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特開2022-163220方法、装置、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163220
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】方法、装置、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/12 20090101AFI20221018BHJP
   H04W 72/14 20090101ALI20221018BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20221018BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20221018BHJP
【FI】
H04W72/12 150
H04W72/14
H04W72/04 137
H04W24/10
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022130940
(22)【出願日】2022-08-19
(62)【分割の表示】P 2020538826の分割
【原出願日】2018-01-11
(71)【出願人】
【識別番号】515076873
【氏名又は名称】ノキア テクノロジーズ オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100176418
【弁理士】
【氏名又は名称】工藤 嘉晃
(72)【発明者】
【氏名】ウー,チュンリー
(72)【発明者】
【氏名】ターティネン,サムリ
(72)【発明者】
【氏名】セビレ,ベノイスト
(57)【要約】
【課題】スケジューリング要求(SR)の送信遅延に関する問題が存在し得る。
【解決手段】第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、ユーザ機器で受信することと、第1のアップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックの準備を開始する第2の時間を特定することであって、第1の時間からトランスポートブロックを準備するための処理時間を引くことを含む、第2の時間を特定することと、を含む方法が開示される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、前記ユーザ機器で受信することと、
前記第1のアップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックの準備を開始する第2の時間を特定することであって、前記第1の時間から前記トランスポートブロックを準備するための処理時間を引くことを含む、前記第2の時間を特定することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記アップリンクグラントの前記受信と前記トランスポートブロックの前記準備開始との間の第3の時間に、前記ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない第2のアップリンクデータの存在を特定することであって、前記第2のアップリンクデータは緊急データを含み、前記第2のアップリンクデータの前記存在はバッファステータスレポートをトリガーする、前記特定することと、
前記バッファステータスレポートに応じて、前記ユーザ機器からスケジューリング要求をトリガーすることと、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第2のアップリンクデータが前記ユーザ機器のバッファ内に記憶される、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スケジューリング要求の前記送信に応じて、前記ユーザ機器が前記第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、前記第2の時間より前の第4の時間を示すアップリンクグラントを受信することを含む、請求項2または請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第4の時間は、前記第2の時間より前である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記トランスポートブロックに関連付けられたOFDMシンボルの数に基づいて、前記トランスポートブロックを準備するための前記処理時間を決定することを含む、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記第2の時間と前記第1の時間との間の期間は、前記トランスポートブロックの構築に確保される、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1の時間と前記第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、前記ユーザ機器に送信することと、
前記ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない、緊急データを含む第2のアップリンクデータの存在を示すスケジューリング要求を、前記ユーザ機器から受信することと、
前記スケジューリング要求の前記受信に応じて、前記ユーザ機器が前記第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、前記第1の時間より前の第2の時間を示すアップリンクグラントを送信することと、
を含む方法。
【請求項10】
前記第1のアップリンクデータを送信するための前記アップリンクグラントの前記送信と、前記第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータプログラムであって、データ処理装置上で実行されると、請求項1~8のいずれかに記載のステップを実行するように適合されたプログラムコード手段を含む、前記コンピュータプログラム。
【請求項12】
コンピュータプログラムであって、データ処理装置上で実行されると、請求項9~10のいずれかに記載のステップを実行するように適合されたプログラムコード手段を含む、前記コンピュータプログラム。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで、
第1の時間に前記装置から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを受信することと、
前記アップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックの準備を開始する第2の時間を特定することであって、前記第1の時間から前記トランスポートブロックを準備するための処理時間を引くことを含む、前記第2の時間を特定することと、
