセンブリを含む、ツールアセンブリを含み、
上記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび上記ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
上記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、上記複数のプッシャーの上記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、上記複数のステープルの各ステープルが、上記カートリッジ本体によって画定された上記保持スロットのうちの１つ内に受容され、上記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび上記バックスパンの上記端部の各々から延在する脚部を有し、上記複数のステープルのステープルの各々の上記バックスパンが、上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
上記複数のプッシャーと連続的に係合し、上記保持スロットから上記複数のステープルを付勢するように上記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
上記アンビルアセンブリが、上記カートリッジに面するステープル形成面を含み、上記ステープル形成面は、アンビルポケットの複数の列を画定し、上記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、外科用ステープル留め装置。
（項目７）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目８）
上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンの上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目９）
上記アンビルポケットの複数の列の各アンビルポケットの上記内面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１０）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面の上記中央に丸みのある凸部が、上記複数のプッシャーの上記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１２）
上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面が、上記複数のステープルの上記脚部と係合して、上記脚部をループに形成するように配置されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科用ステープル留め装置。
（項目１３）
外科用ステープル留め装置で使用するためのツールアセンブリであって、
アンビルアセンブリと、
上記ツールアセンブリが開位置とクランプ位置との間で移動可能であるように、アンビルアセンブリに結合されたカートリッジアセンブリと、を含み、
上記カートリッジアセンブリが、
キャビティを画定するチャネル部材と、
ステープルカートリッジであって、
組織係合面を有し、中央ナイフスロットおよび上記中央ナイフスロットの各側に配置された複数の保持スロットを画定するカートリッジ本体、
上記カートリッジ本体内に配設された複数のプッシャーであって、上記複数のプッシャーの上記プッシャーの各々が、中央に丸みのある凸部によって互いに分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含む、複数のプッシャー、および
複数のステープルであって、上記複数のステープルの各ステープルが、上記カートリッジ本体によって画定された上記保持スロットの１つ内に受容され、上記複数のステープルの各ステープルが、端部を有するバックスパンおよび上記バックスパンの上記端部の各々から延在する脚部を有し、上記複数のステープルのステープルの各々の上記バックスパンが、上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面の形状に対応する、複数のステープル、ならびに
上記複数のプッシャーと連続的に係合し、上記保持スロットから上記複数のステープルを付勢するように上記カートリッジ本体内で移動可能な作動スレッド、を含む、ステープルカートリッジと、を含み、
上記アンビルアセンブリが、上記カートリッジに面するステープル形成面を含み、上記ステープル形成面が、アンビルポケットの複数の列を画定し、上記アンビルポケットの複数の列のアンビルポケットの各々が、第１の凹部と第２の凹部とを画定する内面を含む、ツールアセンブリ。
（項目１４）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目に記載のツールアセンブリ。
（項目１５）
上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンが、第１の凹部、第２の凹部、および中央に丸みのある凸部を含み、上記複数のステープルの各ステープルの上記バックスパンの上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（項目１６）
