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特開2022-163234特典提供システム及び特典提供プログラム並びにそのためのサーバ装置
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  • 特開-特典提供システム及び特典提供プログラム並びにそのためのサーバ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022163234
(43)【公開日】2022-10-25
(54)【発明の名称】特典提供システム及び特典提供プログラム並びにそのためのサーバ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20221018BHJP
   A63F 13/65 20140101ALI20221018BHJP
   A63F 13/21 20140101ALI20221018BHJP
   A63F 13/212 20140101ALI20221018BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/65
A63F13/21
A63F13/212
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131655
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2019000931の分割
【原出願日】2018-03-13
(71)【出願人】
【識別番号】599115217
【氏名又は名称】株式会社 ディー・エヌ・エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】忍頂寺 毅
(57)【要約】
【課題】ユーザが抽選権利を取得した後に抽選確率を変更する特典提供システムを提供する。
【解決手段】ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、ユーザの運動量を取得し、ユーザによって抽選権利が取得されたときからのユーザの運動量を算出し、ユーザの運動量に応じて抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段とを備える特典提供システムとする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、
前記ユーザの運動量を取得し、前記ユーザによって前記抽選権利が取得されたときからの前記ユーザの運動量を算出し、前記ユーザの運動量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段と、
を備えることを特徴とする特典提供システム。
【請求項2】
請求項1に記載の特典提供システムであって、
前記ユーザの運動量は、前記ユーザの累計歩数であることを特徴とする特典提供システム。
【請求項3】
請求項1に記載の特典提供システムであって、
前記ユーザの運動量は、前記ユーザの累計メッツ量であることを特徴とする特典提供システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載の特典提供システムであって、
前記抽選確率変更手段は、前記抽選権利を複数同時に使用した場合に前記ユーザの運動量に加えて前記抽選権利が取得された後に変化する前記ユーザの運動量以外の要素の変化量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更することを特徴とする特典提供システム。
【請求項5】
コンピュータを、
ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、
前記ユーザの運動量を取得し、前記ユーザによって前記抽選権利が取得されたときからの前記ユーザの運動量を算出し、前記ユーザの運動量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段と、
して機能させることを特徴とする特典提供プログラム。
【請求項6】
ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、
前記ユーザの運動量を取得し、前記ユーザによって前記抽選権利が取得されたときからの前記ユーザの運動量を算出し、前記ユーザの運動量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段と、