を実行するように構成される、前記装置。
【請求項14】
前記アップリンクグラントの前記受信と前記トランスポートブロックの前記準備開始との間の第3の時間に、前記装置から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない第2のアップリンクデータの存在を特定することであって、前記第2のアップリンクデータは緊急データを含み、前記第2のアップリンクデータの前記存在はバッファステータスレポートをトリガーする、前記特定することと、
前記バッファステータスレポートに応じて、前記ユーザ機器からスケジューリング要求をトリガーすることと、
を実行するように構成された、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記第2のアップリンクデータが前記装置のバッファ内に記憶される、請求項13または請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記スケジューリング要求の前記送信に応じて、前記装置が前記第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、前記第2の時間より前の第4の時間を示すアップリンクグラントを受信するように構成された、請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第4の時間は、前記第2の時間より前である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記トランスポートブロックに関連付けられたOFDMシンボルの数に基づいて、前記トランスポートブロックを準備するための前記処理時間を決定するように構成された、請求項13~17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記第2の時間と前記第1の時間との間の期間は、前記トランスポートブロックの構築に確保される、請求項13~18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記第1の時間と前記第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える、請求項13~19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで、
第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、前記ユーザ機器に送信することと、
前記ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない、緊急データを含む第2のアップリンクデータの存在を示すスケジューリング要求を、前記ユーザ機器から受信することと、
前記スケジューリング要求の前記受信に応じて、前記ユーザ機器が前記第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、前記第1の時間より前の第2の時間を示すアップリンクグラントを送信することと、
を実行するように構成される、前記装置。
【請求項22】
前記第1のアップリンクデータを送信するための前記アップリンクグラントの前記送信と、第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える、請求項21に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信に関し、より具体的には、無線通信システムにおける送信に関する。
【背景技術】
【0002】
通信システムは、通信デバイス間で情報を伝達するための通信チャネルを提供することにより、ユーザ端末、機械型端末、基地局、及び/または他のノードといった2つ以上のデバイス間の通信を可能にする設備とみなされ得る。通信システムは、例えば通信ネットワーク及び1つ以上の互換性のある通信デバイスにより、提供され得る。通信には、例えば、音声、電子メール(eメール)、テキストメッセージ、マルチメディアのデータを伝達するためのデータ通信、及び/またはコンテンツデータ通信などが含まれ得る。提供されるサービスの非限定的な例として、双方向または多方向通話、データ通信またはマルチメディアサービス、及びインターネットなどのデータネットワークシステムへのアクセスが挙げられる。
【0003】
無線システムでは、通信の少なくとも一部は、無線インターフェースを介して行われる。無線システムの例には、公衆地上移動通信ネットワーク(PLMN)、衛星ベース通信システム、及び様々な無線ローカルネットワーク、例えば無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)が挙げられる。デバイスがデータネットワークに接続することを可能にするローカルエリア無線ネットワーク技術は、WiFi(またはWi-Fi)という商標で知られている。WiFiは、WLANと同義に使用されることが多い。無線システムは、セルに分割できることから、よくセルラーシステムと称される。基地局は、少なくとも1つのセルを提供する。
【0004】
ユーザは、基地局と通信することができる好適な通信デバイスまたは端末により、通信システムにアクセスすることができる。よって、基地局のようなノードは、よくアクセスポイントと称される。ユーザの通信デバイスは、よくユーザ機器(UE)と称される。通信デバイスには、通信を可能にする、例えば基地局との通信及び/または他のユーザデバイスとの直接通信を可能にするための好適な信号送受信装置が設けられる。通信デバイスは、例えばセルの基地局などの局が送信を行うチャネルを傍受するなど、好適なチャネルで通信し得る。
【0005】
通信システム及び関連デバイスは、通常、システムに関連付けられた様々なエンティティの許可された動作、及びその遂行方法を規定する所与の規格または仕様に従って、作動する。接続に使用される通信プロトコル及び/またはパラメータも、通常定義される。標準化された無線アクセス技術の非限定的な例には、GSM(汎欧州デジタル移動電話方式)、EDGE(GSM革新のための強化データ)無線アクセスネットワーク(GERAN)、ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)、及び次世代UTRAN(E-UTRAN)が挙げられる。例示的な通信システムアーキテクチャには、ユニバーサル移動体通信システム(UMTS)無線アクセス技術のロングタームエボリューション(LTE)がある。LTEは、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)により標準化される。LTEは、次世代ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(E-UTRAN)アクセスと、LTEアドバンスト(LTE-A)と時に称されるそのさらなる進歩型を、採用する。
