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特開2022-163222放出誘導放射線療法における異常検出のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163222
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】放出誘導放射線療法における異常検出のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61N 5/10 20060101AFI20221018BHJP
【FI】
A61N5/10 E
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022131002
(22)【出願日】2022-08-19
(62)【分割の表示】P 2020506809の分割
【原出願日】2018-08-09
(31)【優先権主張番号】62/543,140
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
2.MYLAR
(71)【出願人】
【識別番号】510246448
【氏名又は名称】リフレクション メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ピーター ディミトリ オルコット
(72)【発明者】
【氏名】マシュー フランシス ビエニオセック
(57)【要約】
【課題】放出誘導放射線療法における異常検出のための好適なシステムおよび方法を提供すること。
【解決手段】本明細書に開示されるのは、陽電子放射断層撮影(PET)システムの較正を監視するためのシステムおよび方法である。いくつかの変形例では、本システムは、複数の陽電子放出検出器を備えるガントリを有する、撮像アセンブリを含む。筐体が、ガントリに結合されてもよく、筐体は、ボアと、ボア内の患者走査領域から離間される、放射線源ホルダとを含んでもよい。プロセッサが、陽電子放出データを陽電子放出検出器から受信し、放射線源ホルダからと、患者走査領域からの陽電子放出データを区別するように構成されてもよい。放射線源ホルダからの陽電子放出データが1つ以上の閾値パラメータまたは基準を超えると、異常信号が、生成されてもよい。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その開示が、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2017年8月9日に出願された、米国仮特許出願第62/543,140号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書におけるシステムおよび方法は、限定ではないが、陽電子放射断層撮影(PET)システムのための品質制御手順および異常検出を含む、診断および/または療法用途において使用され得る、患者撮像に関する。
【背景技術】
【0003】
陽電子放射断層撮影(PET)は、対向PET検出器を使用して、応答系統(LOR)に沿って陽電子消滅事象(例えば、一致または同時発生光子事象)を検出する、非侵襲性撮像技法である。飛行時間(TOF)PETは、PET検出器における一致事象の時間差を測定し、LORに沿った対応する消滅場所を決定する。誤差の所定のマージン内の消滅場所の決定は、検出器の時間分解能の適切な較正に依存する。TOFPETシステムを含む、PETシステムは、一般に、日常的品質保証(QA)手順を受け、PET検出器の時間較正を検証する。診断撮像のために、QAチェック間の較正の喪失は、不正確な患者データを生成し、患者に撮像セッションを繰り返すことを要求し得る。
【0004】
いくつかの用途では、放出誘導放射線療法(EGRT)は、PET検出器のアレイを使用して、患者腫瘍および放射線源から生じる陽電子放出のリアルタイム場所データを提供し、場所データに基づいて、腫瘍を療法的に照射する。EGRT治療セッションの間(例えば、QAチェック間)のPET検出器の較正の喪失および/または空間分解能、時間的分解能、エネルギー感度、および/または精度における任意の劣化だけではなく、療法用放射線源に対する患者腫瘍領域の場所を精密に決定することができないことは、準最適放射線療法治療および健康な組織への損傷につながり得る。したがって、時間較正誤差および/または異常PET検出器をより迅速に識別し得る、TOF PETシステムにおけるリアルタイム異常検出を提供することが望ましくあり得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示されるのは、1つ以上の陽電子放出検出器(PET検出器)を使用する、放出誘導放射線療法のためのシステムおよび方法である。概して、較正源が、1つ以上の陽電子放出検出器の動作を監視するために使用されてもよい。較正源は、明確に異なり、患者内に位置する放射線源(例えば、無線トレーサおよび/または埋め込まれた基準)から空間的に分離される、放射線源(例えば、陽電子消滅事象を生成する放射線源)であってもよく、患者を治療するおよび/または撮像する間、複数の陽電子放出検出器間に保持されてもよい。検出器は、並行して、陽電子放出データを患者および較正源から受信してもよい。較正源の陽電子放出データは、陽電子放出検出器の機能性および/または精度を検証するために使用されてもよい。較正源は、患者の近傍に配置されてもよいが、較正源は、患者に対して有意なリスクを伴わずに、検出器によって位置特定されるために十分なサイズおよび放射能であってもよい。
【0006】
いくつかの変形例では、撮像アセンブリが、提供され、複数の陽電子放出検出器を備える、ガントリと、放射線源ホルダ等の較正源ホルダを備える、筐体とを備える。筐体は、ガントリに結合されてもよい。ガントリはさらに、ボアを備えてもよく、患者走査または治療領域が、ボア内に位置し、陽電子放出検出器間に配置されてもよい。較正源ホルダは、定常であって、ボア内の患者走査または治療領域から離間されてもよい。定常較正源ホルダは、筐体内または筐体の表面上に位置してもよい。陽電子放出検出器は、回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイと、陽電子放出検出器の第2のアレイとを備えてもよい。アセンブリはさらに、陽電子放出データを回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、定常較正源ホルダからと、患者走査領域からの陽電子放出データを区別し、定常較正源ホルダからの陽電子放出データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサを備えてもよい。
【0007】
いくつかの変形例では、アセンブリはさらに、患者支持体を備えてもよい。患者支持体は、可動支持表面と、基部とを備えてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、較正源ホルダは、患者走査領域の上方の場所において、筐体の表面に沿って配置されてもよい。これらの変形例のうちの他のものでは、較正源ホルダは、可動支持表面の下方に位置してもよい。いくつかの変形例では、較正源(例えば、放射線源)は、較正源ホルダによって保持されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、較正源は、約1μCi~300μCiの放射能、例えば、約2μCi、約100μCiと、約511keVのエネルギーとを備えてもよい。これらの変形例のうちの他のものでは、較正源は、約0.25インチ~約3インチ、例えば、約1インチ、約2インチの最大寸法を伴う形状を備えてもよい。別の変形例では、閾値パラメータは、変動性閾値パラメータであってもよい。さらに別の変形例では、プロセッサはさらに、並行して、較正源ホルダからと、患者走査領域からの陽電子放出データを分類するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、プロセッサは、定常較正源ホルダからと、患者走査領域からの陽電子放出データを区別するための空間フィルタとともに構成されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、空間フィルタは、ユーザ調節可能であってもよい。これらの変形例のうちの他のものでは、プロセッサはさらに、患者治療計画を使用して、空間フィルタの幾何学形状を自動的に調節するように構成されてもよい。
【0008】
また、本明細書に説明されるものは、他の撮像アセンブリである。いくつかの変形例では、撮像アセンブリが、提供され、複数の陽電子放出検出器を備える、ガントリと、放射線源等の較正源を備える、筐体とを備える。筐体は、ガントリにわたって配置されてもよい。ガントリはさらに、患者が陽電子放出検出器間に配置されるためのボアを備えてもよい。較正源は、定常であって、ボア内の患者走査領域から離間されてもよい。較正源は、筐体内または筐体の表面上に位置してもよい。陽電子放出検出器は、回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイと、検出器の第1のアレイに対向する、陽電子放出検出器の第2のアレイとを備えてもよい。アセンブリはさらに、陽電子放出経路データを回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、定常較正源から生じる、陽電子放出経路データを分類し、定常較正源陽電子放出経路データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサを備えてもよい。
【0009】
いくつかの変形例では、陽電子消滅事象によって放出される一対の光子は、陽電子放出経路を生成する。プロセッサは、時間閾値パラメータ範囲内の対の光子の受信時間間の差異を使用して、定常較正源から生じる、陽電子放出経路データを分類するように構成されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、閾値パラメータは、場所偏位閾値である。プロセッサは、対の光子の受信時間差に基づいて、定常較正源の場所を計算し、定常較正源の計算された場所が、場所偏位閾値を超えるとき、異常信号を生成するように構成されてもよい。他の変形例では、閾値パラメータは、時間差範囲である。プロセッサは、対の光子の受信時間間の差異が、時間差範囲外であるとき、異常信号を生成するように構成されてもよい。
【0010】
いくつかの変形例では、撮像アセンブリが、提供され、複数の陽電子放出検出器を備える、ガントリと、環状放射線源等の環状較正源を備える、筐体とを備える。筐体は、ガントリに結合されてもよい。筐体はさらに、ボアを備えてもよく、環状較正源は、ボアを中心としてもよい。陽電子放出検出器は、陽電子放出検出器の第1のアレイと、検出器の第1のアレイに対向する、陽電子放出検出器の第2のアレイとを備えてもよい。アセンブリはさらに、陽電子放出データを陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、環状較正源からの陽電子放出データを区別し、環状較正源からの陽電子放出データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサを備えてもよい。
【0011】
いくつかの変形例では、プロセッサはさらに、並行して、環状較正源からと、ボア内の患者走査領域からの陽電子放出データを分類するように構成されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、プロセッサはさらに、環状較正源からと、患者走査領域からの陽電子放出データを区別するための空間フィルタとともに構成されてもよい。いくつかの変形例では、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、定常である。他の変形例では、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、回転可能である。
【0012】
いくつかの変形例では、撮像アセンブリが、提供され、複数の陽電子放出検出器を備える、ガントリを備える。1つ以上の較正源ホルダは、1つ以上の較正源ホルダが、陽電子放出検出器に対して固定され、放射線源を保持するように構成されるように、ガントリに結合されてもよい。複数の陽電子放出検出器は、回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイと、検出器の第1のアレイに対向する、回転可能陽電子放出検出器の第2のアレイとを備えてもよい。プロセッサは、陽電子放出データを回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、1つ以上の較正源ホルダからの陽電子放出データを区別し、1つ以上の較正源ホルダからの陽電子放出データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成されてもよい。
【0013】
これらの変形例のうちのいくつかでは、ガントリは、ボアを備えてもよい。ボアは、1つ以上の較正源ホルダから離間される、患者走査領域を備えてもよい。プロセッサはさらに、ボア内の患者走査領域からの陽電子放出データを区別するように構成されてもよい。いくつかの変形例では、1つ以上の較正源ホルダは、少なくとも4つの較正源ホルダを備えてもよい。別の変形例では、1つ以上の放射線源は、対応する1つ以上の較正源ホルダによって保持されてもよい。1つ以上の放射線源は、約1μCi~300μCiの放射能、例えば、約2μCi、約100μCiを備えてもよい。ある他の変形例では、1つ以上の較正源は、円筒形、球形、およびリングから成る群から選択される、形状を備えてもよい。
【0014】
また、本明細書に説明されるのは、撮像方法である。これらの方法は、陽電子放出検出器の第1のアレイ、および検出器の第1のアレイに対向する、陽電子放出検出器の第2のアレイを使用して、同時陽電子放出データを患者および患者から離間される較正源から受信するステップを含んでもよい。陽電子放出データは、患者からと、較正源からのもので区別されてもよい。較正データは、較正源からの陽電子放出データを使用して、生成されてもよい。患者データは、患者からの陽電子放出データを使用して、生成されてもよい。異常信号は、較正データが、閾値パラメータを超えるとき、生成されてもよい。
【0015】
いくつかの変形例では、患者からと、較正源からの陽電子放出データを区別するステップは、陽電子放出データを空間的にフィルタ処理するステップを含んでもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、空間フィルタは、空間フィルタ処理を適用する前に、調節されてもよい。例えば、空間フィルタは、患者治療計画パラメータに基づいて、調節されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、陽電子放出データの空間フィルタ処理は、較正領域および患者領域の外に位置する陽電子放出データを除外するステップを含んでもよい。
【0016】
他の変形例では、陽電子放出データを患者および較正源から受信するステップは、異常信号を生成するステップと並行して生じる。別の変形例では、患者は、並行して、患者からと、較正源からの陽電子放出データを受信しながら、放射線源を使用して治療されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、放射線源を使用した患者の治療は、異常信号を生成することに応答して、停止される。
【0017】
他の変形例では、陽電子放出検出器のうちの1つ以上のものは、異常信号の生成に基づいて、非アクティブ化されてもよい。別の変形例では、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイのうちの最大3つのものが、異常信号の生成に基づいて、非アクティブ化されてもよい。異常信号は、検出器のうちの最大3つのものにおける異常を備えてもよい。さらに別の変形例では、検出器の全てのものは、異常信号の生成に基づいて、非アクティブ化されてもよい。異常信号は、検出器のうちの4つ以上のものにおける異常を備えてもよい。いくつかの変形例では、陽電子放出検出器のうちの1つ以上のものは、較正データを使用して、較正されてもよい。他の変形例では、陽電子放出データは、検出器の患者撮像視野と交差しない応答系統に対応してもよい。患者撮像視野は、患者走査領域を備えてもよい。別の変形例では、検出器に結合される、異常検出システムは、異常信号の生成に基づいて、検証されてもよい。
【0018】