各アンビルポケットの上記内面によって画定される上記第１および第２の凹部が、半円形の形状である、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（項目１７）
上記複数のプッシャーの各プッシャーの上記ステープル支持面の上記中央に丸みのある凸部が、上記それぞれのプッシャーの上端部によって画定される平面より下で窪んでいる、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（項目１８）
上記複数のプッシャーの上記ステープル支持面が、上記複数のステープルの上記脚部と係合して、上記脚部をループに形成するように配置されている、上記項目のいずれか一項に記載のツールアセンブリ。
（摘要）
カートリッジアセンブリは、キャビティを画定するチャネル部材と、カートリッジ本体を含むステープルカートリッジと、を含む。各プッシャーが、中央に丸みのある凸部によって分離された第１の凹部および第２の凹部を画定するステープル支持面を含むような複数のプッシャーが、カートリッジ本体内に配設されている。複数のステープルの各ステープルは、複数の保持スロットのうちの１つの保持スロット内に受容される。複数のステープルの各ステープルはバックスパンを含み、複数のステープルの各ステープルの形状は、複数のプッシャーの各々のステープル支持面の形状に対応する。作動スレッドは、複数のプッシャーと連続的に係合し、複数のステープルを複数の保持スロットを通して付勢するようにカートリッジ本体内で移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
開示された外科用ステープル留めデバイスの様々な態様は、本明細書において図面を参照して以下に説明される。
【0014】
【図1】ツールアセンブリが開位置にある、本開示の態様による外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。
【図6】ツールアセンブリのカートリッジアセンブリの、部品が分離された斜視図である。
【図10】使用中の外科用ステープル留めデバイスの斜視図である。
【図12】変更された形状を有するステープルの斜視図である。
【図14】薄い組織を通して発射された後の、変更された形状を有するステープルの斜視図である。
【図16】厚い組織を通して発射された後の、変更された形状を有するステープルの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ここで、開示される外科用ステープル留めデバイスについて、図面を参照して詳細に説明し、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。しかしながら、本明細書に記載の本開示の態様は、単に本開示の例示であり、様々な形態で具体化され得ることを理解されたい。周知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。したがって、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではないが、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切に詳細な構造として様々に採用するために当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。
【0016】
この説明では、「近位」という用語は概して、臨床医により近い方の器具のその部分を指すために使用されるのに対し、「遠位」という用語は概して、臨床医からより遠い方の器具のその部分を指すために使用される。加えて、「内視鏡」という用語は、概して、内視鏡的、腹腔鏡的、関節鏡的、および／または小径の切開またはカニューレを通じて行われる任意の他の処置を指すために使用される。さらに、「臨床医」という用語は、概して、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0017】
図１～図３は、ハンドルアセンブリ１００、細長い本体またはアダプタアセンブリ１４０、およびツールアセンブリ９００を含む、概して、ステープル留めデバイス１０として示される外科用ステープル留めデバイスを示す。図示するように、ハンドルアセンブリ１００は、電動式であり、固定ハンドグリップ１８０および作動ボタン１２０を含む。作動ボタン１２０は、接近、ステープル留め、および切開を含む、ツールアセンブリ９００の様々な機能を、アダプタ１４０を介して作動させるように動作可能である。本開示の特定の態様において、ハンドルアセンブリ１００は、ステープル留めデバイス１０を動作するためにハンドルアセンブリ１００に電力を提供する電池（図示せず）を支持する。ステープル留めデバイス１０は、電動式ステープル留めデバイスとして示されているが、本開示の利点が、手動式外科用ステープル留めデバイスならびにロボット制御式ステープル留めデバイスでの使用に好適であることが想定される。
【0018】