【0006】
第4世代(4G)サービスの導入以降、次の第5世代(5G)規格への関心が高まっている。5Gは、新無線(NR)ネットワークとも称され得る。5Gすなわち新無線ネットワークの標準化は、現在進行中の検討事項である。
【0007】
ユーザ機器(UE)が送信データを有する場合、UEがそのデータを送信するようにスケジューリングされ得るように、UEはスケジューリング要求(SR)を送信する。SRは、UEが送信アップリンク(UL)データを有することを、基地局(例えばeNBまたはgNB)内のスケジューラに通知する。SRの送信遅延に関する問題が存在し得る。
【発明の概要】
【0008】
第1の態様によれば、第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、ユーザ機器で受信することと、第1のアップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックの準備を開始する第2の時間を特定することであって、第1の時間からトランスポートブロックを準備するための処理時間を引くことを含む、第2の時間を特定することと、を含む方法が提供される。
【0009】
一実施例によれば、方法は、アップリンクグラントの受信とトランスポートブロックの準備開始との間の第3の時間に、ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない第2のアップリンクデータの存在を特定することであって、第2のアップリンクデータは緊急データを含み、第2のアップリンクデータの存在はバッファステータスレポートをトリガーする、特定することと、バッファステータスレポートに応じて、ユーザ機器からスケジューリング要求をトリガーすることと、を含む。
【0010】
一実施例によれば、方法は、第2のアップリンクデータがユーザ機器のバッファ内に記憶されることを含む。
【0011】
一実施形態によれば、方法は、スケジューリング要求の送信に応じて、ユーザ機器が第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、第2の時間より前の第4の時間を示すアップリンクグラントを受信することを含む。
【0012】
一実施例によれば、第4の時間は、第2の時間より前である。
【0013】
一実施例によれば、方法は、トランスポートブロックに関連付けられたOFDMシンボルの数に基づいて、トランスポートブロックを準備するための処理時間を決定することを含む。
【0014】
一実施例によれば、第2の時間と第1の時間との間の期間は、トランスポートブロックの構築に確保される。
【0015】
一実施例によれば、第1の時間と第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える。
【0016】
第2の態様によれば、第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、ユーザ機器に送信することと、ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない、緊急データを含む第2のアップリンクデータの存在を示すスケジューリング要求を、ユーザ機器から受信することと、スケジューリング要求の受信に応じて、ユーザ機器が第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、第1の時間より前の第2の時間を示すアップリンクグラントを送信することと、を含む方法が提供される。
【0017】
一実施例によれば、第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントの送信と、第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える。
【0018】
第3の態様によれば、コンピュータプログラムであって、データ処理装置上で実行されると、第1の態様のステップを実行するように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0019】
第4の態様によれば、コンピュータプログラムであって、データ処理装置上で実行されると、第2の態様のステップを実行するように適合されたプログラムコード手段を含むコンピュータプログラムが提供される。
【0020】
第5の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサで、第1の時間に装置から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを受信することと、アップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックの準備を開始する第2の時間を特定することであって、第1の時間からトランスポートブロックを準備するための処理時間を引くことを含む、第2の時間を特定することと、を実行するように構成される、装置が提供される。
【0021】
一実施例によれば、装置は、アップリンクグラントの受信とトランスポートブロックの準備開始との間の第3の時間に、装置から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない第2のアップリンクデータの存在を特定することであって、第2のアップリンクデータは緊急データを含み、第2のアップリンクデータの存在はバッファステータスレポートをトリガーする、特定することと、バッファステータスレポートに応じて、ユーザ機器からスケジューリング要求をトリガーすることと、を実行するように構成される。
【0022】
一実施例によれば、第2のアップリンクデータは、装置のバッファ内に記憶される。
【0023】
一実施例によれば、装置は、スケジューリング要求の送信に応じて、装置が第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、第2の時間より前の第4の時間を示すアップリンクグラントを受信することを、実行するように構成される。
【0024】
一実施例によれば、第4の時間は、第2の時間より前である。
【0025】
一実施例によれば、装置は、トランスポートブロックに関連付けられたOFDMシンボルの数に基づいて、トランスポートブロックを準備するための処理時間を決定することを、実行するように構成される。
【0026】
一実施例によれば、第2の時間と第1の時間との間の期間は、トランスポートブロックの構築に確保される。
【0027】
一実施例によれば、第1の時間と第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える。
【0028】