放射線療法システム(例えば、放射線治療アセンブリ)の一変形例は、回転可能ガントリと、ガントリ上に搭載される、陽電子放出検出器の第1のアレイ、および陽電子放出検出器の第1のアレイと反対のガントリ上に搭載される、陽電子放出検出器の第2のアレイと、陽電子放出検出器の第1のアレイと第2のアレイとの間の回転可能ガントリ上に搭載される、療法用放射線源と、回転可能ガントリにわたって配置され、ボアと、ボア内の患者領域から離間される、定常放射線源ホルダとを備える、筐体と、陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから検出された陽電子放出データを受信するように構成される、プロセッサとを備えてもよい。プロセッサは、定常放射線源ホルダから生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出し、抽出された陽電子放出データが、1つ以上の閾値基準を満たさないとき、異常信号を生成するように構成されてもよい。定常放射線源ホルダは、筐体内または筐体の表面上に位置してもよい。本システムはさらに、患者支持体を備えてもよく、患者支持体は、可動支持表面と、基部とを備える。放射線源ホルダは、患者走査領域の上方の場所において、筐体の表面に沿って配置されてもよく、例えば、放射線源ホルダは、可動支持表面の下方に位置してもよい。いくつかのシステムはさらに、放射線源ホルダによって保持される、較正放射線源を備えてもよく、較正源は、約1μCi~300μCiの放射能を備える。較正放射線源は、放射線源ホルダによって保定されるように構成されてもよく、較正放射線源は、約0.25インチ~約3インチ(例えば、1インチ)の最大寸法を伴う形状を備える。較正放射線源は、ディスク形状のエンクロージャと、エンクロージャ内に位置する、陽電子放出要素とを備えてもよい。プロセッサはさらに、並行して、放射線源ホルダから生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出し、患者走査領域から生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出するように構成されてもよい。閾値基準は、定常放射線源ホルダの場所から生じる陽電子放出活動を選択する、空間フィルタを備えてもよい。空間フィルタを抽出された陽電子放出データに適用するステップが、陽電子放出活動が定常放射線源ホルダの場所と共存しないことを示すとき、異常信号が、生成されてもよい。空間フィルタは、ユーザ調節可能であってもよい。代替として、または加えて、プロセッサはさらに、患者治療計画を使用して、空間フィルタの幾何学形状を自動的に調節するように構成されてもよい。
【0019】
いくつかの変形例では、陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、撮像平面を画定してもよく、療法用放射線源のビームは、治療平面を画定してもよく、撮像平面および治療平面は、同一平面にあってもよい。定常放射線源ホルダは、撮像平面および治療平面と同一平面にあってもよい。いくつかの変形例では、定常放射線源ホルダは、放射線源の形状と対応する形状を有する、溝を備えてもよい。いくつかの変形例では、閾値基準は、第1の時間差(例えば、約2.5ns)を伴って検出された同時発生光子事象の閾値数を備えてもよく、プロセッサは、時間差を伴って検出された同時発生光子事象の実際の数のプロットを生成するように構成されてもよく、時間差を伴って生じる同時発生光子事象の実際の数が、閾値数を超えないとき、異常信号が、生成されてもよい。閾値陽電子放出検出器基準は、閾値真/ランダム比値を備えてもよく、プロセッサは、第1の一致時間窓と重複しない第2の一致時間窓(例えば、第1の一致時間窓と類似窓幅を有する、約0nsを中心としない17.5ns~22.5ns)内で生じる同時発生光子事象の実際の数に対する約0nsを中心とする第1の一致時間窓(例えば、-2.5ns~+2.5ns)内で生じる同時発生光子事象の実際の数の比を生成するように構成されてもよく、比が、閾値真/ランダム比値を超えない場合、異常信号が、生成されてもよい。いくつかの変形例では、閾値真/ランダム比値は、1以上、例えば、約1.1以上、約1.3以上、約1.5以上、約1.6以上、約2以上等であってもよい。
【0020】
いくつかの変形例では、閾値基準は、陽電子放出検出器の第1のアレイの第1のガントリ場所において、約2.5nsの第1の検出時間差を伴って検出されるべき同時発生光子事象の第1の予期される数と、第1のガントリ場所から180°の陽電子放出検出器の第1のアレイの第2のガントリ場所において、約2.5nsの検出時間差を伴って検出されるべき同時発生光子事象の第2の予期される数とを備えてもよい。プロセッサは、陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイによって検出された陽電子放出データに基づいて、360°ガントリ回転にわたって、-5ns~+5nsの一致時間窓内で検出された同時発生光子事象の実際の数のプロットを生成するように構成されてもよく、陽電子放出検出器の第1のアレイの第1のガントリ場所において、約2.5nsの検出時間差を伴って検出された同時発生光子事象の実際の数が、第1の予期される数を満たさず、または超えず、陽電子放出検出器の第1のアレイの第2のガントリ場所において、約2.5nsの検出時間差を伴って検出された同時発生光子事象の実際の数が、第2の予期される数を満たさない、または超えないとき、異常信号が、生成されてもよい。代替として、または加えて、閾値基準は、360°ガントリ回転にわたって、各ガントリ場所において、第1のアレイおよび第2のアレイの各陽電子放出検出器によって検出されるべき同時発生光子事象の予期される数を備えてもよく、プロセッサは、陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイによって検出された陽電子放出データを使用して、360°ガントリ回転にわたって、各ガントリ場所において、第1のアレイおよび第2のアレイの各陽電子放出検出器によって検出される同時発生光子事象の実際の数を計算するように構成されてもよく、同時発生光子事象の実際の数と、同時発生光子事象の予期される数との間の差異が、少なくとも1つの陽電子放出検出器に関して、所定の差異閾値を超えるとき、異常信号が、生成されてもよい。いくつかの変形例では、プロセッサが、定常放射線源ホルダから生じる陽電子放出活動を表す任意の陽電子放出データを検出しないとき、異常信号が、生成されてもよい。閾値基準は、ピーク閾値を上回る同時発生511keV光子事象計数を伴う、エネルギー分解能スペクトルを備え、陽電子放出データから生成されたエネルギー分解能スペクトルが、ピーク閾値を上回る511keV光子事象計数を有していないとき、異常信号が、生成されてもよい。本明細書に説明されるシステムのいずれかは、ディスプレイを備えてもよく、プロセッサは、視覚的インジケータを生成し、視覚的インジケータをディスプレイに伝送するように構成されてもよい。視覚的インジケータは、異常信号が不在の第1の外観と、異常信号が生成されるときの、第1の外観と異なる、第2の外観とを有する。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
放射線療法システムであって、
回転可能ガントリと、
前記ガントリ上に搭載される陽電子放出検出器の第1のアレイ、および、前記陽電子放出検出器の第1のアレイと反対の前記ガントリ上に搭載される陽電子放出検出器の第2のアレイと、
療法用放射線源であって、前記療法用放射線源は、前記陽電子放出検出器の第1のアレイと第2のアレイとの間の前記回転可能ガントリ上に搭載される、療法用放射線源と、
筐体であって、前記筐体は、前記回転可能ガントリにわたって配置され、ボアと、前記ボア内の患者領域から離間される定常放射線源ホルダとを備え、前記定常放射線源ホルダは、前記筐体内または前記筐体の表面上に位置する、筐体と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、前記陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから検出された陽電子放出データを受信し、前記定常放射線源ホルダから生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出し、前記抽出された陽電子放出データが1つ以上の閾値基準を満たさないとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサと
を備える、システム。
(項目2)
患者支持体をさらに備え、前記患者支持体は、可動支持表面と、基部とを備える、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記放射線源ホルダは、前記患者走査領域の上方の場所において、前記筐体の表面に沿って配置される、項目2に記載のシステム。
(項目4)
前記放射線源ホルダは、前記可動支持表面の下方に位置する、項目2に記載のシステム。
(項目5)
前記放射線源ホルダによって保持される較正放射線源をさらに備え、前記較正源は、約1μCi~300μCiの放射能を備える、項目1に記載のシステム。
(項目6)
前記放射線源ホルダによって保定されるように構成される較正放射線源をさらに備え、前記較正源は、約0.25インチ~約3インチの最大寸法を伴う形状を備える、項目1に記載のシステム。
(項目7)
前記較正放射線源は、ディスク形状のエンクロージャと、前記エンクロージャ内に位置する陽電子放出要素とを備える、項目6に記載のシステム。
(項目8)
前記プロセッサはさらに、並行して、前記放射線源ホルダから生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出し、前記患者走査領域から生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出するように構成される、項目1に記載のシステム。
(項目9)
閾値基準は、前記定常放射線源ホルダの場所から生じる陽電子放出活動を選択する空間フィルタを備え、前記空間フィルタを前記抽出された陽電子放出データに適用することが、前記陽電子放出活動が前記定常放射線源ホルダの場所と共存しないことを示すとき、異常信号が、生成される、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記空間フィルタは、ユーザ調節可能である、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記プロセッサはさらに、患者治療計画を使用して、前記空間フィルタの幾何学形状を自動的に調節するように構成される、項目9に記載のシステム。
(項目12)
前記陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、撮像平面を画定し、前記療法用放射線源のビームは、治療平面を画定し、前記撮像平面および前記治療平面は、同一平面にある、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記定常放射線源ホルダは、前記撮像平面および前記治療平面と同一平面にある、項目12に記載のシステム。
(項目14)
前記定常放射線源ホルダは、前記放射線源の形状と対応する形状を有する溝を備える、項目5-7のいずれか1項に記載のシステム。
(項目15)
閾値基準は、第1の時間差を伴って検出された閾値数の同時発生光子事象を備え、
前記プロセッサは、前記時間差を伴って検出された同時発生光子事象の実際の数のプロットを生成するように構成され、
前記時間差を伴って生じる前記同時発生光子事象の実際の数が、前記閾値数を超えないとき、異常信号が、生成される、項目1に記載のシステム。
(項目16)
閾値基準は、閾値真/ランダム比値を備え、
前記プロセッサは、第1の一致時間窓と重複しない第2の一致時間窓内で生じる同時発生光子事象の実際の数に対する約0nsを中心とする第1の一致時間窓内で生じる同時発生光子事象の実際の数の比を生成するように構成され、
前記比が前記閾値真/ランダム比値を超えない場合、異常信号が、生成される、項目15に記載のシステム。
(項目17)
前記閾値真/ランダム比値は、約1である、項目16に記載のシステム。
(項目18)
閾値基準は、前記陽電子放出検出器の第1のアレイの第1のガントリ場所において、約2.5nsの第1の検出時間差を伴って検出されるべき同時発生光子事象の第1の予期される数と、前記第1のガントリ場所から180°の前記陽電子放出検出器の第1のアレイの第2のガントリ場所において、約2.5nsの検出時間差を伴って検出されるべき同時発生光子事象の第2の予期される数とを備え、
前記プロセッサは、前記陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイによって検出された陽電子放出データに基づいて、360°ガントリ回転にわたって、-5ns~+5nsの一致時間窓内で検出された同時発生光子事象の実際の数のプロットを生成するように構成され、
前記陽電子放出検出器の第1のアレイの第1のガントリ場所において、約2.5nsの検出時間差を伴って検出された同時発生光子事象の実際の数が、前記第1の予期される数を満たさず、または超えず、前記陽電子放出検出器の第1のアレイの第2のガントリ場所において、約2.5nsの検出時間差を伴って検出された同時発生光子事象の実際の数が、前記第2の予期される数を満たさない、または超えないとき、異常信号が、生成される、項目1に記載のシステム。
(項目19)
閾値基準は、360°ガントリ回転にわたって、各ガントリ場所において、前記第1のアレイおよび第2のアレイの各陽電子放出検出器によって検出されるべき同時発生光子事象の予期される数を備え、
前記プロセッサは、前記陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイによって検出された陽電子放出データを使用して、360°ガントリ回転にわたって、各ガントリ場所において、前記第1のアレイおよび第2のアレイの各陽電子放出検出器によって検出される同時発生光子事象の実際の数を計算するように構成され、
前記同時発生光子事象の実際の数と、前記同時発生光子事象の予期される数との間の差異が、少なくとも1つの陽電子放出検出器に関して、所定の差異閾値を超えるとき、異常信号が、生成される、項目1に記載のシステム。
(項目20)
前記プロセッサが、前記定常放射線源ホルダから生じる陽電子放出活動を表す任意の陽電子放出データを検出しないとき、異常信号が、生成される、項目1に記載のシステム。
(項目21)
閾値基準は、ピーク閾値を上回る同時発生511keV光子事象計数を伴うエネルギー分解能スペクトルを備え、前記陽電子放出データから生成されたエネルギー分解能スペクトルが、前記ピーク閾値を上回る511keV光子事象計数を有していないとき、異常信号が、生成される、項目1に記載のシステム。
(項目22)
ディスプレイをさらに備え、前記プロセッサは、視覚的インジケータを生成し、前記視覚的インジケータを前記ディスプレイに伝送するように構成され、前記視覚的インジケータは、異常信号が不在の第1の外観と、異常信号が生成されるときの前記第1の外観と異なる第2の外観とを有する、項目1に記載のシステム。
(項目23)
撮像アセンブリであって、
ガントリであって、前記ガントリは、回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイと、前記検出器の第1のアレイに対向する回転可能陽電子放出検出器の第2のアレイとを備える、ガントリと、
筐体であって、前記筐体は、前記ガントリにわたって配置され、ボアと、前記ボア内の患者走査領域から離間される定常放射線源とを備え、前記定常放射線源は、前記筐体内または前記筐体の表面上に位置する、筐体と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、陽電子放出経路データを前記回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、前記定常放射線源から生じる陽電子放出経路データを分類し、前記定常放射線源陽電子放出経路データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサと
を備える、撮像アセンブリ。
(項目24)
陽電子消滅事象によって放出される一対の光子は、陽電子放出経路を生成し、前記プロセッサは、時間閾値パラメータ範囲内の対の光子の受信時間間の差異を使用して、前記定常放射線源から生じる前記陽電子放出経路データを分類するように構成される、項目23に記載のアセンブリ。
(項目25)
前記閾値パラメータは、場所偏位閾値であり、前記プロセッサは、前記対の光子の受信時間差に基づいて、前記定常放射線源を位置特定し、前記定常放射線源の場所が、前記場所偏位閾値を超えるとき、前記異常信号を生成するように構成される、項目24に記載のアセンブリ。
(項目26)
陽電子消滅事象によって放出される一対の光子は、陽電子放出経路を生成し、前記閾値パラメータは、時間差範囲であり、前記プロセッサは、前記対の光子の受信時間間の差異が、前記時間差範囲外であるとき、前記異常信号を生成するように構成される、項目25に記載のアセンブリ。
(項目27)
撮像アセンブリであって、
ガントリであって、前記ガントリは、陽電子放出検出器の第1のアレイと、前記検出器の第1のアレイに対向する陽電子放出検出器の第2のアレイとを備える、ガントリと、
前記ガントリに結合される筐体であって、前記筐体は、ボアおよび前記ボアを中心とする環状放射線源を備える、筐体と、
プロセッサであって、前記プロセッサは、陽電子放出データを前記陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、前記環状放射線源からの陽電子放出データを区別し、前記環状放射線源からの陽電子放出データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサと
を備える、撮像アセンブリ。
(項目28)
前記プロセッサはさらに、並行して、前記環状放射線源からと、前記ボア内の患者走査領域からとの陽電子放出データを分類するように構成される、項目27に記載のアセンブリ。
(項目29)
前記プロセッサはさらに、前記環状放射線源からと、前記患者走査領域からとの陽電子放出データを区別するための空間フィルタとともに構成される、項目28に記載のアセンブリ。