を備えることを特徴とするサーバ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特典提供システム及び特典提供プログラム並びにそのためのサーバ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ゲームにおいて、ユーザのプレイに応じて電子ゲーム内で使用可能なアイテム等の特典を抽選により提供することが行われている。例えば、ユーザのプレイが所定の条件を満たすと、抽選確率が設定された抽選権利をユーザが取得可能にし、この抽選権利を取得したユーザが使用することによって当該抽選確率に応じてゲーム内で利用可能な特定のオブジェクトが抽選される。このとき、提示された抽選権利をユーザが取得しなかった場合、次に所定の条件が満たされたことに基づいて提示された抽選権利に設定される抽選確率を上昇させる技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6226160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、ユーザが抽選権利を取得しない状態において、所定の条件を満たした場合に抽選確率を上昇させる構成とされている。したがって、ユーザが抽選権利を取得した後に抽選確率は変更されることがなく、抽選確率を取得したユーザ自らが積極的に抽選権利に設定される抽選確率を変更しているという実感を得ることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、前記ユーザの運動量を取得し、前記ユーザによって前記抽選権利が取得されたときからの前記ユーザの運動量を算出し、前記ユーザの運動量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段と、を備えることを特徴とする特典提供システムである。
【0006】
また、本発明の別の態様は、コンピュータを、ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、前記ユーザの運動量を取得し、前記ユーザによって前記抽選権利が取得されたときからの前記ユーザの運動量を算出し、前記ユーザの運動量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段と、して機能させることを特徴とする特典提供プログラムである。
【0007】
また、本発明の別の態様は、ユーザに付与される特典の抽選を行うために使用される抽選権利を提供する抽選権利提供手段と、前記ユーザの運動量を取得し、前記ユーザによって前記抽選権利が取得されたときからの前記ユーザの運動量を算出し、前記ユーザの運動量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更する抽選確率変更手段と、を備えることを特徴とするサーバ装置である。
【0008】
ここで、前記ユーザの運動量は、前記ユーザの累計歩数であることが好適である。
【0009】
また、前記ユーザの運動量は、前記ユーザの累計メッツ量であることが好適である。
【0010】
また、前記抽選確率変更手段は、前記抽選権利を複数同時に使用した場合に前記ユーザの運動量に加えて前記抽選権利が取得された後に変化する前記ユーザの運動量以外の要素の変化量に応じて前記抽選権利が使用された際の特典の抽選確率を変更することが好適である。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ユーザが抽選権利を取得した後に抽選確率を変更する特典提供システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態における特典提供システムの構成を示す図である。
図2】本発明の実施の形態におけるサーバの構成を示す図である。
図3】本発明の実施の形態における通信端末の構成を示す図である。
図4】本発明の実施の形態における特典提供処理を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態における抽選権利データベースの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態における特典提供システム100は、図1に示すように、サーバ102及び通信端末104を含んで構成される。サーバ102と通信端末104は、インターネット等の情報通信網106を介して情報交換可能に接続される。サーバ102と通信端末104との通信は、無線及び有線のいずれであってもよい。
【0014】
サーバ102は、図2に示すように、処理部10、記憶部12、入力部14、出力部16及び通信部18を含んで構成される。サーバ102は、一般的なコンピュータとすることができる。
【0015】
処理部10は、CPU等を含んで構成され、サーバ102における処理を統合的に行う。処理部10は、記憶部12に記憶されている特典提供プログラムを実行することにより、通信端末104において特典を提供することを可能にする。記憶部12は、サーバ102における特典提供処理において用いられる特典提供プログラムや処理に関する情報を記憶する。記憶部12は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク等で構成することができる。入力部14は、サーバ102に対して情報を入力するための手段を含む。入力部14は、例えば、タッチパネル、キーボード等を含んで構成される。出力部16は、サーバ102で処理された情報を表示させる手段を含む。出力部16は、例えば、ディスプレイとすることができる。通信部18は、通信端末104との情報交換を行うためのインターフェースを含んで構成される。通信部18は、例えば、インターネット等の情報通信網106に接続されることによって、通信端末104との通信を可能にする。
【0016】