第6の態様によれば、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサで、第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、ユーザ機器に送信することと、ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない、緊急データを含む第2のアップリンクデータの存在を示すスケジューリング要求を、ユーザ機器から受信することと、スケジューリング要求の受信に応じて、ユーザ機器が第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、第1の時間より前の第2の時間を示すアップリンクグラントを送信することと、を実行するように構成される、装置が提供される。
【0029】
一実施例によれば、第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントの送信と、第2の時間との間の期間は、ネットワーク定義パラメータを備える。
【0030】
これより、下記の実施例及び添付図面を例としてのみ参照しながら、本発明がさらに詳しく説明される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明を実施することができる無線通信システムの概略的な一実施例を示す。
図2】通信デバイスの一実施例を示す。
図3】制御装置の一実施例を示す。
図4】一実施例によるタイミング図である。
図5】一実施例によるタイミング図である。
図6】一実施例によるタイミング図である。
図7】一実施例による方法のフローチャートである。
図8】一実施例による方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
実施例を詳しく説明する前に、説明される実施例の基礎となる技術の理解を支援するために、無線通信システム及びモバイル通信デバイスの特定の一般的原理が、図1図2を参照しながら簡単に説明される。
【0033】
図1に示されるような無線通信システム100では、無線通信デバイス、例えばユーザ機器(UE)またはMTCデバイス102、104、105に、少なくとも1つの基地局または同様の無線送信及び/または受信を行う無線インフラストラクチャノードもしくはポイントを介して、無線アクセスが提供される。このようなノードは、例えば、基地局もしくはeNodeB(eNB)、または5Gシステムでは次世代NodeB(gNB)、または他の無線インフラストラクチャノードであり得る。これらのノードは、通常、基地局と称される。基地局は通常、基地局の動作、及び基地局と通信するモバイル通信デバイスの管理を可能にするために、少なくとも1つの好適なコントローラ装置により制御される。コントローラ装置は、無線アクセスネットワーク(例えば無線通信システム100)内またはコアネットワーク(CN)(図示せず)内に配置され得、1つの中央装置として実施され得る、またはその機能がいくつかの装置に分散され得る。コントローラ装置は、基地局の一部であり得、及び/または無線ネットワークコントローラなどの別個のエンティティにより提供され得る。図1では、マクロレベル基地局106及び107をそれぞれ制御する制御装置108及び109が示される。いくつかのシステムでは、制御装置は、無線ネットワークコントローラに、付加的または代替的に提供され得る。無線アクセスシステムの他の例には、5Gすなわち新無線、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)及び/またはWiMax(マイクロ波アクセスの世界的相互運用)などの技術に基づくシステムの基地局により提供される無線アクセスシステムが挙げられる。基地局は、セル全体または同様の無線サービスエリアのカバレッジを提供し得る。
【0034】
図1では、基地局106及び107が、ゲートウェイ112を介してより広い通信ネットワーク113に接続されているのが示される。別のネットワークに接続するために、さらなるゲートウェイ機能が提供されてもよい。
【0035】
より小さい基地局116、118、及び120も、例えば別個のゲートウェイ機能により及び/またはマクロレベル局のコントローラを介して、ネットワーク113に接続され得る。基地局116、118、及び120は、ピコまたはフェムトレベルの基地局などであり得る。この実施例では、局116及び118は、ゲートウェイ111を介して接続され、一方、局120は、コントローラ装置108を介して接続する。いくつかの実施形態では、より小さい局は設けられない場合がある。
【0036】
ここで、通信デバイス200の概略的な部分断面図を示す図2を参照して、可能な無線通信デバイスがより詳しく説明される。このような通信デバイスは、よくユーザ機器(UE)または端末と称される。無線信号を送受信できる任意のデバイスにより、好適なモバイル通信デバイスが提供され得る。非限定的な例では、携帯電話もしくは「スマートフォン」として知られるものなどの移動局(MS)もしくはモバイルデバイス、無線インターフェースカードもしくは他の無線インターフェース設備(例えばUSBドングル)が設けられたコンピュータ、ワイヤレス通信機能を備えたパーソナルデータアシスタント(PDA)もしくはタブレット、またはこれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。モバイル通信デバイスは、例えば、音声、電子メール(eメール)、テキストメッセージ、マルチメディアなどの通信を伝達するためのデータ通信を提供し得る。従って、ユーザは、ユーザの通信デバイスを介して、多数のサービスが提案され、提供され得る。これらのサービスの非限定的な例として、双方向もしくは多方向通話、データ通信もしくはマルチメディアサービス、または単に、インターネットなどのデータ通信ネットワークシステムへのアクセスが挙げられる。ユーザには、ブロードキャストまたはマルチキャストデータも提供され得る。コンテンツの非限定的な例として、ダウンロード、テレビ及びラジオ番組、ビデオ、広告、様々な警報、並びに他の情報が挙げられる。
【0037】
無線通信デバイスは、例えばモバイルデバイス、すなわち特定の場所に固定されていないデバイスであり得る、または固定装置であり得る。無線デバイスは、通信を行うために人によるインタラクションが必要であり得る、または通信を行うために人によるインタラクションは不必要であり得る。本教示では、用語UEすなわち「ユーザ機器」は、任意の種類の無線通信デバイスを指すために使用される。
【0038】
無線デバイス200は、受信に好適な装置を介してエアすなわち無線のインターフェース207により信号を受信し得、無線信号の送信に好適な装置を介して信号を送信し得る。図2では、送受信装置が、ブロック206により概略的に示される。送受信装置206は、例えば無線部品及び関連するアンテナ配列により、提供され得る。アンテナ配列は、無線デバイスの内部または外部に配置され得る。
【0039】