(項目30)
前記検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、定常である、項目27に記載のアセンブリ。
(項目31)
前記検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、回転可能である、項目27に記載のアセンブリ。
(項目32)
撮像アセンブリであって、
ガントリであって、前記ガントリは、回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイと、前記検出器の第1のアレイに対向する回転可能陽電子放出検出器の第2のアレイとを備える、ガントリと、
1つ以上の放射線源ホルダであって、前記1つ以上の放射線源ホルダは、前記1つ以上の放射線源ホルダが、前記検出器の第1のアレイおよび前記第2のアレイに対して固定されるように、前記ガントリに結合される、1つ以上の放射線源ホルダと、
プロセッサであって、前記プロセッサは、陽電子放出データを前記回転可能陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイから受信し、前記1つ以上の放射線源ホルダからの陽電子放出データを区別し、前記1つ以上の放射線源ホルダからの陽電子放出データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成するように構成される、プロセッサと
を備える、撮像アセンブリ。
(項目33)
前記ガントリは、ボアを備え、前記ボアは、前記1つ以上の放射線源ホルダから離間される患者走査領域を備え、前記プロセッサはさらに、前記ボア内の患者走査領域からの陽電子放出データを区別するように構成される、項目32に記載のアセンブリ。
(項目34)
前記1つ以上の放射線源ホルダは、少なくとも4つの放射線源ホルダを備える、項目31に記載のアセンブリ。
(項目35)
前記対応する1つ以上の放射線源ホルダによって保持される1つ以上の放射線源をさらに備え、前記1つ以上の放射線源は、約1μCi~300μCiの放射能と、約511keVのエネルギーとを備える、項目31に記載のアセンブリ。
(項目36)
前記対応する1つ以上の放射線源ホルダによって保持される1つ以上の放射線源をさらに備え、前記1つ以上の放射線源は、円筒形、球形、およびリングから成る群から選択される形状を備える、項目32に記載のアセンブリ。
(項目37)
撮像方法であって、
陽電子放出検出器の第1のアレイと、前記検出器の第1のアレイに対向する陽電子放出検出器の第2のアレイとを使用して、同時陽電子放出データを患者および前記患者から離間される較正源から受信することと、
前記患者からと、前記較正源からとの陽電子放出データを区別することと、
前記較正源からの陽電子放出データを使用して、較正データを生成することと、
前記患者からの陽電子放出データを使用して、患者データを生成することと、
前記較正データが、閾値パラメータを超えるとき、異常信号を生成することと
を含む、方法。
(項目38)
前記患者からと、前記較正源からとの陽電子放出データを区別することは、前記陽電子放出データを空間的にフィルタ処理することを含む、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記空間フィルタ処理を適用する前に、前記空間フィルタ処理を調節することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目40)
前記空間フィルタ処理を調節することは、患者治療計画を使用して実施される、項目39に記載の方法。
(項目41)
前記陽電子放出データの空間フィルタ処理は、較正領域および患者領域の外に位置する前記陽電子放出データを除外することを含む、項目38に記載の方法。
(項目42)
前記同時陽電子放出データを受信することは、前記異常信号を生成することと並行して生じる、項目37に記載の方法。
(項目43)
放射線源を使用して前記患者を治療することと並行して、前記患者からと、前記較正源からとの同時陽電子放出データを受信することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目44)
前記異常信号を生成することに応答して、前記放射線源を使用した前記患者の治療を停止することをさらに含む、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記異常信号の生成に基づいて、前記陽電子放出検出器のうちの1つ以上のものを非アクティブ化することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目46)
前記異常信号の生成に基づいて、前記検出器の第1のアレイおよび第2のアレイのうちの最大3つのものを非アクティブ化することをさらに含み、前記異常信号は、前記検出器のうちの最大3つのものにおける異常を備える、項目37に記載の方法。
(項目47)
前記異常信号の生成に基づいて、前記検出器の全てのものを非アクティブ化することをさらに含み、前記異常信号は、前記検出器のうちの4つ以上のものにおける異常を備える、項目37に記載の方法。
(項目48)
前記較正データを使用して、1つ以上の陽電子放出検出器を較正することをさらに含む、項目37に記載の方法。
(項目49)
前記陽電子放出データは、前記検出器の患者撮像視野と交差しない応答系統に対応し、前記患者撮像視野は、患者走査領域を備える、項目37に記載の方法。
(項目50)
前記異常信号の生成に基づいて、前記検出器に結合される陽電子放出検出器較正監視システムを検証することをさらに含む、項目37に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A図1Aは、放射線療法アセンブリの変形例のブロック図である。図1Bは、図1Aに描写される放射線療法アセンブリの概略断面図である。
図1B図1Aは、放射線療法アセンブリの変形例のブロック図である。図1Bは、図1Aに描写される放射線療法アセンブリの概略断面図である。
【0022】
図2A図2A-2Bは、放射線療法アセンブリの変形例の例証的断面図である。
図2B図2A-2Bは、放射線療法アセンブリの変形例の例証的断面図である。
【0023】
図3図3は、放射線療法アセンブリの別の変形例の例証的断面図である。
【0024】
図4図4は、放射線療法アセンブリのさらに別の変形例の例証的断面図である。
【0025】
図5A図5A-5Bは、異常検出のための方法の変形例の例証的フローチャートである。
図5B図5A-5Bは、異常検出のための方法の変形例の例証的フローチャートである。
【0026】
図6A図6A-6Bは、それぞれ、較正源の一変形例の正面および部分的断面側面図である。
図6B図6A-6Bは、それぞれ、較正源の一変形例の正面および部分的断面側面図である。
【0027】
図7A図7Aは、較正源を備えるシステムの一変形例の例証的概略図である。
【0028】
図7B図7B-7Cは、それぞれ、較正源を保定する搭載部の一変形例の立面斜視および上面図である。
図7C図7B-7Cは、それぞれ、較正源を保定する搭載部の一変形例の立面斜視および上面図である。
【0029】
図8A図8A-8Cは、種々の一致時間窓にわたる同時発生光子事象計数のヒストグラムプロットの実施例である。
図8B図8A-8Cは、種々の一致時間窓にわたる同時発生光子事象計数のヒストグラムプロットの実施例である。
図8C図8A-8Cは、種々の一致時間窓にわたる同時発生光子事象計数のヒストグラムプロットの実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に説明されるのは、放射線療法治療セッションの間、PET検出器パラメータおよび品質計測量を監視するための放射線療法および/または撮像システムおよび方法である。これらのシステムおよび方法はまた、治療セッションと別個の較正のために使用されてもよい。従来のPET検出器較正監視は、患者放射線療法治療および/または撮像セッション間の時間周期に限定される。例えば、システム上の既知の場所における放射線点源が、QA手順のために、空寝台上のPET検出器によって撮像されてもよい。QA手順が完了した後、患者は、寝台上に横たわらせられ、放射線療法治療および/または撮像を受けてもよい。患者手順と別個に実施される、従来のQAは、患者スループットを低減させ、放射線療法治療および/または撮像手順の間のPET検出器の精度および/または正確度を監視しない。
【0031】
概して、本明細書に説明されるシステムおよび方法は、患者画像走査および/または放射線療法治療の間、陽電子放出検出器のアレイのための時間較正のリアルタイム監視を補助し得る。不適切に較正された、または較正が使用の間に変化した、および/または別様に異常であった(例えば、残光効果、誤作動等に起因して)、PET検出器は、正しくない陽電子放出場所データを生成し得、これは、ひいては、放射線療法治療および/または患者撮像の品質に影響を及ぼし得る。機械パラメータの変化または較正誤差は、放射線療法治療および/または撮像セッションの間、同時に、迅速に識別され得る。患者ワークフローが、任意の品質保証または較正の間に一時停止される必要がないため、これは、患者スループットを増加させ得、患者への正しくない放射線用量を低減させ得る。本明細書に説明されるような放射線療法システムは、陽電子放出検出器(例えば、PET検出器)のアレイと、較正源(例えば、放射線源)を事前に決定された(例えば、基準)場所に保持するための較正源ホルダとを含んでもよい。事前に決定された予期される場所は、陽電子放出検出器を使用するシステムによって計算される、較正源の実際の算出された場所と比較されてもよい。場所が、規定された範囲内または閾値パラメータ内に該当しない場合、検出器のうちの1つ以上のものは、較正外および/または異常であり得、本システムは、陽電子放出データに基づいて、例えば、検出器を非アクティブ化する、および/または撮像および/または放射線療法治療を中止することによって、応答してもよい。本システムおよび方法は、したがって、患者への正しくない放射線用量を防止するための安全機構を提供し得る。いくつかの変形例では、説明される撮像システムおよび方法はさらに、PET検出器の温度等の他のパラメータを監視するように構成される、PET検出器較正監視システムを備えてもよい。PET検出器較正異常信号の生成は、PET検出器較正監視システムによって検出されるPET検出器の温度で確証されてもよい。いくつかの変形例では、異常信号と検出されたPET検出器温度との間の相違は、PET検出器較正監視システム内の異常を示し得る。
【0032】
いくつかの変形例では、撮像システムおよび方法は、高エネルギー光子送達のために有用な放射線療法システムと併用されてもよい。放射線治療アセンブリは、放出誘導放射線療法のために有用であり得、患者腫瘍領域に局在化されるマーカまたはトレーサからのガンマ線が、検出され、放射線を腫瘍に指向するために使用され得る。概して、本明細書に説明される放射線療法システムは、陽電子放出検出器および放射線治療源(例えば、MV X線源)がガントリ上に搭載される、回転ガントリ等の可動ガントリを備えてもよい。陽電子放出検出器は、回転ガントリ上に搭載されてもよく、陽電子放出データ(例えば、腫瘍組織内に優先的に蓄積する、PETトレーサからの放出)を入手してもよく、放射線治療源は、放射線用量を検出器データおよび治療計画によって誘導される患者に送達してもよい。陽電子放出検出器が較正外にあることの決定に応答して、さらなる放射線用量の送達は、防止され、したがって、安全性を増加させ、患者への潜在的有害性を低減させ得る。
【0033】
PET検出器時間較正および/または異常検出のための較正源(例えば、放射線源)は、コンパクトであって、患者および/またはオペレータへの付加的放射線暴露を最小限にしながら、リアルタイム較正のために十分な放射能を生成し得る。例えば、放射線源は、陽電子放出検出器間に位置し(例えば、ガントリ筐体内および/またはガントリのボア内に位置する)、患者から空間的に分離され、雑音(例えば、宇宙線)と区別可能であるための同時発生光子事象を引き起こす十分な陽電子を放出し得る。いくつかの変形例では、較正源は、ボアの上部部分および/または底部部分上において、回転可能ガントリの(定常)筐体内またはその表面上に位置してもよい。例えば、較正源は、回転可能ガントリの筐体の表面上に位置し、陽電子放出検出器と同一平面にあってもよい。すなわち、陽電子放出検出器は、ボアの断面スライスに沿って、撮像平面を画定してもよく、較正源は、そのスライスと同一平面にあるように、筐体上(例えば、上部または0°、または底部または180°、左側または270°、右側または90°等、ボアの任意の円周方向場所)に位置してもよい。さらに、較正源ホルダは、放射線源を、陽電子消滅事象から生じる光子の少なくとも一部が、患者走査または治療領域と交差しない、線形放出経路(例えば、LOR)に沿って進行し得るような場所に保定してもよい。故に、較正源放出データおよび患者放出データから導出される、較正源および患者の計算された場所は、空間的に分離され得る。例えば、較正源ホルダ(およびホルダ内に保定された放射線源)の場所は、患者走査または治療面積と共存されない。
【0034】
陽電子放出検出器の精度および/または機能性は、較正源の計算された場所と、較正源の基準場所または場所範囲を比較することによって、監視されてもよい。例えば、同時発生光子放出時間オフセットを含む、較正データが、基準時間オフセットと比較され、計算された場所と較正源の基準場所または場所範囲との間の差異を算出してもよい。閾値パラメータを超える差異は、PET検出器の異常信号を生成し得る。いくつかの変形例では、異常検出は、陽電子放出検出器が回転する間、定常較正源を使用して実施されてもよい。他の変形例では、較正源は、環状形状を備えてもよい。さらに他の変形例では、陽電子放出検出器および較正源は、相互に対して固定され、ガントリのボアを中心として回転してもよい。例えば、PET検出器および較正源は、回転可能ガントリに搭載されてもよい。
【0035】
(I.システム)
(放射線治療アセンブリ)
本明細書に開示されるのは、PET検出器機能および/または時間較正を監視しながら、高エネルギー光子を患者の着目領域(ROI)に送達するためのシステムである。図1Aは、高エネルギー光子送達およびリアルタイムPET検出器異常検出のための放射線治療アセンブリ(100)のブロック図を図示する。アセンブリ(100)は、陽電子放出(PET)検出器(112)と、撮像放射線源(114)と、撮像検出器(116)と、治療放射線源(118)と、マルチリーフコリメータ(120)と、治療放射線検出器(122)とを含む、ガントリ(110)を含んでもよい。ガントリ(110)は、ガントリ(110)の縦軸を中心として回転する、回転可能ガントリ等の可動ガントリであってもよい。例えば、治療放射線源(118)は、持続的に回転可能なガントリ上に配置され、放射ビームを1つ以上のガントリ角度で生成してもよい。いくつかの変形例では、ガントリ(110)は、リングガントリを備えてもよく、および/またはボアを中心として回転可能であって、ボアの縦軸と平行な回転軸を有してもよい。他の変形例では、ガントリ(110)は、Cアーム形状を備えてもよい。PET検出器(112)は、ガントリ(110)の患者走査または治療領域内(例えば、ボア内)で生成された陽電子放出データ(例えば、陽電子消滅事象によって放出される一対の511keV光子)を検出するための任意の数および構成を備えてもよい。例えば、対向対のPET検出器は、一対の高エネルギー511keV光子を検出し得、光子対間のタイミング差は、光子の飛行時間(TOF)に基づいて、光子放出原点の場所(すなわち、陽電子消滅事象の場所)を計算するために使用されてもよい。陽電子放出検出器(112)は、例えば、オルトケイ酸ルテチウム(LSO)、オルトケイ酸ルテチウムイットリウム(LYSO)、および臭化ランタン(LaBr)のうちの1つ以上のものを備える、シンチレーション検出器を備えてもよい。検出器は、ガントリ(110)の円周の少なくとも一部に沿って配置され、相互に略反対に位置してもよい。陽電子放出検出器(112)は、ボアの長さに沿って治療放射線源(118)およびマルチリーフコリメータ(120)と同一場所に位置してもよい(例えば、同一断層撮影スライスに沿って)。例えば、陽電子放出検出器は、ボアの断面スライスに沿って、撮像平面を画定してもよく、治療放射線源は、その照射平面または照射野が、そのスライスと同一平面にあるように、ガントリ上に位置してもよい。すなわち、治療放射線源およびPET検出器は、同一平面にあってもよい(例えば、両方とも、治療放射線源のビーム平面が、PET検出器の検出平面と同一平面にあるように配列される、回転可能リング上に搭載される)、または両方とも、ボアに沿って、同一縦方向場所に位置してもよい(撮像放射線源によって生成された放射ビーム平面が、療法用放射線源によって生成された放射ビーム平面と同一平面にあり得るように)。
【0036】
回転機構(124)が、ガントリ(110)に結合され、約10回転毎分(RPM)~約70RPMでガントリ(110)を回転させるように構成されてもよい。いくつかの変形例では、回転機構(124)は、検出器(112)、撮像放射線源(114)、撮像検出器(116)、治療放射線源(118)、マルチリーフコリメータ(120)、および治療放射線検出器(122)が、ガントリ(110)の回転軸を中心として回転し得るように、ガントリ(110)を回転させてもよい。いくつかの変形例では、検出器(112)は、ガントリ(110)を中心として回転してもよい一方、他の変形例では、検出器(112)は、定常であってもよい。