アダプタアセンブリ１４０は、近位部分および遠位部分を含む。近位部分はハンドルアセンブリ１００に結合され、遠位部分はツールアセンブリ９００を支持する。本開示の態様において、ツールアセンブリ９００は、アダプタアセンブリ１４０の遠位部分に取り外し可能に支持され、ステープル留めデバイス１０の再利用を容易にするために、ステープル留めデバイス１０が発射された後に交換することができる再装填アセンブリ８００の一部を形成する。ツールアセンブリ９００は、アダプタアセンブリ１４０の遠位部分に固定して結合できることも想定される。
【0019】
ステープル留めデバイス１０のツールアセンブリ９００は、カートリッジアセンブリ３００およびアンビルアセンブリ２００を含む。カートリッジアセンブリ３００およびアンビルアセンブリ２００は、ツールアセンブリ９００が開位置（図１）とクランプ位置（図１０）との間で旋回し得るように一緒に結合されている。クランプ位置では、アンビルアセンブリ２００およびカートリッジアセンブリ３００は、互いに密接して並置された位置にある。カートリッジアセンブリ３００は、キャビティ３４０（図６）およびキャビティ３４０において受容されるステープルカートリッジ３１０を画定するチャネル部材３３０を含む。本開示の態様において、ステープルカートリッジ３１０は、チャネル部材３３０のキャビティ３４０内に取り外し可能に受容され、ステープル留めデバイス１０の再利用を容易にするために、ステープル留めデバイス１０の各発射後に交換を可能にする。
【0020】
図６は、ステープルカートリッジ３１０およびチャネル部材３３０を含むカートリッジアセンブリ３００を示す。ステープルカートリッジ３１０は、カートリッジ本体３１５、複数のステープル４００、プッシャー５００、作動スレッド３５０、およびステープルガード（図示せず）を含む。ステープルカートリッジ３１０のカートリッジ本体３１５は、チャネル部材３３０によって画定されるキャビティ３４０内に受容され、中央ナイフスロット３６０と複数のステープル受容ポケット３２０とを画定する組織係合面３５５を含む。ステープル受容ポケット３２０の各々は、ステープル４００の１つとプッシャー５００の１つの少なくとも一部とを受容する。作動スレッド３５０は、プッシャー５００と連続的に係合し、図６に見られるようにプッシャー５００を上方に付勢して、ステープル４００をカートリッジ本体３１５のステープル受容ポケット３２０から排出するように、カートリッジ本体３１５の近位端から遠位方向に移動可能である。米国特許第６，２４１，１３９号は、外科用ステープル留めデバイスのステープルカートリッジの構造および動作の例示的な態様を開示している。
【0021】
図２～図５は、ツールアセンブリ９００のアンビルアセンブリ２００を示す。アンビルアセンブリ２００は、ベース部分２０１と、ベース部分２０１から遠位方向に延在するアンビル部分２０５と、を含む。ベース部分２０１は、ステープル留めデバイス１０の細長い本体１４０に結合され、ツールアセンブリ９００が開位置（図２）とクランプ位置（図１０）との間で移動可能なようにカートリッジアセンブリ２００に旋回可能に結合される。アンビルアセンブリ２００のアンビル部分２０５は、ステープルカートリッジ３１０に面し、かつベース部分２０１から遠位方向に延在する組織係合面２１０（図４）を含む。アンビル部分２０５の組織係合面２１０は、アンビルナイフスロット２６０（図４）の反対側に配置されるアンビルポケット２１５の複数の列を画定する。ナイフスロット２６０の各側に３列のアンビルポケット２１５が示されているが、２列以上のアンビルポケット２１５を設けることができると想定される。
【0022】
図４および図５は、アンビルアセンブリ２００のアンビル部分２０５のアンビルポケット２１５を示す。アンビルポケット２１５の各々は、内側の丸みのある凸部２３０によって分離された第１および第２の凹部２４０および２５０を含むステープル形成表面２１６を含む。本開示の態様において、ステープルポケット２１５の各々の凹部２４０、２５０は、アンビルアセンブリ２００のステープル形成面２１０に沿って長手方向に整列している。第１および第２の凹部２４０、２５０のステープル形成面２１６は、半円形の構成を有する。内側の凸部２３０は、第１の凹部２４０と第２の凹部２５０との間のアンビルポケット２１５の近位端と遠位端との間の中間に配置され、ステープル形成表面２１０によって画定される平面の下で窪んでいる。凹部２４０、２５０の各々は、ステープル４００の脚部４２０、４３０を受容するように配置され、以下でさらに詳細に説明するように、ステープル４００をループに形成する。
【0023】
図７～図９は、ステープルプッシャー５００を示す。ステープルプッシャー５００の各々は、後述するようにステープル４００のバックスパン４１０を支持する少なくとも１つのステープル支持面５１０を含む。図示のように、プッシャー５００の各々は、３つのステープル支持面５１０を含む。プッシャー５００は、１つ以上のステープル支持面５１０を有することができることが想定される。プッシャー５００のステープル支持面５１０の各々は、アンビルポケット２１５（図５）の構成に対応する構成を有する。より具体的には、プッシャー５００の各々のステープル支持面５１０は、アンビルポケット２１５のステープル形成面２１６のほぼ鏡像であり、近位端および遠位端、第１の凹部５４０、第２の凹部５５０、ならびに中央に位置する丸みのある凸部５３０を含む（図８）。アンビルポケット２１５の凹部２４０、２５０に関して上述したように、第１および第２の凹部５４０、５５０は、半円形の構成を有し、丸みのある凸部５３０は、図９に見られるように、プッシャー５００の最上面によって画定される平面の下で窪んでいる。