無線デバイスには通常、少なくとも1つのデータ処理エンティティ201と、少なくとも1つのメモリ202と、他の可能性のある構成要素203とが設けられ、他の可能性のある構成要素203は、アクセスシステム及び他の通信デバイスへのアクセス制御及び通信を含む、無線デバイスが実行するように設計されたタスクを、ソフトウェア及びハードウェアで実行する際に、使用される。データ処理、ストレージ、及び他の関連する制御装置が、好適な回路基板上及び/またはチップセット内に設けられ得る。この特徴は、参照番号204で示される。ユーザは、キーパッド205、音声コマンド、タッチ感応スクリーンもしくはパッド、またはこれらの組み合わせなどの好適なユーザインターフェースにより、無線デバイスの動作を制御し得る。ディスプレイ208、スピーカ、及びマイクロフォンも設けられ得る。さらに、無線通信デバイスは、他のデバイスへの好適なコネクタ(有線または無線)、及び/または例えばハンズフリー機器などの外部アクセサリを他のデバイスに接続するための好適なコネクタ(有線または無線)を備え得る。通信デバイス102、104、105は、様々なアクセス技術に基づいて、通信システムにアクセスし得る。
【0040】
図3は、RANノードなどのアクセスシステムの局、例えば基地局、gNB、MMEもしくはS-GWなどのコアネットワークのクラウドアーキテクチャもしくはノードの中央装置、スペクトル管理エンティティなどのスケジューリングエンティティ、またはサーバもしくはホストに対し、例えば、接続される及び/または制御を行う通信システムの制御装置の一実施例を示す。制御装置は、コアネットワークまたはRANのノードまたはモジュールと統合され得る、またはその外部に存在し得る。いくつかの実施形態では、基地局は、別個の制御装置ユニットまたはモジュールを備える。他の実施形態では、制御装置は、無線ネットワークコントローラまたはスペクトルコントローラなどの別のネットワーク要素であり得る。いくつかの実施形態では、各基地局は、このような制御装置、並びに無線ネットワークコントローラに設けられた制御装置を有し得る。制御装置300は、システムのサービスエリア内の通信を制御するように構成され得る。制御装置300は、少なくとも1つのメモリ301と、少なくとも1つのデータ処理ユニットまたはプロセッサ302、303と、入出力インターフェース304とを備える。インターフェースを介して、制御装置は、基地局の受信機及び送信機に接続され得る。受信機及び/または送信機は、無線フロントエンドまたは遠隔無線ヘッドとして、実装され得る。例えば、制御装置300またはプロセッサ201は、好適なソフトウェアコードを実行して制御機能を提供するように構成され得る。
【0041】
図4は、UEがデータを送信するプロセスを示す。402に示されるように、UEは、ある送信データを有するが、データの送信を可能にするUL(アップリンク)リソースを有さない。従って、404にて、UEは、物理アップリンク制御チャネル(PUCCH)でスケジューリング要求(SR)を送信する。406にて、UEは、バッファステータスレポート(BSR)に対するULグラントを受信し、408にて、UEは、PUSCHでBSRを送信する。BSRは、例えば基地局に、UEが送信予定のデータの存在を通知する。これに続いて、410にて、UEはULグラントを受信し、これにより、412に示されるように、UEはULデータを送信することが可能となる。
【0042】
上記のプロセスでは、LTEの場合、ULグラントがない時は、SRが送信時間間隔(TTI)でトリガーされる。これにより、トリガーされたBSRをアップリンクトランスポートブロック(TB)で送信することが可能となる。しかし、5Gの新無線(NR)の目的は、メディアアクセス制御(MAC)仕様から「TTI」を取り除くことである。従って、ULグラントとSRトリガーとのタイミングは不明確である。
【0043】
さらに、RAN1では、パラメータ「K2」を導入することが合意されている。パラメータK2は、ULグラントの物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)受信と物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)送信との間の時間を示す。これにより、曖昧な期間が、LTEよりもさらに長くなり得る。各ULグラントにPDCCHを必要としない設定済みグラントと称され得るグラントフリー(GF)または半永続スケジューリング(SPS)グラントも存在し得る。
【0044】
RAN1では、「N2」値についても合意されている。N2値は、ULグラントを含むNR-PDCCHの終わりから、対応するNR-PUSCH送信の可能な限り早い開始までのUE処理に必要な処理時間である。処理時間N2は、直交周波数分割多重(OFDM)シンボルの数に基づき得、または依存し得、様々なニューメロロジーに関しては異なり得る。
【0045】
従って、少なくとも部分的には柔軟性要件が増えたことから、本発明者らは、NRでは、BSRトリガーとSRトリガーとの関係が不明確であることを特定した。これは、SRの不必要な長い遅延を生じ得る。例えば、K2値が大きい場合、通常のBSRが時点T1でトリガーされると、T1+10ミリ秒で使用可能なアップリンクグラントにより、10ミリ秒間SRが禁止され得る。拡張モバイルブロードバンド(eMBB)データが前のSRをトリガーした後に、gNBがT1+10ミリ秒グラントを提供する事例も存在し得る。その間に、超高信頼低遅延通信(URLLC)データがUEバッファに入る場合があり、より短いレイテンシが要求され得る。
【0046】
下記でさらに詳しく説明されるように、本出願は、トランスポートブロック(TB)の構築に伴うタイミングに関する。いくつかの実施例では、「TBの構築」は、MAC PDUの構築を指し得る。いくつかの実施例では、UEは、実際のPUSCH送信の可能な限り近くにTBを構築する。これは、着信した、すなわち新しく作成されたBSRが送信用TBに含まれる機会を最大化する。さらに、TBを実際のPUSCH送信のより近くに構築することにより、確実にBSR/PHR(パワーヘッドルームレポート)は最新のステータスを反映する(例えば他のキャリアに対する後のULグラントが存在し得、これはPHRレポートに反映されるべきである)。一実施例では、UEは、下記より早い時点でTBの構築を開始することはない。
T0+K2-N2
T0は、ULグラントのPDCCHが受信された時であり、K2は、PDCCH受信とPUSCH送信との間の時間であり、N2は、UE処理時間である。
【0047】
一実施例では、GF/SPSグラントの場合、UEは、ULグラントの時点からUE処理時間を引いた時点より前に、TBを構築しない。一実施例では、一般的には、上記の方程式はUEにマッピングされ、よって、UEは、ULグラントの時点からUE処理時間を引いた時点より前に、いずれのTBも構築しない。
【0048】
開示されるさらなる態様は、SRトリガーに関する。一実施例によれば、SRは、BSRがTBに含まれていないという状況で(いくつかの実施例ではそのような状況であると判定されると)トリガーされる。例えば、時間T0~時間T0+K2-N2の間に任意のBSRがトリガーされた場合、SRがトリガーされる。