【0037】
撮像放射線源(114)および対応する撮像検出器(116)は、患者画像データ(例えば、CT画像、MR画像)を生成するために使用されてもよく、いくつかの変形例では、kV源およびkV検出器を備えてもよい。患者画像データは、患者を位置合わせし(例えば、患者の場所を放射線治療アセンブリ構成要素に対して識別する)、および/または患者への治療放射線送達の送達を補助するために使用されてもよい。治療放射線源(118)は、治療放射線用量をガントリのボア内の患者に送達してもよく、例えば、線形加速器(線形加速器)およびマグネトロン(例えば、MV X線源)を備えてもよい。治療放射ビームは、治療放射線源(118)に結合されるビーム成形アセンブリによって成形され、複数のガントリ角度からの複数の放射ビーム出力を使用して、事前に規定された放射線用量をROIに送達する。例えば、ビームアセンブリは、治療放射線源(118)に結合される、マルチリーフコリメータ(120)を備えてもよく、患者に送達される治療放射ビームを成形するために、治療放射ビーム経路内に位置してもよい。マルチリーフコリメータ(120)は、複数のリーフと、独立して、リーフを1つ以上の軸(例えば、X-軸、Y-軸)内で移動(例えば、開閉)させるように構成される、対応する作動機構とを備えてもよい。例えば、マルチリーフコリメータ(120)は、バイナリマルチリーフコリメータであってもよい。治療放射線検出器(122)(例えば、MV検出器)は、治療放射線源(118)に対向してもよい。治療放射線検出器は、治療放射ビーム経路に沿って位置してもよく、治療放射線データを入手してもよい。陽電子放出検出器(112)は、それらが治療放射ビーム経路内にないように配列されてもよい。治療放射線源(118)は、任意のタイプの電離放射線、例えば、光子放射線(例えば、X線およびガンマ線)および/または粒子放射線(例えば、電子、陽子、中性子、炭素イオン、アルファ粒子、およびベータ粒子)を生成してもよい。いくつかの変形例では、撮像放射線源(114)および治療放射線源(118)は、別個の構成要素(例えば、線形加速器、ビームコンバータアセンブリ)を有してもよい一方、他の変形例では、源(114、118)は、1つ以上の構成要素を共有してもよい(例えば、同一ビームコンバータアセンブリを共有する)。
【0038】
アセンブリ(100)はさらに、較正源(132)、プロセッサ(140)、メモリ(142)、および患者支持体(150)を保持するように構成される、筐体(130)を含んでもよい。図1Bは、図1Aに描写される放射線治療アセンブリ(100)の非限定的概略実施例であって、較正源(132)は、図1Bに図示されない。筐体(130)は、ガントリ(110)を包囲し、障壁を患者(160)とガントリ(110)との間に提供してもよい。例えば、筐体(130)は、ガントリ(110)に結合され、患者支持体(150)(例えば、寝台)と陽電子放出検出器(112)との間に提供されてもよい。ガントリ(110)は、回転してもよい一方、筐体(130)は、定常のままである。筐体(130)は、その中に患者(160)および患者支持体(150)が配置され得る、ボア(134)または開口部を備えてもよい。例えば、患者支持体(150)上に配置される、患者(160)は、筐体(130)のボア(134)の内外に移動されてもよい。
【0039】
較正源(132)は、検出器(112)が、患者および/またはオペレータを有意な付加的放射線に暴露させずに、リアルタイムで(例えば、患者画像走査および/または患者治療セッションの間)較正源を位置特定するために十分な放射線を生成するように構成される、放射線源であってもよい。いくつかの変形例では、較正源は、22-Na、68-Ge、68-Ga、および同等物等の1つ以上の同位体を備える、陽電子放出材料を備えてもよい。放出される陽電子は、消滅事象において、電子と衝突し、線形経路(例えば、応答系統またはLOR)に沿って進行する、ガンマ線(例えば、一対の直径方向に対向する光子)を生成し得る。検出された光子対は、それらが、所定の時間窓(例えば、一致時間窓)内で対向陽電子放出検出器(112)によって検出される場合、一致事象として分類される。検出器は、検出場所および受信時間を記録する。一対の一致光子間の受信時間差は、飛行時間(TOF)と称され、LORに沿った陽電子消滅事象の原点を決定するために使用され得る。TOF測定は、不確実性を呈し、検出器(112)のタイミング分解能に対応する。本陽電子消滅事象における不確実性およびタイミング分解能は、確率分布(例えば、ガウス分布)または関連パラメータによって表される、または特徴付けられ得、これはさらに、TOF測定から導出される場所のガウス分布の半値全幅(FWHM)によって特徴付けられ得る。
【0040】
いくつかの変形例では、較正源(132)は、約1μCi~300μCiの放射能、例えば、約2μCi、約100μCiを備えてもよい。故に、較正源(132)は、陽電子放出検出器(112)が陽電子放出データを受信し、プロセッサ(140)がPET検出器較正を監視する(例えば、時間オフセットデータを使用して、較正源(132)の陽電子放出を患者(160)の放出から区別する)ことを可能にするために十分な陽電子/秒(例えば、消滅事象)を放出し得る。較正源の陽電子放出率は、既知であり得、放出率(および随意に、陽電子消滅率)は、コントローラプロセッサによって、陽電子放出検出器が異常である、および/または適切に較正されているかどうかを決定するために使用されてもよい。例えば、陽電子放出検出器によって測定されるようなLOR検出率は、較正源の既知の陽電子放出率と比較されてもよい。LOR検出率(すなわち、LORが較正源および/または較正源ホルダの既知の場所と交差するため、較正源に属し得る、LORおよび/または同時発生光子事象)が、規定された許容度閾値だけ既知の陽電子放出率(および/または既知の陽電子放出率に基づいて計算される予期されるLOR放出率)を上回るまたはそれ未満である場合、プロセッサは、通知をユーザに生成し、LOR検出率が予期される率と異なることを示してもよい。随意に、コントローラプロセッサは、ユーザが、陽電子放出検出器が適切に機能している、および/または較正されていることを検証し得るまで、治療放射線送達を休止するまたは停止する、インタロック信号を生成してもよい。
【0041】
較正源(132)の形状は、特に、限定されず、円筒形、球形、リング、ロッド、ディスク、ライン源等の任意の幾何学的形状を備えてもよい。一変形例では、較正源は、筐体またはエンクロージャと、エンクロージャ内に位置する、放射性(例えば、陽電子放出)要素とを備えてもよい。筐体またはエンクロージャは、ディスク形状であって、および/またはMylar、Teflon、エポキシ、および/またはガラス等の非放射性または不活性材料から作製されてもよい。放射性要素は、筐体またはエンクロージャ内に埋設されてもよい。いくつかの変形例では、放射性要素は、ペレット、ビーズ、シード、カプセル、液滴、ゲル等であってもよい。較正源(132)は、較正源(132)が、ガントリ(110)の長さに沿って、PET検出器(112)と同一場所に位置する、すなわち、PET検出器と同一平面にある限り、任意の方向に配向されてもよい。例えば、ロッド形状またはライン源形状の較正源が、ガントリ(110)の縦軸と平行に配列されてもよい。いくつかの変形例では、較正源(132)は、約0.25インチ~約3インチ、例えば、約1インチ、約2インチの最大寸法を伴う形状を備えてもよい。いくつかの変形例では、較正源(132)は、それぞれ、ある量の陽電子放出トレーサを含有する、1つ以上の陽電子放出カプセルを備えてもよく、各カプセルは、約2cmの最大寸法を有する。いくつかのカプセルは、約300μm以下の最大寸法を有してもよい。例えば、較正源は、約1インチの直径、約0.25インチの厚さを伴う、ディスク形状エンクロージャと、約0.039インチ(例えば、約1mm)の直径を伴う、放射性カプセルとを備えてもよい。放射性カプセルは、ディスクの厚さを通して約半分まで、ディスクの中心において、エンクロージャ内のエポキシウェル内に埋設されてもよい。比較的に小さい(例えば、約2cm未満、約1000μm未満、約500μm未満、約300μm未満等)、陽電子放出カプセルまたは較正源は、より容易に含有または隔離され得(望ましくない汚染を防止するため)、比較的により長い半寿命(例えば、約2年以上、約2.6年)を有し得る。較正源は、線形構成に配列され、および/またはボア(134)を中心として半径方向に分散される、陽電子放出カプセルのアレイを備えてもよい。例えば、較正源は、ボアの上部(例えば、0°)、ボアの底部(例えば、180°)、またはボアを中心とした任意の半径方向または角度位置(例えば、90°、270°、30°、120°、60°、150°、200°、300°等)に位置してもよい。いくつかの変形例では、複数の較正源は、ボアを中心とした半径方向および/または両側に対称の場所に位置してもよい(例えば、0°、90°、180°、および270°における4つの源、0°および180°における2つの源、30°、150°、210°、330°における4つの源等)。較正源(132)は、ボアまたは患者面積を中心とした第1の場所における第1の陽電子放出カプセルと、第1の陽電子放出カプセルから(例えば、約180度)横断した第2の場所における第2の陽電子放出カプセルとを備えてもよい。代替として、または加えて、第1の陽電子放出カプセルは、PET検出器の第1のアレイの第1の端部に位置し、第2の陽電子放出カプセルは、PET検出器の第1のアレイの第2の端部に位置し、第3の陽電子放出カプセルは、PET検出器の第2のアレイの第1の端部に位置し、第4の陽電子放出カプセルは、PET検出器の第2のアレイの第2の端部に位置してもよい。より一般的には、較正源の陽電子放出カプセルは、ガントリの患者面積またはボアの外に位置してもよい。較正源(132)または陽電子放出カプセルは、放射性部分と、放射性部分を封入する、非放射性筐体とを備えてもよい。一変形例では、非放射性筐体は、ディスク形状であってもよく、放射性部分は、球状であって、ディスクの中心に位置してもよい。別の変形例では、リング形状の放射線部分が、ディスク形状の非放射性筐体内に配置されてもよい。さらに別の変形例では、非放射性筐体は、円筒形であってもよく、放射性部分は、例えば、円筒形の端部に位置する、離間されたウェル内に配置されてもよい。
【0042】
いくつかの変形例では、患者支持体(150)(例えば、寝台)は、支持表面と、アセンブリ(100)内の患者の位置付けの制御のための基部(図示せず)とを備えてもよい。基部は、地面に固定されてもよく、支持表面は、支持表面が、ガントリ(110)のボアの内外に移動され得るように、基部に結合されてもよい。患者は、アセンブリ(100)によって撮像および/または治療されるための支持表面上に配置されてもよい(例えば、患者は、患者支持体(150)上に平坦に横たわる)。
【0043】
プロセッサ(140)は、メモリ(142)および陽電子放出検出器(112)から受信されるデータを組み込み、検出された放出データに基づいて、較正源(132)の場所を算出してもよい。計算された場所に基づいて、陽電子放出データは、較正源および患者走査領域のうちの1つから生じるものとして分類されてもよい。メモリ(142)はさらに、プロセッサ(140)に、異常検出および安全性(例えば、1つ以上のシステム構成要素の非アクティブ化、放射線療法治療の停止、システムステータスの出力等)等のシステム(100)と関連付けられたモジュール、プロセス、および/または機能を実行させるための命令を記憶してもよい。例えば、メモリ(142)は、較正源(132)の場所データ、1つ以上の閾値パラメータ、患者治療計画、1つ以上の空間フィルタ、陽電子放出データ(例えば、陽電子放出経路データ)、較正データ、患者データ、およびオペレータ入力を記憶するように構成されてもよい。
【0044】
メモリ(142)は、放射性源ホルダ内に保持される、放射性源の場所を記憶してもよい。プロセッサ(140)は、命令またはコードのセットを起動および/または実行するように構成される、任意の好適な処理デバイスであってもよい。プロセッサは、例えば、汎用プロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、および/または同等物であってもよい。プロセッサは、システムおよび/またはそれと関連付けられたネットワーク(図示せず)と関連付けられたアプリケーションプロセスおよび/または他のモジュール、プロセス、および/または機能を起動および/または実行するように構成されてもよい。下層デバイス技術が、種々の構成要素タイプ、例えば、相補的金属酸化物半導体(CMOS)のような金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)技術、エミッタ結合論理(ECL)のようなバイポーラ技術、ポリマー技術(例えば、シリコン共役ポリマーおよび金属共役ポリマー金属構造)、混合アナログおよびデジタル、および/または同等物に提供されてもよい。
【0045】
メモリ(142)は、データベース(図示せず)を含んでもよく、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、動的ランダムアクセスメモリ(DRAM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、メモリバッファ、ハードディスクドライブ、光学ディスク、磁気テープ、消去可能プログラマブル読取専用メモリ(EPROM)、電気的に消去可能な読取専用メモリ(EEPROM)、読取専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ(SSD)、メモリカード等であってもよい。メモリ(142)は、プロセッサ(140)に、異常検出等のシステム(100)と関連付けられたモジュール、プロセス、および/または機能を実行させるための命令を記憶してもよい。
【0046】
システム(100)は、例えば、それぞれ、任意のタイプのネットワークであり得る、1つ以上のネットワークを介して、他のデバイス(図示せず)と通信してもよい。無線ネットワークは、任意の種類のケーブルによって接続されない、任意のタイプのデジタルネットワークを指し得る。無線ネットワーク内の無線通信の実施例として、限定ではないが、セルラー、無線、およびマイクロ波通信が挙げられる。しかしながら、無線ネットワークは、インターネット、他のキャリア音声およびデータネットワーク、ビジネスネットワーク、およびパーソナルネットワークとインターフェースをとるために、有線ネットワークに接続してもよい。有線ネットワークは、典型的には、銅ツイストペア、同軸ケーブル、または光ファイバケーブルを経由して搬送される。広域ネットワーク(WAN)、都市規模ネットワーク(MAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネットエリアネットワーク(IAN)、キャンパスエリアネットワーク(CAN)、インターネットのようなグローバルエリアネットワーク(GAN)、および仮想プライベートネットワーク(VPN)を含む、多くの異なるタイプの有線ネットワークが、存在する。以降、ネットワークは、典型的には、インターネットを通して相互接続され、統一されたネットワーキングおよび情報アクセスソリューションを提供する、組み合わせられた無線、有線、パブリック、およびプライベートデータネットワークの任意の組み合わせを指す。本システムは、患者診断または療法データだけではなく、また、機械較正データ(例えば、較正データ)およびQCデータを、例えば、米国放射線学会、医療施設認定合同機構、英国認証機関認定審議会(UKAS)、および欧州核医学会議のEARLプログラム等の認定機関によって使用される、患者の電子保健医療記録および/または電子記録システムに提供するように構成されてもよい。
【0047】
(較正源)
下記に詳細に説明されるように、放射線療法アセンブリの較正源は、アセンブリに対していくつかの構成および/または場所を備えてもよい。本明細書で使用されるように、較正源は、患者への用量を最小限にしながら、検出器時間較正を監視するために十分な陽電子をPET検出器の視野内に放出する物質を備える、放射線源であってもよい。例えば、図2-4に関して説明される放射性源は、陽電子消滅事象毎に、511keVのエネルギーを伴う光子を放出してもよい。他の変形例では、較正源の放射性源は、異なるエネルギーレベルを有する放射線を放出する、物質を備えてもよい。較正源は、較正源から生じる少なくともいくつかの応答系統が、ガントリのボア内に配置される患者および/または患者支持体と交差しないように、放射線治療アセンブリ上に位置してもよい。すなわち、較正源は、対向陽電子放出検出器間に提供され、患者および/または患者支持体によって妨害されない、少なくとも1つのラインと交差し得る(但し、ラインは、ガントリ筐体等の他の構造を通して通過してもよい)。例証的実施例として、較正源は、患者支持体の少なくとも約20cm上方の場所においてガントリに結合される、筐体に沿って配置されてもよい。較正源と患者との間の空間分離は、較正源および患者の計算された場所における誤差を低減させ得る。1つ以上の陽電子放出検出器に関する異常信号は、較正源の陽電子放出データを使用して生成されてもよい。本システムは、異常信号に対して適切に応答し得る(例えば、検出器ステータスを出力する、異常検出器を非アクティブ化する、および/または治療を停止する)。
【0048】