【0024】
図１１および図１２は、ステープル４００を示す。ステープル４００の各々は、バックスパン４１０と、バックスパン４１０の各端部から延在する脚部４２０、４３０と、を有する。ステープル４００の各々のバックスパン４１０は、ステープル４００がステープルプッシャー５００のステープル支持面５１０上で支持されるように、プッシャー５００のステープル支持面５１０の構成に対応する構成を有する。ステープル４００がプッシャー５００上で支持される場合、ステープル４１０の脚部４２０、４３０は、カートリッジ本体３１５の保持スロット３２５内でアンビルアセンブリ２００に向かって延在する。ステープル４００の各々のバックスパン４１０およびプッシャー５００のステープル支持面５１０は、カートリッジ本体３１５に沿って長手方向に向けられている。
【0025】
図１１は、ツールアセンブリ９００がクランプ位置にある状態でステープル留めデバイス１０（図１）を発射する前のツールアセンブリ９００を示している。この位置では、ステープル４００のバックスパン４１０は、カートリッジ本体３１５のステープル保持スロット３２５内に引っ込んだステープル４００の脚部４２０、４３０によって、プッシャー５００のステープル支持面５１０上で支持される。
【0026】
図１３および図１４は、ステープル留めデバイス１０の発射中のツールアセンブリ９００を示し、ツールアセンブリ９００は、薄い組織「Ｔ１」の周りのクランプ位置にある。ステープル留めデバイス１０（図１）が発射されると、作動スレッド３５０（図６）は、ステープルカートリッジ３１０のカートリッジ本体３１５を通って移動する。作動スレッド３５０がカートリッジ本体３１５内を移動すると、ステープルプッシャー５００は、図１３の矢印「Ａ」の方向に上向きに連続的に押し上げられ、保持スロット３２５を通して複数のステープル４００を押し込み、アンビルアセンブリ２００のアンビルポケット２１５のステープル形成面２１６と強制的に接触させる。ステープル４００は、ステープルプッシャー５００のステープル支持面５１０とアンビルポケット２１５のステープル形成面２１６との間で圧縮される。
【0027】
ステープル留めデバイス１０が発射されると、ステープル脚部４２０、４３０は、アンビルアセンブリ２００のそれぞれのアンビルポケット２１５に画定された第１および第２の凹部２４０、２５０内に受容される。脚部４２０、４３０が第１および第２の凹部内に移動すると、脚部４２０、４３０は、アンビルポケット２１５のステープル形成面２１６と係合し、ループ構成に形成される。組織「Ｔ１」が薄い場合、脚部４２０、４３０の継続的な形成により、脚部４２０、４３０がプッシャー５００のステープル支持面５１０と係合する。脚部４２０、４３０とプッシャー５００のステープル支持面との間のこの係合により、ステープル４００の脚部４２０、４３０が円形ループまたはコイル４５０に形成される。図１３に示すように、プッシャー５００が発射位置に移動すると、アンビルポケット２１５の第１および第２の凹部２４０、２５０を画定するステープル形成面２１６、およびプッシャー５００の第１および第２の凹部５４０、５５０を画定するステープル支持面５１０は２つの円形キャビティを画定する。
【0028】
図１５および図１６は、ステープル留めデバイス１０（図１）がより厚い組織Ｔ２”に発射される場合のツールアセンブリ９００を示す。ツールアセンブリ９００の動作は、組織「Ｔ２」がより厚く、したがって、ステープル４００の脚部４２０、４３０が図１３および図１４に示される程度に形成されないことを除いて、図１３および図１４に関して上述したものと同一である。より具体的には、組織「Ｔ２」の厚さが増加したために、ステープルカートリッジ３１０の組織係合面３５５、２１０とアンビルアセンブリ２００との間の間隔がより大きくなるため、ステープル４００の脚部４２０、４３０は、プッシャー５００の凹部５４０、５５０に受容されず、したがって、完全なループに形成されていない。
【0029】
線形ステープル留めデバイスに関連して示されているが、開示されたアンビルおよびプッシャー構成は、線形、湾曲、および円形を含む様々なツールアセンブリ構成を有するステープル留めデバイスとともに使用できることが想定される。開示されたアンビルおよびプッシャーの構成は、直線および横方向を含む様々な方向を有するツールアセンブリでの使用に好適であることもまた想定される。
【0030】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に示されるデバイスおよび方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。１つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、別の要素および特徴と、本開示の範囲から逸脱することなく組み合わせられ得ることが想到される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の態様に基づく本開示の更なる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