【0049】
いくつかの実施例によれば、基準またはトリガー条件を、ULリソースの有無から、BSRがTBに含まれているか否かの判定に変更し、TBを可能な限り遅く構築することで、SRの遅延に関する前述の問題は克服できる。
【0050】
一実施例では、通常のBSRをトリガーしたLCH(論理チャネル)が、いずれのSR構成にも割り当てられていない場合(すなわちSRがトリガーされるなら、SRプロシージャ内のランダムアクセス(RA)プロシージャをトリガーする場合)、SRはトリガーされない。あるいは、SR/RAプロシージャはトリガーされ得るが、トリガーされたBSRがMAC PDUに含まれる場合、SRがキャンセルされるため、よってRAプロシージャは中止される。
【0051】
いくつかの実施例によれば、ランダムアクセス(RA)プロシージャは、常に、Tx時間までの最大グラントよりも長い時間を要すると想定される。よって、いくつかの実施例では、RAプロシージャは、上記の実施例に従って、RAプロシージャはトリガーされない、または中止される。
【0052】
ここで図5及び図6に関して、いくつかの実施例がより詳しく説明される。
【0053】
図5に示されるように、時間T0に、ULグラントのPDCCHが受信される。時間T1に、BSRがトリガーされる。時間T0+K2に、PUSCHでの送信が発生する。実施例では、UEは、時間T0+K2-N2にTBを準備し始めるが、これは、処理時間N2を考慮して、時間T0+K2でのPUSCH送信に間に合うように、TBを準備し仕上げることができる最も遅い時間である。T0+K2-N2以降の時点でTBを構築する要件がなければ、UEの実施態様は、T0とT0+K2との間の任意の時間にTBを構築し得る。その場合、TBにBSRが含まれ次第、SRはトリガーされず、BSR送信は、T0+K2でのみ起こり得る。
【0054】
図6は、基地局(例えばgNB)がSRを受信し、既に割り当てられているPUSCHよりも早い時点にULグラントを割り当てることができる提案を示す。これは、例えば、PUSCHの初期割り当てに続いて緊急サービスデータ(例えばURLLCデータ)の到着をSRが示した場合に、起こり得る。
【0055】
図6に示されるように、時間T0に、ULグラントのPDCCHが受信される。T0で受信されたPDCCHは、T0+K2のPUSCHの時間を効果的に設定する。
【0056】
時間T1に、BSRがトリガーされ、UEバッファ内の新たなデータを示す。この実施例では、新たなデータは、高優先度または緊急サービスデータ(例えばURLLCデータ)を含む。高優先度または緊急データは、一実施例では、10ミリ秒未満で送信される必要があるデータであるとみなされ得る。従って、時間T1にSRがトリガーされ、gNBに送信される。いくつかの実施例では、(a)BSRに関連付けられた新たなデータが、高優先度もしくは緊急サービスデータ、すなわち既に送信利用可能なデータと比べて高優先度のデータを含むという判定、及び(b)いずれのTBにもBSRはまだ含まれていないという判定に応じて、SRがトリガーされる。
【0057】
T1でトリガーされたSRに応じて、時間T1より後の時間T2に、ULグラントのPDCCHが受信される。バッファ内の緊急データを考慮して、緊急データを送信できるPUSCHが、時間T2+K2_1にスケジューリングされる。この実施例では、K2_1は、K2より短い時間である。従って、この実施例では、緊急データは、時間T2+K2_1に送信され、これは時間T0+K2より前に起こる。従って、緊急データは、標準のプロシージャを利用して時間T0+K2に送信される通常送信時間よりも、早く送信される。
【0058】
説明される実施例によれば、いくつかの実施形態では、BSRは、一旦gNBで受信されると、UEバッファの最新ステータスを反映することが、保証される。いくつかの実施例によれば、T0+K2-N2とT0+K2との間の期間は、TB構築に確保される。
【0059】
説明される実施例によれば、いくつかの実施形態では、不適切であり得るが利用可能な別のサービスのULグラントが存在し得る場合でも、可能性のある他のサービスのために、SRは送信され得ることが保証される。これは、サービス品質(QoS)の向上につながり得る。
【0060】
さらなる理解を促すために、図7及び図8のフローチャートに関して、さらに方法が説明される。
【0061】
図7は、ユーザ機器の観点から見た方法を示すフローチャートであり、図6のタイミング図に関連して説明される。
【0062】
方法は、S1にて、第1の時間(T0+K2)にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、ユーザ機器で受信することを含む。
【0063】
方法は、S2にて、第1のアップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックの準備を開始する第2の時間(T0+K2-N2)を特定することであって、第1の時間(T0+K2)からトランスポートブロックを準備するための処理時間(N2)を引くことを含む、第2の時間を特定することを含む。
【0064】
方法は、アップリンクグラントの受信とトランスポートブロックの準備開始との間の第3の時間(T1)に、ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない第2のアップリンクデータの存在を特定することであって、第2のアップリンクデータは緊急データを含み、第2のアップリンクデータの存在はバッファステータスレポートをトリガーする、特定することと、バッファステータスレポートに応じて、ユーザ機器からスケジューリング要求をトリガーすることと、を含み得る。
【0065】
方法は、第2のアップリンクデータがユーザ機器のバッファ内に記憶されることを含み得る。
【0066】
方法は、スケジューリング要求の送信に応じて、ユーザ機器が第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、第2の時間(T0+K2-N2)より前の第4の時間(T2+K2_1)を示すアップリンクグラントを受信することを含み得る。
【0067】
方法は、第4の時間(T2+K2_1)が、第2の時間(T0+K2-N2)より前であることを含み得る。
【0068】
方法は、トランスポートブロックに関連付けられたOFDMシンボルの数に基づいて、トランスポートブロックを準備するための処理時間を決定することを含み得る。
【0069】
方法は、第2の時間(T0+K2-N2)と第1の時間(T0+K2)との間の期間が、トランスポートブロックの構築に確保されることを含み得る。
【0070】
方法は、第1の時間(T0)と第2の時間(T0+K2)との間の期間が、ネットワーク定義パラメータ(K2)を備えることを、含み得る。
【0071】
図8は、基地局の観点から見た方法を示すフローチャートであり、図6のタイミング図に関連して説明される。