較正放射線源の一変形例が、図6A-6Bに描写される。そこに描写されるように、較正放射線源(600)は、ディスク形状のエンクロージャまたは筐体(602)と、ディスクの中心においてエンクロージャ内に位置する、陽電子放出要素(604)とを備えてもよい。エンクロージャ(602)は、非放射性材料から作製されてもよく、その中に陽電子放出要素(604)が位置し得る、ウェル(606)を有してもよい。いくつかの変形例では、エンクロージャ(602)は、固体ディスクとして作製されてもよく、ウェル(606)は、ディスク内に作成されてもよく(例えば、随意に、点線(607)によって表されるように、ディスクの中心上に位置する)、陽電子放出要素(604)は、ウェル(606)の中に挿入されてもよく、ウェルは、次いで、エポキシ等の非放射性材料で充填されてもよい。エンクロージャ(602)の直径(601)は、約0.25インチ~約3インチ、例えば、約1インチ、約2インチであってもよい。厚さ(603)は、約0.1インチ~約0.5インチ、例えば、約0.25インチであってもよい。陽電子放出要素(例えば、カプセル)のサイズは、約150μm~約500μm、例えば、約200μm、約250μm、約300μm等であってもよい。陽電子放出要素(604)は、ディスクの厚さ間の半分にあるように、挿入または埋設されてもよい。例えば、陽電子放出要素(604)は、エンクロージャ(602)の片側表面からの距離(608)に位置してもよく、距離(608)は、約0.01インチ~約0.4インチ、例えば、約0.12インチ、約0.2インチ等であってもよい。
【0049】
下記に説明されるシステムは、上記の図1において描写される構成要素のそれぞれを要求しないことを理解されたい。例えば、治療放射線源(例えば、MV X線源)は、図2-4に描写されるシステム変形例内に含まれなくてもよい。図2-4に描写されるシステムは、治療放射線源を有していない、またはそれらが、説明を容易にするために省略されている治療放射線源を伴う、放射線治療システムであり得る、撮像システムであってもよい。
【0050】
(A.定常較正源)
本明細書に説明される撮像アセンブリの変形例は、リアルタイムPET検出器異常検出のために、複数の陽電子放出検出器と、定常較正源とを備えてもよい。図2A-2Bは、その上に搭載される、陽電子放出検出器の第1のアレイ(212)と、検出器の第1のアレイ(212)に対向する、陽電子放出検出器の第2のアレイ(214)とを有する、回転可能ガントリ(210)を含む、放射線治療アセンブリ(200)の断面概略図である。各検出器のアレイ(212、214)は、複数の陽電子放出検出器を備えてもよい。筐体(220)が、ガントリ(210)に結合してもよく(例えば、筐体(220)は、ガントリ(210)にわたって配置されてもよい)、筐体(220)は、その中に患者支持体(250)が配置され得る、ボア(224)を備えてもよい。各陽電子放出検出器は、それを通してその検出器が陽電子放出に対して敏感である角度である、撮像視野を有する。本明細書で使用されるように、患者走査領域(242)(例えば、患者撮像視野)は、患者(240)および/または患者支持体(250)の体積によって表され得る。すなわち、陽電子放出検出器によって検出可能な患者(240)および/または患者支持体(250)の輪郭は、患者走査領域(242)を画定し得る。患者支持体(250)は、その上に患者(240)が配置され得る、可動支持表面を備えてもよい。可動支持表面は、基部(図示せず)に結合されてもよい。
【0051】
筐体(220)は、ボア(224)内および陽電子放出検出器(212、214)の視野内の患者走査領域(242)から離間される、定常較正源ホルダ(222)および/または較正源(230)(例えば、放射線源)を備えてもよい。例えば、較正源ホルダ(222)および/または較正源(230)は、筐体(220)の表面上に位置してもよい(例えば、患者支持体(250)に面して)。例証目的のために、図2A-2Bの較正源ホルダ(222)および/または較正源(230)は、筐体(220)から患者(240)に向かって突出するが、他の変形例も、検討される。例えば、較正源ホルダ(222)および/または較正源(230)は、陥凹内または検出器の第1のアレイと第2のアレイ(212、214)との間の筐体(220)内に位置してもよい。アセンブリ(200)は、単一較正源ホルダ(222)と、較正源(230)とを備えてもよく、図2A-2Bは、説明を容易にするために、2つの較正源ホルダ(222)と、較正源(230)とを図示するが、しかしながら、いくつかの変形例では、図に描写される場所のいずれかに(例えば、ボアの上部部分のみまたは底部部分のみに)、単一較正源ホルダと、較正源とが、またはボアの周囲の付加的場所に、付加的較正源ホルダと、較正源とが存在し得ることを理解されたい。較正源ホルダ(222)は、本明細書に説明される較正源(例えば、陽電子放出放射線源)のいずれかを保持するように構成されてもよい。較正源ホルダ(222)は、限定ではないが、接着剤、閉鎖機構、および較正源ホルダ(222)と較正源(230)との間の締まり嵌めまたは機械的相互嵌合を含む、任意の公知の手段を使用して、較正源(230)を所望の場所(例えば、基準場所または場所範囲)に固着して保持してもよい。閉鎖機構は、キャップ、カバー、蓋、プラグ、ラッチ、係止部、ねじ山付きリング、およびそれらの組み合わせを含んでもよい。較正源ホルダ(222)は、較正源(230)がその有用な寿命期間後に交換され得るように、較正源(230)が筐体(220)に除去可能に結合されることを可能にし得る。
【0052】
いくつかの変形例では、較正源ホルダ(222)は、筐体(220)の表面に沿って、患者走査領域(242)から最も遠い場所に配置されてもよい。一実施例では、較正源ホルダ(222)は、筐体(220)の上部中心場所(例えば、較正源ホルダ(222)が配置される場所)に配置されてもよい。本場所は、患者(240)から最も遠く、したがって、最小量の付加的用量を較正源(230)から患者(240)に提供し得る。特に、患者支持体(250)は、患者支持体(250)上の患者(240)が、ガントリ(210)の回転軸と交差するように、ガントリ(210)の回転軸(例えば、機械的アイソセンタ軸)の下方に配置されてもよい。したがって、筐体(220)の上部中心場所から患者(240)までの距離は、筐体(220)の表面に沿った任意の他の点の距離を上回り得る。
【0053】
いくつかの変形例では、較正源ホルダ(222)は、患者支持体(250)の支持表面の上方または下方の筐体(220)の表面に沿って配置されてもよい。較正源ホルダ(222)は、患者支持体(250)の水平平面の上方および/または患者支持体(250)と垂直に配置されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、較正源ホルダ(222)は、患者走査領域(242)の上方に配置されてもよい。例えば、較正源ホルダは、患者支持体(250)の支持表面の少なくとも約20cm上方に配置されてもよい。言い換えると、筐体(220)の表面に沿って配置される、較正源ホルダ(222)は、患者(240)の最高点の上方にあってもよい。他の変形例では、較正源ホルダ(222)は、患者支持体(250)の水平平面の下方および/または患者支持体(250)と垂直に配置されてもよい。例えば、図2A-2Bに示されるように、較正源ホルダ(222)は、ボア(224)の底部中心場所に配置されてもよい。
【0054】
図2Bは、図2A内の第1の位置における検出器(212、214)に対して回転される、第2の位置における検出器の第1のアレイおよび第2のアレイ(212、214)を図示する。陽電子放出検出器(212、214)は、較正源(230)および患者(240)によって放出される、光子対を検出する。光子対は、較正源(230)から生じる応答系統(232)に沿って進行し、検出器の第1のアレイ(212)および検出器の第2のアレイ(214)に向かって延在する。較正源LOR(232)のうちの少なくとも一部は、較正源LOR(232)の少なくとも一部が、患者(240)から放出される患者応答系統(234)から空間的に分離されるように、患者走査領域(242)(例えば、患者(240)および/または患者支持体(250)を含む、検出器の患者撮像視野)と交差しない。その結果、較正源ホルダ(222)は、較正源(230)が患者(240)および/または患者支持体(250)によって妨害されない少なくとも1つのLOR(232)を形成するように位置する。図2A-2Bに図示されないが、ガントリ(210)はさらに、治療視野(260)を有する、検出器の第1のアレイと第2のアレイ(212、214)との間に、治療放射線源と、治療検出器とを備えてもよい。
【0055】
いくつかの変形例では、定常較正放射線源ホルダは、溝または陥凹をボアの内壁内に備えてもよい、または溝または陥凹をボアの内壁に取り付けられ得る構造内に備えてもよい。随意に、カバーが、溝または陥凹にわたって除去可能に配置され、較正源を溝または陥凹内に保定し、任意の取付機構(例えば、付加的な1つ以上のねじまたは締結具の使用の有無にかかわらず、スナップ嵌合、摩擦嵌合、ねじ嵌合)を介して、溝または陥凹にわたって係合されてもよい。較正源が交換されるべきとき、随意のカバーは、除去されてもよい。
【0056】
図7Aは、ボア(702)と、ボア(702)の縦軸に沿って移動可能である、患者プラットフォーム(704)とを備える、放射線治療アセンブリまたは撮像システム(700)の一変形例を描写する。システム(700)は、ボア(702)の中心軸と共線形の回転軸と、ガントリ上に搭載される、陽電子放出検出器の第1のアレイ(706a)と、陽電子放出検出器の第1のアレイ(706a)から横断して(すなわち、その反対にある)、ガントリ上に搭載される、陽電子放出検出器の第2のアレイ(706b)とを有し得る、回転可能ガントリ(図示せず)を備えてもよい。陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、ボアの平面またはスライス(708)に沿って(例えば、ボアの縦軸に直交して)位置してもよい。システム(700)が、陽電子放出検出器の第1のアレイと第2のアレイとの間の回転可能ガントリ上に搭載される治療放射線源を備える、放射線治療アセンブリである、変形例では、治療ビーム平面は、陽電子放出検出器スライス(708)と同一平面にあってもよい。本変形例では、較正放射線源(710)および較正放射線源ホルダ(714)は、ボア(702)内、ボアの底部場所(701b)、患者支持体(704)の下方に位置してもよい。代替として、または加えて、較正放射線源および/またはホルダは、ボアを中心とする1つ以上の円周方向場所(例えば、701aまたは0°、701bまたは180°、701cまたは90°、および/または701dまたは270°、患者支持体等の上方)に位置してもよい。較正源ホルダ(714)は、上記に説明されるようなカバーの有無にかかわらず、ボア(702)の内部表面内の溝または陥凹であってもよい。いくつかの変形例では、ボアの底部領域の上方に位置する、較正源ホルダは、較正源が落下することを防止するためのカバーを備えてもよい一方、ボアの底部に位置する、較正源ホルダは、カバーを有していなくてもよい。較正源(710)が、ディスク形状を有する場合、較正源ホルダ(714)はまた、対応するディスク形状を有してもよい。
【0057】
いくつかの変形例では、較正放射線源ホルダは、システムの他の構成要素の筐体と一体型、および/またはその一部であってもよい。例えば、本明細書に説明されるシステムのいずれかは、1つ以上の光学カメラおよび/または光源をボア内に備え、ボアの内壁に取り付けられる、カメラおよび/または照明搭載部を備えてもよい。いくつかの変形例では、カメラおよび/または照明搭載部は、較正源を保定するように構成される(すなわち、較正放射線源であるように構成される)、溝または陥凹を備えてもよい。例えば、カメラおよび/または照明搭載部は、較正源と、カバー(上記に説明されるカバーのいずれか等)、留め金、および/または磁気源ホルダ等の随意の較正源係合構造とのサイズおよび形状と対応するサイズおよび形状を有する、陥凹を備えてもよい。随意に、較正放射線源ホルダおよび/または搭載部は、較正放射線源を放射線治療アセンブリの他の構成要素と精密に整合するように保定することに役立ち得る、1つ以上の溝および/または突出部等の1つ以上の整合構造を有してもよい。例えば、ホルダおよび/または搭載部は、較正源の運動を第1の方向(例えば、IEC-Y)に制限する、1つ以上の突出部、および/または較正源の運動を第2の方向(例えば、IEC-X)に制限する、1つ以上の付加的突出部を有してもよい。いくつかの変形例では、1つ以上の突出部は、カメラおよび/または照明搭載部の壁部分を含んでもよい。代替として、または加えて、その中に較正源が着座され得る、溝またはスロットが、較正源の運動を制限してもよい。いくつかの変形例では、ホルダおよび/または搭載部は、システムのアイソセンタと中心合わせまたは整合されてもよい(例えば、ボアの中心縦軸に沿って)。
【0058】
図7B-7Cは、それぞれ、ボアの内部表面または壁に取り付けられ得る、照明搭載部の立面斜視図および上面図を描写し、照明搭載部は、較正源ホルダを備える。LED等の1つ以上の光源が、照明搭載部を介して、ボアの内部表面に取り付けられてもよい。照明搭載部と対応する形状およびサイズ(例えば、占有面積)を有する、照明カバーが、搭載部にわたって配置されてもよい。図7Bおよび7Cに目を向けると、照明搭載部(700)は、1つ以上のボア取付構造(704)と、較正源ホルダ整合突出部(706)と、較正源受容部分またはホルダ(708)とを備える、壁付きトレイまたはエンクロージャ(702)を備えてもよい。円形ディスクとして成形される較正源のための較正源ホルダまたは受容部分(708)は、較正源が陥凹内に保定され得るように、円形ディスクの直径より若干大きい直径を有する、円形陥凹を備えてもよい。ボア取付構造(704)は、ボアの内壁上の対応する切り欠きに係合する、ブラケットを備えてもよい、および/またはねじ嵌合またはボアとの任意の他のそのような係合のための構造を備えてもよい。随意に、照明搭載部(720)はまた、1つ以上のカバー取付構造(710)を備えてもよく、これは、随意の照明カバー(図示せず)の対応する突出部、フラップ、または凸縁を保定または握持するために使用され得る、クリップまたはクランプを備えてもよい。図7B-7Cに描写される変形例では、照明搭載部(720)は、伸長長円形状を有してもよく、較正源ホルダまたは受容部分(706)は、伸長形状の一端に位置してもよい。例えば、壁付きエンクロージャ(702)は、1つ以上の光源が取り付けられ得る、主要長円部分と、較正源ホルダまたは受容部分が位置し得る、主要長円部分までの狭い延在部とを備えてもよい。これは、較正放射線源を光源から分離することに役立ち得、これは、光源への放射線損傷を低減させることに役立ち得る。
【0059】
本明細書に説明される変形例は、単一較正放射線源および/または単一較正放射線源ホルダを伴うシステムを対象とし得るが、類似構造および特徴は、複数の較正放射線源および/または較正放射線源ホルダを伴うシステムに適用されてもよいことを理解されたい。例えば、複数の較正放射線源および/またはホルダは、複数のボア角度(例えば、ボア角度場所701a-701dおよびそれらの間の角度)において、ボアを中心として円周方向に分散されてもよい。
【0060】
(B.環状較正源)
図3は、PET検出器のリアルタイム較正監視を提供し、陽電子放出検出器の第1のアレイ(312)と、検出器の第1のアレイ(312)に対向する、陽電子放出検出器の第2のアレイ(314)とを有する、ガントリ(310)を含むように構成され得る、放射線治療アセンブリ(300)の断面概略図である。検出器の各アレイ(312、314)は、可動または定常ガントリに搭載される、複数の陽電子放出検出器を備えてもよい。故に、PET検出器アレイは、回転式または定常であってもよい。筐体(320)は、ガントリ(310)に結合してもよく(例えば、筐体(320)は、ガントリ(310)にわたって配置されてもよく)、筐体(320)は、その中に患者(340)および患者支持体(350)が配置され得る、ボア(322)を備えてもよい。患者走査領域(342)(例えば、患者撮像視野)は、患者(340)および/または患者支持体(350)の体積によって表され得る。すなわち、陽電子放出検出器によって検出可能な患者(340)および/または患者支持体(350)の輪郭は、患者走査領域(342)を画定し得る。患者支持体(350)は、その上に患者(340)が配置され得る、可動支持表面を備えてもよく、可動支持表面は、基部(図示せず)に結合されてもよい。
【0061】
筐体(320)はさらに、ボア(322)の少なくとも一部を中心として、環状較正源(330)(例えば、環状放射線源)を備えてもよい。環状較正源の放射能レベルは、本明細書に説明される較正源のいずれかの放射能レベル、例えば、約1μCi~300μCi、例えば、約2μCi、約100μCiに類似してもよい。例えば、環状較正源(330)は、定常であって、筐体(320)の表面の下方に位置してもよく、および/または筐体(320)の表面を構成してもよい。環状較正源(330)は、検出器の第1のアレイと第2のアレイ(312、314)との間に位置してもよい。図3に示されるように、環状較正源(330)は、連続環状部を備えてもよい。陽電子放出検出器(312、314)の構成(例えば、回転可能または定常)にかかわらず、環状較正源(330)は、陽電子放出検出器(312、314)の視野内に位置してもよい。
【0062】