通信端末104は、図3に示すように、処理部20、記憶部22、入力部24、出力部26及び通信部28を含んで構成される。通信端末104は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末等とすることができる。
【0017】
処理部20は、CPU等を含んで構成され、通信端末104における処理を統合的に行う。処理部20は、記憶部22に記憶されている端末プログラムを実行することにより、サーバ102からの特典の提供を受けるために必要な処理を行う。記憶部22は、通信端末104における処理において用いられる端末プログラムや各種情報を記憶する。記憶部22は、例えば、半導体メモリ、ハードディスク等で構成することができる。入力部24は、通信端末104に対して情報を入力するための手段を含む。入力部24は、例えば、タッチパネル、キーボード等を含んで構成される。出力部26は、通信端末104で処理された情報を表示させる手段を含む。出力部26は、例えば、タッチパネルやディスプレイとすることができる。通信部28は、サーバ102との情報交換を行うためのインターフェースを含んで構成される。通信部28は、例えば、インターネット等の情報通信網106に接続されることによって、サーバ102との通信を可能にする。
【0018】
本実施の形態における特典提供システム100では、電子ゲーム等の仮想空間において利用可能なアイテム等の特典や実社会で利用可能なクーポン等の特典を抽選により提供する処理に特徴を有する。例えば、通信端末104を用いてサーバ102と通信することによって通信端末104に提供される電子ゲームにおいて特典が提供されるようにすればよい。また、与えられる特典は、特に限定されるものではなく、例えば、電子ゲームにおいて所定の敵キャラクタ(レイドボス)の発生、所定のイベントの発生、所定のゲームステージにおけるアイテムドロップの排出等を抽選により与えるものであってもよい。このとき、電子ゲームの内容は、特に限定されるものではなく、複数のユーザが参加する対戦型の電子ゲームであってもよいし、ユーザが単独でプレイする電子ゲームであってもよい。さらに、通信端末104を用いてサーバ102と通信することによって通信端末104に提供されるサービスは電子ゲームでなくてもよい。
【0019】
以下、図4のフローチャートを参照して、本実施の形態における特典提供処理について説明する。サーバ102は特典提供プログラムを実行し、通信端末104は端末プログラムを実行することによって、以下の各ステップにおける処理を行うことで特典提供処理が実現される。本実施の形態では、ユーザが通信端末104を用いてサーバ102にアクセスし、サーバ102から提供される電子ゲームをプレイする例について説明する。
【0020】
ステップS10では、ユーザに対して抽選権利の提供が行われる。本ステップにおける処理によって、特典提供システム100は抽選権利提供手段として機能する。サーバ102は、通信部18及び通信部28を介して、サーバ102に通信接続して電子ゲームをプレイしているユーザが使用している通信端末104に対して抽選権利を受けることができることを示す情報を送信する。抽選権利を受けることができることを示す情報は、抽選権利を特定する抽選権利IDとすることができる。サーバ102は、例えば、電子ゲームにおいて所定の条件を満たしたときに抽選権利を提供するようにすればよい。所定の条件は、特に限定されるものではないが、例えば、電子ゲームにログインした場合、電子ゲームにおいて所定のステージをクリアした場合、電子ゲームにおいて課金した場合等とすることができる。
【0021】
ステップS12では、抽選権利の取得処理が行われる。本ステップにおける処理によって、特典提供システム100は抽選権利取得手段として機能する。通信端末104は、ステップS10にて通信端末104から抽選権利の提供を示す情報を受け付けると、入力部24を用いたユーザの操作に応じて抽選権利を取得する処理を行う。具体的には、ユーザが抽選権利を取得する操作を行った場合、通信端末104の処理部20は、図5に示すように、取得した抽選権利を特定する抽選権利ID及び取得した時刻を関連付けて抽選権利データベースとして記憶部22に記憶させる。
【0022】
ステップS14では、抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量が求められる。本ステップにおける処理によって、特典提供システム100は変化量取得手段として機能する。通信端末104の処理部20は、ステップS12において抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量を取得する。
【0023】
ここで、抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量とは、電子ゲームにおいて使用されないパラメータであることが好適である。電子ゲームにおいて使用されないパラメータは、例えば、抽選権利が取得されたときからの経過時間、抽選権利が取得されたときからの通信端末104の位置の変化量(移動距離、通信端末104を使用した場所の累計数等)、抽選権利が取得されたときからの外気温の変化量、抽選権利が取得されたときからのユーザの運動量(累計歩数、累計メッツ量等)、抽選権利が取得されたときからのユーザの生体情報の変化量(脈拍数の変化、脈拍数の累計値等)、抽選権利が取得されたときからの通信端末104の操作に関する変化量(通信端末104の累計使用回数、通信端末104を振った累計回数等)とすることができる。