【0072】
方法は、S1にて、第1の時間(T0+K2)にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントを、ユーザ機器に送信することを含む。
【0073】
方法は、S2にて、ユーザ機器から送信予定であるが送信がスケジューリングされていない、緊急データを含む第2のアップリンクデータの存在を示すスケジューリング要求を、ユーザ機器から受信することを含む。
【0074】
方法は、S3にて、スケジューリング要求の受信に応じて、ユーザ機器が第2のアップリンクデータを送信するようにスケジューリングされた、第1の時間(T0+K2)より前の第2の時間(T2+K2_1)を示すアップリンクグラントを送信することを含む。
【0075】
方法は、第1のアップリンクデータを送信するためのアップリンクグラントの送信と、第2の時間との間の期間が、ネットワーク定義パラメータ(K2)を備えることを、含み得る。
【0076】
一般に、様々な実施形態は、ハードウェアもしくは専用回路、ソフトウェア、ロジック、またはこれらの任意の組み合わせで実施され得る。本発明のいくつかの態様は、ハードウェアで実施され得、一方他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、または他のコンピューティングデバイスにより実行され得るファームウェアまたはソフトウェアで実施され得るが、本発明はこれらに限定されない。本発明の様々な態様が、ブロック図、フローチャートとして、またはある他の図的表現を用いて、例示され説明され得るが、本明細書に説明されるこれらのブロック、装置、システム、技術、または方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路もしくはロジック、汎用ハードウェアもしくはコントローラもしくは他のコンピューティングデバイス、またはこれらのある組み合わせで、実施され得ることが、よく理解されよう。
【0077】
本発明の実施形態は、プロセッサエンティティ内などのモバイルデバイスのデータプロセッサが実行可能なコンピュータソフトウェアにより、またはハードウェアにより、またはソフトウェア及びハードウェアの組み合わせにより、実施され得る。ソフトウェアルーチン、アプレット、及び/またはマクロを含む、プログラム製品とも称されるコンピュータソフトウェアまたはプログラムは、任意の装置可読データ記憶媒体に格納され得、これらは、特定のタスクを実行するためのプログラム命令を備える。コンピュータプログラム製品は、プログラムが実行されると実施形態を遂行するように構成された1つ以上のコンピュータ実行可能構成要素を備え得る。1つ以上のコンピュータ実行可能構成要素は、少なくとも1つのソフトウェアコードまたはその一部であり得る。
【0078】
さらに、これに関して、図のような論理フローのいずれのブロックも、プログラムステップ、または相互接続された論理回路、ブロック、及び機能、またはプログラムステップと論理回路、ブロック、及び機能との組み合わせを表し得ることに、留意されたい。ソフトウェアは、プロセッサ内に実装されたメモリチップまたはメモリブロックなどの物理媒体、ハードディスクまたはフロッピディスクなどの磁気媒体、及び例えばDVD及びそのデータ変形形態、CDなどの光学媒体に、格納され得る。物理媒体は、非一時的媒体である。
【0079】
メモリは、ローカル技術環境に好適な任意の種類であり得、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイス及びシステム、光学メモリデバイス及びシステム、固定メモリ、並びに着脱可能メモリなど、任意の好適なデータストレージ技術を使用して実施され得る。データプロセッサは、ローカル技術環境に好適な任意の種類であり得、非限定的な例として、1つ以上の汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、FPGA、ゲートレベル回路、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサを備え得る。
【0080】
本発明の実施形態は、集積回路モジュールなどの様々な構成要素で実施され得る。集積回路の設計は、概して高度に自動化されたプロセスである。論理レベル設計を、半導体基板にエッチングして形成できる状態の半導体回路設計に変換するための複雑で強力なソフトウェアツールが利用可能である。
【0081】
前述の説明は、非限定的な例として、本発明の例示的な実施形態の完全かつ有益な説明を提供してきた。しかし、前述の説明に照らして、添付の図面及び添付の特許請求の範囲と併せて読むと、様々な変更形態及び適合形態が、関連技術の当業者には明らかとなり得る。ただし、本発明の教示のこのような変更形態及び同様の変更形態は全て、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲内に尚も含まれる。実際に、1つ以上の実施形態と、前述のその他の実施形態のうちのいずれかとの組み合わせを含むさらなる実施形態が存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2022-08-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の時間にユーザ機器から第1のアップリンクデータを送信するための、設定済みグラントであるアップリンクグラントを、前記ユーザ機器で受信することと、
前記第1のアップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックを構築することであって、前記ユーザ機器で前記第1の時間から前記トランスポートブロックの準備のための処理時間を引いた時間よりも前に前記トランスポートブロックの構築が開始されることを含む、前記トランスポートブロックを構築することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間は、前記トランスポートブロックが前記第1の時間に前記第1のアップリンクデータを送信するために準備される時間の中で最も遅い時間である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記トランスポートブロックは、前記トランスポートブロックに含まれるレポートにおける最新のステータスを反映する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記レポートは、バッファステータスレポート及びパワーヘッドルームレポートの少なくとも一方を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