陽電子放出検出器(312、314)は、環状較正源(330)および患者(340)によって放出される、光子を検出する。図3は、第1の場所(334)および第2の場所(336)において環状較正源(330)と交差する、環状較正源LOR(332)を図示する。LOR(332)は、患者(340)および/または患者支持体(350)によって妨害され得ない。LOR(332)に対応する、陽電子消滅事象は、環状較正源(330)の第1または第2の場所(334、334)のいずれかから生じ得る。TOF PETシステムは、検出器の第1のアレイ(312)および検出器の第2のアレイ(314)によって検出される一致光子の受信時間差(例えば、タイミング分布)を使用して、第1の場所(334)または第2の場所(336)を陽電子消滅事象の原点として分類し得る。環状較正源(330)の第1の場所および第2の場所のタイミング分布は、環状較正源(330)が、患者(340)より検出器(312、314)の近くに位置し、したがって、ボアの中心のより近くに位置する患者からの放出のものから大きい陽電子放出受信時間差を有するため、患者(340)の患者走査領域(342)から生じる陽電子放出のタイミング分布と異なる。
【0063】
陽電子放出検出器の第1のアレイおよび第2のアレイは、環状較正源(330)および患者(340)からの陽電子放出データを生成し得る。アセンブリ(300)のプロセッサは、患者(340)からと、環状較正源(330)からの陽電子放出データを区別し得る。例えば、アセンブリ(300)は、並行して、受信される光子対の受信時間を使用して(例えば、TOFデータを使用して)、環状較正源(330)およびボア(322)内の患者走査領域(342)からの陽電子放出データを分類(例えば、位置特定)し得る。空間フィルタが、次いで、下記により詳細に議論されるように、計算された場所に適用され得る。
【0064】
いくつかの変形例では、環状較正源(330)は、1つ以上の部分(例えば、支持表面(350)の平面の上方に配置される、上側部分と、支持表面(350)の平面の下方に配置される、下側部分と)を備えてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、環状較正源(330)の上側部分は、患者走査領域(342)の上方に配置されてもよい。例えば、環状較正源(330)は、患者支持体(350)の支持表面の少なくとも約20cm上方および/または患者走査領域(342)の最高点の上方(例えば、患者走査領域(342)の最高点と交差し、患者支持体(350)と平行な平面の上方)に配置されてもよい。別の変形例では、環状較正源(330)の下側部分は、患者支持体(350)の水平平面の下方に配置されてもよい。これらの例示的環状較正源(330)構成は、患者(340)を完全に包囲する環状較正源(330)と比較して、より少ない付加的用量を患者に提供し得る。環状較正源(330)は、筐体(320)に取り付けられてもよく、筐体(320)は、ガントリ(310)に除去可能に取り付けられ、それによって、その有用な寿命期間後、筐体(320)および環状較正源(330)が交換されることを可能にしてもよい。環状較正源(330)は、約0.10mm~約2.0mmの厚さと、約0.10mm~約5cmの幅とを備えてもよい。いくつかの変形例では、環状較正源(330)は、複数の部分を備えてもよく、各部分は、異なる形状および寸法を有する。
【0065】
(C.回転較正源)
図4は、PET検出器のリアルタイム較正監視を提供し、1つ以上の較正源ホルダ(408)を含むように構成され得る、アセンブリ(400)の断面概略図である。放射線治療アセンブリ(400)は、その上に搭載される、陽電子放出検出器の第1のアレイ(412)と、検出器の第1のアレイ(412)に対向する、陽電子放出検出器の第2のアレイ(414)とを有する、回転可能ガントリ(410)を含んでもよい。検出器の各アレイ(412、414)は、複数の陽電子放出検出器を備えてもよい。いくつかの変形例では、1つ以上の較正源ホルダ(408)は、1つ以上の較正源ホルダ(408)が、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイ(412、414)に対して固定されるように、ガントリ(410)に結合されてもよい。言い換えると、陽電子放出検出器(412、414)および較正源ホルダ(408)は、ともに回転する。
【0066】
筐体(420)は、ガントリ(410)に結合してもよく(例えば、筐体(420)は、ガントリ(210)にわたって配置されてもよく)、筐体(220)は、その中に患者(440)および患者支持体(450)が配置され得る、ボア(422)を備えてもよい。患者走査領域(442)(例えば、患者撮像視野)は、検出器(412、414)によって検出可能な患者(440)および/または患者支持体(450)の体積によって表され得る。患者支持体(450)は、その上に患者(440)が配置され得る、可動支持表面を備えてもよく、可動支持表面は、基部(図示せず)に結合されてもよい。
【0067】
図4に図示されるように、1つ以上の較正源ホルダ(408)および/または較正源(430)(例えば、放射線源)は、ボア(422)内および陽電子放出検出器(412、414)の視野内の患者走査領域(442)から離間されてもよい。例えば、1つ以上の較正源ホルダ(408)および/または較正源(430)は、検出器(412、414)に結合され、筐体(420)に対して移動可能であってもよい(例えば、筐体(420)を中心として回転する)。例えば、1つ以上の較正源ホルダ(408)および/または較正源(430)は、検出器(412、414)に沿って、対向検出器(414、412)に面した側上に配置されてもよい。
【0068】
1つ以上の較正源(430)から生じる、応答系統(432)の少なくとも一部は、検出器の第1のアレイ(412)および検出器の第2のアレイ(414)に向かって延在する。図4に描写されるように、較正源LOR(432)の少なくとも一部は、患者走査領域(442)および/または患者支持体(450)と交差しない。LOR(434)は、患者(440)のROI(444)から放出されてもよい。較正源(430)によって放出される、LOR(432)は、陽電子放出検出器(412、414)によって検出されてもよい。その結果、各較正源ホルダ(408)は、較正源(430)によって放出される少なくとも1つのLOR(432)が、患者(440)および/または患者支持体(450)によって妨害されないように、較正源(430)に関して位置する。いくつかの変形例では、1つ以上の較正源ホルダ(408)は、検出器(412、414)の患者撮像視野(例えば、患者走査領域(442))と交差しないラインに沿って位置してもよく、ラインは、検出器の第1のアレイ(412)から検出器の第2のアレイ(414)まで延在してもよい。患者撮像視野は、検出器の第1のアレイと第2のアレイとの間に位置する、体積を備えてもよい。言い換えると、1つ以上の較正源ホルダ(430)は、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイ(412、414)に対して固定され、患者(440)および/または患者支持体(450)によって妨害されない少なくとも1つの視線を伴って位置し得るが、ラインは、筐体(420)等の他の構造を通して通過してもよい。
【0069】
アセンブリ(400)は、単一較正源ホルダ(408)を備えてもよく、例示的図4は、4つの較正源ホルダ(408)と、較正源(430)とを図示することに留意されたい。較正源ホルダ(408)は、上記に詳細に説明されるような様式において、較正源(430)を保持するように構成されてもよい。較正源ホルダ(408)は、較正源(430)が、その有用な寿命期間後、交換され得るように、較正源(430)が検出器(412、414)に除去可能に結合されることを可能にし得る。図4に図示されないが、ガントリ(410)はさらに、治療視野(460)を有する、検出器の第1のアレイと第2のアレイ(412、414)との間に、治療放射線源と、治療検出器とを備えてもよい。
【0070】
(II.方法)
また、本明細書に説明されるのは、本明細書に説明されるシステムおよびアセンブリを使用して、治療放射線の送達および/または患者撮像の間、異常信号を生成するための方法である。本システムは、回転可能ガントリ上に搭載される、PET検出器の第1のアレイおよび第2のアレイを備えてもよく、PET検出器は、較正源(例えば、放射線源)および/または患者からの陽電子放出を受信し、較正データを生成し、および/または較正放射線源から生じる陽電子放出活動を表す陽電子放出データを抽出するように構成される。すなわち、較正データは、較正源に関する入手された陽電子放出データから抽出される、データを含み得、いくつかの変形例では、また、較正源および/または患者の計算された場所データ等、入手された陽電子放出データに基づいて計算される、任意のデータ量を含んでもよい。いくつかの変形例では、較正源からの陽電子放出は、ボアの患者走査または治療領域を横切らない、またはそれと交差しない、LORを識別することによって、患者からの陽電子放出と区別され得る。較正データの実施例は、空間分解能データ、時間的分解能データ、エネルギー感度データおよび/またはエネルギー精度データ、および/または較正放射線源の場所を正確に決定する能力を含んでもよい。いくつかの変形例では、較正データは、1つ以上のガントリ回転にわたって定常較正源の場所と交差する、検出されたLORの数、および/または1つ以上のガントリ回転にわたって検出されたLOR(すなわち、同時発生光子事象)のエネルギーレベル、および/または異なる窓幅を有する一致時間窓内で検出された、検出されたLORまたは同時発生光子事象の数を含んでもよい。較正データが所定の時間周期にわたって較正源の基準場所または場所範囲に十分に対応しないとき等、較正データが、閾値パラメータを超える場合、異常信号が、生成されてもよい。
【0071】
異常信号の生成をトリガし得る、較正データ逸脱の他の実施例は、予期されるもの(較正源の既知および規定された陽電子放出率および/または放射能に基づく)を上回る(または下回る)定常較正源の場所と交差するLORの数の検出、511keVピークから逸脱するエネルギーレベルを有するLORの検出、および/または具体的時間差値(例えば、他のPET検出器が較正源から遠くに位置する間の較正源に近いPET検出器のうちの1つ以上のものに対応する時間差)を伴う、および/または0nsの時間差値を中心とする第1の一致時間窓内の閾値数のLORまたは同時発生光子事象(すなわち、「真」同時発生光子事象の数)の非検出を含み得る。代替として、または加えて、非ゼロ時間差値を中心とする第2の一致時間窓内で検出された同時発生光子事象の数(すなわち、「ランダム」同時発生光子事象の数)が、第1の一致時間窓内で検出された同時発生光子事象の数(すなわち、「真」同時発生光子事象の数)を超える場合、異常信号が、生成されてもよい。本システムは、付加的診断(例えば、ガントリ運動センサおよび/またはエンコーダ診断/特性評価、較正放射線源診断/特性評価等)を検出器および/またはアセンブリ上で実施する、1つ以上の検出器を非アクティブ化する、放射線療法治療を停止する、および/または検出器を再較正することを含む、1つ以上の方法において、異常信号に応答してもよい。本明細書に説明されるシステムのいずれかは、下記に議論される方法を使用して、検出器内の異常を決定するために使用されてもよいことを理解されたい。
【0072】
図5A-5Bは、上記に議論されるアセンブリ(100、200、300、400)のいずれかを使用した異常検出方法(500)を図示する。例えば、放射線治療アセンブリは、複数の陽電子放出検出器と、撮像放射線源と、治療放射線源と、検出器間に提供される、1つ以上の較正源とを備える、ガントリを備えてもよい。例えば、1つ以上の較正源は、陽電子放出検出器の視野内の筐体内に配置され、アセンブリの長さに沿って、陽電子放出検出器と同一場所に位置してもよい。陽電子放出検出器および1つ以上の較正源は、上記に詳細に議論されるように、定常および回転可能要素の種々の組み合わせにおいて構成されてもよい。撮像および/または放射線療法手順に先立って、患者は、身体の中への取込のために、放射性同位体を投与されてもよい。患者は、患者支持体(例えば、寝台)上に横たわらせられ、患者のROI(例えば、1つ以上の腫瘍または病変)が陽電子放出検出器の視野内にあり得るように、ガントリのボアの中に移動され得る。患者および較正源は両方とも、較正源が患者から離間される状態において、検出器間に提供されてもよい。例えば、患者は、アセンブリのボア内に配置され、較正源は、筐体の表面上の較正源ホルダによって保持されてもよい。
【0073】
陽電子放出検出器のアレイは、アクティブ化され、検出器視野内で放出される陽電子放出を検出し得る(502)。いくつかの変形例では、陽電子放出検出器は、回転可能ガントリ上に搭載されてもよく、ガントリは、ガントリのボアを中心として回転するように構成される一方、他の変形例では、検出器は、定常ガントリ上に搭載されてもよい。
【0074】
陽電子放出検出器は、検出器間に提供される任意の陽電子放出源からの陽電子放出データを受信してもよい。例えば、患者および較正源からの陽電子放出データが、持続的に受信および処理されてもよい(504)。陽電子放出データは、検出器受信場所およびその検出器による光子の受信時間等のTOFデータを含んでもよい。並行して、患者は、治療放射線用量を治療放射線源から受信することによって、治療されてもよい(506)。すなわち、陽電子放出データは、治療セッションの間、受信されてもよい。陽電子放出データは、治療セッションの間、入手されてもよいが、陽電子放出データ入手のタイミングは、治療ビームパルスのタイミングに対して交互されてもよい。例えば、陽電子放出データは、陽電子放出検出器によって、治療放射ビームレット間の所定の時間間隔において受信されてもよい。患者は、例えば、放出誘導放射線療法(EGRT)、体幹部定位放射線療法(SBRT)、および強度変調放射線療法(IMRT)を含む、治療モダリティから、放射線療法治療を受容してもよい。加えて、または代替として、患者は、並行して、撮像放射線源によって撮像されてもよい。患者治療および/または撮像ステップ(506)は、図5A-5Bのステップのうちの1つ以上のものと並行して(例えば、所定の時間周期内に)実施されてもよい。例えば、方法(500)は、少なくともある時間的重複を伴って、陽電子放出データの受信(504)および/または較正データの生成(516)とともに、1つ以上の撮像および治療ステップ(506)を実施してもよい。別の実施例として、陽電子放出データを較正源からと、患者から受信するステップ(504)は、異常信号を生成するステップ(524)と並行して実施されてもよい。
【0075】
光子対を備える、消滅事象は、対向陽電子放出検出器によって検出され、LORを画定し得る。陽電子放出データのLORは、プロセッサによって、較正源および患者の1つ以上の計算された場所または場所範囲に分類され得る(508)。下記により詳細に議論されるように、計算された陽電子放出場所は、基準時間オフセットまたは空間フィルタを使用して、プロセッサによって分類され得る(509)。いくつかの変形例では、LORは、約6ナノ秒~10ナノ秒の一致時間窓内で受信される陽電子放出データを使用して分類される。
【0076】
(基準時間オフセット)
陽電子消滅事象によって放出される光子対の軌道は、LOR(例えば、陽電子放出経路)を画定する。消滅事象の原点は、LORに沿って位置する点であって、光子受信時間の差異(すなわち、時間差または時間オフセット)を使用して位置特定され得る。特に、光子間の受信時間の差異は、光子によってLORに沿って消滅事象から進行される、距離に対応する。例えば、消滅事象の各光子が、個別の検出器に同時に到着する場合、光子は、消滅事象がLORの中央点において生じるように、等距離を進行している。故に、いくつかの変形例では、較正源および/または患者に対応する、陽電子放出(例えば、消滅事象)原点場所は、プロセッサによって、TOFデータ(例えば、対の光子の受信時間差)、LOR、および基準時間オフセットを使用して計算され得る(510)。例えば、陽電子放出経路データは、較正源に対応する時間閾値パラメータ範囲(例えば、時間差範囲)を伴う対の光子の受信時間間の差異を使用して、較正源(例えば、定常放射線源)から生じるものとして分離され得る。時間閾値パラメータ範囲外の陽電子放出経路データは、雑音としてまたは患者から生じるものとして分類され得る。いくつかの変形例では、陽電子放出検出器は、LORに沿って約4.5cm(FWHM)の位置不確実性に対応する、少なくとも約300ピコ秒(ps)(FWHM)の一致時間分解能を備え得る。
【0077】