【0024】
また、要素の変化量は、通信端末104の電源に関連した変化量(電力消費量、充電回数、所定期間中に所定電池充電残量になった回数等)としてもよい。例えば、3日間で満充電に3回以上なった場合、5日間で1度も電池充電残量が20%にならなかった場合、5日間に電源オフにしなかった場合、等としてもよい。
【0025】
また、要素の変化量は、通信端末104の無線や通信に関連した変化量(電波強度、データ通信量等)としてもよい。例えば、WiFi以外の通信手段でのデータ通信量が所定週間で所定通信容量未満である場合、所定期間内においてWiFi以外の通信手段でゲームアプリを利用した回数が所定回数以上である場合、等としてもよい。
【0026】
また、要素の変化量は、通信端末104の所定機能の利用実績に関する変化量(アプリケーションを立ち上げた回数、電話の着信があった回数、通話した回数、通話時間等)としてもよい。例えば、所定の期間内に所定のアプリケーションを立ち上げた回数が所定回数以上である場合、所定の期間内に電話の着信があった回数が所定回数以上である場合、所定の期間内に通話した回数が所定回数以上である場合、所定の期間内に通話時間が所定時間以上である場合としてもよい。
【0027】
また、要素の変化量は、スケジュールやToDoを設定した回数やそれを達成した回数等としてもよい。また、通信端末104のその他センサにより取得可能な変化量としてもよい。例えば、 照度センサを用いて、所定の照度以上の場所でゲームアプリを起動した回数や所定の照度以上の昼間にゲームアプリを起動した回数等としてもよい。
【0028】
また、要素の変化量は、それぞれの量を測定するためのセンサを通信端末104に設けておくことで取得することができる。例えば、変化量の取得のパターンとしては、通信端末104内の他のアプリケーションで取得してもよい。また、他の端末で計測した量を取得するようにしてもよい。
【0029】
また、抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量とは、電子ゲームにおいて使用されるパラメータとすることが好適である。電子ゲームにおいて使用されるパラメータは、例えば、抽選権利が取得されたときからの電子ゲームにおける味方のスタミナ値の変化量(味方のヒットポイントの増減累積値等)、抽選権利が取得されたときからの電子ゲームにおいて敵に与えたダメージ値の変化量(敵のヒットポイントの減少累積値等)、抽選権利が取得されたときから電子ゲームにおいてクリアされたステージの累積数、抽選権利が取得されたときから電子ゲームをプレイした累積時間、抽選権利が取得されたときから電子ゲームにおいて獲得したアイテムに関する変化量(獲得したアイテム累計数、獲得したアイテムの種類等)、抽選権利が取得されたときから電子ゲームをプレイしたフレンドに関する変化量(電子ゲームをプレイしたフレンドの累積数等)、抽選権利が取得されたときから倒した敵の数、抽選権利が取得されたときから使用されたアイテムの使用量とすることができる。
【0030】
例えば、要素の変化量は、プレイヤがゲーム内のクエストを実行する際に消費される行動力ポイントの累計消費量であってもよい。
【0031】
なお、抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量が増減する場合は、抽選権利を取得した時点から使用する時点までの最大変化量としてもよいし、平均変化量としてもよい。このとき、抽選権利を使用した際に抽選によってユーザに与えられる特典がユーザにとって最も有利になるように要素の変化量を取得するようにすることが好適である。
【0032】
また、抽選権利が取得された後、ユーザによって所定の操作や処理が実行された時点からの要素の変化量を用いるようにしてもよい。例えば、ユーザによって抽選権利の使用を保留する操作が行われた後に変化する要素の変化量を取得するようにしてもよい。
【0033】
処理部20は、抽選権利毎に当該抽選権利が取得されてから次のステップS16において使用されるまでの要素の変化量を取得し、抽選権利データベースにおいて抽選権利毎に関連付けて記録させる。図5では、要素の変化量として抽選権利が取得されたときからの経過時間を抽選権利データベースに登録した例を示している。
【0034】
ステップS16では、使用する抽選権利の選択処理が行われる。本ステップにおける処理によって、特典提供システム100は抽選権利選択手段として機能する。通信端末104の処理部20は、入力部24を用いてユーザから抽選権利データベースに登録されている未使用の抽選権利を選択して使用する指示を受け付ける。そして、処理部20は、通信部28及び通信部18を介して、選択された抽選権利の抽選権利ID及び関連付けて記録されている要素の変化量をサーバ102へ送信する。
【0035】
ステップS18では、抽選権利が使用されたときの抽選確率を変更する処理が行われる。本ステップにおける処理によって、特典提供システム100は抽選確率変更手段として機能する。サーバ102の処理部10は、通信端末104から送信された抽選権利ID及び要素の変化量を受信すると、当該要素の変化量に応じて当該抽選権利IDを使用したときの特典に対する抽選確率を変更する処理を行う。
【0036】