OFDMシンボルの数に基づいて、前記トランスポートブロックを準備するための前記処理時間を決定することを含む、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間と前記第1の時間との間の期間は、前記トランスポートブロックの構築に確保される、請求項1~5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記処理時間は、様々なニューメロロジーに関しては異なる、請求項1~6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記設定済みグラントは、グラントフリーまたは半永続スケジューリンググラントである、請求項1~7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記第1のアップリンクデータは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)で送信される、請求項1~8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
前記UEは、前記トランスポートブロックの構築が開始される前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つ、請求項1~9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
前記UEは、前記トランスポートブロックに含まれるPHRレポートが最新のステータスを反映することを保証するために、前記トランスポートブロックの構築を開始する前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つ、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
前記UEは、前記トランスポートブロックをより早く構築することが可能であるが、前記トランスポートブロックの構築を開始する前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つ、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
前記UEは、前記トランスポートブロックをより早く構築することが可能であるが、前記トランスポートブロックに含まれるPHRレポートが最新のステータスを反映することを保証するために、前記トランスポートブロックの構築を開始する前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つ、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリとを備える装置であって、前記少なくとも1つのメモリ及び前記コンピュータプログラムコードは、前記少なくとも1つのプロセッサで、
第1の時間に前記装置から第1のアップリンクデータを送信するための、設定済みグラントであるアップリンクグラントを受信することと、
前記第1の時間で前記第1のアップリンクデータを送信するためのトランスポートブロックを構築することであって、前記装置で前記第1の時間から前記トランスポートブロックの準備のための処理時間を引いた時間よりも前に前記トランスポートブロックの構築が開始されることを含む、前記トランスポートブロックを構築することと、
を実行するように構成される、前記装置。
【請求項15】
前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間は、前記トランスポートブロックが前記第1の時間に前記第1のアップリンクデータを送信するために準備される時間の中で最も遅い時間である、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記トランスポートブロックは、前記トランスポートブロックに含まれるレポートにおける最新のステータスを反映する、請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記レポートは、バッファステータスレポート及びパワーヘッドルームレポートの少なくとも一方を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
OFDMシンボルの数に基づいて、前記トランスポートブロックを準備するための前記処理時間を決定するように構成された、請求項14~17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間と前記第1の時間との間の期間は、前記トランスポートブロックの構築に確保される、請求項14~18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間は、ネットワーク定義パラメータを備える、請求項14~19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記処理時間は、様々なニューメロロジーに関しては異なる、請求項14~20のいずれかに記載の装置。
【請求項22】
前記設定済みグラントは、グラントフリーまたは半永続スケジューリンググラントである、請求項14~21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記第1のアップリンクデータは、物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)で送信される、請求項14~22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
前記トランスポートブロックの構築が開始される前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つように構成された、請求項14~23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記トランスポートブロックに含まれるPHRレポートが最新のステータスを反映することを保証するために、前記トランスポートブロックの構築を開始する前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つように構成された、請求項14~24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記トランスポートブロックをより早く構築することが可能であるが、前記トランスポートブロックの構築を開始する前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つように構成された、請求項14~25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記トランスポートブロックをより早く構築することが可能であるが、前記トランスポートブロックに含まれるPHRレポートが最新のステータスを反映することを保証するために、前記トランスポートブロックの構築を開始する前に、前記第1の時間から前記処理時間を引いた時間を待つ、請求項14~26のいずれかに記載の装置。