これらの変形例のうちのいくつかでは、較正源は、光子対の受信時間の差異(例えば、時間差または時間オフセット)と較正源の場所に対応する基準時間オフセットを比較することによって、陽電子放出データと区別され得る。例えば、基準時間オフセットのルックアップテーブル(LUT)(下記に詳細に議論される方程式を使用して計算される)が、メモリ内に記憶され、陽電子放出データと比較されてもよい。いくつかの変形例では、定常較正源は、PET検出器が患者走査または治療領域を中心として規定されたガントリ角度に位置するとき、時間オフセット(例えば、時間差)が約2.5nsであるように、患者走査または治療領域を中心として回転するPET検出器に対して回転可能ガントリの筐体上に位置してもよい。異なる配列のPET検出器および/または放出性質の較正源を伴う、他の変形例では、較正源から生じる同時発生光子に対応する時間差または時間オフセット値は、異なる時間差値を有し得ることを理解されたい。いくつかの変形例では、2.5ns以外の時間オフセットにわたって検出された同時発生光子事象(「ランダム」同時発生光子事象)の数が、2.5nsの時間オフセットにわたって検出された同時発生光子事象(「真」同時発生光子事象)の数と同一である、またはそれを上回る場合、異常信号が、生成されてもよい。いくつかの変形例では、較正源から生じる、同時発生光子事象(例えば、一致時間窓にわたる一致光子事象計数をプロットするヒストグラム内で2.5nsの時間差値を中心とするピーク)は、随意に、特定の時間特性(例えば、同時発生事象内の2つの光子の検出時間間のある時間差値)を伴う事象を選択する時間フィルタと組み合わせて、本明細書に説明される空間/サイノグラムフィルタを使用して、患者内のPET親和性領域から生じる同時発生光子事象と区別され得る。いくつかの変形例では、通過基準または閾値は、真同時発生光子事象の数対ランダム同時発生光子事象の数の比(真/ランダム比値)であってもよく、比の値は、1以上である。本明細書に説明される実施例は、2つの回転可能PET検出器アレイによって検出される、単一定常較正源から生じる陽電子放出事象が、約2.5nsの時間差またはオフセット値を有する、システムに関するが、異なるサイズおよび/またはPET検出器アレイと1つ以上の較正源との間の相対的位置を伴う、他のシステムでは、時間差またはオフセット値は、任意の値(例えば、2.5ns以外の任意の値)であってもよいことを理解されたい。較正源および/またはボア内のPET親和性患者またはファントムの一方または両方からの同時発生光子事象を検出するための一致時間窓の幅は、必要に応じて、これらの同時発生光子事象がPET検出器データから抽出され得るように、調節(例えば、本明細書に説明される実施例と比較して拡張または縮小)されてもよい。一致時間窓幅は、変動してもよいが、一致時間窓幅は、約0nsを中心としてもよい。
【0078】
(A.定常較正源)
放射線治療アセンブリが、その上に搭載される、陽電子放出検出器を有する、回転可能ガントリと、較正源(例えば、図2A-2B)に結合される、定常筐体とを備える、変形例では、検出器から較正源までの距離は、PET検出器がガントリのボアを中心として回転するにつれたガントリ角度の関数として変動し得る。陽電子放出検出器の視点(例えば、PET検出器基準フレーム)から、PET検出器の位置は、較正源が回転するにつれて、基準方向に対して画定されたガントリ角度シータ(θ)に固定される。PET検出器基準フレームに対して、検出器の場所は、座標<x,y>によって画定され得、X-軸は、水平軸平面(例えば、地面および/または患者支持体と平行)に対応し、Y-軸は、水平平面と垂直な垂直平面に対応する。較正源の場所は、<rcosθ,rsinθ>として画定され得、rは、基準点(例えば、検出器の原点<x,y>)からの半径を表し、θは、基準方向からの角度である。個別の検出器によって検出される光子対(例えば、第1の光子および第2の光子)の場所は、それぞれ、<x,y>および<x,y>として画定され得る。第1の光子検出場所および第2の光子検出場所から較正源までの距離は、以下によって与えられる。
【化1】
【0079】
第1の光子および第2の光子はそれぞれ、光の速度(c)において、消滅点から対向陽電子放出検出器まで進行する。第1の光子と第2の光子との間の受信時間の差異(すなわち、時間差または時間オフセット)は、以下によって与えられる。
【化2】
【0080】
故に、基準時間オフセットΔtのテーブルは、ガントリ角度θおよび光子対距離d、dの関数として計算され得る。
【化3】
【0081】
基準時間オフセットは、下記により詳細に説明されるように、対応する検出された光子対時間オフセットおよび閾値パラメータと比較され、異常信号を生成し得る。
【0082】
(B.環状較正源)
他の変形例では、アセンブリは、その上に搭載される、陽電子放出検出器を有する、回転可能ガントリと、図3に図示される環状放射線源等の較正源に結合される、定常筐体とを備えてもよい。定常較正源の各LORは、2つの場所(例えば、LORが環状放射線源と交差する場所)のうちの1つから生じ得る。したがって、LUTは、単一基準時間オフセットではなく、ガントリ角度θおよび光子対距離d、d毎に、2つの可能性として考えられる基準時間オフセット(例えば、場所)を含む。
【化4】
【0083】
定常較正源に関して、メモリ内に記憶されるLUTは、ガントリ角度および光子対距離のセット毎に、一対の基準時間オフセット(Δt,Δt)を備え得る。2つの較正源交点間の広い空間および時間分離に起因して、陽電子放出原点は、低誤差確率を伴う、最も近い基準較正源場所と比較され得る。
【0084】
(C.回転較正源)
他の変形例では、アセンブリは、図4に図示されるように、その上に搭載される、陽電子放出検出器および1つ以上の較正源(例えば、放射線源、放射線源ホルダ)の両方を有する、回転可能ガントリを備えてもよく、較正源は、陽電子放出検出器に対して固定される。本構成では、較正源から検出器までの距離は、(PET検出器基準フレームから)変動せず、したがって、LUTおよび上記に説明される方程式を使用した計算を要求しない。
【0085】
(患者空間フィルタ)
いくつかの変形例では、較正源および/または患者に対応する、陽電子放出原点場所が、TOFデータおよび1つ以上の空間フィルタを使用して計算されてもよい。言い換えると、TOFデータに基づく消滅事象の計算された場所が、患者および較正源の基準場所または場所範囲と比較され、陽電子放出を分類し、同時発生事象が患者または較正源から生じたかどうかを決定するために使用されてもよい。いくつかの変形例では、陽電子放出のセットの場所を前提として、1つ以上の空間フィルタまたは分類子が、較正源(例えば、放射線源および/または放射線源ホルダ)および患者(例えば、患者走査領域)からの陽電子放出データを区別するために適用されてもよい。例えば、較正源の第1の空間フィルタおよび患者の第2の空間フィルタは、陽電子放出データの源を区別するために適用されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、第1の空間フィルタおよび第2の空間フィルタの外の陽電子放出は、雑音として除外されてもよい。空間フィルタは、例えば、較正源および/または患者の体積を備え、誤差のマージン(所定または調節可能)を含んでもよい。いくつかの変形例では、マージンは、約1cm~約10cmであってもよい。代替として、または加えて、空間フィルタは、較正源が位置することが予期される、システムのボア内の領域を指定してもよく、プロセッサは、空間フィルタのその領域と交差するが、患者走査または治療領域に対応するフィルタの部分と交差しない、LORを抽出し、抽出されたLORを較正源から生じる陽電子放出活動に関するデータを含有するものとして指定してもよい。いくつかの変形例では、プロセッサは、空間フィルタのその領域と交差する、LORの数を計数してもよく、その計数が、予期されるLORの閾値を満たさないまたは超えない(例えば、較正源の既知の放射性および/または陽電子放出性質に基づいて計算される)場合、異常信号が、生成されてもよい。
【0086】
いくつかの変形例では、患者の第2の空間フィルタは、放射線療法治療のための幾何学的および線量測定パラメータを含む、患者治療計画を使用する、幾何学形状を備えてもよい。例えば、患者治療計画は、(降順体積の順において)照射される体積、治療される体積、計画治療体積(PTV)、臨床標的体積(CTV)、および肉眼的腫瘍体積(GTV)を含む、標的体積(例えば、患者領域)のセットを備えてもよい。PTVは、GTVを包含し、患者整合、機械較正、およびROIの運動エンベロープを含む、誤差のマージンを追加する。GTVからの陽電子放出は、EGRTにおいて放射ビームレットを指向するために使用され得る一方、GTV外および別様にPTVの体積内の陽電子放出は、雑音として分類され得る。PTV外に位置する陽電子放出は、完全に否認され得る。
【0087】
いくつかの変形例では、空間フィルタの幾何学形状は、プロセッサによって、患者治療計画を使用して調節されてもよい(512)。例えば、患者の第2の空間フィルタは、第2の空間フィルタの幾何学形状を自動的に調節し、GTV、CTV、およびPTVのうちの1つに対応させてもよく、患者治療計画への修正に伴って自動的に調節してもよい。加えて、または代替として、空間フィルタは、オペレータ等のユーザが、第1の空間フィルタおよび第2の空間フィルタのうちの1つ以上のものの体積を入力し得るように、ユーザ調節可能であってもよい。
【0088】
いくつかの変形例では、プロセッサは、並行して、1つ以上の空間フィルタを使用して、較正源および患者からの陽電子放出データを区別してもよい(514)。例えば、第1の空間フィルタおよび第2の空間フィルタのうちの1つ以上のものが、陽電子放出データに適用され、陽電子放出場所を較正源および/または患者に対応するものとして分類してもよい。空間フィルタ外に位置する(例えば、較正領域および/または患者領域の外に位置する)、陽電子放出データは、雑音として除去されてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、第1の空間フィルタが、陽電子放出データに適用されてもよく、(患者から等の)全ての他の陽電子放出は、除外および無視されてもよい。
【0089】
陽電子放出が、基準時間オフセット(510)または空間フィルタ(514)を使用して分類されるかどうかにかかわらず、較正源からの陽電子放出データは、プロセッサによって、較正データ(例えば、較正源の陽電子放出場所のセット(516))を生成するために使用されてもよい。随意に、患者からの陽電子放出データは、プロセッサによって、患者データ(例えば、患者の陽電子放出場所のセット(518))を生成するために使用されてもよい。患者データは、例えば、EGRT手順下、治療放射線源を使用して、患者を治療するために使用されてもよい(520)。ステップ(518、520)は、PET検出器較正監視のために随意であることに留意されたい。
【0090】
較正された陽電子放出検出器は、所定の誤差のマージン内の較正源の真場所に合致する場所における、較正源からの陽電子放出を分類するはずである。較正源の計算された場所が、較正源の基準場所または場所範囲に対応しないとき、異常信号が、生成されてもよい。特に、較正源(例えば、放射線源、放射線源ホルダ)からの陽電子放出検出器(例えば、較正データ)が、閾値パラメータを超える(522-はい)とき、プロセッサによって、異常信号が、生成されてもよい(524)。いくつかの変形例では、閾値パラメータは、変動性閾値パラメータであってもよい。例えば、変動性閾値パラメータは、較正源の計算された場所が、較正源の基準場所または場所範囲(例えば、体積)外である、時間のパーセンテージ(例えば、較正源の計算および基準場所または場所範囲が合致しないときの時間の割合)を備えてもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、マージンが、基準場所または場所範囲に追加されてもよい。いくつかの変形例では、変動性閾値は、約0.1%、約0.5%、約1.0%、約1.5%、約2%、約5%、およびそれらの間の値であってもよい。いくつかの変形例では、較正は、約1秒、約10秒、約10秒、およびそれらの間の値の時間窓内において、持続的に監視されてもよい。変動性閾値パラメータは、時間閾値および/または場所偏位閾値のうちの1つ以上のものを備えてもよい。したがって、陽電子放出データが、時間閾値および場所偏位閾値のうちの1つ以上のものを超えるとき、異常信号が、生成されてもよい。例えば、所定の時間窓にわたる陽電子放出の平均受信時間オフセット(Δt)が、基準時間オフセット値に対応する時間オフセット閾値パラメータを超えるとき、異常信号が、生成されてもよい。
【0091】
いくつかの変形例では、較正データ(例えば、2つのPET検出器のアレイを伴う回転可能ガントリを伴う、システム内の単一定常較正源に関する)は、規定された時間周期および/またはガントリ回転にわたって1つ以上のPET検出器によって検出される同時発生光子事象の数を備えてもよい。抽出されたLOR(すなわち、定常較正源の既知の場所と交差するLOR)から各PET検出器(例えば、各検出器モジュールまたは検出器結晶)に対して検出されるべき同時発生光子事象の予期される数が、較正源の既知の性質および回転PET検出器に対するその場所に基づいて計算されてもよい。閾値パラメータは、較正源場所と交差するLORの検出された数と、較正源から放出される同時発生光子の予期される数との間の許容度または差異値であってもよい。PET検出器によって検出されるLORの数が、予期される放出される同時発生光子の予期される数から規定された許容度または差異値を上回って逸脱する場合、異常信号が、生成されてもよい。例えば、ガントリ角度位置あたり検出されたLORの数が、予期されるものから許容度または差異閾値を上回って逸脱する場合、および/または1つ以上のガントリ回転にわたって検出されたLORの数が、予期されるものから許容度または差異閾値を上回って逸脱する場合、異常信号が、生成されてもよい。
【0092】
いくつかの変形例では、代替として、または加えて、較正データ(例えば、2つのPET検出器のアレイを伴う回転可能ガントリを伴うシステム内の単一定常較正源に関する)は、規定された時間周期および/またはガントリ回転にわたって1つ以上のPET検出器によって検出される特定のエネルギーレベル(例えば、511keV)における同時発生光子の数を備えてもよい。抽出されたLOR(すなわち、定常較正源の既知の場所と交差するLOR)から種々のエネルギーレベルにおいて各PET検出器(例えば、各検出器モジュールまたは検出器結晶)に対して検出されるべき同時発生光子事象の予期される数が、較正源の既知の性質および回転PET検出器に対するその場所に基づいて計算されてもよい。閾値パラメータは、511keVのエネルギーレベルを有する同時発生光子の検出された数と、511keVのエネルギーレベルを有する較正源から放出される同時発生光子の予期される数との間の許容度または差異値であってもよい。PET検出器によって検出される511keVのエネルギーレベルを有する同時発生光子の数が、511keVのエネルギーレベルを有する予期される放出される同時発生光子の予期される数から規定された許容度または差異値を上回って逸脱する場合、異常信号が、生成されてもよい。例えば、ガントリ角度位置あたり511keVのエネルギーレベルを有する検出された同時発生光子の数が、予期されるものから許容度または差異閾値を上回って逸脱する場合、および/または1つ以上のガントリ回転にわたる511keVのエネルギーレベルを有する検出された同時発生光子の数が、予期されるものから許容度または差異閾値を上回って逸脱する場合、異常信号が、生成されてもよい。例えば、定常較正源の場所と交差するLORからの511keV同時発生光子が、検出されない場合、異常信号が、生成されてもよい。
【0093】
いくつかの変形例では、代替として、または加えて、較正データ(例えば、2つのPET検出器のアレイを伴う回転可能ガントリを伴うシステム内の単一定常較正源に関する)は、具体的時間差またはオフセット値(すなわち、同時発生対内の光子のそれぞれの検出間の時間差)を有する、検出された同時発生光子事象の数を備えてもよい。較正データは、時間差またはオフセット値のある範囲にわたって検出された同時発生光子事象の数を含んでもよい。時間差またはオフセット値の本範囲は、一致時間窓と称され得る。いくつかの変形例では、同時発生光子事象の数は、異なる範囲を有する、および/または種々の時間差値を中心とする、一致時間窓にわたって、および/または1つ以上のガントリ回転にわたって測定されてもよい。一致時間窓内で測定された同時発生光子事象のヒストグラムが、PET検出器を使用して同時発生光子事象を検出し、同時発生対の光子のそれぞれの検出時間を比較し、同時発生光子事象毎に時間差値を取得し、一致時間窓内の時間差値毎に同時発生光子事象の数をプロット化(例えば、ビン化)することによって生成され得る。較正源の既知の性質および回転PET検出器に対するその場所に基づいて、較正源と2つのPET検出器のアレイのそれぞれとの間の相対的距離と対応する特定の時間差値を有する、同時発生光子事象の数は、他の時間差値を有する、同時発生光子事象の数を上回り得る。例えば、定常較正源が、ボアの上部または底部(すなわち、ボアの中心および/またはシステムアイソセンタから離れた実質的距離)に位置し、2つのPET検出器アレイが、定常較正源に対して回転および移動する、システムの変形例では、較正源から生じる、同時発生光子事象は、例えば、2.5nsの時間差値を有し得る。対照的に、患者内のPET親和性領域から生じる(すなわち、ボアの中心および/またはシステムアイソセンタに近接する)、同時発生光子事象は、両消滅光子が、第1のPET検出器アレイおよび第2のPET検出器アレイによって検出される前に類似距離を進行するであろうため、約0nsに近い時間差を有し得る。いくつかの変形例では、患者(またはファントム)内のPET親和性領域から生じる同時発生光子事象の時間差は、ボア内の治療および/または走査領域内の患者の幾何学形状および場所に応じて、約0.1ns~約1.5ns、例えば、約0.25ns、約0.5ns、約0.75ns、約0.6ns、約1ns等であってもよい。図8Aは、ボアの底部または上部(すなわち、縁領域)における単一較正源と、PET親和性領域をボアの中心内に伴わない、2つの回転PET検出器アレイとを伴う、システムの一実施例を描写する一方、図8Bは、図8Aのものに類似するが、PET親和性領域(例えば、PET親和性ファントムまたは患者)をボアの中心内に伴い、時間差値0nsを中心とするピークをもたらす、システムの実施例を描写する。