例えば、抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量が抽選権利を取得したときからの経過時間である場合、当該抽選権利を使用したときにユーザに付与される特定の特典が抽選される確率を上昇させる処理を行う。具体例では、抽選権利を使用した場合に電子ゲームで使用できるアイテムを抽選によりユーザに付与する構成において、経過時間が長いほど当該アイテムが提供される確率を上昇させるようにすればよい。
【0037】
また、例えば、複数の特典のうち抽選で選択された特典がユーザに付与される場合、当該複数の特典の各々が抽選される確率を変更するようにしてもよい。具体例では、抽選権利を使用した場合に電子ゲームで使用できる複数のアイテムのうち1つを抽選によりユーザに付与する構成において、経過時間に応じてアイテム毎に抽選により選択される確率を変更するようにすればよい。
【0038】
具体例として、ガチャと呼ばれる抽選において複数アイテムの各々にレアリティ等のパラメータが設定されており、経過時間などに応じて当該複数のアイテムのうち所定パラメータ(レアリティ)以上のアイテムの抽選確率を上昇させるようにしてもよい。また、変化量に何段階かの閾値を設けておき、変化量が当該閾値を超える度に段階的に確率を上昇させるようにしてもよい。
【0039】
同様に、通信端末104の位置の変化量(移動距離、通信端末104を使用した場所の累計数等)、抽選権利が取得されたときからの外気温の変化量、抽選権利が取得されたときからのユーザの運動量(累計歩数、累計メッツ量等)、抽選権利が取得されたときからのユーザの生体情報の変化量(脈拍数の変化、脈拍数の累計値等)、抽選権利が取得されたときからの通信端末104の操作に関する変化量(通信端末104の累計使用回数、通信端末104を振った累計回数等)に応じて抽選権利が使用された際にユーザに提供される特典に対する確率を変更するようにしてもよい。また、抽選権利が取得されたときからの電子ゲームにおける味方のスタミナ値の変化量(味方のヒットポイントの増減累積値等)、抽選権利が取得されたときからの電子ゲームにおいて敵に与えたダメージ値の変化量(敵のヒットポイントの減少累積値等)、抽選権利が取得されたときから電子ゲームにおいてクリアしたステージの累積数、抽選権利が取得されたときから電子ゲームをプレイしている累積時間、抽選権利が取得されたときから電子ゲームにおいて獲得したアイテムに関する変化量(獲得したアイテム累計数、獲得したアイテムの種類等)、抽選権利が取得されたときから電子ゲームをプレイしたフレンドに関する変化量(電子ゲームをプレイしたフレンドの累積数等)に応じて抽選権利が使用された際にユーザに提供される特典に対する抽選確率を変更するようにしてもよい。
【0040】
ステップS20では、特典を抽選及び提供する処理が行われる。本ステップにおける処理によって、特典提供システム100は特典提供手段として機能する。サーバ102の処理部10は、ステップS18において抽選権利に対して設定された抽選確率に基づいてユーザに対して特典を提供するための抽選を行う。そして、処理部10は、通信部18及び通信部28を介して、抽選の結果として提供することになった特典を通信端末104へ送信する。通信端末104の処理部20は、送信されてきた特典を受信する。これによって、ユーザに対して特典が付与される。
【0041】
<変形例>
本変形例では、複数の抽選権利を同時に使用する例について説明する。すなわち、ステップS16において、ユーザが複数の抽選権利を選択して、同時に使用した場合についてステップS18及びS20の処理を説明する。
【0042】
ステップS18では、抽選権利が使用されたときの抽選確率を変更する処理が行われる。サーバ102の処理部10は、通信端末104から送信された複数の抽選権利についての抽選権利ID及び要素の変化量を受信すると、当該要素の変化量を組み合わせて当該抽選権利IDを使用したときの特典に対する抽選確率を変更する処理を行う。
【0043】
例えば、複数の抽選権利に対する要素の変化量を足し合わせた加算値を算出し、当該加算値に応じて特典を提供するための抽選確率を変更するようにすればよい。具体例では、抽選権利が取得された後に変化する要素の変化量が抽選権利が取得されたときからの経過時間である場合、複数の抽選権利を使用したときに経過時間の加算値が大きいほど特典が提供される確率を上昇させるようにすればよい。他の要素の変化量を採用した場合も同様に処理すればよい。
【0044】
なお、要素の変化量を組み合わせは、複数の抽選権利に対する要素の変化量を加算することに限定されるものではなく、積算値、平均値等の他の算術的な処理としてもよいし、なんらかの統計的な処理を適用してもよい。
【0045】
ステップS20では、特典を抽選及び提供する処理が行われる。サーバ102の処理部10は、ステップS18において複数の抽選権利に対する要素の変化量に基づいて設定された抽選確率に基づいてユーザに対して特典を提供するための抽選を行う。
【符号の説明】
【0046】
10 処理部、12 記憶部、14 入力部、16 出力部、18 通信部、20 処理部、22 記憶部、24 入力部、26 出力部、28 通信部、100 特典提供システム、102 サーバ、104 通信端末、106 情報通信網。
図1
図2
図3
図4
図5