【0094】
いくつかの変形例では、約0nsの時間差値を中心とする時間差の範囲にわたって検出された同時発生光子事象は、「真」同時発生光子事象として分類され得る一方、非ゼロ時間差値を中心とする時間差の範囲にわたって検出された同時発生光子事象は、「ランダム」同時発生光子事象として分類され得る。例えば、PET検出器アレイおよび定常較正源の相対的位置が、2.5nsの時間差を伴う同時発生光子事象をもたらす場合、「真」同時発生光子事象は、-2.5ns~+2.5ns(0nsの時間差値を中心とする)の時間差値を含む、一致時間窓内で検出された事象であり得る。代替として、または加えて、「真」同時発生光子事象を備える、一致時間窓は、-5ns~+5nsの時間差値の範囲を有してもよい。ランダム同時発生光子事象は、15ns~25ns(20nsの時間差値を中心とする)の一致時間窓、または非ゼロ時間差値を中心とし、「真」一致時間窓と重複しない、任意の時間窓内で検出された事象であり得る。「ランダム」一致時間窓内の同時発生光子事象の数が、「真」一致時間窓内の同時発生光子事象の数と同一である、またはそれを上回る場合、異常信号が、生成されてもよい。いくつかの変形例では、閾値基準は、「ランダム」一致時間窓(例えば、第1の一致時間窓と重複しない範囲内の非ゼロ光子受信時間差またはオフセットを中心とする第2の一致時間窓)内の同時発生光子事象の数に対する「真」一致時間窓(例えば、0ns時間差またはオフセットを中心とする第1の一致時間窓)内の同時発生光子事象の数の比であってもよい。本比は、真/ランダム比値と称され得、通過閾値基準は、1以上である比値であってもよい。真/ランダム比値が、1を満たさないまたは超えない場合、異常信号が、生成されてもよい。真/ランダム比値は、第1の一致時間窓内の同時発生光子事象の数(例えば、真事象の数)を計数し、第2の一致時間窓内の同時発生光子事象の数(例えば、ランダム事象の数)を計数し、真事象の数をランダム事象の数によって除算することによって、計算されてもよい。図8A-8Cは、種々の一致時間窓幅にわたって検出された同時発生光子事象の数(計数)を表す、プロット(例えば、ヒストグラム)を描写する。図8Aは、1つ以上のガントリ回転にわたる定常較正源(PET親和性患者を伴わない)に関する-5ns~5nsの範囲を有する第1の(真)一致時間窓内で検出された真同時発生光子事象の数のヒストグラムまたはプロットの一実施例を描写する。そこに見られ得るように、一致時間窓内には、2つのピークが存在し、ピークはそれぞれ、それぞれ、+/-2.5nsを中心とする。-2.5nsを中心とする第1のピーク(800)は、PET検出器の第1のアレイが較正源に最も近い距離に位置する(すなわち、PET検出器の第2のアレイは、較正源から有意に離れた距離に位置する一方)、PET検出器の第1のアレイの第1のガントリ場所で検出された同時発生光子事象の数を表す。+2.5nsを中心とする第2のピーク(802)は、PET検出器の第2のアレイが較正源に最も近い距離に位置する(すなわち、PET検出器の第1のアレイは、較正源から有意に離れた距離に位置する)、PET検出器の第2のアレイの第2のガントリ場所で検出された同時発生光子事象の数を表す。
【0095】
図8Bおよび8Cは、類似プロットを描写するが、較正源に加え、また、PET親和性領域(例えば、PETトレーサの優先的取込率に起因してPET活動のレベルが上昇した腫瘍領域)を伴う患者を含む。約0nsの時間差値を中心とするピーク(810)は、患者から生じる、検出された同時発生光子事象を表す。これらの実施例では、第1の(真)一致時間窓は、-5ns~5nsであって、0nsを中心とし得る。第2の(ランダム)一致時間窓は、15ns~25nsであって、20nsを中心とし得る。図8Bは、PET検出器が、適切に機能しており、および/または所望に応じて較正されている、システムの一変形例を描写する。そこに見られ得るように、本第1の一致時間窓内では、-/+2.5nsを中心とする2つのピーク(812、814)は、較正源から生じ、PET検出器によって検出される、同時発生光子事象を表す。第2の一致時間窓(例えば、20nsを中心とする、15ns~25ns)内の「ランダム」同時発生光子事象の数(816)は、第1の一致時間窓内の同時発生光子事象の数未満である。すなわち、真/ランダム比は、約1またはそれを上回る。図8Cは、PET検出器が、適切に機能しておらず、および/またはもはや所望に応じて較正されていない、システムの一変形例を描写する。そこに見られ得るように、第1の(真)一致時間窓(-5ns~5ns)内には、-/+2.5nsを中心とするピークは存在せず、第2の(ランダム)一致時間窓(20nsを中心とする、15ns~25ns)内の「ランダム」同時発生光子事象の数(818)は、約2.5nsの時間差を有する、同時発生光子事象の数以上である。すなわち、真/ランダム比は、1未満またはそれと等しい。ピークは、識別可能ではなく、および/または閾値を下回る(すなわち、ランダム同時発生光子事象の数未満である)ため、異常信号が、生成されてもよい。いくつかの変形例では、通過真/ランダム比に関する閾値基準は、1を上回る比値(例えば、約1.1以上、約1.2以上、約1.3以上、約1.5以上等)であってもよく、実際の/計算された真/ランダム比が、その比値未満(例えば、それぞれ、約1.1未満、約1.2未満、約1.3未満、約1.5未満等)である場合、異常信号が、生成されてもよい。例えば、閾値比値が、1.2である場合、実際の真/ランダム比が、1.1または1であると計算される場合には、異常信号が、生成されてもよい。異常信号の生成は、通知をユーザに生成し、PET検出器および/またはガントリ運動センサの較正および/または適切な機能をチェックし、および/または患者によるPETトレーサ取込率をチェックまたはさらに特性評価するステップを含んでもよい。
【0096】
本明細書に開示されるPET検出器の較正監視は、検出器の直接測定に基づき、随意に、放射線療法アセンブリ内の他のセンサを確証および/または検証するために使用されてもよい。例えば、放射線療法アセンブリは、PET検出器の温度を監視する、1つ以上の温度センサを備えてもよい。陽電子放出較正源を伴わないシステムでは、これらの温度読取値は、PET検出器機能のインジケータとして使用されてもよい。例えば、陽電子放出検出器の温度は、1つ以上の温度センサを使用して測定されてもよく、温度が、閾値(例えば、手順の間の2度の上昇)を超える場合、異常信号が、生成されてもよい。しかしながら、二次要因(温度等)のみを測定することによって、PET検出器機能を監視することは、センサのいずれかが故障する(特に、放射線療法アセンブリの近傍における高放射線環境に起因して)場合、不正確な査定をもたらし得る。すなわち、温度測定に基づく異常信号は、1つ以上の陽電子放出検出器内の異常および/または温度センサ内の異常の結果であり得る。本明細書に説明されるような陽電子放出較正源を使用したPET検出器の較正監視は、温度センサによって生成された異常信号の別個の検証を可能にする。これは、陽電子放出検出器較正に関する2つの独立チェックを提供し、較正監視における信頼度を増加させ得る。代替として、または加えて、放射線療法アセンブリは、療法アセンブリのパラメータおよび種々のサブシステムを監視する、1つ以上のセンサを備えてもよい。いくつかの放射線療法アセンブリは、放射線療法アセンブリの他の部分(例えば、ガントリ、撮像源および検出器、マルチリーフコリメータ、ボア体積、PET検出器の近傍内の領域等)の温度、冷却流体の流動率(1つ以上の流量メータを使用して)、および/または周囲および/または散乱放射線レベル(シンチレーションカウンタ、ガイガーカウンタ、ガス状イオン化検出器、イオン化チャンバ、および同等物等の1つ以上の放射線検出器を使用して)を監視してもよい。センサのうちの1つ以上のものからのデータ読取値は、較正源放出データと併用され、PET検出器のうちの1つ以上のものを査定および/または調節してもよい。PET検出器によって検出される信号に基づいて生成された異常信号はまた、ユーザに、回転可能ガントリの運動および/または位置センサおよび/または位置エンコーダの較正のチェックをトリガさせてもよい。
【0097】
放射線治療アセンブリは、異常信号の生成に応答して、1つ以上の方法において、応答してもよい(524)。例えば、放射線治療アセンブリは、1つ以上の陽電子放出検出器を非アクティブ化し、検出器ステータスをオペレータに出力し、撮像および/または放射線療法治療手順を停止させ、較正データを使用して、検出器を較正してもよい。いくつかの変形例では、インタロックが、生成され、ディスプレイ上でユーザに視覚的に表されてもよい。例えば、ディスプレイまたはモニタ上に描写される、視覚的またはグラフィカルユーザインターフェースは、放射線治療アセンブリの各サブシステムのステータスバーまたはアイコンを備えてもよい。ステータスバーまたはアイコンの外観は、規則的時間間隔において、および/またはユーザによる所望に応じて、更新されてもよい。異常信号が、生成され、インタロックが、トリガされると、そのサブシステムに関するステータスバーまたはアイコンは、色を変化させてもよい(例えば、赤色に変わる)。ユーザは、次いで、ステータスバーまたはアイコンをクリックし、エラーの説明を取得し、および/またはそのサブ構成要素のさらなる試験および/または較正を開始してもよい。異常が、本明細書に説明される方法のうちの1つ以上のものを使用して検出されると、PET検出器に関するアイコン(例えば、PET検出器アレイあたり1つのアイコン)、および/またはガントリ運動/位置エンコーダに関するアイコン、および/または較正源および任意の他のサブシステムに関するアイコンは、色または形態を変化させてもよい。ユーザは、アイコンのうちの任意の1つをクリックし、トラブルシューティングを行う、またはそのサブシステムのステータスについてのさらなる詳細を取得してもよい。代替として、または加えて、異常信号はまた、ユーザに、PETトレーサが患者に適切に導入されたことを確認するようにプロンプトしてもよい。
【0098】
いくつかの変形例では、異常信号は、異常状態にある1つ以上の陽電子放出検出器を備えてもよい。異常検出器の数は、所定の閾値と比較され(526)、非アクティブ化すべき異常検出器を決定してもよい。これらの変形例のうちのいくつかでは、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイの陽電子放出検出器のうちの少なくとも1つが、異常信号(528、530)に基づいて、非アクティブ化されてもよい。一実施例では、最大3つの陽電子放出検出器が、陽電子放出検出器のうちの最大3つにおける異常を示す異常信号に基づいて、非アクティブ化されてもよい(528)。逆に言えば、検出器の第1のアレイおよび第2のアレイはそれぞれ、検出器のうちの4つ以上のものにおける異常を示す異常信号に基づいて、非アクティブ化されてもよい(530)。陽電子放出検出器のサブセットを非アクティブ化することは、陽電子放出検出器のうちのいくつかが較正されないとき、患者撮像および/または放射線療法治療が継続することを可能にする。異常検出器の閾値数は、任意の数の検出器であってもよいことを理解されたい。例えば、単一PET検出器が、異常である、または較正されていない場合でも、治療放射線の送達は、一時停止されてもよく、および/または治療セッションは、停止されてもよい。
【0099】
いくつかの変形例では、放射線源を使用した患者の放射線療法治療は、異常信号に応答して、停止されてもよい(532)。例えば、放射線療法治療は、異常信号が生成された後、約0.01秒以内に停止され、それによって、1つ以上の陽電子放出検出器の較正の喪失に起因する患者への潜在的有害を有意に低減させ得る。較正を1日1回検証する、従来の品質保証(QA)手順は、PET検出器較正をリアルタイムで監視することが不可能である。
【0100】
いくつかの変形例では、放射線治療アセンブリは、QA手順を受け、異常信号を検証し、次いで、必要に応じて、異常検出器を再較正してもよい。1つ以上の陽電子放出検出器は、プロセッサによって、較正データを使用して較正されてもよい(534)。例えば、プロセッサは、較正データ内の一貫した時間オフセット誤差を補償することによって、陽電子放出検出器のうちの1つ以上のもの(例えば、光検出器のダイナミックレンジ)を再較正してもよい。調節または補正され得る、1つ以上の陽電子放出検出器の他の側面は、エネルギー較正、エネルギー分解能、検出器計数レート均一性、および/または不感時間補正を含んでもよい。
【0101】
いくつかの変形例では、検出器ステータスが、異常信号、陽電子放出検出器非アクティブ化、放射線療法治療ステータス、および陽電子放出検出器較正のうちの1つ以上のものに基づいて、出力されてもよい(536)。放射線治療アセンブリに結合される、1つ以上の視覚的、聴覚的、および触覚的感覚出力システムが、検出器ステータスをオペレータ等のユーザに出力するために使用されてもよい。例えば、放射線治療アセンブリに結合される、ディスプレイは、検出器ステータスをオペレータに表示してもよい。検出器ステータスは、持続的に、所定の間隔において、ステータスの変化に応じて、および異常信号を生成することに応じて、出力されてもよい。加えて、または代替として、検出器ステータスは、メモリ内に記憶され、および/またはネットワークを経由して伝送され、遠隔オペレータ、システムベンダ、規制機関のうちの1つ以上のものに出力および/または表示され、および/またはデータベース内に記憶されてもよい。
【0102】
本明細書に説明されるいくつかの変形例は、種々のコンピュータ実装動作を実施するための命令またはコンピュータコードをその上に有する非一過性コンピュータ可読媒体(非一過性プロセッサ可読媒体とも称され得る)を伴う、コンピュータ記憶製品に関する。コンピュータ可読媒体(またはプロセッサ可読媒体)は、それ自体が一過性伝搬信号(例えば、空間またはケーブル等の伝送媒体上で情報を搬送する伝搬電磁波)を含まないという意味において、非一過性である。媒体およびコンピュータコード(コードまたはアルゴリズムとも称され得る)は、具体的目的または複数の目的のために設計および構築されたものであり得る。非一過性コンピュータ可読媒体の実施例として、限定ではないが、ハードディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、および磁気テープ等の磁気記憶媒体、コンパクトディスク/デジタルビデオディスク(CD/DVD)、コンパクトディスク-読取専用メモリ(CD-ROM)、およびホログラフィックデバイス等の光学記憶媒体、光学ディスク等の磁気光学記憶媒体、ソリッドステートドライブ(SSD)およびソリッドステートハイブリッドドライブ(SSHD)等のソリッドステート記憶デバイス、搬送波信号処理モジュール、および特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、読取専用メモリ(ROM)、およびランダムアクセスメモリ(RAM)デバイス等、プログラムコードを記憶および実行するように特別に構成される、ハードウェアデバイスが挙げられる。本明細書に説明される他の変形例は、コンピュータプログラム製品に関し、これは、例えば、本明細書に開示される命令および/またはコンピュータコードを含み得る。
【0103】
本明細書に説明されるシステム、デバイス、および/または方法は、ソフトウェア(ハードウェア上で実行される)、ハードウェア、またはそれらの組み合わせによって実施されてもよい。ハードウェアモジュールは、例えば、汎用プロセッサ(またはマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラまたはマルチコアプロセッサ)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。ソフトウェアモジュール(ハードウェア上で実行される)は、C、C++、Java(登録商標)、Ruby、Visual Basic(R)、および/または他のオブジェクト指向、手続型、または他のプログラミング言語および開発ツールを含む、種々のソフトウェア言語(例えば、コンピュータコード)で表されてもよい。コンピュータコードの実施例として、限定ではないが、マイクロコードまたはマイクロ命令、コンパイラ等によって生産された機械命令、ウェブサービスを生産するために使用されるコード、およびインタプリタを使用してコンピュータによって実行されるより高いレベルの命令を含有する、ファイルが挙げられる。コンピュータコードの付加的実施例として、限定ではないが、制御信号、暗号化コード、および圧縮コードが挙げられる。
【0104】
前述の変形例は、明確性および理解の目的のために、例証および実施例として、ある程度詳細に説明されたが、ある変更および修正が、実践されてもよく、添付の請求項の範囲内であるように意図されることが明白であろう。加えて、本明細書に説明されるシステムおよびデバイスの構成要素および特性は、任意の組み合わせにおいて使用されてもよいことを理解されたい。具体的図に関するある要素または特性の説明は、限定することを意図するものではなく、それらは、要素が他の説明される要素のいずれかと組み合わせ使用されることができないことを示唆するものとして解釈されるべきでもない。上記に説明される変形例の全てに関して、方法のステップは、連続して実施されなくてもよい。いくつかのステップは、方法の全てのステップが実施されなくてもよいように、随意である。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
【外国語明細書】